JP2004197383A - バルコニーの通気構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルコニーの手摺壁の躯体表面側の結露のみならず、躯体内部の結露をも有効に防止することができるバルコニーの通気構造を提供する。
【解決手段】手摺壁Wの上端に笠木10が被せられた手摺Tを有するバルコニーの通気構造であって、手摺壁の下張材1,1’と外装材3,3’との間に設けられた通気空間T1,T2と、下張材に設けられ、通気空間と手摺壁の躯体K内の空間1Kとを連通する下張材連通孔1aと、躯体の上枠4に形成され、躯体内の空間と笠木内の空間10Kとを連通する上枠連通孔4aと、手摺壁の上端内側で、笠木内の空間とバルコニー内側の空間とを連通する隙間Sと、を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】手摺壁Wの上端に笠木10が被せられた手摺Tを有するバルコニーの通気構造であって、手摺壁の下張材1,1’と外装材3,3’との間に設けられた通気空間T1,T2と、下張材に設けられ、通気空間と手摺壁の躯体K内の空間1Kとを連通する下張材連通孔1aと、躯体の上枠4に形成され、躯体内の空間と笠木内の空間10Kとを連通する上枠連通孔4aと、手摺壁の上端内側で、笠木内の空間とバルコニー内側の空間とを連通する隙間Sと、を具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手摺を備えるバルコニーの通気構造に関する。特に、手摺壁の内部結露を有効に防止することのできるバルコニーの通気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅に付設されるバルコニーには、大きく分けて2つの種類があり、その一つは、図8(a)に示したような1階の屋根Y上等の空いたスペースに設けられるテラスタイプのバルコニーB1であり、他の一つは、図8(b)に示したような建物Hの躯体に支持されて建物Hの側面に突設される持出しタイプのバルコニーB2である。これらのバルコニーにおける手摺Tの通気構造については、以下のような提案がなされている。
なお、以下の説明において、「外側」,「内側」は建物を基準としたときの構造物の向きを表し、建物から遠い位置にあるものを「外側」、近い位置にあるものを「内側」とする。また、「表面」,「裏面」は、手摺壁の躯体を中心としたときの部材の向きを表す。
【0003】
図9は手摺壁Wの上部に笠木41を有した手摺Tの通気構造を表したものであり、手摺壁Wの躯体40を構成する下地材42a,下地材43aに外装材42,外装材43が設けられている。外装材42は手摺壁Wの外側の側面を構成し、外装材43は同じく内側の側面を構成している。下地材42aと外装材42との間(下地材42aの表面側)には所定の幅を有する通気層44が設けられており、この通気層44は外装材42の上端部に取り付けられたカバー45の連通孔45aを通じて笠木41内の空間41Kに連通している。
【0004】
躯体40の上枠46の上面には、上枠下地46aが設けられ、この上枠下地46aに笠木ブラケット46bが設けられている。笠木41はこの笠木ブラケット46bにより、手摺壁Wの上端を覆う状態に取り付けられる。手摺壁Wに笠木41が取り付けられた状態で、笠木41の側部41aの裏面には、外装材42の上端部に取り付けられたカバー45の端部45bが当接するように構成されており、外装材42の上端部と笠木41の側部41aとの間が塞がれるようになっている。また、これとは反対側に位置する笠木41の側部41bと手摺壁Wの外装材43との間には隙間Sが形成されており、この隙間Sを通じて、笠木41内の空間41Kが、バルコニー内側の空間(外気A)と連通するように構成されている。
【0005】
このような構成によりなる手摺Tの通気構造によれば、手摺壁Wの下地材42aの表面側に形成された通気層44が、カバー45の連通孔45aを通じて笠木41内の空間41Kに連通し、笠木41内の空間41Kを経由して隙間Sからバルコニー内側の外気Aに連通する。すなわち、手摺T内には、通気層44から笠木41内の空間41Kを経由してバルコニー内側の外気Aに連通するという通気路が形成されている。これにより、通気層44を通じて手摺壁Wの下地材42aの表面側における通気が確保され内部結露が防止される。
【0006】
ところで、図8(a)(b)に示すように、バルコニーの外側Oから建物Hの手摺Tに向けて吹き付けてくる風C1は、バルコニーの内側Iから手摺Tに向けて吹き付ける風C2よりも強いため、バルコニーの手摺Tにおいては、一般的に、バルコニーの外側Oに面した部分、特に、手摺壁と笠木との隙間から雨水等が浸入する恐れがあった。この点、図9に示した手摺Tの通気構造では、外装材42の上端部と笠木41の側部41aとの間が塞がれているので、このようなバルコニーの外側Oからの雨水の吹き込みが防止されるという利点を有していた(特許文献1参照)。
【0007】
また、その他の従来技術としては、図10に示すようなものがある。この手摺Tの通気構造は、基本的な構成が図9に示したものと同一であり、大きく異なる部分は、通気層44の上端部に煙突部材47が差し込まれて、外装材42の上端から笠木41内の空間41Kに向けて突設されている点である。
【0008】
このような手摺Tの通気構造によれば、煙突部材47が外装材42の上端から笠木41内の空間41Kに向けて突設されているので、笠木41のジョイント部などから空間41K内に雨水が浸入するような事態が生じたとしても、雨水が通気層44に更に入り込みにくくなっている(特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−227363号公報(第2頁,第3頁,図1)
【特許文献2】
特開2001−288866号公報(第3頁,図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の手摺の通気構造は、手摺壁の乾燥が完全に行われるものではなかった。
特許文献1に開示されたものは、笠木41の側部41aの裏面にカバー45の端部45bが当接して、この部分が閉じられているので、上述したようなバルコニーの外側Oから吹き付けてくるような雨水等の浸入は防止されるが、笠木41内に雨水等が浸入するような事態が生じたときの乾燥が充分に行われなかった。すなわち、笠木41の図示しないジョイント部分等から雨水が浸入するような事態が生じた場合には、カバー45の連通孔45aから雨水が通気層44に浸入して、躯体40に浸みる恐れがあった。また、例えば、台風などの強風を伴うような強い雨がバルコニーの内側から隙間Sを通じて吹き込んで来ることも考えられ、そのような場合にも、通気層44に雨水が浸入して躯体40に浸みる恐れがあった。
この点に関し、防水シート40a1が下地材42aの表面に張着されていても、防水シート40a1のジョイント部分や防水シート40a1を固定するために用いられるタッカー針や釘等によって形成される釘穴等を通じて、雨水が通気層44から下地材42aに浸み込んだり、経年変化による手摺壁のゆがみなどに起因して雨水が躯体へ浸み込むこと等があった。すなわち、従来の手摺では躯体40への水の浸入を完全に防止することは不可能であった。
そして、そうであるにもかかわらず、手摺壁Wの躯体40内は、密閉された空間として構築されているため、上述したような事情により下地材42aに雨水が浸み込むと、躯体40内が高湿状態のまま維持されやすくなり、このことによって、手摺壁Wの躯体40が腐ったり、最悪の状況では、手摺壁Wが折れて倒壊するなどの危険な事態が生じる恐れがあった。
【0011】
この点、特許文献2に開示された手摺Tの通気構造では、煙突部材47が設けられているので、特許文献1のものよりは、通気層44への雨水の浸入が起りにくい。しかしながら、煙突部材47の上端は笠木41の天板41cへ向けて開口しているので、例えば、笠木41内で結露した水滴が笠木41の天板41cの下面から煙突部材47に滴り落ちたり、笠木41のジョイント部から水が浸入し、水滴で通気層44内が濡れてしまうことがあった。また、強風を伴うような強い雨が隙間Sから笠木41内の空間41Kに吹き込んできて、煙突部材47の開口から通気層44内に入り込んでしまうという事態も考えられる。すなわち、このものも躯体40への水の浸入を完全に防止することはできない。
そして、そうであるにもかかわらず、やはりこのものも、万一躯体40内に雨水が浸み込んだときの対策がなされていないので、手摺壁Wの躯体40が腐る等の事態が生じる恐れがあった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、バルコニーの手摺壁の躯体表面側の結露のみならず、躯体内部の結露をも有効に防止することができるバルコニーの通気構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、手摺壁の上端に笠木が被せられた手摺を有するバルコニーの通気構造であって、前記手摺壁の下張材と外装材との間に設けられた通気空間と、前記下張材に設けられ、前記通気空間と手摺壁の躯体内の空間とを連通する下張材連通孔と、前記躯体の上枠に形成され、前記躯体内の空間と前記笠木内の空間とを連通する上枠連通孔と、前記手摺壁の上端内側で、前記笠木内の空間とバルコニー内側の空間とを連通する隙間と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
このようなバルコニーの通気構造によれば、下張材と外装材との間に設けられた通気空間は、下張材連通孔を通じて躯体内の空間に連通し、躯体内の空間から上枠連通孔を通じて笠木内の空間に通じ、笠木内の空間を通じて手摺壁の上端内側の隙間からバルコニー内側の外気に連通することとなる。すなわち、下張材の表面側に設けられた通気空間が外気に連通した構造となっているとともに、通気経路の一部を構成している躯体内の空間も外気に連通した構造となっている。これにより、躯体の表面側(外装材の裏側)の結露が有効に防止されるとともに、通気経路となる躯体内部の結露をも有効に防止することができるようになる。すなわち、手摺壁内の内部結露を躯体の外側と内部との双方から防止することができる。
また、通気空間は、躯体内の空間を経由して笠木内の空間に連通しており、笠木内の空間に直接連通していないので、万一、笠木内の空間に雨水等が浸入するような事態が生じたとしても、雨水等が通気空間に直接浸入することがない。したがって、下張材に雨水等が浸みるのを確実に防止することができる。
万一、笠木内に雨水等が浸入するような事態が生じた場合には、笠木内に浸入した雨水が、上枠連通孔を通じて躯体内に浸入することもあるかも知れないが、仮にそのような事態が生じたとしても、躯体内の空間は、上枠連通孔から笠木内の空間を経由してバルコニー内側の外気に連通しているので、高湿状態が維持されるような状況とはならない。すなわち、躯体内の空間は時間の経過とともに確実に乾燥されることとなる。
したがって、品質に悪影響を及ぼすような事態、例えば、躯体が腐るなどの現象も起りにくくなる。これにより、経年変化にも絶え得る通気構造を備えた手摺が得られる。
また、通気空間の空気は、躯体内の空間を経由してその上方の上枠連通孔から笠木内に流れてバルコニーの内側に通じるという、下方から上方への流れとなるので、暖かい水蒸気が自然に上昇して排出されやすくなるという利点も得られる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバルコニーの通気構造において、上枠連通孔には、上端がつば状のキャップで塞がれているとともに周壁に通気部が形成された連通管が差し込まれているので、万一笠木のジョイント部分等から笠木内に雨水等が浸入して、笠木の天板部分等から水摘が落下するような事態が生じたとしても、つば状のキャップが水滴よけの傘がわりとなり、水滴が上枠連通孔を通じて躯体内に浸入するのを防止することができる。したがって、躯体内が雨水等で湿らなくなる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のバルコニーの通気構造において、連通管には、通気部に雨水等が流れ込むのを防ぐ水返しが取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
このようなバルコニーの通気構造によれば、万一笠木内に雨水等が浸入してきたとしても、水返しが防水堤の役割をなし、連通管の通気部に雨水が入り込まない。したがって、躯体内が雨水等で湿るのをより確実に防止することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のバルコニーの通気構造において、通気空間は、多数の突起を点在形成してなる凹凸面を裏面に備え、この凹凸面を下張材の表面に当接して張着された防水面材で形成されていることを特徴とする。
【0019】
このようなバルコニーの通気構造によれば、防水面材における多数の突起を点在形成してなる凹凸面が下張材と対向するため、各突起間の空隙が水蒸気拡散路として確保されることとなり、したがって、下張材の表面側の内部結露が有効に防止される。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のバルコニーの通気構造において、手摺壁の下方に、躯体内の空間に水が溜まらないようにするための水抜き孔が形成されているので、万一雨水等の水滴が躯体内に浸入し、手摺壁の下方へ浸み込んでも、水抜きすることが可能になる。これにより、手摺壁の下方の床等の乾燥維持を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0022】
(第一の実施形態)
図1は本発明に係るバルコニーの通気構造の第一の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図、図2は同じく手摺壁の構造を示す一部破断斜視図である。本発明に係るバルコニーの通気構造に採用される手摺は、図1に示すように、手摺壁Wの上部に笠木10が被せられており、手摺壁Wの下張材1,1’の表面側に形成された通気空間T1,T2が、躯体K内の空間1K,上枠連通孔4a,および笠木10内の空間10Kを通じてバルコニー内側の外気Aに連通するように構成されている。すなわち、この手摺Tでは、下張材1,1’の表面側の通気空間T1,T2と通気経路の一部を構成する躯体K内の空間1Kとの双方が外気Aに連通した構造となっている。これにより、下張材1,1’の表面側における内部結露が防止されるとともに、躯体Kの内部結露も防止されるようになっている。
【0023】
以下、各部について説明する。
手摺Tは、手摺壁Wとこの手摺壁Wの上部に被せられた笠木10とからなる。
手摺壁Wは、図2にも示すように、躯体Kを構成する下張材1,1’と、この下張材1,1’の表面に張着された防水面材2,2と、この防水面材2,2の表面に張着されたラス3a,3aと、このラス3a,3aを塗り下地として塗り付けられた外装材としてのセメントモルタル3,3’とを含んで構成される。外装材3は手摺壁Wの外側の側面を構成し、外装材3’は手摺壁Wの内側の側面を構成している。
【0024】
下張材1,1’には、下張材連通孔1a,1a,…が上下左右方向に所定の間隔を置いて設けられている。この下張材連通孔1a,1a,…は、下張材1,1’の表面側に形成される通気空間T1,T2と躯体K内の空間1Kとをそれぞれ連通する役割をなす。
防水面材2は、釘孔シール性を付与するためのアスファルトコンパウンド層2bを含んでおり、また、多数の突起2d,2d,…を点在形成してなる凹凸面2eを裏面に備えたものである。具体的には、図3に示すように、防水面材2の層構成パターンは四種類ある。
つまり、図3(a)に示す防水面材2Aは、表面側から順に基層2a、アスファルトコンパウンド層2b、表層2cを積層した三層構造となっており、表層2cの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。図3(b)に示す防水面材2Bは、表面側から順に基層2a、アスファルトコンパウンド層2bを積層した二層構造となっており、アスファルトコンパウンド層2bの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。図3(c)に示す防水面材2Cは、表面側から順にアスファルトコンパウンド層2b、表層2cを積層した二層構造となっており、表層2cの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。図3(d)に示す防水面材2Dは、アスファルトコンパウンド層2bのみの一層構造となっており、アスファルトコンパウンド層2bの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。そして、防水面材2の突起2d,2d,…は、セメントモルタル3の塗り付け施工時のコテ圧でつぶれない程度の強度を有している。
【0025】
そして、このような防水面材2は、図2に示すように、凹凸面2eを下張材1,1’の表面に当接した状態でそれぞれ張着され、その突起2d,2d,…間の空隙によって下張材1,1’の表面側に連続的な通気空間T1,T2が形成される。
なお、防水面材2はタッカー針や釘等の留付手段によって下張材1,1’に留め付けられ、また、ラス3aは防水面材2を貫通する留付手段によって下張材1,1’に留め付けられるが、防水面材2には極めて高いコールドフロー性と粘弾性を有するアスファルトコンパウンド層2bが含まれているので、防水面材2は留付手段によって開いた孔を自ら塞いで修復する機能(釘孔シール機能)を有している。これにより、防水性能が維持されるようになっている。
【0026】
このような防水面材2により形成される通気空間T1,T2のうち、通気空間T1は、テラスタイプのバルコニーにおいて、図示しない建物の外壁内の通気層に連通することができる。この場合、通気空間T1には、建物の外壁内を通過してきた外気が導入されることとなる。
また、持出しタイプのバルコニーにおいては、通気空間T1を軒天へ向けて延設することができる。図4は持出しタイプのバルコニーB2における軒天まわりの構造を表した断面図であり、同図に示すように、通気空間T1は、軒天30へ向けて延設された防水面材2により、軒天30のふところ空間Nに通じている。これにより、通気空間T1には、軒天30に形成された外気連通孔31を通じて外気が導入される。このような構成とすることにより、手摺壁Wのみならず、バルコニーの床躯体まわりの通気をも確保することができるようになる。
なお、通気空間T2は、手摺壁Wの下端部においてバルコニー内側の外気に連通しても良いし、また、図4に示すように、バルコニー内側には連通させずに、下張材連通孔1a,1a…を通じて躯体K内の空間1Kに対してのみ連通させるように構成しても良い。
【0027】
図1に示すように、手摺壁Wの上枠4には、躯体K内の空間1Kと笠木10内の空間10Kとを連通するための上枠連通孔4aが設けられている。上枠連通孔4aには、筒材4a1が差し込まれている。なお、この筒材4a1は必ずしも設ける必要はなく、筒材4a1の代わりに、上枠連通孔4aの内周面に防水材を塗布した構成としても良い。
【0028】
手摺壁Wの上端に設けられる笠木10は、図示しない笠木ブラケットにより、手摺壁Wの長手方向の全体にわたって取り付けられる。本実施の形態では、笠木10が手摺壁Wの上端部に取り付けられた状態で、図1に示すように、笠木10内の空間10Kが手摺壁Wの上端内側の隙間Sを通じてバルコニー内側の外気Aに連通するように構成されている。
笠木10は、天板11と、外側の側部12と、内側の側部13とからなる断面略コ字形状に形成されている。天板11はバルコニー内側へ向けて水勾配を有する下り傾斜状に形成されている。外側の側部12は、下部が裏面側に折り返されてその端部12aが上枠下地材5の一端部5cに密着した状態で当接される。また、内側の側部13は、上枠下地材5の他端部5d及び外装材3’との間に隙間Sを形成するようにして、下部が裏面側に廻りこむように折り返されている。これにより、この隙間Sを通じて笠木10内の空間10Kとバルコニー内側の外気Aとが連通する。つまり、笠木10内の空間10Kは、手摺壁Wの上端内側において、バルコニー内側にのみ連通する。
なお、笠木10の上には、不図示の固定手段によって支柱14が取り付けられ、支柱14の上端にはトップレール15が取り付けられる。
また、手摺壁Wは、テラスタイプのバルコニーにおいて、手摺壁Wの下方に図示しない土台下の床下換気孔等が位置するように構成されており、この床下換気孔等が躯体K内の空間1Kに万一水が溜まったときの水抜き孔の役割をなすようになっている。
さらに、また、持出しタイプのバルコニーにおいては、図4に示すように、手摺壁Wの下方に、躯体Kの下枠35,床板36,床根太37,軒天30のふところ空間Nが位置するように構成されており、軒天30の外気連通孔31が躯体K内の空間1Kに万一水が溜まったときの水抜き孔の役割をなすようになっている。
【0029】
以上のような手摺を有するバルコニーの通気構造によれば、下張材1,1’と外装材3,3’との間に設けられた通気空間T1,T2が、下張材連通孔1a,1a…を通じて躯体K内の空間1Kにそれぞれ連通し、躯体K内の空間1Kから上枠連通孔4aを通じて笠木10内の空間10Kに通じ、笠木10内の空間10Kを通じて手摺壁Wの上端内側の隙間Sからバルコニー内側の外気Aに連通する。すなわち、下張材1,1’の表面側に設けられた通気空間T1,T2が外気に連通した構造となっているとともに、通気経路の一部を構成する躯体K内の空間1Kも外気Aに連通した構造となっている。これにより、躯体Kの表面側の結露が有効に防止されるとともに、通気経路となる躯体Kの内部の結露をも有効に防止することができるようになる。すなわち、手摺壁W内の内部結露を躯体Kの表面側と内部との双方から防止することができる。
【0030】
また、通気空間T1,T2は、躯体K内の空間1Kを経由して笠木10内の空間10Kに連通しており、笠木10内の空間10Kには直接連通していないので、万一、笠木10の空間10K内に雨水等が浸入するような事態が生じたとしても、雨水等が通気空間T1,T2に直接浸入することがない。したがって、下張材1,1’に雨水等が浸みるのを確実に防止することができる。
万一、笠木10内に雨水等が浸入するような事態が生じた場合には、笠木10内に浸入した雨水が、上枠連通孔4aを通じて躯体K内に浸入することもあるかも知れないが、仮にそのような事態が生じても、躯体K内の空間1Kは、上枠連通孔4aから笠木10内の空間10Kを経由してバルコニー内側の外気Aに連通しているので、高湿状態が維持されるような状況とならない。すなわち、躯体K内の空間1Kは時間の経過とともに乾燥されることとなる。
したがって、品質に悪影響を及ぼすような事態、例えば、躯体Kが腐るなどの現象も起りにくくなる。これにより、経年変化にも絶え得る通気構造を備えた手摺Tが得られる。
また、通気空間T1,T2の空気は、躯体K内の空間1Kを経由してその上方の上枠連通孔4aから笠木10内に流れてバルコニーの内側に通じるという、下方から上方への流れとなるので、暖かい水蒸気が自然に上昇して排出されやすくなるという利点も得られる。
【0031】
さらに、下張材1,1’には、防水面材2における多数の突起2d,2d…を点在形成してなる凹凸面2eが対向しているので、各突起2d,2d…間の空隙が水蒸気拡散路として確保されることとなり、したがって、下張材1,1’の表面側の内部結露が有効に防止される。
【0032】
さらに、手摺壁Wの下方には、躯体K内の空間1Kに万一水が浸入した場合の水抜き孔(土台下の床下換気孔や軒天30の外気連通孔31)が形成されているので、万一雨水等の水滴が躯体K内に浸入し、手摺壁Wの下方へ浸み込んでも、水抜きすることが可能になる。これにより、手摺壁Wの下方の床等の乾燥維持を図ることができる。
【0033】
(第二の実施形態)
図5は本発明に係るバルコニーの通気構造の第二の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図である。本実施形態のバルコニーの通気構造は、手摺壁Wの上枠連通孔4aに連通管20が設けられている点が前記第一の実施形態と異なり、この連通管20により躯体K内の空間1Kと笠木10内の空間10Kとが連通されるようになっている。
【0034】
連通管20は、図6にも示すように、筒部21と、通気部22と、つば状のキャップ23とから構成されている。筒部21は、躯体の上枠4に形成された上枠連通孔4aに差し込まれて嵌まり込む外径を有している。通気部22は、筒部21の上部に連続して設けられており、小さな昆虫などが通りぬけない網状に形成されている。キャップ23は、通気部22の上端を塞ぐ状態に設けられ、通気部22へ雨水が入り込まないようにするための水滴よけとなる傘の役割をなす。
【0035】
このような連通管20は、図5に示すように、上枠下地材5の縦孔5bおよび上枠4の上枠連通孔4aに筒部21が差し込まれた状態で取り付けられる。取り付けられた状態で、連通管20の通気部22は、笠木10内の空間10Kに通気部22が臨むようになっている。これにより、躯体K内の空間1Kと笠木10内の空間10Kとが連通管20を通じて連通される。
【0036】
本実施の形態では、連通管20の周りに、連通管20とは別体の水返し24が取り付けられている。水返し24は、つば部24aと、堤部24bとからなり、上枠下地材5の上面5aにつば部24aが載置された状態で、堤部24bが連通管20の通気部22の少なくとも下部22aを、全周にわたって覆う状態(塞ぐ状態)に形成されている。水返し24の周縁24cはシーリング材25で上枠下地材5の上面5aに封止されている。
このような水返し24が取り付けられることにより、笠木10内の空間10Kに万一雨水が浸入するような事態が生じた場合には、たとえ、上枠下地材5の上面5a等に雨水が溜まったとしても、水返し24により通気部22に水が流れ込むことが有効に防止される。
【0037】
なお、次に説明するように連通管20を構成した場合には、前記水返し24は不要となる。すなわち、連通管20が上枠連通孔4aに差し込まれた状態で、通気部22の下端部が、天板5の上面5aより上方位置に配置されるように形成する。これにより、通気部22が天板5の上面5aから比較的高い位置に配置されることとなり、水返し24を用いなくとも雨水等の浸入が防止されるようになる。なお、連通管20と上枠連通孔4aとの隙間はシーリング材25により封止する。
【0038】
本実施の形態によれば、上枠連通孔4aに連通管20が差し込まれているので、万一、笠木10のジョイント部分等から雨水等が浸入して笠木10の天板部分から水摘が落下するような事態が生じたとしても、つば状のキャップ23が水滴よけの傘がわりとなり、躯体K内に水滴が浸入するのを防止することができる。したがって、躯体K内が雨水等で濡れなくなる。
【0039】
また、連通管20には、水返し24が取り付けられているので、笠木10内に雨水等が万一浸入してきたとしても、水返し24が防水堤の役割をなし、連通管20の通気部22に雨水が入り込まない。したがって、躯体K内に雨水等が浸入するのをより確実に防止することができる。
【0040】
以上、本発明に係るバルコニーの通気構造の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、発明の主旨に応じた適宜の変更実施が可能であることはいうまでもない。例えば、空気通路T1,T2は前記防水面材2によらず、図7に示すように、従来用いられている縦胴縁38により形成しても良い。また、通気空間は、内部結露が生じやすい手摺壁Wの外側にのみ構成しても良い。さらに、外装材3,3’は、例えば、サイディングやタイル付き面材などで設けても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るバルコニーの通気構造によれば、躯体の表面側の結露のみならず、躯体内部の結露をも有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルコニーの通気構造の第一の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図である。
【図2】同じく手摺壁の構造を示す一部破断斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明に係るバルコニーの通気構造における防水面材の構成パターンを示す断面斜視図である。
【図4】第一の実施形態のバルコニーの通気構造が採用された持出しタイプのバルコニーにおける軒天構造を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係るバルコニーの通気構造の第二の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図である。
【図6】連通管の取付状態を示す拡大斜視図である。
【図7】手摺壁の構造のその他の例を示す一部破断斜視図である。
【図8】(a)(b)はバルコニーを表した模式図である。
【図9】従来の手摺の通気構造を表した縦断面図である。
【図10】従来のその他の手摺の通気構造を表した縦断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 下張材
2 防水面材
4 上枠
4a 上枠連通孔
10 笠木
10K 笠木内の空間
20 連通管
21 筒部
22 通気部
23 キャップ
24 水返し
A 外気(バルコニー内側)
S 隙間
T1,T2 通気空間
W 手摺壁
K 躯体
1K 躯体内の空間
【発明の属する技術分野】
本発明は手摺を備えるバルコニーの通気構造に関する。特に、手摺壁の内部結露を有効に防止することのできるバルコニーの通気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅に付設されるバルコニーには、大きく分けて2つの種類があり、その一つは、図8(a)に示したような1階の屋根Y上等の空いたスペースに設けられるテラスタイプのバルコニーB1であり、他の一つは、図8(b)に示したような建物Hの躯体に支持されて建物Hの側面に突設される持出しタイプのバルコニーB2である。これらのバルコニーにおける手摺Tの通気構造については、以下のような提案がなされている。
なお、以下の説明において、「外側」,「内側」は建物を基準としたときの構造物の向きを表し、建物から遠い位置にあるものを「外側」、近い位置にあるものを「内側」とする。また、「表面」,「裏面」は、手摺壁の躯体を中心としたときの部材の向きを表す。
【0003】
図9は手摺壁Wの上部に笠木41を有した手摺Tの通気構造を表したものであり、手摺壁Wの躯体40を構成する下地材42a,下地材43aに外装材42,外装材43が設けられている。外装材42は手摺壁Wの外側の側面を構成し、外装材43は同じく内側の側面を構成している。下地材42aと外装材42との間(下地材42aの表面側)には所定の幅を有する通気層44が設けられており、この通気層44は外装材42の上端部に取り付けられたカバー45の連通孔45aを通じて笠木41内の空間41Kに連通している。
【0004】
躯体40の上枠46の上面には、上枠下地46aが設けられ、この上枠下地46aに笠木ブラケット46bが設けられている。笠木41はこの笠木ブラケット46bにより、手摺壁Wの上端を覆う状態に取り付けられる。手摺壁Wに笠木41が取り付けられた状態で、笠木41の側部41aの裏面には、外装材42の上端部に取り付けられたカバー45の端部45bが当接するように構成されており、外装材42の上端部と笠木41の側部41aとの間が塞がれるようになっている。また、これとは反対側に位置する笠木41の側部41bと手摺壁Wの外装材43との間には隙間Sが形成されており、この隙間Sを通じて、笠木41内の空間41Kが、バルコニー内側の空間(外気A)と連通するように構成されている。
【0005】
このような構成によりなる手摺Tの通気構造によれば、手摺壁Wの下地材42aの表面側に形成された通気層44が、カバー45の連通孔45aを通じて笠木41内の空間41Kに連通し、笠木41内の空間41Kを経由して隙間Sからバルコニー内側の外気Aに連通する。すなわち、手摺T内には、通気層44から笠木41内の空間41Kを経由してバルコニー内側の外気Aに連通するという通気路が形成されている。これにより、通気層44を通じて手摺壁Wの下地材42aの表面側における通気が確保され内部結露が防止される。
【0006】
ところで、図8(a)(b)に示すように、バルコニーの外側Oから建物Hの手摺Tに向けて吹き付けてくる風C1は、バルコニーの内側Iから手摺Tに向けて吹き付ける風C2よりも強いため、バルコニーの手摺Tにおいては、一般的に、バルコニーの外側Oに面した部分、特に、手摺壁と笠木との隙間から雨水等が浸入する恐れがあった。この点、図9に示した手摺Tの通気構造では、外装材42の上端部と笠木41の側部41aとの間が塞がれているので、このようなバルコニーの外側Oからの雨水の吹き込みが防止されるという利点を有していた(特許文献1参照)。
【0007】
また、その他の従来技術としては、図10に示すようなものがある。この手摺Tの通気構造は、基本的な構成が図9に示したものと同一であり、大きく異なる部分は、通気層44の上端部に煙突部材47が差し込まれて、外装材42の上端から笠木41内の空間41Kに向けて突設されている点である。
【0008】
このような手摺Tの通気構造によれば、煙突部材47が外装材42の上端から笠木41内の空間41Kに向けて突設されているので、笠木41のジョイント部などから空間41K内に雨水が浸入するような事態が生じたとしても、雨水が通気層44に更に入り込みにくくなっている(特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−227363号公報(第2頁,第3頁,図1)
【特許文献2】
特開2001−288866号公報(第3頁,図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の手摺の通気構造は、手摺壁の乾燥が完全に行われるものではなかった。
特許文献1に開示されたものは、笠木41の側部41aの裏面にカバー45の端部45bが当接して、この部分が閉じられているので、上述したようなバルコニーの外側Oから吹き付けてくるような雨水等の浸入は防止されるが、笠木41内に雨水等が浸入するような事態が生じたときの乾燥が充分に行われなかった。すなわち、笠木41の図示しないジョイント部分等から雨水が浸入するような事態が生じた場合には、カバー45の連通孔45aから雨水が通気層44に浸入して、躯体40に浸みる恐れがあった。また、例えば、台風などの強風を伴うような強い雨がバルコニーの内側から隙間Sを通じて吹き込んで来ることも考えられ、そのような場合にも、通気層44に雨水が浸入して躯体40に浸みる恐れがあった。
この点に関し、防水シート40a1が下地材42aの表面に張着されていても、防水シート40a1のジョイント部分や防水シート40a1を固定するために用いられるタッカー針や釘等によって形成される釘穴等を通じて、雨水が通気層44から下地材42aに浸み込んだり、経年変化による手摺壁のゆがみなどに起因して雨水が躯体へ浸み込むこと等があった。すなわち、従来の手摺では躯体40への水の浸入を完全に防止することは不可能であった。
そして、そうであるにもかかわらず、手摺壁Wの躯体40内は、密閉された空間として構築されているため、上述したような事情により下地材42aに雨水が浸み込むと、躯体40内が高湿状態のまま維持されやすくなり、このことによって、手摺壁Wの躯体40が腐ったり、最悪の状況では、手摺壁Wが折れて倒壊するなどの危険な事態が生じる恐れがあった。
【0011】
この点、特許文献2に開示された手摺Tの通気構造では、煙突部材47が設けられているので、特許文献1のものよりは、通気層44への雨水の浸入が起りにくい。しかしながら、煙突部材47の上端は笠木41の天板41cへ向けて開口しているので、例えば、笠木41内で結露した水滴が笠木41の天板41cの下面から煙突部材47に滴り落ちたり、笠木41のジョイント部から水が浸入し、水滴で通気層44内が濡れてしまうことがあった。また、強風を伴うような強い雨が隙間Sから笠木41内の空間41Kに吹き込んできて、煙突部材47の開口から通気層44内に入り込んでしまうという事態も考えられる。すなわち、このものも躯体40への水の浸入を完全に防止することはできない。
そして、そうであるにもかかわらず、やはりこのものも、万一躯体40内に雨水が浸み込んだときの対策がなされていないので、手摺壁Wの躯体40が腐る等の事態が生じる恐れがあった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、バルコニーの手摺壁の躯体表面側の結露のみならず、躯体内部の結露をも有効に防止することができるバルコニーの通気構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、手摺壁の上端に笠木が被せられた手摺を有するバルコニーの通気構造であって、前記手摺壁の下張材と外装材との間に設けられた通気空間と、前記下張材に設けられ、前記通気空間と手摺壁の躯体内の空間とを連通する下張材連通孔と、前記躯体の上枠に形成され、前記躯体内の空間と前記笠木内の空間とを連通する上枠連通孔と、前記手摺壁の上端内側で、前記笠木内の空間とバルコニー内側の空間とを連通する隙間と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
このようなバルコニーの通気構造によれば、下張材と外装材との間に設けられた通気空間は、下張材連通孔を通じて躯体内の空間に連通し、躯体内の空間から上枠連通孔を通じて笠木内の空間に通じ、笠木内の空間を通じて手摺壁の上端内側の隙間からバルコニー内側の外気に連通することとなる。すなわち、下張材の表面側に設けられた通気空間が外気に連通した構造となっているとともに、通気経路の一部を構成している躯体内の空間も外気に連通した構造となっている。これにより、躯体の表面側(外装材の裏側)の結露が有効に防止されるとともに、通気経路となる躯体内部の結露をも有効に防止することができるようになる。すなわち、手摺壁内の内部結露を躯体の外側と内部との双方から防止することができる。
また、通気空間は、躯体内の空間を経由して笠木内の空間に連通しており、笠木内の空間に直接連通していないので、万一、笠木内の空間に雨水等が浸入するような事態が生じたとしても、雨水等が通気空間に直接浸入することがない。したがって、下張材に雨水等が浸みるのを確実に防止することができる。
万一、笠木内に雨水等が浸入するような事態が生じた場合には、笠木内に浸入した雨水が、上枠連通孔を通じて躯体内に浸入することもあるかも知れないが、仮にそのような事態が生じたとしても、躯体内の空間は、上枠連通孔から笠木内の空間を経由してバルコニー内側の外気に連通しているので、高湿状態が維持されるような状況とはならない。すなわち、躯体内の空間は時間の経過とともに確実に乾燥されることとなる。
したがって、品質に悪影響を及ぼすような事態、例えば、躯体が腐るなどの現象も起りにくくなる。これにより、経年変化にも絶え得る通気構造を備えた手摺が得られる。
また、通気空間の空気は、躯体内の空間を経由してその上方の上枠連通孔から笠木内に流れてバルコニーの内側に通じるという、下方から上方への流れとなるので、暖かい水蒸気が自然に上昇して排出されやすくなるという利点も得られる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のバルコニーの通気構造において、上枠連通孔には、上端がつば状のキャップで塞がれているとともに周壁に通気部が形成された連通管が差し込まれているので、万一笠木のジョイント部分等から笠木内に雨水等が浸入して、笠木の天板部分等から水摘が落下するような事態が生じたとしても、つば状のキャップが水滴よけの傘がわりとなり、水滴が上枠連通孔を通じて躯体内に浸入するのを防止することができる。したがって、躯体内が雨水等で湿らなくなる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のバルコニーの通気構造において、連通管には、通気部に雨水等が流れ込むのを防ぐ水返しが取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
このようなバルコニーの通気構造によれば、万一笠木内に雨水等が浸入してきたとしても、水返しが防水堤の役割をなし、連通管の通気部に雨水が入り込まない。したがって、躯体内が雨水等で湿るのをより確実に防止することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のバルコニーの通気構造において、通気空間は、多数の突起を点在形成してなる凹凸面を裏面に備え、この凹凸面を下張材の表面に当接して張着された防水面材で形成されていることを特徴とする。
【0019】
このようなバルコニーの通気構造によれば、防水面材における多数の突起を点在形成してなる凹凸面が下張材と対向するため、各突起間の空隙が水蒸気拡散路として確保されることとなり、したがって、下張材の表面側の内部結露が有効に防止される。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のバルコニーの通気構造において、手摺壁の下方に、躯体内の空間に水が溜まらないようにするための水抜き孔が形成されているので、万一雨水等の水滴が躯体内に浸入し、手摺壁の下方へ浸み込んでも、水抜きすることが可能になる。これにより、手摺壁の下方の床等の乾燥維持を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0022】
(第一の実施形態)
図1は本発明に係るバルコニーの通気構造の第一の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図、図2は同じく手摺壁の構造を示す一部破断斜視図である。本発明に係るバルコニーの通気構造に採用される手摺は、図1に示すように、手摺壁Wの上部に笠木10が被せられており、手摺壁Wの下張材1,1’の表面側に形成された通気空間T1,T2が、躯体K内の空間1K,上枠連通孔4a,および笠木10内の空間10Kを通じてバルコニー内側の外気Aに連通するように構成されている。すなわち、この手摺Tでは、下張材1,1’の表面側の通気空間T1,T2と通気経路の一部を構成する躯体K内の空間1Kとの双方が外気Aに連通した構造となっている。これにより、下張材1,1’の表面側における内部結露が防止されるとともに、躯体Kの内部結露も防止されるようになっている。
【0023】
以下、各部について説明する。
手摺Tは、手摺壁Wとこの手摺壁Wの上部に被せられた笠木10とからなる。
手摺壁Wは、図2にも示すように、躯体Kを構成する下張材1,1’と、この下張材1,1’の表面に張着された防水面材2,2と、この防水面材2,2の表面に張着されたラス3a,3aと、このラス3a,3aを塗り下地として塗り付けられた外装材としてのセメントモルタル3,3’とを含んで構成される。外装材3は手摺壁Wの外側の側面を構成し、外装材3’は手摺壁Wの内側の側面を構成している。
【0024】
下張材1,1’には、下張材連通孔1a,1a,…が上下左右方向に所定の間隔を置いて設けられている。この下張材連通孔1a,1a,…は、下張材1,1’の表面側に形成される通気空間T1,T2と躯体K内の空間1Kとをそれぞれ連通する役割をなす。
防水面材2は、釘孔シール性を付与するためのアスファルトコンパウンド層2bを含んでおり、また、多数の突起2d,2d,…を点在形成してなる凹凸面2eを裏面に備えたものである。具体的には、図3に示すように、防水面材2の層構成パターンは四種類ある。
つまり、図3(a)に示す防水面材2Aは、表面側から順に基層2a、アスファルトコンパウンド層2b、表層2cを積層した三層構造となっており、表層2cの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。図3(b)に示す防水面材2Bは、表面側から順に基層2a、アスファルトコンパウンド層2bを積層した二層構造となっており、アスファルトコンパウンド層2bの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。図3(c)に示す防水面材2Cは、表面側から順にアスファルトコンパウンド層2b、表層2cを積層した二層構造となっており、表層2cの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。図3(d)に示す防水面材2Dは、アスファルトコンパウンド層2bのみの一層構造となっており、アスファルトコンパウンド層2bの裏面に点在する多数の突起2d,2d,…が凹凸面2eを形成している。そして、防水面材2の突起2d,2d,…は、セメントモルタル3の塗り付け施工時のコテ圧でつぶれない程度の強度を有している。
【0025】
そして、このような防水面材2は、図2に示すように、凹凸面2eを下張材1,1’の表面に当接した状態でそれぞれ張着され、その突起2d,2d,…間の空隙によって下張材1,1’の表面側に連続的な通気空間T1,T2が形成される。
なお、防水面材2はタッカー針や釘等の留付手段によって下張材1,1’に留め付けられ、また、ラス3aは防水面材2を貫通する留付手段によって下張材1,1’に留め付けられるが、防水面材2には極めて高いコールドフロー性と粘弾性を有するアスファルトコンパウンド層2bが含まれているので、防水面材2は留付手段によって開いた孔を自ら塞いで修復する機能(釘孔シール機能)を有している。これにより、防水性能が維持されるようになっている。
【0026】
このような防水面材2により形成される通気空間T1,T2のうち、通気空間T1は、テラスタイプのバルコニーにおいて、図示しない建物の外壁内の通気層に連通することができる。この場合、通気空間T1には、建物の外壁内を通過してきた外気が導入されることとなる。
また、持出しタイプのバルコニーにおいては、通気空間T1を軒天へ向けて延設することができる。図4は持出しタイプのバルコニーB2における軒天まわりの構造を表した断面図であり、同図に示すように、通気空間T1は、軒天30へ向けて延設された防水面材2により、軒天30のふところ空間Nに通じている。これにより、通気空間T1には、軒天30に形成された外気連通孔31を通じて外気が導入される。このような構成とすることにより、手摺壁Wのみならず、バルコニーの床躯体まわりの通気をも確保することができるようになる。
なお、通気空間T2は、手摺壁Wの下端部においてバルコニー内側の外気に連通しても良いし、また、図4に示すように、バルコニー内側には連通させずに、下張材連通孔1a,1a…を通じて躯体K内の空間1Kに対してのみ連通させるように構成しても良い。
【0027】
図1に示すように、手摺壁Wの上枠4には、躯体K内の空間1Kと笠木10内の空間10Kとを連通するための上枠連通孔4aが設けられている。上枠連通孔4aには、筒材4a1が差し込まれている。なお、この筒材4a1は必ずしも設ける必要はなく、筒材4a1の代わりに、上枠連通孔4aの内周面に防水材を塗布した構成としても良い。
【0028】
手摺壁Wの上端に設けられる笠木10は、図示しない笠木ブラケットにより、手摺壁Wの長手方向の全体にわたって取り付けられる。本実施の形態では、笠木10が手摺壁Wの上端部に取り付けられた状態で、図1に示すように、笠木10内の空間10Kが手摺壁Wの上端内側の隙間Sを通じてバルコニー内側の外気Aに連通するように構成されている。
笠木10は、天板11と、外側の側部12と、内側の側部13とからなる断面略コ字形状に形成されている。天板11はバルコニー内側へ向けて水勾配を有する下り傾斜状に形成されている。外側の側部12は、下部が裏面側に折り返されてその端部12aが上枠下地材5の一端部5cに密着した状態で当接される。また、内側の側部13は、上枠下地材5の他端部5d及び外装材3’との間に隙間Sを形成するようにして、下部が裏面側に廻りこむように折り返されている。これにより、この隙間Sを通じて笠木10内の空間10Kとバルコニー内側の外気Aとが連通する。つまり、笠木10内の空間10Kは、手摺壁Wの上端内側において、バルコニー内側にのみ連通する。
なお、笠木10の上には、不図示の固定手段によって支柱14が取り付けられ、支柱14の上端にはトップレール15が取り付けられる。
また、手摺壁Wは、テラスタイプのバルコニーにおいて、手摺壁Wの下方に図示しない土台下の床下換気孔等が位置するように構成されており、この床下換気孔等が躯体K内の空間1Kに万一水が溜まったときの水抜き孔の役割をなすようになっている。
さらに、また、持出しタイプのバルコニーにおいては、図4に示すように、手摺壁Wの下方に、躯体Kの下枠35,床板36,床根太37,軒天30のふところ空間Nが位置するように構成されており、軒天30の外気連通孔31が躯体K内の空間1Kに万一水が溜まったときの水抜き孔の役割をなすようになっている。
【0029】
以上のような手摺を有するバルコニーの通気構造によれば、下張材1,1’と外装材3,3’との間に設けられた通気空間T1,T2が、下張材連通孔1a,1a…を通じて躯体K内の空間1Kにそれぞれ連通し、躯体K内の空間1Kから上枠連通孔4aを通じて笠木10内の空間10Kに通じ、笠木10内の空間10Kを通じて手摺壁Wの上端内側の隙間Sからバルコニー内側の外気Aに連通する。すなわち、下張材1,1’の表面側に設けられた通気空間T1,T2が外気に連通した構造となっているとともに、通気経路の一部を構成する躯体K内の空間1Kも外気Aに連通した構造となっている。これにより、躯体Kの表面側の結露が有効に防止されるとともに、通気経路となる躯体Kの内部の結露をも有効に防止することができるようになる。すなわち、手摺壁W内の内部結露を躯体Kの表面側と内部との双方から防止することができる。
【0030】
また、通気空間T1,T2は、躯体K内の空間1Kを経由して笠木10内の空間10Kに連通しており、笠木10内の空間10Kには直接連通していないので、万一、笠木10の空間10K内に雨水等が浸入するような事態が生じたとしても、雨水等が通気空間T1,T2に直接浸入することがない。したがって、下張材1,1’に雨水等が浸みるのを確実に防止することができる。
万一、笠木10内に雨水等が浸入するような事態が生じた場合には、笠木10内に浸入した雨水が、上枠連通孔4aを通じて躯体K内に浸入することもあるかも知れないが、仮にそのような事態が生じても、躯体K内の空間1Kは、上枠連通孔4aから笠木10内の空間10Kを経由してバルコニー内側の外気Aに連通しているので、高湿状態が維持されるような状況とならない。すなわち、躯体K内の空間1Kは時間の経過とともに乾燥されることとなる。
したがって、品質に悪影響を及ぼすような事態、例えば、躯体Kが腐るなどの現象も起りにくくなる。これにより、経年変化にも絶え得る通気構造を備えた手摺Tが得られる。
また、通気空間T1,T2の空気は、躯体K内の空間1Kを経由してその上方の上枠連通孔4aから笠木10内に流れてバルコニーの内側に通じるという、下方から上方への流れとなるので、暖かい水蒸気が自然に上昇して排出されやすくなるという利点も得られる。
【0031】
さらに、下張材1,1’には、防水面材2における多数の突起2d,2d…を点在形成してなる凹凸面2eが対向しているので、各突起2d,2d…間の空隙が水蒸気拡散路として確保されることとなり、したがって、下張材1,1’の表面側の内部結露が有効に防止される。
【0032】
さらに、手摺壁Wの下方には、躯体K内の空間1Kに万一水が浸入した場合の水抜き孔(土台下の床下換気孔や軒天30の外気連通孔31)が形成されているので、万一雨水等の水滴が躯体K内に浸入し、手摺壁Wの下方へ浸み込んでも、水抜きすることが可能になる。これにより、手摺壁Wの下方の床等の乾燥維持を図ることができる。
【0033】
(第二の実施形態)
図5は本発明に係るバルコニーの通気構造の第二の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図である。本実施形態のバルコニーの通気構造は、手摺壁Wの上枠連通孔4aに連通管20が設けられている点が前記第一の実施形態と異なり、この連通管20により躯体K内の空間1Kと笠木10内の空間10Kとが連通されるようになっている。
【0034】
連通管20は、図6にも示すように、筒部21と、通気部22と、つば状のキャップ23とから構成されている。筒部21は、躯体の上枠4に形成された上枠連通孔4aに差し込まれて嵌まり込む外径を有している。通気部22は、筒部21の上部に連続して設けられており、小さな昆虫などが通りぬけない網状に形成されている。キャップ23は、通気部22の上端を塞ぐ状態に設けられ、通気部22へ雨水が入り込まないようにするための水滴よけとなる傘の役割をなす。
【0035】
このような連通管20は、図5に示すように、上枠下地材5の縦孔5bおよび上枠4の上枠連通孔4aに筒部21が差し込まれた状態で取り付けられる。取り付けられた状態で、連通管20の通気部22は、笠木10内の空間10Kに通気部22が臨むようになっている。これにより、躯体K内の空間1Kと笠木10内の空間10Kとが連通管20を通じて連通される。
【0036】
本実施の形態では、連通管20の周りに、連通管20とは別体の水返し24が取り付けられている。水返し24は、つば部24aと、堤部24bとからなり、上枠下地材5の上面5aにつば部24aが載置された状態で、堤部24bが連通管20の通気部22の少なくとも下部22aを、全周にわたって覆う状態(塞ぐ状態)に形成されている。水返し24の周縁24cはシーリング材25で上枠下地材5の上面5aに封止されている。
このような水返し24が取り付けられることにより、笠木10内の空間10Kに万一雨水が浸入するような事態が生じた場合には、たとえ、上枠下地材5の上面5a等に雨水が溜まったとしても、水返し24により通気部22に水が流れ込むことが有効に防止される。
【0037】
なお、次に説明するように連通管20を構成した場合には、前記水返し24は不要となる。すなわち、連通管20が上枠連通孔4aに差し込まれた状態で、通気部22の下端部が、天板5の上面5aより上方位置に配置されるように形成する。これにより、通気部22が天板5の上面5aから比較的高い位置に配置されることとなり、水返し24を用いなくとも雨水等の浸入が防止されるようになる。なお、連通管20と上枠連通孔4aとの隙間はシーリング材25により封止する。
【0038】
本実施の形態によれば、上枠連通孔4aに連通管20が差し込まれているので、万一、笠木10のジョイント部分等から雨水等が浸入して笠木10の天板部分から水摘が落下するような事態が生じたとしても、つば状のキャップ23が水滴よけの傘がわりとなり、躯体K内に水滴が浸入するのを防止することができる。したがって、躯体K内が雨水等で濡れなくなる。
【0039】
また、連通管20には、水返し24が取り付けられているので、笠木10内に雨水等が万一浸入してきたとしても、水返し24が防水堤の役割をなし、連通管20の通気部22に雨水が入り込まない。したがって、躯体K内に雨水等が浸入するのをより確実に防止することができる。
【0040】
以上、本発明に係るバルコニーの通気構造の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、発明の主旨に応じた適宜の変更実施が可能であることはいうまでもない。例えば、空気通路T1,T2は前記防水面材2によらず、図7に示すように、従来用いられている縦胴縁38により形成しても良い。また、通気空間は、内部結露が生じやすい手摺壁Wの外側にのみ構成しても良い。さらに、外装材3,3’は、例えば、サイディングやタイル付き面材などで設けても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るバルコニーの通気構造によれば、躯体の表面側の結露のみならず、躯体内部の結露をも有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバルコニーの通気構造の第一の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図である。
【図2】同じく手摺壁の構造を示す一部破断斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明に係るバルコニーの通気構造における防水面材の構成パターンを示す断面斜視図である。
【図4】第一の実施形態のバルコニーの通気構造が採用された持出しタイプのバルコニーにおける軒天構造を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係るバルコニーの通気構造の第二の実施形態を表すバルコニーの手摺の一部省略断面図である。
【図6】連通管の取付状態を示す拡大斜視図である。
【図7】手摺壁の構造のその他の例を示す一部破断斜視図である。
【図8】(a)(b)はバルコニーを表した模式図である。
【図9】従来の手摺の通気構造を表した縦断面図である。
【図10】従来のその他の手摺の通気構造を表した縦断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 下張材
2 防水面材
4 上枠
4a 上枠連通孔
10 笠木
10K 笠木内の空間
20 連通管
21 筒部
22 通気部
23 キャップ
24 水返し
A 外気(バルコニー内側)
S 隙間
T1,T2 通気空間
W 手摺壁
K 躯体
1K 躯体内の空間
Claims (5)
- 手摺壁の上端に笠木が被せられた手摺を有するバルコニーの通気構造であって、
前記手摺壁の下張材と外装材との間に設けられた通気空間と、
前記下張材に設けられ、前記通気空間と手摺壁の躯体内の空間とを連通する下張材連通孔と、
前記躯体の上枠に形成され、前記躯体内の空間と前記笠木内の空間とを連通する上枠連通孔と、
前記手摺壁の上端内側で、前記笠木内の空間とバルコニー内側の空間とを連通する隙間と、
を具備したことを特徴とするバルコニーの通気構造。 - 前記上枠連通孔には、上端がつば状のキャップで塞がれているとともに周壁に通気部が形成された連通管が差し込まれていることを特徴とする請求項1に記載のバルコニーの通気構造。
- 前記連通管には、前記通気部に水が流れ込むのを防ぐ水返しが取り付けられることを特徴とする請求項2記載のバルコニーの通気構造。
- 前記通気空間は、多数の突起を点在形成してなる凹凸面を裏面に備え、この凹凸面を前記下張材の表面に当接して張着された防水面材により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のバルコニーの通気構造。
- 前記手摺壁の下方に、前記躯体内の空間に水が溜まらないようにするための水抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のバルコニーの通気構造。
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---|---|---|---|
JP2002366072A JP2004197383A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | バルコニーの通気構造 |
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JP2002366072A JP2004197383A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | バルコニーの通気構造 |
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---|---|
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JP (1) | JP2004197383A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006037679A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Daiwa House Ind Co Ltd | 壁体、バルコニー手摺壁、建物、並びに壁体内空間の通気方法 |
JP2008150795A (ja) * | 2006-12-14 | 2008-07-03 | Asahi Kasei Homes Kk | 建物の外壁上部構造 |
JP2015132105A (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | トヨタホーム株式会社 | 建物の壁構造 |
JP2015183490A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | 倉敷紡績株式会社 | 建築物の構造 |
-
2002
- 2002-12-18 JP JP2002366072A patent/JP2004197383A/ja active Pending
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