JP2857634B2 - デッキプレートとgrcパネルとの合成床及び合成屋根の乾式工法 - Google Patents

デッキプレートとgrcパネルとの合成床及び合成屋根の乾式工法

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JP2857634B2 JP1257016A JP25701689A JP2857634B2 JP 2857634 B2 JP2857634 B2 JP 2857634B2 JP 1257016 A JP1257016 A JP 1257016A JP 25701689 A JP25701689 A JP 25701689A JP 2857634 B2 JP2857634 B2 JP 2857634B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、現場でコンクリートを打設することなく施
工することができ、且つ遮音性及び断熱性に優れたデッ
キプレートとガラス繊維強化セメントパネル(GRC)と
の合成床及び合成屋根の乾式工法に関する。
(従来の技術) 従来、鉄骨造建物等においてデッキプレートを型枠と
して使用し、その上にコンクリートを打設するデッキと
コンクリートとの合成床又は屋根工法が広く普及してい
る。該工法は、Vデッキプレートにワイヤメッシュを溶
接して、コンクリートを打設し、木ごて仕上げをして落
ち着いた後に防水用コンクリートを打設し、ブリージン
グした水が引き始めたころ、コンクリートの表面を再び
タンピングして木ごてずりを行ない、適当な時期を見計
らって金ごて仕上げを行なって防水を図っている。従っ
て、コンクリートの打設や仕上げに多くの手間と高度の
熟練を要し、しかもコンクリートの養生等を必要とし、
コストが高く工期も長期なる欠点がある。しかも、該工
法による床は遮音性に劣り、屋根は断熱性に劣る欠点が
あった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来の現場でコンクリートを打ち行な
う湿式工法の欠点を解消し、現場でのコンクリート打ち
作業を必要とすることなく、熟練者でなくても容易に施
工することができ、しかもコストが安く工期も飛躍的に
短縮することができ、さらに遮音性及び断熱性・換気性
に優れた、デッキプレートとGRCパネルとの合成床及び
合成屋根の乾式工法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成する本発明のデッキプレートとGRCパ
ネルとの本発明の合成床の乾式工法は、対向する一対の
両縁にほぼ直角に屈曲したリブを有するGRCパネルの内
側に遮音材を積層して、デッキプレート上面に固着し、
隣接するGRCパネルの前記リブ間で形成する目地部にシ
ーリング材を充填し、且つ前記デッキプレート下面を平
板で覆うてデッキプレートとGRCパネルとの合成床を形
成することを特徴とする構成を有している。
そして、該合成床の乾式工法において、GRCパネルを
遮音材を介してデッキプレート上面に固着する個所の遮
音材下面とデッキプレート上面との間にゴムシートを介
在させ、且つ前記デッキプレート下面と接触する前記平
板上面にゴムシート層を設けることにより、より遮音性
に優れた床が得られる。
また、合成屋根の乾式工法は、対向する一対の両縁に
ほぼ直角に屈曲したリブを有するGRCパネルの内側に断
熱材を積層して、デッキプレート上面に固着し、隣接す
るGRCパネルの前記リブ間で形成する目地部にシーリン
グ材を充填し、且つ前記デッキプレート下面を平板で覆
うことによりデッキプレートとGRCパネルとの合成屋根
を形成することを特徴とする技術的手段を有している。
(作用) 床又は屋根の基盤となるVデッキプレート上面に、断
熱・遮音材と、GRCパネルを取り付け、且つデッキプレ
ート下面に平板を取付けるだけであるから、従来のよう
に現場でコンクリート打ちを行なう必要がなく、しかも
GRCパネルのジョイント部端部はリブとなっているので
十分の厚さを有し、該部で形成される目地部にシーリン
グ材を充填することによってジョイント部の防水を確実
に行なうことができる。特に、本発明の屋根工法では、
GRCパネルとVデッキプレートとの間に断熱材を介在
し、さらにVデッキプレートの溝部はその両面が断熱材
と平板によって覆われて中空溝となって空気層を形成し
ているので、従来のコンクリート屋根に比較して極めて
断熱性及び遮音性に優れている。しかも、Vデッキの溝
が通気路となって換気も行なわれ、特に夏場における室
内の温度上昇を効果的に抑制する機能を有する。
また、本発明の床工法も、同様にGRCパネルとVデッ
キプレートとの間に遮音材を介在し、さらにVデッキプ
レートの溝部はその両面が断熱材及び遮音材と平板によ
って覆われて中空溝となって空気層を形成しているの
で、従来のコンクリート床や合成床と比較して極めて遮
音性に優れており、多層住宅やビルの床工法に適してい
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は、本発明の工法による床の一部断面を示して
いる。図中、1はVデッキプレートであり、端部を重合
して形鋼の根太材2に溶接等により支持固定して床全面
に設けられている。3はGRCパネルであり、デッキプレ
ート1の溝6方向に沿う両端部が直角に屈曲して接合面
を形成するリブ4となっている。5は該GRCパネル1の
リブ間内部に積層された発泡体板等の断熱・遮音材であ
る。上記断熱材及びGRCパネルは、皿ネジ9等適宜の固
定手段でVデッキプレート1に固定されるが、床の耐荷
重性と遮音性を向上させるために、断熱・遮音材の下面
にゴムシート7を積層させるのが望ましい。該ゴムシー
トは全面に設けても良いが、皿ネジ9が位置する付近の
みに設けても、十分な効果を奏する。上記隣接している
GRCパネル3の長手方向両縁部に形成してあるリブ4間
の隙間(目地部)は、バックアップ材10を嵌合してから
防水のためのシーリング材8が充填されている。12はデ
ッキプレート下面と根太材2上面との間に介在させて、
デッキプレート下面を覆う合板等からなる遮蔽板であ
り、その上面には遮音効果を増すために、ゴムシート13
が接着されている。
本実施例のVデッキプレートとGRCパネルとの合成床
の乾式工法は以上のようにしてなり、単にVデッキプレ
ートに断熱・遮音材及びGRCパネルを取り付けGRCパネル
接続部をシーリングするだけであるから、従来のように
現場でコンクリート打ちを行なう必要がなく、熟練者で
なくても簡単に施工することができる。しかも、GRCパ
ネルはその十分な防水性を有しているので、その接続部
のみをシーリングするだけで、防水施工が簡単にでき
る。
さらに、Vデッキプレートを使用し、その溝部6はそ
のまま空間になって両面が密閉されているので、該溝部
が空気層を形成して遮音効果を高めている。しかもVデ
ッキプレートの両側には、断熱・遮音材、及び遮音用の
ゴムシートを接着した遮蔽板12が積層されているので、
全体の厚さは比較的薄くても非常に遮音性に優れた床が
得られる。
なお、バックアップ材として第2図に示すように、木
材14を使用して該下面がデッキプレート1の溝部底面に
支持されるようにすることもできる。この場合、ジョイ
ント部の対荷重性が増すので、床工法の場合は特に有効
である。
第3図は、本発明に係る屋根乾式工法の実施例を示
す。
該屋根工法は、前記床の工法とほぼ同様であり、同一
構成部材については同符号を付してある。屋根の場合
は、特に断熱及び換気機能に重点を置き、該工法では遮
蔽板12の上面には遮音用のゴムシートを接着してなく、
また断熱・遮音材5の下面にもゴムシートを特別に介在
させていないが、必要ならば前記実施例と同様にこれら
を設けても良い。
第3図において、15は屋根端部に設けられるGRCで形
成されたフラッシングであり、一端16が前記GRCパネル
3端部に接続され、他端部の垂直面17は、外壁22にネジ
18等の適宜の固定手段で固定されている。該フラッシン
グの水平部19には適宜の通気穴20が形成されていて、デ
ッキプレート中空部との通気路を形成している。そし
て、屋根外面は適宜耐水性塗料により塗装を行なう。な
お、23は壁胴縁であり、25は形鋼材からなる母屋材であ
る。
本実施例のVデッキプレートとGRCパネルとの合成屋
根工法は以上のようにしてなり、前記床工法と同様に現
場でコンクリート打ちを行なう必要がなく、熟練者でな
くても簡単に施工することができる。しかも、GRCパネ
ルはその十分な防水性を有しているので、その接続部の
みをシーリングするだけで、防水施工が簡単にできる。
さらに、Vデッキプレートを使用し、その溝部6はその
まま空間になっているので、該溝部が空気層及び空気流
路を形成することになり、断熱材と相まって一段と断熱
効果を増大させ、従来のコンクリート屋根等に比較して
極めて断熱性に優れている。特に夏場において、屋根に
吸収される熱によって溝部の空気は温められるが、該溝
部の温かい空気は、フラッシングに形成された換気穴を
介して進入する外部の空気と換気され、室内温度の上昇
を抑えることに格別の効果がある。
また、上記実施例では、現場において、遮蔽板、デッ
キプレート、断熱・遮音板、GRCパネルを組立固定して
いたが、工場おいて予めパネル化又はユニット化して一
体に組み立てておけば、現場での施工はそれらを単に根
太材又は母材に固定するのみであるから、非常に短時間
に且つ簡単に施工することができる。
(効果) 本発明は、以上のような構成からなり、従来のように
現場でコンクリート打ちを行なう必要がなく、簡単に施
工することができ、従来と比較して著しく工期を短縮
し、しかも低コストで出来る。
そして、特に本発明の床工法では、GRCパネルとVデ
ッキプレートとの間に遮音材を介在し、さらにVデッキ
プレートの溝部はその両面が断熱・遮音材の平板によっ
て覆われて中空溝となって空気層を形成しているので、
従来のコンクリート床や合成床と比較して極めて遮音性
に優れている。
しかもVデッキプレートの上側にはゴムシートを介在
させて遮音材を、下側にはゴムシート層を設けた平板が
積層されているので、全体の厚さは比較的薄くても非常
に遮音性に優れた床が得られる。
また、屋根工法では、GRCパネルとVデッキプレート
との間に断熱材を介在し、さらにVデッキプレートの溝
部はその両面が断熱材と平板によって覆われて中空溝と
なって空気層を形成しているので、従来のコンクリート
屋根に比較して極めて断熱性及び遮音性に優れている。
しかも、Vデッキの溝が通気路となって換気も行なわ
れ、特に夏場における室内の温度上昇を効果的に抑制す
る機能を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の工法により施工された床の実施例の要
部正面断面図、第2図はGRCパネルジョイント部の他の
実施例の正面断面図、第3図は本発明の工法により施工
された屋根の軒部の側断面図である。 1:Vデッキプレート、2:根太材、3:GRCパネル、4:リブ、
5:断熱・遮音板、6:溝、7:ゴムシート、8:シーリング
材、12:遮蔽板、13:ゴムシート、15:GRCフラッシング、
20:通気孔、25:母屋材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04F 15/08 E04F 15/08 F 15/20 15/20 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 5/43 E04F 15/02 E04F 15/08 E04F 15/20 E04D 3/00 E04B 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する一対の両縁にほぼ直角に屈曲した
    リブを有するGRCパネルの内側に遮音材を積層して、デ
    ッキプレート上面に固着し、隣接するGRCパネルの前記
    リブ間で形成する目地部にシーリング材を充填し、且つ
    前記デッキプレート下面を平板で覆うてデッキプレート
    とGRCパネルとの合成床を形成してなり、前記GRCパネル
    を遮音材を介してデッキプレート上面に固着する個所の
    遮音材下面とデッキプレート上面との間にゴムシートを
    介在させ、且つ前記デッキプレート下面と接触する前記
    平板上面にゴムシート層を設けたことを特徴とするデッ
    キプレートとGRCパネルとの合成床の乾式工法。
  2. 【請求項2】対向する一対の両縁にほぼ直角に屈曲した
    リブを有するGRCパネルの内側に断熱材を積層して、デ
    ッキプレート上面に固着し、隣接するGRCパネルの前記
    リブ間で形成する目地部にシーリング材を充填し、且つ
    前記デッキプレート下面を平板で覆うことによりデッキ
    プレートとGRCパネルとの合成屋根を形成することを特
    徴とするデッキプレートとGRCパネルとの合成屋根の乾
    式工法。
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