JP2005086038A - P−ptcサーミスタ組成物の製造方法、p−ptcサーミスタ組成物、p−ptcサーミスタ素体及びp−ptcサーミスタ - Google Patents

P−ptcサーミスタ組成物の製造方法、p−ptcサーミスタ組成物、p−ptcサーミスタ素体及びp−ptcサーミスタ Download PDF

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Abstract

【課題】 最終的に得られるP−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くできるP−PTCサーミスタ組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決するP−PTCサーミスタ組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有している混練物を調製する混練物調製工程と、混練物を水に接触させる水接触工程とを含むものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、P−PTCサーミスタ組成物の製造方法、P−PTCサーミスタ組成物、P−PTCサーミスタ素体及びP−PTCサーミスタに関するものである。
従来、セラミック材料からなるサーミスタ素体を備えるPTC(Positive Temperature Coefficient;正特性)サーミスタは、遮断特性に劣り、サーミスタ素体の発熱温度が高く、小型化、軽量化、低コスト化が困難であった。そこで、上述の動作温度の低温化等の要求に応えるために、熱可塑性樹脂(高分子マトリックス)と導電性微粒子とからなる成形体をサーミスタ素体として備えるタイプのPTCサーミスタ(以下、必要に応じて「P−PTCサーミスタ」という。)の検討がなされている。
このP−PTCサーミスタは、一般的には、例えば特許文献1、2に記載されているように、熱可塑性樹脂と導電性粉末とを混合した後、加熱混練してP−PTCサーミスタ組成物(導電性重合体)を調製し、その両面に電極を加圧接合することにより得られていた。このP−PTCサーミスタの製造方法をより詳細に説明すると以下の通りである。まず、熱可塑性樹脂と導電性粉末とを加圧ニーダーや二軸押出機等の混練機を用いて混練することにより、熱可塑性樹脂中に導電性粒子が分散した混練物を得ていた。次に、その混練物をシート状に成形してP−PTCサーミスタ素体を得、その後もしくはそれと同時に、該P−PTCサーミスタ素体の両面に金属箔を熱プレス機もしくはローラを用いて熱圧着することにより電極を形成してP−PTCサーミスタを完成させていた。
このような従来のP−PTCサーミスタの製造方法において、例えば、混練に二軸押出機を用いる場合、P−PTCサーミスタ組成物は押出機より押し出された直後にシート状に成形され、電極を圧着されていた。また、混練に加圧ニーダーを用いる場合、P−PTCサーミスタ組成物は加圧ニーダーによる混練終了直後にシート状に成形され、電極を圧着されていた。
一方、P−PTCサーミスタは、例えば携帯電話などの小型機器に搭載されるバッテリーパックに備えられるLiイオン電池に設けられており、そのバッテリーパックの過熱防止用の保護素子として用いられる場合もある。このような用途の場合、P−PTCサーミスタに対しては、特に一定の耐久性を有することが要求されている。すなわち、耐久性が十分ではないP−PTCサーミスタをバッテリーパックの保護素子として用いると、そのP−PTCサーミスタが損傷した場合に保護素子として十分に機能しないこととなる。
P−PTCサーミスタが損傷する要因の一つとして、一定以上の電圧を印可することによるP−PTCサーミスタ素体の破壊が挙げられる。このようなP−PTCサーミスタ素体の破壊を防止するためには、比抵抗値(非動作(室温)時のP−PTCサーミスタの抵抗値)をより低くするか、さもなければP−PTCサーミスタの電圧に対する耐性を向上させる必要がある。
なお、本明細書において、P−PTCサーミスタ素体を破壊するような電圧を破壊電圧ということとする。上述した「電圧に対する耐性を向上させる必要がある」ということは、すなわち「破壊電圧をより高くする必要がある」ということになる。
特開昭62−13001号公報 特開2002−198205号公報
しかしながら、本発明者は、上記特許文献1、2に記載の従来のP−PTCサーミスタの製造方法について詳細に検討を行ったところ、このような従来の製造方法では、P−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くできないことを見出した。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、最終的に得られるP−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くできるP−PTCサーミスタ組成物の製造方法、P−PTCサーミスタ組成物及びP−PTCサーミスタ素体を提供することを目的とする。また、本発明は、十分に高い破壊電圧を有するP−PTCサーミスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有している混練物を調製する混練物調製工程と、混練物を水に接触させる水接触工程とを含むことを特徴とする。このような製造方法により得られたP−PTCサーミスタ組成物を用いると、最終的に得られるP−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くすることができる。
また、従来のP−PTCサーミスタは破壊電圧が高くなるほどその比抵抗値も高くなる傾向にあった。しかしながら、本発明のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法によれば、得られるP−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くすることができ、しかもその比抵抗値を低く抑制することができる。
本発明のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法は、水接触工程が混練物を水中で保存する工程であると、労力および費用的な観点から好ましい。さらに水中で保存する際に水流を発生させながら保存すると、混練物の表面に気泡が付着し難くなる傾向にあり、より効率的に水と接触することができるので、特にこの工程に要する時間的な観点から好ましい。
また、水接触工程を、混練物に水を噴射することにより接触させる工程としても、混練物の表面に気泡が付着し難くなる傾向にあるので好ましい。
上述したような水接触工程において用いる水が、20℃で50μS/cm以下の電気伝導度を示すと好ましい。このような水を用いた水接触工程を経て、最終的に得られたP−PTCサーミスタは、破壊電圧が十分に高いだけでなく、比抵抗値を一層低く維持することができる傾向にある。したがって、このようなP−PTCサーミスタを搭載した機器は、消費電力をより低下させることができる傾向にある。
さらに、水接触工程において混練物を水に1〜96時間接触させると、本発明の効果を有効に発揮することができるので好ましい。
本発明のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法に用いる導電性粒子がニッケルを主成分とする粒子であると好ましい。このような粒子が高分子マトリックス中に均一に分散して存在すると、サーミスタの繰り返し動作や長期保存に対する信頼性(以下、単に「信頼性」という。)を高める傾向にある。さらには、このような粒子を用いると本発明の効果をより効率的且つ確実に発揮することができる。このような観点から、導電性粒子として、フィラメント状の粒子を用いるとより好ましい。
また、本発明のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法に用いる熱可塑性樹脂がポリオレフィン系結晶性ポリマーであると、本発明の効果を一層発揮できるので好ましい。ポリオレフィン系ポリマーは導電性粒子に対して線膨張係数の差が低いため、サーミスタの動作後であってもサーミスタ素体中に内部応力が発生し難く、それによって引き起こされる抵抗値の上昇も抑制される傾向にあると考えられる。このような観点から、ポリオレフィン系結晶性ポリマーが直鎖状低密度ポリエチレンであるとより好ましい。
本発明のP−PTCサーミスタ組成物は上述した製造方法により得られることを特徴とする。このP−PTCサーミスタ組成物を用いてP−PTCサーミスタを製造すると、得られるサーミスタの破壊電圧は十分に高い値を示すものとなる。
また、このサーミスタ組成物は、重量平均分子量が100〜2000である低分子有機化合物を含有すると好ましい。これにより、P−PTCサーミスタの抵抗−温度特性曲線にあらわれるヒステリシスを低減することができ、抵抗変化率の増大の効果もあり、さらに動作温度の調整も可能となる。したがって、その比抵抗値をより低くできる傾向にあるので損傷し難くなる。
本発明のP−PTCサーミスタ素体は、上述したP−PTCサーミスタ組成物の製造方法により得られたサーミスタ組成物をシート状に成形することにより得られることを特徴とする。このようなサーミスタ素体は比較的高い電圧を印可しても破壊し難い傾向にあるので、これを備えるサーミスタは過熱防止用の保護素子として信頼性の高いものとなる。
本発明のP−PTCサーミスタは、互いに対向した状態で配置された1対の電極と、その1対の電極の間に配置されたP−PTCサーミスタ素体とを備え、そのP−PTCサーミスタ素体は、熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する混練物を調製する混練物調製工程と、混練物を水に接触させる水接触工程と、P−PTCサーミスタ組成物をシート状に成形する成形工程とにより得られ、正の抵抗−温度特性を有することを特徴とする。
このようなP−PTCサーミスタは、十分に高い破壊電圧を有する。特に導電性粒子にニッケルを主成分とする粒子を用いた場合、比抵抗値を4×10−2Ω・cm以下となるようにサーミスタ素体中のその粒子の含有量等を調整しても、破壊電圧を30V以上に維持することができる。したがって、かかるサーミスタに高い電圧が印可されても、これを搭載したLi電池などを備えた携帯電話等の小型機器は損傷し難く、耐久性の高いものとなる。
本発明によれば、P−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くできるP−PTCサーミスタ組成物の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の好適な実施形態のP−PTCサーミスタの基本構成を示す模式断面図である。
図1に示すP−PTCサーミスタ(以下、場合によって「サーミスタ」ともいう。)10は、主として、互いに対向した状態で配置された1対の電極2及び電極3と、電極2と電極3との間に配置されておりかつ正の抵抗−温度特性を有するP−PTCサーミスタ素体(以下、場合によって「サーミスタ素体」ともいう。)1と、必要に応じて電極2に電気的に接続されたリード4と、電極3に電気的に接続されたリード5とから構成されている。
電極2及び電極3は、例えば、平板状の形状を有しており、サーミスタの電極として機能する電子伝導性を有するものであれば特に限定されない。また、リード4及びリード5は、それぞれ電極2及び電極3から外部に電荷を放出又は注入することが可能な電子伝導性を有していれば特に限定されない。
図2は、本発明の好適な実施形態のP−PTCサーミスタを製造する手順の一例を示す概略フロー図である。以下、この図2に示した順にしたがって各工程を説明する。
(組成物材料準備工程)
この組成物材料準備工程S1は、サーミスタ素体1を形成するP−PTCサーミスタ組成物(以下、場合によって「サーミスタ組成物」ともいう。)の構成材料を準備する工程である。本実施形態の工程S1において準備される構成材料は、熱可塑性樹脂、導電性粒子、及び低分子有機化合物である。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系結晶性ポリマーを用いると好ましい。このポリオレフィン系結晶性ポリマーを用いると、サーミスタ10の非動作時の比抵抗値と動作時の抵抗値との変化率が大きくなり、繰り返し動作させた場合であっても使用初期に得られる抵抗値を十分に維持できる傾向にある。よって、サーミスタ10の比抵抗値を一層低くできる傾向にある。このような観点から、このポリオレフィン系結晶性ポリマーが直鎖状低密度ポリエチレンであるとより好ましい。
上述した効果が発揮される要因として、ポリオレフィン系結晶性ポリマーは導電性粒子に対して線膨張係数の差が低いため、サーミスタ10の動作後であってもサーミスタ素体1中に内部応力が発生し難く、それによって引き起こされる抵抗値の上昇も抑制される傾向にあることが考えられる。ただし、要因はこれに限定されない。
熱可塑性樹脂の融点は、動作時の低分子有機化合物の融解による流動、素体の変形などを防止するため、低分子有機化合物の融点よりも高いことが望ましく、7℃以上高いことが好ましく、7〜40.5℃高いことが望ましい。また、熱可塑性樹脂の融点は、70〜200℃であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の具体例としては、(1)ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、(2)少なくとも1種のオレフィン(例えばエチレン、プロピレン)と、少なくとも1種の極性基を含有するオレフィン性不飽和モノマ−に基づく繰り返し単位で構成されたコポリマ−(例えば、エチレン−酢酸ビニルコポリマ−)、(3)ハロゲン化ビニルおよびビニリデンポリマ−(例えば、ポリビニルクロライド、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド)、(4)ポリアミド(例えば12−ナイロン)、(5)ポリスチレン、(6)ポリアクリロニトリル、(7)熱可塑性エラストマ−、(8)ポリエチレンオキサイド、ポリアセタ−ル、(9)熱可塑性変性セルロ−ス、(10)ポリスルホン類、(11)ポリメチル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
より具体的には、(1)高密度ポリエチレン[例えば、商品名:ハイゼックス2100JP(三井化学社製)、Marlex6003(フィリップ社製)等]、(2)低密度ポリエチレン[例えば、商品名:LC500(日本ポリケム社製)、DYMH−1(ユニオン−カ−バイド社製)等]、(3)中密度ポリエチレン[例えば、商品名:2604M(ガルフ社製)等]、(4)エチレン−エチルアクリレ−トコポリマ−[例えば、商品名:DPD6169(ユニオン−カ−バイド社製)等]、(5)エチレン−アクリル酸コポリマ−[例えば、商品名:EAA455(ダウケミカル社製)等]、(6)ヘキサフルオエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマ−[例えば、商品名:FEP100(デュポン社製)等]、(7)ポリビニリデンフルオライド[例えば、商品名:Kynar461(ペンバルト社製)等]等が挙げられる。
このような熱可塑性樹脂の分子量は重量平均分子量Mwが10000〜5000000であることが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は1種のみを用いても2種以上を併用してもよく、異なる種類の熱可塑性樹脂同士が架橋された構造を有するものを用いてもよい。
サーミスタ素体1に含有される導電性粒子は、電子伝導性を有していれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック、グラファイト、各形状の金属粒子若しくはセラミック系導電性粒子を用いることができる。これらは1種類を単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いられる。
これらのなかで、特に過電流保護素子のような比較的低い比抵抗値と十分な抵抗変化率の双方が求められる用途の場合、導電性金属粒子を用いることが好ましい。このような導電性金属粒子は、得られるサーミスタの比抵抗値を比較的低くすることができるものの、その破壊電圧をも低くする傾向にあった。しかしながら、本発明においては導電性金属粒子を用いても破壊電圧を高くすることができる傾向にある。導電性金属粒子としては、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステン、モリブデン、銀、亜鉛若しくはコバルト等が用いられるが、特に、銀若しくはニッケルを用いると好ましい。
さらにその形状としては、球状、フレーク状若しくは棒状等が挙げられるが、表面にスパイク状の突起を有するものが好ましい。このような導電性金属粒子は、その一つ一つの粒子(一次粒子)が個別に存在する粉体であってもよいが、それらの一次粒子が鎖状に連なりフィラメント状の二次粒子を形成していることがより好ましい。その材質はニッケルを主成分とすると好ましく、比表面積が0.4〜2.5m/gであって、見かけ密度が0.2〜1.0g/cm程度であるとより好ましい。ここで、「比表面積」とは、BET一点法に基づく窒素ガス吸着法により求められる比表面積を示す。
このような導電性粒子は下記式(I)で表される化合物の分解反応により得られる粒子であることが好ましい。なお、式(I)中、Mは、Ni、Fe及びCuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であると好ましく、Niであるとより好ましい。
M(CO) ・・・(I)
すなわち、M(CO) → M + 4COの反応の進行により生成する粒子であることが好ましい。M(CO)の分解反応により生成した金属粉は、反応条件により、粒子サイズや粒子形状を、上述した好ましい範囲に制御することができる。
一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5〜4.0μm程度である。これらのうち、一次粒子の平均粒径は1.0〜4.0μmが最も好ましい。この平均粒径はフィッシュー・サブシーブ法で測定したものである。
低分子有機化合物は、サーミスタ10の抵抗−温度特性曲線にあらわれるヒステリシスを低減するためにサーミスタ素体1に含有されるものであり、これにより、抵抗変化率の増大の効果もあり、さらに動作温度の調整も可能となる。したがって、比抵抗値をより低くできる傾向にある。この低分子有機化合物は、重量平均分子量Mwが100〜2000であると好ましく、また、結晶性ポリマーであると好ましい。さらに、低分子有機化合物は、20〜70℃において固体の状態をとるものであると好ましい。
低分子有機化合物の具体例としては、例えば、ワックス、油脂、脂肪酸、高級アルコ−ル等から選択されるものである。これらの低分子有機化合物は、市販されており、市販品をそのまま用いることもできる。低分子有機化合物は、これらのうち、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
より具体的には、ワックスとしては、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックスをはじめとする植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスのような天然ワックス等がある。油脂としては、脂肪または固体脂と称されるものなどが挙げられる。
ワックスや油脂の成分は、炭化水素(具体的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素等)、脂肪酸(具体的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素の脂肪酸等)、脂肪酸エステル(具体的には、炭素数20以上の飽和脂肪酸とメチルアルコール等の低級アルコールとから得られる飽和脂肪酸のメチルエステル等)、脂肪酸アミド(具体的には、炭素数10以下の飽和脂肪酸第1アミドやオレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド等)、脂肪族アミン(具体的には、炭素数16以上の脂肪族第1アミン)、高級アルコール(具体的には、炭素数16以上のn−アルキルアルコール)などが挙げられる。
更に具体的には、低分子有機化合物として、例えば、パラフィンワックス(例えば、テトラコサンC2450;融点(mp)49〜52℃、ヘキサトリアコンタンC3674;mp73℃、商品名HNP−10(日本精蝋社製);mp75℃、HNP−3(日本精蝋社製);mp66℃など)、マイクロクリスタリンワックス(例えば、商品名Hi−Mic−1080(日本精蝋社製);mp83℃、Hi−Mic−1045(日本精蝋社製);mp70℃、Hi−Mic2045(日本精蝋社製);mp64℃、Hi−Mic3090(日本精蝋社製);mp89℃、セラッタ104(日本石油精製社製);mp96℃、155マイクロワックス(日本石油精製社製);mp70℃など)、脂肪酸(例えば、ベヘン酸(日本精化社製);mp81℃、ステアリン酸(日本精化社製);mp72℃、パルミチン酸(日本精化社製);mp64℃など)、脂肪酸エステル(例えば、アラキン酸メチルエステル(東京化成社製);mp48℃など)、脂肪酸アミド(例えば、オレイン酸アミド(日本精化社製);mp76℃)がある。この低分子有機化合物は、動作温度等によって1種あるいは2種以上を選択して用いることができる。
サーミスタ組成物中の導電性粒子の含有量は、得られるサーミスタ10の非動作時の比抵抗値と、温度上昇に伴う抵抗値の変化及び均一な混練物を得る観点から調整される。このような観点から、その含有量を熱可塑性樹脂と低分子有機化合物の合計質量に対して4〜7倍とすることで、非動作時の室温抵抗値を十分低くすること、大きな抵抗変化率が得ること、及び、素子抵抗のバラツキを減少させることができる傾向にある。
これに対して、導電性粒子の含有量が少なすぎると非動作時の室温抵抗値を十分低くすることができない傾向にある。一方、導電性粒子の含有量が多すぎると大きな抵抗変化率が得られにくくなり、不均一な混合になることから、PTCサーミスタ10の素子抵抗にバラツキを生じる傾向にある。
また、低分子有機化合物の含有量は、熱可塑性樹脂の含有量に対して、体積基準で5〜50%とすることが好ましい。低分子有機化合物の含有量が体積基準で5%未満になると、抵抗変化率が十分に得られ難くなる。低分子有機化合物の含有量が体積基準で50%を越えると、低分子有機化合物が溶融する際にサーミスタ素体1が大きく変形する他、導電性粒子との混練が困難になる。
なお、サーミスタ組成物の構成材料として、上述のもの以外に、さらに従来のサーミスタ素体に添加される各種添加剤を含有してもよい。
(混練物調製工程)
混練物調製工程S2は、上記組成物材料準備工程S1で準備した熱可塑性樹脂、導電性粒子及び低分子有機化合物を含有している混練物を調製する工程である。
はじめに、熱可塑性樹脂と低分子有機化合物とをこれらを溶解可能な溶媒中で溶解させる。そして、得られる溶液に、予め乾燥処理を施した金属粉を加え、例えばミル等の撹拌手段を用いて撹拌しながら熱処理を行なう。この熱処理は混練と呼ばれるものであり、熱処理の温度は、熱可塑性樹脂の融点以上の温度であることが好ましく、熱可塑性樹脂の融点に対して5〜40℃以上高い温度であることがより好ましい。
この混練の作業は、公知の混練技術を使用すればよく、ニ−ダ、押出機、ミル等の撹拌手段で、例えば、10〜120分程度行えばよい。具体的には、例えば、ラボプラストミル(東洋精機製作所社製)などを用いることができる。
これらのなかでも連続的に混練できることから、押出機、特に二軸押出機を用いると好ましい。この場合、二軸押出機に投入された熱可塑性樹脂、導電性粒子及び低分子有機化合物は、二軸押出機内のスクリューにより混合され、押出機の押し出し部(先端部)より押し出される。この際、その押出機の押し出し部にダイを取り付けることによって、混練物がシート状、略円筒状に押し出されるか、若しくは略円筒状に押し出されてもよい。そして押し出された混練物は適度な大きさのダイス毎に切断されてもよい。このように適度な大きさ(例えば質量にして15g程度)のダイス毎に切断されることにより、次の水接触工程において比較的容易に水と接触させることができる。
なお、必要に応じて混練物を更に粉砕処理し、粉砕物を再び混練しても良い。混練においては、熱可塑性樹脂の熱劣化を防止する目的で酸化防止剤を混入してもよい。酸化防止剤としては、例えば、フェノ−ル類、有機イオウ類、フォスファイト類等が用いられる。
ここで、混練物調製工程S2において、溶融・混練温度、混練時間、或いは、同じ試料の溶融・混練回数を複数回行う等の溶融・混練条件の検討を行うことにより、PTCサーミスタ素体1中の金属粉の分散度(分散状態)を調節することができる。
(水接触工程)
水接触工程S3は、上記混練物調製工程S2によって得られた混練物(ダイス)を水に接触させることによりサーミスタ組成物を得る工程である。なお、この水接触工程には、上述した混練物調製工程S2から即座に移行してもよく、この水接触工程の直前に混練物を大気中で冷却してもよい。
混練物の水との接触方法としては、特に限定されることなく採用することができる。具体的には、例えば、容器内に所定量(例えば、混練物を完全に浸漬できる程度の量)の水を注入し、その水中に上記混練物を投入した後、所定時間保存してもよい。このような接触方法は、労力を軽減できる傾向にあり、また過剰な装置もしくは設備等を要しないので費用的な観点から好ましい。
また、水中で保存する際に、撹拌装置もしくは循環ポンプ等を用いることにより水流を発生させると好ましい。水流を発生させることにより、混練物の表面に気泡が付着し難くなる傾向にあり、より効率的に水と接触することができるので、特にこの工程に要する時間を短縮することができる傾向にある。
混練物の水との接触方法として、混練物に水を噴射することにより接触させてもよい。かかる接触方法を採用すると、混練物の表面に気泡が付着し難くなる傾向にあり、一層効率的に混練物を水と接触させることができる観点から好ましい。
この水接触工程において用いる水は、所望の破壊電圧を得ることができるものであれば特に限定されることなく採用することができるが、20℃で50μS/cm以下の電気伝導度を示すと好ましく、10μS/cm以下の電気伝導度を示すとより好ましく、0.2μS/cm以下の電気伝導度を示すとさらに好ましい。このような水を用いた水接触工程を経て、最終的に得られたP−PTCサーミスタ10は、破壊電圧が十分に高いだけでなく、比抵抗値を一層低く維持することができる傾向にある。したがって、かかるP−PTCサーミスタ10を搭載した機器は、消費電力をより低下させることができる傾向にある。このような観点から、水接触工程において用いる水として、純水、蒸留水、市販の精製水もしくはイオン交換水を用いると好ましい。
また、混練物の水との接触時間は、所望の破壊電圧を得ることができ、しかも比抵抗値を比較的低くするように調整すればよい。混練物の水との接触時間を長くするほど、サーミスタ10の破壊電圧は上昇する傾向にあるが、比抵抗値も上昇する傾向にある。そのような観点から、たとえば、その接触時間を1〜96時間とすると好ましく、10〜96時間とするとより好ましい。この接触時間が1時間より短いと、破壊電圧を高くすることができない傾向にあり、96時間より長くすると、破壊電圧の上昇の程度が小さくなる一方で、比抵抗値が高くなる傾向にある。
さらに、上述した水の電気伝導度と接触時間との組み合わせ条件については、それぞれ他方の条件を考慮して設定してもよい。すなわち、水の電気伝導度が比較的高めになる場合は、混練物の水との接触時間を比較的長くすればよい。また、混練物の水との接触時間を短めに設定したい場合は、電気伝導度が比較的低い水を用いるとよい。
なお、所望する破壊電圧としては、サーミスタ10の用途および構成材料等にもよるが、例えばサーミスタ10を携帯電話に用いるLi電池のバッテリーパックの保護素子として用いる場合であって、上述した導電性粒子としてニッケルを主成分とする粒子を用いる場合は、10V以上であると好ましく、30V以上であるとより好ましい。なお、このような用途に用いる場合、サーミスタ10の比抵抗値は4×10−2Ω・cm以下であると好ましいので、そのような比抵抗値および破壊電圧となるように上記各条件を調整するとより好ましい。
このような水接触工程S3を経て得られたP−PTCサーミスタ組成物を用いると、最終的に得られるP−PTCサーミスタ10の破壊電圧を十分に高くすることができる。 また、従来のP−PTCサーミスタは破壊電圧が高くなるほどその比抵抗値も高くなる傾向にあった。しかしながら、本発明のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法によれば、得られるP−PTCサーミスタの破壊電圧を十分に高くすることができ、しかもその比抵抗値を低く抑制することができる。
(成形工程)
成形工程S4は、水接触工程S3によって得られたサーミスタ組成物を、両側から電極材料で挟み圧着することによりシート状に成形して、電極2、3に挟まれたサーミスタ素体1を得る工程である。したがって、本実施形態において、成形工程は電極圧着工程を兼ねることとなる。
電極材料としては、通常のP−PTCサーミスタの電極材料に用いられるものであれば、特に限定されることなく採用でき、例えばNiなどの金属箔を挙げることができる。その厚みは25〜35μm程度である。圧着は、例えば熱プレス機もしくは加圧ローラを用いて、130〜240℃程度の温度で行うことができる。
(打ち抜き工程)
打ち抜き工程S5は、成形工程S4によって得られた電極2、3に挟まれたシート状のサーミスタ素体1を適当な大きさ(例えば3.5mm×9mm)に打ち抜く工程である。この打ち抜き方法としては、通常のP−PTCサーミスタ素体を打ち抜く方法であれば特に限定されることなく用いることができる。
(リード接合工程)
リード接合工程S6は、上記打ち抜き工程によって打ち抜かれたサーミスタ素体1を挟んだ電極2、3の表面にそれぞれリード4,5を接合することによりP−PTCサーミスタ10を得る工程である。このリード接合方法としては、通常のP−PTCサーミスタの製造方法において用いられるものであれば特に限定されることなく用いることができる。
以上、本発明のP−PTCサーミスタの製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記成形工程において同時に行われる電極の圧着と成形とを別に行ってもよい。この場合、まず、水接触工程において得られたP−PTCサーミスタ組成物を加熱プレスすることによりシート状に成形してサーミスタ素体を得た後、一旦冷却し、続いて電極2、3をシート状成形物の厚さ方向の両側から挟んで熱圧着することにより電極をサーミスタ素体に接着させてもよい。こうすることにより電極とサーミスタ素体との間に高い密着力を得ることができる傾向にある。
この場合において、水接触工程を、混練物調製工程の次に行うことに代えて、もしくはそれに追加して、加熱プレスの後に行ってもよい。
また、必要に応じて成形工程で得られたサーミスタ素体中の熱可塑性樹脂を架橋させてもよい。架橋方法には、有機過酸化物をサーミスタ素体中に混入させ熱処理でラジカルを発生させ架橋反応を行う化学架橋、縮合可能なシランカップリング剤等を熱可塑性樹脂中に結合させ水の存在下で脱水縮合反応により架橋を行う水架橋、或いは、電子線やγ線を用いて架橋を行う放射線架橋等があるが、中でも電子線架橋を行うことが好ましい。この電子線架橋については、電子加速器を用いて、必要に応じて、適当な加速電圧及び電子線照射量を設定することができる、例えば、サーミスタ素体の全体に亘って均一に架橋させたい場合は、250kV以上、好ましくは1000kV以上の加速電圧を有する電子線を、40〜300KGy、好ましくは40〜200KGyの照射量で照射し、架橋させることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.927g/cm)60体積%と、導電性粒子としてフィラメント状ニッケル粒子(平均粒径:1μm)30体積%と、低分子有機化合物としてエチレンホモポリマー(密度:0.96g/cm)10体積%とを準備し、これらを150℃の条件で20分間、二軸押出機(PMT32−30、IKG株式会社製)中で混練した。続いて、この押出機の押し出し部に設置されているダイより押し出された混練物を約15gずつ切断した。
この際、得られた複数の混練物(ダイス)は、切断と同時に、水が入った容器内に落とされ、その水中に完全に浸漬された。その後、混練物をその水中に様々な所定時間(30分〜120時間)保存することにより水と接触させた。なお、水の電気伝導度は20℃において0.055μS/cmとなるように精製水(正起薬品工業株式会社製)に水道水を混合して調整した。この電気伝導度の測定にはCM−40S(TOA electronics Ltd.社製、商品名)を用いた。
その後、各所定時間経過毎に一部のサーミスタ組成物を水中より取り出し、150℃の加熱プレスにより厚さ0.8mmのシートに成形した。さらに得られたシートを30分間室温で自然冷却した後、片面が粗面化され金のフラッシュめっきを施されている厚さ30μmの電解ニッケル箔2枚を用いて、粗面下面をシートの方に向けてシートの厚さ方向で挟み、150℃で電極をシートに圧着した。このときの電極を含めたシート(P−PTCサーミスタ素体)の厚さは0.35mmであった。
次に、この電極で挟まれたP−PTCサーミスタ素体を電極と共に9mm×3.5mmの形状に打ち抜き、実施例1のP−PTCサーミスタを得た。
得られた各サーミスタの抵抗値測定を室温(25℃)において4端子法により行い、比抵抗値を求めた。その結果を図3および表1に示す。
Figure 2005086038
また、得られた各サーミスタの破壊電圧は、以下の方法により行った。まず、高純度ニッケルからなる2つの金属端子をサーミスタの両電極にそれぞれ接触させ、その間に4Vの電圧で10Aの電流を流した。次いで、次第に電圧を上昇させ、電極間が短絡することにより電流が急増したり時点における電圧を破壊電圧とした。この際、電圧及び電流の測定には菊水工業株式会社製のDIGITAL MULTIMETER MODEL 1502を用いた。その結果を図4および表2に示す。
Figure 2005086038
(実施例2〜5)
混練物の保存に用いる水の電気伝導度を0.055μS/cmに代えて、0.5〜100μS/cmとした以外は実施例1と同様にして実施例2〜5のP−PTCサーミスタを得た。得られた実施例2〜5の各サーミスタの抵抗値測定を室温(25℃)において4端子法により行い、比抵抗値を求めた。その結果を実施例2(0.2μS/cm)、実施例3(2μS/cm)、実施例4(50μS/cm)及び実施例5(100μS/cm)について図3および表1に示す。また、実施例1と同様の方法により破壊電圧を測定した。その結果を図4および表2に示す。
(実施例6)
熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンに代えて、PVDF(ポリフッ化ビニリデン、融点:145℃、比重:1.78g/cm)を用い、混練の温度及び加熱プレスの温度を150℃に代えて200℃とし、電極の圧着温度を室温に代えて200℃とした以外は実施例2と同様にして、実施例6のP−PTCサーミスタを得た。得られたサーミスタの抵抗値測定を室温(25℃)において4端子法により行い、比抵抗値を求めた。その結果を図3および表1に示す。また、実施例1と同様の方法により破壊電圧を測定した。その結果を図4および表2に示す。
(実施例7)
熱可塑性樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンに代えて、高密度ポリエチレン(HiZEX2100J、三井化学株式会社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、実施例7のP−PTCサーミスタを得た。このうち水中に96時間保存して得られたサーミスタの破壊電圧を、実施例1と同様にして測定したところ30Vであった。
(比較例1)
切断して得られた混練物(ダイス)を、直ちに加熱プレスにより厚さ0.8mmのシートに成形した以外は実施例1と同様にして、比較例1のP−PTCサーミスタを得た。得られた比較例1のサーミスタの抵抗値測定を室温(25℃)において4端子法により行い、比抵抗値を求めたところ、0.014Ω・cmであった。また、実施例1と同様の方法により破壊電圧を測定したところ、20Vであった。
(比較例2)
切断して得られた混練物(ダイス)を、直ちに加熱プレスにより厚さ0.8mmのシートに成形した以外は実施例6と同様にして、比較例2のP−PTCサーミスタを得た。得られた比較例2のサーミスタの抵抗値測定を室温(25℃)において4端子法により行い、比抵抗値を求めたところ、0.03Ω・cmであった。また、実施例1と同様の方法により破壊電圧を測定したところ、20Vであった。
本発明の実施形態のP−PTCサーミスタの基本構成を示す模式断面図である。 本発明の実施形態のP−PTCサーミスタを製造する手順の一例を示す概略フロー図である。 本発明の実施例のP−PTCサーミスタの比抵抗値を示すグラフである。 本発明の実施例のP−PTCサーミスタの破壊電圧を示すグラフである。
符号の説明
1…P−PTCサーミスタ素体、2…電極、3…電極、4…リード線、5…リード線、10…P−PTCサーミスタ。

Claims (15)

  1. 熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有している混練物を調製する混練物調製工程と、
    前記混練物を水に接触させる水接触工程と、を含むことを特徴とするP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  2. 前記水接触工程が、前記混練物を水中で保存する工程であることを特徴とする請求項1記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  3. 前記水接触工程が、前記混練物を水流中で保存する工程であることを特徴とする請求項2記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  4. 前記水接触工程が、前記混練物に水を噴射することにより接触させる工程であることを特徴とする請求項1記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  5. 前記水接触工程において用いる水が、20℃で50μS/cm以下の電気伝導度を示すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  6. 前記混練物を水に1〜96時間接触させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  7. 前記導電性粒子として、ニッケルを主成分とする粒子を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  8. 前記導電性粒子として、フィラメント状の粒子を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂として、ポリオレフィン系結晶性ポリマーを用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  10. 前記ポリオレフィン系結晶性ポリマーが直鎖状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項9記載のP−PTCサーミスタ組成物の製造方法。
  11. 熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有している混練物を調製する混練物調製工程と、
    前記混練物を水に接触させる水接触工程と、により得られることを特徴とするP−PTCサーミスタ組成物。
  12. 重量平均分子量が100〜2000である低分子有機化合物を含有することを特徴とする請求項11記載のP−PTCサーミスタ組成物。
  13. 熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する混練物を調製する混練物調製工程と、前記混練物を水に接触させる水接触工程と、
    前記P−PTCサーミスタ組成物をシート状に成形する成形工程と、により得られることを特徴とするP−PTCサーミスタ素体。
  14. 互いに対向した状態で配置された1対の電極と、前記1対の電極の間に配置されたP−PTCサーミスタ素体と、を備え、
    前記P−PTCサーミスタ素体は、熱可塑性樹脂と導電性粒子とを少なくとも含有する混練物を調製する混練物調製工程と、前記混練物を水に接触させる水接触工程と、前記P−PTCサーミスタ組成物をシート状に成形する成形工程と、により得られ、
    正の抵抗−温度特性を有することを特徴とするP−PTCサーミスタ。
  15. 互いに対向した状態で配置された1対の電極と、前記1対の電極の間に配置されたP−PTCサーミスタ素体と、を備え、
    前記P−PTCサーミスタ素体は、熱可塑性樹脂と、ニッケルを主成分とする粒子と、を含有し、
    正の抵抗−温度特性を有し、
    比抵抗値が4×10−2Ω・cm以下であり、
    破壊電圧が30V以上であることを特徴とするP−PTCサーミスタ。
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