JP2006037547A - 建築用開閉装置およびその取り付け方法 - Google Patents

建築用開閉装置およびその取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガイドレールに開閉体をガイドさせ、開閉体に連結したバランス弾機の付勢力を受けて開閉体の開放作動を行う建築用開閉装置において、開閉体のガイドレールへの組込みを簡略化するとともに、バランス弾機の付勢力の蓄勢を簡単に行えるように構成する。
【解決手段】 最下端パネル体2Dにバランス弾機12から引き出された索条14の一端部を連結し、ガイドレール5に形成した嵌入口5iに、前記最下端のパネル体2Dから上方のパネル体2を順次嵌合してパネル体2同志の連結をすることでドア体1を形成する構成とし、バランス弾機12に、ドア体1を組み込むことで、該ドア体1の自重にバランスする付勢力を蓄勢するように構成する。
【選択図】 図15

Description

本発明は、倉庫やガレージ等の建築物の開口部に設けられる建築用開閉装置およびその取り付け方法の技術分野に属するものである。
一般に、この種建築用開閉装置のなかには、左右方向に長いパネル体の複数を上下方向に連結してなる開閉体を、開口部に沿って設けたガイドレールに移動自在にガイドされるとともに、開閉体にバランス弾機を連結し、開閉体の開放作動時に、バランス弾機の付勢力を受けて軽快な作動をするように構成したものがある。このようなものにおいて、これがL字形状に形成されたガイドレールを開閉体が移動走行するオーバーヘッド式の建築用開閉装置である場合に、バランス弾機は、開口部の上方に設けた固定支軸に左右方向を向いて設けられるコイル状とし、その両端部を、前記固定支軸と、該固停支軸の左右に回動自在に設けられた巻き取りドラムとに連結する構成となっている。そして、ガイドレールに組み込まれた状態の開閉体の下端部に、巻き取りドラムに巻装されたワイヤの遊端部を連結することで開閉体とバランス弾機とを連動連結し、この状態で、開閉体の荷重とバランス弾機の付勢力とをバランスさせるように構成されている。ところで、開閉装置の設置現場において、バランス弾機に開閉体の荷重に相当する付勢力を付与するには、コイルを所定の付勢力となるよう巻き締めることになるが、該巻き締め作業を手動で行う場合では、作業が困難、かつ、煩雑であって作業性が悪いうえ、一人での作業が難しいという問題がある。
この改善策として、巻き締め用の装置を開口部上方に別途設置し、バランス弾機を巻き締めるようにすることが提唱されている。
実開平4−6492号公報
ところが、前記従来のものは、巻き取りドラムに巻装されたワイヤを、ガイドレールに組み込まれた開閉体に連結する作業が大変であるばかりでなく、固定支軸の配設部位に、別途巻き締め用の装置を設けて付勢力を蓄勢する構成であるため、部品点数が多くなって構成が煩雑になり、設置作業が面倒になるという問題がある。さらには、開閉体とワイヤとを連結して、巻き締め用の装置を用いて所定の付勢力を付与した後に、さらに付勢力の調整作業が必要となり、開閉装置の設置作業が長時間にわたってしまうという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、複数のパネル体を上下方向に連結してなる開閉体を、開口部に沿って設けたガイドレールに移動自在にガイドさせるとともに、開閉体にバランス弾機の一端部を連結し、該バランス弾機の付勢力を受けて開閉体の開放作動がなされる建築用開閉装置において、開閉体を、最下端のパネル体にバランス弾機の一端部を連結し、ガイドレールに形成した投入口に、前記最下端のパネル体から上方のパネル体を順次組み込み、パネル体同士の連結をすることで構成し、バランス弾機は、開閉体の組み込みで開閉体の自重にバランスする付勢力を蓄勢するように構成したものである。
そして、このように構成することにより、開閉体のガイドレールへの組み込みが簡略化されるうえ、バランス弾機に開閉体にバランスする付勢力を蓄勢するのが簡単、かつ、容易になる。
請求項2の発明は、請求項1において、ガイドレールの投入口は、開閉体の全閉姿勢で最上端に位置するパネル体の対向部位または該対向部位よりも上方部位に位置して形成されているものであり、このようにすることにより、開閉体の全体を、バランス弾機にバランスさせた状態でガイドレールに組み込むことができる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、投入口は、開閉体組み込み用の台座が着脱自在に設けられているものであり、このようにすることにより、パネル体の組み込み、バランス弾機の連結作業が容易になるばかりでなく、パネル体の保護を図ることができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかにおいて、ガイドレールは、開口部に沿う垂直部と、天井部に沿う水平部と、これらのあいだのコーナー部とを備えてL字状に構成され、バランス弾機は水平部に沿って配されているものであり、このようにすることにより、開口部を広く確保することができる。
請求項5の発明は、請求項4において、バランス弾機の一端部には索条が設けられ、該索条は、開閉体の屋外側面から屋内側に引き回されて最下端パネル体に連結されるものとし、索条と最下端パネル体とのあいだには、係脱自在な連結部と連結受け部材とで構成された連結手段が配されているものであり、このようにすることにより、バランス弾機と最下端パネル体との連結を容易にかつ確実に行うことができる。
請求項6の発明は、請求項5において、バランス弾機は、索条とのあいだに動滑車を介して連結されているものであり、このようにすることにより、バランス弾機の付勢力による伸長を、開閉体の移動量の半分に設定することができて、バランス弾機の収容部材を小さくすることができる。
請求項7の発明は、複数のパネル体を上下方向に連結してなる開閉体の左右両端部を、開口部に沿って設けたガイドレールに移動自在にガイドさせるとともに、開閉体にバランス弾機の一端部を連結し、該バランス弾機の付勢力を受けて開閉体の開放作動がなされる建築用開閉装置において、開閉体は、バランス弾機の一端部を連結した最下端のパネル体を、ガイドレールに形成した投入口から組み込んだ後、上方のパネル体を順次組み込み、パネル体同士の連結をし、開閉体の組み込みに伴い、バランス弾機に開閉体の自重に相当する付勢力が蓄勢されるようにしたものである。
そして、このように構成することにより、開閉体のガイドレールへの組み込みが簡略化されるうえ、バランス弾機に開閉体にバランスする付勢力を蓄勢するのが簡単、かつ、容易になる。
請求項1の発明とすることにより、開閉体のガイドレールへの組み込みが簡略化され、しかも、バランス弾機に開閉体にバランスする付勢力を蓄勢するのを簡単、かつ、容易にできる。
請求項2の発明とすることにより、開閉体全体を、バランス弾機にバランスさせた状態でガイドレールに組み込むことができる。
請求項3の発明とすることにより、パネル体の組み込み、バランス弾機の連結作業が容易になり、しかも、パネル体の保護を図れる。
請求項4の発明とすることにより、開口部を広く確保することができる。
請求項5の発明とすることにより、バランス弾機と最下端パネル体との連結を容易にかつ確実に行える。
請求項6の発明とすることにより、バランス弾機の付勢力による伸長を、開閉体の移動量の半分に設定することができ、バランス弾機の収容部材を小さくできる。
請求項7の発明とすることにより、開閉体のガイドレールへの組み込みが簡略化され、しかも、バランス弾機に開閉体にバランスする付勢力を蓄勢するのを簡単、かつ、容易にできる。
つぎに、本発明の実施の形態の一例について、図1〜図16の図面に基づいて説明する。
図中、1は建築用開閉装置であるオーバーヘッド式ドアを構成するドア体(開閉体)であって、該ドア体1は、複数のパネル体2を上下方向に連結して構成されているが、本実施の形態のドア体1は、後述するように、複数のパネル体2を、左右端部および左右方向中間部においてそれぞれ第一、第二連結部材3、4を介して連結されており、これによって、パネル体2同士のあいだが折曲自在となる状態で連結されている。
一方、5は開口部を構成する躯体両側部に固定される一対のガイドレールであって、開口部両側に沿う垂直部5aと、天井部に沿う水平部5bと、前記垂直部5aと水平部5bとのあいだに位置するコーナー部5cとを備えて略L字形となる状態で一体的に形成されている。そして、これらガイドレール5に、ドア体1の左右両側縁部に軸承された複数のガイドローラ6をそれぞれ抜け止め状に係止することにより、ドア体1はガイドレール5の移動案内を受ける(ガイドされる)ように設定されており、これら基本的な作動構成は従来通りとなっている。
また、前記左右一対のガイドレール5のうち、一方(本実施の形態では、図1の図面において向かって左側)のガイドレール水平部5bの屋内側端部には、開閉機7が配されるが、該開閉機7は、ガイドレール水平部5bと、該ガイドレール水平部5bの屋内側端部に直交状に配された補助ステー5dとにより形成されるコーナー部に一体的に固定されている。尚、前記補助ステー5dは、開閉機7の取り付け部材であるとともに、左右のガイドレール5の屋内側端部を連結する状態で設けることにより、左右ガイドレール5の位置決めをして、左右のガイドレール5の対向間が開きすぎたり、狭まりすぎたりするような不具合がないように構成されている。
さらに、前記開閉機7には走行レール8が連結されており、該走行レール8は左側のガイドレール水平部5bの内側に隣接する状態で屋外側に向けて延出している。前記走行レール8には移動体9が移動自在に設けらており、開閉機7の正逆駆動に伴い屋内外方向に変位するように設定されており、後述するように、移動体9とドア体1の上端部左側とが連結されている。そして、開閉機7の正逆駆動に伴い屋内外に移動する移動体9がドア体1を強制移動せしめることによって、ドア体1を、ガイドレール垂直部5aに位置して開口部の閉鎖をする全閉姿勢と、ガイドレール水平部5bに位置して開口部の開放をする全開姿勢とのあいだを開閉作動せしめるように設定されている。
さて、前記ドア体1の構成であるが、ドア体1を構成する各パネル体2は、上縁部に位置して屋内側方向下側に向けて折返された上側折返し片部2aが形成され、下縁部に位置して屋内側方向上側に向けて折返されたものがさらに下方に向けて折返された下側折返し片部2bが形成され、各折返し片部2a、2bと、パネル体2の屋内側面とのあいだに上側空隙部USと下側空隙部DSとが形成されている。
そして、これら各パネル体2は、屋内側面の左右両端部に第一連結部材3を、左右方向中間部に第二連結部材4をそれぞれ設けることにより、隣接するパネル体2との折曲自在な連結がなされるように設定されている。尚、これら第一、第二連結部材3、4は、それぞれ樹脂材を一体成形したもので構成されており、第一連結部材3については、左右勝手違いのものが左右端部にそれぞれ設けられている。
前記第一連結部材3は、上下端部位が左右方向一方(パネル体2の左側端部に装着され第一連結部材3は左側、右側端部に装着されるものは右側)に突出しており、該突出部に、パネル体2の上下側空隙部US、DSに内嵌される上下側嵌合片部3a、3bが形成されているとともに、上端部には屋内側に突出する状態で連結片3cが形成され、下端部には二股状に分岐する連結受け片3dが屋内側および下方に突出する状態で形成されている。そして、下側に位置するパネル体2に一体的に嵌合係止せしめた第一連結部材3の連結片3cを、上側に位置するパネル体2に一体的に嵌合係止せしめた第一連結部材連結受け片3dの二股間に嵌入させ、これらを連結ピン3eを用いて連結することにより、第一連結部材3同士の揺動自在な連結がなされ、もって、隣接するパネル体2同士を折曲自在に連結するように設定されている。
さらに、第一連結部材3は、上端部に位置してガイドレール5に係止するガイドローラ6の軸部6aを抜け止め状に支持するための支持孔3fが形成されている他、上下端部に位置して係止爪3g、3hが形成されている。これら係止爪3g、3hは、屋内外方向への弾性変形が可能な状態で形成されており、パネル体2に開設された上下の係止受け孔2c、2dにそれぞれ係合するように設定されている。尚、第一連結部材3は、上下側嵌合片部3a、3bをパネル体2の上下側空隙部US、DSの左右方向外方にあてがい、第一連結部材3をスライドさせることで一体的な装着がなされるように構成されており、該装着時において、係止爪3g、3hが弾性変形して係止受け孔2c、2dとの係合を自動的に行うようになっており、これによって、第一連結部材3はパネル体2から抜け止めされるように設定されている。
さらに、パネル体2の左右方向中間部を連結する第二連結部材4はパネル体2の左右幅によっては必ずしも装着する必要のある部材ではないが、該第二連結部材4は、上下側空隙部US、DSの下または上側半部に内嵌される上下側嵌合片4a、4bが形成されているとともに、上端部には連結片4cが屋内側に突出する状態で形成され、下端部には二股状に分岐する連結受け片4dが屋内側に突出し、かつ、下方に突出する状態で形成されている。そして、下側に位置するパネル体2に一体的に嵌合係止せしめた第二連結部材4の連結片4cを、上側に位置するパネル体2に一体的に嵌合係止せしめた第二連結部材連結受け片4dの二股間に嵌入させ、これらを連結ピン4eを用いて連結することで、第二連結部材4同士の揺動自在な連結がなされ、もって、隣接するパネル体2同士を折曲自在に連結するように設定されている。
また、第二連結部材4は、左右一対の連結受け片4dが分岐する部位の屋外側面に位置決め突部4fが形成されており、該位置決め突部4fを、パネル体2の下側折返し片部2bに形成された貫通孔2eに嵌入させることで、パネル体2に対する位置決め、そして、外れ止め(抜け止め)がなされるように構成されている。
このように構成された第二連結部材4は、上下側嵌合片部4a、4bをパネル体2の上下側空隙部US、DSの左右方向中央部位において屋内外方向に対向せしめ、第二連結部材4を屋外側に向けて押し込むことで上下側嵌合片部4a、4bが弾性変形して装着されるように構成されており、該装着時に、位置決め突部4fをパネル体2の貫通孔2eに嵌入させることによって、第二連結部材4のパネル体2への位置決めとともに、抜け止めがなされるように設定されている。
一方、前記開閉機7は、電動モータ(図示せず)の正逆回転駆動に伴い正逆回転する螺軸7aが屋外側に向けて延設されたものに構成されており、前記螺軸7aは、開閉機7から屋外側に伸長する走行レール8によって回転自在に支持される構成となっている。そして、前記螺軸7に、移動体9が回り止めされる状態で螺合されており、これによって、電動モータの駆動に伴う螺軸7aの正逆回転に基づいて、移動体9が屋内外方向に強制移動するように設定されている。
ここで、前記開閉機7は、左側のガイドレール水平部5bと補助ステー5dとのコーナー部に設けられるが、ガイドレール水平部5bには、後述するケース体10が一体的に設けられており、該レース体10に開閉機取り付け用の第一取り付け片S1が固定され、補助ステー5dには開閉機取り付け用の第二取り付け片S2がそれぞれ固定されている。そして、これら取り付け片S1、S2を介して開閉機7を取り付けることにより、ガイドレール水平部5bに対する開閉機7の取り付けが位置精度よく行われるように設定されている。つまり、前記第二取り付け片S2は、補助ステー5dに対して左右方向の位置調整自在な状態で取付けられている一方、開閉機7の左右側部には、第一、第二取り付け片S1、S21に取り付けるための屋内外方向に長い取り付け片部7b、7cがそれぞれ形成されている。そして、開閉機取り付け片部7b、7cにはそれぞれ屋内外方向に長い長孔7dが開設されており、これら長孔7dを介して第一、第二取り付け片S1、S2に取り付けることにより、屋内外方向の位置調整が自在な状態で取り付けられるように設定されている。これによって、開閉機7は、ガイドレール水平部5bと補助ステー5dに対する微調整がなされた状態で固定することができ、開閉機7をガイドレール水平部5bに対して位置精度よく取り付けられて、開閉機7から延出し、ガイドレール水平部5bに沿って支持される走行レール8を位置精度よく設置することができ、移動体9の走行に伴うドア体1の開閉作動を円滑、かつ、安定に行えるように設定されている。
尚、従来のオーバーヘッド式ドアでは、開閉機を天井面に取り付ける構成としていた。このため、取り付け箇所が限定されてしまうばかりでなく、開閉機の位置精度を確保するのが難しいという問題があったが、本実施の形態のように、ガイドレール5に一体化する構成とすることにより、開閉機の取り付けスペースの確保が容易になるうえ、位置精度よく取り付ける作業が容易になって作業性の向上を図れるという利点もある。
また、前記走行レール8および螺軸7の屋外側端部は、左側のガイドレール水平部5bの下片5eに固定されるケース体10の内側面部10aに一体固定されている。つまり、ケース体10の屋外側端部にはレール支持体11の取り付け片11aが一体的に固定されている。そして、レール支持体11の開口部内側に延出する延出片11bに、屋内側方向に長く延出するアーム体11cが一体的に固定されており、該アーム体11cに沿って、走行レール8の屋外側端部位が支持固定されている。これによって、走行レール8は、ケース体10、ガイドレール水平部5bを介して躯体側に一体的に固定されるように設定されている。ここで、レール支持体11および走行レール8は、ガイドレール垂直部5aからコーナー部5cを介して水平部5bとのあいだを移動するドア体1の下方に位置していて、ドア体1の移動軌跡に干渉することがなく、しかも、各部材は、開口部の左側部に位置しているので、ドア体1の下方に位置していても開口部の邪魔にならないように構成されている。
さらに、前記ケース体10は、ガイドレール水平部5bと略同様の外形状をしているが、下方が開口する形状に形成されており、水平部5bに沿って屋内側に長く配設されている。そして、ケース体10の屋外側部位に、コイル状のバランス弾機12が屋内外方向を向く状態で内装されている。前記バランス弾機12の屋外側端部12aは、ケース体10の屋外側端面10b(躯体側)に固定されており、屋内側端部12bにはブラケット12cが連結され、該ブラケット12cに第一プーリ13が回転自在に軸承されており、該第一プーリ13は、バランス弾機12の伸縮作動に伴いケース体10内を屋内外方向に移動するように設定されている。そして、第一プーリ13には索条14が巻回されており、該索条14の一端部はケース体10の屋内側端部(躯体側)に固定される一方、索条14の他端部は屋内側に引き回され、ガイドレール水平部5bの屋内側端部に回転自在に配された第二プーリ14aを巻回して、屋外側に引き回されるようにして延出する構成となっており、該延出端部14bには、後述するように、ドア体1の最下端に位置する最下端パネル体2Dが連結されるように設定されている。これによって、ドア体1からの荷重は、第一プーリ13が動滑車として機能する状態でバランス弾機12に作用するように設定されている。
ここで、第一プーリ13は動滑車として機能するため、ケース体10内を屋内外方向に移動自在となるよう構成されるが、このような構成とするため、第一プーリ13は、ローラ部13aと、該ローラ部13aを貫通して回転自在に軸承する支軸13bと、該支軸13bの左右両端部に位置して設けられる一対の走行ローラ13cとを備えて構成されている。一方、ケース体10の開口端である下端縁部にはガイド片10cがそれぞれ形成されており、前記一対の走行ローラ13cはガイド片10c上を摺動自在に走行するように設定されている。そして、バランス弾機12が伸縮することに連動して、走行ローラ13cはガイド片10cに沿って屋内外方向に走行し、これによって、第一プーリ13は所定の姿勢を安定的に維持した状態での屋内外方向への走行が可能となって、バランス弾機12が不用意に回転するような不具合が防止できるように構成されている。そのうえ、バランス弾機12が中間部分で破断してしまったような場合に、バランス弾機12の屋外側端部12aが躯体に固定されていることと、第一プーリ13がガイド片10c上に支持されていることにより、バランス弾機12が下方に長く垂れ下がってしまうことが防止できるように構成されている。
一方、ドア体1の最上端に設けられる最上端パネル体2Uには、左右端部がガイドレール5に嵌入する長さに設定されたパイプ体15が、上端縁部(開放側端部)とのあいだに所定間隙を存する状態で連結されているが、前記パイプ体15と最上端パネル体2Uとのあいだには調整手段16が設けられ、上下方向(開閉方向)の間隙長さの調整が自在な状態で連結されている。
そして、前記パイプ体15にはジョイント部材17が連結されるが、該ジョイント部材17は、左側のガイドレール5近傍に沿って開放側に延出する主リンク部17aと、パイプ体15の主リンク部17aとの連結部より所定間隙だけ内側部位に連結し、開放側に延出する副リンク部17bと、主、副リンク部17a、17bを連結することにより内側ほどパイプ体15側に傾斜する傾斜部17cとを備えて構成されている。さらに、ジョイント部材17の主、副リンク部17a、17bとのあいだには、パイプ体15に近接する状態で連結リンク部17dが設けられており、該連結リンク17dに、前記走行レール8を走行(移動)する移動体9が、連結アーム9aを介して一体的に連結されている。これによって、ジョイント部材17は、移動体9が走行レール8を走行することに伴い、移動体9に追随する状態で強制的に移動をし、もって、ドア体1の開閉作動を行うように設定されている。
このように、本実施の形態のドア体1は、左側部位に連結された移動体9による強制的な変位に伴い開閉作動することになり、このため、ドア体1は所謂片持ち状となって、ドア体1が傾斜状になって開閉作動に支障を来たすことが想定されるが、このものでは、ジョイント部材17の主リンク部17aに姿勢矯正装置18が設けられ、これによって、ガイドレール5に対するジョイント部材17の姿勢、即ち、ジョイント部材17に連結されるドア体1の姿勢が強制的に矯正されるように設定されている。
即ち、姿勢矯正手段18は、開閉方向に長い主リンク部17aに一体連結される長尺状の長板材18aと、該長板材18aの板面に一側面が一体的に取り付けられる長尺角筒状の矯正用角筒体18bとを備えて構成されており、該矯正用筒体18bの開閉方向両端部(屋内外方向両端部)には、左右方向を向く第一支軸18cが貫通支持され、該第一支軸18cのガイドレール水平部5b側に向けて突出する軸端部に、ガイドレール水平部5bの溝底面5fに対向する状態で走行する第一ローラ18dが軸承されている。そして、第一ローラ18dがガイドレール水平部5bを走行することにより、矯正用角筒体18bは、ガイドレール水平部5bの移動案内を受けるように構成されている。
さらに、矯正用角筒体18bの開閉方向両端部には、上下方向を向く第二支軸18eが貫通支持されており、該第二支軸18eの下方に向けて突出する軸端部に第二ローラ18fがそれぞれ軸承されている。前記各第二ローラ18fは、ガイドレール水平部5bの下側片5eの開口側縁部に折曲形成された開口部内側に対向する折曲面部5gと、ガイドレール水平部5bの下方に連結状に設けられ、前記折曲面部5gと面一状となるケース体10の内側面部10aとに対し、開口部内側から当接し、矯正用角筒体18bの移動に伴い前記当接部位を転動するように設定されている。
さらに、矯正用角筒体18bの開閉方向両端部には、左右方向を向く第三支軸18gが貫通支持されており、左側に突出する軸部の中間部が下方に向けて折曲され、該折曲された軸端部に第三ローラ18hがそれぞれ軸承されている。前記各第三ローラ18hは、ガイドレール水平部5bの下側片5eの開口側縁部に折曲形成され、前記折曲面部5gとは所定間隙を存してガイド溝内側に位置する内側面部5hに対し、それぞれ開口部外側から(ガイド溝内側から)当接し、矯正用角筒体18bの移動に伴い前記当接部位を転動するように設定されている。
そして、矯正用角筒体18bは、移動体9の走行に基づいて一対の第一ローラ18dがガイドレール水平部5bを走行する際に、各一対の第二、第三ローラ18f、18hがガイドレール水平部5bの折曲面部5gと内側面部5hとを左右方向両側から挟み込む状態で走行することにより、矯正用角筒体18bが、ガイドレール水平部5bを基準としてこれに略平行となる姿勢に矯正された状態で走行し、これによって、矯正用角筒体18bと一体に連結されるジョイント部材17をガイドレール水平部5bに対して略平行となる姿勢に矯正するように設定されている。
さらに、このようにガイドレール5に対する姿勢が矯正されたジョイント部材17をパイプ体15に連結し、該パイプ体15を長さ調整部材16を介してドア体1に連結することにより、ドア体1の姿勢をガイドレール水平部5bに対して略平行となる姿勢に矯正することができ、これによって、ドア体1の左右方向一方である左側部位に開閉作動力が作用する片持ち式の開閉構成でありながら、ドア体1のガイドレール5に対する姿勢が開閉方向(上下方向)、あるいは、屋内外方向に傾斜状になってしまうような不具合をなくし、ドア体1の開閉作動が円滑、かつ、軽快になされるように設定されている。
さらに、本実施の形態のドア体1は、最下端に位置する最下端パネル体2Dの左右両端部に各一対の第一、第二補助ローラ19、20が設けられており、これによって、さらなるドア体1の姿勢矯正ができるようにしている。
つまり、最下端パネル体2Dの左右には、前記第一連結部材3がそれぞれ設けられ、該第一連結部材3の上端部には、ガイドレール5を走行するためのガイドローラ6が軸承されている。さらに、最下端パネル体2Dの左右の第一連結部材3下端部には、第一補助ローラ19を軸承するための第一取り付けブラケット21が設けられている。前記取り付けブラケット21は、最下端パネル体2D左右両端部の下端面を迂回して屋内外両面を挟むように設けられており、左右勝手違いのものがそれぞれ取り付けられており、第一補助ローラ19の軸部19aを左右方向外方に突出させる状態で支持するための貫通孔21aが開設されている。そして、第一補助ローラ19は、上端に設けられたガイドローラ6と略同形状であり、かつ、ガイドローラ6と同様にガイドレール5を構成する一対の対向片間を転動するように設定されている。
前記取り付けブラケット21の上方には、第二補助ローラ20を軸承するため第二取り付けブラケット22が設けられているが、該第二取り付けブラケット22も左右勝手違いのものが左右の第一連結部材3にそれぞれ取り付けられていることは、前記と同様である。前記第二取付けブラケット22には、第二補助ローラ20の支軸20aを屋内外方向(パネル体2のパネル面に対して直交する方向)に軸承するための軸承部22aが開設されている。そして、第二補助ローラ20は、ガイドレール5の溝底面5fに近接対向状に軸承され、ドア体1の開閉作動時に生じるガタを受けて溝底面5fを転動するように設定されている。このように構成することにより、最下端パネル体2Dは、上下のガイドローラ6および第一補助ローラ19がガイドレール5の対向片間に案内されることにより、屋内外(垂直部5aに位置する場合)あるいは上下方向(水平部5bに位置する場合)のガタつきに基づく姿勢矯正がなされる一方、左右の第二補助ローラ20が左右のガイドレール溝底面5fに案内されることにより、左右方向のガタつきに基づく姿勢矯正がなされるように設定され、もって、ドア体1のガイドレール5に対する姿勢が開閉方向、あるいは、屋内外方向に傾斜状になってしまうような不具合をなくし、ドア体1の開閉作動が円滑、かつ、軽快になされるように設定されている。
また、前記第一取り付けブラケット21の屋内側面には、索条14を連結するためのスライド連結片21bが形成され、該スライド連結片21bが本発明の連結受け部に相当する。一方、バランス弾機12から延出され、ガイドレール水平部5b側から引き回される索条14の延出部14bには、本発明の連結部に相当する索条連結体23が一体的に設けられている。前記索条連結体23は索条延出部14aが貫通する貫通孔23aが開設された四角筒形状に形成されており、一側面23bの下半部に、前記第一取り付けブラケット21のスライド連結片21bに上下方向のスライド作動で係合する係合片23cが形成されている。そして、索条連結体23は、貫通孔23aに索条延出部14bを挿通して上端において抜け止めし、開閉体2の屋外側面に引き回されている索条14を、最下端パネル体2Dの下端を経由して屋内側面に引き回し、スライド連結片21bの上端に対して、索条連結体係合片23cの下端からスライド係合させることにより、第一取り付けブラケット21に対し索条連結体23が抜け止め状に連結され、これによって、バランス弾機12とドア体1との連結がなされる設定となっている。
つぎに、ドア体1のガイドレール5への組み込み手順について説明する。
前記左右一対のガイドレール5には、垂直部5aの上端部屋内側面であって、ドア体1を全閉姿勢としたとき、最上端に位置するパネル体2aに対向する部位に位置して、屋内側片を切り欠くことにより矩形状の投入口5iがそれぞれ切り欠き形成されている。そして、これら投入口5iに、ドア体1組み込み時に用いる台座24をそれぞれ装着するが、台座24は、パネル体2を載置するための載置凹部24aと、投入口5iを構成する下端側の切り落とし縁部5jに係り止めするための係止片24bと、投入口5iの左右方向外方の切り落とし縁部に係止してガイドレール5からの抜け止めをするストッパ片24cとを備えて形成されている。
因みに、本実施の形態の投入口5iは、ガイドレール垂直部5aの上端部に設けられているが、ガイドレールコーナー部5c、ガイドレール水平部5bの屋内側面に形成することも可能である。
一方、各パネル体2は、予め第一、第二連結部材3、4が装着され、最下端パネル体2Dについては、第一連結部材3に第一、第二取付けブラケット22、23が取付けられ、第一、第二補助ローラ19、20を軸承する。
そして、図15に示すように、前記ガイドレール投入口5iに装着した台座24の載置凹部24aに、最下端パネル体2Dの下端部を落とし込み、ガイドレール5に立て掛ける状態で最下端パネル体2Dを台座24上にセットする。そして、この状態において、バランス弾機12から引き回された索条14を最下端パネル体2Dに連結するが、該索条延出部14bは、第二プーリ14aから巻き出されたものが、ガイドレールコーナー部5c近傍に設けた第三プーリ14cを経由して最下端パネル体2Dの屋外側に引き出されており、このようにパネル体2が連結されない自然状態において、索条延出部14bは、投入口5iから臨める部位に位置するように設定されている。
そして、索条延出部14bを、バランス弾機12の付勢力に抗して引っ張る状態とし、台座24上にセットした最下端パネル体2Dの屋外側から最下端パネル体2Dの屋内側に引き回し、索条14に連結された索条連結体係合片23cを、第一取り付けブラケット21に形成されたスライド連結片21bに上側から下方に向けてスライド係合させることにより、バランス弾機12と最下端パネル体2Dとの連結を行う。このとき、索条14と最下端パネル体2Dとは、スライド連結片21bと係合片23cとのスライド連結で一体的な連結ができるようになっており、投入口5i近傍の高所での作業でありながら、作業性よく容易にできるように構成されている。尚、索条連結体23を最下端パネル体2Dに連結した状態において、最下端パネル体2Dは台座24に載置されていてバランス弾機12には負荷が掛かることなく付勢力を蓄勢していない状態になるように設定されている。
また、最下端パネル体2Dの屋外側から屋内側に引き回される索条延出部14bは、最下端パネル体2Dの下端面を経由して屋内側に引き回されるが、第一取り付けブラケット21の下方外面には、索条延出部14bを屋内側に案内するための案内溝21dが形成されている。
このように、最下端パネル体2Dにバランス弾機12を連結した後は、該最下端パネル体2Dを台座24から外して、左右端部に設けられた第一連結部材3のガイドローラ6取り付け側半部を、投入口5iからガイドレール垂直部5aに組み込むが、この状態において、最下端パネル体2Dは索条14に垂下した状態となり、これによってバランス弾機12には、パネル体2の一枚分に相当する付勢力が蓄勢されて、最下端パネル体2Dの荷重とバランスされた状態となるように設定されている。
尚、バランス弾機12は、最下端パネル体2を連結することにより、該最下端パネル体2の荷重にバランスするとともに、付勢力を蓄勢するべく、最下端パネル体2Dの上下方向長さ分だけ伸長することになるが、このとき、バランス弾機12と最下端パネル体2とのあいだには動滑車13が設けられており、このため、バランス弾機12は、最下端パネル体2Dの上下方向長さの半分の長さだけ伸長するように設定されている。これによって、バランス弾機12を収容するケース体10の長さを短く設定することができるように配慮されている。
また、索条連結体23は、バランス弾機12に付勢力が蓄勢されると、索条14により下方への引っ張り力が作用することになるが、索条連結体23の係合片23cは下半部に形成されており、スライド連結片21bに対し下方に向けたスライド係合をしている状態で、係合片23cの上側部位がストッパ片23dに構成されて、連結片21bの上端部21cに当接して下動規制を受けるように構成されている。これによって、バランス弾機12の蓄勢状態では、索条連結体23と第一取り付けブラケット21との係合がより一層強固なものにできるうえ、索条14が第一取り付けブラケット21から外れてしまうことがないように設定されている。
そして、これに続いて、上側のパネル体2を投入口5iから組み込み(嵌合し)、最下端パネル体2Dと上側のパネル体2の第一、第二連結部材3、4の連結片3c、4cと連結受け片3d、4d同士を嵌合させる。そして、それぞれ連結ピン3e、4eを装着することで、最下端パネル体2Dと上側のパネル体2との連結がなされる。ここで、前記状態で連結ピン3e、4eを装着しなくてもパネル体2同士を連結状態(嵌合状態)とすることができ、このため、全てのパネル体2をガイドレール5に組み込んだ後、第一、第二の連結部材3、4同士を順次連結ピン3e、4eを装着することで連結するような作業手順としてもよく、このようにすることにより、高所の投入口5iからパネル体2を組み込んだとしても、一人での作業が可能となる。
そして、前記状態において、最下端パネル体2Dと上側のパネル体2とがバランス弾機12に連繋する索条14により垂下される状態となっており、これによって、バランス弾機12には二枚のパネル体2の荷重に相当する付勢力が蓄勢されるように設定されている。
これに続き、上側のパネル体2を順次組み込み、第一、第二連結部材3、4同士の連結をすると、開口部がパネル体2により閉鎖され、次第に全閉姿勢に近付き、最上端パネル体2Uを連結することにより全閉姿勢となるが、投入口5iは、全閉姿勢のドア体1の最上端パネル体2U対向部位に位置しているので、最下端パネル体2Dが床面に接地する僅かに上側に位置する状態で、最上端パネル体2Uが下側のパネル体2に連結され、この状態では、バランス弾機12にはドア体1全体の荷重に相当する付勢力が蓄勢されることになる。このように、ドア体1のガイドレール5への組み込みに伴い、バランス弾機12には、ドア体2にバランスされる分だけの(ドア体1の荷重に相当する)付勢力が蓄勢されるように設定されている。そして、このように構成されたオーバーヘッド式ドアにおいて、ドア体1の荷重にバランスされたバランス弾機14の付勢力により、移動体9によるドア体1の開放作動の補助がなされて、軽快な開放作動ができるように構成されている。
尚、各パネル体2同士の連結は、前述したように、連結片3c、4cと連結受け片3d、4dとに連結ピン3e、4eを挿通して連結する構成であり、投入口5iにおける連結作業が簡単、かつ、容易に行えるように配慮されている。また、第二連結部材4は、屋内側面から押し込むことでパネル体2に装着することができる構成となっており、このため、ドア体1をガイドレール5に組み込んだ後に装着することも可能であり、第二連結部材4をパネル体2自体の補強部材、あるいは、パネル体2同士の連結の補強部材として、状況に応じて取り付けることが可能である。
このようにドア体1を組み込んだ後、ガイドレール投入口5iにセットされている組み込み用の台座24を取り外し、ここに、カバー体25を装着することにより、ガイドレール5への組み込み作業が完了するように設定されており、さらには、最上端パネル体2Uに姿勢矯正手段18、ジョイント部材17等必要な部材が組み込まれるように設定されている。
叙述の如く構成された本形態において、ドア体1は、開閉機7の正逆駆動に伴い、開口部両側に設けられたガイドレール5の案内を受けて開口部の開閉作動をする構成となっているが、この場合に、ドア体1のガイドレール5への組み込みは、ガイドレール5に開設された投入口5iから行うことができ、このとき、ドア体1は、各パネル体2が連結されない状態のものを、最下端パネル体2Dから投入口5iに順次組み込み、各パネル体2に一体化された第一、第二連結部材3、4同士を連結することにより、ドア体1が形成される構成となっている。この結果、予めパネル体を連結してドア体としたものをガイドレールに組み込むもののように、組み込み作業が大がかりなってしまうことがない。
そしてこのものにおいて、開放作動を補助するためのバランス弾機12は、最初に組み込まれる最下端パネル体2Dに連結されており、該最下端パネル体2Uに上方のパネル体2を順次組み込むことにより、逐次付勢力が蓄勢されることになるので、最上端パネル体2Uを組み込むことにより、バランス弾機12にはドア体1にバランスした付勢力を自動的に蓄勢することができる。従って、従来のように、ドア体とバランス弾機とを別々の部材として組み込んだ後、バランス弾機とドア体とを連結し、さらには、別途巻き締め用装置を用いてバランス弾機を巻き締めるもののように作業が何工程にも及び、煩雑になってしまうものとは異なり、巻き締め用装置を不要にできて、部品点数の削減が果せるとともに、取り付け作業の簡略化を果すことが可能となって、一人作業であっても設置することができて、作業性の改善を果せる。しかも、このものでは、組み込まれたドア体1の荷重とバランス弾機12の付勢力とのあいだの調整も一切不要にすることができて、さらなる作業性の改善を果せる。
そのうえ、このものでは、ガイドレール5の垂直部5aの上方であって、全閉姿勢における最上端パネル体2U対向部位に対向して投入口5iが形成されているので、ドア体1を構成する全てのパネル体2を投入口5iから組み込んで連結することができ、ドア体1の設置がさらに簡略化される。
さらに、このものでは、着脱自在な台座24を装着した状態で投入口5iからドア体1を組み込む構成としているので、最下端パネル体2Dにバランス弾機12(索条延出部14b)を連結する作業がやりやすいばかりでなく、投入口5iの下端側の切り落とし縁部5jが台座係止片24bにより覆われるので、パネル体2を傷つけるようなこともなく、作業性の向上とパネル体2の保護とを図ることができる。
また、バランス弾機12はガイドレール5に沿って屋内外方向に長く配設されているので、従来の天井部の屋外側部位にバランス弾機を設けるもののように開口部を小さくしてしまうような不具合をなくすことができる。
そのうえ、バランス弾機12と最下端パネル体2Dとの連結は、第一取り付けブラケット21に設けたスライド連結片21bと索条連結体23とによる連結手段を介してなされるので、連結作業が容易で、高所に設けられる投入口5iにおける作業であっても容易に行うことができるうえ、確実な連結を行うことができて、作業性のさらなる向上を果すことができる。
また、バランス弾機12と最下端パネル体2Dとのあいだは動滑車となる第一プーリ13を介して連結されているので、バランス弾機12の伸縮ストロークを、ドア体1の全長の半分に設定することができ、バランス弾機12を収容するケース体10の全長を短くすることができて、屋内側部位に無駄なスペースが形成されないという利点もある。
オーバーヘッド式ドアの概略斜視図である。 オーバーヘッド式ドアの一部側面図である。 図3(A)、(B)はそれぞれパネル体の側面図、一部切欠き正面図である。 図4(A)、(B)はそれぞれ中間部に位置するパネル体の背面図、側面図である。 最下端パネル体の背面図である。 図6(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ開閉機の取り付け状態を説明する平面図、側面図、正面図、側面図である。 ガイドレール垂直部における一部断面図である。 ガイドレール水平部における一部断面図である。 ドア体とジョイント部材との連結状態を示す平面図である。 図10(A)、(B)、(C)はそれぞれバランス弾機の配設状態を説明する示す側面図、第二プーリ配設部位の平面図、図10(A)のX−X断面図である。 図11(A)、(B)(C)、(D)、(E)はそれぞれ第一取り付けブラケットの正面図、側面図、背面図、平面図、図11(C)のX−X断面図である。 図12(A)、(B)、(C)、(D)、(E)はそれぞれ索条連結体の平面図、側面図、正面図、側面図、底面図である。 図13(A)、(B)、(C)はそれぞれカバー体の背面図、側面図、正面図である。 図14(A)、(B)、(C)はそれぞれ台座の正面図、側面図、底面図である。 最下端パネル体の組み込み状態を説明する一部側面図である。 図16(A)、(B)、(C)はそれぞれ第二補助ローラを説明する背面図、底面図、側面図である。
符号の説明
1 ドア体
2 パネル体
3 第一連結部材
4 第二連結部材
5 ガイドレール
5i 投入口
7 開閉機
8 走行レール
9 移動体
10 ケース体
12 バランス弾機
13 第一プーリ
14 索条
15 パイプ体
24 台座
25 カバー体

Claims (7)

  1. 複数のパネル体を上下方向に連結してなる開閉体を、開口部に沿って設けたガイドレールに移動自在にガイドさせるとともに、開閉体にバランス弾機の一端部を連結し、該バランス弾機の付勢力を受けて開閉体の開放作動がなされる建築用開閉装置において、開閉体を、最下端のパネル体にバランス弾機の一端部を連結し、ガイドレールに形成した投入口に、前記最下端のパネル体から上方のパネル体を順次組み込み、パネル体同士の連結をすることで構成し、バランス弾機は、開閉体の組み込みで開閉体の自重にバランスする付勢力を蓄勢するように構成した建築用開閉装置。
  2. 請求項1において、ガイドレールの投入口は、開閉体の全閉姿勢で最上端に位置するパネル体の対向部位または該対向部位よりも上方部位に位置して形成されている建築用開閉装置。
  3. 請求項1または2において、投入口は、開閉体組み込み用の台座が着脱自在に設けられている建築用開閉装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかにおいて、ガイドレールは、開口部に沿う垂直部と、天井部に沿う水平部と、これらのあいだのコーナー部とを備えてL字状に構成され、バランス弾機は水平部に沿って配されている建築用開閉装置。
  5. 請求項4において、バランス弾機の一端部には索条が設けられ、該索条は、開閉体の屋外側面から屋内側に引き回されて最下端パネル体に連結されるものとし、索条と最下端パネル体とのあいだには、係脱自在な連結部と連結受け部材とで構成された連結手段が配されている建築用開閉装置。
  6. 請求項5において、バランス弾機は、索条とのあいだに動滑車を介して連結されている建築用開閉装置。
  7. 複数のパネル体を上下方向に連結してなる開閉体の左右両端部を、開口部に沿って設けたガイドレールに移動自在にガイドさせるとともに、開閉体にバランス弾機の一端部を連結し、該バランス弾機の付勢力を受けて開閉体の開放作動がなされる建築用開閉装置において、開閉体は、バランス弾機の一端部を連結した最下端のパネル体を、ガイドレールに形成した投入口から組み込んだ後、上方のパネル体を順次組み込み、パネル体同士の連結をし、開閉体の組み込みに伴い、バランス弾機に開閉体の自重に相当する付勢力が蓄勢されるようにした建築用開閉装置の取り付け方法。
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