JP2006032534A - 発光ダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光ダイオードのスペクトルの広帯域性を確保しつつ、変調振幅電流を低減させるとともに、消光比を大きくする。
【解決手段】 光ダイオードには、GaInAsP系活性層13が設けられるとともに、GaInAsP系活性層13にキャリアを注入する注入部R1および変調部R2が設けられ、注入部R1は、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入し、変調部R2は、注入部R1によるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は発光ダイオードに関し、特に、広帯域スーパールミネッセントダイオードに適用して好適なものである。
現在、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やCATV(Community Antenna Televisoin)によるインターネット接続のブロードバンド化が急速に進展している。また、100Mbpsを超える光アクセスサービスの提供により、さらに高速なインターネット接続環境が普及しつつある。
このようなインターネット接続環境の発展により、Webや電子メールのみならず、音楽や映像などのブロードバンドに適したマルチメディアコンテンツが流通し始めている。近い状来には、ギガビットクラスの大容量コンテンツのダウンロードや、高精細な映像ストリーム配信などのサービスも想定されることから、ギガビットクラスの帯域保証型光アクセスシステムの実現が期待されている。
このギガビットクラスの光アクセスシステムを提供することが可能なプラットフォームとして、新規なWDN−PON(Wavelength Division Multiplexing−Passive Optical Network)システムが提案されている。このWDN−PONシステムでは、広帯域光源によるスペクトルスライス技術を適用することで、波長依存性のない光ネットワーク装置(ONU)を加入者宅に配置し、各加入者への波長の割り振りは、屋外に設置される波長合分波器で行われる。
このため、WDNアクセスシステムで問題視されているONU装置の仕様を統一することができ、量産による低コスト化を図ることができる。また、ユーザに波長を意識させることなく波長多重を行うことができ、波長の保守・管理を容易に行うことができる。
このWDN−PONシステムに用いられる広帯域光源として最も有望なのがスーパールミネッセントダイオード(SLD)である(特開平4−23366号公報)。このスーパールミネッセントダイオードでは、ファブリペローレーザ(FP−LD)と基本的に同様の構造を有しているが、端面の反射率を下げ、導波路内の光の共振を抑えることで発振を抑制し、広帯域なスペクトルを実現するものである。
このため、スーパールミネッセントダイオードの電流−光出力特性は、ファブリペローレーザの特性に見られるような発振に対する閾値特性は発現せず、電流の増加に従って緩やかに光出力が増加する特有の特性を示す。すなわち、スーパールミネッセントダイオードは、ファブリペローレーザと比較して発光効率が低いことが知られている。また、スーパールミネッセントダイオードでは、高出力を得るためには、ファブリペローレーザと比較して大きな電流を注入することが必要である。
図6(a)は、従来の発光ダイオードの概略構成を示す平面図、図6(b)は、図6(a)のB−B´線で切断した構成を示す断面図である。
図6において、n−InP基板21上には、n−InPクラッド層22が積層され、n−InPクラッド層22上には、GaInAsP系活性層23が形成されている。そして、p−InP埋め込み層24およびn−InP埋め込み層25にてGaInAsP系活性層23の両側を順次埋め込むことにより、メサストライプ導波路構造が形成され、n−InP埋め込み層25およびGaInAsP系活性層23上には、p−InPクラッド層26が形成され、p−InPクラッド層26上にはp−InPコンタクト層29が形成されている。そして、p−InPコンタクト層29上には、GaInAsP系活性層23に電流を注入する電極27が形成されている。また、GaInAsP系活性層23が設けられたn−InP基板21の両端面には、反射防止膜28a、28bがそれぞれ形成されている。
このスーパールミネッセントダイオードは、スペクトルの広帯域性から得られる低コヒーレンス性を利用して計測分野に主として応用され、直流駆動にて動作させることが行われている。一方、スーパールミネッセントダイオードをWDNアクセスシステムに応用する場合、直接変調動作が求められる。
特開平4−23366号公報
しかしながら、スーパールミネッセントダイオードは、電流の増加に従って緩やかに光出力が増加する特有の特性を持っているため、スーパールミネッセントダイオードの直接変調を行うと、変調振幅電流が大きくなるとともに、消光比が小さくなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、変調振幅電流を低減させるとともに、消光比を大きくすることが可能な発光ダイオードを提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発光ダイオードによれば、電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の長さになるようにバイアス電流を発光部に注入する注入部と、前記注入部における電流注入領域の長さとの合計が光出力の閾値以上の長さになるように変調振幅電流を前記発光部に注入する変調部とを備えることを特徴とする。
これにより、変調振幅電流を変調部に注入することで、発光部における電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の状態から閾値を越えるようにすることが可能となるとともに、注入部にバイアス電流を注入することで、変調振幅電流を低減させることができる。このため、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、消光比を大きくすることが可能となるとともに、変調部の寄生容量を低減させることができ、変調動作の高速化を図ることができる。
また、請求項2記載の発光ダイオードによれば、発光を行わせる活性層と、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する注入部と、前記注入部によるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する変調部とを備えることを特徴とする。
これにより、光出力の増大を抑制しつつ、注入部にキャリアを注入することが可能となるとともに、変調部にキャリアを注入することで、活性層における電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の状態から閾値を越えるようにすることが可能となり、光出力を急激に増大させること可能となる。このため、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、消光比を大きくすることが可能となるとともに、変調部の寄生容量を低減させることができ、変調動作の高速化を図ることができる。
また、請求項3記載の発光ダイオードによれば、前記活性層は量子井戸活性層であり、前記量子井戸活性層の量子井戸数をN(Nは正の整数)とした時に、前記注入部の長さが4.8/Nミリメートル以下であることを特徴とする。
これにより、量子井戸構造を活性層に用いることを可能としつつ、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように注入部の長さを設定することが可能となる。
また、請求項4記載の発光ダイオードによれば、半導体基板上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層上にストライプ状に形成された活性層と、前記活性層の両側を埋め込む埋め込み層と、前記活性層および前記埋め込み層上に形成された上層クラッド層と、前記上層クラッド層上に形成され、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する注入電極と、前記注入電極と電気的に分離されるようにして前記上層クラッド層上に形成され、前記注入電極によるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する変調電極とを備えることを特徴とする。
これにより、互いに電気的に分離された注入電極および変調電極を上層クラッド層上に形成することで、光出力の増大を抑制しつつ、注入部にキャリアを注入することが可能となるとともに、変調部にキャリアに注入することで、光出力を急激に増大させることが可能となる。このため、発光ダイオードの構成の複雑化および製造工程に煩雑化を抑制しつつ、消光比を大きくすることが可能となるとともに、変調動作の高速化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、変調部にキャリアを注入することで、光出力を急激に増大させること可能となり、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、変調振幅電流を低減させるとともに、消光比を大きくすることが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る発光ダイオードについて図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A´線で切断した構成を示す断面図である。
図1において、発光ダイオードには、GaInAsP系活性層13が設けられるとともに、GaInAsP系活性層13にキャリアを注入する注入部R1および変調部R2が設けられている。ここで、注入部R1は、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入することができる。また、変調部R2は、注入部R1にけるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるようにGaInAsP系活性層13にキャリアを注入することができる。なお、ここでの活性層長とは、GaInAsP系活性層13にキャリアが注入されて光出力に寄与する部分の長さを言う。
すなわち、n−InP基板11上には、n−InPクラッド層12が積層され、n−InPクラッド層12上にはGaInAsP系活性層13が形成されている。なお、GaInAsP系活性層13の構造としては、バルクの他、多層量子井戸構造、多層ひずみ量子井戸構造、量子細線あるいは量子ドットなどでもよい。
そして、p−InP埋め込み層14およびn−InP埋め込み層15にてGaInAsP系活性層13の両側を順次埋め込むことにより、メサストライプ導波路構造が形成され、n−InP埋め込み層15およびGaInAsP系活性層13上には、p−InPクラッド層16が形成され、p−InPクラッド層16上には、p−InPコンタクト層19が形成されている。なお、GaInAsP系活性層13のストライプ幅はシングルモードが保たれるように設定することができる。また、p−InP埋め込み層14およびn−InP埋め込み層15にてGaInAsP系活性層13の両側を埋め込む代わりに、FeがドーピングされたInPにてGaInAsP系活性層13の両側を埋め込むようにしてもよい。
また、GaInAsP系活性層23が設けられたn−InP基板21の両端面には、反射防止膜28a、28bがそれぞれ形成されている。ここで、n−InP基板21の両端面に反射防止膜28a、28bをそれぞれ形成することにより、反射率を下げ、リップルの発生を抑制することができる。なお、窓構造または斜めストライプ構造を採用するようにしてもよく、これにより歩留まりよく、さらに低反射率の端面を形成することができる。
そして、p−InPコンタクト層19上には、GaInAsP系活性層13に電流を注入する電極17a、17bが形成されている。ここで、電極17aは注入部R1に配置し、電極17bは変調部R2に配置することができる。また、電極17a、17bは電気的に互いに分離することができる。なお、電極17a、17b間の分離抵抗を確保するため、電極17a、17b間のp−InPコンタクト層19をエッチング除去するようにしてもよい。そして、電極17aの長さは、電極17aを介してGaInAsP系活性層23にキャリアを注入した時に、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように設定することができる。また、電極17bの長さは、電極17aを介してGaInAsP系活性層23にキャリアを注入しながら、電極17bを介してGaInAsP系活性層23にキャリアを注入した時に、電極17aによるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように設定することができる。
そして、発光ダイオードの変調動作を行う場合、電極17aを介してGaInAsP系活性層23にキャリアを注入することにより、GaInAsP系活性層23におけるキャリアの注入領域の長さが光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように設定する。そして、電極17aを介してGaInAsP系活性層23にキャリアを注入しながら、電極17bを介してGaInAsP系活性層23にキャリアを注入することにより、GaInAsP系活性層23におけるキャリアの注入領域の長さが光出力に対する活性層長の閾値を越える長さになるように設定する。
これにより、光出力の増大を抑制しつつ、注入部R1にキャリアを注入することが可能となるとともに、変調部R2にキャリアに注入することで、GaInAsP系活性層23における電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の状態から閾値を越えるようにすることが可能となり、光出力を急激に増大させることが可能となる。このため、スペクトルの広帯域性を確保しつつ、消光比を大きくすることが可能となるとともに、変調部R2の寄生容量を低減させることができ、変調動作の高速化を図ることができる。
図2は、図1の構造の発光ダイオードの光出力特性L1(実線)を図6の構造の発光ダイオードの光出力特性L2(点線)と比較して示す図である。
図2において、図6の構造の発光ダイオードでは、注入電流Itotalが電極27を介してGaInAsP系活性層23に注入される。そして、注入電流Itotalの増加に伴って光出力が緩やかに増加する。このため、図6の構造の発光ダイオードでは、例えば、20mWの光出力を得るために、160mAもの注入電流Itotalが必要となる。そして、変調振幅電流を低減するため、注入電流Itotalを直流成分(100mA)と変調振幅成分(60mA)とに分けた場合には、消光比が2dB程度となり、実際の伝送に用いられる特性にはならない。
一方、図1の構造の発光ダイオードでは、注入部R1の電流Ibiasを100mAで一定とし、図2の横軸に変調部R2の注入電流Imodを表すと、注入電流Imodの増加に伴って光出力が急激に増加することが判る。例えば、図1の構造の発光ダイオードでは、20mWの光出力を得るために、60mAの注入電流Imodを変調部R2に注入するだけでよく、10dB程度の消光比を得ることができる。
すなわち、注入部R1の長さが光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように設定することにより、注入部R1にのみ電流を注入した場合には光出力を抑えることがでこる。この状態で、変調部R2にも電流注入を行うと、全電流が増えることよりも、活性層長が閾値を越えることにより、光出力を急激に増加させることができる。この効果は、変調部R2の長さが短くても、変調部R2への注入電流値が小さくても得られるため、変調時の変調振幅電流あるいは消光比を改善する上で有効である。
また、注入部R1と変調部R2とを分離することで、変調部R2の電極17bの面積も小さくすることができる。このため、変調部R2の寄生容量を低減することができ、変調動作の高速化を図ることができる。
図3は図1の構造の発光ダイオードの1.25Gbpsでの信号波形を示す図である。
図3において、50Ω系を介し2Vp−pの変調信号を変調部R2に加えた。この結果、アイが大きく開口し、消光比も10dB程度を確保することができた。
なお、図1の発光ダイオードを製造する場合、n−InPクラッド層12およびGaInAsP系活性層をn−InP基板11上に順次エピタキシャル成長させる。なお、エピタキシャル成長としては、例えば、MBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)、あるいはALCVD(atomic layer chemical vaper deposition)などの方法を用いることができる。
そして、CVDなどの方法により、GaInAsP系活性層上にSiO2膜を成膜し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてSiO2膜を加工することにより、SiO2膜をストライプ状にパターニングする。そして、ストライプ状にパターニングされたSiO2膜をマスクとして、GaInAsP系活性層をエッチング加工することにより、ストライプ状に加工されたGaInAsP系活性層13を形成する。
そして、ストライプ状にパターニングされたSiO2膜をマスクとして、p−InP埋め込み層14およびn−InP埋め込み層15をn−InP基板11上に順次エピタキシャル成長させることにより、p−InP埋め込み層14およびn−InP埋め込み層15をGaInAsP系活性層13の両側に選択的に形成する。
次に、エピタキシャル成長にて、n−InP埋め込み層15およびGaInAsP系活性層13上に、p−InPクラッド層16をおよびp−InPコンタクト層19を形成する。そして、スパッタなどの方法により、p−InPコンタクト層19上に金属膜を形成する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、金属膜のエッチング加工を行うことにより、p−InPコンタクト層19上に電極17a、17bを形成する。
ここで、GaInAsP系活性層13としては多重量子井戸構造を用いることができる。そして、多重量子井戸構造の量子井戸数をN(Nは正の整数)とした時に、注入部R1の長さが4.8/Nミリメートル以下となるように設定することができる。
図4は、図6の構造の発光ダイオードの光出力と活性層長との関係を示す図である。
図4において、GaInAsP系活性層23の量子井戸数Nを3、5、8とし、注入電流密度を100mA/mmで一定とした。光出力の活性層長依存性には明瞭な閾値特性が認められる。ここで、図6の構造の発光ダイオードの光出力Pと活性層長Lには以下の関係がある。
P∝exp[(Γg−α)*L]−1
ただし、Γは閉じ込め係数、gは単位長さ当たりの利得、αは単位長さ当たりの損失を表す。この関係をmW単位の線形スケールで図示すると、図4のような特性を観測することができる。ここで、図4の特性を外挿して活性層長の閾値を求めると、それぞれ量子井戸数N=8の時は0.6mm、量子井戸数N=5の時は0.9〜1mm、量子井戸数N=3の時は1.6mmとなった。
図5は、図6の構造の発光ダイオードの量子井戸数の逆数に対する活性層長の閾値の変化を示す図である。
図5において、図5の量子井戸数Nと活性層長の閾値との間の関係を用いることにより、活性層長の閾値=4.8/Nの関係式が得られた。この結果、量子井戸数Nの多重量子井戸構造を有する発光ダイオードにおいて、図1の注入部R1の長さが4.8/Nミリメートル以下となるように設定することにより、注入部R1の長さが光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように設定することができる。
図1のGaInAsP系活性層13として、量子井戸数N=5の多重量子井戸構造を用いた場合、注入部R1の長さが4.8/[N(=5)]=0.96ミリメートル以下となるように0.9ミリメートルとし、変調部R2の長さが0.3ミリメートルとなるように設定した。この値では、注入部R1および変調部R2の全体の長さが図4の活性層長の閾値を十分に越えることができる。
そして、注入部R1および変調部R2に均一に注入した直流電流動作において、30mW以上の高出力、3dB帯域が60nmの広帯域、最大p−pリップルが0.5dBより小さな低リップル特性を得ることができた。
図1のGaInAsP系活性層13として、量子井戸数N=3の多重量子井戸構造を用いた場合、注入部R1の長さが4.8/[N(=3)]=1.6ミリメートル以下となるように1.5ミリメートルとし、変調部R2の長さが0.5ミリメートルとなるように設定した。この結果、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
図1のGaInAsP系活性層13として、量子井戸数N=8の多重量子井戸構造を用いた場合、注入部R1の長さが4.8/[N(=8)]=0.6ミリメートル以下となるように0.6ミリメートルとし、変調部R2の長さが0.2ミリメートルとなるように設定した。この結果、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
なお、上述した実施形態では、InP/GaInAsP系材料を用いて発光ダイオードを構成する方法について説明したが、InP/GaInAsP系材料に限定されることなく、GaAs、AlGaAs、GaInAs、GaInNAsまたはAlGaAsPなど他の半導体材料を用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、メサストライプ導波路構造を用いる方法について説明したが、メサストライプ導波路構造以外にも、リブ導波路構造、リッジ導波路構造またはストリップ装荷導波路構造を用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、活性層をメサストライプ導波路構造とする方法を例にとって説明したが、曲がり導波路構造に適用するようにしてもよい。
本発明の発光ダイオードは、例えば、白色光源、光ファイバージャイロ、高分解能OTDRなどの光源として利用可能な他、波長多重光通信ネットワーク用の多波長光源、光センシング、生体光観測などの分野へ応用することができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオードの概略構成を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A´線で切断した構成を示す断面図である。 図1の構造の発光ダイオードの光出力特性を図6の構造の発光ダイオードの光出力特性と比較して示す図である。 図1の構造の発光ダイオードの1.25Gbpsでの信号波形を示す図である。 図6の構造の発光ダイオードの光出力と活性層長との関係を示す図である。 図6の構造の発光ダイオードの量子井戸数の逆数に対する活性層長の閾値の変化を示す図である。 図6(a)は、従来の発光ダイオードの概略構成を示す平面図、図6(b)は、図6(a)のB−B´線で切断した構成を示す断面図である。
符号の説明
R1 注入部
R2 変調部
11 n−InP基板
12 n−InPクラッド層
13 GaInAsP系ストライプ状活性層
14 p−InP埋め込み層
15 n−InP埋め込み層
16 p−InPクラッド層
17a 注入電極
17b 変調電極
18a、18b 反射防止膜
19 p−InPコンタクト層

Claims (4)

  1. 電流注入領域の長さが光出力の閾値以下の長さになるようにバイアス電流を発光部に注入する注入部と、
    前記注入部における電流注入領域の長さとの合計が光出力の閾値以上の長さになるように変調振幅電流を前記発光部に注入する変調部とを備えることを特徴とする発光ダイオード。
  2. 発光を行わせる活性層と、
    光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する注入部と、
    前記注入部におけるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する変調部とを備えることを特徴とする発光ダイオード。
  3. 前記活性層は量子井戸活性層であり、前記量子井戸活性層の量子井戸数をN(Nは正の整数)とした時に、前記注入部の長さが4.8/Nミリメートル以下であることを特徴とする請求項2記載の発光ダイオード。
  4. 半導体基板上に形成された下層クラッド層と、
    前記下層クラッド層上にストライプ状に形成された活性層と、
    前記活性層の両側を埋め込む埋め込み層と、
    前記活性層および前記埋め込み層上に形成された上層クラッド層と、
    前記上層クラッド層上に形成され、光出力に対する活性層長の閾値以下の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する注入電極と、
    前記注入電極と電気的に分離されるようにして前記上層クラッド層上に形成され、前記注入電極によるキャリアの注入領域の長さとの合計が光出力に対する活性層長の閾値以上の長さになるように前記活性層にキャリアを注入する変調電極とを備えることを特徴とする発光ダイオード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009238828A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Seiko Epson Corp 発光装置

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