JPH099481A - 過電流保護回路素子 - Google Patents

過電流保護回路素子

Info

Publication number
JPH099481A
JPH099481A JP7147797A JP14779795A JPH099481A JP H099481 A JPH099481 A JP H099481A JP 7147797 A JP7147797 A JP 7147797A JP 14779795 A JP14779795 A JP 14779795A JP H099481 A JPH099481 A JP H099481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protection circuit
overcurrent protection
circuit element
conductive
ptc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7147797A
Other languages
English (en)
Inventor
Kihachiro Nishiuchi
紀八郎 西内
Taro Yamazaki
太郎 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP7147797A priority Critical patent/JPH099481A/ja
Publication of JPH099481A publication Critical patent/JPH099481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】室温での低い抵抗率と、良好なスイッチング比
とを有し、繰り返し使用に対して安定性のあるPTC過
電流保護回路素子を提供する。 【構成】PTC導電性組成物1と、PTC導電性組成物
1に接触した少なくとも2つの電極2を有してなる過電
流保護回路素子において、前記電極2がニッケル箔であ
り、前記ニッケル箔には、PTC導電性組成物1との接
触面に、粗面化ニッケルメッキが施されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正温度係数(PTC;
Positive Temperature Coefficient)を示す導電性組成
物(以下「PTC導電性組成物」という)の分野に関
し、特に、PTC導電性組成物を用いた過電流保護回路
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PTC導電性組成物には、Y2 3 等を
微量添加したチタン酸バリウム(BaTiO3 )等の無
機組成物や、結晶性有機ポリマーマトリックスに導電性
粒子を分散した有機組成物(例えば特開昭46−272
4号公報参照)がある。有機組成物を例にとって説明す
れば、ポリマーマトリックスの結晶融点よりも低い温度
にある間は、導電性粒子はポリマーマトリックスの非結
晶領域のみに存在し、導電性粒子相互に接続された鎖を
通って移動する電子により低い抵抗率を示す。温度が上
昇しポリマーマトリックスが溶融し始めると、ポリマー
マトリックスの粘度を保ったまま非結晶相の体積が相対
的に増加するため、非結晶相の導電性粒子の濃度が部分
的に減少し、その結果抵抗率が上昇する(正温度特
性)。さらに温度が上昇すると、ポリマーマトリックス
の粘度が減少し、導電性粒子は全体的に非結晶になった
中を自由に動き回り、再配列して十分な導電性を示すよ
うになる(負温度特性)。
【0003】PTC導電性組成物の正温度特性は、前記
のポリマーマトリックスが溶融し始める温度領域(スイ
ッチング温度という)で生じるもので、この正温度特性
を利用して、PTC導電性組成物は、各種抵抗発熱体に
利用されている。PTC導電性組成物に関する基礎的な
文献としては、例えばポリマー・エンジニアリング・ア
ンド・サイエンス,Vol 13, No.6 November, 1973 があ
り、製造方法まで詳細に開示した文献として特公昭64
−3322号公報がある。後者の文献では、導電性粒子
としてカーボンブラックを用い、ポリマーマトリックス
として結晶性熱可塑性ポリマー(例えば、ポリエチレ
ン、エチレン/アクリル酸コポリマー、ポリプロピレ
ン、ポリビニリデンフルオリド)を用いたPTC導電性
組成物を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PTC
導電性組成物はマトリックスの温度による体積変化が大
きいため、温度が変わると、導電性粒子のマトリックス
中での接触状態や配列状態に変化を生じる。この傾向は
繰り返し使用することによって、時として一層顕著に現
れ、その結果、スイッチング温度が変わって、所期の特
性を示さなくなったり、スイッチング温度以下での室温
抵抗率が悪化(上昇)して素子が昇温し制御性が低下し
て発火したりするという問題があった。
【0005】また、かかる従来のPTC導電性組成物に
電極を接触させた回路素子においては、その製造工程で
のわずかな膜厚のバラツキ、導電性粒子の分散のバラツ
キ、硬化乾燥条件のバラツキなどで抵抗値や特性に変化
を生じ、多くの不良が発生し歩留りが悪いという問題点
もあった。したがって、サーミスタ等の回路素子として
の利用には難点があり、従来では、面状発熱体等の限ら
れた用途しか展開できなかった(特開平6−15782
7号公報参照)。
【0006】しかし、PTC導電性組成物を使用したサ
ーミスタ等の回路素子は、小型で肉薄に作ることがで
き、電流容量も大きいので、例えば、電池の内部に組み
込んで電池の過放電を防止するという用途に最適であ
る。このため、最近では注目されており、動作の安定し
たものの出現が望まれている。そこで、本発明の目的
は、室温では低い抵抗率を示し、かつ良好なスイッチン
グ比を有する過電流加熱保護のための回路素子を提供す
ることである。
【0007】さらに本発明の他の目的は、繰り返し使用
に対して安定で、かつ再現性の良好なPTC効果を有す
る過電流加熱保護のための回路素子を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】前記の目的を達
成するための本発明の過電流保護回路素子は、PTC導
電性組成物と、PTC導電性組成物に接触した少なくと
も2つの電極を有してなる過電流保護回路素子におい
て、前記電極がニッケル箔であり、前記ニッケル箔に
は、PTC導電性組成物との接触面に、粗面化ニッケル
メッキが施されているものである(請求項1)。
【0009】また、本発明の過電流保護回路素子は、P
TC導電性組成物と、少なくとも2つの電極を有してな
る過電流保護回路素子であって、前記電極がニッケル箔
であり、前記ニッケル箔とPTC導電性組成物との間
に、PTC特性を示さない導電性薄膜が介在され、前記
ニッケル箔には、導電性薄膜との接触面に、粗面化ニッ
ケルメッキが施されているものであってもよい(請求項
2)。
【0010】本発明の過電流保護回路素子は、過電流に
よる過熱を保護する保護回路素子であるので、常温での
抵抗は、通常の発熱素子よりさらに低抵抗にする必要が
ある。本発明の過電流保護回路素子の常温25℃におけ
る固有抵抗率は10Ω・cmよりも小さく、好ましくは
3Ω・cmよりも小さいものを必要とする。そのために
はPTC導電性組成物の選択はいうに及ばず、電極の選
択が大きい要素となる。本発明では、これまでに従来用
いられていなかった、粗面化ニッケルメッキを施したニ
ッケル箔を使用する。粗面化ニッケルメッキを施したニ
ッケル箔とは、例えば厚さ10−300μm程度、好ま
しくは15−80μm程度のニッケル箔の片面にニッケ
ルメッキをことさらに凹凸をつけた形で施したものであ
る。
【0011】凹凸があるために表面の指触ではばらつき
を感じ、目視では暗黒色である。この処理電極を用いる
ことにより、PTC導電性組成物と電極との接触面積を
大きくでき、密着性が良好になるために従来よりも低抵
抗の過電流保護回路素子が得られる。この粗面化ニッケ
ルメッキとは、ニッケル箔面に金網、パンチングメタ
ル、スクリーン印刷に用いる樹脂シート等を密着させて
固定し、電気メッキ法又は化学メッキ法でニッケルメッ
キを施したものである。
【0012】前記金網、パンチングメタル、スクリーン
印刷に用いる樹脂シート等は、あらかじめインキや塗料
で空隙率(全体の面積に対する孔の面積の割合)を調整
しておいてもよい。電気メッキ法は、硫酸ニッケル、塩
化ニッケル、ほう酸の水溶液や、硫酸ニッケル、塩化ア
ンモニウム、ほう酸等の水溶液の浴を調整して、酸性、
所定温度条件下で、電流を流して行う。化学メッキ法
は、硫酸ニッケル、次亜りん酸ナトリウム、場合により
乳酸、プロピオン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、塩化ナトリウムを少量添加した化学メッキ浴で酸
性又はアルカリ性、所定温度の条件下で行う。
【0013】メッキ施工後、前記金網、パンチングメタ
ル、スクリーン印刷に用いる樹脂シート等を剥がす。こ
の結果、図2に示すように、ニッケル箔面に細かな凹凸
が付着し、光を乱反射させるようになる。この凹凸のピ
ッチは、前記金網、パンチングメタル、スクリーン印刷
に用いる樹脂シート等の孔のピッチで決まり、このピッ
チは、22μm−5mm、好ましくは30μm−850
μm程度である。また、凹凸の深さは2−15μm、好
ましくは3−8μm、より好ましくは5μm程度であ
る。
【0014】前記PTC導電性組成物には、Y2 3
を微量添加したBaTiO3 ,BaPbTiO3 ,Ba
SrTiO3 等の無機組成物や、有機組成物があげられ
る。有機組成物は、熱可塑性樹脂に導電性粒子が分散さ
れた組成物であって、ポリマーの結晶融点よりも少し低
い温度範囲において正温度係数(PTC)を示すもので
ある(請求項3)。
【0015】前記熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、ABS、ポリア
ミド、ポリアリレン類、PPS、PES、PEEK、ポ
リオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポロ
ブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエチレン等のポ
リエステル類、ポリカーボネート類、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、それら熱可
塑性樹脂のコポリマー類及びグラフト変成物の中から選
ばれる単一ポリマー若しくは2種若しくはそれ以上のポ
リマーの混合物をあげることができる。なお、ポリオレ
フィン類を使用する場合には、本組成物に電子線架橋を
施すこともできる。
【0016】前記導電性粒子は、無定形炭素粒子である
導電性カーボンブラック、結晶性炭素粒子である黒鉛、
膨張黒鉛又は繊維状黒鉛の1又は2種以上からなること
が好ましい(請求項4)。前記導電性カーボンブラック
は、例えばケッチンブラック、アセチレンブラック、フ
ァーネスブラック等である。
【0017】前記黒鉛は、例えば球状黒鉛、鱗片上黒
鉛、膨張黒鉛、繊維状黒鉛等である。膨張黒鉛は黒鉛を
加熱することによって黒鉛の体積を膨張させたもので通
常2−100μm程度の粒径に紛砕して用いられる。鱗
片上黒鉛は、嵩密度が低く抑えられ、表面積も小さいの
で、分散性や濡れ性がよく、極めて均質なPTC導電性
組成物を得ることができるので、薄肉の過電流保護回路
素子を実現することが期待できる。
【0018】本発明は、これらの導電性粒子の1種以上
の混合物からなり、当該導電性粒子の粒径は0.1μm
−100μm程度であり、好ましくは0.3μm−50
μm程度である。前記導電性粒子は、カーボンファイバ
ーを短く切断又は紛砕し、黒鉛化した黒鉛であってもよ
い(請求項5)。
【0019】本発明に用いられる繊維状黒鉛粒子は一般
に黒鉛ウィスカーが用いられるが、これはカーボンファ
イバーを短く切断又は紛砕した後、2000℃以上の非
酸化雰囲気で黒鉛化したもの等である。当該黒鉛粒子の
形状は粒子径が2−50μm程度であり、抵抗値が低く
バラツキが小さいものが用いられる。前記PTC導電性
組成物は、導電性粒子の一部が、前記熱可塑性樹脂とは
融点の異なる別種類の熱可塑性樹脂により被覆されてい
ることが好ましい(請求項6)。
【0020】導電性被覆物とは、公知の方法(特開平6
−157827号公報参照)に従って導電性粒子を熱可
塑性樹脂によりごく薄く被覆(カプセル化)したもので
ある。当該カプセルは、加熱により体積膨張し、ごく短
時間でPTC導電性組成物を絶縁体に変換するという作
用を奏するとともに、主にカプセル化用素材の表面張力
により、温度変化が起こってもその形状を保ち、導電性
素材を離すことがない。従って、当該カプセル組成物に
組み入れることによってPTC素材を単に樹脂マトリッ
クスに分散させた従来のPTC組成物に比べて、優れた
温度制御性及び経時安定性を得ることができる。したが
って、経年使用しても、抵抗値変化が安定した、信頼性
の高い過電流保護回路素子を実現することが期待でき
る。
【0021】カプセル化用素材の具体例としては、例え
ば、各種軟質樹脂、ゴム、エラストマー、高級脂肪酸、
エステル等をあげることができる。軟質樹脂としては、
例えば、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、フッソ系樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリイソプレン樹脂及び上記樹脂類の変性体、共
重合体をあげることができる。ゴムとしては、例えば、
フッソゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴ
ム、環化天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、ブタジエンラテックス、アクリロニトリルブタジエ
ンゴムラテックス、アクリルブタジエンラテックス等を
あげることができる。エラストマーとしては、例えば、
ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー等を
あげることができる。当該黒鉛粒子とカプセル化用素材
の配分割合は特に制限はなく広い範囲から適宜選択でき
るが、当該カプセルに要求される働き(自己温度制御を
鋭敏にする働き及び電流を流す導電性素材としての働
き)を考慮すると、導電性素材100重量部に対して通
常カプセル化用素材を5−50重量部程度、好ましくは
10−40重量部程度配合するのがよい。また、カプセ
ル化方法としては、特に制限はなく公知の方法が適用で
きるが、例えば、(1)カプセル化用樹脂と黒鉛粒子を
適当な溶剤に溶融又は分散させて噴霧する方法(2)カ
プセル化樹脂を加熱により溶解し、これに導電性素材を
加えて練り混み、粉体化する方法(3)界面重合法等を
あげることができる。当該カプセルの寸法は特に制限さ
れず、使用目的、使用原体等に応じて適宜選択すればよ
いが、通常粒径が1μm−200μm程度、好ましくは
5μm−100μm程度とすればよい。
【0022】前記請求項2記載の過電流保護回路素子に
おいて、PTC特性を示さない導電性薄膜が、導電性物
質とバインダーからなり、コーティングされて薄膜とな
ることが低抵抗の過電流保護回路素子を得るためには、
好ましい(請求項8)。本発明で用いるPTC要素を持
たない導電性薄膜とは通常メンブレンスイッチ等に用い
られるカーボンペースト、グラファイトペースト、銀ペ
ースト等の薄膜を形成させるものであり、膜の厚みは通
常1−30μm好ましくは2−15μm程度である。
【0023】この薄膜の存在のために、PTC導電性組
成物やニッケル箔とのオーミック接触がより容易に実現
され、常温での過電流保護回路素子の低抵抗化を実現す
ることが期待できる。本発明の過電流保護回路素子を製
造するには通常、(1)素材の調整、(2)素材の形成
及び電極との接合、(3)形状調製の各工程が採用され
る。 (1)素材の調整 本発明における素材の調整は、PTC導電性組成物を調
整することである。PTC導電性組成物は、例えば熱可
塑性樹脂と導電性粒子とを混合して加熱し、練り込んで
調整すればできる。
【0024】調整時に各種添加剤、例えば、分散剤、粘
度調整剤、安定剤等を混合調整してもよい。電極は、前
述したように、ニッケル箔面に金網、パンチングメタ
ル、スクリーン印刷に用いる樹脂シート等を密着させて
固定し、電気メッキ法又は化学メッキ法で粗面化ニッケ
ルメッキを施し、シートを剥がして形成すればよい。
【0025】また、この粗面化ニッケルメッキ面に、前
述したPTC特性を示さない導電性薄膜を塗布又は印刷
して乾燥させたものを用いてもよい。 (2)素材の形成及び電極との接合 素材の形成は、押出し成形で得たシート状物を乾燥させ
た後、電極に加熱圧着するか、溶けた素材を電極に直接
塗布又は印刷すればよい。塗布するには、電極にロール
で塗り付ければよく、印刷するには、例えばスクリーン
印刷の方法を使用すればよい。
【0026】膜厚は特に制限されず、得ようとする過電
流保護回路素子によって選択されるが、通常10−25
0μm好ましくは20−150μm程度の厚さ(乾燥後
の膜厚)とすればよい。 (3)形状調製 形状の調製は、過電流保護回路素子に要求される設計寸
法に適宜裁断して行う。例えば、乾電池のセルの内部に
使用する場合は、図3に示すように、孔の開いた円板形
状に裁断する。裁断時に電極同士が接触しないように注
意する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ま
ず、厚さ20μmのニッケル箔の片面にスクリーン印刷
で用いる樹脂シートを密着させて固定し、電気メッキ法
又は化学メッキ法でニッケルメッキを施し粗面化ニッケ
ルメッキを行う。電気メッキ法は、硫酸ニッケル220
−380g/l、塩化ニッケル30−60g/l、ほう
酸30−40g/lの水溶液や、硫酸ニッケル150g
/l、塩化アンモニウム15g/l、ほう酸15g/l
等の水溶液の浴を調整して、pH4−5、温度40℃−
55℃の条件下で、電流密度1−8A/dm2 の電流を
流して所定時間行う。化学メッキ法は、硫酸ニッケル2
0g/l、次亜りん酸ナトリウム10−25g/l、場
合により乳酸、プロピオン酸、クエン酸ナトリウム、酢
酸ナトリウム、塩化ナトリウムを少量添加した化学メッ
キ浴でpH4−6又は8−9.5、温度30℃−90℃
の条件下で所定時間行う。
【0028】メッキ施工後、前記金網、パンチングメタ
ル、スクリーン印刷に用いる樹脂シート等を剥がすと、
約5μmの厚みの表面の粗い、片面粗面化ニッケルメッ
キ面が得られる(福田金属箔粉工業(株)製)。 <実施例1>ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業(株)
製)45重量%に黒鉛粉(日本カーボン(株)製)35重
量%、球状カーボン(カネボウ(株)製)20重量%を加
熱混練押出し装置により加熱混練し、200μmの厚さ
のシート状に押出した。
【0029】このシートを、前記ニッケルメッキ粗面化
ニッケル箔の粗面側同士の間に挿み、加熱プレス板を上
下に設けたプレス機で約100Kg/cm2 の圧力で約17
0℃、5分加熱圧着した(図1(a) 参照)。 <実施例2>ポリプロピレン樹脂(三井石油化学工業
(株)製)45重量%に黒鉛粉(日本カーボン(株)製)3
5重量%、球状カーボン(カネボウ(株)製)20重量%
を実施例1と同じ方法で加熱混練し、200μmの厚さ
のシート状に押出した。
【0030】このシートを、前記ニッケルメッキ粗面化
ニッケル箔の粗面側同士の間に挿み、加熱プレス板を上
下に設けたプレス機で約100Kg/cm2 の圧力で約17
0℃、5分加熱圧着した(図1(a) 参照)。 <実施例3>実施例1で使用したポリエチレン樹脂45
重量%に炭素繊維を紛砕し、約2900℃の還元雰囲気
下で黒鉛化したもの(以下「黒鉛化炭素繊維」という)
35重量%、黒鉛粉20重量%を実施例1と同じ方法で
200μmの厚さのシート状に押出した。
【0031】このシートを、前記ニッケルメッキ粗面化
ニッケル箔の粗面側同士の間に挿み、加熱プレス板を上
下に設けたプレス機で約100Kg/cm2 の圧力で約17
0℃、5分加熱圧着した(図1(a) 参照)。 <実施例4>実施例2で使用したポリプロピレン樹脂4
5重量%にあらかじめ塩化ビニリデン樹脂をキシレン・
酢酸ブチル混合溶剤で加熱溶解させた後、黒鉛化炭素繊
維を投入し(塩化ビニリデン樹脂が約20重量%、黒鉛
化炭素繊維が約80重量%になるように調整)混合、冷
却後減圧乾燥させて紛砕調整したカプセル化黒鉛化炭素
繊維35重量%、同様にカプセル化した球状カーボン粉
20重量%を生成し、実施例1と同様に200μmの厚
みのシートに押出した。
【0032】このシートを、前記ニッケルメッキ粗面化
ニッケル箔の粗面側同士の間に挿み、加熱プレス板を上
下に設けたプレス機で約100Kg/cm2 の圧力で約17
0℃、5分加熱圧着した(図1(a) 参照)。 <実施例5>塩化ビニリデン樹脂40重量%に黒鉛化炭
素繊維35重量%、カプセル化球状カーボン25重量%
をバンバリーミキサーで加熱混練した後、紛砕して押出
し機で200μm厚みのシート状に押出した。
【0033】このシートを、前記ニッケルメッキ粗面化
ニッケル箔の粗面側同士の間に挿み、加熱プレス板を上
下に設けたプレス機で約100Kg/cm2 の圧力で約17
0℃、5分加熱圧着した(図1(a) 参照)。 <実施例6>実施例2で使用したポリプロピレン樹脂4
0重量%、実施例4と同様な方法で調整したカプセル化
膨張黒鉛25重量%、カプセル化黒鉛粉25重量%、ケ
ッチンブラック10重量%を実施例5と同様に混練し、
押出し機で200μmの厚みのシート状に押出した。
【0034】このシートを、前記ニッケルメッキ粗面化
ニッケル箔の粗面側同士の間に挿み、加熱プレス板を上
下に設けたプレス機で約100Kg/cm2 の圧力で約17
0℃、5分加熱圧着した(図1(a) 参照)。 <実施例7−12>ケッチンブラック20重量%、球状
黒鉛(大阪ガス(株)製メソカーボン)55重量%をウレ
タン樹脂25重量%に適宜溶剤を加えて3本ロールで混
練して、導電ペーストを調製した。
【0035】この導電ペーストを実施例1−6で用いた
ニッケルメッキ粗面化ニッケル箔の粗面にスクリーン印
刷・塗布し、乾燥させて約10μmの厚さの膜を得た。
この上に、実施例1−6と同様な方法で調整したシート
を当該塗膜同士の間に介在させて実施例1−6と同様に
加熱圧着した(図1(b) 参照)。 <比較例1−6>実施例1−6で調整したシートを、厚
さ20μmの2枚の、メッキしていないニッケル箔(福
田金属箔粉工業(株)製)の間に介在させ、実施例1−6
と同様に加熱圧着した。 <比較例7−12>厚さ20μmの2枚の、メッキして
いないニッケル箔に、導電ペーストを実施例7−12と
同様にして塗布し、乾燥させ、実施例1−6で調整した
シートを挟み、加熱圧着した。
【0036】実施例1−12及び比較例1−12の抵抗
測定を、図4に示す回路により行ったので、その結果を
表1に掲載する。
【0037】
【表1】
【0038】表1によれば、粗面化ニッケルメッキを施
したニッケル箔を電極に使用した素子は、単にニッケル
箔を電極に使用した素子と比べて、常温(25℃)での
抵抗率が、平均して60%ほど低くなっていることが分
かる。また、電極とPTC導電性組成物との間に導電ペ
ーストを挟んだ素子は、挟まなかった素子よりも抵抗率
がさらに低下していることが分かる。
【0039】本発明の過電流保護回路素子は、常温から
90℃±5℃付近まで抵抗値が変化せず、120℃±1
0℃付近傍で少なくとも103 倍以上の抵抗値を示し、
温度の上昇、下降を繰り返しても、抵抗値変化が安定し
ている。
【0040】
【発明の効果】本発明の過電流保護回路素子によれば、
粗面化ニッケルメッキ電極を使用することで、これまで
の単なる金属箔を使用した過電流保護回路素子と比べて
常温時に著しく低抵抗となるので、電力ロスが小さくな
る。また、高温になると抵抗値が急激に変化して高抵抗
を示し、常温時との差がさらに大きくなり、電流の暴走
を防ぐ効果が大きくなる。したがって形状を薄肉コンパ
クトにできる。
【0041】また、ある程度経年使用しても、抵抗値変
化が安定している過電流保護回路素子を提供することが
できるので、信頼性の要求される各種電気・電子回路に
組み込むことができる。特に、形状が薄肉コンパクトに
できるから、一次電池又は二次電池の内部に組み込むこ
とが容易にでき、当該電池回路をコンパクトに設計する
ことが可能になり、かつ、当該電池回路の信頼性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】過電流保護回路素子の内部構成を示す断面図で
あり、(a) は導電性薄膜のないもの、(b) 導電性薄膜を
有するものを示す。
【図2】粗面化ニッケルメッキを施したニッケル箔の断
面図である。
【図3】乾電池の内部に用いる過電流保護回路素子の形
状を示す外観斜視図である。
【図4】過電流保護回路素子の抵抗率の測定方法を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 PTC導電性組成物 2 電極 3 導電性薄膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PTC導電性組成物と、PTC導電性組成
    物に接触した少なくとも2つの電極を有してなる過電流
    保護回路素子において、 前記電極がニッケル箔であり、 前記ニッケル箔には、PTC導電性組成物との接触面
    に、粗面化ニッケルメッキが施されていることを特徴と
    する過電流保護回路素子。
  2. 【請求項2】PTC導電性組成物と、少なくとも2つの
    電極を有してなる過電流保護回路素子であって、 前記電極がニッケル箔であり、 前記ニッケル箔とPTC導電性組成物との間に、PTC
    特性を示さない導電性薄膜が介在され、 前記ニッケル箔には、導電性薄膜との接触面に、粗面化
    ニッケルメッキが施されていることを特徴とする過電流
    保護回路素子。
  3. 【請求項3】PTC導電性組成物は、導電性粒子が熱可
    塑性樹脂に分散されていることを特徴とする請求項1又
    は2記載の過電流保護回路素子。
  4. 【請求項4】導電性粒子は、 導電性カーボンブラック、黒鉛、膨張黒鉛又は繊維状黒
    鉛の1又は2種以上からなることを特徴とする請求項3
    記載の過電流保護回路素子。
  5. 【請求項5】導電性粒子は、 カーボンファイバーを短く切断又は紛砕し、黒鉛化した
    黒鉛であることを特徴とする請求項3記載の過電流保護
    回路素子。
  6. 【請求項6】導電性粒子の一部が、前記熱可塑性樹脂と
    は融点の異なる別種類の熱可塑性樹脂により被覆されて
    いることを特徴とする請求項3記載の過電流保護回路素
    子。
  7. 【請求項7】導電性粒子の全部が、前記熱可塑性樹脂と
    は融点の異なる別種類の熱可塑性樹脂により被覆されて
    いることを特徴とする請求項3記載の過電流保護回路素
    子。
  8. 【請求項8】導電性薄膜が、導電性物質とバインダーか
    らなり、コーティングされて薄膜となることを特徴とす
    る請求項2記載の過電流保護回路素子。
JP7147797A 1995-06-14 1995-06-14 過電流保護回路素子 Pending JPH099481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7147797A JPH099481A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 過電流保護回路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7147797A JPH099481A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 過電流保護回路素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH099481A true JPH099481A (ja) 1997-01-10

Family

ID=15438434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7147797A Pending JPH099481A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 過電流保護回路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH099481A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004149796A (ja) * 2002-10-28 2004-05-27 Sgl Carbon Ag 蓄熱材のための混合物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004149796A (ja) * 2002-10-28 2004-05-27 Sgl Carbon Ag 蓄熱材のための混合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5280263A (en) PTC device
US6059997A (en) Polymeric PTC compositions
JP3930905B2 (ja) 導電性ポリマー組成物およびデバイス
KR100388797B1 (ko) 도전성 고분자 조성물 및 이를 이용한 ptc소자
JP6598231B2 (ja) 高分子系導電性複合材料及びptc素子
US4980541A (en) Conductive polymer composition
JP3930904B2 (ja) 電気デバイス
EP0826223A1 (en) Ptc circuit protection device and manufacturing process for same
US9646746B2 (en) Electrical device
US5817423A (en) PTC element and process for producing the same
JP2000515448A (ja) 導電性ポリマー組成物を含んでなるラミネートの製造方法
JPH099481A (ja) 過電流保護回路素子
KR100767058B1 (ko) 피티씨 고분자시트-전극 복합체의 제조방법
EP0435923A1 (en) Conductive polymer composition
JPH0969416A (ja) 正の温度特性を持つ有機抵抗体
JPH099482A (ja) 過電流保護回路素子
JP4459438B2 (ja) 電気デバイスを製造する方法及びバッテリ組立体を製造する方法
KR100470906B1 (ko) 저저항 고효율의 ptc 소자 및 그 연속 제조 방법
WO2001006521A1 (fr) Dispositif a coefficient de temperature positif et son procede de fabrication
JP2001052901A (ja) チップ型有機質正特性サーミスタとその製造方法
JPH10172805A (ja) 過電流保護回路素子
JP2003318008A (ja) 高分子ptc組成物及び高分子ptc素子
JP2002025806A (ja) Ptc組成物、ptc素子及びptc素子の製造方法
JP2003332102A (ja) 高分子ptc組成物及び高分子ptc素子
JPH03269982A (ja) 正抵抗温度係数発熱体