JPH0797829A - 密閉式壁構造 - Google Patents

密閉式壁構造

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JPH0797829A
JPH0797829A JP26587293A JP26587293A JPH0797829A JP H0797829 A JPH0797829 A JP H0797829A JP 26587293 A JP26587293 A JP 26587293A JP 26587293 A JP26587293 A JP 26587293A JP H0797829 A JPH0797829 A JP H0797829A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に冷暖房時における結露の発生を防止し、
かつ壁内の湿気保有を防止できる密閉式壁構造を提供す
る。 【構成】 発泡体3が透湿性中板材2の内側面に形成さ
れてなる中壁材1の外側に、上部および下部が外気に開
放された第1の空隙Sを介して外壁材6が取り付けら
れ、上記中壁材6の内側に屋内側に開放された第2の空
隙Sを介して内壁材8が取り付けられてなる。ここ
で、透湿性中板材2の外側面に透湿防水層(防水紙4)
を形成することもできるし、上記発泡体3を現場吹き付
け工法により形成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に冷暖房時における
結露量を低減し、かつ壁内の湿気保有を防止できる密閉
式壁構造に関する。
【0002】
【技術の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、冷暖房設備が広く普及するのに伴い、建造物の壁構
造には断熱のための種々の工夫が施されるようになって
おり、たとえば、外壁材と内壁材との間にグラスウール
層,合成樹脂発泡体層等を充填等により配置して、外気
側と屋内側と間での熱の移行を極力低減することが広く
行われている。
【0003】しかし、冷暖房時においては、上記グラス
ウール層,合成樹脂発泡体層における温度勾配が大きく
なるので、該層の内部や表面に結露が生じ易くなる。こ
のような結露による水分は、壁内部に残溜してカビの発
生や構造材の腐食を助長し、衛生環境の低下、建造物を
短命化を招くといった問題がある。このため、従来、結
露の発生を防止したり、あるいは生じた結露を速やかに
除去する技術が提案されている。
【0004】たとえば、実開昭5−42415号出願明
細書に示す通気構造では、図10に示すように、断熱壁
パネル81の外側,内側にそれぞれ第1,第2の空隙S
′,S′を介して外装材82,内装材83を設けて
いる。第1の空隙S′は、下部にて外気に開放されて
おり、屋根材84と屋根用断熱パネル85との間に形成
された空隙S′に連通し、この空隙S′は、通気口
86にて外気に開放されている。この通気構造では、外
気は第1の空隙S′の下部から該空隙S′内に入り
込み、第3の空隙S′,通気口86を介して大気中に
逃がされる。一方、床下空間87の空気は、断熱床パネ
ル89の縁部に設けた欠切部Cから上記空隙S′を介
して小屋裏空間88に入り、この後、小窓90から外気
に逃がされる。
【0005】上記の通気構造では、空隙S′,S
内での空気の流れが少ないほど結露が発生し易く(ある
いは、発生した結露は気化しにくく)、逆に空隙
′,S′での空気の流れが多いほど結露が発生し
にくくなる(あるいは、発生した結露は気化し易くな
る)ことを利用したものである。この通気構造によれ
ば、上記空気の流れにより断熱壁パネル81や内装材8
3表面での結露の発生が防止される。
【0006】ところが、結露は、湿った空気が冷却され
ることで生ずる。上記の通気構造では、床下の空気(外
気温度に近い)を空隙S′を流しているので、たとえ
ば高温湿潤な外気環境下において室内を冷房している場
合には、内装材83の空隙S′側に結露が生ずると考
えられる。また、気温の低い外気環境下において室内を
暖房している場合には、断熱壁パネル81の室内側に結
露が生ずると考えられる。このように、図10の通気構
造では、必ずしも有効に結露防止を図ることができない
といった問題がある。
【0007】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに提案されたものであって、その目的とするところ
は、特に冷暖房における結露を防止し、かつ壁内の湿気
保有を防止できる密閉式壁構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉式壁構造
は、発泡体が透湿性中板材の内側面に形成されてなる中
壁材の外側に上部(たとえば、軒下開口部,屋根頂部の
通気口等)および下部(たとえば、外壁材の裾部分)が
外気に開放された第1の空隙を介して外壁材が取り付け
られ、上記中壁材の内側に上部において屋内側に開放さ
れた第2の空隙を介して内壁材が取り付けられてなるこ
とを特徴とする。なお、ここで、屋内側とは、外気とは
遮断された室内,小屋裏,床下空間を意味している。ま
た、上記透湿性中板材の外側面に透湿防水層が形成され
てなることを特徴とし、さらに上記発泡体が現場吹き付
け工法により形成されることをも特徴とする。
【0009】本発明において、透湿性中板材として合
板,断熱ボードが使用される。ここで、「透湿性」とは
一般に透湿抵抗により特定される性質を意味する。透湿
性中板材は、発泡体内に蓄積した湿気を該中板材を介
して第1の空隙に逃がす作用をなす一方、外気(第1
の空隙の空気)中に含まれる湿気が中板材を介した発泡
体内に入り込むことを防止する必要がある。このため、
中板材の透湿抵抗が大き過ぎるとの作用を発現するこ
とができなくなるし、あまり小さすぎるとの湿気の入
り込みを防止することができなくなる。通常は、透湿性
中板材は、透湿抵抗は1〜30mhmmHg/g程度
のものが採用される。
【0010】中板材の透湿抵抗が低い場合(たとえば、
0.9mhmmHg/g程度以下の場合)や、雨滴等
の水滴が直接中板材に付着する可能性がある場合等にお
いては、中板材の外面側の必要箇所あるいは全面に透湿
防水層(透湿抵抗が1〜30mhmmHg/g程度の
もの)を形成することができる。この透湿防水層は、塗
布により形成してもよいし透湿防水紙等を貼着すること
により形成してもよい。
【0011】外壁材,内壁材の素材には特に限定はない
が、通常、外壁材として金属サイディング,窯業系サイ
ディング,ALC板,セラミック板等が、内壁材として
石膏ボード,合成樹脂ボード,合板等が使用される。
【0012】本発明においては、建造物の断熱効果をよ
り高めるために、第2の空隙が上部以外で外気と遮断し
ている必要がある。壁と床との境界や壁の目地等から第
2の空隙内に外気が入り込まないようにするために、上
記境界や目地等をパテやテープを用いて塞ぐこともでき
るが、より優れた断熱効果および高い作業能率を得るた
めには、建築過程において(内壁を形成する前に)スプ
レーガンにより発泡体を建物の内側から壁面の内側や目
地等に吹き付けしておくことが好適である。
【0013】上記発泡体としては、硬質ポリウレタンフ
ォーム,ポリイソシアヌレートフォーム,フェノールフ
ォーム,ポリスチレンフォーム,ABSフォーム,ポリ
エチレンフォーム,ポリプロピレンフォーム,ポリオレ
フィンフォーム,EVAフォーム,PVCフォーム,P
VAフォーム,ユリアフォーム,エポキシフォーム,ポ
リエステルフォーム,フォームラバーおよびその他の断
熱性を有する材料が適用されるが、現場吹き付けされる
発泡体としては、特に硬質ポリウレタンフォームが好適
である。
【0014】
【作用】本発明の密閉式壁構造では、第2の空隙は外気
に開放されていないので、冷暖房等により外気と室内と
の温度差が大きい場合においても、室内と第2の空隙と
の温度差はさ程は大きくない。したがって、内壁材の内
外面(たとえば冷房時においては内壁材の第2の空隙側
の面、暖房時においては内壁材の室内側の面)に結露が
生じる可能性はない。発泡体を吹き付けにより形成する
場合には、気密性が高まり、室内と外気との温度差をよ
り小さくすることができるとともに、すき間からの湿気
の侵入を防止することができる。
【0015】夏季、冷房時において、湿気は外気より室
内側に移動することになるが、温度勾配が一番大きいの
は発泡体であり、また第2の空隙が外気と遮断してお
り、しかも断熱層として作用するため、結露が生じる虞
はない。一方、冬期、暖房時は、湿気の移動が室内側よ
り外気に向かうが、第1の空隙は、下部および上部にお
いて外気に開放されており、該空隙においては空気が常
時流通している。したがって、湿気は、透湿性中板材を
介して、第1の空隙内に逃がされ、該空隙の上部から外
気に開放される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の密閉式壁構造を図面を参照し
つつ説明する。図1は、床下を含めて表す本発明の壁構
造の一実施例を示す図であり、中壁材1は透湿性中板材
2の内側面(室内側)に発泡体3が吹き付けられて構成
されており、また板材2の外側面に透湿防水層(同図で
は透湿防水紙4)が貼着されている。
【0017】上記発泡体3として、たとえばアキレス株
式会社製の「アキレスエアロン−R」が用いられる。こ
れは、イソシアネート原液とレジン原液とを混合して硬
質ポリウレタンフォームとして、これを壁面に吹き付け
て形成したものである。この吹き付けは、後述する内壁
材8の施工前に行われる。なお、同図では、すじかい5
が発泡体3内に埋もれた状態で示してある。
【0018】また、中壁材1の外側には第1の空隙S
(ただし、図では間柱7も併せて図示している)を介し
て外壁材6が設けられており、中壁材1の内側には第2
の空隙Sを介して内壁材8(同図では石膏ボード)が
設けられている。なお、図示はしないが、内壁材8の室
内側には適宜、壁紙,壁板,塗り壁等が造作される。
【0019】図1においては、コンクリート基礎9の上
部にスペーサ10を介して土台11が設置され、該土台
11に連続して上記壁構造が、また大引12の上に渡さ
れた根太13上に床板14がそれぞれ設けられ、上記大
引12と床板との間には床下断熱材15が設けられてい
る。また、床下には、砕石16上に均し砂17aが盛ら
れ、この上に防湿ポリエチレンフィルム17bが敷きつ
められ、さらにこの上を押さえモルタル17cで押さえ
ている。なお、床下断熱材15は、板状のものを用いて
もよいし、吹き付けで形成してもよい。
【0020】さらに、図1では、コンクリート基礎9に
床下換気口20を設けた構造としてあるが、この換気口
20を設けずに、かつコンクリート基礎9の内側面にも
発泡体3′(図1では二点鎖線で示す)を吹き付けて形
成し、床下を外気から遮断する構造とすることもでき
る。なお、空隙Sと床板14,床下断熱材15間の空
間とは連通しており、また図1の拡大図に示すように、
空隙Sと室内とは内壁材8の接合目地等の僅かな隙間
を介して連通している。コンクリート9′,床板14間
の空間とは、内壁材8と土台11と床板14との当接部
分の僅かな隙間と通して連通している。したがって、コ
ンクリート9′,床板14間の湿気は、上記隙間を介し
てSに逃がされることになる。
【0021】図2は、本発明の本発明の壁構造の他の実
施例を示す図であり、図1と同様床下を含めて表してあ
る。同図では、床下には、砕石16上に均し砂17aが
盛られ、この上に防湿ポリエチレンフィルム17bを介
して断熱板材18が敷設されている。そして、この断熱
板材18上にコンクリート9′を流し込んで床下平面を
形成している。コンクリート9′上に渡された根太13
上に床板14が(また大引の上に渡された根太上に床板
14が)、設けられ、床板14とコンクリート9′との
間には床下断熱材15′が吹き付けにより形成されてい
る(もちろん、床下断熱材15′として板状のものを用
いることもできる)。
【0022】なお、図2では、スペーサ10により生じ
ている、土台11とコンクリート基礎9との間の空隙は
コーキング材19により埋められている。コンクリート
9′,床板14間の空間を、コーキング材19,床下断
熱材15′により、外気から遮断している。なお、S
と室内とは図1に示したと同様に僅かな隙間を通して連
通しており、またSとコンクリート9′,床板14間
の空間とは、内壁材8と土台11と床板14との当接部
分の僅かな隙間を通して連通している。
【0023】図3は、開口部(同図では、窓)におけ
る、壁構造の縦断図であり、窓台21とまぐさ22と2
本の柱23(同図では一方の柱のみを示す)とにより作
られる窓枠構造に、気密サッシ24が取り付けられた様
子が示されており、外壁材6と気密サッシ24との当接
部にはコーキング材25が埋め込まれている。
【0024】上図においては、窓台21,まぐさ22
と、同図中板材2との境界部分には発泡体が吹き付けら
れている。また、図示はしないが気密サッシ24の左右
における柱23と中板材2との境界部分にも発泡体が吹
き付けられている。このような吹き付けを行うことによ
り、第1の空隙Sと第2の空隙Sとは、窓の周囲で
連通することはなく遮断される。窓台21の下部および
まぐさ22の上部においては、胴縁7は切り欠かれてお
り、図4に示すように、第1の空隙Sにおいて、気密
サッシ24の上下での通気は確保されている。
【0025】図5,図6は、出隅および入り隅における
壁構造の水平断面図である。図5において、隅柱31の
屋外側の二側面に中板材2が接して取り付けられてお
り、隅柱31の屋内側に角部には隅角材32を介して、
内壁材8が取り付けられている。また、隅柱31の屋外
側の角部には、隅角材33を介して、外壁材6が取り付
けられている。図6において、隅柱31の屋内側の二側
面に内壁材8が接している。隅柱31の屋外側の角部に
は隅角材34を介して中板材2が取り付けられ、さらに
その外側に隅角材35を介して外壁材6が取り付けられ
ている。
【0026】第1の空隙と第2の空隙とが連通しないよ
うに、図5においては中板材2と隅柱31,隅角材33
との境界に、また図6においては中板材2と隅角材3
4,35との境界にそれぞれ発泡体3が吹き付けられて
いる。
【0027】図7(A)は、壁構造の軒部分および屋根
の断熱構造を示す図である。中板材2と桁41との境界
を介して第1の空隙Sと第2の空隙Sとが連通しな
いように、発泡体3が桁41の側面にかけて吹き付けら
れている。空隙Sは桁41と内壁材8との間の僅かな
空隙(図示せず)を通して小屋裏に連通している。ま
た、空隙Sは軒裏材42の内側の空間Dに連通してお
り、さらにこの空間Dは後述する空隙Sと連通してい
る。なお、空間Dは軒下で外気に連通していてもよい
が、図7(A)では、内側空間Dは軒下で外気と遮断さ
れている場合を示している。
【0028】屋根の断熱構造は以下のように構成されて
いる。すなわち、合板51の内側に発泡体3′′が吹き
付けられており、上記合板51の外側には空隙Sを介
して屋根(屋根材52,ルーフィング53および野地合
板54からなる)が形成されている。なお、同図(A)
では母屋55、垂木56、胴縁57を併記してある。
【0029】図7(B)は、同図(A)のA−A′にお
ける断面を示す図であり、垂木56に、下面に発泡体が
吹き付けられてなる合板51が取り付けられている。該
合板51の垂木57の位置に胴縁57部に設けた胴縁5
7が設けられ、該胴縁57上に屋根が形成されている。
【0030】図8は、屋根頂部における換気の様子を示
す図であり、空隙Sは換気口58を介して外気に連通
している。また、棟木59と合板51との間には空隙が
生じないように発泡体3′′が吹き付けられている。
【0031】図9(A),(B)は、本実施例における
壁構造の温度勾配および湿気の移行状態を示す図であ
る。同図(A)は、夏期の冷房中におけるもので、中板
材1を透過した湿気は、内壁材8を透過して除湿され
る。このとき、第2の空隙Sが断熱層として作用し、
また屋内側に開放されているため、少なくとも発泡体3
の内部には、結露は生じない。また、同図(B)は、冬
期におけるもので、室内で生じた湿気は、外気側に移動
し、第1の空隙Sの空気流通により、大気中に放散さ
れ、結露は生じない。
【0032】上記の湿気移行の作用を以下に述べる。す
なわち、本発明の壁構造では、図10に示した従来の壁
構造と異なり、空隙Sは、室内に連通しているが、空
気の移動が少なく、断熱層として機能(作用)するの
で、室内と該空隙Sとは多少の温度差を生じる。した
がって、発泡体3には結露を生じることなく、外気から
移行した湿気は、透湿抵抗が小さい内壁材8のすき間を
通り、また内壁材8を透過して室内に移行する。
【0033】また、暖房時においては、内壁材8の室内
側に結露することはなく、結露が生じるとすれば専ら発
泡体3内あるいは外側に生じることになるが、湿気は空
隙Sに移行し、空隙S内では空気の流れが大きいの
で換気が行われ、水分を含んだ空気は軒裏から外気に放
出されることになる。
【0034】なお、本発明の密閉壁構造は、年間の気温
が比較的低い地方、年間の気温が比較的高い地方、昼夜
の温度差が大きい地方、湿度が比較的高い地方あるいは
湿度が比較的低い地方等のどのような地方の建造物にも
適用され、有効に結露の発生を防止することができる。
【0035】表1,表2に、室内温度25℃,室内湿度
70%、屋外温度35℃,屋外湿度80%の条件下(夏
期の冷房下)での実験例1,2を示す。ここでは、内壁
材8として石膏ボードの室内側面にPVCクロスが貼着
されたものが、発泡体3として硬質ポリウレタンフォー
ムからなるもの(表において「PUR」と記す)が、透
湿性中板材2として合板が、透湿防水紙4としてタイベ
ック(登録商標)が、外壁材6として金属製のサイディ
ングが使用されている。なお、表において、温度、実在
蒸気圧、結露状態については、各構成の欄に記載されて
いる要素間の値を意味している。たとえば、表1におい
てPVCクロスと石膏ボードとの間の温度は25.34
4℃である。
【0036】実験例1,2では、室内蒸気圧が屋外蒸気
圧よりも低いので、湿気は図9(A)の白抜き矢印で示
すように、屋外側から室内側に向けて移行しようとす
る。実験例1では、PVCクロスの透湿抵抗として2
8.000と高いものを使用し、外気の湿度が高い場合
(結露が生じ易い条件)であっても、表1に示すように
結露は石膏ボードの中空層側の面に生ずるに過ぎない
(*1参照)。したがって、外気から移行した湿気は、
たとえば図1,図2で説明した空隙Sと室内とを連通
させる隙間を通して室内に移行し消失し、あるいは図7
(A)で説明した空隙Sと小屋裏とを連通させる空隙
(図示せず)を通して小屋裏に移行し消失する。実験例
2では、PVCクロスの透湿抵抗として6.000のも
のを使用しており、通常の気象条件下では結露は何れの
部位にも生じておらず、結露の完全な防止が達成されて
いることがわかる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表3に室内温度20℃,室内湿度70%、
屋外温度−10℃,屋外湿度80%の条件下(冬季の暖
房下)での実験例3を、表4に室内温度20℃,室内湿
度70%、屋外温度−10℃,屋外湿度60%の条件下
(冬季の暖房下)での実験例4を示す。ここでも、内壁
材8として石膏ボードの室内側面にPVCクロスが貼着
されたものが、発泡体3としてPURが、透湿性中板材
2として合板が、透湿防水紙4としてタイベックが、外
壁材6としてサイディングが使用されている。実験例
3,4では、室内蒸気圧が屋外蒸気圧よりも高いので、
湿気は図9(B)の白抜き矢印で示すように、屋内側か
ら屋外側に向けて移行し、空隙Sを通して外気に逃げ
ようとする。
【0040】実験例3は、室内側からの湿気の移行を容
易にし、しかも屋外の蒸気圧を高くした場合(結露が発
生し易い条件)であるが、この例ではPURと合板との
境界面に生じる。実験例4は、通常の気象条件である
が、結露は何れの部位にも生じておらず、結露の完全な
防止が達成されていることがわかる。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので以下
の効果を奏することができる。 (1)冷暖房の如何によらず、第2の空隙と室内との温
度差はほとんどない。したがって、内壁材の内外面の何
れにも結露は生じにくい。また、室内の湿気は、主とし
て透湿性中板材(あるいは、透湿防水層があるときは中
板材と該層)を介して第1の空隙を流れる空気により速
やかに外気に逃がされ、屋外の湿気は室内に移行して除
湿されるので、水分が中壁材内部に溜まることはない。 (2)また、発泡体を現場吹き付け工法により形成した
場合には、第1の空隙と第2の空隙とを完全に遮断でき
る。したがって、上記第2の空隙内への水分の侵入を効
率良く防止できるので、より効率良く上記(1)の効果
を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁構造の一実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の壁構造の他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図3】本発明の壁構造の窓部分の説明断面図である。
【図4】図3の窓近傍における空気の流れを示す説明図
である。
【図5】出隅における本発明の壁構造を示す図である。
【図6】入り隅における本発明の壁構造を示す図であ
る。
【図7】本発明の屋根との接続状態を示す図である。
【図8】本発明の屋根との接続状態を示す図である。
【図9】本実施例における壁構造の温度分布を示す図で
あり、(A)は冷房時における分布を、(B)は暖房時
における分布をそれぞれ示す図である。
【図10】従来の断熱壁構造を示す図である。
【符号の説明】
1 中壁材 2 透湿性中板材 3 発泡体 4 透湿防水紙 5 すじかい 6 外壁材 7 間柱 8 内壁材 9 コンクリート基礎 10 スペーサ 11 土台 12 大引 13 根太 14 床板 15 砕石 16 均し砂 17a 防湿ポリエチレンフィルム 17b モルタル 17c 押さえモルタル 18 断熱板材 19 コーキング材 S 第1の空隙 S 第2の空隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡体が透湿性中板材の内側面に形成さ
    れてなる中壁材の外側に上部および下部が外気に開放さ
    れた第1の空隙を介して外壁材が取り付けられ、上記中
    壁材の内側に屋内側に開放された第2の空隙を介して内
    壁材が取り付けられてなることを特徴とする密閉式壁構
    造。
  2. 【請求項2】 上記透湿性中板材の外側面に透湿防水層
    が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の密
    閉式壁構造。
  3. 【請求項3】 上記発泡体が現場吹き付け工法により形
    成されることを特徴とする請求項1または2に記載の密
    閉式壁構造。
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JP2010071047A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Asahi Kasei Homes Co 外壁構造
JP2019073890A (ja) * 2017-10-16 2019-05-16 昭和飛行機工業株式会社 断熱材の施工方法
JP2024042584A (ja) * 2022-09-15 2024-03-28 株式会社タナカホーム 木造建築物においてヒートブリッジを防止する外張り断熱透湿耐震構造

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