JP2018080478A - 通気板および通気板を用いた壁材 - Google Patents
通気板および通気板を用いた壁材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018080478A JP2018080478A JP2016222065A JP2016222065A JP2018080478A JP 2018080478 A JP2018080478 A JP 2018080478A JP 2016222065 A JP2016222065 A JP 2016222065A JP 2016222065 A JP2016222065 A JP 2016222065A JP 2018080478 A JP2018080478 A JP 2018080478A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ventilation
- plate
- air flow
- wall
- flat plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】通気性の高い通気構造を容易に施工すること。【解決手段】通気板20または通気板20を用いた壁材1が開示される。通気板20は、平板部21を備える。平板部21は、隅取り部Sに配置される。隅取り部Sは、壁材1を構成する二面の板材の各外側の面が交差して区画されている。平板部21には、空気流通路Psが形成されている。空気流通路Psは、何れか一方の板材(例えば、下張材2a)の外側の面に施工される化粧モルタル4の内側に形成された通気空間PH1の終端を他方の板材(例えば、笠木下地5)の外側の面に沿って外部に連通する。【選択図】図1
Description
本発明は、通気板および通気板を用いた壁材に関する。
住宅には、種々の壁材が使用される。壁材の一例として、例えば、マンションや一戸建て住宅には、手摺壁が設けられる。手摺壁は、筐体を構成する一対の下張材を備えている。各下張材の外側には、防水面材が貼着される。防水面材の外側は、モルタルや、サイディングボートが貼着される。一方、筐体の上部は、両下張材を覆う笠木下地が固定される。この笠木下地の上部に、笠木が外装される。両下張材および笠木下地は、筐体の内部に空間を区画している。また、各下張材の外側の面は、笠木下地の下面との間で角張ってくぼむ隅取り部を区画している。透湿性を確保するため、一対の下張材および笠木下地は、何れも合板で形成されている。
上述の手摺壁のような壁材の通気性を確保し、下張材の結露を防止するため、例えば、特許文献1には、通気構造が開示されている。同通気構造では、防水面材の内側、すなわち、防水面材が下張材に対向する側の面に、複数の突起を設け、防水面材と下張材との間に通気空間を形成している。この通気空間は、隅取り部のところで笠木下地によって塞がれている。そのため、特許文献1の構成では、両下張材の間に形成された内部空間と通気空間とを流通する連通孔を各下張材に設けるとともに、笠木下地にも、上記内部空間と連通する連通孔を設け、さらに、笠木と笠木下地との間に形成される空間を外部と挿通する排出孔を設けていた。
上述した通気構造では、下張材と防水面材との間の通気空間が外部と連通するので、通気性が高まり、結露を効果的に防止することができる。
しかしながら、特許文献1の構成では、連通孔や排出孔を形成するために、下張材に穿孔する工程と、笠木下地に穿孔する工程を現場で実施する必要があったので、その施工工程が煩雑であり、コスト高になっていた。
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、通気性の高い通気構造を容易に施工することのできる通気板および通気板を用いた壁材を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、壁材を構成する二面の板材の各外側の面が交差して区画された隅取り部に配置される平板部を備え、前記平板部には、何れか一方の板材の外側の面に施工される化粧モルタルの内側に形成された通気空間の終端を他方の板材の外側の面に沿って外部に連通する空気流通路が形成されていることを特徴とする通気板である。
この態様では、化粧モルタルの内側に形成される通気空間が通気板の空気流通路を介して外部と連通するので、化粧モルタルが施工されている板材の外側の面の通気性が高まり、板材に結露が生じにくくなる。また、通気板を壁材の隅取り部に設けるだけで、上記空気流通路を形成することができるので、施工時に壁材を構成する板材に穿孔処理を施す必要がない。そのため、空気流通路を形成するに当たり、施工が格段に容易になる。
好ましい態様の通気板において、前記平板部に形成されたリブをさらに備え、前記空気流通路は、前記リブと前記平板部との間に区画される空間と、前記リブの一部を貫通する複数の開口とを含む。この態様では、押出材などによって容易に通気板を形成することができるので、製造コストを低廉に抑えることができる。
好ましい態様の通気板において、前記リブは、施工時において前記隅取り部の稜線と平行となる方向に沿って複数条形成されており、前記開口は、千鳥状に配置されている。この態様では、比較的多くの開口を形成しても、第2の部位に所要の剛性を持たせることができる。
好ましい態様の通気板において、前記平板部は、前記隅取り部を区画する前記一方の板材の外側の面に固定される第1の部位と、前記第1の部位に延設され、且つ前記隅取り部を区画する前記他方の板材の外側の面に固定される第2の部位とを備え、前記空気流通路は、前記第1の部位から前記第2の部位にわたって連通している。この態様では、一方の板材の通気空間を第1の部位に設けた空気流通路に連通し、他方の板材の外側の面から第2の部位に沿う空気流通路を介して外部に連通することができるので、隅取り部に沿って空気の流れを確実に形成することができる。
好ましい態様の通気板において、前記第2の部位は、前記防水面材の外側の面に施工される化粧モルタルの見切り部を一体に有している。この態様では、壁材の外装工事を施工する際に、見切り部がいわゆる「モルストップ」機能を奏することができる。
本発明の別の態様は、前記通気板と、前記通気板が配置される隅取り部を区画する一方の板材を構成する一対の下張材と、前記隅取り部を区画する他方の板材を構成し、且つ前記一対の下張材の各頂部を覆う笠木下地と、前記下張材の外側の面に配置され、且つ前記下張材の外側の面との間に通気空間を形成する防水面材と、前記防水面材の外側の面に施工される化粧モルタルとを備えていることを特徴とする壁材である。
この態様では、防水面材と下張材との間に形成される通気空間が通気板の空気流通路を介して外部と連通するので、下張材の外側の面の通気性が高まり、結露が生じにくくなる。また、通気板を壁材の外側に設けるだけで、防水面材の通気空間と外部とを連通する空気流通路を形成することができるので、施工時に笠木下地や下張材に穿孔処理を施す必要がない。そのため、空気流通路を形成するに当たり、施工が格段に容易になる。
好ましい態様の壁材において、前記一対の下張材および前記笠木下地は、住宅用バルコニーの手摺壁を構成するものであり、前記笠木下地には、前記手摺壁の笠木が外装される。この態様では、バルコニーの手摺壁を施工する際に、通気板を設けることにより、笠木下地や側壁に穿孔処理を施す工程を省略することができる。よって、バルコニーの手摺壁の施工が容易になり、しかも、防水面材の通気空間と外部とを連通する空気流通路を確実に形成することができる。
以上説明したように本発明によれば、壁材の隅取り部に通気板を取り付けることによって、化粧モルタルの内側に形成される通気空間を外部と連通する空気流通路が形成されるので、空気流通路を形成するに当たり、施工が格段に容易になる結果、通気性の高い通気構造を容易に施工することができるという顕著な効果を奏する。
本発明のさらなる特徴、目的、構成、並びに作用効果は、添付図面と併せて読むべき以下の詳細な説明から容易に理解できるであろう。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
以下に説明する各実施形態において、本発明の実施の一形態における壁材は、図1に示す手摺壁1として具体化される。以下、第1実施形態を例にして、全体構造を説明するとともに、各実施形態の詳細について、順に説明する。
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、手摺壁1は、下張材2a、2bと、防水面材3と、図略のラスと、化粧モルタル4と、笠木下地5と、笠木6とを含んでいる。なお、以下の説明では、下張材2a、2bが互いに向かい合う側を仮に「内側」とし、その反対側、すなわち手摺壁1の外側を仮に「外側」として説明する。
図1および図2を参照して、手摺壁1は、下張材2a、2bと、防水面材3と、図略のラスと、化粧モルタル4と、笠木下地5と、笠木6とを含んでいる。なお、以下の説明では、下張材2a、2bが互いに向かい合う側を仮に「内側」とし、その反対側、すなわち手摺壁1の外側を仮に「外側」として説明する。
各下張材2a、2bは、手摺壁1の躯体を構成する合板である。各下張材2a、2bは、壁材としての手摺壁1の隅取り部Sを構成する一方の板材の一例である。各下張材2a、2bは、バルコニー7の内外に対向する方向に間隔を隔てて対をなし、バルコニー7の周囲に沿って並置されている。各下張材2a、2bの上部は、上枠9とともに枠状に組み付けられている。
図2に示すように、一方の下張材2aは、バルコニー7の床板11の側部を覆って下方の軒天12の上に設置されている。また、他方の下張材2bは、バルコニー7の床板11の上に設置されている。各下張材2a、2bの外側の面と、笠木下地5の下面とは、互いに角張ってへこむ隅取り部Sを区画している。隅取り部Sは、バルコニー7の周縁に沿う稜線S1を区画する。
防水面材3は、各下張材2a、2bの外側の面に貼着されている。図示の実施形態において、防水面材3は、笠木下地5の下面に沿って外側に延び、その終端が笠木下地5の外側の面と略面一になっている。防水面材3は、アスファルトコンパウンド層を含んでいる。アスファルトコンパウンド層は、極めて高いコールドフロー性と粘弾性を有する。アスファルトコンパウンド層により、防水性能が維持されるようになっている。さらに、防水面材3は、多数の突起3aを備えている。突起3aは、防水面材3が対応する下張材2a、2bに対向する面、すなわち、防水面材3の内側面に多数点在している。これらの突起3aにより、防水面材3と下張材2a、2bとの間には、通気空間PH1、PH2が形成される。防水面材3はタッカー針や釘等の留付手段によって下張材2a、2bに留め付けられる。また、上記ラスは、防水面材3を貫通する留付手段によって下張材2a、2bに留め付けられる。防水面材3は、上記アスファルトコンパウンド層により、留付手段によって開いた孔を自ら塞いで修復する機能(釘孔シール機能)を有している。
防水面材3により形成される通気空間PH1、PH2のうち、バルコニー7の外側に配置された一方の下張材2aとこの下張材2aの外側に配置された防水面材3との間に形成される通気空間PH1は、テラスタイプのバルコニー7において、図示しない建物の外壁内の通気層に連通することができる。この場合、通気空間PH1には、建物の外壁内を通過してきた外気が導入されることとなる。また、通気空間PH1は、軒天12へ向けて延設してもよい。軒天12には、外気連通孔13が形成されている。外気連通孔13は、軒天12の上面に形成されたふところ空間14と連通している。
図2に示すように、防水面材3は、ふところ空間14に向けて延設されている。よって、防水面材3に形成される通気空間PH1は、ふところ空間14と連通している。そのため、外気連通孔13を通った空気は、ふところ空間14を介して通気空間PH1から上昇する。これにより、通気空間PH1には、外気が導入される。このような構成とすることにより、手摺壁1のみならず、バルコニー7の床躯体まわりの通気をも確保することができるようになる。
他方の通気空間PH2は、手摺壁1の下端部においてバルコニー7内側の外気に連通している。
なお、図2において、15は、床板11の上に配置された根太である。根太15は、一方の下張材2aと他方の下張材2bとの間に配置されている。また、16は、床根太である。
図1に示すように、各化粧モルタル4は、手摺壁1の外側の面をそれぞれ構成している。化粧モルタル4は、比較的厚みがある(例えば、26mm)。そのため、図示の例では、上述のように、防水面材3が笠木下地5の下面に沿って外側に延び、その終端が笠木下地5の外側の面と略面一になっている。
笠木下地5は、下張材2a、2bの頂部に配置された合板である。笠木下地5は、各下張材2a、2bとともに手摺壁1の躯体を構成する他方の板材の一例である。
笠木下地5の上部には、笠木ブラケット8が固定される。笠木ブラケット8の上部には、笠木6が取り付けられる。笠木6は、手摺壁1の長手方向の全体にわたって手摺壁1を外装する。
上述したように、笠木下地5の下面と、各下張材2a、2bの外側の面とは、互いに角張ってへこむ隅取り部Sを区画している。隅取り部Sには、通気空間PH1、PH2の下流端、すなわち、上端が臨んでいる。この通気空間PH1、PH2を外気と連通するため、図示の実施形態では、通気板20が隅取り部Sに設けられている。通気板20は、耐蝕性、耐湿性の強い樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂、ASA共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂等の熱可塑性樹脂、または、金属、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金の押出材である。
図1および図3〜図5を参照して、通気板20は、所定長さに設定され、施工時に、手摺壁1の隅取り部Sに沿って多数連設される。施工手順としては、躯体を構成する下張材2a、2bおよび笠木下地5が設けられた後、それぞれの隅取り部Sに沿って通気板20が固定される。通気板20は、タッカー針や釘等の留付手段によって下張材2a、2bに留め付けられる。上記防水面材3は、この通気板20を覆うように下張材2a、2bに留め付けられる。
通気板20は、平板部21と、外側部22とを備えている。
平板部21は、隅取り部Sに沿う側面視L字形の外観を呈する。平板部21は、第1の部位21aと第2の部位21bとを備える。第1の部位21aは、隅取り部Sを区画する下張材2a、2bの上側面に沿って延びる板状の部位である。また、第2の部位21bは、第1の部位21aと一体に設けられ、且つ隅取り部Sを区画する笠木下地5の外側の下面に沿って延びる板状の部位である。図示の例において、第2の部位21bの下面には、フランジ21cが垂下している。フランジ21cは、長手方向に沿って第1の部位21aと平行に延びている。このフランジ21cは、化粧モルタル4の施工時において、化粧モルタル4を施工するときの寸法を規定する機能(いわゆる「モルストップ」機能)を奏するとともに、施工後は、化粧モルタル4の見切り部として機能する。
平板部21には、複数条のリブ21dが形成されている。リブ21dは、隅取り部Sの稜線S1に沿って平行に延びている。リブ21dは、施工時に下張材2a、2bまたは笠木下地5に接合する。この結果、リブ21dと平板部21の内側面(平板部21が下張材2a、2bまたは笠木下地5に対向する側の面)間には、空間が形成されている。また、リブ21dにより、平板部21の剛性が高くなる。さらに、平板部21には、リブ21dに沿って複数の開口21eが一定間隔を隔てて形成されている。開口21eは、例えば真円形の孔であるが、この形状に限定する必要はない。例えば、開口21eの別の形状は、四角形を初めとする多角形であってもよい。また、正方形であってもよく、長方形であってもよい。さらには、楕円や卵形であってもよい。各リブ21dに形成されている開口21eは、リブ21dの一つおきに長手方向の位置がずれており、全体として、各開口21eは、千鳥状に配置されている。これにより、多数の開口21eを設けても、平板部21の構成を比較的高く維持することができる。なお、図示の例では、図3、図5(B)に示すように、第1の部位21aに形成されるリブ21dよりも、第2の部位21bに形成されるリブ21dの方が、幾分、高く隆起している。
さらに、図5(A)に示すように、第2の部位21bの外側近傍には、長手方向に沿って複数の長孔21fが間隔を隔てて形成されている。長孔21fは、施工時に外気と連通する位置に形成されている。リブ21d間の空間、開口21e、および長孔21fは、空気流通路Psを形成する。
図3を参照して、通気板20の第1の部位21aおよび第2の部位21bは、それぞれ防水面材3の内側に配置されている。そのため、防水面材3と下張材2aとの間に形成される通気空間PH1は、これら第1の部位21a、第2の部位21bによって構成される平板部21の外側の面に臨んでいる。さらに、第1の部位21aの下端は、通気空間PH1内に入り込んでいる。よって、通気空間PH1を通る空気は、まず、平板部21の開口21eから平板部21の内側の空間、すなわち空気流通路Psを通り、下張材2a、2bの側から笠木下地5の方へ導かれ、さらに、長孔21fを経由して外気と連通し、排出される。この結果、通気空間PH1に流通する空気は、通気板20の空気流通路Psを経由して外部に排出される。このため、各通気空間PH1、PH2の空気流通性が向上し、下張材2aや、笠木下地5の結露が効果的に防止される。
外側部22は、第2の部位21bの外縁と連続するフランジ部位22aを備えている。フランジ部位22aは、高さ方向中間部分が第2の部位21bの外縁と連続している。フランジ部位22aの上部には、リブ22bが形成されている。リブ22bは、笠木下地5の側面に臨み、笠木下地5の側面に向かって隆起している。また、リブ22bは、隅取り部Sの稜線S1に沿って、外側部22の全長(すなわち、通気板20の全長)にわたって延びている。施工時において、リブ22bは、笠木下地5の側面に接合する。よって、外側部22と笠木下地5との間には、空気流通路Psと連通する隙間が形成されている。
フランジ部位22aの下部には、庇22cが形成されている。庇22cは、化粧モルタル4の外側の面に向かって隆起している。また、庇22cは、隅取り部Sの稜線S1に沿って、外側部22の全長(すなわち、通気板20の全長)にわたって延びている。庇22cは、長孔21fの開口部分と上下に対向している。庇22cは、長孔21fの雨よけとして機能する。なお、図3では、バルコニー7の外側に配置される通気板20について説明したが、バルコニー7の内側に配置される通気板20についても全く同様である。
以上の構成では、化粧モルタル4の内側に形成される通気空間PH1、PH2が通気板20の空気流通路Psを介して外部と連通するので、化粧モルタル4が施工されている下張材2a、2bの外側の面の通気性が高まり、下張材2a、2bに結露が生じにくくなる。また、通気板20を手摺壁1の隅取り部Sに設けるだけで、下張材2a、2bと化粧モルタル4との間に形成される通気空間PH1、PH2と外部とを連通する空気流通路Psを形成することができるので、施工時に下張材2a、2bや笠木下地5に穿孔処理を施す必要がない。そのため、空気流通路Psを形成するに当たり、施工が格段に容易になる。
(第1実施形態の変形例)
通気板20は、第1実施形態の構成の他、種々の態様をとることが可能である。
通気板20は、第1実施形態の構成の他、種々の態様をとることが可能である。
例えば、図3〜図5に示した例では、フランジ21cが庇22cよりも下側に垂下しているが、図6に示すように、フランジ21cの下端面の高さを庇22cと同じ高さに揃えてもよい。
また、図3〜図5および図6の例では、第1の部位21aに形成されるリブ21dよりも、第2の部位21bに形成されるリブ21dの方が、幾分、高く隆起しているが、図7に示すように、何れのリブ21dも同じ高さで隆起していてもよい。
(第2実施形態)
さらに、図8〜図11に示す第2実施形態を採用してもよい。
さらに、図8〜図11に示す第2実施形態を採用してもよい。
各図に示す第2実施形態では、通気板20の第2の部位21bおよび外側部22の構成が第1実施形態と異なっている。
第2実施形態では、外側部22は、第2の部位21bの下方には延びておらず、専ら第2の部位21bの外側の面から上方に立ち上がっている。そして、長孔21fは、第2の部位21bではなく、外側部22に形成されている。よって、第2の部位21bと笠木下地5との間に形成された空間は、外側部22の長孔21fを経由する空気流通路Psを形成し、外気と連通している。また、図1、図3〜図5の庇22cも省略されている。
このような構成であっても、化粧モルタル4の内側に形成される通気空間PH1、PH2は、通気板20の空気流通路Psを介して外部と連通するので、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
(第3実施形態)
さらに、図12〜図13に示す第3実施形態を採用してもよい。
さらに、図12〜図13に示す第3実施形態を採用してもよい。
各図に示す第3実施形態では、通気板20の第1の部位21aが省略されている点が第1実施形態と異なっている。
第3実施形態では、第2の部位21bの内側端面は、下張材2aに当接している。この場合においても、通気空間PH1は、第2の部位21bの外側の面に臨んでいるので、この通気空間PH1と連通する開口21eを介して空気流通路Psが通気空間PH1と連通し、さらに長孔21fを介して外部と通気空間PH1とが連通する。従って、第3実施形態であっても、化粧モルタル4の内側に形成される通気空間PH1は、通気板20の空気流通路Psを介して外部と連通するので、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、壁材としての手摺壁1の隅取り部Sに通気板20を取り付けることによって、化粧モルタル4の内側に形成される通気空間PH1、PH2を外部と連通する空気流通路Psが形成されるので、空気流通路Psを形成するに当たり、施工が格段に容易になる結果、通気性の高い通気構造を容易に施工することができるという顕著な効果を奏する。
また、各実施形態の通気板20において、平板部21に形成されたリブ21dをさらに備え、空気流通路Psは、リブ21dと平板部21との間に区画される空間と、リブ21dの一部を貫通する複数の開口21eとを含む。このため各実施形態では、押出材などによって容易に通気板20を形成することができるので、製造コストを低廉に抑えることができる。
また、各実施形態の通気板20において、リブ21dは、施工時において隅取り部Sの稜線S1と平行となる方向に沿って複数条形成されており、開口21eは、千鳥状に配置されている。このため各実施形態では、比較的多くの開口21eを形成しても、第2の部位21bに所要の剛性を持たせることができる。
また、各実施形態の通気板20において、平板部21は、隅取り部Sを区画する下張材2a、2bの外側の面に固定される第1の部位21aと、第1の部位21aに延設され、且つ隅取り部Sを区画する笠木下地5の外側の面に固定される第2の部位21bとを備え、空気流通路Psは、第1の部位21aから第2の部位21bに連通している。このため各実施形態では、下張材2a、2bの通気空間PH1、PH2を第1の部位21aに設けた空気流通路Psに連通し、笠木下地5の外側の面から第2の部位21bに沿う空気流通路Psを介して外部に連通することができるので、隅取り部Sに沿って空気の流れを確実に形成することができる。
また、各実施形態の通気板20において、第2の部位21bは、防水面材3の外側の面に施工される化粧モルタル4の見切り部としてのフランジ21cを一体に有している。このため各実施形態では、手摺壁1の外装工事を施工する際に、見切り部がいわゆる「モルストップ」機能を奏することができる。
本発明の別の態様は、壁材に関する。壁材は、例えば、手摺壁1として具体化される。この手摺壁1は、上述した通気板20と、通気板20が配置される隅取り部Sを区画する下張材2a、2bと、隅取り部Sを区画し、且つ下張材2a、2bの各頂部を覆う笠木下地5と、下張材2a、2bの外側の面に配置され、且つ下張材2a、2bの外側の面との間に通気空間PH1、PH2を形成する防水面材3と、防水面材3の外側の面に施工される化粧モルタル4とを備えている。
この態様では、通気空間PH1、PH2が通気板20の空気流通路Psを介して外部と連通するので、下張材2a、2bの外側の面の通気性が高まり、結露が生じにくくなる。また、通気板20を手摺壁1の外側に設けるだけで、防水面材3の通気空間PH1、PH2と外部とを連通する空気流通路Psを形成することができるので、施工時に笠木下地5や下張材2a、2bに穿孔処理を施す必要がない。そのため、空気流通路Psを形成するに当たり、施工が格段に容易になる。
また、各実施形態の手摺壁1において、一対の下張材2a、2bおよび笠木下地5は、住宅用バルコニー7の手摺壁を構成するものであり、笠木下地5には、手摺壁1の笠木6が外装される。このため各実施形態では、バルコニー7の手摺壁1を施工する際に、通気板20を設けることにより、笠木下地5や下張材2a、2bに穿孔処理等を施す工程を省略することができる。よって、バルコニー7の手摺壁1の施工が容易になり、しかも、防水面材3の通気空間PH1、PH2と外部とを連通する空気流通路Psを確実に形成することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
1 手摺壁(壁材の一例)
2a 下張材(一方の板材の一例)
2b 下張材(一方の板材の一例)
3 防水面材
4 化粧モルタル
5 笠木下地(他方の板材の一例)
6 笠木
20 通気板
21 平板部
21a 第1の部位
21b 第2の部位
21c フランジ(見切り部の一例)
21d リブ
21e 開口
21f 長孔
PH1 通気空間
PH2 通気空間
Ps 空気流通路
S 隅取り部
S1 稜線
2a 下張材(一方の板材の一例)
2b 下張材(一方の板材の一例)
3 防水面材
4 化粧モルタル
5 笠木下地(他方の板材の一例)
6 笠木
20 通気板
21 平板部
21a 第1の部位
21b 第2の部位
21c フランジ(見切り部の一例)
21d リブ
21e 開口
21f 長孔
PH1 通気空間
PH2 通気空間
Ps 空気流通路
S 隅取り部
S1 稜線
Claims (7)
- 壁材を構成する二面の板材の各外側の面が交差して区画された隅取り部に配置される平板部を備え、
前記平板部には、何れか一方の板材の外側の面に施工される化粧モルタルの内側に形成された通気空間の終端を他方の板材の外側の面に沿って外部に連通する空気流通路が形成されている
ことを特徴とする通気板。 - 請求項1に記載の通気板において、
前記平板部に形成されたリブをさらに備え、前記空気流通路は、前記リブと前記平板部との間に区画される空間と、前記リブの一部を貫通する複数の開口とを含む
ことを特徴とする通気板。 - 請求項2に記載の通気板において、
前記リブは、施工時において前記隅取り部の稜線と平行となる方向に沿って複数条形成されており、前記開口は、千鳥状に配置されている
ことを特徴とする通気板。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の通気板において、
前記平板部は、前記隅取り部を区画する前記一方の板材の外側の面に固定される第1の部位と、前記第1の部位に延設され、且つ前記隅取り部を区画する前記他方の板材の外側の面に固定される第2の部位とを備え、
前記空気流通路は、前記第1の部位から前記第2の部位にわたって連通している
ことを特徴とする通気板。 - 請求項4に記載の通気板において、
前記第2の部位は、前記防水面材の外側の面に施工される化粧モルタルの見切り部を一体に有している
ことを特徴とする通気板。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の通気板と、
前記通気板が配置される隅取り部を区画する一方の板材を構成する一対の下張材と、
前記隅取り部を区画する他方の板材を構成し、且つ前記一対の下張材の各頂部を覆う笠木下地と、
前記下張材の外側の面に配置され、且つ前記下張材の外側の面との間に通気空間を形成する防水面材と、
前記防水面材の外側の面に施工される化粧モルタルと
を備えている
ことを特徴とする壁材。 - 請求項6に記載の壁材において、
前記一対の下張材および前記笠木下地は、住宅用バルコニーの手摺壁を構成するものであり、前記笠木下地には、前記手摺壁の笠木が外装される
ことを特徴とする壁材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016222065A JP2018080478A (ja) | 2016-11-15 | 2016-11-15 | 通気板および通気板を用いた壁材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016222065A JP2018080478A (ja) | 2016-11-15 | 2016-11-15 | 通気板および通気板を用いた壁材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018080478A true JP2018080478A (ja) | 2018-05-24 |
Family
ID=62197536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016222065A Pending JP2018080478A (ja) | 2016-11-15 | 2016-11-15 | 通気板および通気板を用いた壁材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018080478A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102019205562A1 (de) | 2018-04-19 | 2019-10-24 | Mitutoyo Corporation | Drehtisch und Rundheitsmessvorrichtung |
US11939764B2 (en) | 2019-10-02 | 2024-03-26 | Nichiha Corporation | Ventilation member and wall material construction structure |
-
2016
- 2016-11-15 JP JP2016222065A patent/JP2018080478A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102019205562A1 (de) | 2018-04-19 | 2019-10-24 | Mitutoyo Corporation | Drehtisch und Rundheitsmessvorrichtung |
US11939764B2 (en) | 2019-10-02 | 2024-03-26 | Nichiha Corporation | Ventilation member and wall material construction structure |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6208795B2 (ja) | 笠木通気部品 | |
JP4988955B1 (ja) | 笠木下換気構造体 | |
JP2018080478A (ja) | 通気板および通気板を用いた壁材 | |
JP6867110B2 (ja) | 換気材及び換気構造 | |
JP5551293B1 (ja) | 換気構造体 | |
JP5259000B1 (ja) | 笠木下換気構造体 | |
JP2013185300A (ja) | 建物のモルタル塗り外壁通気層形成部材及びその製造方法並びに建物のモルタル塗り外壁通気層形成工法 | |
JP7149673B1 (ja) | 換気構造体 | |
JP5385168B2 (ja) | 通気見切材の端部部材及び建築物の外壁構造 | |
JP5269264B1 (ja) | 笠木下換気構造体 | |
JP2006348682A (ja) | 水切部材及び建物通気構造 | |
JP2022089268A (ja) | 外壁材上端換気装置 | |
JP5269263B1 (ja) | 笠木下換気構造体 | |
JP6797530B2 (ja) | パラペット換気構造及び換気金具 | |
JP6803609B2 (ja) | 換気構造体 | |
JP5342051B2 (ja) | 建築物の小屋裏換気構造 | |
JP5457862B2 (ja) | 通気見切材及び建築物の外壁構造 | |
JP6118311B2 (ja) | 屋根用換気部材 | |
JP2005068882A (ja) | 外装材の接続部の構造 | |
JP3647401B2 (ja) | 換気用棟瓦 | |
JP2010090591A (ja) | 建物の壁構造 | |
JP7194967B2 (ja) | けらば通気部材 | |
JP7007877B2 (ja) | 軒天板の見切構造 | |
JP2011058234A (ja) | 換気構造及び建物 | |
JP6386729B2 (ja) | 建物の壁構造 |