JP2004353256A - 排気防水塔及び建築構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な通気量が得られるとともに、風雨等の水分が通気層内に浸入するのを確実に阻止する。
【解決手段】建築構造物の壁10に設けられた略上方を向く開口部11に設けられ、壁10内の通気層12内の空気を開口部11から外部へ排出し、外部から開口部11を介して通気層12内に雨水等の水分が浸入するのを阻止する排気防水塔1であって、開口部11を囲んで上方へ延出する角筒状の遮水壁2を備える。遮水壁2の先端部は外方に折り曲げられ、その部分に遮水壁2に対して所定の角度をなす折返し部が形成される。通気層12内の空気は、排気防水塔1の内側から笠木16と壁10との間の隙間17を介して外部に排出される。外部から浸入しようとする雨水等の水分は、遮水壁2によって遮られるとともに、遮水壁2の折返し部によって跳ね返され、通気層12内への浸入が阻止される。
【選択図】 図4
【解決手段】建築構造物の壁10に設けられた略上方を向く開口部11に設けられ、壁10内の通気層12内の空気を開口部11から外部へ排出し、外部から開口部11を介して通気層12内に雨水等の水分が浸入するのを阻止する排気防水塔1であって、開口部11を囲んで上方へ延出する角筒状の遮水壁2を備える。遮水壁2の先端部は外方に折り曲げられ、その部分に遮水壁2に対して所定の角度をなす折返し部が形成される。通気層12内の空気は、排気防水塔1の内側から笠木16と壁10との間の隙間17を介して外部に排出される。外部から浸入しようとする雨水等の水分は、遮水壁2によって遮られるとともに、遮水壁2の折返し部によって跳ね返され、通気層12内への浸入が阻止される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気防水塔及び建築構造物に関し、特に、バルコニーの手摺壁等の壁内に設けられた通気層の開口部に設けられ、通気層内から水分を含んだ空気を外部に排出させるとともに、外部から雨水等が通気層内に浸入するのを阻止するのに有効な排気防水塔及びその排気防水塔を備えた建築構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅、集合住宅等の建築構造物においては、壁内に室内外に連通する通気層を設け、この通気層にて壁内通気を行うことにより換気等を行うことが行われている。このような壁内通気を行う建築構造物では、室内外間において高い断熱効果が得られるとともに、カビ、ダニの発生、家自体の蒸れ(結露)、腐れを抑えることができ、快適な生活空間を確保することができる。
【0003】
ところで、上記の壁内に設けられる通気層は、室内の換気等に有効に利用することができる反面、外部から雨水等の水分が浸入する危険性があるため、通常、通気層の開口部に通気防水シート(気体は通すが水は通さない性質を有するシート)を設け、この通気防水シートを介して通気層から外部へ空気を排出し、外部から通気層内への雨水等の水分の浸入を阻止している。
【0004】
例えば、軒天部においては、壁の上端部に壁内の通気層に連通する開口部を設け、この開口部を通気防水シートで閉塞するとともに、モールと防水シートとによって軒天材と壁との間をシールし、通気層内の空気を通気防水シートを透過させて、壁の表面の凹部と防水シートの間の隙間を介して外部に排出している。
【0005】
また、バルコニーにおいては、手摺壁の上端部に手摺壁内の通気層に連通する開口部を設け、この開口部を通気防水シートで閉塞するとともに、通気防水シートの上方に笠木を対向させて設け、通気層内の空気を通気防水シートを透過させて、笠木と手摺壁との間の隙間を介して外部に排出している(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−106078号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成の通気防水シートにあっては、外部から雨水等の水分が通気層内に浸入するのを阻止することはできるが、充分な通気量を確保することができないという問題がある。この場合、充分な通気量を確保するために気体を透過させる孔を大径にすることも考えられるが、その場合には水も透過させてしまうために、防水性が著しく低下してしまう。また、上記のような通気防水シートにあっては、長期的な使用によって気体を透過させる孔に空気中の埃が付着し、孔を塞いでしまうため、初期の通気量を長期に渡って維持することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、壁の通気層内の通気量が充分に得られるとともに、外部から雨水等の水分が通気層内に浸入するのを完全に阻止することができ、さらに、長期的に初期の通気性及び防水性を維持することができる排水防水塔及び建築構造物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、建築構造物の壁に設けられた略上方を向く開口部に設けられ、前記壁内の空気を前記開口部から外部へ排出し、前記開口部周辺部から前記開口部を介して前記壁内に水分が浸入するのを阻止する排気防水塔であって、前記開口部を囲んで上方へ延出する遮水壁を備え、該遮水壁の内部が前記開口部内に連通するように構成されていることを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止される。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の排気防水塔であって、前記遮水壁の一部を外方に折り返して、その部分に遮水壁と所定の角度をなす折返し部を設けたことを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られるとともに、折返し部によって跳ね返され、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止される。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の排気防水塔であって、前記折返し部は、前記遮水壁を補強する補強部を兼ね備えていることを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、遮水壁は、折返し部によって補強されることにより初期の形状を維持することができるので、長期的に初期の排気性、防水性を発揮することが可能となる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の排気防水塔であって、前記遮水壁は、固着手段により前記壁の開口部に固着されていることを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、壁の開口部の形状に応じて固着手段を選択して使用することにより、様々な形状の壁の開口部に利用することができることになる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れかに記載の排気防水塔を壁の開口部に備えてなることを特徴とする。
この発明による建築構造物によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止される。従って、室内の換気を有効に行うことができ、一定の湿度の快適な生活空間を提供することができる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の建築構造物において、バルコニーの手摺壁の上端部の開口部に前記排気防水塔が設けられていることを特徴とする。
この発明による建築構造物によれば、壁内の空気は、手摺壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して手摺壁内に浸入するのが阻止される。従って、室内の換気を有効に行うことができ、一定の湿度の快適な生活空間を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による排気防水塔の第1の実施の形態が示されていて、この排気防水塔1は、一般住宅、集合住宅等の建築構造物の壁10(この実施の形態においては手摺壁10)の内部に設けられる通気層12の開口部13に設けられるものであって、開口部13を囲む遮水壁2を備えている。
【0016】
遮水壁2は、建築構造物の壁10の開口部11に応じた形状に形成されるものであって、壁10がバルコニーの手摺壁10である場合には、開口部11は上端部に略上方を向く矩形状に形成されるので、その形状に合致させた角筒状に形成される。この実施の形態においては、前遮水壁部3と後遮水壁部4と左遮水壁部5と右遮水壁部6の4枚の板状の遮水壁部からなる角筒状に形成される。
【0017】
遮水壁2を角筒状に形成するには、1枚の長方形板状の基板を折り曲げて、端部間を接合手段によって一体に接合する。又は、2枚以上の長方形板状の基板を組み合わせて、端部間を接合手段によって一体に接合する。
【0018】
遮水壁2を構成する基板の材質としては、ポリプロピレン等の合成樹脂、アルミ、アルミ合金、ステンレス等の金属等が挙げられる。但し、これらに限定することなく、他の周知の材質であっても良い。
【0019】
遮水壁2を構成する基板の端部間を接合する接合手段としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂系の接着剤、溶接、ねじ止め等が挙げられる。但し、これらに限定することなく、他の周知の接合手段であっても良い。
【0020】
遮水壁2の各遮水壁部3、4、5、6の上端部は、それぞれ外方に所定の角度(約90°)で折り曲げられ、その折り曲げられた部分にそれぞれ折返し部3a、4a、5a、6aが形成され、この折返し部3a、4a、5a、6aによって各遮水壁部3、4、5、6を乗り越えようとする雨水等の水分を跳ね返すようになっている。また、各遮水壁部3、4、5、6の折返し部3a、4a、5a、6aは、遮水壁2全体を補強する補強部としても機能し、遮水壁2を角筒状に長期的に維持し、初期の排気性、防水性を長期的に維持するようになっている。
【0021】
そして、上記のように構成したこの実施の形態による排気防水塔1をバルコニーの手摺壁10の開口部11に取り付けるには、図2に示すように、手摺壁10の上端部に設けられている通気防水シート13の手摺壁10の開口部11に対応する部分をカッター等によって切断して開口させ、図3及び図4に示すように、この通気防水シート13の開口部14を介して手摺壁10の開口部11内に排気防水塔1の遮水壁2の下端部を挿入し、通気防水シート13の上面から上方に突出させた遮水壁2の上端部外周面を粘着テープ等の固着手段8によって通気防水シート13の開口部14の周縁部に貼着させる。
【0022】
この場合、図5に示すように、通気防水シート13の手摺壁10の開口部11に対応する部分をカッター等によって切断して開口させ、この通気防水シート13の開口部14の周縁部を上方に全周に渡って起立させ、その起立部15に遮水壁2の上端部の外周部に設けた粘着テープ等の固着手段8を貼着させても良い。
【0023】
そして、手摺壁10の各開口部11にそれぞれ排気防水塔1を取り付けた後に、手摺壁10の上方に所定の間隔をおいて笠木16をねじ等によって手摺壁10側に固定し、笠木16の内面と手摺壁10の上端部外周面との間に所定の隙間17を形成することにより、この発明による建築構造物が構成されるものである。
【0024】
上記のように構成したこの実施の形態による排気防水塔及び建築構造物にあっては、バルコニーの手摺壁10の内部に設けられている通気層12内の空気は、手摺壁10の上端部に設けられている通気防水シート13を透過し、笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されるとともに、通気層12から手摺壁10の開口部11及び排気防水塔1の内側の空間、及び笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されることになる。
【0025】
従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、湿度が一定の快適な生活空間を提供することができることになる。また、長期的に使用しても、空気中の埃が排気防水塔1内に詰まって通気量が低下するようなことはないので、長期的に初期の排気特性が得られることになる。
【0026】
また、屋外からバルコニーの手摺壁10の外側又は内側に雨水等が作用した場合、その雨水等の水分は手摺壁10と笠木16との間の隙間17を介して通気層12内に浸入しようとするが、手摺壁10の開口部11には排気防水塔1が設けられているので、排気防水塔1の遮水壁2の各遮水壁部3、4、5、6によって雨水等の水分が遮られるとともに、各遮水壁部3、4、5、6を乗り越えようとする雨水等の水分は各遮水壁部3、4、5、6の折返し部3a、4a、5a、6aによって跳ね返されることになる。
【0027】
従って、雨水等の水分が手摺壁10の開口部11を介して通気層12内に浸入することがないので、通気層12を介して室内外間で流通する空気中に通気層12内の水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0028】
さらに、各遮水壁部3、4、5、6の折返し部3a、4a、5a、6aによって、遮水壁2全体の強度を高めることができるので、遮水壁2の角筒状の形状を長期的に維持することができ、長期的に初期の排気特性、防水特定を発揮することができることになる。
【0029】
図6には、本発明による排気防水塔の第2の実施の形態が示されていて、この排気防水塔21は、角筒状の遮水壁2の上端開口部を板状の上遮水壁部7によって閉塞し、上遮水壁部7と後遮水壁部4との境界部を全長に渡って切り離し、上遮水壁部7と左遮水壁部5との境界部、及び上遮水壁部7と右遮水壁部6との境界部を後遮水壁部4側から前遮水壁部3に向かって所定の位置まで切り離し、後遮水壁部4と左遮水壁部5との境界部、後遮水壁部4と右遮水壁部6との境界部を上端から下端に向かって所定の位置まで切り離し、この状態で、後遮水壁部4の上端部を外方に所定の角度(約90°)で折り曲げて、その部分に折返し部4aを形成し、上遮水壁部7の先端部を所定の角度(約90°)で外方(上方)に折り曲げて、その部分に折返し部7aを形成したものであって、その他の構成は前記1の実施の形態に示すものと同様である。
【0030】
そして、この実施の形態による排気防水塔及び建築構造物にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、バルコニーの手摺壁10の内部に設けられている通気層12内の空気は、手摺壁10の上端部に設けられている通気防水シート13を透過して、笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されるとともに、通気層12から手摺壁10の開口部11及び排気防水塔1の内側、及び笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されることになる。
【0031】
従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、湿度が一定の快適な生活空間を提供することができることになる。また、長期的に使用しても、空気中の埃が排気防水塔21内に詰まって通気量が低下するようなことはないので、長期的に初期の排気特性が得られることになる。
【0032】
また、屋外からバルコニーの手摺壁10の外側又は内側に雨水等が作用した場合、その雨水等の水分は手摺壁10と笠木16との間の隙間17を介して通気層12内に浸入しようとするが、手摺壁10の開口部11には排気防水塔21が設けられているので、排気防水塔21の遮水壁2の各遮水壁部3、4、5、6、7によって雨水等の水分が遮られるとともに、各遮水壁部3、4、5、6、7を乗り越えようとする雨水等の水分は、上遮水壁部7の折返し部7a及び後遮水壁部4の折返し部4aによって跳ね返されることになる。
【0033】
従って、雨水等の水分が手摺壁部10の開口部11を介して通気層12内に浸入することがないので、通気層12を介して室内外間で流通する空気中に通気層12内の水分が混入するようなことはなく、小さなエネルギーで室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0034】
さらに、上遮水壁部7、上遮水壁部7の折返し部7a、後遮水壁部4の折返し部4aによって、遮水壁2全体の強度を高めることができるので、遮水壁2の角筒状の形状を長期的に維持することができ、長期的に初期の排気特性、防水特性を発揮することができることになる。
【0035】
なお、前記各実施の形態において、図示はしないが、各遮水壁部3、4、5、6の下端部を内方に折り曲げて、その部分に折返し部を形成し、この折返し部によって遮水壁2全体の強度を更に高めるように構成しても良い。
図7は、本発明による排気防水塔の第3の実施の形態を示す図である。この実施の形態は、上述した図6に示す実施の形態の構成に別の構成要素を付加したものである。
すなわち、図7に示す排気防水塔21Aは、図6の構成に加えて、角筒状の遮水壁2の前遮水壁部3、後遮水壁部4、左遮水壁部5、右遮水壁部6の各下端部に、これら各壁部に直交してこれら各壁部から水平方向外方に張り出す取付壁部30を設けたものである。この実施の形態では、取付壁部30は矩形形状に形成されており、矩形形状の内方に遮水壁2が位置する構成とされている。取付壁部30の下面には、ブチルゴムからなるブチル粘着層31が設けられており、このブチル粘着層31によって取付場所に固定できるようになっている。
この排気防水塔21Aは、例えば、図2に示す取付対象となる手摺壁10に対して、取付壁部30をブチル粘着層31によって通気防水シート13上に貼り付ける。この場合、取付対象部分の構成を適宜変更し、取付壁部30を取り付ける部分を肉厚な部材で構成し、取付壁部30の貼り付け後に、更にタッカー、ビスによる固定を行っても良い。
この実施の形態によれば、上述した図6に示す排気防水塔と同様の作用効果が得られるとともに、取付を容易に行うことができる効果が得られる。また、固定をブチル粘着層31によって行うので防水も万全である。
なお、前記各実施の形態においては、本発明による排気防水塔1、21をバルコニーの手摺壁10の開口部11に設けたが、軒下部の壁の開口部、その他の壁の開口部に設けても良いものであり、その場合にも前述したものと同様の作用効果を奏するのは勿論のことである。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載の排気防水塔によれば、建築構造物の壁の開口部を囲んで上方へ延出する遮水壁を備え、遮水壁の内部が壁の開口部に連通しているので、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出されることになる。また、壁に作用する雨水等の水分は、遮水壁によって遮られて、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止されることになる。従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、快適な生活空間を提供することができることになる。また、雨水等の水分が壁の開口部を介して壁内に浸入することがないので、壁内を介して室内外間で流通する空気中に壁内で水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0037】
また、請求項2に記載の排気防水塔によれば、壁の外側又は内側に雨水等が作用した場合、その雨水等の水分は壁内に浸入しようとするが、壁の開口部には排気防水塔が設けられているので、排気防水塔の遮水壁によって雨水等の水分が遮られるとともに、遮水壁を乗り越えようとする雨水等の水分は、遮水壁の折返し部によって跳ね返されることになる。従って、雨水等の水分が壁の開口部を介して壁内に浸入することがないので、壁内を介して室内外間で流通する空気中に壁内で水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0038】
さらに、請求項3に記載の排気防水塔によれば、遮水壁の折返し部によって遮水壁が補強されることになるので、遮水壁の初期の形状を維持することができるので、長期的に初期の排気性、防水性を発揮することが可能となる。
【0039】
さらに、請求項4に記載の排気防水塔によれば、壁の開口部の形状に応じて固着手段を選択して使用することにより、様々な形状の壁の開口部に利用することができるので、汎用性を高めることができる。
【0040】
さらに、請求項5に記載の建築構造物によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出されることになる。また、壁に作用する雨水等の水分は、遮水壁によって遮られて、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止されることになる。さらに、遮水壁を乗り越えようとする雨水等の水分は折返し部によって跳ね返されることになる。従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、湿度が一定の快適な生活空間を提供することができることになる。また、雨水等の水分が壁の開口部を介して壁内に浸入することがないので、壁内を介して室内外間で流通する空気中に壁内で水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0041】
さらに、請求項6に記載の建築構造物によれば、壁内の空気は、手摺壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して手摺壁内に浸入するのが阻止される。従って、室内の換気を有効に行うことができるので、一定の湿度の快適な生活空間を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排気防水塔の第1の実施の形態を示した概略斜視図である。
【図2】図1に示す排気防水塔が取り付けられる壁の部分説明図である。
【図3】図2に壁の開口部に排気防水塔を取り付けた上体を示した説明図である。
【図4】図3の概略断面図である。
【図5】図4の変形例を示した概略断面図である。
【図6】本発明による排気防水塔の第2の実施の形態を示した概略斜視図である。
【図7】本発明による排気防水塔の第3の実施の形態を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
1 排気防水塔
2 遮水壁
3a、4a、5a、6a、7a 折返し部
8 固着手段
10 壁(手摺壁)
11 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気防水塔及び建築構造物に関し、特に、バルコニーの手摺壁等の壁内に設けられた通気層の開口部に設けられ、通気層内から水分を含んだ空気を外部に排出させるとともに、外部から雨水等が通気層内に浸入するのを阻止するのに有効な排気防水塔及びその排気防水塔を備えた建築構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅、集合住宅等の建築構造物においては、壁内に室内外に連通する通気層を設け、この通気層にて壁内通気を行うことにより換気等を行うことが行われている。このような壁内通気を行う建築構造物では、室内外間において高い断熱効果が得られるとともに、カビ、ダニの発生、家自体の蒸れ(結露)、腐れを抑えることができ、快適な生活空間を確保することができる。
【0003】
ところで、上記の壁内に設けられる通気層は、室内の換気等に有効に利用することができる反面、外部から雨水等の水分が浸入する危険性があるため、通常、通気層の開口部に通気防水シート(気体は通すが水は通さない性質を有するシート)を設け、この通気防水シートを介して通気層から外部へ空気を排出し、外部から通気層内への雨水等の水分の浸入を阻止している。
【0004】
例えば、軒天部においては、壁の上端部に壁内の通気層に連通する開口部を設け、この開口部を通気防水シートで閉塞するとともに、モールと防水シートとによって軒天材と壁との間をシールし、通気層内の空気を通気防水シートを透過させて、壁の表面の凹部と防水シートの間の隙間を介して外部に排出している。
【0005】
また、バルコニーにおいては、手摺壁の上端部に手摺壁内の通気層に連通する開口部を設け、この開口部を通気防水シートで閉塞するとともに、通気防水シートの上方に笠木を対向させて設け、通気層内の空気を通気防水シートを透過させて、笠木と手摺壁との間の隙間を介して外部に排出している(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−106078号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成の通気防水シートにあっては、外部から雨水等の水分が通気層内に浸入するのを阻止することはできるが、充分な通気量を確保することができないという問題がある。この場合、充分な通気量を確保するために気体を透過させる孔を大径にすることも考えられるが、その場合には水も透過させてしまうために、防水性が著しく低下してしまう。また、上記のような通気防水シートにあっては、長期的な使用によって気体を透過させる孔に空気中の埃が付着し、孔を塞いでしまうため、初期の通気量を長期に渡って維持することができないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、壁の通気層内の通気量が充分に得られるとともに、外部から雨水等の水分が通気層内に浸入するのを完全に阻止することができ、さらに、長期的に初期の通気性及び防水性を維持することができる排水防水塔及び建築構造物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、建築構造物の壁に設けられた略上方を向く開口部に設けられ、前記壁内の空気を前記開口部から外部へ排出し、前記開口部周辺部から前記開口部を介して前記壁内に水分が浸入するのを阻止する排気防水塔であって、前記開口部を囲んで上方へ延出する遮水壁を備え、該遮水壁の内部が前記開口部内に連通するように構成されていることを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止される。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の排気防水塔であって、前記遮水壁の一部を外方に折り返して、その部分に遮水壁と所定の角度をなす折返し部を設けたことを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られるとともに、折返し部によって跳ね返され、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止される。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の排気防水塔であって、前記折返し部は、前記遮水壁を補強する補強部を兼ね備えていることを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、遮水壁は、折返し部によって補強されることにより初期の形状を維持することができるので、長期的に初期の排気性、防水性を発揮することが可能となる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の排気防水塔であって、前記遮水壁は、固着手段により前記壁の開口部に固着されていることを特徴とする。
この発明による排気防水塔によれば、壁の開口部の形状に応じて固着手段を選択して使用することにより、様々な形状の壁の開口部に利用することができることになる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れかに記載の排気防水塔を壁の開口部に備えてなることを特徴とする。
この発明による建築構造物によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止される。従って、室内の換気を有効に行うことができ、一定の湿度の快適な生活空間を提供することができる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の建築構造物において、バルコニーの手摺壁の上端部の開口部に前記排気防水塔が設けられていることを特徴とする。
この発明による建築構造物によれば、壁内の空気は、手摺壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して手摺壁内に浸入するのが阻止される。従って、室内の換気を有効に行うことができ、一定の湿度の快適な生活空間を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による排気防水塔の第1の実施の形態が示されていて、この排気防水塔1は、一般住宅、集合住宅等の建築構造物の壁10(この実施の形態においては手摺壁10)の内部に設けられる通気層12の開口部13に設けられるものであって、開口部13を囲む遮水壁2を備えている。
【0016】
遮水壁2は、建築構造物の壁10の開口部11に応じた形状に形成されるものであって、壁10がバルコニーの手摺壁10である場合には、開口部11は上端部に略上方を向く矩形状に形成されるので、その形状に合致させた角筒状に形成される。この実施の形態においては、前遮水壁部3と後遮水壁部4と左遮水壁部5と右遮水壁部6の4枚の板状の遮水壁部からなる角筒状に形成される。
【0017】
遮水壁2を角筒状に形成するには、1枚の長方形板状の基板を折り曲げて、端部間を接合手段によって一体に接合する。又は、2枚以上の長方形板状の基板を組み合わせて、端部間を接合手段によって一体に接合する。
【0018】
遮水壁2を構成する基板の材質としては、ポリプロピレン等の合成樹脂、アルミ、アルミ合金、ステンレス等の金属等が挙げられる。但し、これらに限定することなく、他の周知の材質であっても良い。
【0019】
遮水壁2を構成する基板の端部間を接合する接合手段としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂系の接着剤、溶接、ねじ止め等が挙げられる。但し、これらに限定することなく、他の周知の接合手段であっても良い。
【0020】
遮水壁2の各遮水壁部3、4、5、6の上端部は、それぞれ外方に所定の角度(約90°)で折り曲げられ、その折り曲げられた部分にそれぞれ折返し部3a、4a、5a、6aが形成され、この折返し部3a、4a、5a、6aによって各遮水壁部3、4、5、6を乗り越えようとする雨水等の水分を跳ね返すようになっている。また、各遮水壁部3、4、5、6の折返し部3a、4a、5a、6aは、遮水壁2全体を補強する補強部としても機能し、遮水壁2を角筒状に長期的に維持し、初期の排気性、防水性を長期的に維持するようになっている。
【0021】
そして、上記のように構成したこの実施の形態による排気防水塔1をバルコニーの手摺壁10の開口部11に取り付けるには、図2に示すように、手摺壁10の上端部に設けられている通気防水シート13の手摺壁10の開口部11に対応する部分をカッター等によって切断して開口させ、図3及び図4に示すように、この通気防水シート13の開口部14を介して手摺壁10の開口部11内に排気防水塔1の遮水壁2の下端部を挿入し、通気防水シート13の上面から上方に突出させた遮水壁2の上端部外周面を粘着テープ等の固着手段8によって通気防水シート13の開口部14の周縁部に貼着させる。
【0022】
この場合、図5に示すように、通気防水シート13の手摺壁10の開口部11に対応する部分をカッター等によって切断して開口させ、この通気防水シート13の開口部14の周縁部を上方に全周に渡って起立させ、その起立部15に遮水壁2の上端部の外周部に設けた粘着テープ等の固着手段8を貼着させても良い。
【0023】
そして、手摺壁10の各開口部11にそれぞれ排気防水塔1を取り付けた後に、手摺壁10の上方に所定の間隔をおいて笠木16をねじ等によって手摺壁10側に固定し、笠木16の内面と手摺壁10の上端部外周面との間に所定の隙間17を形成することにより、この発明による建築構造物が構成されるものである。
【0024】
上記のように構成したこの実施の形態による排気防水塔及び建築構造物にあっては、バルコニーの手摺壁10の内部に設けられている通気層12内の空気は、手摺壁10の上端部に設けられている通気防水シート13を透過し、笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されるとともに、通気層12から手摺壁10の開口部11及び排気防水塔1の内側の空間、及び笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されることになる。
【0025】
従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、湿度が一定の快適な生活空間を提供することができることになる。また、長期的に使用しても、空気中の埃が排気防水塔1内に詰まって通気量が低下するようなことはないので、長期的に初期の排気特性が得られることになる。
【0026】
また、屋外からバルコニーの手摺壁10の外側又は内側に雨水等が作用した場合、その雨水等の水分は手摺壁10と笠木16との間の隙間17を介して通気層12内に浸入しようとするが、手摺壁10の開口部11には排気防水塔1が設けられているので、排気防水塔1の遮水壁2の各遮水壁部3、4、5、6によって雨水等の水分が遮られるとともに、各遮水壁部3、4、5、6を乗り越えようとする雨水等の水分は各遮水壁部3、4、5、6の折返し部3a、4a、5a、6aによって跳ね返されることになる。
【0027】
従って、雨水等の水分が手摺壁10の開口部11を介して通気層12内に浸入することがないので、通気層12を介して室内外間で流通する空気中に通気層12内の水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0028】
さらに、各遮水壁部3、4、5、6の折返し部3a、4a、5a、6aによって、遮水壁2全体の強度を高めることができるので、遮水壁2の角筒状の形状を長期的に維持することができ、長期的に初期の排気特性、防水特定を発揮することができることになる。
【0029】
図6には、本発明による排気防水塔の第2の実施の形態が示されていて、この排気防水塔21は、角筒状の遮水壁2の上端開口部を板状の上遮水壁部7によって閉塞し、上遮水壁部7と後遮水壁部4との境界部を全長に渡って切り離し、上遮水壁部7と左遮水壁部5との境界部、及び上遮水壁部7と右遮水壁部6との境界部を後遮水壁部4側から前遮水壁部3に向かって所定の位置まで切り離し、後遮水壁部4と左遮水壁部5との境界部、後遮水壁部4と右遮水壁部6との境界部を上端から下端に向かって所定の位置まで切り離し、この状態で、後遮水壁部4の上端部を外方に所定の角度(約90°)で折り曲げて、その部分に折返し部4aを形成し、上遮水壁部7の先端部を所定の角度(約90°)で外方(上方)に折り曲げて、その部分に折返し部7aを形成したものであって、その他の構成は前記1の実施の形態に示すものと同様である。
【0030】
そして、この実施の形態による排気防水塔及び建築構造物にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、バルコニーの手摺壁10の内部に設けられている通気層12内の空気は、手摺壁10の上端部に設けられている通気防水シート13を透過して、笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されるとともに、通気層12から手摺壁10の開口部11及び排気防水塔1の内側、及び笠木16と手摺壁10との間の隙間17を介して外部に排出されることになる。
【0031】
従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、湿度が一定の快適な生活空間を提供することができることになる。また、長期的に使用しても、空気中の埃が排気防水塔21内に詰まって通気量が低下するようなことはないので、長期的に初期の排気特性が得られることになる。
【0032】
また、屋外からバルコニーの手摺壁10の外側又は内側に雨水等が作用した場合、その雨水等の水分は手摺壁10と笠木16との間の隙間17を介して通気層12内に浸入しようとするが、手摺壁10の開口部11には排気防水塔21が設けられているので、排気防水塔21の遮水壁2の各遮水壁部3、4、5、6、7によって雨水等の水分が遮られるとともに、各遮水壁部3、4、5、6、7を乗り越えようとする雨水等の水分は、上遮水壁部7の折返し部7a及び後遮水壁部4の折返し部4aによって跳ね返されることになる。
【0033】
従って、雨水等の水分が手摺壁部10の開口部11を介して通気層12内に浸入することがないので、通気層12を介して室内外間で流通する空気中に通気層12内の水分が混入するようなことはなく、小さなエネルギーで室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0034】
さらに、上遮水壁部7、上遮水壁部7の折返し部7a、後遮水壁部4の折返し部4aによって、遮水壁2全体の強度を高めることができるので、遮水壁2の角筒状の形状を長期的に維持することができ、長期的に初期の排気特性、防水特性を発揮することができることになる。
【0035】
なお、前記各実施の形態において、図示はしないが、各遮水壁部3、4、5、6の下端部を内方に折り曲げて、その部分に折返し部を形成し、この折返し部によって遮水壁2全体の強度を更に高めるように構成しても良い。
図7は、本発明による排気防水塔の第3の実施の形態を示す図である。この実施の形態は、上述した図6に示す実施の形態の構成に別の構成要素を付加したものである。
すなわち、図7に示す排気防水塔21Aは、図6の構成に加えて、角筒状の遮水壁2の前遮水壁部3、後遮水壁部4、左遮水壁部5、右遮水壁部6の各下端部に、これら各壁部に直交してこれら各壁部から水平方向外方に張り出す取付壁部30を設けたものである。この実施の形態では、取付壁部30は矩形形状に形成されており、矩形形状の内方に遮水壁2が位置する構成とされている。取付壁部30の下面には、ブチルゴムからなるブチル粘着層31が設けられており、このブチル粘着層31によって取付場所に固定できるようになっている。
この排気防水塔21Aは、例えば、図2に示す取付対象となる手摺壁10に対して、取付壁部30をブチル粘着層31によって通気防水シート13上に貼り付ける。この場合、取付対象部分の構成を適宜変更し、取付壁部30を取り付ける部分を肉厚な部材で構成し、取付壁部30の貼り付け後に、更にタッカー、ビスによる固定を行っても良い。
この実施の形態によれば、上述した図6に示す排気防水塔と同様の作用効果が得られるとともに、取付を容易に行うことができる効果が得られる。また、固定をブチル粘着層31によって行うので防水も万全である。
なお、前記各実施の形態においては、本発明による排気防水塔1、21をバルコニーの手摺壁10の開口部11に設けたが、軒下部の壁の開口部、その他の壁の開口部に設けても良いものであり、その場合にも前述したものと同様の作用効果を奏するのは勿論のことである。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載の排気防水塔によれば、建築構造物の壁の開口部を囲んで上方へ延出する遮水壁を備え、遮水壁の内部が壁の開口部に連通しているので、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出されることになる。また、壁に作用する雨水等の水分は、遮水壁によって遮られて、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止されることになる。従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、快適な生活空間を提供することができることになる。また、雨水等の水分が壁の開口部を介して壁内に浸入することがないので、壁内を介して室内外間で流通する空気中に壁内で水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0037】
また、請求項2に記載の排気防水塔によれば、壁の外側又は内側に雨水等が作用した場合、その雨水等の水分は壁内に浸入しようとするが、壁の開口部には排気防水塔が設けられているので、排気防水塔の遮水壁によって雨水等の水分が遮られるとともに、遮水壁を乗り越えようとする雨水等の水分は、遮水壁の折返し部によって跳ね返されることになる。従って、雨水等の水分が壁の開口部を介して壁内に浸入することがないので、壁内を介して室内外間で流通する空気中に壁内で水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0038】
さらに、請求項3に記載の排気防水塔によれば、遮水壁の折返し部によって遮水壁が補強されることになるので、遮水壁の初期の形状を維持することができるので、長期的に初期の排気性、防水性を発揮することが可能となる。
【0039】
さらに、請求項4に記載の排気防水塔によれば、壁の開口部の形状に応じて固着手段を選択して使用することにより、様々な形状の壁の開口部に利用することができるので、汎用性を高めることができる。
【0040】
さらに、請求項5に記載の建築構造物によれば、壁内の空気は、壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出されることになる。また、壁に作用する雨水等の水分は、遮水壁によって遮られて、開口部を介して壁内に浸入するのが阻止されることになる。さらに、遮水壁を乗り越えようとする雨水等の水分は折返し部によって跳ね返されることになる。従って、建築構造物の室内の湿度を一定に保つのに充分な空気の通気量が得られることになるので、湿度が一定の快適な生活空間を提供することができることになる。また、雨水等の水分が壁の開口部を介して壁内に浸入することがないので、壁内を介して室内外間で流通する空気中に壁内で水分が混入するようなことはなく、室内の湿度を一定基準内に保つことができることになる。
【0041】
さらに、請求項6に記載の建築構造物によれば、壁内の空気は、手摺壁の開口部から遮水壁の内側の部分を介して外部に排出される。また、雨水等の水分は、遮水壁によって遮られ、開口部を介して手摺壁内に浸入するのが阻止される。従って、室内の換気を有効に行うことができるので、一定の湿度の快適な生活空間を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排気防水塔の第1の実施の形態を示した概略斜視図である。
【図2】図1に示す排気防水塔が取り付けられる壁の部分説明図である。
【図3】図2に壁の開口部に排気防水塔を取り付けた上体を示した説明図である。
【図4】図3の概略断面図である。
【図5】図4の変形例を示した概略断面図である。
【図6】本発明による排気防水塔の第2の実施の形態を示した概略斜視図である。
【図7】本発明による排気防水塔の第3の実施の形態を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
1 排気防水塔
2 遮水壁
3a、4a、5a、6a、7a 折返し部
8 固着手段
10 壁(手摺壁)
11 開口部
Claims (6)
- 建築構造物の壁に設けられた略上方を向く開口部に設けられ、前記壁内の空気を前記開口部から外部へ排出し、前記開口部周辺部から前記開口部を介して前記壁内に水分が浸入するのを阻止する排気防水塔であって、前記開口部を囲んで上方へ延出する遮水壁を備え、該遮水壁の内部が前記開口部内に連通するように構成されていることを特徴とする排気防水塔。
- 請求項1に記載の排気防水塔であって、前記遮水壁の一部を外方に折り返して、その部分に遮水壁と所定の角度をなす折返し部を設けたことを特徴とする排気防水塔。
- 請求項1又は2に記載の排気防水塔であって、前記折返し部は、前記遮水壁を補強する補強部を兼ね備えていることを特徴とする排気防水塔。
- 請求項1から3の何れかに記載の排気防水塔であって、前記遮水壁は、固着手段により前記壁の開口部に固着されていることを特徴とする排気防水塔。
- 請求項1から4の何れかに記載の排気防水塔を壁の開口部に備えてなることを特徴とする建築構造物。
- 請求項5に記載の建築構造物において、バルコニーの手摺壁の上端部の開口部に前記排気防水塔が設けられていることを特徴とする建築構造物。
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JP2003151373A JP2004353256A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 排気防水塔及び建築構造物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015132105A (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | トヨタホーム株式会社 | 建物の壁構造 |
JP7415095B1 (ja) | 2023-05-12 | 2024-01-16 | 三菱電機株式会社 | 防滴カバーおよびインバータ装置 |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151373A patent/JP2004353256A/ja not_active Withdrawn
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