JP2006036716A - シワ改善、予防用の皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ウルソール酸及び/又はその誘導体を含有する皮膚外用剤であって、少なくとも2種の油滴を構成要素とし、該少なくとも2種の油滴の少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有し、少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有しない、乳化形態を取っている、皮膚外用剤を提供する。前記ウルソール酸の誘導体は、ウルソール酸のエステルであることが好ましく、ベンジルエステルであることがより好ましい。かかる皮膚外用剤は、シワの存する部分に局所的に投与されるものであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
(1)ウルソール酸及び/又はその誘導体を含有する皮膚外用剤であって、少なくとも2種の油滴を構成要素とし、該少なくとも2種の油滴の少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有し、少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有しない、乳化形態を取っていることを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)ウルソール酸の誘導体が、ウルソール酸のエステルであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)ウルソール酸のエステルが、ベンジルエステルであることを特徴とする、(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)皮膚外用剤が、シワの存する部分に局所的に投与される化粧料であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)包装形態に於いて、シワ改善作用を有する旨の表示を有することを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、必須成分としてウルソール酸及び/又はその誘導体を含有することを特徴とする。前記ウルソール酸の誘導体としては、例えば、メチルエステル、イソオクチルエステル、ステアリルエステル、オレイルエステル、ベンジルエステル、フェネチルエステルなどのアルキルエステル、アルケニルエステル、芳香族エステル、ウルソール酸ステアリルアミド、ウルソール酸オレイルアミド等のアミド類等が好適に例示できる。又、ウルソール酸はフリー体で含有させることも出来るし、アルカリとともに塩を形成させて、塩の形で含有させることも出来る。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。これらの内、より好ましいものとしては、例えば、エステル体が例示でき、エステルを形成するアルコール残基の炭素数としては6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。中でも、芳香族エステルが好ましく、ベンジルエステルがエステル結合の安定性の面から特に好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、且つ、少なくとも2種の油滴を構成要素とし、該少なくとも2種の油滴の少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有し、少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有しない、乳化形態を取っていることを特徴とする。言い換えれば、乳化形態に於ける油滴中に、ウルソール酸及び/又はその誘導体を含有するものと、含有しないものが存在することを特徴とする。この様な乳化形態に於いて、ウルソール酸及び/又はその誘導体を含有する油滴の構成油剤として、極性油を主体とすることが好ましい。かかる極性油としては、例えば、トリイソオクタネート、トリイソステアレート、オリーブ油等のトリグリセライド、オレイルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチル等の二塩基酸エステル、エチレングリコールジオレートやエチレングリコールジイソステアレートなどのエチレングリコールのジエステル、N−ラウロイルグルタミン酸(オクチル/コレステリル)等のN−アシルグルタミン酸エステル類、ジグリセリンテトラオレートなどのジグリセリンのテトラエステル類、オレイルアルコールやホホアアルコールなどの液状高級アルコールなどが好ましく例示できる。かかる油滴中において、前記ウルソール酸及び/又はその誘導体と、前記極性油の割合は1:1000〜1:10であることが好ましい。この様な油滴を皮膚外用剤中に導入するには、かかる成分を油相として含有する、水中油乳化物を作成し、かかる乳化物を皮膚外用剤に添加することが好ましい。この様な乳化のための界面活性剤としては、ウルソール酸及び/又はその誘導体と親和性の高い、レシチン、水添レシチン、水酸化レシチン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールなどのリン脂質やモノラウロイルスクロース、ジラウロイルスクロース、モノステアロイルスクロース、ジステアロイルスクロースなどのショ糖脂肪酸エステルを用いることが好ましい。この様な界面活性剤の好ましい含有量は、極性油全量に対して5〜15質量%が好ましく、ウルソール酸及びその誘導体の含有量に対して1〜10倍量であることが好ましい。
オトギリソウ(Hypericum erectum Thuna)の地上部の乾燥物1Kgに、10lのエタノールを加え、2時間加熱還流し、室温に冷却後、濾過して不溶物を除去し、減圧濃縮し、これを水に再度分散させて、「ダイアイオンHP−20」(三菱化学株式会社製)などのイオン交換樹脂を充填したカラムにチャージし、充分に水洗いした後、メタノール2lで溶出させ、該溶出分を減圧濃縮して、抽出物1を得た。
ザンクト・ヨハニスクラウト(Hypericum perforatum)の地上部の乾燥物1Kgに、10lのエタノールを加え、2時間加熱還流し、室温に冷却後、濾過して不溶物を除去し、減圧濃縮し、これを水に再度分散させて、「ダイアイオンHP−20」(三菱化学株式会社製)などのイオン交換樹脂を充填したカラムにチャージし、充分に水洗いした後、メタノール2lで溶出させ、該溶出分を減圧濃縮して、抽出物2を得た。
イ)
ホホバアルコール 0.3 質量%
グリセリルトリイソオクタネート 2 質量%
レシチン 0.05質量%
水酸化レシチン 0.09質量%
ウルソール酸ベンジル 0.05質量%
ショ糖モノラウリン酸エステル 0.15質量%
ロ)
グリセリン 0.5 質量%
1,3−ブタンジオール 1 質量%
キサンタンガム 0.04質量%
水 5.82質量%
ベヘニルアルコール 0.2質量%
グリセリルトリイソオクタネート 2 質量%
セチルイソオクタネート 1.5質量%
N−ラウロイルグルタミン酸(コレステリル/オクチル) 0.5質量%
カプリル酸・カプリン酸・ミリスチン酸・ステアリン酸
トリグリセライド 0.8質量%
ジメチコン 6 質量%
フィトステロール配糖体 0.01質量%
ソルビタンセスキステアレート 0.5質量%
ポリオキシブチレン(20)ポリグリセリン(7)
ステアリルエーテル 0.5質量%
(41)ステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5質量%
ニ)
フェノキシエタノール 0.5質量%
1,3−ブタンジオール 7 質量%
グリセリン 8 質量%
「カーボポール1382」 0.1質量%
ポリメタクリロイルリジン 0.1質量%
ポリグルコシルエチルメタアクリレート 0.5質量%
製造例1のオトギリソウ抽出物1 0.1質量%
水 50 質量%
ホ)
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量%
水 10.79質量%
上記処方のイ)とハ)とをあわせ、80℃に加熱し、これにロ)とニ)とをあわせて80℃に加熱したものを攪拌下徐々に加えて乳化し、これにホ)を攪拌下加えて中和し、攪拌冷却し、油滴が唯一種の乳化化粧料である、比較例1を得た。
化粧料1と比較例1とを低温エージング条件で2ヶ月保存し、その性状を顕微鏡下観察を行った。低温エージング条件は、−10℃を24時間保持した後、24時間かけて5℃迄昇温し、5℃を24時間保持した後、24時間かけて−10℃まで降温する動作を1サイクルとして、これを繰り返し行う保存条件である。性状の指標としては、400倍の倍率下での20視野における析出結晶の数を用いた。結果を表1に示す。これより、本発明の化粧料は安定性に優れており、ウルソール酸ベンジルなどの結晶性の良い成分を安定に配合できることが判る。
イ)
ホホバアルコール 0.3 質量%
グリセリルトリイソオクタネート 2 質量%
レシチン 0.05質量%
水酸化レシチン 0.09質量%
ウルソール酸ベンジル 0.05質量%
ショ糖モノラウリン酸エステル 0.15質量%
ロ)
グリセリン 0.5 質量%
1,3−ブタンジオール 1 質量%
キサンタンガム 0.04質量%
水 5.82質量%
ベヘニルアルコール 0.2質量%
グリセリルトリイソオクタネート 2 質量%
セチルイソオクタネート 1.5質量%
N−ラウロイルグルタミン酸(コレステリル/オクチル) 0.5質量%
カプリル酸・カプリン酸・ミリスチン酸・ステアリン酸
トリグリセライド 0.8質量%
ジメチコン 6 質量%
フィトステロール配糖体 0.01質量%
ソルビタンセスキステアレート 0.5質量%
ポリオキシブチレン(20)ポリグリセリン(7)
ステアリルエーテル 0.5質量%
(41)ステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5質量%
ニ)
フェノキシエタノール 0.5質量%
1,3−ブタンジオール 7 質量%
グリセリン 8 質量%
「カーボポール1382」 0.1質量%
ポリメタクリロイルリジン 0.1質量%
ポリグルコシルエチルメタアクリレート 0.5質量%
製造例2のオトギリソウ抽出物2 0.1質量%
水 50 質量%
ホ)
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量%
水 10.79質量%
上記処方のイ)とハ)とをあわせ、80℃に加熱し、これにロ)とニ)とをあわせて80℃に加熱したものを攪拌下徐々に加えて乳化し、これにホ)を攪拌下加えて中和し、攪拌冷却し、油滴が唯一種の乳化化粧料である、比較例2を得た。
試験例1と同様に、化粧料2と比較例2とを低温エージング条件で2ヶ月保存し、その性状を顕微鏡下観察を行った。結果を表2に示す。これより、本発明の化粧料は安定性に優れており、ウルソール酸ベンジルなどの結晶性の良い成分を安定に配合できることが判る。
イ)
イ)
ホホバアルコール 0.3 質量%
グリセリルトリイソオクタネート 2 質量%
レシチン 0.05質量%
水酸化レシチン 0.09質量%
ウルソール酸 0.05質量%
ショ糖モノラウリン酸エステル 0.15質量%
ロ)
グリセリン 0.5 質量%
1,3−ブタンジオール 1 質量%
キサンタンガム 0.04質量%
水 5.82質量%
ベヘニルアルコール 0.2質量%
グリセリルトリイソオクタネート 2 質量%
セチルイソオクタネート 1.5質量%
N−ラウロイルグルタミン酸(コレステリル/オクチル) 0.5質量%
カプリル酸・カプリン酸・ミリスチン酸・ステアリン酸
トリグリセライド 0.8質量%
ジメチコン 6 質量%
フィトステロール配糖体 0.01質量%
ソルビタンセスキステアレート 0.5質量%
ポリオキシブチレン(20)ポリグリセリン(7)
ステアリルエーテル 0.5質量%
(41)ステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5質量%
ニ)
フェノキシエタノール 0.5質量%
1,3−ブタンジオール 7 質量%
グリセリン 8 質量%
「カーボポール1382」 0.1質量%
ポリメタクリロイルリジン 0.1質量%
ポリグルコシルエチルメタアクリレート 0.5質量%
製造例1のオトギリソウ抽出物1 0.1質量%
水 50 質量%
ホ)
10%水酸化カリウム水溶液 0.4質量%
水 10.79質量%
上記処方のイ)とハ)とをあわせ、80℃に加熱し、これにロ)とニ)とをあわせて80℃に加熱したものを攪拌下徐々に加えて乳化し、これにホ)を攪拌下加えて中和し、攪拌冷却し、油滴が唯一種の乳化化粧料である、比較例3を得た。
試験例1と同様に、化粧料3と比較例3とを低温エージング条件で2ヶ月保存し、その性状を顕微鏡下観察を行った。結果を表3に示す。これより、本発明の化粧料は安定性に優れており、ウルソール酸などの結晶性の良い成分を安定に配合できることが判る。
Claims (5)
- ウルソール酸及び/又はその誘導体を含有する皮膚外用剤であって、少なくとも2種の油滴を構成要素とし、該少なくとも2種の油滴の少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有し、少なくとも一種にウルソール酸及び/又はその誘導体を含有しない、乳化形態を取っていることを特徴とする、皮膚外用剤。
- ウルソール酸の誘導体が、ウルソール酸のエステルであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- ウルソール酸のエステルが、ベンジルエステルであることを特徴とする、請求項2に記載の皮膚外用剤。
- 皮膚外用剤が、シワの存する部分に局所的に投与される化粧料であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- 包装形態に於いて、シワ改善作用を有する旨の表示を有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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