JP2006031433A - 高齢者の日常生活・運動支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 高齢者の生活活動能力評価データと個人データとを入力して個人データベース14として蓄積処理する個人データ蓄積処理部13と、複数の日常生活体力項目毎に加齢変化を関数で表した生活体力加齢関数プログラム15を用意しておき、評価対象者の日常生活体力項目の体力測定値と生活体力加齢関数プログラム15と日常生活体力項目毎に定めた自立限界値とから、評価対象者の自立度を求めて評価し処理する自立度評価処理部16と、自立度評価処理部16での自立度評価情報を基に生活指導・運動指導プログラムファイル19を利用して、改善すべき生活指導と運動のプログラムを提示する生活指導・運動プログラム選定提示部18とを備えて構成した。
【選択図】図2
Description
従来のこの対応としては、例えば、次のようなケアプラン策定支援システムが知られている。すなわち、高齢者などを利用者として受け入れて日常生活の介助等のケアを実施するケア施設におけるケアプランを策定するケアプラン策定支援システムであって、下記(1)から(4)までの要件を備えている。
(1)ケア施設の日毎基本スケジュールと、入浴、リハビリ、及びレクリエーションを項目として少なくとも含んだ日毎及び週間サブスケジュールとが格納された施設基本情報データベースを有し、この日毎及び週間サブスケジュールは、利用者をその症度に応じて分類して得られるグループ別に編成されている。
(2)氏名、識別符号、及び所属グループ名を少なくとも含む利用者の属性に関する情報が利用者毎に記録された利用者情報データベースを有する。
(3)利用者情報データベースに格納されている利用者の属性に関する情報に基づいて、特定の利用者の日常生活動作及び精神面の状態を評価するための評価フォームが出力される。具体的には、ADLチェックリストと精神面チェックリストとを用いた評価結果に基づいて生成されるケアプラン策定評価レポートにより行われる。
(4)ケア施設の日毎基本スケジュールと、利用者が所属するグループの日毎及び週間サブスケジュールと、評価フォームを用いたその利用者の状態評価結果とに従って策定された週間ケアスケジュール表が出力される(例えば、特許文献1参照)。
図1は本発明による高齢者の日常生活・運動指導支援システムの概略構成図である。本発明における高齢者とは、比較的年齢が高く、特に施設等においてケアを必要とするような人達を指しており、例えば65歳以上と言うように具体的な年齢で区分するものではない。
図に示すように、本システムは、通常はクライアント・サーバ型システムのサーバ上に構築される。例えばパーソナルコンピュータからなるサーバ1は、サーバ本体2と、データを入力する入力装置3と、プリンタ等の出力装置4と、各種データの表示を行う表示装置5とを備えている。サーバ本体2はシステム全体の制御と各種演算を行うCPUを備えた主制御部6と、本システムを利用する高齢者の個人データ等を蓄積するデータベース蓄積部7と後述する各種プログラムファイルを格納するプログラム格納部8と、入出力制御部9と送受信部10とを備えている。そしてサーバ1は、LANによってクライアントコンピュータと接続されている。
まず、生活体力加齢関数プログラム15について説明する。日常生活体力BPDLは、熟年以降は年齢と共に低下してくる。そこで、BPDLが加齢によりどのように変化するのかを調査し数式化を行った。すなわち、各BPDLについて、その体力測定値Yと年齢(時間)tとの関係を一般式として下記式(1)のように表すことにした。
Y=F(t)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、加齢変化を伴うBPDLの測定項目として、全身調整能力、下肢筋力、バランス、握力、手指巧緻性、脳機能の6項目を選定した。具体的には、例えば一例として、上記6項目のうちの全身調整能力は6分間歩行距離、すなわち6分間にどれだけの距離を歩行できるかにより判断した。同様に、下肢筋力は机に腰を掛けて伸ばした下肢にどれだけの加重を掛けられるかを見る下肢加重テストで、バランスは閉眼片足立ちで、握力は雑巾絞りで、手指巧緻性はタッピングテストで、脳機能はかな拾いテストで判断した。なお、これら6項目を全て利用するのが望ましいが、状況に応じ、少なくとも2項目以上を選択して利用するものとする。そして、利用項目に合わせて、最初に入力するBPDLの項目を決めれば良い。
Ym=−Amt2+Bmt+Cm・・・・・・・・・・・・・(2)
ここで、Ymは歩行距離、tは年齢(時間)、Am,Bm,Cmは定数である。このような2次関数で表せる関係に、バランス能力の評価尺度である「片足立ち」の場合も当てはまることがわかった。もちろん定数は6分間歩行距離の場合とは異なる数値である。
他の例として、図6は下肢筋力の場合である。縦軸は、椅子に腰掛けて横に伸ばした下肢に掛ける加重であり、横軸は年齢である。多数の被験者についての実測値を黒点でプロットしている。実測データを近似曲線で表すと、この場合は図中に示すような直線で表すことができる。この直線を式(3)のような1次関数に数式化した。
Yn=−Ant+Bn・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、Ynは加重、tは年齢(時間)、An,Bnは定数である。このような1次関数で表される関係は、握力(雑巾絞り)とバランス(閉眼片足立ち)についても適用できることがわかった。これらの関係式を、生活体力加齢関数プログラム15として保持しておく。なお、BPDLの加齢関数プログラムを求める元となる測定データは、高齢者施設単位で利用者から採取しても良く、またはもっと広く他の施設や一般の人を対象に採取したものでも良い。
評価対象者Aが年齢T1の時の6分間歩行能力をA1で示す。このときの歩行距離をYA1とする。また、年齢T1の縦線と加齢関数曲線との交点P1は、年齢T1の人の平均的な歩行能力を示すポイントであり、その歩行距離をYP1とする。
一方、相対自立度は、評価対象者Aと同年齢の人の平均値との比較であり、図で言えばA1点とP1点の比較である。すなわち、年齢T1の評価対象者Aの相対自立度δ(T1)は式(5)のように表す。
γ(T1)=YA1/K0 ・・・・・・・・・・・・・・(4)
δ(T1)=YA1/YP1 ・・・・・・・・・・・・・・(5)
なお、絶対自立度と相対自立度を共に評価するのが望ましいが、いずれか一方のみを評価しても良い。
(a)点A2のように、α0>α1の場合:この間の体力低下が平均値より大きいため、その原因調査とこれを防止する運動プログラムの導入を積極的に図る。
(b)点A21のように、勾配が加齢関数曲線の勾配α1とほぼ等しい場合:高い自立度を維持しつつ平均的な経年能力低下を生じていると受け止め、新たな運動プログラムの導入是非を判断する。
(c)点A22のように、α2<α1の場合:現在の運動プログラムによる生活活動能力の向上程度を評価することができる。
上記(a)(b)(c)の中間の場合も、必要に応じいくつかの段階で運動プログラムを用意しておく。以上のような評価を、BPDLの測定項目の全てについて実施する。
なお、上記は点A1が点P1より高い場合の評価基準であり、A1がP1より低い場合は別の評価基準とするが、説明は省略する。
J=Da/Dk・・・・・・・・・・・・・・(6)
S=Da/Dp・・・・・・・・・・・・・・(7)
次に、上記の式(6)及び(7)で求めた値を、図11に示す総合自立度の評価分類に従って分類し評価する。例えば、総合絶対自立度Jが1より大きければ、自立は問題ないとみなし、また、総合相対自立度Sが1より大きければ、同年齢の平均より上の体力を保持しているとみなせるので、J>1でS>1の場合は「年齢平均より高レベルの自立度」と評価する。以下同様に分類表により評価し、例えばJ<1の場合(この場合は必然的にS<1)は、「自立不可能な状態」と評価する。
以上の評価に基づいて、基本的な自立支援ケアサービスプログラムの選定を行うと共に、個別評価項目ごとの課題プログラムを選定する。
なお、総合絶対自立度Jと総合相対自立度Sの両方を評価するのが望ましいが、いずれか一方でも良い。
総合絶対自立度J<1の場合、そのレベルで可能な生活指導を中心としたプログラムを選定するなどのケアの切り替えを行うか、そのレベルに見合ったケア施設への移行などの対処を図る。
運動指導プログラムの選定に際しては、どういう運動条件(運動強度・時間・頻度)で行うかも設定する。運動強度を選定する一般的方法としては、カルホーネン法、最大酸素摂取能、シャトルウオーキングテスト法、自覚的運動強度(RPE)法などが知られているが独自方法としてもよい。また、生活指導プログラムとしては、ショッピングや日帰り旅行などの社会参加プログラム、園芸、絵画などの趣味プログラムなど精神的活動度を向上させるメニューを用意することで生活のリズムを充実させることができる。
次に、選定したメニューについてカロリー計算を行う(S144)。このメニューを運動頻度と連動させれば、1週間単位の食事管理や一定期間の食事管理を総合的にガイドする事も可能となり、メニューバリエーションによる味覚の変化を楽しみながら栄養管理を行うことができる。カロリー計算がOKであれば次のステップへ進む(S145)。
13 個人データ蓄積処理部 14 個人データベース
15 生活体力加齢関数プログラム 16 自立度評価処理部
17 生活指導・運動指導プログラムファイル
18 生活指導・運動プログラム選定提示部
19 栄養管理プログラムファイル
20 栄養指導プログラム選定提示部
21 課金管理処理部
22 顧客課金プログラムファイル。
Claims (10)
- 高齢者の生活活動能力を評価するための生活活動能力評価データと上記高齢者の履歴情報である個人データとを入力し、個人データベースとして蓄積処理する個人データ蓄積処理部と、
日常生活における体力を評価するために、複数の日常生活体力項目を選定し、上記日常生活体力項目毎に加齢による体力変化を関数で表した生活体力加齢関数プログラムをあらかじめ用意しておき、評価対象者の上記日常生活体力項目の体力測定値と上記生活体力加齢関数プログラムと上記日常生活体力項目毎に定めた自立限界値とから、上記評価対象者の自立能力の度合いを示す自立度を求めて評価し処理する自立度評価処理部と、
上記個人データベースからの情報と上記自立度評価処理部で求めた自立度評価情報とに基づき、あらかじめ用意した生活指導・運動指導プログラムファイルから改善すべき生活指導と運動のプログラムを選定して提示する生活指導・運動プログラム選定提示部と、
を備えたことを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。 - 請求項1記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記自立度評価処理部で求める自立度は、上記日常生活体力項目について、上記自立限界値に対する上記評価対象者の上記体力測定値の割合で表した絶対自立度と、上記生活体力加齢関数プログラムを用いて求めた体力加齢関数値に対する上記体力測定値の割合で表した相対自立度との、少なくともいずれかであることを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
- 請求項1記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記自立度評価処理部で求める自立度は、複数の上記日常生活体力項目について、上記自立限界値に対する上記評価対象者の上記体力測定値の割合を総合的に表した総合絶対自立度と、上記生活体力加齢関数プログラムを用いて求めた体力加齢関数値に対する上記体力測定値の割合を総合的に表した総合相対自立度との、少なくともいずれかであることを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
- 請求項1記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記自立度評価処理部は、上記自立度の評価に加え、上記日常生活体力項目について異なる時点で測定した2つの測定値の変化度合いと、上記異なる時点における上記生活体力加齢関数プログラムから求めた2つの加齢関数値の変化度合いとを比較し、体力低下の進行度合いを判断することを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、生活活動能力評価データは、生活活動動作能力ADL、周辺生活活動動作能力APDL、生活の質QOL、および日常生活体力BPDLの内から、上記日常生活体力BPDLを含む少なくとも2種以上の項目を選定し、組み合わせて利用することを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記個人データは、上記高齢者個人の医療履歴、職業歴、および生活環境履歴の内から、少なくとも1つ以上の項目を選定して利用することを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記生活体力加齢関数プログラムに用いる上記日常生活体力項目は、全身調整能力、下肢筋力、バランス、握力、手指巧緻性、および脳機能の内から、少なくとも2つ以上の項目を選定し利用することを特徴とする高齢者の日常生活・運動指導支援システム。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記生活指導・運動プログラム選定提示部において提示する運動プログラムは、運動強度、運動時間、および運動頻度の内の、少なくとも1つ以上の情報を含んでいることを特徴とする高齢者の日常生活・運動指導支援システム。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記生活指導・運動プログラム選定提示部で提示された運動プログラムに基づき、あらかじめ用意した栄養管理プログラムファイルを用いて、上記運動プログラムに対応した栄養メニューを選定し、カロリー計算を行って提示する栄養指導プログラム選定提示部を備えたことを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の高齢者の日常生活・運動支援システムにおいて、上記評価対象者の自立度の改善効果に応じて課金処理を行う課金管理処理部を備えたことを特徴とする高齢者の日常生活・運動支援システム。
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