JP4459438B2 - 電気デバイスを製造する方法及びバッテリ組立体を製造する方法 - Google Patents
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Description
(発明の背景)
(発明の技術分野)
この発明は、導電性高分子を含んでいる電気デバイスと、該デバイスを製造する方法とに関するものである。
【0002】
(発明への導入部)
PTC(正の抵抗温度係数)挙動を呈する導電性高分子組成物を含んでいる電気デバイスはよく知られており、回路保護デバイスやヒータとして用いられている。低抵抗の導電性高分子組成物を含んでいるこのような回路保護デバイスは、周囲の温度及び/又は電流の条件の変化に感応する。通常の条件下では、回路保護機デバイスは、電気回路中の負荷と直列である場合、低温かつ低抵抗の状態を維持する。しかしながら、該デバイスは、過電流又は過熱状態にさらされたときには、抵抗が増加し、回路内の負荷に対する電流を効果的に遮断する。多くの応用例においては、該デバイスは、通常動作時における電気回路の全抵抗への寄与を最小限とするために、できるだけ低抵抗であることが望ましい。さらに、低抵抗であることは、該デバイスがより高い保持電流、すなわち特定の環境条件下において、該デバイスに高抵抗状態への「引外し(trip)」を生じさせることなく回路保護デバイスを流れることができる最大の定常状態電流をもつことを可能にする。低抵抗のデバイスは、寸法を変えることによって、例えば電極間距離を非常に小さくし、又はデバイスの面積を非常に大きくすることにより、所望の組成物から作成されることができるが、該デバイスは小さいのが好ましい。このようなデバイスは、回路板上に占めるスペースをより小さくし、かつ一般に好ましい熱特性をもつ。
【0003】
(発明の概要)
デバイスの小型化を達成する最も普通の技術は、低い抵抗を有する組成物を用いることである。種々の処理工程、例えば放射線照射、カプセル封止、あるいはリフロー半田付け時における高温曝露が、デバイス製造時に組成物の抵抗を増加させるといったことが知られている。それゆえ、組成物の抵抗の増加をできるだけ小さくすることが可能な処理技術を用い、これにより最終的なデバイスが低抵抗となるようにするのが望ましい。我々は、まさに、低抵抗のデバイスを製造する助けとなる処理工程の特別な手順を見出した。
【0004】
第1の態様においては、この発明は、
(A)PTC挙動を呈するとともに、(1)少なくとも20%の結晶度と融点Tmとを有する高分子成分と(2)高分子成分中に分散された粒子状導電性充填物とを含んでいる導電性高分子組成物からなる抵抗要素と、
(B)(i)抵抗要素に取りつけられ、(ii)金属箔を含み、かつ(iii)電力源に接続されることができる2つの電極とを含んでいる電気デバイスであって、
(a)2つの金属箔間に配置された導電性高分子組成物を含んでいる薄層体からデバイスを切り取る工程と、
(b)上記切り取り工程の後で、上記デバイスを、高くても(Tm−100)℃である第1の温度から高くても(Tm−25)℃である第2の温度までの熱過程に少なくとも1回曝露する工程と、
(c)上記熱過程の後で、上記導電性高分子組成物を架橋させる工程とを含む方法によって調製されたものである電気デバイスを提供する。
【0005】
第2の態様においては、本発明は、
(A)(i)最大でも0.51mmの厚さであり、(ii)少なくとも2Mrad当量で架橋され、かつ(iii)(1)少なくとも20%の結晶度と融点Tmとを有する高分子成分と(2)高分子成分中に分散された粒子状導電性充填物とを含んでいる導電性高分子組成物からなる抵抗要素と、
(B)(i)抵抗要素に取りつけられ、(ii)金属箔を含み、かつ(iii)電力源に接続されることができる2つの電極とを含んでいる電気デバイスを製造する方法であって、
(a)2つの金属箔間に配置された導電性高分子組成物を含んでいる薄層体からデバイスを切り取る工程と、
(b)上記切り取り工程の後で、上記デバイスを、高くても(Tm−100)℃である第1の温度から、高くても(Tm−25)℃である第2の温度になり、そして第1の温度に戻る熱サイクルに少なくとも1回曝露する工程と、
(c)上記熱サイクル工程の後で、上記導電性高分子組成物を架橋させる工程とを含む方法を提供する。
【0006】
第3の態様においては、本発明は、
(I)第1及び第2の端子を含むバッテリと、
(II)さらに(C)第1の電極に取りつけられた第1の導電性リードと、(D)第2の電極に取りつけられた第2の導電性リードとを含む本発明の第1の態様にかかるデバイスとを含んでいるバッテリ組立体であって、
上記デバイスが、バッテリの第1の端子に接触するように配置されていて、これにより第1の導電性リードが上記端子と物理的及び電気的に接触するようになっている組立体を提供する。
本発明は、添付の図面によって例示されている。
【0007】
(本発明の詳細な説明)
本発明にかかる電気デバイスは、導電性高分子組成物からなる抵抗要素と、これに取りつけられ、そして該抵抗要素をサンドイッチ状に挟む第1及び第2の金属箔とを含んでいる。導電性高分子組成物は、高分子成分と、その中に分散された粒子状導電性充填物とを含んでいる。高分子成分は、1つ又はこれより多い重合体を含み、その1つは好ましく、差動走査熱量計(ディファレンシャル・スキャニング・カロリメータ)により非充填状態で測定された場合において少なくとも20%の結晶度をもつ結晶重合体である。適切な結晶重合体は、1つ又はこれより多いオレフィンの重合体、とくに高密度ポリエチレン等のポリエチレン;エチレン/アクリル酸、エチレン/アクリル酸エチル、エチレン/酢酸ビニル及びエチレン/アクリル酸ブチルなどの共重合体といった、少なくとも1つのオレフィンとこれと共重合可能な少なくとも1つのモノマーとの共重合体;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びエチレン/4フッ化エチレンの共重合体(ETFE、ターポリマーを含む)等の溶融成形可能なフッ素重合体;及びこれらの重合体中の2つ又はこれより多くの混合物を含んでいる。いくつかの応用例では、特定の物理的又は熱的特性、例えば可撓性又は最大曝露温度を達成するために、1つの結晶重合体を他の重合体、例えばエラストマー又はアモルファス熱可塑性重合体と混合するのが望ましいであろう。高分子成分は、一般に、組成物の全容積中で、40〜90容量%、好ましくは45〜80容量%、とくに好ましくは50〜75容量%を占める。
【0008】
高分子成分中に分散される粒子状導電性充填物は、カーボンブラック、グラファイト、金属、金属酸化物、導電性被膜付きのガラスビーズ又はセラミックビーズ、粒子状導電性重合体、又はこれらの組み合わせを含む適切な材料であってもよい。充填物は、粉状、ビーズ状、フレーク状、繊維状、又はその他の適当な形状であってもよい。必要とされる導電性充填物の量は、要求される組成物の抵抗と導電性充填物自体の抵抗とに基づく。多くの組成物については、導電性充填物は、該組成物の全容積中で、10〜60容量%、好ましくは20〜55容量%、そして低抵抗回路保護デバイスに用いられる低抵抗組成物については、とくに25〜50容量%を占める。
【0009】
導電性高分子組成物は、抗酸化剤、不活性充填物、非導電性充填物、放射線架橋剤(例えば、トリアリルイソシアヌレート、しばしば、プロラッド又は架橋強化剤と称される)、安定剤、分散剤、結合剤、酸除去剤(例えば、CaCO3)、又はその他の成分などといった付加的な成分を含んでいてもよい。これらの成分は、一般に、該組成物の全容積中で、最大20容量%を占める。導電性充填物及びその他の成分の重合体成分中への分散は、適当な混合手段、例えば溶融処理手段又は溶媒混合手段により達成されることができる。混合された成分は、抵抗要素をつくるために、適当な方法、例えば溶融押し出し、射出成形、圧縮成形、又はシンタリングにより溶融成形されることができる。該要素は、好ましくは層状体であるが、どのようなものであってもよく、例えば長方形、正方形、円又は環形であってもよい。該抵抗要素は、しばしば、最大で1.02mm(0.040インチ)の厚さであるが、多くの応用例ではさらに薄く、最大で0.51mm(0.020インチ)、好ましくは最大で0.38mm(0.015インチ)の厚さである。
【0010】
抵抗要素に用いられる組成物は、正の温度係数(PTC)挙動を呈する。すなわち、それは比較的小さい温度範囲で、温度とともに抵抗が急激に増加する。この出願では、「PTC」との語は、少なくとも2.5のR14値及び/又は少なくとも10のR30値をもつ組成物又はデバイスを意味するものとして用いられており、組成物又はデバイスは、少なくとも6のR30値をもつのが好ましい。ここにおいて、R14は、14℃の範囲の終わりと始まりとにおける抵抗の比であり、R100は、100℃の範囲の終わりと始まりとにおける抵抗の比であり、R30は、30℃の範囲の終わりと始まりとにおける抵抗の比である。一般に、本発明にかかるデバイスで用いられる組成物は、これらの最小値よりもはるかに大きい抵抗の増加を示す。
【0011】
適切な導電性高分子組成物は、米国特許第4,237,441号(ヴァン・コニネンバーグら)、第4,545,926号(ファウトら)、第4,724,417号(オーら)、第4,774,024号(ディープら)、第4,935,156号(ヴァン・コニネンバーグら)、第5,049,850号(エバンズら)、第5,250,228号(ベグリーら)、第5,378,407号(チャンドラら)、第5,451,919号(チュら)、第5,582,770号(チュら)、第5,747,147号(ワーテンバーグら)及び第5,801,612号(チャンドラら)、並びに一般承継された国際出願公報WO96/29711号(レイケム社、1997年9月26日発行)に開示されている。
【0012】
抵抗要素は、それぞれ、該抵抗要素の第1の面及び第2の面に取りつけられた第1及び第2の薄層電極に取りつけられている。導電性高分子組成物はシート状に押し出され又はその他の成形が施され、その上に電極が取りつけられて1つの薄層体を形成するのが好ましい。すなわち、導電性重合体が箔間にサンドイッチ状にはさまれるのが好ましい。第1及び第2の両電極は、導電性材料を含み、好ましくは箔状の金属、例えばニッケル、銅、黄銅、ステンレススチール、又はこれらの金属の1つ又はこれより多くのものの合金である。ただし、電極の一方又は両方は導電性塗料層又はグラファイト層を含んでいてもよい。結合層、例えば導電性接着剤が、電極を抵抗要素に取りつけるために用いられてもよい。第1及び第2の電極が、電着された金属箔、例えばニッケル、銅、又はニッケルで被覆された銅を含んでいるのがとくに好ましい。適切な電極は、米国特許第4,689,475号(マシーセン)及び第4,800,253号(クライナら)、並びに国際出願公報WO95/34081号(レイケム社、1995年12月14日発行)に開示されている。
【0013】
該デバイスはまた、該デバイスに対して電気的又は環境的な保護を与える絶縁層を含んでいてもよい。絶縁層は、一般に、金属箔電極の一部又は全部と、抵抗要素の露出表面とを被覆する。適切な絶縁材料は、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニリジンフロオライド、液晶重合体、又はエポキシ樹脂などの重合体を含む。
【0014】
本発明にかかる方法においては、切り取り工程で、2つの金属箔間に配置された導電性高分子組成物を含む薄層体からデバイスが切り取られる。この出願において、「切り取る」との語は、薄層体からデバイスの抵抗要素を孤立又は分離させるあらゆる方法、例えば国際特許公報WO95/34084(1995年12月14日発行)に記載されているようなダイシング、打ち抜き、せん断、切断、エッチング及び/又は破壊を含むものとして用いられている。
【0015】
該デバイスは、この後、熱処理工程に委ねられる。熱処理工程は、第1の温度T1から第2の温度T2までの過程を少なくとも1回含む。好ましくは、熱処理工程は、第2の温度への曝露の後、第1の温度への復帰を含み、かくしてT1からT2を経てT1に戻るサイクルを形成する。第1の温度は、高くても(Tm−100)℃、好ましくは高くても(Tm−120)℃、とくに好ましくは高くても(Tm−150)℃である。ここで、Tmは、差動走査熱量計(ディファレンシャル・スキャニング・カロリメータ)の吸熱のピークにより測定される、高分子成分の融点である。1つよりの多くのピークが存在するとき、例えば高分子成分が結晶重合体の混合物を含むときは、Tmは、最も高い温度ピークの温度とされる。第2の温度は、高くても(Tm−25)℃、好ましくは高くても(Tm−35)℃、とくに好ましくは高くても(Tm−50)℃である。第1の温度は、高分子成分のガラス転移温度Tgよりも高い温度であることが重要である。T1は、しばしば、室温よりも低い温度、すなわち20℃よりも低い温度である。該方法の好ましい実施態様においては、該デバイスは、少なくとも2回の熱サイクル、好ましくは少なくとも3回の熱サイクルに曝露される。ある応用例では、該デバイスは、さらに多くのサイクル、例えば6回の熱サイクルに曝露されてもよい。熱処理工程の間は、熱過程又は各熱サイクルに対して、該デバイスは、十分な時間第1及び第2の両温度に保持され、全デバイスが指定された温度に到達することが確実化される。該デバイスが保持される期間は、T1及びT2について同一であっても異なっていてもよいが、該デバイスが指定された温度に到達した時点から測定して、一般には少なくとも1分、好ましくは少なくとも3分、より好ましくは少なくとも5分、とくに好ましくは少なくとも10分、さらに特別好ましくは少なくとも15分、格別に好ましくは少なくとも30分例えば60分である。熱処理工程の間には、適切な熱源、例えばオーブン(とくにプログラム制御可能なオーブン)もしくはその他の環境室、又は加熱ランプが用いられることができる。T1からT2への(そして、場合によってはT1への復帰)昇温速度は、適当な速度、例えば2〜30℃/分であればよい。熱処理工程が熱サイクルであるときは、T1からT2への速度は、T2からT1への速度と同一であってもよく、また異なっていてもよい。
【0016】
熱処理工程に続いて、導電性高分子組成物が架橋される。架橋は、化学的な手段によって、又は例えば電子ビームもしくはCo60γ放射線源を用いた放射線照射により実施されることができる。架橋のレベルは、組成物に対する要求照射に依存するが、一般的には、200Mrad当量より少なく、好ましくは実質的にこれより少ない量、すなわち1〜20Mradであり、好ましくは1〜15Mradであり、とくに好ましくは低電圧(すなわち、60ボルトより低い)の印加に対して2〜10Mradである。30ボルトより低い電圧印加のための有用な回路保護デバイスは、該デバイスに少なくとも2Mrad、ただし多くても10Mradの放射線照射を行うことにより製作されることができる。
【0017】
多くの応用例については、少なくとも1つの導電性リード、すなわち第1の導電性リードを金属箔電極の一方に取りつけることが必要である。しばしば、第1及び第2の電極に、それぞれ、第1及び第2の導電性リードが取りつけられる。導電性リードは、電極が電力源、例えばバッテリ又は電源、又は回路に容易に接続されることを可能にし、該デバイスの熱出力を制御するのに用いられることができる。製造を容易にするためにしばしばリードフレームの一部として形成される導電性リードは、好ましく、中間層、例えば半田又は導電性接着剤により、電極に取りつけられる。このリード取りつけ工程は、好ましく、切り取り工程の後において熱処理工程の前に入れられ。その他の組立て処理、例えばエポキシ樹脂又はその他の重合体などの絶縁層の形成は、好ましくは、リード取りつけ工程を含み、切り取り工程の後において熱処理工程の前に入れられる組立て工程で実施される。
【0018】
本発明にかかる方法に続いて、導電性高分子が低抵抗をもつ、すなわち抵抗が100オーム・cmより低く、好ましくは20オーム・cmより低く、とくに好ましくは10オーム・cmより低く、さらに特別好ましくは5オーム・cmより低く、格別好ましくは2オーム・cmより低い、例えば1オーム・cmより低いデバイスが調製されることができる。大半の応用例では、該デバイスは、一般に、20℃で1オームより低い、好ましくは0.5オームより低い、とくに好ましくは0.25オームより低い、例えば0.050〜0.150オームより低い抵抗をもつ。
【0019】
本発明にかかるデバイスは、とくに、該デバイスが好ましくバッテリの第1又は第2の端子に取りつけられているバッテリ組立体に用いるのに適している。該取りつけは、バッテリと第1又は第2の電極との間で直接行われてもよく、あるいはバッテリと、第1の電極に取りつけられた第1の導電性リード又は第2の電極に取りつけられた第2の導電性リードとの間で行われてもよい。第1及び/又は第2の端子のいずれかが「ボタン」の形状であるあるバッテリについては、該デバイスは、物理的又は電気的にボタン端子に取りつけられる。該デバイスは、バッテリの負又は正の端子のいずれかに取りつけられることができる。使用に適したバッテリは、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素化金属電池、アルカリ電池、又はリチウム電池を含む。しばしば、バッテリ組立体は、2つ又はこれより多いバッテリを含む。このようなバッテリ組立体は、国際出願公報WO97/06538(レイケム社、1997年2月20日発行)及びWO98/20567(レイケム社、1998年5月14日発行)に示されている。
【0020】
本発明は、添付の図面によって例示されているが、ここで図1は、PTC成分3と、第1導電性リード15と、第2導電性リード18と、絶縁材料23とを含む本発明にかかる電気デバイス1の断面を示している。PTC成分3は、第1の電極11と、第2の電極13と、これらの間にサンドイッチ状にはさまれた導電性重合体からなる抵抗要素9とを含んでいる。図1に示されたPTC成分3においては、互いに対向している両電極が、第1の表面43と第2の表面41とを形成している。
【0021】
図2には、PTC成分3の上面図が示されている。PTC成分3は、表面41及び43と、外縁部5と、内縁部7とを含み、中心に開口部27を備えたディスク形のものである。内縁部7は、開口部27を画成している。
【0022】
図3は、第1の導電性リード15の上面図を示しており、該リードは、第1の電極11と、PTC成分3の開口部27と交差して伸びる第2の部分17とに取りつけられた第1の部分16を有している。この実施の形態では、第1の部分16は、第1の電極11の全表面を被覆している。開口部27の少なくとも一部を被覆している、第1のリード15の第2の部分17は、半田、圧力又は溶接により、バッテリのボタン端子に直接の電気的接触を形成するのに用いられる。第2の部分17は、開口部27の少なくとも一部を被覆している。
【0023】
図4は、第1の部分19と第2の部分21とを含んでいる第2の導電性リード18の上面図を示している。第1の部分19は、第2の電極13に取りつけられ、第2の電極13の表面の少なくとも一部を被覆している。第2の部分21は、外縁部5から離反するように伸び、もし必要であれば、第2のバッテリ又はその他の電気部品と電気接触を形成するために曲げられることができる。第1及び第2の導電性リード15、18は、何らかの適当な材料、例えばニッケル、ステンレススチール、銅、又は黄銅もしくは青銅などの合金で形成されることができる。製造を容易化するために、第2のリード18は、しばしばリードフレームの一部とされる。
【0024】
図5は、電気絶縁層23によってカプセル封止されたデバイス1の上面図を示している。バッテリの正の端子が内側開口部27’に配置されたときには、端子とPTC成分3との間に電気接触が全く生じないので、短絡が生じない。
【0025】
本発明は、以下の具体例によって例示されるが、ここにおいて具体例1及び2は比較例である。各具体例については、以下の工程が実行された。
【0026】
PTCデバイスの調製
54重量%のカーボンブラック(商標登録Raven430U、コロンビアケミカルから入手可能)と、46重量%の高密度ポリエチレン(商標登録PetrotheneLB832、ミレニウムから入手可能;「HDPE」)とをヘンシェル混合器内で予混合し、該混合物をブスニーダで混合し、ペレット状に押し出すことにより第1のコンパウンドが調製された。51.4重量%のカーボンブラックと、48.6重量%のHDPEとを同一の方法で予混合することにより第2のコンパウンドが調製された。第1及び第2のコンパウンドのペレットが予混合され、52.7重量%のカーボンブラックと、47.3重量%のHDPEとを有する最終的なコンパウンドが得られ、このコンパウンドはイーガン押出し機を用いてシート状のダイス型を通して押し出され、厚さ0.25mm(0.010インチ)のシートが得た。押出されたシートは、プレス組を用いて、200℃で、厚さが約0.033mm(0.0013インチ)の電着されたニッケル箔(フクダから入手可能)からなる2つの層間に薄層化された。薄層化されたシートは、230℃まで昇温された鉛63%/すず37%の組成の半田の中に半田浸漬され、該薄層状シートから、図2中に示された形状を有するデバイスが打抜かれた。
【0027】
デバイスの組立て
図3及び4中に示されているような、第1及び第2の導電性リードが63/37の鉛/すず半田によりPTCデバイスに取りつけられ、これは30℃から最高230℃にまで昇温されたホットエアオーブン内で、約2分間にわたってリフローされた。この後、トランスファ手段又は射出成形により、液晶重合体からなる絶縁層が形成付加された。
【0028】
放射線照射
デバイスは、コバルト60γの放射線源を用いて、放射線照射が施され、全放射線照射は14Mradであった。
【0029】
温度サイクル
デバイスは6回の熱サイクルに委ねられ、各サイクルは、40℃と80℃とでは60分停留しつつ1℃/分の速度で、40℃から80℃に昇温した後40℃に戻るといったものであった。
【0030】
具体例1及び2(比較例)
デバイスの調製は、表1に示すような仕様で実施されたが、ここにおいて数字1〜4は、これらが実施された際の処理工程の順番を示している。各具体例ごと調製された100個のデバイスについて、25℃における抵抗が測定された。このようにして得られたデバイスの平均抵抗は、本発明にかかるデバイス(具体例3)のそれに比べて、少なくとも5%高かった。
【0031】
具体例3
デバイスの調製は、表1に示すような仕様で実施された。このようにして得られたデバイスの抵抗は、従来のデバイスのそれよりも低かった。図6に、これらのデバイスの抵抗分布の比較が示されている。
【表1】
【0032】
この明細書における種々の図及び記述は、本発明の特定の実施態様に関するものであるが、特定の特徴が特定の図に関連して開示されているところでは、かかる特徴はまた、他の図に関連して、他の特徴と組み合わせて、あるいは一般的に本発明において、広く用いられることができるということが理解されるべきである。上記構成の装置及びそれらにかかる方法は、この発明又はその理論の応用の単なる例示に過ぎないものであって、その他の多くの実施の形態及び修正例が、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、請求の範囲の規定により創作されることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるデバイスの断面図である。
【図2】 本発明にかかるデバイスの上面図である。
【図3】 本発明にかかるデバイスの一部を形成する第1の導電性リードの上面図である。
【図4】 第2の導電性リードが取りつけられた、本発明にかかるデバイスの上面図である。
【図5】 絶縁層を含む、本発明にかかるデバイスの上面図である。
【図6】 本発明にかかる方法と、比較例にかかる方法とにより製作されたデバイスの抵抗分布を示すグラフである。
Claims (10)
- (A)PTC挙動を呈するとともに、(1)少なくとも20%の結晶度と融点Tmとを有する高分子成分と(2)高分子成分中に分散された粒子状導電性充填物とを含む導電性高分子組成物からなる抵抗要素と、
(B)(i)抵抗要素に取りつけられ、(ii)金属箔を含み、かつ(iii)電力源に接続されることができる2つの電極とを含んでいる電気デバイスを製造する方法であって、
(a)2つの金属箔間に配置された導電性高分子組成物を含む薄層体からデバイスを切り取る切り取り工程と、
(b)上記切り取り工程の後で、上記デバイスを、高くても(Tm−100)℃である第1の温度から高くても(Tm−25)℃である第2の温度までの熱過程に少なくとも1回曝露する曝露工程と、
(c)上記熱過程の後で、上記導電性高分子組成物を架橋させる架橋工程とを含んでいる方法。 - さらに、切り取り工程(a)の後において曝露工程(b)の前に、少なくとも1つの導電性リードを金属箔電極の一方に取りつける工程を含んでいる、請求項1に記載の方法。
- 上記電気デバイスの抵抗が、高くても0.100オームである、請求項1又は2に記載の方法。
- 架橋工程(c)において上記導電性高分子組成物を1〜20Mrad当量で架橋させる、請求項1、2又は3に記載の方法。
- 上記高分子成分が、ポリエチレン、エチレン共重合体又はフッ素重合体を含んでいる、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
- 曝露工程(b)において、上記電気デバイスを、上記第1の温度から上記第2の温度となりそして上記第1の温度に戻る熱サイクルに少なくとも1回曝露する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
- 曝露工程(b)において、上記第1の温度が23℃よりも低い、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
- (1)上記抵抗要素が(i)最大でも0.51mmの厚さであり、かつ(ii)少なくとも2Mrad当量で架橋されたものであって、
(2)上記切り取り工程の後の曝露工程(b)において、上記電気デバイスを、上記第1の温度から、上記第2の温度となり、そして上記第1の温度に戻る熱サイクルに少なくとも1回曝露する、請求項1に記載の方法。 - 曝露工程(b)において、上記電気デバイスを少なくとも3回の熱サイクルに曝露する、請求項8に記載の方法。
- (1)第1及び第2の端子を含むバッテリと、
(2)さらに(a)第1の電極に取りつけられた第1の導電性リードと、(b)第2の電極に取りつけられた第2の導電性リードとを含む請求項1に記載の方法により製造された電気デバイスとを含んでいるバッテリ組立体を製造する方法であって、
バッテリを準備する工程と、
請求項1に記載の方法により電気デバイスを製造する工程と、
上記電気デバイスを、バッテリの第1の端子に接触するように配置して、これにより第1の導電性リードを上記端子と物理的及び電気的に接触させるようになっている方法。
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