JP2015132105A - 建物の壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】笠木の下側に隙間が形成されている壁部において、その隙間を通じて壁内の通気を好適に行う。
【解決手段】建物10の屋根12にはパラペット15が設けられており、パラペット15は、パラペット本体16と、パラペット本体16の上端を覆う笠木17とを有している。パラペット本体16と笠木17との間には笠木隙間が形成されており、笠木隙間を屋外側に向けて開放する隙間開放部が、壁厚み方向においてパラペット本体16の両側方に設けられている。パラペット本体16は壁内空間を有しており、パラペット本体16の外周部には壁内空間と笠木隙間とを連通する壁通気部が設けられている。パラペット15には、笠木隙間における空気の流れを規制する流れ規制体51が設けられている。流れ規制体51内の規制通路においては、壁通気部に対する空気の流れが、壁幅方向に沿って案内される一方で、壁厚み方向や壁高さ方向については遮断される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の壁構造に関する。
住宅等の建物において、上端部に笠木が設けられたパラペット等の壁部が屋外に設置されていることがある。ここで、笠木を有する壁部については、壁本体と笠木との間の隙間を通じて壁内空間の通気を行う技術が提案されている。例えば、壁本体の上端部に通気孔が形成され、その通気孔を通じて壁内空間が壁本体と笠木との間の隙間に通気可能に連通された構成がある(例えば特許文献1参照)。
この構成では、壁本体の上端部が笠木の溝部内に入り込んだ状態になっており、壁本体の側面と笠木との間に水切部材が設けられている。水切部材は、空気が壁厚み方向に蛇行しながら上下方向に流れる構成になっている。この構成によれば、風が壁部の側面に沿って吹き上がった場合などにおいて、雨水等の水が空気と共に水切部材の内部に浸入したとしても、その水は、水切部材の内部を空気と共に蛇行しながら進むことで壁内空間に到達しにくくなっている。
特開2012−149488号公報
ここで、壁本体と笠木との間の隙間において空気の流れを壁厚み方向や壁高さ方向に蛇行させる構成では、蛇行させる回数を多くするほど水の浸入規制の確実性を高めることができると考えられるが、壁厚み方向や壁高さ方向については空気の流れる距離が小さいため、蛇行回数を多くするほど水切部材の構成が複雑になる一方で、水の浸入規制の確実性が構成の複雑さほど向上しないと想定される。したがって、壁本体と笠木との間の隙間を通じて壁内空間の通気を行う構成においては、水の浸入規制に関して改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、笠木の下側に隙間が形成されている壁部において、その隙間を通じて壁内の通気を好適に行うことを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
第1の発明の建物の壁構造は、屋外において上方に向けて起立した壁部(パラペット15)を備えた建物の壁構造であって、前記壁部は、当該壁部の壁面を形成する壁本体(パラペット本体16)と、前記壁本体の上端部を覆う笠木(笠木17)とを有しており、前記壁本体と前記笠木との間には、前記壁部の壁幅方向に交差する方向に向けて開放された笠木隙間(笠木隙間18)が設けられており、前記壁本体の外周部には、当該壁本体の内部空間である壁内空間(壁内空間21)と前記笠木隙間との通気を可能にする壁通気部(壁通気部41)が設けられており、前記笠木隙間には、空気の流れを遮断し且つ前記壁幅方向に沿って延びた遮断部(側面部51a、上面部51b)が設けられていることで、前記笠木隙間の開放部である隙間開放部(隙間開放部18a)と前記壁通気部との間の空気の流れを前記壁幅方向に交差する方向について遮断する一方で、前記空気の流れを前記壁幅方向について案内する案内通路(規制通路53)が形成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、笠木隙間においては、壁通気部と隙間開放部との間での空気の流れが、案内通路により壁幅方向について案内される一方で、壁厚み方向や壁高さ方向については遮断されるため、風が壁部の側面に沿って吹き上がった場合などにおいて、雨水等の水が屋外から笠木隙間に空気と共に流れ込んだとしても、その水は、空気と共に壁幅方向に沿って流れている間に案内通路の内周面に付着する可能性が高くなっている。このため、水が屋外から笠木隙間を通じて壁内空間に浸入することを抑制できる。
しかも、壁本体と笠木との間の隙間という限られたスペースにおいて、案内通路が壁幅方向に延びているため、案内通路が壁厚み方向や壁高さ方向に延びている構成に比べて、案内通路の長さ寸法を大きく設定することが可能である。ここで、案内通路の長さ寸法が大きいほど、案内通路内を空気と共に流れる水は案内通路の内周面に付着しやすくなるため、案内通路から壁内空間への水の浸入をより確実に抑制することができる。
以上により、笠木隙間を通じて壁内空間の通気を好適に行うことができる。
第2の発明では、第1の発明において、前記遮断部を有していることで前記案内通路を形成する通路形成体(流れ規制体51)を備え、前記遮断部は、前記笠木隙間を前記壁通気部側と前記隙間開放部側とに仕切ることで、前記隙間開放部と前記壁通気部との並び方向において前記笠木の内周面に沿った空気の流れを遮断するものであり、前記通路形成体においては、前記遮断部により仕切られた前記壁通気部側の空間が前記案内通路とされている。
第2の発明によれば、通路形成体の遮断部が笠木隙間に設けられているため、壁幅方向について空気の流れを案内し、且つ壁厚み方向や壁高さ方向について空気の流れを遮断する構成を、笠木隙間において実現することができる。しかも、案内通路が通路形成体により形成されているため、壁本体や笠木に対して通路形成体を取り付けるという容易な作業により、案内通路を笠木隙間という狭小スペースにおいて構築することができる。これにより、案内通路を構築する際の作業負担を低減することができる。
第3の発明では、第2の発明において、前記遮断部は、前記隙間開放部と前記壁通気部との間に設けられた中間部(側面部51a)と、前記隙間開放部と前記壁通気部との並び方向において前記中間部から前記隙間開放部とは反対側に向けて延び、前記笠木側から前記壁通気部を覆っている覆い部(上面部51b)と、を有し、前記通路形成体においては、前記中間部の前記壁通気部側において前記覆い部と前記壁本体との間に形成された空間が前記案内通路とされている。
第3の発明によれば、遮断部が覆い部を有しているため、遮断部が壁本体と笠木とに掛け渡された状態になっていなくても、壁通気部と隙間開放部との並び方向において空気や水が笠木側から遮断部(中間部)を乗り越えて壁通気部に流れ込むということが生じにくくなっている。また、この場合、通路形成体が笠木から離間した状態で壁本体だけに固定されていても、遮断部による水の浸入規制を実現することができるため、笠木や壁本体の仕様に合わせて専用の通路形成体を製造するのではなく、通路形成体を汎用化することが可能となる。これにより、通路形成体の製造に関してコスト負担を低減することができる。
第4の発明では、第2又は第3の発明において、前記通路形成体においては、前記案内通路を前記壁幅方向に向けて開放する通路開放部(通路開放部54)が、前記壁幅方向において前記遮断部の両端側に設けられている。
第4の発明によれば、壁通路部に対して壁幅方向の両方に空気が流れることが可能になっているため、壁厚み方向や壁高さ方向について空気の流れが規制されていても、案内通路を壁幅方向に沿って空気が流れやすくなる。このため、案内通路における通気量が不足するということを回避できる。
第5の発明では、第2乃至第4のいずれかの発明において、前記隙間開放部は、前記壁部の壁厚み方向において前記壁本体の両側に一対として配置されており、前記笠木隙間には、前記案内通路とは異なる非案内通路(非規制通路55)が設けられており、前記非案内通路は、前記通路形成体の前記遮断部と前記笠木との間の空間を通じて、前記案内通路を介さずに一対の前記隙間開放部の間の通気を可能とするものである。
第5の発明によれば、一対の隙間開放部の間の通気は非案内通路を通じて行われるため、外気が笠木隙間を通り抜けやすくなっている。このため、空気と共に水が笠木隙間内に浸入したとしても、案内通路に加えて非案内通路の通気が行われることで、笠木隙間内の乾燥を促すことができる。
第6の発明では、第2乃至第5のいずれかの発明において、前記通路形成体は、前記壁本体の外周面に重ねられた重ね部(下面部51c)を有しており、前記通路形成体においては、前記重ね部と前記遮断部とで区画された空間が前記案内通路とされている。
第6の発明によれば、通路形成体においては、重ね部と遮断部との間に案内通路が形成されているため、例えば壁本体の外周面と遮断部との間に案内通路が形成された構成とは異なり、壁本体の外周面が平坦面になっていなくても、壁厚み方向や壁高さ方向についての空気の流れを遮断部により確実に遮断することができる。
なお、重ね部には、壁通気部に連通する連通孔が形成されていることが好ましい。この場合、通路形成体において遮断部と連通孔との位置関係が設定されていることになるため、これら遮断部と連通孔とを壁本体や笠木の仕様などに関係なく適正な位置関係に配置することができる。
第7の発明では、第6の発明において、前記通路形成体は、前記重ね部から延びていることで前記壁通気部に入り込んでいる挿入部(挿入部61)を有している。
第7の発明によれば、挿入部を壁通気部に挿し込みながら重ね部を壁本体の外周面に重ねるという容易な作業により、通路形成体を壁本体に対して位置合わせすることができる。このため、通路形成体を壁本体に取り付ける際の作業負担を低減することができる。
第8の発明では、第7の発明において、前記通路形成体は、前記重ね部が延びる方向に沿って前記挿入部から延び、前記壁内空間側から前記壁本体の外周部に引っ掛かっている引っ掛け部(引っ掛け部62)を有している。
第8の発明によれば、挿入部を引っ掛け部ごと壁通気部に押し込むという容易な作業により、通路形成体を壁本体に対して固定することができる。
第9の発明では、第1乃至第8のいずれかの発明において、前記案内通路は、前記壁部の壁高さ方向及び壁厚み方向の少なくとも一方に対して蛇行した状態で前記壁幅方向に沿って延びている。
第9の発明によれば、案内通路においては、壁幅方向に沿って流れる空気が蛇行することになるため、この空気と共に流れる水が案内通路の内周面により一層付着しやすくなる。このため、案内通路において、壁内空間への水浸入の抑制効果をより一層高めることができる。
建物の平面図 図1のA−A線断面図 図1のB−B線断面図 図1のC−C線断面図 パラペット内の空気の流れを説明するための図 流れ規制体の構成を示す斜視図 別の流れ規制体の分解斜視図
以下に、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の壁構造を建物の屋根において具体化している。図1は、建物10の平面図である。
図1において、建物10は、建物本体の上に設けられた屋根12を有している。屋根12は、陸屋根(フラットルーフ)とされており、その屋根面12aは所定の水勾配を有している。
なお、屋根12は、建物躯体により支持された屋根下地と、その屋根下地の上に設けられた屋根面材とを有している。屋根下地は、屋根小梁等の上に設置された野地板と、その野地板の上に設置された断熱材とを有しており、屋根面材は、断熱材の上に重ねられている。屋根面材は、耐水皮膜が施されたシート材や鋼材等の防水部材であり、その上面が屋根面12aを形成している。この場合、屋根面12aは、防水性を有する防水面に相当する。また、屋根12は、人の出入りが可能な屋上を構成していてもよい。
屋根12は、その屋根12の周縁部に沿って延びているパラペット15を有している。パラペット15は、屋根面12aから上方に向けて起立した低い手摺壁である。建物10においては、建物本体の外壁が屋根面12aよりも上方に向けて突出しており、その突出部分がパラペット15を形成している。屋根面12aは、パラペット15により囲まれた領域に配置された状態になっている。
パラペット15の構成について図2〜図4を参照しつつ説明する。図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は図1のC−C線断面図である。
図2、図3に示すように、パラペット15は、そのパラペット15の側面を形成するパラペット本体16と、パラペット本体16の上に設けられた笠木17とを有している。パラペット本体16及び笠木17は、いずれもパラペット15の幅方向(壁幅方向)に沿って延びている。パラペット本体16と笠木17との間には隙間が形成されており、この隙間が笠木隙間18となっている。笠木隙間18は、壁幅方向に沿って延びている。なお、パラペット15が壁部に相当し、パラペット本体16が壁部本体に相当する。
パラペット本体16においては、その内部空間が壁内空間21とされている。パラペット15は、建物躯体に対して固定された本体下地22と、本体下地22を挟んで設けられた一対の外装材23,24とを有している。本体下地22は、複数のフレーム材を有する下地フレーム25と、その下地フレーム25の屋根内周側に配置された下地板26とを有している。下地板26は、外装材23,24のうち屋根内周側に配置された内側外装材24に重ねられている一方で、屋根外周側に配置された外側外装材23からは離間しており、壁内空間21は、外側外装材23と下地板26との間に形成されている。この場合、下地フレーム25は、壁内空間21に配置されていることになる。
下地フレーム25は、その下地フレーム25の上端を形成する上端フレーム材25aを有している。上端フレーム材25aは、断面コ字状の軽量溝形鋼により形成されており、その溝部を下方に向けて壁幅方向に沿って延びた横フレーム材とされている。この場合、上端フレーム材25aの上面(ウェブの外側面)が下地フレーム25の上端面を形成している。
なお、外壁においてパラペット15の下方部分(屋内空間を区画する部分)は、パラペット15と同様に、下地フレーム25、外側外装材23及び壁内空間21を有している一方で、下地板26や内側外装材24に代えて、下地フレーム25に取り付けられた内装材や断熱材を有しており、壁内空間21は、外側外装材23と内装材(断熱材)との間に形成されている。壁内空間21は、壁方さ方向において外壁のほぼ全体に延びており、外壁には、壁内空間21の換気を行う換気口が設けられている。換気口は、外壁の上端部及び下端部のそれぞれに配置されており、上端部の換気口及び下端部の換気口のうち一方から壁内空間21に流れ込んだ外気が、他方を通じて屋外に流れ出すことで、壁内空間21の換気が行われる。
下地板26は、合板等により形成されており、下地フレーム25の側面にビス等により固定されている。下地板26の上端面は、下地フレーム25の上端面とほぼ同じ高さに配置されている。
外側外装材23は、サイディングボード等の外壁面材であり、下地フレーム25の屋根外周側の面にビス等により固定されている。内側外装材24は、鋼材に耐水皮膜が付与された防水板であり、下地板26に重ねられた状態でその下地板26に接着剤等により接合されている。外装材23,24の上端面は、下地フレーム25の上端面とほぼ同じ高さに配置されている。
パラペット本体16は、下地フレーム25、下地板26、外装材23,24の各上端面を上方から覆う防水シート27を有している。防水シート27は、耐水性を有する材料により形成され、柔軟性を有している。パラペット15の厚み方向(壁厚み方向)において、防水シート27の一端側は外側外装材23の仕上面に重ねられ、他端側は内側外装材24の仕上面に重ねられている。この場合、防水シート27の上面がパラペット本体16の上端面を形成していることになる。
笠木17は、合成樹脂材料や金属材料などにより縦断面略コ字状に形成されており、下方に向けて開放された溝部を有している。笠木17は、その笠木17の上面を形成する上面部17aと、側面を形成する側面部17b,17cとを有している。上面部17aは、パラペット本体16から上方に離間した位置に配置されており、パラペット本体16の上端面に対向している。側面部17b,17cは、上面部17aから下方に向けて延びており、側面部17b,17cの各下端部は、パラペット本体16の上端面より低い位置に配置されている。この場合、側面部17b,17cは、パラペット本体16の側面に向かい合っている。側面部17b,17cの離間距離は、パラペット本体16の厚み寸法より大きくされており、側面部17b,17cは、壁厚み方向においてパラペット本体16から離間した位置に配置されている。
笠木隙間18は、パラペット本体16の外周面と笠木17の内周面との間に形成されており、笠木17の内周面に沿って延びている。笠木隙間18は、壁厚み方向においてその笠木隙間18をパラペット15の側方に向けて開放する隙間開放部18aを有している。隙間開放部18aは、パラペット15の屋根外周側及び屋根内周側のそれぞれに一対として配置されており、いずれもパラペット本体16の上端より低い位置にそれぞれ配置されている。一対の隙間開放部18aのうち、屋根外周側の隙間開放部18aは、パラペット本体16の外側外装材23と笠木17の外側側面部17bとの間に配置され、屋根内周側の隙間開放部18aは、パラペット本体16の内側外装材24と笠木17の外側側面部17bとの間に配置されている。
笠木17の上面(上面部17a)は、屋根外周側の端部が上端となり、屋根内周側の端部が下端となる向きで傾斜している。この場合、側面部17b,17cのうち、屋根外周側に配置された外側側面部17bの上端部は、屋根内周側に配置された内側側面部17cの上端部より高い位置に配置されている。このため、笠木17の上面に雨水等の水が付着した場合には、その水が笠木17の上面に沿って屋根内周側に流れ落ちることになる。
笠木17は、笠木ホルダ31によりパラペット本体16に対して固定されている。図2に示すように、笠木ホルダ31は、パラペット本体16の上端面に重ねられた状態で固定された固定部32と、笠木17の上面部17aを下方から支える支え部33と、笠木17に引っ掛かっている係止部34とを有している。笠木ホルダ31は、合成樹脂材料や金属材料などにより板状に形成されており、固定部32、支え部33及び係止部34はそれぞれ板部とされている。
固定部32は、防水シート27を挟んで上端フレーム材25aの上面に重ねられており、ビス等の固定具35が固定部32及び防水シート27を貫通して上端フレーム材25aのウェブに打ち込まれていることで、その上端フレーム材25aに固定されている。固定部32には、固定具35が挿通された固定孔32aが形成されている。固定孔32aは、壁厚み方向に沿って延びた長孔とされており、壁幅方向に沿って複数並べられている。
支え部33は、固定部32から上方に向けて延びており、笠木17の上面部17aの下面に当接した状態で笠木17を支持している。支え部33は、壁厚み方向に沿って一対設けられており、一方の支え部33は固定部32の一端から延びており、他方の支え部33は固定部32の他方から延びている。この場合、一対の支え部33により、笠木17の屋根外周側及び屋根内周側のそれぞれが支持されていることになる。
係止部34は、支え部33と同様に、壁厚み方向に沿って一対設けられており、各係止部34は、それぞれ別の支え部33から延びている。一対の係止部34のうち、屋根外周側に向けて延びた係止部34は、笠木17の外側側面部17bに引っ掛かっており、屋根内周側に向けて延びた係止部34は、外側側面部17bに引っ掛かっている。笠木17は、側面部17b,17cから溝部内側に向けてそれぞれ延びた被係止部36を有しており、パラペット本体16から離間した位置に配置されているにもかかわらず、各係止部34がそれぞれ被係止部36に引っ掛かっていることで、そのパラペット本体16に対して位置保持されている。
被係止部36は、係止部34の下端面に引っ掛かっている。この場合、笠木17が笠木ホルダ31に対して上方から装着された構成において、笠木17の被係止部36が笠木ホルダ31の係止部34に下方から引っ掛かっているため、笠木17が笠木ホルダ31から上方に離間することが規制されている。つまり、笠木17がパラペット本体16から上方に離間することが規制されている。
笠木ホルダ31においては、係止部34が弾性変形可能になっている。このため、笠木ホルダ31をパラペット本体16に固定した後、笠木17を笠木ホルダ31に装着する場合に、係止部34がパラペット本体16に近付く側に弾性変形することで、笠木17の被係止部36が笠木ホルダ31の係止部34の下側に移動しやすくなる。
笠木17が笠木ホルダ31を介してパラペット本体16に固定されている構成では、パラペット本体16の厚み寸法が許容範囲内の大きさ(笠木ホルダ31の一対の係止部34の間にパラペット本体16が入り込むことが可能な大きさ)であれば、パラペット本体16の厚み寸法に関係なく笠木17をパラペット本体16に装着することが可能になっている。
笠木17は、笠木隙間18内への視線を遮る目隠し部37を有している。目隠し部37は、各隙間開放部18aのそれぞれに対して設けられており、側面部17b,17cからパラペット本体16の側面に向けて延びている。目隠し部37は、被係止部36の下方に配置されており、係止部34が被係止部36に引っ掛かっている部分が、笠木17の下方からでは目視しにくくなっている。
図3、図4に示すように、パラペット本体16には、壁内空間21と笠木隙間18とを通気可能に連通する壁通気部41が形成されており、笠木隙間18及び壁通気部41を通じて壁内空間21への外気の流入及び流出が可能になっている。この場合、パラペット15を含む外壁においては、上述した上端部の換気口が隙間開放部18aにより形成されていることになる。
壁通気部41は、パラペット本体16の上面部を上下に貫通する貫通孔とされている。パラペット本体16の上面部においては、壁通気部41が上端フレーム材25aのウェブ及び防水シート27を貫通しており、壁内空間21を上方に向けて開放している。壁通気部41は、壁厚み方向においてパラペット15のほぼ中央に配置されている。この場合、壁通気部41は、笠木17の内周面に沿って一対の隙間開放部18aが並ぶ方向において、これら隙間開放部18aのほぼ真ん中に配置されており、壁内空間21の通気に際して空気の流れやすさは各隙間開放部18aで同じ程度になっている。
パラペット15には、笠木隙間18における空気の流れを規制する流れ規制体51が設けられている。流れ規制体51は、笠木隙間18に配置されており、壁通気部41に流れ込む又は壁通気部41から流れ出る空気を壁幅方向に案内することが可能になっている。流れ規制体51は、金属材料や合成樹脂材料などにより偏平箱状に形成されており、パラペット本体16の上端面に重ねられた状態で壁幅方向に沿って延びている。流れ規制体51の内部空間は、笠木隙間18内の空気が流れる規制通路53になっている。流れ規制体51は、規制通路53を壁幅方向に向けて開放する通路開放部54を有しており、通路開放部54は、壁幅方向において流れ規制体51の両端に配置されている。
笠木隙間18には、流れ規制体51の外周部により囲まれた規制通路53に加えて、流れ規制体51の外周部により囲まれていない非規制通路55が含まれている。非規制通路55は、流れ規制体51の外側に配置された空間になっている。非規制通路55においては、パラペット本体16の外周面及び笠木17の内周面により空気の流れる向きが規制されている他は、壁幅方向はもちろんのこと壁厚み方向及び壁高さ方向のいずれについても空気の流れる向きは規制されていない。つまり、壁幅方向に沿って空気が流れるように案内されるようにはなっていない。
流れ規制体51の高さ寸法は、パラペット本体16の上端面と笠木17の上面部17aとの離間距離より小さくなっており、非規制通路55は、流れ規制体51と笠木17との間にも入り込んだ状態で形成されている。また、流れ規制体51は、壁幅方向に沿って所定間隔で複数設けられている。この場合、非規制通路55は、隣り合う流れ規制体51の間にも形成されていることになる。
流れ規制体51は、笠木ホルダ31に対して壁幅方向に沿って横並びに配置されている(図1参照)。ここで、笠木ホルダ31は、流れ規制体51と同様に、パラペット15の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられており、流れ規制体51は、隣り合う笠木ホルダ31の間に配置されている。このため、笠木ホルダ31と流れ規制体51とがパラペット15の高さ方向や厚み方向に重ねて配置された構成とは異なり、笠木ホルダ31及び流れ規制体51のいずれを先にパラペット本体16に取り付けた場合でも、もう片方をパラペット本体16に取り付けることが可能になっている。
流れ規制体51は、一対の側面部51a、上面部51b、下面部51c、一対の端面部51dを外周部として有しており、側面部51a、上面部51b及び下面部51cが壁幅方向に沿って延び、端面部51dが壁厚み方向に沿って延びる向きで配置されている。流れ規制体51において、通路開放部54は、各端面部51dのそれぞれに開口部として形成されている。流れ規制体51においては、側面部51a等の外周部の内側に規制通路53が形成されており、規制通路53は、側面部51a、上面部51b及び下面部51cに沿って壁幅方向に沿って延びている。
流れ規制体51は、壁通気部41の上に設置されている。この場合、流れ規制体51においては、下面部51cがパラペット本体16の上端面に重ねられており、その下面部51cには壁通気部41に通じる下面孔57が形成されている。この場合、規制通路53と壁内空間21とは、下面孔57及び壁通気部41を通じて通気可能に連通されている。
流れ規制体51においては、規制通路53での空気の流れが、壁幅方向に交差する方向(壁幅方向及び壁厚み方向)について一対の側面部51a、上面部51b及び下面部51cにより遮断されている一方で、壁幅方向については、端面部51dに通路開放部54が形成されていることで遮断されないようになっている。
流れ規制体51においては、側面部51aが、隙間開放部18aと壁通気部41との間に配置されており、中間部に相当する。また、上面部51bが、パラペット本体16の上端面から上方に離間した位置において壁通気部41を覆っており、覆い部に相当する。側面部51a及び上面部51bは、隙間開放部18aと壁通気部41との並び方向において笠木17の内周面に沿った空気の流れを遮断しており、遮断部を構成している。本実施形態では、上面部51bは、一対の側面部51aを連結した状態になっており、一方の側面部51aから他方の側面部51aに向けて延びていることになる。この場合、上面部51bは、屋根外周側の側面部51aから屋根外周側の隙間開放部18aとは反対側に向けて延び、且つ屋根内周側の側面部51aから屋根内周側の隙間開放部18aとは反対側に向けて延びているといえる。
なお、流れ規制体51の規制通路53は、空気の流れを壁幅方向に沿って案内する案内通路に相当し、非規制通路55は、案内通路ではない非案内通路に相当する。また、流れ規制体51は、案内通路を形成する通路形成体に相当する。
流れ規制体51においては、下面部51cがパラペット本体16の上端面に重ねられており、重ね部に相当する。流れ規制体51は、壁通気部41内に挿入された挿入部61と、パラペット15の上端部に引っ掛けられた引っ掛け部62とを有している。挿入部61は、下面部51cから下方に向けて延びており、引っ掛け部62は、挿入部61における壁内空間21に入り込んだ部分に設けられている。挿入部61は、上下方向に延びる円筒状に形成されており、下面孔57の周縁部に沿って延びている。この場合、下面孔57は、挿入部61の筒内空間を通じて壁内空間に連通されている。引っ掛け部62は、挿入部61から円筒外周側に向けて突出しており、円筒周方向に沿って延びている。この場合、挿入部61は、パラペット本体16の上端フレーム材25aのウェブの下面に引っ掛かっており、流れ規制体51がパラペット本体16から上方に離間することを規制している。また、流れ規制体51とパラペット本体16とは、引っ掛け部62と上端フレーム材25aとの引っ掛かり部分が接着剤等により接合されることで固定されている。
規制通路53は、壁幅方向において上下に蛇行した形状になっている。流れ規制体51は、上面部51bから下方に向けて延びた上側リブ65と、下面部51cから上方に向けて延びた下側リブ66とを有している。リブ65,66は、いずれも壁厚み方向に沿って延びており、壁幅方向(通路開放部54の並び方向)に沿って複数配置されている。上側リブ65は下面部51cから上方に離間し、下側リブ66は上面部51bから下方に離間している。ここで、上面部51bからの上側リブ65の延出寸法、及び下面部51cからの下側リブ66の延出寸法は、いずれも上面部51bと下面部51cとの離間距離の半分よりも大きくなっており、上側リブ65と下側リブ66とは、壁幅方向において重ならない位置に配置されている。この場合、上側リブ65と下側リブ66とは互い違いに配置されていることになり、それによって、規制通路53は壁高さ方向に蛇行している。
流れ規制体51の端面部51dにおいて、通路開放部54は上面部51bから下方に向けて延びており、下面部51cからは上方に離間している。この場合、端面部51dは、下側リブ66と同様に、下面部51cから上方に向けて延び、上面部51bから下方に離間している。壁幅方向において、端面部51dと下側リブ66との間には上側リブ65が配置されており、規制通路53は、リブ65,66に加えて端面部51dによっても蛇行した形状にされている。
流れ規制体51は、下面部51cから上方に向けて突出し、下面孔57の周縁部に沿って延びている孔縁部67を有している。孔縁部67は、下面部51cを挟んで挿入部61の上方位置に配置されており、挿入部61と同様に、上下方向に延びる円筒状に形成されている。
次に、パラペット15内の空気の流れについて図2〜図5を参照しつつ説明する。図5はパラペット15内の空気の流れを説明するための図である。なお、図5は、パラペット15の平面図において、そのパラペット15の内部構造を示すために笠木17を仮想線で示した図である。
パラペット15を有する外壁において、下端部の換気口から壁内空間21に空気が流れ込んだ場合、図4、図5に示すように、壁内空間21内の空気A1は、壁通気部41を通じて規制通路53(流れ規制体51内)に流れ込み、規制通路53に沿って壁幅方向に流れて通路開放部54から非規制通路55に流れ出した後、笠木17の内周面に沿って壁厚み方向や壁高さ方向に流れることで隙間開放部18aから屋外に流れ出す。
隙間開放部18aから壁内空間21に外気が流れ込む場合、この外気は、空気A1とは逆に流れる。この場合、雨水等の水が外気と共に隙間開放部18aから規制通路53内に流れ込んだとしても、外気が規制通路53内を壁幅方向に沿ってリブ65,66の間を蛇行しながら流れることで、水がリブ65,66の側面に引っ掛かって付着したり、上面部51bや下面部51cの内周面に付着したりしやすくなっている。このため、水が屋外から壁通気部41を通じて壁内空間21に浸入することが抑制されている。
一方、一対の隙間開放部18aのうち一方の隙間開放部18aから笠木隙間18内に流れ込み、規制通路53を通らずに非規制通路55を通って他方の隙間開放部18aから屋外に流れ出す空気としては、図3、図5に示すように、流れ規制体51と笠木17との間の隙間を流れる空気A2と、図2、図5に示すように、壁幅方向において流れ規制体51の側方を流れる空気A3とが挙げられる。これら空気A2,A3のいずれも、笠木隙間18内に入り込んだ水や溜まった湿気などを屋外に排出することや、笠木隙間18内に入り込んだ水を乾燥させることを促す促進効果を有している。
また、流れ規制体51と笠木17との間にも非規制通路55が形成されているため、流れ規制体51と笠木17との間に非規制通路55が形成されていない構成に比べて、非規制通路55を流れて笠木隙間18を通過する外気量を増加させることができる。
続いて、流れ規制体51の製造手順について、図6を参照しつつ簡単に説明する。図6は、流れ規制体51の構成を示す斜視図である。なお、図6は、流れ規制体51を開いた状態の図である。
図6に示すように、流れ規制体51は、一体成型された成型部材を折り畳んで組み立てることで形成されている。成型部材は、全体として板状に形成されている。成型部材は、一対の側面部51aのうち一方の側面部51a、上面部51b及び下面部51cを形成する1つの板部を有している。その板部の一方の板面からは、他方の側面部51a、一対の端面部51d、上側リブ65、下側リブ66及び孔縁部67を形成する突起部が突起しており、他方の板面からは、孔縁部67を形成する突起部が突起している。成型部材について、側面部51aを形成する突起部等が突起した方の板面が内側になるように板部を折り曲げることで、一方の側面部51a、上面部51b及び下面部51cを形成し、他方の側面部51aの上端部を上面部51bに接着剤等により接合する。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
笠木隙間18の規制通路53においては、空気の流れが壁幅方向に沿って案内される一方で、壁厚み方向及び壁高さ方向について遮断されるため、雨水等の水が屋外から笠木隙間18に空気と共に流れ込んだとしても、その水は、壁幅方向に沿って流れている間に規制通路53の内周面に付着する可能性が高くなっている。しかも、笠木隙間18という限られたスペースにおいて、規制通路53が壁幅方向に沿って延びているため、規制通路53が壁厚み方向や壁高さ方向に延びている構成に比べて、規制通路53の長さ寸法を大きく確保することができる。ここで、規制通路53の長さ寸法が大きいほど、規制通路53内を空気と共に流れる水は規制通路53の内周面に付着しやすくなるため、規制通路53から壁内空間21への水の浸入をより確実に抑制できる。以上により、笠木隙間18を通じて壁内空間21の通気を好適に行うことができる。
規制通路53が流れ規制体51により形成されているため、パラペット本体16に流れ規制体51を取り付けるという容易な作業により、規制通路53を笠木隙間18という狭小スペースにおいて構築することができる。これにより、規制通路53を構築する際の作業負担を低減することができる。
流れ規制体51が側面部51a及び上面部51bを有しているため、笠木17の内周面を利用しなくても規制通路53を形成することができる。このため、流れ規制体51は、パラペット本体16に取り付けられていれば、笠木17に固定されていなくてもよく、流れ規制体51を笠木17から離間した位置に設置することができる。この場合、流れ規制体51がパラペット本体16と笠木17との両方に取り付けられた構成とは異なり、笠木17やパラペット本体16の仕様に合わせて専用の流れ規制体51を製造するのではなく、流れ規制体51を汎用化することが可能となる。これにより、流れ規制体51の製造に関してコスト負担を低減できる。
流れ規制体51においては、規制通路53が壁幅方向の両方に向けて開放されているため、壁厚み方向や壁幅方向について空気の流れを遮断していても、規制通路53での通気量が不足するということを回避できる。
笠木隙間18においては、壁厚み方向においてパラペット本体16の両側方に隙間開放部18aが形成されているため、流れ規制体51の上方や側方に形成された非規制通路55を外気が流れることで、外気が規制通路53を流れなくても笠木隙間18内の換気を行うことができる。この場合、壁内空間21の通気とは別の経路(非規制通路55)を利用して、笠木隙間18内の乾燥を促すことができる。
流れ規制体51の下面部51cがパラペット本体16の上端面に重ねられているため、流れ規制体51をパラペット本体16に対して安定した状態で固定することが容易になる。また、下面部51cが規制通路53を区画しているため、側面部51aがパラペット本体16の上端面の上に直接載せられた構成とは異なり、仮にパラペット本体16の上端面が平坦面になっていなくても、側面部51aとパラペット本体16との間に隙間が形成されてしまうということを回避できる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、流れ規制体51において壁幅方向の両端に通路開放部54が設けられていたが、通路開放部54は、流れ規制体51の一端にだけ設けられていてもよい。この場合でも、流れ規制体51の規制通路53においては、壁通気部41を空気が流れることで壁幅方向に沿った通気が行われることになる。
(2)上記実施形態では、流れ規制体51が箱形状とされていたが、流れ規制体51は、規制通路53を形成する通路形成体であればどのような形状とされていてもよい。例えば、流れ規制体51が、下面部51cを有しておらず、下方に向けて開放された断面コ字状とされた構成とする。この構成でも、流れ規制体51が壁通気部41を上方から覆う状態でパラペット本体16の上端面に取り付けられることで、流れ規制体51とパラペット本体16の上端面との間に規制通路53が形成される。
また、笠木隙間18において隙間開放部18aが壁厚み方向の一方にだけ設けられている構成では、隙間開放部18aがない側には、流れ規制体51において側面部51aが設けられていなくてもよい。この場合でも、隙間開放部18aがある側に設けられた側面部51aと上面部51bが、壁通気部41と隙間開放部18aとの間の空気の流れを壁厚み方向及び壁高さ方向について遮断する遮断部としての役割を果たすことになる。
さらに、流れ規制体51の側面部51aがパラペット本体16と笠木17とに掛け渡された状態で設けられていてもよい。この場合、流れ規制体51が上面部51bを有していなくても、側面部51aが、壁通気部41と隙間開放部18aとの間の空気の流れを壁厚み方向及び壁高さ方向について遮断する遮断部としての役割を果たすことになる。なお、この場合、側面部51aがパラペット本体16の上端面と笠木17の上面部17aとのそれぞれに、通気遮断が可能な状態で当接していることが好ましく、この状態であれば、流れ規制体51は笠木17に取り付けられていてもよい。
(3)上記実施形態では、流れ規制体51がパラペット本体16の上端面と笠木17の上面部17aとの間に配置されていたが、流れ規制体51は、パラペット本体16の側面と笠木17の側面部17b,17cとの間に配置されていてもよい。例えば、流れ規制体51がパラペット本体16の内側外装材24と笠木17の内側側面部17cとの間に配置され、壁通気部41が貫通孔として内側外装材24を貫通した構成とする。この構成でも、笠木隙間18において規制通路53では壁幅方向に沿って空気が流れるため、屋外から笠木隙間18を通じて壁通気部41に水が浸入することを抑制できる。
(4)上記実施形態では、流れ規制体51がリブ65,66を有していたが、流れ規制体51においては、空気の流れを許容する一方で水の浸入を規制する規制部が規制通路53内に設けられていればよい。例えば、壁幅方向に沿って延びる多数の微小孔を有する多孔質体が、規制部として規制通路53内に設けられた構成とする。この構成において、多孔質体は、規制通路53を塞いだ状態で壁通気部41と通路開放部54との間に設けられている。この場合、空気と共に水が規制通路53内に流れ込んだとしても、空気は多孔質体の微小孔を通じて壁通気部41に向けて流れる一方で、水は多孔質体の微小孔に引っ掛かって壁通気部41には到達しにくくなっている。
(5)上記実施形態では、一体成型された成型部材が折り畳まれることで流れ規制体51が形成されていたが、流れ規制体51は、複数の部材を組み合わせることで形成されていてもよい。例えば、図7に示すように、流れ規制体51の上面部51bを有する第1部材71と、下面部51cを有する第2部材72とを組み合わせることで流れ規制体51が形成された構成とする。この構成では、第1部材71が、上面部51bに加えて、一対の側面部51a及び上側リブ65を有しており、第2部材72が、下面部51cに加えて、一対の端面部51d、下側リブ66、挿入部61及び孔縁部67を有している。また、第2部材72は、下面部51cから上方に向けて延出した嵌合部73を有しており、第1部材71の一対の側面部51aの内側に嵌合部73が嵌合されることで、第1部材71と第2部材72とが互いに組み付けられている。
(6)上記実施形態では、流れ規制体51により規制通路53が形成されていたが、壁通気部41と隙間開放部18aとの位置関係により規制通路が形成されてもよい。例えば、隙間開放部18aが、壁幅方向に沿って延びた細長形状とされているのではなく、壁幅方向に沿って所定間隔で複数並べて設けられ、壁通気部41が隙間開放部18aに対して壁幅方向にずれた位置に配置された構成とする。この場合、壁通気部41と隙間開放部18aとが互い違いに配置されていることになり、壁幅方向において壁通気部41及び隙間開放部18aの両方が存在しない部分が、空気の流れを壁幅方向について案内し、壁厚み方向及び壁高さ方向について遮断する案内通路に相当する。
(7)上記実施形態では、笠木ホルダ31と流れ規制体51とが壁幅方向に沿って横並びに配置されていたが、これら笠木ホルダ31と流れ規制体51とは、壁厚み方向に並べて配置されていてもよく、壁高さ方向に重ねて配置されていてもよい。例えば、壁厚み方向において、パラペット15の中心よりも一方側に流れ規制体51が配置され、他方側に笠木ホルダ31が配置された構成とする。
(8)規制通路53が設けられた壁部は、笠木及び壁本体を有していれば、パラペット15でなくても、手摺壁や腰壁とされていてもよい。また、壁部は、屋根12ではなく、バルコニーやベランダなどに設けられていてもよい。
10…建物、15…壁部としてのパラペット、16…壁本体としてのパラペット本体、17…笠木、18…笠木隙間、18a…隙間開放部、21…壁内空間、41…壁通気部、51…通路形成体としての流れ規制体、51a…遮断部を構成する中間部としての側面部、51b…遮断部を構成する覆い部としての上面部、51c…重ね部としての下面部、53…案内通路としての規制通路、54…通路開放部、55…非案内通路としての非規制通路、61…挿入部、62…引っ掛け部。

Claims (9)

  1. 屋外において上方に向けて起立した壁部を備えた建物の壁構造であって、
    前記壁部は、当該壁部の壁面を形成する壁本体と、前記壁本体の上端部を覆う笠木とを有しており、
    前記壁本体と前記笠木との間には、前記壁部の壁幅方向に交差する方向に向けて開放された笠木隙間が設けられており、
    前記壁本体の外周部には、当該壁本体の内部空間である壁内空間と前記笠木隙間との通気を可能にする壁通気部が設けられており、
    前記笠木隙間には、空気の流れを遮断し且つ前記壁幅方向に沿って延びた遮断部が設けられていることで、前記笠木隙間の開放部である隙間開放部と前記壁通気部との間の空気の流れを前記壁幅方向に交差する方向について遮断する一方で、前記空気の流れを前記壁幅方向について案内する案内通路が形成されていることを特徴とする建物の壁構造。
  2. 前記遮断部を有していることで前記案内通路を形成する通路形成体を備え、
    前記遮断部は、前記笠木隙間を前記壁通気部側と前記隙間開放部側とに仕切ることで、前記隙間開放部と前記壁通気部との並び方向において前記笠木の内周面に沿った空気の流れを遮断するものであり、
    前記通路形成体においては、前記遮断部により仕切られた前記壁通気部側の空間が前記案内通路とされていることを特徴とする請求項1に記載の建物の壁構造。
  3. 前記遮断部は、
    前記隙間開放部と前記壁通気部との間に設けられた中間部と、
    前記隙間開放部と前記壁通気部との並び方向において前記中間部から前記隙間開放部とは反対側に向けて延び、前記笠木側から前記壁通気部を覆っている覆い部と、
    を有し、
    前記通路形成体においては、前記中間部の前記壁通気部側において前記覆い部と前記壁本体との間に形成された空間が前記案内通路とされていることを特徴とする請求項2に記載の建物の壁構造。
  4. 前記通路形成体においては、前記案内通路を前記壁幅方向に向けて開放する通路開放部が、前記壁幅方向において前記遮断部の両端側に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の建物の壁構造。
  5. 前記隙間開放部は、前記壁部の壁厚み方向において前記壁本体の両側に一対として配置されており、
    前記笠木隙間には、前記案内通路とは異なる非案内通路が設けられており、
    前記非案内通路は、前記通路形成体の前記遮断部と前記笠木との間の空間を通じて、前記案内通路を介さずに一対の前記隙間開放部の間の通気を可能とするものであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
  6. 前記通路形成体は、前記壁本体の外周面に重ねられた重ね部を有しており、
    前記通路形成体においては、前記重ね部と前記遮断部とで区画された空間が前記案内通路とされていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
  7. 前記通路形成体は、
    前記重ね部から延びていることで前記壁通気部に入り込んでいる挿入部を有していることを特徴とする請求項6に記載の建物の壁構造。
  8. 前記通路形成体は、
    前記重ね部が延びる方向に沿って前記挿入部から延び、前記壁内空間側から前記壁本体の外周部に引っ掛かっている引っ掛け部を有していることを特徴とする請求項7に記載の建物の壁構造。
  9. 前記案内通路は、前記壁部の壁高さ方向及び壁厚み方向の少なくとも一方に対して蛇行した状態で前記壁幅方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
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