JP2010071047A - 外壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁内結露を無視し得る程度に抑制しつつ外壁層の熱抵抗を壁全体の断熱性能に反映させることができる外壁構造を提供する。
【解決手段】軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層と、該外壁層よりも屋内側に設けられる気密断熱層とを備え、前記外壁層の屋外側の面に、外壁層からの水分の放散を許容すると共に屋外から外壁層に向けての液滴の侵入を防止する防水透湿層を膜状に形成し、前記外壁層と前記気密断熱層との間に、空気の流出入及び空気の通過を遮断された密閉空気層を設けた外壁構造とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層を構成要素とする外壁構造に関する。
最近の住宅では軽量気泡コンクリート版(ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concreteの略)パネル)を用いて外壁を構成すると共に、該ALCパネルの内面に断熱材を配置して断熱構造としたものがある。かかるALCパネルによって外壁を構成した住宅の断熱構造としては多くの構造が知られている。
ところで、ALC製の外壁パネルは製造過程等において比較的多量の水分を含有しており、当該水分を竣工後においても水蒸気として外壁パネルの内外側から放散することにより経年的に気乾状態に到達するものとなっているが、断熱材に対向することとなる内側に多量の水分が放散されると、当該水分により壁内に耐久性上又は断熱性上無視し得ない程の結露を生じてしまう虞がある。
かかる問題を解決すべく、例えば特許文献1には、断熱材を骨組み材に両面接着テープ等で仮止めし、次いで、ALCからなる外壁パネルに通気胴縁をステープルによって仮止めして、その後、該外壁パネル表面から、ビスによって通気胴縁及び断熱材を貫通させて鉄骨骨組材へ外壁パネルを固定し、これによって外壁材と断熱材との間に空気を流通可能な通気層を確保した構成が開示されている。かかる構成によれば、通気層には常時外気が通過することとなり、該外気により、外壁に含まれる水分が断熱材側に放散される場合であっても適宜排除され、結露の発生が抑制される。
しかしながら、特許文献1に開示の構成においては、外壁パネルと断熱材との間に通気層が設けられているため、例えば冬季等においては断熱材よりも一つ屋外側の通気層に冷却外気が通過することとなり、実質的には断熱材のみで壁内の断熱性能を確保する必要が生じ、これによって、外壁パネルが断熱性能上有効な熱抵抗を有しているにも拘らず、該熱抵抗を壁全体の断熱性能向上に十分に反映させる(寄与させる)ことができない問題があった。
特開2004−244968号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、壁内結露を無視し得る程度に抑制しつつ外壁層の熱抵抗を壁全体の断熱性能に反映させることができる外壁構造を提供することを目的とする。
上記課題解決のための具体的手段として、本願発明に係る外壁構造は、
(1)軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層と、該外壁層よりも屋内側に設けられる気密断熱層とを備え、
前記外壁層の屋外側の面には、外壁層からの水分の放散を許容すると共に屋外から外壁層に向けての液滴の侵入を防止する防水透湿層が膜状に形成され、
前記外壁層と前記気密断熱層との間には、空気の流出入及び空気の通過を遮断された密閉空気層が設けられていることを特徴としている。
これによれば、密閉空気層により、外壁層が気密断熱層側に向けて呼吸することが可能となる。また、該呼吸により当該密閉空気層に水分が放散される場合であっても、気密性を有する気密断熱層が外壁層と対向しているため、当該気密断熱層の吸湿は著しく小さなものとなり、密閉空気層と気密断熱層との水分の行き来は殆どないものとなる。
そうすると、密閉空気層と外壁層との間で主として水分の行き来がなされることになるが、当該外壁層は軽量気泡コンクリートにより形成されており、当該軽量気泡コンクリートは、表面近傍の含水率と当該表面に接する空気の相対湿度とに起因して含水量を平衡状態に維持すべく吸放湿する材料であり、空気の相対湿度の上昇によって当該空気との間で含水量の平衡状態となると水分の放散が見かけ上止まるものとなる。また、当該密閉空気層は密閉されており、所定の湿気容量を有するのみである。
かかる点に鑑みると、本願発明においては、密閉空気層に外壁層からの水分が放散されるといえども、当該密閉空気層の相対湿度の上昇に伴って当該放散は止まるものとなり、外壁層と気密断熱層との間での結露の発生を外壁構造の耐久性や断熱性等に殆ど影響しない程度にまで抑制又は防止することができるのである。
また、密閉空気層により、従来の如く外壁層と気密断熱層との間に通気層を有しない構成となっているため、気密断熱層は、従来の如く外気と直接接するものとならず、気密断熱層と外気との間には外壁層による熱抵抗が介在するものとなるので、これによって、壁全体の断熱性能の向上が図られる。のみならず、密閉空気層自体も熱抵抗となり、これによって、さらに壁全体の断熱性能の向上が図られる。
(2)また、前記密閉空気層は、外壁層と気密断熱層の間の層厚(壁内外方向の厚さ)が自然対流を抑制可能な大きさに形成されていることが好ましい。
これによれば、密閉空気層に水分が放散される場合であっても、当該密閉空気層には空気の対流が抑制されているので、当該対流による水分の移動は抑制され、これによって、建物の躯体等の納まりにより密閉空気層に不可避的に生じてしまう低温部に向けての対流による水分の輸送(供給)が抑制され、これによって当該低温部での甚大な結露の発生を抑制することができるのである。
また、この様に対流を抑制可能な厚さで密閉空気層を形成することにより、当該密閉空気層を断熱層として見込むことが可能となっているのである。
また、当該対流を抑制可能な厚さで密閉空気層を形成すると、当該密閉空気層は低容量となり、それに伴って湿気容量も小さなものとなり、当該湿気容量いっぱいまで水分を保有することとなって、当該水分に起因して結露が発生したとしてもその量はきわめて僅かなものとなり、当該結露によって外壁層や気密断熱層の耐久性が劣化するものとはならない。
(3)上記(1)や上記(2)に鑑みると、前記密閉空気層は、外壁層からのある程度の水分の放散を許容し得る湿気容量を有しつつも、対流を抑制し得る厚さを有するものが好ましく、そうすると、外壁層と気密断熱層の間の層厚が15mm以下の大きさに形成されていることは好ましい。
なお、外壁層や気密断熱層として採用される素材の表面粗さに鑑みると、外壁層と気密断熱層の間の間隔が0mmである(即ち外壁層に気密断熱層が当接している)状態であっても、これらを接着等させて一体となっていない限り、実質的にはこれら外壁層と気密断熱層との間にはきわめて微小な幅であっても密閉空気層が存在するものとなるのであり、上記厚さの範囲にはこの様にこれらが互いに当接している状態をも当然に含む。
(4)また、前記防水透湿層の透湿抵抗は、2.0m・s・Pa/μg〜25.0m・s・Pa/μgの範囲で規定されていることが好ましい。
ところで、透湿抵抗の逆数は透湿率となり、当該材料における水分の透過し易さを示す数値となる。例えば、防水透湿層の透湿抵抗を25.0m・s・Pa/μgとすると、透湿率は0.04μg/m・s・Paとなる。ここで、気温20℃、相対湿度を50%とする外気の水蒸気圧は、ドイツ工業規格(DIN)4108に示されている式Ps=288.68×(1.098+θ/100)8.02(ここで、θ:温度℃)より1169Paとなり、また、外壁層の屋外表面近傍を温度20℃、相対湿度を80%とすると、当該外壁層の屋外表面近傍の水蒸気圧は、上記と同様にして1870Paとなり、これらの差圧は701Paとなる。また、1m当たり且つ1秒あたりの透過水分量は、
0.04μg/mm・s・Pa×701Pa=28μg
となり、1時間では、
28μg×3660=102687μg≒0.1g
となり、1日では、
0.1g×24=2.4gとなる。
外気の気温は24時間で変化するものの、平均すると一日の放散水分量は、一日の透過水分量と同程度となると考えられ、この程度の放散水分量があれば、外壁層の水分を経時的に放散させて外壁層の水分を経時的に減少させることが可能となっている。しかも、当該防水透湿層により、雨水等による屋外側からの新たな水分の外壁層に向けての含浸は著しく防止されているため、外壁層の水分は経時的に減少していくこととなる。上記透過水分量は、定常状態を仮定して計算を行っており、温度や湿度の一日変動や季節変動の影響を受けることで実際の一日の透過水分量(放散水分量)は上記計算値より幅を持った数値で示されることになるが、上述の如く一日数g単位で水分が放散されていくことにより、数年後には、外壁層の含有水分量を気乾状態にまで低減することが可能となる。
なお、外壁層は、上述の如く密閉空気層との間で平衡含水状態となるように当該密閉空気層との間で水分を吸放湿しており、また、当該水分も、外壁層の上述の如き経時的な乾燥に伴ってやがて外壁層から屋外に放散されることとなるのである。したがって、当該密閉空気層が外壁層に含まれる水分の屋外への放散を阻害するものとはならない。
また、透湿抵抗は、層の耐久性(防水性)に影響を与えるものであって、例えば公知のリシン吹きの如く透湿抵抗の低い素材により防水透湿層を形成すると、外壁層からの水分の放散速度が向上することとなる一方、層自体の耐久性も低減され、これによって、防水透湿層の経年劣化が促進されて上記放散速度では放散困難な量の水分が外壁層に含浸されることとなり、外壁層の水分量を一向に低減させることができないことが考えられる。この様に、層自体の耐久性にも鑑み、透湿抵抗を少なくとも2.0mm・s・Pa/μg以上とすることが好ましいことを本願発明者らは知見している。
(5)また、前記気密断熱層の透湿抵抗は、4.0m・s・Pa/μg〜60.0m・s・Pa/μgの範囲で規定されていることが好ましい。
(6)あるいは、前記気密断熱層の透湿比抵抗は、0.2m・s・Pa/μg〜1.3m・s・Pa/μgの範囲で規定されていることが好ましい。
(7)かかる点に鑑みると、前記気密断熱層は、フェノール樹脂発泡体を主素材として形成されていることが好ましい。
これにより、充分な気密性能と断熱性能とを備えた気密断熱層を形成することができる。さらには、充分な防水性能も有するので、上述の如き僅かな結露が発生する場合であっても、当該結露による水分が層内に含浸してしまうことを防止することができることとなるのである。
(8)また、上記構成に鑑みると、本願発明は、外壁構造であって、
軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層と、該外壁層よりも屋内側に設けられるフェノール樹脂発泡体を主素材とする気密断熱層とを備え、
前記外壁層の屋外側の面には、外壁層からの水分の放散を許容すると共に屋外から外壁層に向けての液滴の侵入を防止する2.0m・s・Pa/μg〜25.0m・s・Pa/μgの範囲の透湿抵抗を有する防水透湿層が膜状に形成され、
前記外壁層と前記気密断熱層との間には、空気の流出入及び空気の通過を遮断された密閉空気層が設けられている
ことを特徴としていることが好ましい。
本発明によれば、壁内結露を抑制しつつ外壁層の断熱性能を十分に発揮させることができる。
以下、図面に基づき、本発明を実施した形態につき、詳細に説明する。
図1に示す如く、本発明に係る建物は、基礎1と、該基礎1上に組み上げられる構造躯体2と、該構造躯体2に支持される外壁構造3とを備えて形成される地上2階の組立住宅である。
基礎1は、外壁や間仕切り壁の長さ方向に連続する同一断面の鉄筋コンクリート製の布基礎として形成されている。
構造躯体2は、基礎1上に立設される鉄骨柱(図1中には不図示)と、該鉄骨柱間に架け渡される鉄骨梁4と、基礎1や鉄骨梁4に支持される床スラブ5とを備えて形成される鉄骨ブレース軸組構造として構成されている。
鉄骨柱は、鋼製の角パイプにより又は該角パイプの端部に柱頭部材や柱脚部材を取り付けて形成されている。
鉄骨梁4は、上下一対のフランジと、該上下一対のフランジの中央部間を連結するウェブとを備えて形成される所謂H型鋼により形成されており、同じく鋼製のジョイントピースを介して鉄骨柱の柱頭部材や柱脚部材に連結支持されている。
なお、これら鉄骨柱、ジョイントピース、鉄骨梁4間の接続は高力ボルト接合等の機械的手段によりなされており、これによって溶接接合を排することとして作業者の熟練によらず接合部位の品質を一定のものとしている。
床スラブ5は、複数枚の平板状の軽量気泡コンクリート(ALC)製の床パネルを敷設することにより形成されている。1階床スラブ5を形成する床パネルは、端部を基礎の上面に載置した状態で設置され、該基礎1に支持されている。また、2階の床及び屋根の床スラブ5を形成する床パネルは、端部を鉄骨梁4の上フランジ上面に載置した状態で、該梁に取り付けられた剛床金物(図示省略)を介して当該鉄骨梁4に支持されている。
図2に示す如く、外壁構造3は、軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層10と、該外壁層10よりも屋内側に設けられる気密断熱層11とを備えると共に、外壁層10の屋外側の面に防水透湿層12を備え、さらには、外壁層10と気密断熱層11との間に密閉空気層13を備えている。
なお、ここでは、外壁層10の内外方向で屋内外を規定することとし、当該層よりも内側を屋内側とし、当該層よりも外側を屋外側とすることとする。
外壁層10は、平板状に形成された複数枚の軽量気泡コンクリート(ALC)製の外壁パネルを並べて配備することにより形成されている。
また、各外壁パネルは、当該階の床スラブ5の下面から鉄骨梁4の上フランジの上面に至る少なくとも各階の高さに相当する高さを有している。各階の外壁パネルは、鉄骨梁4や基礎1から外壁パネルに向けて突出した状態に取り付けられる自重受け金具やイナズマプレート等の各種支持金物を介して鉄骨梁4や基礎1に上下端部が支持されている。
上述の如く軽量気泡コンクリートにより形成される床スラブ5や外壁層10は、軽量で且つ高い断熱性能を有するものとなる。
また、外壁層10としては、通常は63mm〜100mmの厚さを有するもの、例えば75mmの厚さのものが好ましく用いられる。
上記軽量気泡コンクリートは、特に限定されないが、典型的には、0.015〜0.025msPa/ng(31.25〜52.08mhmmHg/g)の透湿比抵抗を有するものを使用することができ、厚さを上記通常の厚さ63mm〜100mmとした場合、その透湿抵抗は、0.94〜2.5msPa/μg(1.96〜5.2mhmmHg/g)の範囲となる。
本実施形態においては、75mmの厚さで、透湿比抵抗が0.020msPa/ng(41.6mhmmHg/g)(よって、透湿抵抗が1.50msPa/μg(3.13mhmmHg/g))、密度が600kg/m、熱伝導率が0.17W/mKの軽量気泡コンクリートが使用される。
また、軽量気泡コンクリートの平衡含水率曲線の一例(寺島貴根、水畑雅行、日本建築学会計画系論文集、第474号17−25、「気泡コンクリート壁体材料内の結露・再蒸発過程の水分挙動に関する研究」から抜粋)を、図3に示す。
また、外壁層10として用いられる外壁パネルが過大な水分を含んでいる状態で当該外壁層10に沿って気密断熱層11を形成すると、当該水分により外壁層10と気密断熱層11との間で容易に壁内結露を生じてしまう虞があり、かかる問題を回避すべく、外壁パネルは、初期含水率を可及的に低減させたものが好ましい。
また、輸送時や施工時の天候等の諸事情により上述の如き初期含水率以上の含水率を有する外壁パネルで施工を行う場合には、図4(a)(b)に示す如く、構造躯体2に外壁パネルを取り付けて外壁層10を形成する外壁施工を終えた後に、各外壁パネルの水分を除去して初期含水率を低減する水分除去施工を行うこととする。当該水分除去施工は、外壁施工まで完了した建物に強制換気装置14を取り付けて建物内外で強制換気流を形成し、該強制換気流によって外壁層10の水分を屋内側より除去する施工工程であって、当該水分除去施工により外壁パネルの含水率を所望の値まで低減させた後、当該外壁層10に沿って気密層を形成する気密施工を行う。これによって、外壁層10に沿って気密断熱層11を形成する場合であっても、外壁層10の水分によって容易に壁内結露を生じ得ない状態とすることが可能である。
気密断熱層11は、外壁層10に沿って設けられており、図5に示す如く、隣り合う鉄骨柱6の間で外壁層10に沿設される平板状の沿外壁断熱部11aと、前記鉄骨柱6と外壁層10の間に設置されて当該鉄骨柱6と対向する沿柱断熱部11bとを備えている。
沿外壁断熱部11aは、硬質ウレタンフォームや押出法ポリスチレンフォーム保温板或いはフェノール樹脂発泡体等の成形体や発泡体等、住宅の省エネルギー基準の解説)(財団法人建築環境・省エネルギー機構発行(第1版:平成14年6月1日発行)137頁〜138頁の「発泡プラスチック系断熱材」に規定されている各種の断熱材を含む硬質プラスチック系断熱材を板状に形成して構成されており、下端の小口面を下階の床スラブ5又は該床スラブ5と外壁層10との間のモルタルに当設させて該外壁層10に沿って起立すると共に、上端の小口面を鉄骨梁4の下フランジの下面に当接させた状態でこれら床スラブ5と鉄骨梁4の間であって、且つ、隣り合う鉄骨柱6の間に設けられている。
また、沿柱断熱部11bは、沿外壁断熱部11aよりも僅かに肉薄に形成される板状に形成されており、鉄骨梁4と外壁層10との間に設けられている。
また、沿柱断熱部11bは、鉄骨柱6の幅と略同一の幅に形成されており、沿柱断熱部11bを鉄骨柱6と外壁層10の間に設けると、両小口面はそれぞれ鉄骨柱6の側面に略一致する。また、各沿柱断熱部11bの小口面には同側に位置する沿外壁断熱部11aの小口面が当接している。これにより、各沿外壁断熱部11aの小口面は、当該鉄骨柱6の側面にも僅かに当接している(或いは、僅かな隙間を介して対向している。)。
当該気密断熱層11としては、断熱性能を有すると共に気密性能を有し、さらには、高い透湿抵抗を有する素材で構成されることが好ましく、例えば透湿比抵抗が0.2m・s・Pa/μg〜1.3m・s・Pa/μgの断熱材を使用することができ、外壁構造を形成するものとして利用可能な断熱材の厚さ(例えば20〜107.5mm)を考慮すると、透湿抵抗としては4.0m・s・Pa/μg〜60.0m・s・Pa/μgの断熱材を使用することができる。
上記のような透湿比抵抗が比較的高い断熱材、例えば透湿比抵抗が0.2〜1.1msPa/ng(416.7〜2291.86mhmmhg/g)の断熱材としては、種々の素材が挙げられ、例えばフェノール樹脂発泡体(フェノールフォーム)を主素材とする断熱材(フェノールフォーム保温板1種2号)、押出法ポリスチレンフォーム保温板1種、押出法ポリスチレンフォーム保温板3種がある。これら断熱材の物性及び厚さ、それに伴う透湿抵抗を例示すると、例えば次表の通りである。
Figure 2010071047
上記の断熱材の何れでも好適に使用できるが、本実施形態において最も好ましくは、フェノール樹脂発泡体を主素材として形成された断熱材が使用される。フェノール樹脂発泡体を主素材として形成された断熱板は、高い断熱性を有するばかりでなく、当該断熱性や寸法を長期間維持し得る性質を有しているためである。
なお、フェノール樹脂発泡体の断熱性は、例えば気泡径を5μm〜200μm、好ましくは10μm〜150μmの範囲とし、且つ独立気泡率を80%以上とすることによって確保される。例えば、フェノール樹脂発泡体の密度を27kg/mに設定した場合、熱伝導率は0.020W/m・K、圧縮強さは15N/cm、熱変形温度は200℃である。これに対し、押出発泡ポリスチレン3種の物性値は、熱伝導率;0.028W/m・K、圧縮強さ;20N/cm、熱変形温度;80℃であり、また、硬質ウレタンフォーム2種は、熱伝導率;0.024W/m・K、圧縮強さ;8N/cm、熱変形温度;100℃である。したがって、フェノール樹脂発泡体は、押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームと比較しても充分に高い断熱性能を有する。また、フェノール樹脂発泡体を主素材として形成された断熱板では、押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームの約2/3程度の厚さとしても、これら押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームと略同等の断熱性能を発揮する。
よって、好ましい一例では、気密断熱層11は、フェノール樹脂発泡体を主素材とする断熱板からなり、例えば、密度が25kg/m、透湿比抵抗が1.1msPa/ng(2200mhmmHg/g)、熱伝導率が0.020W/mK〜0.022W/mKであり、また、20mm〜65mmの厚さを有するもの、例えば65mmの厚さのものが用いられる。かかるフェノール樹脂発泡体を主素材とする断熱板として、例えばネオマ(登録商標。商標権者:旭化成建材株式会社。以下、ネオマ又はネオマフォームと称呼する)を使用することができる。
なお、フェノール樹脂発泡体の表裏面には通常保護層が設けられる。この保護層を構成する材料としては、特に限定するものではないが、例えばポリエステル不織布を含む合成繊維からなる不織布を用いることが可能である。また、断熱板の厚さは製造段階で設定され、所定の幅や長さを有する平板状に規格化されて切断される。即ち、断熱板の幅は住宅に設定されたモジュール寸法に対応させて設定することが可能となっている。
また、当該気密断熱層11は、上述の如く単一の素材により単層形成するもののみでなく、当該素材からなる断熱板を複数積層したものや、異なる素材の断熱板を適宜積層することにより形成されるものも含む。
また、沿柱断熱部11bと外壁層10との間には、鉄骨柱6の幅よりも充分に幅広に形成された薄板状のフィラー15が設けられている。該フィラー15は、沿外壁断熱部11aと同様に上記フェノール樹脂発泡体により形成されており、一方の表面が外壁層10に密着すると共に他方の表面が沿柱断熱部11b及び該沿柱断熱部11bの両側に設けられている一対の沿外壁断熱部11aに密着しており、これら沿柱断熱部11b、一対の沿外壁断熱部11aは、鋲やくぎ等の固定具によりフィラー15を介して外壁層10に固定されている。
また、該フィラー15を気密断熱層11と外壁層10との間に設けることにより、外壁層10と気密断熱層11との間に空間が設けられることとなる。
また、上述の如く沿外壁断熱部11aが沿柱断熱部11bと突合せにより接続されることにより、これら沿外壁断熱部11aと沿柱断熱部11bとの間に継目が形成されることとなるが、当該継目には、気密断熱層11よりも室内側から気密テープが貼着されており、これによって当該継目からの漏気は防止されている。また、当該継目のみならず、気密断熱層11よりも屋内側と前記空間とを連通する虞のある箇所には適宜気密テープやあて材等の充填材が設けられ、これによって当該空間から気密断熱層11よりも屋内側に向けての漏気は防止されている。また、外壁層10を形成する各外壁パネルは、基礎1や隣り合う外壁パネル等の隣接する部材との間で適宜シーリング材充填等の公知の気密施工が施されており、これによって、前記空間に向けての外気の流入も防止されている。
これにより、外壁層10と気密断熱層11の間の空間は、これら外壁層10と気密断熱層11により挟まれる密閉空間となり、気密断熱層11よりも屋内側の空間や屋外との間での空気の流出入(交換、やり取り、行き来)を生じさせない密閉空気層13を形成しているのである。
また、該密閉空気層13は、壁内外方向の厚さとなる外壁層10の屋内側の面と気密断熱層11の屋外側の面との間の間隔を15mm以下として設けることが好ましく、これによって、当該密閉空気層13と外壁層10の間での水分のやり取りを当該密閉空気層13の飽和水蒸気量以下で行うことが可能となると共に当該密閉空気層13内での熱対流が可及的防止される。
ここで、本実施形態においては、密閉空気層13の厚さは7mmに設定されており、当該厚さを確保すべく、フィラー15の厚さは7mmに形成されている。該フィラー15の存在により、密閉空気層13の壁平面方向の幅は適当な大きさに制限されるものとなっており、密閉空気層13の容量が著しく大きいものとならない。また、当該密閉空気層13を形成する密閉空間は、外壁層10を形成する外壁パネルを支持する前記各種金物の配置スペースとしても用いられている。
また、防水透湿層12は、外壁層10の屋外側の面に吹付け塗装を施すことにより当該面を覆う塗膜として形成されている。当該防水透湿層12は、外壁層10からの水分の放散を許容すると共に屋外から外壁層10に向けての液滴の侵入を防止するものであって、防水性に効果を発揮する塗膜や耐光性や耐食性に効果を発揮する塗膜、さらには外壁層10への食い付き性を発揮するための塗膜等、複数の塗膜面を層状に塗り重ねて形成されているが、防水透湿層全体の厚さは2.0〜3.0mm程度である。また、外壁層からの水分の放散を許容すべく、防水透湿層全体としての透湿抵抗は、2.0mm・s・Pa/μg〜25.0mm・s・Pa/μgの範囲で規定する。
上記透湿抵抗を有し且つ雨水等の外壁層10に向けての浸水を防止する防水性を有する防水透湿層12としては、JIS A6909の表1に規定される複層仕上塗材のうち、合成樹脂エマルジョン系複層仕上塗材が好ましい。
本実施形態にあっても、上記複層仕上塗材により防水透湿層12が形成されており、その厚さは0.5mmであって且つ透湿抵抗は49.8mmHg・h・m/gである。
本実施形態は以上の構成からなる。
ところで、外壁層10に耐熱性及び断熱性を充分に発揮させるには、当該外壁層10の含水率を2〜10%とする気乾状態とすることが望ましく、本願発明によれば、外壁層10は、初期状態においては上述の如く気乾状態よりも含水率を大とするものの、経年的に水分を層外に放散する。ここで、前述のように、一定の条件下で定常状態を仮定して1m当たり且つ1秒あたりの透過水分量を計算すると、例えば1日では2.4gとなり、数年後に気乾状態になることが予想されるが、実際には、温度の1日変動や季節変動、日照や地域差などがあり、経験的には通常1〜2年で気乾状態となる場合が多い。
また、気密断熱層11よりも内側の空気中の余剰水分は、24時間換気によりその大部分が排出されることとなるが、施工中に生じた意図しない隙間等によりきわめて僅かな水分が気密断熱層11を通じて密閉空気層13側に放散されることが考えられる。このような場合であっても、外壁層10は周辺の相対湿度に応じて吸放湿が促されるという性質を有するため、上述の如き室内側からの水分の放散により密閉空気層13の水分量は増すものの、その分外壁層10からの密閉空気層13に向けての水分の放散が抑制され、密閉空気層13自体の水分量は平衡状態に維持されることとなり、これによって、当該水分の密閉空気層13に向けての放散によっても密閉空気層13での著しい結露発生の虞はない。
また、密閉空気層13は層内での空気を不対流とする厚さに形成されているため、当該密閉空気層13中の水分は密閉空気層13内を上下に大きく移動することはなく、これによって、不可避的に低温になることが予想される上記各種金物表面等に水分が空気の対流により供給されることに起因する大きな結露の発生も防止されるのである。
したがって、上記実施形態によれば、従来の如く外壁層10と気密断熱層11との間に水分除去のための通気層(換気層)を設ける構成とせずとも結露発生の要因となり得る水分を適宜除去可能となるのである。
しかも、上記実施形態によれば、外壁層10と気密断熱層11との間に通気層のない構成であるため、気密断熱層11と外気の間には所定の熱抵抗を有する外壁層10が介在することとなり、当該外壁層10の介在によって外壁構造3全体の断熱性がさらに向上することとなるのである。
のみならず、上述の如く密閉空気層13は層内での空気を不対流とする厚さに形成されているため、当該密閉空気層13も断熱メンバーを構成可能であって、壁全体の断熱性能の向上に寄与するものとなるのである。
また、本実施形態によれば、外壁層10に含まれる初期含水が経年で排出される一方、防水透質層12により新たな浸水は防止されているので、外壁層10の含水率は経年的に低下していくものとなる。軽量気泡コンクリートからなる外壁層10は、含水率の低下に伴って熱抵抗が高まることが知られており、本実施形態によれば、外壁層10は、早期に含水率を気乾状態まで低下させることとが可能であって、これによって、外壁層10の熱抵抗を早期に向上させて外壁構造3全体の断熱性能が高められることとなるのである。
本願発明の有効性を確認すべく、本願発明者らは、実施例と複数の比較例とを用いて解析を行った。
<実施例>
外壁層として厚さ75mmのALCパネルを、気密断熱層として厚さ25mmのフェノール樹脂発泡体を、密閉空気層として厚さ7mmを、防水透湿層として厚さ2.3mmの吹付け塗膜を採用して、本発明に係る外壁構造を構成した。次の表に層構成と各材料の物性を示す。
Figure 2010071047
なお、上表中、「ALC」は軽量気泡コンクリートを、「フェノール」はフェノールフォーム保温板(旭化成建材製「ネオマ(登録商標)」)をそれぞれ示している。また、合成エマルジョン系複層仕上塗材はきわめて薄い塗膜として仕上げられるので、厚さを考慮して規定される透湿比抵抗という概念は用いないものとする。密閉空気層については、当該密閉空気層が接することとなる材料表面との間での湿気伝達率の関係から透湿抵抗を規定することとし、厚みの影響は無視して透湿比抵抗との概念は用いないこととする。
<比較例>
密閉空気層を換気量1.0m/時相当の通気層とした以外は、実施例と同じ層構成とした。
(解析方法)
上記実施例及び比較例について、熱水分同時移動方程式を用いた計算プログラムにより、7月1日を起算点とし、季節変動を考慮しながら各層間の相対湿度の通年の変化及び内部結露発生の可能性の有無を通年に亘って解析するものとする。
なお、上記解析を行うにつき、熱水分同時移動方程式を用いた計算プログラムについては、特開2002−92534号公報の図2及び図3に開示の同時移動方程式及び近似式を実行する計算プログラムを用いた。また、気象データについては、深浦のデータを採用した。
また、ALCの平衡含水率曲線については、図3に示されたものを採用した。
さらに、初期条件として、ALCの初期含水率を5重量%とした。
(解析結果)
上記実施例及び比較例の層構成について上記解析方法に従って解析した結果、図6〜図12に示す解析結果が得られた。
ここで、図6(a)は、実施例及び比較例のALCの屋外表面の含水率の通年変化を示し、図6(b)は、実施例及び比較例のALCの屋外表面の相対湿度の通年変化を示し、図7(a)は、実施例及び比較例のALCの屋内表面の温度の通年変化を示し、図7(b)は、実施例及び比較例のALCの屋内表面の相対湿度の通年変化を示し、図8(a)は、実施例及び比較例の断熱気密層の屋外側の温度の通年変化を示し、図8(b)は、実施例及び比較例の断熱気密層の相対湿度の通年変化を示し、図9(a)は、実施例及び比較例の断熱気密層の屋内側の温度の通年変化を示し、図9(b)は、実施例及び比較例の相対湿度の通年変化を示し、図10(a)は、上記解析に用いる外気温度の通年変化を示し、図10(b)は、上記解析に用いる外気の相対湿度の通年変化を示し、図11(a)は、上記解析に用いる室内温度の通年変化を示し、図11(b)は、上記解析に用いる室内の相対湿度の通年変化を示している。
なお、図6〜図9において、(イ)で示すグラフが実施例のグラフであって、(ロ)で示すグラフが比較例のグラフである。
これらのグラフから分かるように、実施例は、いずれの層においても相対湿度は季節に拘らず常に98%を下回っている。したがって、本実施例に示す層構成の外壁構造においては、結露発生のおそれはないといえる。また、実施例は、比較例よりも通年に亘って穏やかな相対湿度の変化が見られる。このことは、実施例程度の厚さを有する密閉空気層の相対湿度は、当該密閉空気層の温度よりも寧ろ外壁層であるALCの含水率に依存している、即ち、密閉空気層と外壁層間での水分の移動はALCの含水率曲線に沿うことを示している。従って、かかる密閉空気層には、当該密閉空気層の湿気容量を超過して水分が移動してくることは殆どなく、これによって、当該密閉空気層での結露の発生が著しく抑制される、と考えられるのである。当該結果に鑑みれば、当該程度の厚さ以上の密閉空気層を形成すると、当該密閉空気層の相対湿度は温度に依存することとなり、これによって、当該密閉空気層には湿気容量以上の水分が移動してくることとなり、その結果、結露を発生させかねないことが考えられるのである。
また、図12は、断熱気密層の室内側表面の一日の温度変化を示すグラフである。当該図12において、(ハ)で示すグラフが実施例のグラフであって、(ニ)で示すグラフが比較例のグラフ、(ホ)で示すグラフが、別の比較例として示す換気量を0.1m/時とした場合のグラフである。当該別の比較例は、換気量以外の構成は比較例と同じである。
当該結果から明らかなとおり、実施例の構成は比較例や別の比較例よりも外壁構造全体の断熱性において優れているといえる。
上記解析から明らかな通り、実施例においては、外壁構造の内部に通気層を組み込むことなく結露の発生を抑制でき、また、外壁層を断熱層を補助するものとして見込むことが可能となって、その結果、断熱性能も向上させることも可能となっているのである。
本発明の外壁構造を採用した2階建ての戸建て住宅の側断面図である。 本発明の一実施形態に係る外壁構造の断面図である。 本発明の一実施形態に係る屋根構造の屋根躯体層に用いるALCの平衡含水率曲線を表すグラフで、寺島貴根、水畑雅行、日本建築学会計画系論文集、第474号17−25、「気泡コンクリート壁体材料内の結露・再蒸発過程の水分挙動に関する研究」から抜粋したものである。 外壁施工を終えた後に、外壁パネルの水分を除去して初期含水率を低減する水分除去施工工程を説明するための概略図で、(a)は強制換気流れを示す断面図、(b)は強制換気流れを生じさせる強制換気装置を床スラブの開口に設置した状態を示す断面図である。 気密断熱層の設置状態を示す平断面図である。 (a)は、実施例及び比較例のALCの屋外表面の含水率の通年変化を示すグラフであり、(b)は、実施例及び比較例のALCの屋外表面の相対湿度の通年変化を示すグラフである。 (a)は、実施例及び比較例のALCの屋内表面の温度の通年変化を示すグラフであり、図7(b)は、実施例及び比較例のALCの屋内表面の相対湿度の通年変化を示すグラフである。 (a)は、実施例及び比較例の断熱気密層の屋外側の温度の通年変化を示すグラフであり、(b)は、実施例及び比較例の断熱気密層の相対湿度の通年変化を示すグラフである。 (a)は、実施例及び比較例の断熱気密層の屋内側の温度の通年変化を示すグラフであり、図9(b)は、実施例及び比較例の相対湿度の通年変化を示しグラフである。 (a)は、実施例の解析に用いる外気温度の通年変化を示すグラフであり、(b)は、外気の相対湿度の通年変化を示すグラフである。 は(a)は、実施例の解析に用いる室内温度の通年変化を示すグラフであり、(b)は、室内の相対湿度を示すグラフである。 断熱気密層の室内側表面の一日の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 基礎
2 構造躯体
3 外壁構造
4 鉄骨梁
5 床スラブ
6 鉄骨柱
10 外壁層
11 気密断熱層
11a 沿外壁断熱部
11b 沿柱断熱部
12 防水透湿層
13 密閉空気層
14 強制換気装置
15 フィラー

Claims (8)

  1. 軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層と、該外壁層よりも屋内側に設けられる気密断熱層とを備え、
    前記外壁層の屋外側の面には、外壁層からの水分の放散を許容すると共に屋外から外壁層に向けての液滴の侵入を防止する防水透湿層が膜状に形成され、
    前記外壁層と前記気密断熱層との間には、空気の流出入及び空気の通過を遮断された密閉空気層が設けられている
    ことを特徴とする外壁構造。
  2. 前記密閉空気層は、外壁層と気密断熱層の間の層厚が自然対流を抑制可能な大きさに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外壁構造。
  3. 前記密閉空気層は、外壁層と気密断熱層の間の層厚が15mm以下の大きさに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外壁構造。
  4. 前記防水透湿層の透湿抵抗は、2.0m・s・Pa/μg〜25.0m・s・Pa/μgの範囲で規定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の外壁構造。
  5. 前記気密断熱層の透湿抵抗は、4.0m・s・Pa/μg〜60.0m・s・Pa/μgの範囲で規定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の外壁構造。
  6. 前記気密断熱層の透湿比抵抗は、0.2m・s・Pa/μg〜1.3m・s・Pa/μgの範囲で規定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の外壁構造。
  7. 前記気密断熱層は、フェノール樹脂発泡体を主素材として形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の外壁構造。
  8. 軽量気泡コンクリートにより形成される外壁層と、該外壁層よりも屋内側に設けられるフェノール樹脂発泡体を主素材とする気密断熱層とを備え、
    前記外壁層の屋外側の面には、外壁層からの水分の放散を許容すると共に屋外から外壁層に向けての液滴の侵入を防止する2.0m・s・Pa/μg〜25.0m・s・Pa/μgの範囲の透湿抵抗を有する防水透湿層が膜状に形成され、
    前記外壁層と前記気密断熱層との間には、空気の流出入及び空気の通過を遮断された密閉空気層が設けられている
    ことを特徴とする外壁構造。
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