JP3911345B2 - 有機質正特性サーミスタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機質正特性サーミスタに関し、さらに詳細には、昇温により急激に抵抗値が増大する現象、すなわちPTC( positive temperature coefficient of resistivity )特性を有する有機質正特性サーミスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性重合体(ポリマー)に、カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末、または、金属粉末等の導電性粒子を混練、分散させたPTC特性を示す有機質正特性サーミスタは、この分野では公知であり、例えば、米国特許第3243753号明細書および同3351882号明細書等に開示されている。抵抗値の増大は、結晶性重合体が融解に伴って膨張し、導電性微粒子の導電経路を切断するためと考えられている。
【0003】
有機質正特性サーミスタは、自己温度制御型ヒーターや温度検出器センサー、過電流保護素子として利用することができる。これに要求される特性として、室温(非動作時)の初期抵抗値が充分低いこと、初期抵抗値と動作時の抵抗の変化率が大きいこと、繰り返し動作によってもその特性が安定していることが挙げられる。一般に、有機質正特性サーミスタでは、動作時に結晶性重合体の融解を伴うので、冷却されたときに導電性粒子の分散状態が変化し、初期抵抗値が上昇し、抵抗変化率が減少することが知られている。
【0004】
従来の有機質正特性サーミスタでは、導電性粒子としてカーボンブラックが多く用いられてきた。しかしながら、初期抵抗値を下げるためにカーボンブラックの充填量を多くすると充分な抵抗変化率が得られず、逆に、充填量を少なくして充分な抵抗変化率を得ると初期抵抗値が高すぎて実用に適さないという問題があった。また、一般の金属粒子を導電性粒子に用いた例もあるが、カーボンブラック同様、低い初期抵抗値と大きな抵抗変化率とを両立させることは困難であった。
【0005】
上記の欠点を解決する方法として、スパイク状の突起を有する導電性粒子を用いる方法が特開平5−47503号公報に開示されている。より具体的には、結晶性重合体としてポリフッ化ビニリデンを用い、スパイク状の突起を有する導電性粒子としてはスパイク状Niパウダーを用いたもので、これにより、低い初期抵抗と大きな抵抗変化との両立を図ることができるとされている。しかしながら、このものは繰り返し動作に対する特性の安定性が不充分である。また、ポリフッ化ビニリデンを用いる場合、動作温度は160℃程度である。しかし、2次電池、電気毛布、便座、車両用シート用のヒーター等の保護素子としての用途を考えた場合、100℃以上の動作温度では人体への危険性が大きい。人体に対しての安全性を考えた場合、動作温度は100℃未満、特に60〜70℃程度が必要である。
【0006】
また、米国特許第5378407号明細書にも、スパイク状の突起を有するフィラメント形状のNiと、ポリオレフィン、オレフィン系コポリマー、あるいはフルオロポリマーとを用いたものが開示されている。このものは、低い初期抵抗と、大きな抵抗変化と、繰り返し動作に対する特性の安定性は十分であるとされている。しかし、実施例で用いられている高密度ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデンポリマーでは、動作温度はそれぞれ130℃、160℃前後である。なお、この明細書には、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー等も使用可能とされている。しかし、実施例は存在しない。これらのポリマーは、動作温度が100℃未満であるが、本発明者により、繰り返し動作により特性が不安定になることが確認された。
【0007】
なお、米国特許第4545926号明細書に開示されたものも、球状、フレーク状、棒状のNiと、ポリオレフィン、オレフィン系コポリマー、ハロゲン化ビニル、ビニリデンポリマーを用いている。実施例の中で、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマーが動作温度100℃未満であり、他のポリマーは100℃超の動作温度である。しかし、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマーは、前記の通り、繰り返し動作により特性が不安定になる。
【0008】
動作温度が100℃未満であり、かつ、低い初期抵抗と大きな抵抗変化とを両立させる方法として、本発明者は、重量平均分子量2,000,000以上のポリエチレンオキサイドと、スパイク状の突起を有する導電性粒子とを混練した有機質正特性サーミスタを特願平8−332979号公報で提案している。このものは優れたPTC特性を示し、60〜70℃で動作し、非動作時(室温)の初期抵抗が低く、動作時における抵抗の立ち上がりが急峻であり、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が大きく、繰り返し動作によってもその特性が安定している。
【0009】
しかしながら、高湿度環境下では特性が不安定であるという問題があり、後述の実施例で明らかになるであろうが、80℃80%RHの耐湿性試験では50時間で、大幅な特性劣化が見られる。ポリエチレンオキサイドは水溶性なので、水が吸着したり、重合体の中へ拡散したりしてしまって、特性が劣化するのである。高温で処理し、水を蒸発させると特性が元に戻ることからも、サーミスタの劣化が耐水性の問題であることがわかる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、人体に危険性のない60〜70℃で動作し、非動作時(室温)の初期抵抗が低く、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が大きく、耐湿性にも優れた有機質正特性サーミスタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0012】
(1) 重量平均分子量が2,000,000以上であるポリエチレンオキサイドと、非水溶性低分子有機化合物と、スパイク状の突起を有する導電性粒子とを含有する有機質正特性サーミスタ。
(2) 前記非水溶性低分子有機化合物の融点が40〜100℃である上記(1)の有機質正特性サーミスタ。
(3) 前記非水溶性低分子有機化合物の分子量が1,000以下である上記(1)または(2)の有機質正特性サーミスタ。
(4) 前記非水溶性低分子有機化合物がワックスまたは水素結合可能な官能基をもつものである上記(1)〜(3)のいずれかの有機質正特性サーミスタ。
(5) 前記水素結合可能な官能基がカルバモイル基または水酸基である上記(4)の有機質正特性サーミスタ。
(6) 前記スパイク状の突起を有する導電性粒子が鎖状に連なっている上記(1)〜(5)のいずれかの有機質正特性サーミスタ。
【0013】
【作用】
本発明では、60〜70℃で動作し、非動作時(室温)の初期抵抗が低く、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が大きいスパイク状の突起を有する導電性粒子−ポリエチレンオキサイド系有機質サーミスタに、さらに非水溶性低分子有機化合物を含有させることにより、その優れたPTC特性をほぼ維持したまま、耐湿性が大幅に向上する。
【0014】
なお、特開昭61−181859号公報には、結晶性ポリアルキレンオキサイドと、側鎖または/および主鎖に、カルボキシル基または/およびカルボン酸の無水基を含有する変性ポリオレフィンと、導電性カーボンブラックまたは/および黒鉛とからなることを特徴とする正の温度係数特性を有する導電性重合体組成物が開示されている。この構成とすることで、PTC特性が実質的に損なわれることなく、耐湿性が向上するとされている。しかしながら、耐湿性試験は40℃90%RH、240時間で行われており、通常の使用条件下での耐湿性を判定するには不十分である。上記の加速条件では、後述する絶対湿度換算で、東京では半年以下、那覇では3ヶ月以下の湿度寿命にしか相当しない。後述の実施例で明らかになるであろうが、本発明の有機質正特性サーミスタは、80℃80%RHの加速条件で500時間以上もつので、東京で20年以上、那覇で10年以上の湿度寿命をもつ。また、上記公報の実施例には、耐湿性試験前の特性が示されておらず、試験による劣化がどれくらいかは不明である。また、導電性粒子としてカーボンブラックやグラファイトを用いており、本発明のように低い初期抵抗と大きな抵抗変化率とを両立させてはいない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
本発明の有機質正特性サーミスタは、ポリエチレンオキサイド(PEO)と、スパイク状の突起を有する導電性粒子と、非水溶性低分子有機化合物とを混練したものである。
【0017】
これにより、60〜70℃で動作し、非動作時(室温)の初期抵抗が低く、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が大きく、かつ、高湿度環境下における特性劣化が大幅に抑制される。
【0018】
本発明では、スパイク状の突起を持つ導電性粒子を用いることで、その形状のため、トンネル電流が流れやすくなり、球状の導電性粒子と比較して低い初期抵抗が得られる。また、導電性粒子間の間隔が球状のものに比べて大きいため、動作時には大きな抵抗変化が得られる。
【0019】
結晶性重合体としては、ポリエチレンオキサイド、好ましくは重量平均分子量Mwが200万以上のものを用いることで、繰り返し動作時の特性変化が臨界的に少なくなる。この理由は現段階では明らかではないが、結晶性重合体の導電性粒子に対する濡れ性が向上して分散がより均一になり、加熱冷却による結晶性重合体の結晶状態および混合物の分散状態の変化が抑制されるためと思われる。
【0020】
さらに、非水溶性低分子有機化合物を含有させることで、耐湿性が大幅に向上する。これは、水溶性のポリエチレンオキサイドと非水溶性の低分子有機化合物とがミクロ相分離構造をとり、ポリエチレンオキサイドへ水蒸気が侵入したり、ポリエチレンオキサイドに水が吸着したり、重合体の中へ拡散したりするのが防止されるためと考えられる。
【0021】
本発明に用いるポリエチレンオキサイドは、重量平均分子量Mw2,000,000以上のものが好ましく、特にMw3,000,000〜6,000,000のものが好ましい。Mwが2,000,000未満では、溶融時の粘度が低すぎて導電性粒子の分散性が悪化してしまい、非動作時(室温)の初期抵抗を低くすることが困難になる傾向がある。
【0022】
Mw2,000,000以上のポリエチレンオキサイドは、融点60〜70℃程度で、密度1.15〜1.22g/cm3程度である。
【0023】
本発明に用いる導電性粒子は、1個、1個が鋭利な突起をもつ一次粒子から形成されており、粒径の1/3〜1/50の高さの円錘状のスパイク状の突起が1個の粒子に複数(通常10〜500個)存在するものである。その材質は金属、特にNiが好ましい。
【0024】
このような導電性粒子は、1個、1個が個別に存在する粉体であってもよいが、一次粒子が10〜1000個程度鎖状に連なり二次粒子を形成していることが好ましい。鎖状のものには、一部一次粒子が存在していてもよい。前者の例としては、スパイク状の突起をもつ球状のニッケルパウダがあり、市販されているものとして、商品名INCO Type 123ニッケルパウダ(インコ社製)がある。その平均粒径は3〜7μm 程度、見かけの密度は1.8〜2.7g/cm3程度、比表面積は0.34〜0.44m2/g程度である。
【0025】
また、好ましく用いられる後者の例としては、フィラメント状ニッケルパウダがあり、市販されているものとして、商品名INCO Type 210、215、255、270、287ニッケルパウダ(インコ社製)がある。このうち、INCO Type 255、270、287が特に好ましい。そして、その一次粒子の平均粒径は、好ましくは0.1μm 以上、特に0.5〜4.0μm程度が好ましい。一次粒子の平均粒径は1.0〜4.0μmが最も好ましく、これに平均粒径0.1μm 以上1.0μm未満のものを50重量%以下混合してもよい。また、見かけの密度は0.3〜1.0g/cm3程度、比表面積は0.4〜2.5m2/g程度である。なお、この場合の平均粒径はフィッシュー・サブシーブ法で測定したものである。
【0026】
このような導電性粒子については、特開平5−47503号公報、米国特許第5378407号明細書に記載されている。
【0027】
非水溶性低分子有機化合物としては、分子量1000程度まで、好ましくは200〜800のものであれば特に制限はないが、常温(25℃程度の温度)で固体であるものが好ましい。低分子有機化合物の融点mpは40〜100℃であることが好ましい。
【0028】
このようなものとしては、ワックス(具体的には、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックスのような天然ワックス等)、油脂(具体的には、脂肪または固体脂と称されるもの)などがある。ワックスや油脂の成分は、炭化水素(具体的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素等)、脂肪酸(具体的には、炭素数12以上のアルカン系の直鎖炭化水素の脂肪酸等)、脂肪酸エステル(具体的には、炭素数20以上の飽和脂肪酸とメチルアルコール等の低級アルコールとから得られる飽和脂肪酸のメチルエステル等)、脂肪酸アミド(具体的には、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド等)、脂肪族アミン(具体的には、炭素数16以上の脂肪族第1アミン)、高級アルコール(具体的には、炭素数16以上のn−アルキルアルコール)などであるが、これら自体を単独で低分子有機化合物として用いることができる。
【0029】
非水溶性低分子有機化合物としては、ワックスまたは水素結合可能な官能基を有するもの、特に水素結合可能な官能基を有するものが均一な混合状態が得られ、製造も容易なので好ましい。炭化水素、主に炭化水素からなる石油系ワックス等を用いると、均一な分散が難しくなり、プレス成形時に低分子化合物が分離することがある。水素結合可能な官能基を有するものは、ポリエチレンオキサイドのエーテル酸素に水素結合するので、低分子化合物の分離は起こりにくい。水素結合可能な官能基としてはアミノ基、好ましくはカルバモイル基、水酸基等が挙げられる。
【0030】
これらの低分子有機化合物は、市販されており、市販品をそのまま用いることができる。これらは1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
【0031】
このようなものとしては、パラフィンワックス(例えば、テトラコサンC24H50;mp49〜52℃、ヘキサトリアコンタンC36H74;mp73℃、商品名HNP−10(日本精蝋社製);mp75℃、HNP−3(日本精蝋社製);mp66℃など)、マイクロクリスタリンワックス(例えば、商品名Hi−Mic−1080(日本精蝋社製);mp83℃、Hi−Mic−1045(日本精蝋社製);mp70℃、Hi−Mic2045(日本精蝋社製);mp64℃、Hi−Mic3090(日本精蝋社製);mp89℃、セラッタ104(日本石油精製社製);mp96℃、155マイクロワックス(日本石油精製社製);mp70℃など)、脂肪酸(例えば、ベヘン酸(日本精化製);mp81℃、ステアリン酸(日本精化製);mp72℃、パルミチン酸(日本精化製);mp64℃など)、脂肪酸エステル(例えば、アラキン酸メチルエステル(東京化成製);mp48℃など)、脂肪酸アミド(例えば、オレイン酸アミド(日本精化製);mp76℃)などがある。また、パラフィンワックスに樹脂類を配合した配合ワックスやこの配合ワックスにマイクロクリスタリンワックスを混合したものであって融点を40〜100℃にしたものも用いることができる。
【0032】
本発明の非水溶性低分子有機化合物は、1種のみを用いても2種以上を併用してもかまわない。
【0033】
本発明の有機質正特性サーミスタは、ポリエチレンオキサイド結晶性重合体と非水溶性低分子有機化合物とが別々に分散して存在する海島構造をしていると考えられる。
【0034】
本発明におけるポリエチレンオキサイド結晶性重合体と非水溶性低分子有機化合物との混合比は、ポリエチレンオキサイド1に対して非水溶性低分子有機化合物2〜40重量%、特に5〜30重量%であることが好ましい。この比率が小さくなって非水溶性低分子有機化合物が少なくなりすぎると、耐湿性の向上が見られなくなる。また、この比率が大きくなって非水溶性低分子有機化合物が多くなりすぎると、ポリエチレンオキサイドの融点における充分な抵抗の増大が得られなくなり、また、素子の強度が減少してくる。
【0035】
導電性粒子は、重量比で、ポリエチレンオキサイド結晶性重合体と非水溶性低分子有機化合物との合計量の2〜5倍であることが好ましい。導電性粒子が少なくなりすぎると、非動作時の初期抵抗を充分に低くすることができなくなる。また、導電性粒子が多くなりすぎると、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が小さくなる上、混練が困難になる。
【0036】
また、必要に応じて各種添加剤を用いてもよい。添加剤としては、フェノール類、有機イオウ類、フォスファイト類等の酸化防止剤、重合物のブレンド助剤(相溶化剤)等が用いられる。ブレンド助剤として、エチレンオリゴマー骨格にポリエチレンオキサイド側鎖が複数結合しているものが挙げられる。添加剤は1種を用いても、2種以上を併用してもよい。含有量は、重量比で、ポリエチレンオキサイド結晶性重合体と非水溶性ポリマーとの合計量の0.1〜10重量%程度であることが好ましい。
【0037】
ポリエチレンオキサイドと導電性粒子と非水溶性低分子有機化合物との混練は、公知の方法により行えばよく、例えばミルやロール等により5〜90分間程度混練する。混練温度は、通常、ポリマーの融点以上の温度、好ましくは融点より5〜40℃高い温度で行えばよい。
【0038】
また、溶液法でポリエチレンオキサイドと、導電性粒子と、非水溶性低分子有機化合物とを混合してもよい。この場合、ポリエチレンオキサイドが溶解する溶媒を用いて非水溶性低分子有機化合物と導電性粒子とを分散させる方法と、非水溶性低分子有機化合物が溶解する溶媒を用いてポリエチレンオキサイドと導電性粒子とを分散させる方法と、ポリエチレンオキサイドと非水溶性低分子有機化合物とが溶解する溶媒を用いて導電性粒子を分散させる方法がある。
【0039】
ポリエチレンオキサイドと導電性粒子と非水溶性低分子有機化合物との混練物は、所定の厚さのシート形状にプレス成型し、その後、金属電極を熱圧着してサーミスタ素子とする。成型は、注入法、押し出し法等で行えばよい。金属電極はCu、Ni等が好ましい。また、プレス成型と電極形成とを同時に行ってもよい。
【0040】
成型後に、必要に応じて架橋処理を施してもよい。架橋方法は、放射線架橋、有機過酸化物による化学架橋、シランカップリング剤をグラフト化しシラノール基の縮合反応による水架橋等が用いられる。
【0041】
本発明の有機質正特性サーミスタは、60〜70℃で動作し、非動作時における初期抵抗が低く、その室温比抵抗値は10-2〜10-1Ω・cm程度であり、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が7〜11桁程度と大きい。その上、耐湿性に優れており、東京で20年以上、那覇で10年以上の湿度寿命をもつ。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例とともに示し、本発明を具体的に説明する。
【0043】
<実施例1>
結晶性重合体としてポリエチレンオキサイド(住友精化製、重量平均分子量4,300,000〜4,800,000、融点67℃)、低分子非水溶性有機化合物としてオレイン酸アミド(日本精化製、商品名ニュートロンP)、導電性粒子として鎖状のフィラメント状ニッケルパウダ(INCO社製、商品名Type255ニッケルパウダ)を用いた。導電性粒子の平均粒径は2.2〜2.8μm 、見かけの密度は0.5〜0.65g/cm3、比表面積は0.68m2/gである。
【0044】
ポリエチレンオキサイドに、オレイン酸アミドをポリエチレンオキサイドの20重量%、ニッケルパウダをポリエチレンオキサイドの4倍重量、フェノール系および有機イオウ系酸化防止剤(住友化学製、商品名スミライザー−BHTおよびTP−D)をポリエチレンオキサイドの0.5重量%加え、ミル中、80℃で10分間混練した。
【0045】
この混練物の両面をNi箔電極(30μm厚)で挟み、混練物にNi箔を圧着するとともに、混練物を成型し、全体で1mm厚のプレス成型品を得た。これを直径10mmのディスク状に打ち抜いて、サーミスタ素子を得た。このサーミスタ素子の断面図を図1に示す。図1に示されるように、サーミスタ素子はNi箔から形成された電極11間に、結晶性重合体と導電性粒子と非水溶性重合体との混練成形シートであるサーミスタ素体12を挟み込んだものである。
【0046】
このサンプルを恒温槽内で加熱、冷却し、所定の温度で、4端子法で抵抗値を測定して温度−抵抗曲線を得た。この結果を図2に示す。
【0047】
室温(25℃)抵抗値は3mΩ(2.3×10-2Ω・cm)で、ポリエチレンオキサイドの融点67℃付近で抵抗の急激な上昇が見られ、最大抵抗値は8.9×107Ω(7.0×108Ω・cm)となり、抵抗変化率は10.5桁であった。
【0048】
(耐湿性試験)
得られたサーミスタサンプルを、80℃80%RHに設定した恒温恒湿槽に放置し、耐湿性試験を行った。各放置時間における室温抵抗と抵抗変化率を図3に示す。500時間まで室温(25℃)抵抗値は10mΩ以下、抵抗変化率は8桁以上であり、充分なPTC特性が保たれていた。
【0049】
80℃80%RH、500時間の耐湿性試験は、絶対湿度換算で、東京では20年以上、那覇では10年以上の湿度寿命に相当する。絶対湿度換算について、80℃80%RH条件下での寿命から25℃60%RH条件下での寿命への計算を例にして説明する。80℃80%RHの絶対湿度は232.5g/m3、25℃60%RHの絶対湿度は13.8g/m3である。加速定数は2として、次の計算式で求める。
(232.5/13.8)2≒283.85
この場合、80℃80%RH条件下での寿命が500hrであれば、25℃60%RH条件下での寿命は
500hr×283.85=141925hr≒5914日≒16.2年
となる。東京、那覇の湿度は、月々の平均相対湿度を絶対湿度換算し、その合計を年間の湿度とした。
【0050】
<実施例2>
低分子非水溶性有機化合物としてエルカ酸アミド(日本精化製、商品名ニュートロン−S)を用いた他は実施例1と同様にしてサンプルを得た。そして、実施例1と同様にして温度−抵抗曲線を得、耐湿性試験を行った。
【0051】
このサンプルの室温(25℃)抵抗値は5mΩ(3.9×10-2Ω・cm)で、ポリエチレンオキサイドの融点67℃付近で抵抗の急激な上昇が見られ、最大抵抗値は9.2×106Ω(7.2×107Ω・cm)となり、抵抗変化率は9.3桁であった。
【0052】
80℃80%RH耐湿性試験では、500時間後の室温抵抗値は8mΩ、抵抗変化率は7.5桁であり、充分なPTC特性が保たれていた。
【0053】
<実施例3>
低分子非水溶性有機化合物としてマイクロクリスタリンワックス(日本精蝋製、商品名Hi−Mic−1045)を用い、さらに下記の相溶化剤I(住友化学工業製、商品名スミエード300)をポリエチレンオキサイドとマイクロクリスタリンワックスの合計重量の2重量%加えた他は実施例1と同様にしてサンプルを得た。そして、実施例1と同様にして温度−抵抗曲線を得、耐湿性試験を行った。
【0054】
【化1】
【0055】
このサンプルの室温(25℃)抵抗値は2mΩ(1.6×10-2Ω・cm)で、ポリエチレンオキサイドの融点67℃付近で抵抗の急激な上昇が見られ、最大抵抗値は8.0×107Ω(6.3×108Ω・cm)となり、抵抗変化率は10.6桁であった。
【0056】
80℃80%RH耐湿性試験では、500時間後の室温抵抗値は7mΩ、抵抗変化率は8.3桁であり、充分なPTC特性が保たれていた。
【0057】
<実施例4>
低分子非水溶性有機化合物としてベヘン酸(日本精化製)を用いた他は実施例1と同様にしてサンプルを得た。そして、実施例1と同様にして温度−抵抗曲線を得、耐湿性試験を行った。
【0058】
このサンプルの室温(25℃)抵抗値は3mΩ(2.3×10-2Ω・cm)で、ポリエチレンオキサイドの融点67℃付近で抵抗の急激な上昇が見られ、最大抵抗値は7.2×106Ω(5.7×107Ω・cm)となり、抵抗変化率は9.4桁であった。
【0059】
80℃80%RH耐湿性試験では、500時間後の室温抵抗値は9mΩ、抵抗変化率は7.7桁であり、充分なPTC特性が保たれていた。
【0060】
<比較例1>
実施例1と同じポリエチレンオキサイドに、実施例1と同じフェノール系および有機イオウ系酸化防止剤をポリエチレンオキサイドの0.5重量%、実施例1と同じ鎖状のフィラメント状ニッケルパウダをポリエチレンオキサイドの4倍重量加え、ミル中、80℃で10分間混練した。そして、実施例1と同様にして、この混練物の両面にNi電極を圧着して、サンプルを得た。
【0061】
実施例1と同様にしてこのサンプルの温度−抵抗曲線を得た。このサンプルの室温(25℃)抵抗値は6mΩ(4.7×10-2Ω・cm)で、ポリエチレンオキサイドの融点67℃付近で抵抗の急激な上昇が見られ、最大抵抗値は6.0×107Ω(4.7×108Ω・cm)となり、抵抗変化率は10.0桁であった。
【0062】
実施例1と同様にして、80℃80%RHでこのサンプルの耐湿性試験を行った。各放置時間における室温抵抗と抵抗変化率を図4に示す。50時間で室温(25℃)抵抗値は2桁以上も上昇し、抵抗変化率は6桁以下に減少した。100時間で室温抵抗値は初期から6桁以上も上昇し、抵抗変化率は2桁以下に減少した。このように50時間でも大幅な特性の劣化が見られた。
【0063】
本発明の有機質正特性サーミスタは、60〜70℃で動作し、非動作時(室温)の初期抵抗が低く、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が大きいスパイク状の突起を有する導電性粒子−ポリエチレンオキサイド系有機質サーミスタの優れたPTC特性をほぼ維持しており、その上、耐湿性が大幅に向上していることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、人体に危険性のない60〜70℃で動作し、非動作時(室温)の初期抵抗が低く、非動作時から動作時にかけての抵抗変化率が大きく、耐湿性にも優れた有機質正特性サーミスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機質正特性サーミスタのサンプルの概略断面図である。
【図2】実施例1のサンプルの温度−抵抗曲線である。
【図3】実施例1のサンプルの80℃80%RH耐湿性試験の各放置時間における室温抵抗と抵抗変化率である。
【図4】比較例1のサンプルの80℃80%RH耐湿性試験の各放置時間における室温抵抗と抵抗変化率である。
【符号の説明】
11 電極
12 サーミスタ素体
Claims (6)
- 重量平均分子量が2,000,000以上であるポリエチレンオキサイドと、非水溶性低分子有機化合物と、スパイク状の突起を有する導電性粒子とを含有する有機質正特性サーミスタ。
- 前記非水溶性低分子有機化合物の融点が40〜100℃である請求項1の有機質正特性サーミスタ。
- 前記非水溶性低分子有機化合物の分子量が1,000以下である請求項1または2の有機質正特性サーミスタ。
- 前記非水溶性低分子有機化合物がワックスまたは水素結合可能な官能基をもつものである請求項1〜3のいずれかの有機質正特性サーミスタ。
- 前記水素結合可能な官能基がカルバモイル基または水酸基である請求項4の有機質正特性サーミスタ。
- 前記スパイク状の突起を有する導電性粒子が鎖状に連なっている請求項1〜5のいずれかの有機質正特性サーミスタ。
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