JP2006032395A - Ptc素子及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】 トリップを高めて十分な遮断効果を得ることのできるPTC素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性組成物を使用して形成される薄いシート1と、このシート1の表裏両面にそれぞれラミネートして積層される複数の金属箔2とを備え、シート1を、高分子組成物にDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボンブラックを混入することにより形成する。カーボンブラックの平均粒径を70〜120nmの範囲とするとともに、DBP吸油量を30〜60ml/100gの範囲とするので、カーボンブラックの分散状態が良くなる。したがって、急激かつ良好なトリップ特性を確保し、異常な過電流の発生時に十分な遮断効果を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話、直流ブレーカ等からなる電気電子機器に使用され、温度の上昇とともに抵抗値が大きくなる特性を有するPTC素子及びその製造方法に関するものである。
従来、短絡電流から電気電子機器やシステムを保護する場合には、ヒューズが使用されているが、このヒューズには、一度しか使用することができず、サイズが大きく、しかも、コストが高いという大きな問題がある。
そこで近年、繰り返して使用することのできるコンパクトで安価なPTC(Positive temperature coefficient)素子が提案され、このPTC素子に関して大いに研究開発がなされている(特許文献1、2、3参照)。
PTC素子は、過電流保護素子とも呼ばれ、過電流の発生時に温度に依存して電気抵抗が増加する特性(PTC特性)を有する素子であり、通常はセラミック系と高分子系に大別されている。後者の高分子系PTC素子は、図示しないが、導電性組成物を使用して形成されたシートと、このシートの表裏両面にそれぞれ設けられた金属箔とから構成されている。
導電性組成物は、高密度ポリエチレン等の高分子組成物に、通常DBP(dibutylphthalate)吸油量が100ml/100gのカーボン粉末等からなる導電性微粒子が分散することにより導電性に調製される。高分子組成物に高密度ポリエチレンが使用されるのは、結晶化の高い高密度ポリエチレンを使用すれば、過負荷により発熱し、融点に達すると、結晶が溶融して体積が急激に膨張し、個々の導電性微粒子同士の距離が広がることにより、抵抗値が上昇(以下、トリップという)するからである。
このようなPTC素子は、正常な通常電流の通電時には低抵抗値(初期抵抗値ともいう)を示し、異常な過電流の発生時には温度に依存して電気抵抗を急激に増加させ、通電を遮断するよう機能する。そしてその後、正常な電流が再度通電された場合には、過電流の発生前の状態と同等あるいは略同等の低抵抗値に復帰する(復帰抵抗値という)。
特開2001−110603号公報 特開2002−313604号公報 特開2002−241554号公報
従来のPTC素子は、以上のように導電性組成物のDBP吸油量が70〜120ml/100gの範囲であり、電気抵抗が急激に増加しないので、トリップが低く、異常な過電流の発生時に不十分な遮断効果しか得られないという大きな問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、トリップを高めて十分な遮断効果を得ることのできるPTC素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、温度の上昇とともに抵抗値が大きくなる特性を有するものであって、
シート体と、このシート体に設けられる金属体とを備え、シート体を、高分子組成物にDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボン粉末を混入することにより形成したことを特徴としている。
なお、カーボン粉末の平均粒径を70〜120nmの範囲とすることができる。
また、金属体を、リード端子として兼用可能な金属箔とすることができる。
また、本発明においては上記課題を解決するため、温度の上昇とともに抵抗値が大きくなる特性を有する素子の製造方法であって、
高分子組成物にDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボン粉末を混練して導電性組成物を調製し、この導電性組成物を用いてシート体を形成する工程と、このシート体の両面に金属体をそれぞれ貼り付けて中間体を形成する工程と、この中間体を所定の大きさに形成する工程とを含んでなることを特徴としている。
ここで、特許請求の範囲におけるシート体は、60〜75体積%の高分子化合物と、25〜40体積%のカーボン粉末とからなる導電性組成物を使用して形成することができる。また、金属体を金属箔としてその表面を化学的に粗面化処理することができる。また、金属体を圧延箔としてその表面を化学的に粗面化処理することもできる。化学的な粗面化処理は、リン酸、クロム酸、硫酸、硝酸、塩酸、過酸化水素、フッ素の少なくとも1種類以上の薬液を使用して行うことができる。
金属体の表面粗さRaは0.5μm以上とすることができる。PTC素子は、少なくともパーソナルコンピュータ、携帯電話、直流ブレーカ、一次電池や二次電池等からなる電気電子機器、電力系統、スピーカ、自動車のモータに使用される。さらに、PTC素子の製造に際し、中間体を形成してから所定の大きさに形成するまでの間に、中間体に放射線や電子線を照射してその導電性組成物を架橋させても良い。
本発明によれば、DBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボン粉末を用いるので、トリップを高めて十分な遮断効果を得ることができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるPTC素子は、図1に示すように、導電性組成物を使用して平面矩形に薄く形成されるシート1と、このシート1の表裏両面にそれぞれラミネートして積層される一対の金属箔2とを備え、導電性組成物であるシート1を、高分子組成物にDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボン粉末であるカーボンブラックを混入することにより形成するようにしている。
シート1は100〜300μmの厚さに形成され、導電性組成物は結晶化度40%以上、好ましくは50%の高分子組成物にカーボンブラックが混入されることにより調製される。結晶化度40%以上の高分子組成物とは、常温で成分の40%以上の質量が高分子の結晶で占められている組成物をいう。結晶化度が40%以上なのは、40%未満の場合には、電気抵抗が急激に増加せず、トリップ特性が不十分になるからである。
導電性組成物には、60〜75体積%の高分子化合物と25〜40体積%のカーボンブラックとが含有される。カーボンブラックが25〜40体積%の範囲であるのは、配合量が25体積%未満の場合には、室温域(20℃±5℃)における導電性組成物の抵抗値が高すぎてPTC素子としては不適切だからである。また、配合量が40体積%を超える場合には、室温域における導電性組成物の抵抗値が15mΩ以上にならないので、十分なトリップ挙動が期待できないからである。
導電性組成物には、金属箔2との接着性を高めるため、金属との接着性を有するエラストマーが高分子組成物に配合される。このようなエラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等のエチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン系ゴム、ポリエステル系ゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、イソプレン系ゴム、天然ゴム等の未架橋のゴムに、カルボン酸又はその無水化物等の酸性を有する官能基、水酸基やエポキシ基等の金属との親和性を有する官能基をもつエラストマー等があげられる。
これらのエラストマーのムーニー粘度、分子内の分岐、分子量分布等の分子構造的特性は、任意であり、特に限定されるものではない。また、未架橋のゴム又は非架橋ゴムに、パラフィンオイル等の可塑剤を添加して流動性を改質したもの、他の高分子やフィラー等により補強されたものでも良い。
金属との接着性を有するエラストマーとして、最適なのは、エチレン−α−オレフィン共重合体、及びエチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体に無水マレイン酸を付加したものである。このエラストマーの製造方法としては、パーオキサイドを用いるのが主ではあるが、架橋剤や架橋補助剤を併用するようにしても良い。
なお、PTC素子には、耐熱性付与のため、放射線や電子線が放射されるが、この放射線や電子線の放射により、エラストマーの接着性(接着強度)は50〜500%程度まで向上する。
高分子組成物の結晶性高分子としては、α−オレフィン類、例えば密度0.94以上のポリエチレンやホモタイプのポリプロピレン等、密度1.95以上のポリフッ化ビニリデンやポリフェニレンエーテル等の液晶ポリマーがあげられる。これらの結晶性高分子は、分子量、短鎖や長鎖の分岐状態、シンジオタックチックやアイソタックチック、アタックチック等の分子のコーホメーション等の分子構造的特徴も限定されず、任意である。
なお、角型リチウムイオン電池等にPTC素子が使用される場合には、温度80〜90℃付近でトリップが生じることを要求される。そこでこの場合、エチレン−酢酸ビニルを代表例とするカルボン酸ビニルとエチレンとの共重合体、エチレン−メチルアクリレート、エチレン−エチルアクリレート、及びエチレン−ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルとエチレンとの共重合体、エチレン−メチルメタクリレートやエチレン−エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルとエチレンとの共重合体等のエラストマーとポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性高分子との混合物にすると良い。
高分子組成物は、結晶化度40%以上の高分子の混合物、高分子と混合物にその他の高分子やオリゴマー、フィラー、安定剤、及び又は添加物を適宜混合したものでも良い。
カーボンブラックは、その平均粒径が70〜120nmの範囲、好ましくは100nm程度とされ、高性能で安価であるという特徴を有している。このカーボンブラックの平均粒径が70〜120nmの範囲なのは、カーボンブラックの平均粒径が70nm未満の場合には、トリップが不十分になるからである。逆に、カーボンブラックの平均粒径が120nmを超える場合には、初期の抵抗値が高くなるからである。
カーボンブラックのDBP吸油量は、ASTM D2414−93の測定法下で30〜60ml/100gの範囲、好ましくは50ml/100g前後の範囲、より好ましくは50ml/100gとされる。これは、DBP吸油量が30ml/100g未満の場合には、抵抗値がきわめて高くなり、PTC素子としては不適切になるという理由に基づく。逆に、DBP吸油量が60ml/100gを超える場合には、トリップが低く不十分になるという理由に基づく。
カーボンブラックの窒素比表面積は50m2/g以下が好ましい。これは、カーボンブラックの窒素比表面積が50m2/gを超える場合には、PTC素子の立ち上がりが悪化するからである。
金属箔2は、50〜200μm、好ましくは100〜150μmの厚さを有する圧延箔とされ、表面が化学的に粗面化処理されて細かい凹凸にされており、リード線の端子として兼用される。この金属箔2の材料としては、銅、アルミニウム、亜鉛、チタン、ステンレス、鉄、金、銀、ニッケル等があげられ、これらの中でも、不導体皮膜が形成されにくく、容易に酸化せず、しかも、導電性に優れるニッケルが好ましい。
金属箔2の厚さは50〜200μmの範囲とされるが、これは、係る範囲から外れると、取り扱いが困難になるからである。また、リード端子として使用することも困難になるからである。
金属箔2の表面は化学的に粗面化処理されるが、この化学的処理としては、薬品溶液中に金属箔2を浸し、金属の化学的な溶解作用を利用して金属箔2の表面を粗面化する方法があげられる。薬品としては、リン酸、クロム酸、硫酸、硝酸、塩酸、過酸化水素、フッ素等が使用される。これらは、単独で使用することもできるし、複数種を組み合わせて使用することもできる。
薬品溶液中に金属箔2を浸す時間は金属の材料に応じて設定することができるが、通常は5〜60分間である。薬品溶液中に金属箔2を浸す温度は、室温でも良いし、加熱しても良い。また、金属箔2は、片面でも両面でも粗面化処理することができるが、片面のみを粗面化処理する場合には、片面にマスキングフィルムを貼着すれば良い。
金属箔2の化学的な粗面化処理の一例を示すと、例えば金属箔2がニッケルの圧延箔である場合には、薬液として硝酸、塩酸、過酸化水素等が使用されるとともに、この薬液が10〜90質量%、温度30〜60℃の条件に設定され、この薬液中に金属箔2が5〜30分間程度浸漬して粗面化処理が完了する。
金属箔2の表面粗さは、JIS B0601の規定に準拠した方法により測定されるRa(中心線平均粗さ)、Ry(最大高さ)、Rz(十点平均粗さ)を指標とすることが好ましい。Raは、0.5μm以上、好ましくは0.9〜2.0μmの範囲が良い。Raが係る範囲なのは、この範囲から外れると、金属箔2の表面粗さにバラツキが生じてくるからである。また、Ryは、5.0μm以上、好ましくは10〜20μmの範囲が良い。Rzは、1.5μm以上、好ましくは3.5〜7.5μmの範囲が良い。
上記において、PTC素子を製造する場合には、先ず、図示しない180℃の温度に調整された加圧ニーダに、高分子組成物とDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボンブラックとを投入し、これらを30分間混練して導電性組成物を調製し、この導電性組成物をカレンダーロールでシーティングしてシート1を形成する。
次いで、シート1の表裏両面に、粗面化処理された金属箔2をそれぞれラミネートして加熱加圧し、中間体を形成するとともに、この中間体に電子線を照射してその導電性組成物を架橋させ、その後、所定の大きさに裁断すれば、PTC素子を製造することができる。
上記構成によれば、カーボンブラックの平均粒径を70〜120nmの範囲とするとともに、DBP吸油量を30〜60ml/100gの範囲とするので、カーボンブラックの分散状態が非常に良くなる。したがって、急激かつ良好なトリップ特性を確保し、異常な過電流の発生時に十分な遮断効果を得ることができる。
また、製造の際の高分子組成物とカーボンブラックの混練時間を大幅に短縮して混練エネルギーを小さくすることができるので、製造方法の円滑化、効率化、容易化を図ることができる。また、金属箔2をリード線の端子として兼用することが可能なので、新たにリード線を接続する必要がなく、部品点数の削減が大いに期待できる。さらに、金属箔2の表面を化学的に粗面化処理して細かい凹凸にし、この凹凸に高分子組成物を侵入させるので、アンカー効果により金属箔2と高分子組成物の強固な接着が大いに期待できる。
以下、本発明に係るPTC素子及びその製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1〜4のPTC素子と比較例1〜4のPTC素子をそれぞれ製造し、各PTC素子のPTC特性を測定してそのその測定値を図2〜図5のグラフにまとめた。
実施例1
先ず、180℃の温度に調整された加圧ニーダに、表1、表2に示す高分子組成物とDBP吸油量が51ml/100gのカーボンブラックとを投入し、これらを混練して導電性組成物を調製し、この導電性組成物をカレンダー加工機でシーティングして厚さ200μmのシートを形成した。カーボンブラックは、シーストSP〔東海カーボン(株):商品名〕を使用した。
次いで、シートを粗面化処理された一対の金属箔の間に挟み、これらをプレス成形機にセットして加熱(250℃)加圧(5kgf/cm2)し、シートと一対の金属箔とが溶融密着した厚さ400μmの中間体を形成した。こうして中間体を形成したら、この中間体に電子線架橋装置により30Mradの電子線を照射してその導電性組成物を架橋させ、その後、5mm×12mmの大きさに裁断してPTC素子を製造した。
Figure 2006032395
Figure 2006032395
実施例2
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表3に示す高分子組成物とDBP吸油量が50ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、旭♯35〔旭カーボン(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
実施例3
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表4に示す高分子組成物とDBP吸油量が55ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、HTC♯SL−SRF−LM〔新日化カーボン(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
実施例4
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表5に示す高分子組成物とDBP吸油量が40ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、N762〔昭和キャボット(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
比較例1
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表6に示す高分子組成物とDBP吸油量が25ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、アサヒサーマル〔旭カーボン(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
比較例2
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表7に示す高分子組成物とDBP吸油量が80ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、Raven430〔コロンビアンカーボン(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
比較例3
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表8に示す高分子組成物とDBP吸油量が65ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、Raven410〔コロンビアンカーボン(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
比較例4
基本的には実施例1と同様であるが、表1、表9に示す高分子組成物とDBP吸油量が68ml/100gのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは、シーストS〔東海カーボン(株):商品名〕を使用した。
Figure 2006032395
PTC特性の測定
製造した各PTC素子に電線を結合してもう一方の電線の端部を抵抗測定器に接続し、PTC素子をオーブン内にセットしてその抵抗値を測定し、実施例と比較例とを組み合わせながらPTC特性の測定結果を図2〜図5に示した。
具体的には、20℃から順次10℃毎に昇温して160℃まで昇温し、各測定温度で10分間その温度を保持して抵抗値を測定した。160℃に達したら、今度は逆に10℃毎に順次冷却して20℃まで冷却し、各測定温度で10分間その温度を保持して抵抗値を測定した。20℃における抵抗値を測定したら、1時間20℃に保持して1時間後の抵抗値を測定し、この抵抗値を最終的な復帰抵抗値とした。
測定の結果、同図に示すように、実施例のPTC素子の場合には、電気抵抗が急激に増加し、良好なPTC特性が得られた。これに対し、比較例のPTC素子の場合には、不十分なPTC特性しか得ることができなかった。
本発明に係るPTC素子の実施形態を示す断面説明図である。 本発明に係るPTC素子の実施例1における温度と抵抗値の関係を示すグラフである。 本発明に係るPTC素子の実施例2における温度と抵抗値の関係を示すグラフである。 本発明に係るPTC素子の実施例3における温度と抵抗値の関係を示すグラフである。 本発明に係るPTC素子の実施例4における温度と抵抗値の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 シート(シート体)
2 金属箔(金属体)

Claims (4)

  1. 温度の上昇とともに抵抗値が大きくなる特性を有するPTC素子であって、
    シート体と、このシート体に設けられる金属体とを備え、シート体を、高分子組成物にDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボン粉末を混入することにより形成したことを特徴とするPTC素子。
  2. カーボン粉末の平均粒径を70〜120nmの範囲とした請求項1記載のPTC素子。
  3. 金属体を、リード端子として兼用可能な金属箔とした請求項1又は2記載のPTC素子。
  4. 温度の上昇とともに抵抗値が大きくなる特性を有するPTC素子の製造方法であって、
    高分子組成物にDBP吸油量が30〜60ml/100gのカーボン粉末を混練して導電性組成物を調製し、この導電性組成物を用いてシート体を形成する工程と、このシート体の両面に金属体をそれぞれ貼り付けて中間体を形成する工程と、この中間体を所定の大きさに形成する工程とを含んでなることを特徴とするPTC素子の製造方法。
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