JP2006032534A - 発光ダイオード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光ダイオードには、GaInAsP系活性層13が設けられるとともに、GaInAsP系活性層13にキャリアを注入する注入部R1および変調部R2が設けられ、注入部R1は、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入し、変調部R2は、注入部R1によるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入する。
【選択図】 図1
Description
このWDN−PONシステムに用いられる広帯域光源として最も有望なのがスーパールミネッセントダイオード(SLD)である(特開平4−23366号公報)。このスーパールミネッセントダイオードでは、ファブリペローレーザ(FP−LD)と基本的に同様の構造を有しているが、端面の反射率を下げ、導波路内の光の共振を抑えることで発振を抑制し、広帯域なスペクトルを実現するものである。
図6において、n−InP基板21上には、n−InPクラッド層22が積層され、n−InPクラッド層22上には、GaInAsP系活性層23が形成されている。そして、p−InP埋め込み層24およびn−InP埋め込み層25にてGaInAsP系活性層23の両側を順次埋め込むことにより、メサストライプ導波路構造が形成され、n−InP埋め込み層25およびGaInAsP系活性層23上には、p−InPクラッド層26が形成され、p−InPクラッド層26上にはp−InPコンタクト層29が形成されている。そして、p−InPコンタクト層29上には、GaInAsP系活性層23に電流を注入する電極27が形成されている。また、GaInAsP系活性層23が設けられたn−InP基板21の両端面には、反射防止膜28a、28bがそれぞれ形成されている。
そこで、本発明の目的は、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、変調振幅電流を低減させるとともに、消光比を大きくすることが可能な発光ダイオードを提供することである。
これにより、変調振幅電流を変調部に注入することで、発光部における電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の状態から閾値を越えるようにすることが可能となるとともに、注入部にバイアス電流を注入することで、変調振幅電流を低減させることができる。このため、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、消光比を大きくすることが可能となるとともに、変調部の寄生容量を低減させることができ、変調動作の高速化を図ることができる。
これにより、量子井戸構造を活性層に用いることを可能としつつ、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように注入部の長さを設定することが可能となる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A´線で切断した構成を示す断面図である。
図1において、発光ダイオードには、GaInAsP系活性層13が設けられるとともに、GaInAsP系活性層13にキャリアを注入する注入部R1および変調部R2が設けられている。ここで、注入部R1は、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入することができる。また、変調部R2は、注入部R1にけるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入することができる。なお、ここでの活性層長とは、GaInAsP系活性層13にキャリアが注入されて光出力に寄与する部分の長さを言う。
そして、p−InP埋め込み層14およびn−InP埋め込み層15にてGaInAsP系活性層13の両側を順次埋め込むことにより、メサストライプ導波路構造が形成され、n−InP埋め込み層15およびGaInAsP系活性層13上には、p−InPクラッド層16が形成され、p−InPクラッド層16上には、p−InPコンタクト層19が形成されている。なお、GaInAsP系活性層13のストライプ幅はシングルモードが保たれるように設定することができる。また、p−InP埋め込み層14およびn−InP埋め込み層15にてGaInAsP系活性層13の両側を埋め込む代わりに、FeがドーピングされたInPにてGaInAsP系活性層13の両側を埋め込むようにしてもよい。
図2において、図6の構造の発光ダイオードでは、注入電流Itotalが電極27を介してGaInAsP系活性層23に注入される。そして、注入電流Itotalの増加に伴って光出力が緩やかに増加する。このため、図6の構造の発光ダイオードでは、例えば、20mWの光出力を得るために、160mAもの注入電流Itotalが必要となる。そして、変調振幅電流を低減するため、注入電流Itotalを直流成分(100mA)と変調振幅成分(60mA)とに分けた場合には、消光比が2dB程度となり、実際の伝送に用いられる特性にはならない。
また、注入部R1と変調部R2とを分離することで、変調部R2の電極17bの面積も小さくすることができる。このため、変調部R2の寄生容量を低減することができ、変調動作の高速化を図ることができる。
図3において、50Ω系を介し2Vp−pの変調信号を変調部R2に加えた。この結果、アイが大きく開口し、消光比も10dB程度を確保することができた。
なお、図1の発光ダイオードを製造する場合、n−InPクラッド層12およびGaInAsP系活性層をn−InP基板11上に順次エピタキシャル成長させる。なお、エピタキシャル成長としては、例えば、MBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)、あるいはALCVD(atomic layer chemical vaper deposition)などの方法を用いることができる。
ここで、GaInAsP系活性層13としては多重量子井戸構造を用いることができる。そして、多重量子井戸構造の量子井戸数をN(Nは正の整数)とした時に、注入部R1の長さが4.8/Nミリメートル以下となるように設定することができる。
図4において、GaInAsP系活性層23の量子井戸数Nを3、5、8とし、注入電流密度を100mA/mmで一定とした。光出力の活性層長依存性には明瞭な閾値特性が認められる。ここで、図6の構造の発光ダイオードの光出力Pと活性層長Lには以下の関係がある。
P∝exp[(Γg−α)*L]−1
図5において、図5の量子井戸数Nと活性層長の閾値との間の関係を用いることにより、活性層長の閾値=4.8/Nの関係式が得られた。この結果、量子井戸数Nの多重量子井戸構造を有する発光ダイオードにおいて、図1の注入部R1の長さが4.8/Nミリメートル以下となるように設定することにより、注入部R1の長さが光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように設定することができる。
そして、注入部R1および変調部R2に均一に注入した直流電流動作において、30mW以上の高出力、3dB帯域が60nmの広帯域、最大p−pリップルが0.5dBより小さな低リップル特性を得ることができた。
なお、上述した実施形態では、InP/GaInAsP系材料を用いて発光ダイオードを構成する方法について説明したが、InP/GaInAsP系材料に限定されることなく、GaAs、AlGaAs、GaInAs、GaInNAsまたはAlGaAsPなど他の半導体材料を用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、メサストライプ導波路構造を用いる方法について説明したが、メサストライプ導波路構造以外にも、リブ導波路構造、リッジ導波路構造またはストリップ装荷導波路構造を用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、活性層をメサストライプ導波路構造とする方法を例にとって説明したが、曲がり導波路構造に適用するようにしてもよい。
R2 変調部
11 n−InP基板
12 n−InPクラッド層
13 GaInAsP系ストライプ状活性層
14 p−InP埋め込み層
15 n−InP埋め込み層
16 p−InPクラッド層
17a 注入電極
17b 変調電極
18a、18b 反射防止膜
19 p−InPコンタクト層
Claims (4)
- 電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の長さになるようにバイアス電流を発光部に注入する注入部と、
前記注入部における電流注入領域の長さとの合計が光出力の閾値以上の長さになるように変調振幅電流を前記発光部に注入する変調部とを備えることを特徴とする発光ダイオード。 - 発光を行わせる活性層と、
光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する注入部と、
前記注入部におけるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する変調部とを備えることを特徴とする発光ダイオード。 - 前記活性層は量子井戸活性層であり、前記量子井戸活性層の量子井戸数をN(Nは正の整数)とした時に、前記注入部の長さが4.8/Nミリメートル以下であることを特徴とする請求項2記載の発光ダイオード。
- 半導体基板上に形成された下層クラッド層と、
前記下層クラッド層上にストライプ状に形成された活性層と、
前記活性層の両側を埋め込む埋め込み層と、
前記活性層および前記埋め込み層上に形成された上層クラッド層と、
前記上層クラッド層上に形成され、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する注入電極と、
前記注入電極と電気的に分離されるようにして前記上層クラッド層上に形成され、前記注入電極によるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する変調電極とを備えることを特徴とする発光ダイオード。
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JP2004207174A JP2006032534A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | 発光ダイオード |
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JP2009238828A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Seiko Epson Corp | 発光装置 |
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- 2004-07-14 JP JP2004207174A patent/JP2006032534A/ja active Pending
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