以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
[リハビリ支援装置の構成]
本実施の形態に係るリハビリ支援システム1の構成に関して説明する。図1は、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1の構成を示す図である。
リハビリ支援システム1は、利用者Uの日常生活情報と利用者Uによって行われる運動動作とに基いてリハビリ訓練の訓練内容を決定し、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価するためのシステムである。リハビリ訓練とは、例えば、利用者Uの生活動作能力を改善させることを目的とする訓練である。また、生活動作能力とは、例えば、人が日常生活を営むための能力などを指す。一具体例として、リハビリ支援システム1は、加齢、病気又はケガで生活動作能力が低下した利用者Uのリハビリ訓練内容を決定し、利用者Uによって行われたリハビリ訓練の効果を評価する。
このようなリハビリ支援システム1は、介護施設又は医療施設などで運用されるシステムである。介護施設又は医療施設とは、例えば、通所リハビリが実施されるリハビリ施設である。リハビリ支援システム1は、上記施設において、介護従事者(生活相談員、機能訓練指導員(セラピスト、看護師等)、介護ヘルパー、上記施設の管理者など)が行う業務を支援する。
図1が示すように、リハビリ支援システム1は、リハビリ支援装置10と、情報処理装置100とを備える。
リハビリ支援装置10は、上記日常生活情報と、利用者Uによって行われる運動動作の程度をリハビリ動作評価装置(詳細は後述)が評価することで得られる客観的運動評価情報と、に基いてリハビリ訓練の訓練内容を決定する。さらに、リハビリ支援装置10は、決定した訓練内容を利用者Uが行って得られた効果を評価する。リハビリ支援装置10は、例えば、コンピュータであるが、これに限られず、サーバ装置であってもよい。
情報処理装置100は、表示装置と、リハビリ動作評価装置と、受付装置とを備える装置であってもよい。情報処理装置100は、例えば、スマートフォン又はタブレット端末などの情報端末が用いられてもよいがこれに限らない。
情報処理装置100は、表示装置として、訓練内容と、リハビリ訓練の効果の評価結果とを表示してもよい。また、情報処理装置100は、表示装置として、リハビリ支援装置10から出力される画面データに基づいた画面を表示してもよい。
表示装置は、具体的には、液晶パネル、又は、有機ELパネルなどによって構成されるモニタ装置である。なお、表示装置は、情報処理装置100から独立した、別個の装置であってもよい。
リハビリ動作評価装置は、利用者Uによって行われる運動動作の程度を評価することで、客観的運動評価情報を得る装置である。リハビリ動作評価装置は、得られた客観的運動評価情報をリハビリ支援装置10へ出力する。
リハビリ動作評価装置は、例えば、利用者Uによって行われる運動動作が所定の運動条件を満たすか否かによって、運動動作の程度(例えば、運動動作の出来又は不出来)を評価する。ここで、運動動作とは、利用者Uの生活動作能力を評価するための動作である。運動動作とは、人が日常生活を営むための動作であってもよい。また、例えば、運動動作とは、リハビリ施設で定期的(例えば3か月に1度)に行われる動作であってもよい。具体的には、リハビリ動作評価装置は、利用者Uによって行われる「歩行」(運動動作)において、「介助者が介助すれば4m歩行ができる」(所定の運動条件)を満たすか否かを評価する。つまり、リハビリ動作評価装置は、運動動作が利用者Uによって正しく行われたか否かを評価し、その結果を客観的運動評価情報として、リハビリ支援装置10に出力する。なお、リハビリ動作評価装置についての詳細は、図15以降で説明する。
つまり、利用者Uの生活動作能力を評価するための運動動作の程度がリハビリ動作評価装置によって評価されることで、従来技術のような、利用者Uの生活動作能力が利用者Uの主観によって評価された場合に比べ、利用者Uの生活動作能力をより正確に評価できる。さらに、このように、リハビリ動作評価装置によって評価されることで、例えば、当該運動動作の程度を人(例えば介護従事者)の目視によって評価されるよりも、当該運動動作が所定の条件を満たす動作となっているか否かを正確に評価することができる。つまり、リハビリ支援装置10は、利用者Uの生活動作能力がより正確に評価された結果である客観的運動評価情報を取得することができる。
受付装置は、タッチパネル又はハードウェアボタンであってもよい。受付装置は、例えば、日常生活情報を入力するための操作を受付けてもよい。受付装置は、受付けた操作を基に日常生活情報をリハビリ支援装置10へ出力する。なお、受付装置は、例えば、介護従事者からリハビリ支援に関する操作を受付けて、リハビリ支援装置10に出力してもよい。
ここで、日常生活情報とは、利用者Uの申告に基づく日常生活に関する情報である。日常生活情報は、例えば、利用者Uの個人情報と、生活動作の情報とを含んでもよい。(詳細は、図4A及び図4Bにて説明)。また、日常生活情報は、利用者Uの申告に基づく情報であるため、日常生活情報は、日常生活に関する利用者Uの主観的な情報であるともいえる。なお、日常生活情報は、利用者Uの家族の申告に基づく情報であってもよい。
リハビリ支援装置10と、情報処理装置100とは、客観的運動評価情報及び日常生活情報などの情報を送受信可能であればよく、有線で接続されていてもよいし、図1が示すように、無線通信可能に接続されていてもよい。
リハビリ支援装置10は、日常生活情報と、リハビリ動作評価装置により得られる客観的運動評価情報と、に基いてリハビリ訓練の訓練内容を決定し、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価する。さらに、リハビリ支援装置10は、決定した訓練内容と、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価した評価結果とを表示装置である情報処理装置100へ出力する。
従って、リハビリ支援システム1において、利用者Uの生活動作能力を評価するための運動動作の程度がリハビリ動作評価装置によって評価されることで、当該運動動作が所定の条件を満たす動作となっているか否かを正確に評価することができる。リハビリ支援システム1は、このような、正確に評価された利用者Uの生活動作能力に基いて、リハビリ訓練の訓練内容を決定することができる。
また、リハビリ支援システム1は、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価することができる。
図2は、本実施の形態に係るリハビリ支援装置10の特徴的な機能構成を示すブロック図である。リハビリ支援装置10は、取得部20と、決定部30と、第1出力部51と、第1記憶部41と、第1評価部61と、受付部70と、送信部71とを備える。
取得部20は、日常生活情報及び客観的運動評価情報を取得する。より具体的には、取得部20は、情報処理装置100から日常生活情報及び客観的運動評価情報を取得する。取得部20は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
取得部20は、第1取得部21と、第2取得部22とを有してもよい。第1取得部21は、日常生活情報を取得し、第2取得部22は、客観的運動評価情報を取得してもよい。また、第2取得部22は、さらに、主観的運動自立度情報を取得する。主観的運動自立度情報は、利用者Uが利用者Uの居宅で実際に実施している運動動作の自立度の情報である。つまり、主観的運動自立度情報とは、利用者U自身が実際に居宅で行っている運動動作の自立度を示した結果である。具体的には、主観的運動自立度情報とは、利用者U自身が「居室からトイレに移動」するときに、利用者Uによって実際に行われる「歩行」(運動動作)が「自立」、「見守り」、「一部介助」、「全介助」のいずれに該当するかを示す情報である。運動動作の自立度は、自立、見守り、一部介助、全介助の順に低下する。また、利用者Uが全介助(例えば、寝たきりの状態)の場合、利用者Uの介助者(例えば、利用者Uの家族)によって、運動動作が行われる。つまり、運動動作は、利用者Uによって行われる動作でもよく、利用者Uと利用者Uの介助者とによって行われる動作であってもよい。また、後述するように、主観的運動自立度情報は、所定の質問と当該質問に対する回答に基づく情報である(詳細は図7)。なお、第2取得部22は、受付装置である情報処理装置100を介して、主観的運動自立度情報を利用者Uから取得してもよいため、主観的運動自立度情報には、利用者Uの推測に基づく情報が一定程度含まれていてもよい。
決定部30は、取得部20が取得した日常生活情報と客観的運動評価情報とに基づいて、利用者Uが行ってリハビリ訓練の訓練内容を決定する処理部である。決定部30は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。なお、決定部30によって決定された内容は、第1出力部51へ出力されてもよい。
決定部30は、第1決定部31と、第2決定部32とを有してもよい。第1決定部31は、第1取得部21が取得した日常生活情報に基づいて運動動作を決定してもよい。第2決定部32は、第2取得部22が取得した客観的運動評価情報に基づいて訓練内容を決定してもよい。第2決定部32は、主観的運動自立度情報と客観的運動評価情報との差分に基いて、利用者Uの予め定められた短期間のリハビリ目標である短期目標を決定してもよい。短期目標とは、リハビリ訓練を利用者Uが受けることで、リハビリ訓練の開始時期から所定の期間後(例えば、3か月後)に、利用者Uが目指す目標であってもよい。また、期間は、3か月に限られない。第2決定部32は、短期目標に基いて、利用者Uの予め定められた長期間のリハビリ目標である長期目標を決定してもよい。長期目標とは、短期目標よりも長い期間での目標であり、例えば、利用者Uが所定の時期から6か月後に目指す目標であってもよい。なお、決定部30と同じく、第1決定部31及び第2決定部32によって決定された内容は、第1出力部51へ出力されてもよい。
決定部30(より具体的には、第1決定部31)は、第1取得部21が取得した日常生活情報と、第1記憶部41に記憶されている参照データ45とを照合し、利用者Uが行う運動動作を決定する。
決定部30(より具体的には、第2決定部32)は、第2取得部22が取得した客観的運動評価情報と、第1記憶部41に記憶されている参照データ45とを照合し、利用者Uが行う訓練内容を決定する。さらに、決定部30(より具体的には、第2決定部32)は、第2取得部22が取得した主観的運動自立度情報及び客観的運動評価情報の差分と、第1記憶部41に記憶されている利用者Uに関連する情報とに基いて、利用者Uが行う短期目標を決定してもよい。
第1記憶部41は、参照データ45が記憶されている記憶装置である。参照データ45の詳細については、図8を用いて後述するが、参照データ45は、例えば、利用者Uが行う運動動作を決定するために用いられる、日常生活情報と運動動作との関係を示すデータである。第1記憶部41は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等によって実現される。
また、第1記憶部41には、決定部30、第1評価部61、受付部70及び送信部71が実行するプログラム、及び、利用者Uの運動動作の情報を出力する際に用いられる当該情報を示す画面データも記憶されている。
さらに、第1記憶部41には、取得部20が取得した利用者Uに関連する情報が、利用者Uごとに紐づけて記憶されてもよい。利用者Uに関連する情報は、利用者Uについての、日常生活情報、主観的運動自立度情報、客観的運動評価情報、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報、及び、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報、運動動作情報等(詳細は後述)を含む。
第1評価部61は、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価する処理部である。第1評価部61は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。
第1評価部61は、例えば、利用者Uがリハビリ訓練の訓練内容を行う前及び行った後の客観的運動評価情報を比較することで、訓練内容を行って得られた効果を評価してもよい。具体的には、利用者Uが訓練内容を行う前の客観的運動評価情報とは、利用者Uがリハビリ訓練を開始した日の客観的運動評価情報でもよい。また、利用者Uが訓練内容を行った後の客観的運動評価情報とは、利用者Uがリハビリ訓練を開始した日から3カ月経過した日の客観的運動評価情報でもよい。このように、第1評価部61は、一定期間(例えば3か月)の訓練内容を利用者Uが行って得られた効果を評価する。第1評価部61は、取得部20が取得した利用者Uがリハビリ訓練の訓練内容を行った後の客観的運動評価情報と、第1記憶部41に記憶された利用者Uがリハビリ訓練の訓練内容を行う前の客観的運動評価情報とを比較して、効果を評価してもよい。なお、第1評価部61によって評価された評価結果は、第1出力部51へ出力されてもよい。
第1出力部51は、決定部30が決定した訓練内容と、第1評価部61が評価した評価結果とを表示装置である情報処理装置100へ出力する。第1出力部51は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
受付部70は、リハビリ支援装置10を使用する使用者からのリハビリ支援装置10に対する評価を受け付ける処理部である。受付部70は、例えば、受付装置である情報処理装置100を介して、使用者からの評価を受け付ける。
使用者とは、リハビリ支援装置10を使用して、利用者Uが受けるリハビリ訓練を指導する人物であって、例えば、理学療法士又は作業療法士であってもよい。また、使用者とは、介護従事者であってもよい。さらに、使用者とは、理学療法士、作業療法士又は介護従事者を補佐する人物であってもよい。当該評価とは、リハビリ支援システム1の使いやすさなどの優良度を示すスコアであって、当該評価とは、例えば、良さの度合いを示す星の数であってもよく、「GOOD」又は「BAD」などの意見であってもよい。
送信部71は、受付部70が受け付けた当該評価をリハビリ支援装置10の管理者に送信する処理部である。
送信部71は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路によって実現される。送信部71が当該管理者に当該評価を送信するときには、用いられる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
リハビリ支援装置10の管理者とは、リハビリ支援装置10を管理し、サービスとして提供する自然人又は法人である。管理者とは、例えば、リハビリ支援装置10の開発者であって、管理者は、送信された使用者からの評価を、リハビリ支援装置10を使いやすさなどを向上させるために用いる。
このような、受付部70及び送信部71によって、リハビリ支援装置10の管理者は、リハビリ支援装置10を使用する使用者から、リハビリ支援装置の評価を得ることができる。
なお、決定部30、第1評価部61、受付部70及び送信部71は、それぞれの機能を併せ持つ1つのプロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路で実現されてもよい。また、決定部30、第1評価部61、受付部70及び送信部71は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
[リハビリ支援方法の処理手順]
続いて、リハビリ支援装置10が実行するリハビリ支援方法における具体的な処理手順について説明する。
図3は、本実施の形態に係るリハビリ支援装置10が利用者Uのリハビリ訓練内容を決定する処理手順を示すフローチャートである。より具体的には、リハビリ支援装置10が利用者Uの短期目標、訓練内容及び長期目標を決定し、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価する処理手順を示すフローチャートである。
まず、取得部20(より具体的には、第1取得部21)は、利用者Uの日常生活情報を情報処理装置100を介して取得する(ステップS10)。図4Aは、本実施の形態に係る日常生活情報が未回答の表に対応する画面の一例を示す図である。図4Bは、本実施の形態に係る利用者Uの回答が得られた日常生活情報の表に対応する画面の一例を示す図である。
リハビリ支援装置10は、第1記憶部41に記憶された、図4Aに相当する画面の画面データを取得し、当該画面データを、第1出力部51を介して表示装置である情報処理装置100に出力してもよい。そうすると、表示装置には、利用者Uの日常生活情報を受付けるための画面が表示される。これにより、受付装置である情報処理装置100が日常生活情報を受付けることができてもよい。
このとき、情報処理装置100は、受付装置として、利用者Uの申告に基づく情報である日常生活情報を入力するための操作を受付ける。受付装置は、受付けた操作を基に日常生活情報を取得部20へ出力する。なお、受付装置を操作する人物は、利用者U又は利用者Uの家族であってもよい。また、受付装置を操作する人物は、介護従事者であってもよく、介護従事者が利用者Uの居宅を訪問し利用者U及び利用者Uの家族から日常生活情報を入手し受付装置を操作することで、情報処理装置100が日常生活情報を受付けてもよい。なお以下、後述するステップS22までは、利用者Uを担当する介護従事者(例えば、生活相談員)が利用者Uの居宅を訪問した際に、行われる処理手順であってもよい。
図4A及び図4Bが示すように、日常生活情報は、利用者Uの個人情報と、生活動作の情報とを含んでもよい。利用者Uの個人情報は、利用者Uの氏名、生年月日、性別、介護度及び利用者Uの担当介護従事者の氏名などを含む。なお、図4A及び図4Bには記されないが、利用者Uの個人情報は、利用者Uの病歴情報を含んでもよい。病歴情報とは、利用者Uの病歴に関する情報であって、例えば、利用者Uの過去及び現在の病的及び健康状態に関する情報である。
さらに、生活動作の情報とは、下記に記す生活動作に関する情報である。生活動作とは、日常生活動作(ADL(Activities of Daily Living))、手段的日常生活動作(IADL(Instrumental Activities of Daily Living))及び起居などの動作を含む。
日常生活動作は、食事、排泄、入浴、更衣、整容及び移乗の動作を含む。手段的日常生活動作は、屋内移動、屋外移動、階段昇降、調理、洗濯及び掃除の動作を含む。起居は、起き上がり、座位、立ち上がり及び立位の動作を含む。
生活動作の情報は、利用者Uの生活動作の自立度に関する情報である自立度情報と、課題の情報と、生活動作についての、状況及び生活課題の情報とを含む。また、日常生活動作及び手段的日常生活動作に関する生活動作の情報は、さらに、環境(実施場所・補助具)の情報を含む。
利用者Uの自立度は、例えば、自立、見守り、一部介助、全介助の順に低下する。利用者Uの自立度が見守り以下である生活動作の課題の情報には、課題が有る、との情報が含まれる。環境(実施状況・補助具)の情報には、補助具の種類又は使用の状況と、介助する人と、居宅での実施の状況とに関する情報が含まれる。
状況及び生活課題の情報には、日常生活動作、手段的日常生活動作及び起居のそれぞれについて総括された情報が含まれる。
以上のように、取得部20は、日常生活情報を取得し、取得した日常生活情報を決定部30へ出力する。
決定部30(より具体的には、第1決定部31)は、取得部20が出力した日常生活情報に基づいて、改善が必要な生活動作を決定する(ステップS11)。決定部30は、具体的には、日常生活情報に含まれる生活動作の情報において、課題が有る生活動作を抽出する。決定部30は、例えば、図4Bが示すように、更衣と、移乗と、屋内移動と、屋外移動とを、課題が有る生活動作として抽出する。決定部30は、抽出した課題が有る生活動作のうちから、改善が必要な生活動作を決定する。
決定部30は、自立度情報に基づいて、改善が必要な生活動作を決定してもよい。つまり、決定部30は、自立度が低い生活動作を、改善が必要な生活動作を決定してもよい。さらに、決定部30は、生活動作の中でより基本的な動作を優先的に改善が必要な生活動作として決定してもよい。決定部30は、例えば、掃除、洗濯、調理、屋外移動、整容、入浴、更衣、食事、排泄、階段昇降、屋内移動、移乗、立位、立ち上がり、座位、起き上がりの順に優先度が高くなる(より基本的な動作となる)と判断して、改善が必要な生活動作として決定してもよい。
具体的には、決定部30は、抽出した課題が有る生活動作のうちで最も自立度が低い、屋内移動と、屋外移動とを改善が必要な生活動作として決定してもよい。さらに、決定部30は、屋内移動と屋外移動とのうち、より基本的な動作である屋内移動を、改善が必要な生活動作として決定してもよい。
このように、決定部30(より具体的には、第1決定部31)が自立度情報に基づいて、改善が必要な生活動作を決定することで、より基本的な動作を優先的に改善が必要な生活動作として決定することができる。
決定部30は、決定した改善が必要な生活動作が含まれる生活動作の情報を、第1出力部51に出力してもよい。
第1出力部51は、決定部30が決定した生活動作の情報を出力する(ステップS12)。ステップS12において、第1出力部51は、例えば、ステップS11で決定部30が決定した改善が必要な生活動作に対応する画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信する。図5は、改善が必要な生活動作が示された画面の一例を示す図である。
表示装置である情報処理装置100には、改善が必要な生活動作が示された画面が表示される。図5が示すように、決定部30が決定した改善が必要な生活動作は、優先順位を付されて、画面に表示されてもよい。図5に示す例においては、屋内移動、屋外移動、整容が優先順位が高い順に示されている。また、図5が示すように、自立度情報が表示されてもよい。それぞれの生活動作の自立度は、自立、見守り、一部介助、全介助の4段階に応じた表示がなされてもよい。具体的には、円で囲まれたそれぞれの生活動作の下部に自立度を示すバーが表示されてもよく、自立度が高いほど当該バーがドットで塗りつぶされるように表示されてもよい。
なお、このとき、情報処理装置100は、受付装置として、ステップS11で決定部30が決定した改善が必要な生活動作が適切か否かを選択する操作を利用者Uから受付けてもよい。例えば、決定部30が決定した改善が必要な生活動作は、利用者Uによって、不適切と判断されると、変更されてもよい。図5が示すように、「最も維持・改善したい生活動作を選択してください。」などの文字が表示されてもよい。決定部30が決定した改善が必要な生活動作は、利用者Uによって、適切と判断されると、次のステップへ進む。
続いて、取得部20(より具体的には、第1取得部21)は、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報を取得する(ステップS20)。さらに、取得部20(より具体的には、第1取得部21)は、主観的運動自立度情報を取得する(ステップS20)。
ここで、情報処理装置100は、受付装置として、利用者Uから利用者Uが最も困っている詳細な生活動作を入力するための操作を受付ける。なお、簡略化のため、「詳細な生活動作」は「詳細生活動作」とも記載する。受付装置は、受付けた操作を基に利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報を取得部20へ出力する。詳細生活動作とは、生活動作を細分化した動作である。例えば、生活動作である室内移動においては、「居室内の移動」、「居室からトイレへの移動」、「居室から台所への移動」などの具体例がある。
利用者Uが最も困っている詳細な生活動作とは、改善が必要な生活動作において、利用者Uにとって最も困難な、かつ、具体的な動作である。図6は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の選択を受付ける画面の一例を示す図である。上記のように、改善が必要な詳細生活動作が屋内移動であると決定された場合、情報処理装置100は、図6に示される画面を表示する。なお、上述のように、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作は、改善が必要な生活動作によって定められ、改善が必要な生活動作は、自立度情報によって定められる。さらに、日常生活情報は、自立度情報を含む。よって、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報は、日常生活情報に基づいた情報である。
利用者U又は介護従事者は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作を選択する。例えば、図6が示すように、「居室からトイレまでの移動」が選択され、情報処理装置100は、取得部20へ、当該選択がなされた情報(つまり、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報)を出力する。
次に、取得部20(より具体的には、第1取得部21)は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報を取得する。取得部20は、取得した利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報を、決定部30に出力する。
続いて、決定部30は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報に基づいて、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報の質問内容を決定する。例えば、利用者Uが最も困っている詳細生活動作が「居室からトイレまでの移動」である場合、当該質問は、「トイレまでひとりで行っていますか?」などである(詳細は図7)。決定部30は、例えば、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報と、第1記憶部41に記憶されているデータとを照合し、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報の質問内容を決定する。このとき、第1記憶部41に記憶されているデータには、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報と、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報の質問内容とが、紐づけられて記憶されている。
なお、このとき、第1記憶部41は、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報を利用者Uに紐づけて記憶してもよい。
決定部30は、決定した質問内容を第1出力部51に出力する。
第1出力部51は、決定部30が決定した質問内容を出力する。このとき、第1出力部51は、例えば、得られた質問内容が示された画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信する。
ここで、さらに、情報処理装置100は、受付装置として、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報を入力するための操作を受付ける。図7は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報の選択を受付ける画面の一例を示す図である。当該情報は、例えば、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の実施環境の情報、及び、現状の詳細生活動作のレベルの情報を含む。
当該実施環境の情報は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての一連動作の自立度の情報と、当該詳細生活動作についての利用者Uの居宅環境の情報とを含む。
利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての一連動作の自立度の情報とは、例えば、利用者Uが当該詳細生活動作を行う際の、介助の要不要及び補助具の要不要を表す情報である。利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての一連動作の自立度の情報とは、具体的には、図7が示す「1)トイレまでひとりで行ってますか?」などの、「1)〜4)」の質問と及び当該質問に対する回答である。
ここで、主観的運動自立度情報について説明する。主観的運動自立度情報は、図7が示す利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての「1)〜3)」の質問と当該質問に対する回答に基づく情報である。具体的には、1)の回答が「ひとりで行っている」かつ2)の回答が「いいえ」の場合、主観的運動自立度は、自立となる。1)の回答が「ひとりで行っている」かつ2)の回答が「はい」の場合、主観的運動自立度は、見守りとなる。1)の回答が「誰かに手伝ってもらっている」かつ3)の回答が「一部の動作だけ」の場合、主観的運動自立度は、一部介助となる。1)の回答が「誰かに手伝ってもらっている」かつ3)の回答が「移動中ずっと」の場合、主観的運動自立度は、全介助となる。このように得られた主観的運動自立度は、主観的運動自立度情報に含まれる。また、主観的運動自立度は点数と紐づけられていてもよい。例えば、主観的運動自立度において、全介助は、1点であり、一部介助は、2点であり、見守りは、3点であり、自立は、4点である。なお、主観的運動自立度は、点数と結びつけられることで、主観的運動自立度点とも表記される。
居宅環境の情報とは、利用者Uの居宅の環境の情報である。居宅環境の情報は、例えば、利用者Uが当該詳細生活動作を行う際の、移動距離、段差又は階段に関する情報である。居宅環境の情報とは、具体的には、図7が示す「5)居宅環境」などの質問及び当該質問に対する回答である。なお、上述のように、利用者Uを担当する介護従事者が利用者Uの居宅を訪問した際に利用者Uの居宅環境の情報を得ることで、介護従事者が居宅を訪問しない場合に比べ、より精度の高い利用者Uの居宅環境の情報を、リハビリ支援装置10が取得することができる。
詳細生活動作のレベルの情報は、当該実施環境の情報を総括した情報であって、図7が示すように、現状の利用者Uが実施可能な詳細生活動作が示される。詳細生活動作のレベルは、具体的には、利用者Uが最も困っている詳細生活動作(「居室からトイレ」)と、一連動作の自立度(「一部介助」)と、補助具(「手すり」)と、居宅環境(「5m」の距離を「段差」を超えて移動できる)とによって構成される。なお、ここでは、補助具については、補助具の難易度が高い順に、なし、杖、手すり・支持物、歩行器、車椅子とする。
情報処理装置100は、受付装置として、受付けた利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報、及び、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報を取得部20へ出力する。
このように、取得部20(より具体的には、第1取得部21)は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報と、当該詳細生活動作に関連する情報に含まれる居宅環境の情報と、主観的運動自立度情報とを取得する。第1取得部21は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報と、当該詳細生活動作に関連する情報に含まれる居宅環境の情報と、主観的運動自立度情報とを決定部30へ出力する。
決定部30(より具体的には、第1決定部31)は、日常生活情報に基づいて運動動作を決定する(ステップS21)。より具体的には、第1決定部31は、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報と、居宅環境の情報とに基いて、生活動作のそれぞれの動作が細分化された構成動作を運動動作として決定してもよい。
なお上述のように、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報は、居宅環境の情報を含む。利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報に基いた情報であり、利用者Uが最も困っている詳細生活動作の情報に基いた情報は、改善が必要な生活動作の情報に基いた情報である。さらに、改善が必要な生活動作の情報は、自立度情報が含まれる日常生活情報に基いた情報である。なお、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報には、改善が必要な生活動作が含まれていてもよい。
第1決定部31は、日常生活情報と、第1記憶部41に記憶されている参照データ45とを照合し、利用者Uが行う運動動作を決定する。さらに具体的には、第1決定部31は、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報及び居宅環境の情報と、第1記憶部41に記憶されている参照データ45とを照合し、利用者Uが行う運動動作(ここでは、構成動作)を決定する。
ここで、構成動作について図8を用いて説明する。図8は、利用者Uが行う運動動作を決定するための表の画面の一例を示す図である。より具体的には、図8に示される表には、生活動作と、詳細生活動作と、構成動作と、構成動作の自立度判断基準と、訓練内容とがそれぞれ紐づけられた状態で記されている。構成動作は、生活動作のそれぞれの動作が細分化された動作である。より具体的には、構成動作は、生活動作に紐づけられた詳細生活動作のそれぞれの動作が細分化された動作である。なお、構成動作の自立度判断基準と訓練内容とについては、後述するステップS30以降で説明する。
第1決定部31は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に紐づけられた構成動作を、利用者Uの生活動作能力を評価するための動作である運動動作として決定する。例えば、改善が必要な生活動作が「屋内移動」、かつ、詳細生活動作が「居室からトイレへの移動」である場合、構成動作は、「歩行」、「方向転換」、「またぐ」及び「階段(段差)昇降」などであるが、これらに限られるものではない。なお、図8には図示されないが、詳細生活動作が「居室からトイレへの移動」の場合、構成動作は、さらに、「引き戸を開閉する」、「開き戸を開閉する」などの動作が含まれてもよい。さらに、当該表には、その他の生活動作と構成動作とが含まれてもよい(図8には不図示)。例えば、生活動作が「入浴」の場合、紐づけられた構成動作は、「体の前面を洗う」、「シャンプーで髪を洗う」などであってもよい。
このように、第1決定部31は、日常生活情報に基づいて運動動作を決定するため、第1決定部31は、利用者Uの生活動作能力を評価するために、より適した運動動作を決定することができる。
また、第1決定部31が生活動作のそれぞれの動作が細分化された構成動作を運動動作として決定し、構成動作が評価されることで、リハビリ支援装置10は、利用者Uの運動機能をより正確に評価することができる。
第1決定部31が運動動作を決定するとき、第1決定部31は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報又は病歴情報に基いて、構成動作のうち所定の動作を除外して、構成動作を運動動作として決定する。所定の動作とは、例えば、病歴に基いて忌避が推奨される動作である。また、所定の動作とは、利用者Uの居宅環境から利用者Uが行う必要のない動作である。
具体的には、図7が示すように、利用者Uの居宅環境で、「居室からトイレまでの移動」において、階段が無い場合は、構成動作である「階段(段差)昇降」を除外して、「歩行」、「方向転換」及び「またぐ」の構成動作を運動動作として決定する。また、病歴情報に基づいて忌避すべき動作がある場合は、構成動作のうち所定の動作を除外して、運動動作を決定する。また、所定の動作が除外される場合、代替の動作を運動動作として決定してもよい。
これにより、リハビリ支援装置10は、居宅環境又は病歴に基いて、不要な動作を除いて構成動作を決定することができる。つまり、リハビリ支援装置10は、利用者Uの健康を害することのない運動動作(構成動作)を決定することができるため、利用者Uの生活動作能力をより正確に評価することができる。
さらに、ステップS21において、第1記憶部41は、主観的運動自立度情報を利用者Uに紐づけて記憶してもよい。
決定部30(より具体的には、第1決定部31)は、決定した運動動作の情報である運動動作情報を第1出力部51に出力する。
第1出力部51は、決定部30が決定した運動動作情報を出力する(ステップS22)。ステップS22において、第1出力部51は、例えば、ステップS21で決定部30が決定した運動動作情報に含まれる構成動作が示された画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信する。また、このとき、第1出力部51は、決定部30が決定した運動動作情報に含まれる構成動作に関して、利用者Uから主観的運動自立度情報を受付ける画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信してもよい。
表示装置である情報処理装置100には、運動動作が示された画面が表示される。運動動作が示された画面には、例えば、「歩行」、「方向転換」及び「またぐ」の3つの構成動作が運動動作として決定された内容が表示される。
なお、上述のように、利用者Uを担当する介護従事者が利用者Uの居宅を訪問した際に、以上の処理が行われてもよい。さらに、以下の処理からは、例えば、利用者Uがリハビリ施設に訪れたときに、行われてもよい。
次に、取得部20(より具体的には第2取得部22)は、客観的運動評価情報を取得する(ステップS30)。さらに具体的には、第2取得部22は、客観的運動評価情報を情報処理装置100を介して取得する。
情報処理装置100は、リハビリ動作評価装置として、利用者Uによって行われる構成動作を評価して、客観的運動評価情報を得る。より具体的には、情報処理装置100は、利用者Uによって行われる「歩行」、「方向転換」及び「またぐ」のそれぞれの構成動作が所定の運動条件を満たすか否かを評価する。情報処理装置100は、例えば、構成動作を行う利用者Uを撮影した動画像データに対し画像処理を行い、利用者Uによって行われる構成動作が構成動作の自立度判断基準(図8記載)を満たすか否かを評価することで、構成動作の自立度を判断してもよい。つまり、上記の所定の運動条件とは、図8が示す構成動作の自立度判断基準に示された条件である。また、具体例として、以下を記載する。情報処理装置100は、構成動作「歩行」について「歩行速度が秒速40cm以下、又は、秒速40cm以上であるがバランス機能検査が見守り」が満たされず「介助者が介助すれば4m歩行ができる」が満たされる場合は、構成動作の自立度が2点であると評価する。情報処理装置100が行う評価方法は、上記に限られないが、図15以降にて、詳細を説明する。
ここで、客観的運動評価情報は、構成動作について図8が示す構成動作の自立度判断基準に従って、構成動作の自立度を評価した結果である。なお、当該構成動作の自立度は、客観的運動評価点とも表記される。
客観的運動評価情報は、利用者Uによって行われるすべての構成動作についての、客観的運動評価点の情報を含む。
情報処理装置100は、評価した客観的運動評価情報とをリハビリ支援装置10の取得部20へ出力する。
なお、主観的運動自立度情報及び客観的運動評価情報のいずれにおいても、同じ補助具が用いられてもよい。このとき、当該補助具は、図7が示す、利用者Uが最も困っている詳細生活動作に関連する情報に含まれる補助具(例えば、手すり・支持物)であってもよい。また、情報処理装置100は、受付装置として、当該補助具が適切か否かを選択する操作を利用者Uから受付けてもよい。例えば、当該補助具が、利用者Uによって不適切と判断されると、変更されてもよい。
以上のように、第2取得部22は、客観的運動評価情報を取得する。第2取得部22は、取得した客観的運動評価情報を決定部30へ出力する。
決定部30(より具体的には第2決定部32)は、第2取得部22が取得した客観的運動評価情報に基づいて訓練内容を決定する(ステップS31)。ここでは、決定部30が短期目標と、訓練内容と、長期目標とを決定する処理手順について説明する。
まず、第2決定部32は、客観的運動評価情報及び主観的運動自立度情報との差分に基いて、利用者Uの予め定められた短期間のリハビリ目標である短期目標を決定する。より具体的には、第2決定部32は、第1記憶部41に記憶されている主観的運動自立度情報及び第2取得部22が取得した客観的運動評価情報の差分と、第1記憶部41に記憶されている利用者Uに関連する情報とに基いて、短期目標を決定してもよい。ここでは、利用者Uに関連する情報として、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルの情報が利用されてもよい。図9は、本実施の形態に係る第2決定部32が短期目標を決定する処理手順を示すフローチャートである。
第2決定部32は、客観的運動評価情報及び主観的運動自立度情報を比較する(ステップS311)。具体的には、第2決定部32は、客観的運動評価点及び主観的運動自立度点を比較する。第2決定部32は、例えば、構成動作の1つである「歩行」、「方向転換」及び「またぎ」について、客観的運動評価点及び主観的運動自立度点を比較する。なお、上述のように、主観的運動自立度情報は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての主観的運動自立度点が含まれており、個々の構成動作についての点は含まれていない。よって、ここでは、それぞれの構成動作における主観的運動自立度点とは、利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての主観的運動自立度点と同じとする。具体的には、利用者Uが最も困っている詳細生活動作についての主観的運動自立度点が2点である場合、構成動作である「歩行」、「方向転換」及び「またぎ」についての主観的運動自立度点は、「歩行」:2点、「方向転換」:2点、「またぎ」:2点となる。
次に、第2決定部32は、すべての構成動作において、客観的運動評価点が主観的運動自立度点以上か否かを判断する(ステップS312)。
まず、すべての構成動作において、客観的運動評価点が主観的運動自立度点以上である場合(ステップS312でYes)について記す。この場合、第2決定部32は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルにおいて、当該詳細生活動作の自立度を1段階上昇させたレベルを短期目標として決定する(ステップS313)。
「ステップS312でYes」の場合とは、具体的には、図9が示すように、客観的運動評価点が「歩行」:3点、「方向転換」:2点、「またぎ」:2点であり、主観的運動自立度点が「歩行」:2点、「方向転換」:2点、「またぎ」:2点である場合である。
なお、利用者Uの客観的運動評価点及び主観的運動自立度点は、図9が示すように、レーダーチャートなどのグラフに加工されて表示装置に表示されてもよい。当該グラフにおいては、一番外側の三角形が自立(4点)を表し、三角形が内側に寄るに従って、それぞれの三角形が見守り(3点)、一部介助(2点)を表し、三角形の中心点が全介助(1点)を表してもよい。
この場合、第2決定部32は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルにおいて、当該詳細生活動作の自立度を1段階上昇させたレベルを短期目標として決定する。図7が示すように、現状の利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルは、例えば、『「居室からトイレ」まで「一部介助」で「手すり」を使い、「5m」の距離を「段差」を超えて移動できる』である。そのため、第2決定部32は、『「居室からトイレ」まで「見守り」で「手すり」を使い、「5m」の距離を「段差」を超えて移動できる』を短期目標として決定する。
一方で、すべての構成動作において、客観的運動評価点が主観的運動自立度点以上でない場合(ステップS312でNo)について記す。つまり、客観的運動評価点のうち少なくとも1つは、主観的運動自立度点未満である場合である。この場合、第2決定部32は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルにおいて、当該詳細生活動作の自立度を維持したレベルを短期目標として決定する(ステップS314)。
「ステップS312でNo」の場合とは、具体的には、図9が示すように、客観的運動評価点が、「歩行」:3点、「方向転換」:1点、「またぎ」:2点であり、主観的運動自立度点が、「歩行」:2点、「方向転換」:2点、「またぎ」:2点である場合である。
この場合、第2決定部32は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルにおいて、当該詳細生活動作の自立度を維持したレベルを短期目標として決定する。つまり、第2決定部32は、現状の利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルである『「居室からトイレ」まで「一部介助」で「手すり」を使い、「5m」の距離を「段差」を超えて移動できる』を短期目標として決定する。
このように、リハビリ支援装置10は、利用者Uが居宅で実施している運動動作に基づく利用者U自身の生活動作能力と、リハビリ動作評価装置によって正確に評価された生活動作能力との差を明らかにしたうえで、短期目標を決定する。
なお、すべての構成動作において、客観的運動評価点が主観的運動自立度点以上である場合(ステップS312でYes)、短期目標は上記に限らない。例えば、第2決定部32は、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルにおいて、補助具の難易度を1段階上昇させたレベルを短期目標として決定してもよい。
続いて、第2決定部32は、第2取得部22が取得した客観的運動評価情報に基づいて訓練内容を決定する。より具体的には、第2決定部32は、客観的運動評価情報が含む客観的運動評価点と、第1記憶部41に記憶されている参照データ45とを照合し、訓練内容を決定する。
第2決定部32は、客観的運動評価点と紐づけられた訓練を、訓練内容として決定してもよい。このとき、図8の訓練内容の欄が示すように、客観的運動評価点と訓練とが紐づけられて記憶されている。例えば、構成動作が「歩行」である場合、客観的運動評価点が1点であれば訓練が低強度歩行訓練、客観的運動評価点が2点であれば訓練が中強度歩行訓練、客観的運動評価点が3点であれば訓練が高強度歩行訓練、として訓練内容が対応付けて記憶されている。そのため、具体的には、構成動作が「歩行」であり客観的運動評価点が2点である場合、第2決定部32は、図8が示すように、客観的運動評価点(2点)に紐づけられた「中強度歩行訓練」を訓練内容として決定する。
第2決定部32は、すべての構成動作のうち、客観的運動評価点がより低い構成動作についての訓練を、優先度がより高い訓練内容として決定してもよい。ここで、具体例として、図9のステップS312でYesの事例が示すように、客観的運動評価点が「歩行」:3点、「方向転換」:2点、「またぎ」:2点である場合について説明する。この場合、第2決定部32は、「方向転換」及び「またぎ」の構成動作についての訓練をより優先度が高い訓練内容として決定してもよい。
このように、第2決定部32は、第2取得部22が取得した客観的運動評価情報に基づいて訓練内容を決定する。なお、客観的運動評価情報は、リハビリ動作評価装置が利用者Uによって行われる運動動作(すなわち、構成動作)の程度を評価することで得られる情報である。さらに、構成動作は、日常生活情報が含む自立度情報に基いて、日常生活動作のそれぞれの動作が細分化された動作である。
よって、本ステップS31は、取得部20が取得した日常生活情報及び客観的運動評価情報に基づいて、利用者Uが行ってリハビリ訓練の訓練内容を決定する決定ステップであるともいえる。
さらに、第2決定部32は、短期目標に基いて、利用者Uの予め定められた長期間のリハビリ目標である長期目標を決定してもよい。具体的には、第2決定部32は、短期目標と、第1記憶部41に記憶されている利用者Uに関連する情報とを照合し、長期目標を決定する。長期目標は、例えば、利用者Uが最も困っている詳細生活動作のレベルにおいて、当該詳細生活動作の自立度を短期目標よりも1段階上昇させたレベルであってもよい。例えば、短期目標が『「居室からトイレ」まで「見守り」で「手すり」を使い「5m」の距離を「段差」を超えて移動できる』である場合、長期目標は『「居室からトイレ」まで「ひとり」で「手すり」を使い「5m」の距離を「段差」を超えて移動できる』である。
このようにリハビリ支援装置10は、短期目標と紐づいた長期目標を決定することで、利用者Uにとって無理のない長期目標を決定することができる。
決定部30は、上記のように決定された短期目標、訓練内容及び長期目標に関する情報である短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報を第1出力部51に出力する。
第1出力部51は、決定部30が決定した短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報を出力する(ステップS32)。ステップS32において、第1出力部51は、例えば、ステップS31で決定部30が決定した短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報が示された画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信する。
表示装置である情報処理装置100には、短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報が示された画面が表示される。図10は、利用者Uの短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報に対応する画面の一例を示す図である。
さらに、図11は、利用者Uの短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報に対応する画面の他の一例を示す図である。情報処理装置100は、表示装置として、図10又は図11に示される画面を表示する。例えば、図11が示すように、客観的運動評価情報は、測定結果として、表示されてもよい。また、構成動作の自立度が短期目標未満の場合は、「!」などがマークが表示されてもよい。
このように、短期目標情報、訓練内容情報及び長期目標情報が示された画面が表示されることで、利用者Uは、利用者U自身の短期目標、訓練内容及び長期目標を容易に理解することができる。
なお、ステップS32において、情報処理装置100は、受付装置として、ステップS31で決定部30が決定した短期目標及び長期目標が適切か否かを選択する操作を利用者Uから受付けてもよい。例えば、決定部30が短期目標及び長期目標は、利用者Uによって、不適切と判断されると、変更される場合がある。図12は、利用者Uが長期目標を変更するための操作を受付ける画面の一例を示す図である。情報処理装置100は、表示装置として、図12に示される画面を表示する。このように、変更可能であってもよい。
ここで、今まで説明したステップS10〜ステップS32では、利用者Uがリハビリ訓練を受ける前の処理手順について説明された。
次に説明するステップS40〜ステップS42では、利用者Uがリハビリ訓練を受けた後の処理手順について説明する。例えば、ここでは、利用者Uは、3か月間のリハビリ訓練を受けたとして、説明する。また、説明のために、以下では、利用者Uがリハビリ訓練を受ける前の客観的運動評価情報及び主観的運動自立度情報は、訓練前客観的運動評価情報及び訓練前主観的運動自立度情報と表記する。同様に、以下では、利用者Uがリハビリ訓練を受けた後の客観的運動評価情報及び主観的運動自立度情報は、訓練後客観的運動評価情報及び訓練後主観的運動自立度情報と表記する。
次に、取得部20は、訓練後客観的運動評価情報を取得する(ステップS40)。さらに具体的には、取得部20は、訓練後主観的運動自立度情報及び訓練後客観的運動評価情報を情報処理装置100を介して取得する。
取得部20は、ステップS20及びステップS30で示した処理と同じ処理で、訓練前主観的運動自立度情報及び訓練前訓練後客観的運動評価情報を介して取得する。
第1評価部61は、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価する(ステップS41)。第1評価部61は、例えば、取得部20が取得した利用者Uが訓練内容を行う前及び行った後の客観的運動評価情報を比較することで、効果を評価してもよい。すなわち、第1評価部61は、訓練前客観的運動評価情報と訓練後客観的運動評価情報とを比較することで、効果を評価してもよい。なお、第1評価部61は、例えば、取得部20が取得した利用者Uが訓練内容を行った後の訓練後客観的運動評価情報と、第1記憶部41に記憶された利用者Uが訓練内容を行う前の訓練前客観的評価情報と、を比較することで、効果を評価してもよい。
第1評価部61は、効果の評価結果を第1出力部51に出力する。
第1出力部51は、第1評価部61が評価した結果である評価結果を出力する(ステップS42)。ステップS42において、第1出力部51は、例えば、ステップS41で得られた評価結果が示された画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信する。
表示装置である情報処理装置100には、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価した評価結果が示された画面が表示される。図13は、評価結果に対応する画面の一例を示す図である。
これにより、リハビリ動作評価装置によって得られた、訓練前客観的運動評価情報と訓練後客観的運動評価情報とにより、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を定量的に比較することができる。
また、第1評価部61は、例えば、取得部20が取得した利用者Uが訓練内容を行う前及び行った後の主観的運動自立度情報を比較することで、効果を評価してもよい。すなわち、第1評価部61は、訓練前主観的運動自立度情報と訓練後主観的運動自立度情報とを比較することで、効果を評価してもよい。
なお、このとき、第2決定部32は、さらに、取得部20が取得した訓練後客観的運動評価情報及び訓練後主観的運動自立度情報とに基いて、短期目標、長期目標及び訓練内容を更新して、再度、決定してもよい。
なお、ステップS10〜ステップS42では、利用者Uがリハビリ訓練を受ける前と受けた後との処理手順について説明されたが、リハビリ支援装置10は、リハビリ訓練を受けている最中に利用される装置であってもよい。
具体的には、リハビリ支援装置10は、さらに、スケジュール管理部を備えていてもよい。
スケジュール管理部は、日時情報とリハビリ訓練情報とに基いて、日時とリハビリ訓練の訓練内容と当該訓練内容を行う複数の利用者Uの氏名とを含むスケジュール管理情報を生成する処理部である。
取得部20は、例えば、受付装置である情報処理装置100を介して、所定の日時(例えば、リハビリ支援装置10が使用されている当日)を含む日時情報と、リハビリ訓練動作の動作名を含むリハビリ訓練情報とを、スケジュール管理部に出力する。
スケジュール管理部は、日時情報及びリハビリ訓練情報と、第1記憶部41に記憶されている参照データとを照合し、スケジュール管理情報を生成する。この場合、当該参照データには、日時情報及びリハビリ訓練情報と、上記所定の日時に当該訓練内容を行う予定の利用者Uの氏名とが関連付けられたデータである。スケジュール管理部は、生成したスケジュール管理情報を、第1出力部51に出力する。
第1出力部51は、生成されたスケジュール情報を出力する。第1出力部51は、例えば、スケジュール情報が示された画面の画面データを第1記憶部41から取得して、表示装置へ取得した画面データを送信する。
表示装置である情報処理装置100には、スケジュール情報が示された画面が表示される。図14は、スケジュール管理情報が示された画面の一例を示す図である。
図14が示すように、表示装置である情報処理装置100には、所定の日付と、リハビリ訓練動作の動作名と、当該訓練内容を行う複数の利用者U(A氏〜E氏)とが表示されている。
なお、情報処理装置100は、受付装置として、それぞれの利用者Uの、バイタル(脈拍及び血圧など)、出欠及び訓練経過(途中又は完了など)についての操作を受付ける。情報処理装置100は、受付けた操作の結果を、リハビリ支援装置10へ出力する。リハビリ支援装置は、上記操作の結果に基づいて、第1出力部51が出力する画面データを更新する。
このように、スケジュール管理部が設けられることで、リハビリ支援装置10の使用者は、所定の日時に訓練内容を行う人物を、容易に理解することができる。
[効果など]
以上説明したように、本実施の形態に係るリハビリ支援装置10は、取得部20と、決定部30と、第1評価部61とを備える。取得部20は、リハビリ訓練を受ける利用者Uの申告に基づく日常生活に関する情報である日常生活情報、及び、利用者Uによって行われる運動動作の程度をリハビリ動作評価装置が評価することで得られる客観的運動評価情報を取得する。決定部30は、取得部20が取得した日常生活情報及び客観的運動評価情報に基づいて、利用者Uが行うリハビリ訓練の訓練内容を決定する。第1評価部61は、決定部30が決定した訓練内容を利用者Uが行って得られた効果を評価する。
これにより、リハビリ支援装置10において、利用者Uの生活動作能力を評価するための運動動作の程度がリハビリ動作評価装置によって評価されることで、当該運動動作が所定の条件を満たす動作となっているか否かを正確に評価することができる。リハビリ支援装置10は、このような、正確に評価された利用者Uの生活動作能力に基いて、リハビリ訓練の訓練内容を決定することができる。
そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができるリハビリ支援装置10が実現される。
また、リハビリ支援システム1は、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価することができる。
また、取得部20は、日常生活情報を取得する第1取得部21と、客観的運動評価情報を取得する第2取得部22とを有する。決定部30は、第1取得部21が取得した日常生活情報に基づいて運動動作を決定する第1決定部31と、第2取得部22が取得した客観的運動評価情報に基づいて訓練内容を決定する第2決定部32とを有する。
これにより、第1決定部31は、日常生活情報に基づいて運動動作を決定するため、第1決定部31は、利用者Uの生活動作能力を評価するために、より適した運動動作を決定することができる。
そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができるリハビリ支援装置10が実現される。
また、第2取得部22は、さらに、利用者Uが利用者Uの居宅で実際に実施している運動動作の自立度の情報である主観的運動自立度情報を取得する。第2決定部32は、さらに、主観的運動自立度情報と客観的運動評価情報との差分に基いて、利用者Uの予め定められた短期間のリハビリ目標である短期目標を決定して出力する。
これにより、リハビリ支援装置10は、利用者Uが居宅で実施している運動動作に基づく利用者U自身の生活動作能力と、リハビリ動作評価装置によって正確に評価された生活動作能力との差を明らかにしたうえで、短期目標を決定する。
そのため、リハビリ支援装置10は、利用者Uにとってより適切な短期目標を決定することができる。
さらに、第2決定部32は、短期目標に基いて、利用者Uの予め定められた長期間のリハビリ目標である長期目標を決定して出力する。
これにより、リハビリ支援装置10は、短期目標と紐づいた長期目標を決定することで、利用者Uにとって無理のない長期目標を決定することができる。
そのため、リハビリ支援装置10は、利用者Uにとってより適切な長期目標を決定することができる。
また、第1取得部21は、さらに、日常生活情報に基づいた情報であって利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報と、利用者Uの居宅の環境の情報である居宅環境情報とを取得する。第1決定部31は、利用者Uが最も困っている詳細な生活動作の情報と、居宅環境情報とに基いて、生活動作のそれぞれの動作が細分化された構成動作を運動動作として決定して出力する。
このように、第1決定部31が生活動作のそれぞれの動作が細分化された構成動作を運動動作として決定し、構成動作が評価されることで、リハビリ支援装置10は、利用者Uの運動機能をより正確に評価することができる。
そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができるリハビリ支援装置10が実現される。
また、日常生活情報は、さらに、利用者Uの病歴に関する情報である病歴情報を含む。第1決定部31は、構成動作を運動動作として決定する際に、病歴情報に基づいて、構成動作のうち所定の動作を除外して、構成動作を運動動作として決定して出力する。
これにより、リハビリ支援装置10は、病歴に基いて、不要な動作を除いて構成動作を決定することができる。つまり、リハビリ支援装置10は、利用者Uの健康を害することのない運動動作(構成動作)を決定することができるため、利用者Uの生活動作能力をより正確に評価することができる。
そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができるリハビリ支援装置10が実現される。
また、第1評価部61は、利用者Uが訓練内容を行う前及び行った後の客観的運動評価情報を比較することで、効果を評価して出力する。
これにより、リハビリ動作評価装置によって得られた、訓練前客観的運動評価情報と訓練後客観的運動評価情報とにより、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を定量的に比較することができる。
すなわち、リハビリ支援装置10は、利用者Uが効果を実感しやすいような評価結果を出力することができる。
また、本実施の形態に係るリハビリ支援装置10は、さらに、リハビリ支援装置10を使用する使用者からのリハビリ支援装置10に対する評価を受付ける受付部70と、受付部70が受付けた評価をリハビリ支援装置10の管理者に送信する送信部71とを備える。
これにより、受付部70及び送信部71によって、リハビリ支援装置10の管理者は、リハビリ支援装置10を使用する使用者から、リハビリ支援装置の評価を得ることができる。
そのため、リハビリ支援装置10は、使用者にとってより使いやすい装置となる。
また、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1は、上記記載のリハビリ支援装置10と、決定部30が決定した訓練内容を表示する表示装置とを備える。
これにより、リハビリ支援システム1において、利用者Uの生活動作能力を評価するための運動動作の程度がリハビリ動作評価装置によって評価されることで、当該運動動作が所定の条件を満たす動作となっているか否かを正確に評価することができる。リハビリ支援システム1は、このような、正確に評価された利用者Uの生活動作能力に基いて、リハビリ訓練の訓練内容を決定することができる。
そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができるリハビリ支援システム1が実現される。
また、リハビリ支援システム1は、表示装置を備えることで、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価した評価結果を利用者Uに表示できる。つまり、リハビリ支援システム1は、利用者Uが効果を実感しやすいような評価結果を表示することができる。
また、リハビリ支援方法は、リハビリ支援装置10によって行われる方法である。リハビリ支援方法は、リハビリ訓練を受ける利用者Uの申告に基づく日常生活に関する情報である日常生活情報、及び、客観的運動評価情報を取得する取得ステップS10及びS30を含む。客観的運動評価情報とは、利用者Uによって行われる運動動作の程度をリハビリ動作評価装置が評価することで得られる情報である。さらに、リハビリ支援方法は、取得ステップS10及びS30で取得された日常生活情報及び客観的運動評価情報に基づいて、利用者Uが行うリハビリ訓練の訓練内容を決定する決定ステップS21及びS31を含む。さらに、リハビリ支援方法は、決定ステップS21及びS31で決定された訓練内容を利用者Uが行って得られた効果を評価する第1評価ステップS41を含む。
これにより、リハビリ支援方法において、利用者Uの生活動作能力を評価するための運動動作の程度がリハビリ動作評価装置によって評価されることで、当該運動動作が所定の条件を満たす動作となっているか否かを正確に評価することができる。リハビリ支援方法は、このような、正確に評価された利用者Uの生活動作能力に基いて、リハビリ訓練の訓練内容を決定することができる。
そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができるリハビリ支援方法が実現される。
また、リハビリ支援システム1は、利用者Uが訓練内容を行って得られた効果を評価することができる。
また、本発明は、上記リハビリ支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。
このようなプログラムは、コンピュータに、正確に評価された利用者Uの生活動作能力に基いて、リハビリ訓練の訓練内容を決定することができる。そのため、高いリハビリ効果を得られるリハビリ訓練内容を決定することができる。
[リハビリ動作評価装置の構成]
続いて、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200の構成に関して説明する。図15は、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200の特徴的な機能構成を示すブロック図である。より具体的には、図15では、情報処理装置100が備えるリハビリ動作評価装置200等について説明する。
リハビリ動作評価装置200は、上述の通り、利用者Uが行うリハビリ訓練に関する運動動作の程度を評価する装置であるが、これに限らない。図15が示すように、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データから、リハビリ訓練動作の程度を評価するための装置であってもよい。リハビリ訓練動作とは、利用者Uの生活動作能力を改善させるためのリハビリ訓練において、利用者Uが行う動作である。また、例えば、リハビリ訓練動作は、リハビリ施設で日常的に行われる動作であってもよい。なお、図8が示す訓練内容は、リハビリ訓練動作を含んでもよい。この場合、訓練内容は、リハビリ訓練動作と、当該リハビリ訓練動作が行われる時間又は回数などを含んでもよい。一具体例として、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作が正しい動作で行われているか否かを評価するための装置、又は、リハビリ訓練動作が行われた回数を数えて評価するための装置である。
このようなリハビリ動作評価装置200は、介護施設又は医療施設などで用いられる装置である。リハビリ動作評価装置200は、上記施設において、利用者Uが行うリハビリ動作を指導する指導者(例えば、理学療法士)が行う業務を支援する。
以下では、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作の程度を評価する装置として説明を進める。
上述のように、情報処理装置100は、受付装置500と、リハビリ動作評価装置200と、表示装置400とを備える。また、図15が示すように、情報処理装置100は、さらに、撮影装置300を備えてもよい。
リハビリ動作評価装置200は、撮影装置300を介してリハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データを取得し、取得した動画像データから利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価する装置である。リハビリ動作評価装置200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)とメモリとプログラムとによって構成された装置でもよく、サーバであってもよい。
撮影装置300は、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影する装置である。撮影装置300は、動画像を撮影できる装置であれば、どのような装置でもよく、例えば、カメラ又はビデオカメラである。また、上述のように情報処理装置100がスマートフォン又はタブレット端末である場合は、付属のカメラ又はビデオカメラであってもよい。
リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データは、距離情報を含まない2次元動画像データである。距離情報とは、撮影装置300と利用者Uとの距離情報である。つまり、撮影装置300は、測距機能を有さない装置であってもよい。なお、撮影装置300は、情報処理装置100から独立した、別個の装置であってもよい。
撮影装置300は、当該動画像データをリハビリ動作評価装置200へ出力する。
表示装置400は、リハビリ動作評価装置200から出力される画面データに基づいた画面を表示する。表示装置400は、例えば、リハビリ動作評価装置200が評価した利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価した結果を表示してもよい。表示装置400は、上述の通り、表示装置400は、具体的には、液晶パネル、又は、有機ELパネルなどによって構成されるモニタ装置である。なお、表示装置400は、情報処理装置100から独立した、別個の装置であってもよい。
本実施の形態においては、情報処理装置100は、スマートフォン又はタブレットであり、撮影装置300がリハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影する際に、表示装置400には、撮影されている利用者Uが表示されてもよい。
受付装置500は、タッチパネル又はハードウェアボタンであってもよい。受付装置500は、例えば、介護従事者からリハビリ訓練動作の評価に関する操作を受付けて、受付けた操作をリハビリ動作評価装置200へ出力する。
リハビリ動作評価装置200と、撮影装置300、表示装置400及び受付装置500とは、受付けた操作結果、動画像データ又は画面データを送受信可能であればよく、有線で接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。
ここで、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200についての従来技術について説明する。
従来、リハビリ訓練動作を行う利用者Uの骨格情報から、リハビリ訓練動作がルールに沿って、正しく行われているか否かを評価するプログラムが知られている。
特許文献(特開2014−155693号公報)に開示されるプログラムにおいては、利用者Uが行うリハビリ動作を表す動作情報を収集する際に、距離画像収集部によって、距離画像収集部と利用者Uとの距離が測定された情報である距離画像情報が収集される。当該プログラムにおいては、この距離画像情報に基づいて、3次元空間の座標系における利用者Uの骨格の情報を含む動作情報が得られ、当該動作情報に基づいて、リハビリ訓練動作がルールに沿って、正しく行われているか否かが評価される。
しかしながら、上記特許文献に開示されたプログラムにおいては、測距機能を有する装置から距離画像情報を収集することが必須となる。このため、距離画像情報を収集するためには、専用の装置が必要となり、当該プログラムにおいては、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを評価することは、容易ではない。
一方で、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200は、距離情報を含まない2次元動画像データに基づいて、リハビリ訓練動作が正しい動作で行われているか否かを評価することができる。つまり、リハビリ動作評価装置200においては、測距機能を有する専用装置から情報を得ることは必須ではない。従って、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを、容易に評価することができる。
図15が示すように、リハビリ動作評価装置200は、第3取得部223と、推定部280と、第2評価部262と、第2出力部252と、第2記憶部242とを備える。
第3取得部223は、撮影装置300よって得られた、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データであって、距離情報を含まない2次元動画像データを取得する。第3取得部223は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
推定部280は、第3取得部223で取得した2次元動画像データに基づいて、当該2次元動画像データにおける利用者Uの骨格を示す骨格情報を推定する処理部である。推定部280は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。
ここで、図16A及び図16Bを用いて、骨格情報について説明する。図16Aは、本実施の形態に係るリハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データの1フレームを示す図である。図16Bは、図16Aが示す利用者Uの骨格情報が推定された図である。図16Bでは、円部分が利用者Uの関節、鼻、目又は耳などの身体の部位に相当し、当該身体の部位同士が棒部分によって接続されている。つまり、図16Aに示される利用者Uに対して、推定部280が推定処理を行うと、図16Bに示される利用者Uの骨格情報が得られる。
骨格情報は、図16Bが示すように、利用者Uの骨同士が連結する箇所である関節位置の情報を含む。骨格情報は、例えば、2次元動画像データのそれぞれにおける、1人の利用者Uの複数の関節位置の情報を含んでもよい。また、2次元動画像データのそれぞれとは、2次元動画像データに含まれるそれぞれのフレームであってもよい。つまり、骨格情報は、1人の利用者Uが撮影された2次元動画像データにおいて、当該2次元動画像データのフレームごとの、1人の利用者Uの複数の関節位置の情報が含まれている。複数の関節位置の情報には、それぞれの関節位置についてxy平面座標に相当する複数の関節の座標位置の情報が含まれてもよい。
なお、骨格情報は、利用者Uの鼻、目及び耳の位置の情報も含んでもよい。よって、骨格情報は、1人の利用者Uが撮影された2次元動画像データにおいて、当該2次元動画像データのフレームごとの、1人の利用者Uの鼻、目及び耳の位置の情報が含まれていてもよい。さらに、鼻、目及び耳の位置の情報には、それぞれの位置についてxy平面座標に相当する鼻、目及び耳の座標位置の情報が含まれてもよい。
なお、骨格情報の推定には、例えば、下記文献に示される、OpenPoseなどの技術が用いられてもよい(非特許文献:Zhe Cao 他 :Realtime Multi−Person 2D Human Pose Estimation using Part Affinity Fields, CVPR 2017)。
再び、図15を用いて、第2評価部について説明する。
第2評価部262は、推定部280が推定した骨格情報に基づいて、利用者Uが行うリハビリ訓練に関するリハビリ訓練動作の程度(例えば、リハビリ訓練動作の出来又は不出来)を評価する。具体的には、第2評価部262は、推定部280が推定した骨格情報と、第2記憶部242に記憶されている参照データ246とを照合し、リハビリ訓練動作の程度を評価する。第2評価部262は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。
さらに、第2評価部262は、規格化部2621と、動作評価部2622とを有してもよい。規格化部2621は、複数の関節位置のうち、第1関節位置と第1関節位置とは異なる第2関節位置との距離を基準値とし、当該基準値を用いて、複数の関節位置を規格化する処理部である。動作評価部2622は、規格化部2621が規格化した複数の関節位置に基づいて、リハビリ訓練動作の程度を評価する処理部である。この場合、動作評価部2622は、規格化部2621が規格化した複数の関節位置と、第2記憶部242に記憶されている参照データ246とを照合し、リハビリ訓練動作の程度を評価する。
第2出力部252は、第2評価部262が評価した利用者Uが行うリハビリ訓練動作の評価結果を表示装置400へ出力する。第2出力部252は、例えば、有線通信又は無線通信を行う通信インターフェースである。
第2記憶部242は、リハビリ訓練動作の動作名と、所定の閾値との関係を示す参照データ246が記憶されている記憶装置である。参照データ246は、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度が評価されるときに第2評価部262によって参照される。第2記憶部242は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等によって実現される。
また、第2記憶部242には、推定部280及び第2評価部262が実行するプログラム、及び、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度の評価結果を出力する際に用いられる当該評価結果を示す画面データも記憶されている。
なお、推定部280及び第2評価部262は、それぞれの機能を併せ持つ1つのプロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路で実現されてもよい。また、推定部280及び第2評価部262は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
[リハビリ動作評価方法の処理手順]
続いて、リハビリ動作評価装置200が実行するリハビリ動作評価方法における具体的な処理手順について説明する。図17は、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200が利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価する処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、リハビリ訓練動作として、片足立ち訓練を例に挙げる。
まず、第3取得部223は、撮影装置300を介して、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データ(2次元動画像データ)を取得する(ステップS110)。第3取得部223が取得した2次元動画像データは、図16Aが示すような図が1フレームである動画像データであってよい。2次元動画像データは、複数のフレームを含んでもよい。また、第3取得部223は、受付装置500を介して、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の動作名(片足立ち訓練)を入手してもよい。
次に、推定部280は、2次元動画像データに基づいて、利用者Uの骨格情報を推定する(ステップS120)。より具体的には、推定部280は、複数の関節位置の情報を含む利用者Uの骨格情報を推定し、第2評価部262に出力する。また、推定部280は、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の動作名(片足立ち訓練)を第2評価部262に出力してもよい。
さらに、第2評価部262は、ステップS120で推定された骨格情報に基づいて、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価する(ステップS130)。ここで、ステップS130の詳細を説明する。
図18Aは、本実施の形態に係る推定部280が推定した利用者Uの骨格情報に対応する画面の一例を示す図である。
推定部280から取得した利用者Uの骨格情報は、例えば、図18Aに示される、2次元動画像データのそれぞれのフレームにおける、1人の利用者Uの複数の関節位置の情報である。
複数の関節位置の情報には、それぞれの関節位置についてxy平面座標に相当する複数の関節の座標位置の情報が含まれてもよい。ここで、xy平面座標は、例えば、表示装置400の画素と対応する座標であってもよい。
図18Bは、図18Aの骨格情報における複数の関節位置が規格化される処理を示す図である。図18Bの(a)は、複数の関節の座標位置が示された図であり、図18Bの(b)は、図18Bの(a)の座標位置が補正された図であり、図18Bの(c)は、図18Bの(b)の図が規格化された図である。例えば、複数の関節の座標位置は、図18Bの(a)に表される座標位置であってもよい。
まず、第2評価部262は、推定部280が推定した骨格情報に含まれる複数の関節の座標位置のうち、所定のフレームでの所定の関節の座標位置が原点となるように、複数の関節の座標位置を補正する。例えば、所定のフレームとは、利用者Uがリハビリ訓練動作を開始した時刻(t0)であり、所定の関節とは、首の関節であってもよい。さらに、第2評価部262は、各関節の座標から、首の関節の座標を減算することで、各関節の座標位置を補正する。例えば、図18Bの(b)が示すように、所定のフレーム(t0)での首の関節の座標位置が原点(x=0、y=0)となるように、複数の関節の座標位置が補正される。
さらに、規格化部2621は、複数の関節位置のうち、第1関節位置と第1関節位置とは異なる第2関節位置との距離を基準値とし、当該基準値を用いて、複数の関節位置を規格化する(ステップS131)。なお、規格化部2621は、規格化された複数の関節位置を、動作評価部2622へ出力してもよい。
このとき、第1関節位置及び第2関節位置として、補正された複数の関節の座標位置が用いられてもよい。規格化部2621は、第1関節位置と第2関節位置との距離を基準値とし、図18Bの(b)が示す補正された複数の関節の座標位置を、基準値で除算する。
また、第1関節位置及び第2関節位置は、図18Aに示される関節位置であってもよい。第1関節位置は、利用者Uの首の関節位置であり、第2関節位置は、利用者Uの腰の関節位置であってもよい。さらに、第1関節位置及び第2関節位置は、図18Aに示される関節位置に限られない。例えば、第1関節位置及び第2関節位置は、複数の関節の座標位置から求められる仮想的な関節位置であってもよい。仮想的な関節位置とは、例えば、図18Aに示される右腰の関節位置と左腰の関節位置との中央の位置であって、中央腰の関節位置であってもよい。同様に、仮想的な関節位置とは、右膝の関節位置と左膝の関節位置との間の位置であってもよく、右足首の関節位置と左足首の関節位置との間の位置であってもよい。
本実施の形態においては、第1関節位置は、首の関節位置であり、第2関節位置は、仮想的な関節位置である中央腰の関節位置である。
規格化部2621は、首の関節位置と中央腰の関節位置との距離を基準値とし、複数の関節の座標位置を基準値で除算する。その結果、図18Bの(c)が示すように、複数の関節の座標位置が規格化される。つまり、複数の関節位置が規格化される。
なお、複数の関節の座標位置が補正され、規格化される処理において、常に、所定のフレーム(例えば時刻(t0))での座標位置が用いられてもよい。つまり、利用者Uがリハビリ訓練動作を開始した時刻(t0)以降の時刻(例えば、t1)における複数の関節の座標位置は、時刻(t0)の首の関節の座標位置によって補正されてもよい。さらに、時刻(例えば、t1)における複数の関節の座標位置は、時刻(t0)の首の関節位置と中央腰の関節位置との距離を基準値として、規格化されてもよい。
このように、規格化部2621が設けられることで、例えば、利用者Uと撮影装置300との距離が短い場合及び長い場合の両方の場合においても、同じ長さに規格化された複数の関節位置が得られる。つまり、第1関節位置と第2関節位置との距離が同じ長さとなった複数の関節位置が得られる。また、同様に、身長の高い利用者Uが評価される場合及び身長の低い利用者Uが評価される場合の両方の場合においても、第1関節位置と第2関節位置との距離が同じ長さとなった複数の関節位置が得られる。
なお、上記基準値には、第1関節位置と第2関節位置との距離が用いられたがこれに限らない。例えば、基準値は、関節、鼻、目及び耳の座標位置から選ばれる2点によって定められてもよい。
規格化部2621は、さらに、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の初期姿勢に基いて、第1関節位置及び第2関節位置を決定してもよい。
つまり、規格化部2621は、利用者Uがリハビリ訓練動作を開始した時刻での姿勢において、規格化部2621が入手可能な複数の関節位置を、第1関節位置及び第2関節位置として決定してもよい。例えば、利用者Uが行うリハビリ訓練動作において用いられる道具(机など)がある場合について説明する。上記初期姿勢では利用者Uの下半身に相当する複数の関節位置が当該道具によって遮蔽されると、規格化部2621が下半身に相当する複数の関節位置を入手することができない。この場合は、規格化部2621は、入手可能な複数の関節位置(例えば、右肩及び左肩)を、第1関節位置及び第2関節位置として決定してもよい。
これにより、規格化部2621が入手可能な複数の関節位置を、第1関節位置及び第2関節位置として決定することができる。
続いて、動作評価部2622は、規格化部2621が規格化した複数の関節位置に基づいて、リハビリ訓練動作の程度を評価する(ステップS132)。
動作評価部2622は、取得したリハビリ訓練動作の動作名(片足立ち訓練)と、第2記憶部242に記憶されている参照データ246とを照合し、所定の閾値を取得する。利用者Uがリハビリ訓練動作を行うことによって所定の関節の座標位置が閾値を超えた場合、動作評価部2622は、当該リハビリ訓練動作が達成されたと判断する。
具体的な例を、図18Cを用いて説明する。
図18Cは、図18Bが示す規格化された複数の関節位置に基いて、リハビリ訓練動作の程度を評価する一例が示された図である。より具体的には、図18Cの(a)は、利用者Uがリハビリ訓練動作を開始した時刻(t0)の一例が示された図である。図18Cの(b)は、図18Cの(a)より、時間が経過した時刻(t1)の一例が示された図である。図18Cの(c)は、図18Cの(b)より、さらに時間が経過した時刻(t2)の一例が示された図である。
ここでは、所定の閾値は、例えば、第1閾値L1及び第2閾値L2を含む。例えば、図18Cにおいて、第1閾値L1は、時刻(t0)における、右足首の関節の座標位置と左足首の関節の座標位置との中央の位置と同じy軸の値をもつ。さらに、第2閾値L2は、第1閾値L1よりも正側に大きいy軸の値をもつ。例えば、第2閾値L2は、規格化された座標において、第1閾値L1より1だけ大きい値であってもよい。
図18Cの(a)が示すように、時刻(t0)においては、利用者Uの両足首の関節の座標位置は、第2閾値L2よりもy軸負側に位置している。
図18Cの(b)が示すように、利用者Uがリハビリ訓練動作を行い、時刻が進み時刻(t1)となると、利用者Uの右足首の関節の座標位置は、時刻(t0)よりもy軸正側に位置している。しかしながら、時刻(t1)における利用者Uの右足首の関節の座標位置は、第2閾値L2よりもy軸負側に位置している。
図18Cの(c)が示すように、利用者Uがさらにリハビリ訓練動作を行い、時刻が進み時刻(t2)となると、利用者Uの右足首の関節の座標位置は、第2閾値L2よりもy軸正側に位置している。つまり、利用者Uがリハビリ訓練動作を行うことによって所定の関節(ここでは右足首)の座標位置が閾値(ここでは第2閾値)を超えたため、動作評価部2622は、当該リハビリ訓練動作が達成されたと判断する。
このように、規格化部2621が設けられることで、同じ長さに規格化された複数の関節位置が得られる。つまり、第1関節位置と第2関節位置との距離が同じ長さとなった複数の関節位置が得られる。そのため、利用者Uと撮影装置との距離が短い場合及び長い場合の両方の場合においても、リハビリ動作評価装置200は、共通の閾値を用いて、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価することができる。
一方、ここで、規格化部2621によって規格化が行われなかった場合、すなわち、ステップS131が行われなかった場合について説明する。この場合は、第2評価部262は、規格化されていない複数の関節位置に基いて、リハビリ運動動作の程度を評価する。
図18Dは、図18Aが示す骨格情報における規格化されていない複数の関節位置に基いて、リハビリ訓練動作の程度を評価する一例が示された図である。図18Dの(a)は、利用者Uがリハビリ訓練動作を開始した時刻(t0)の一例が示された図である。図18Dの(b)は、図18Dの(a)より、時間が経過した時刻(t1)の一例が示された図である。図18Dの(c)は、図18Dの(b)より、さらに時間が経過した時刻(t2)の一例が示された図である。
この場合、所定の閾値は、例えば、第3閾値L3及び第4閾値L4を含む。例えば、図18Dにおいて、第3閾値L3は、時刻(t0)における、右足首の関節の座標位置と左足首の関節の座標位置との中央の位置と同じy軸の値をもつ。さらに、第4閾値L4は、第3閾値L3よりも正側に大きいy軸の値をもつ。
図18Dの(a)が示すように、時刻(t0)においては、利用者Uの両足首の関節の座標位置は、第4閾値L4よりもy軸負側に位置している。
図18Dの(b)が示すように、利用者Uがリハビリ訓練動作を行い、時刻が進み時刻(t1)となると、利用者Uの右足首の関節の座標位置は、時刻(t0)よりもy軸正側に位置している。しかしながら、時刻(t1)における利用者Uの右足首の関節の座標位置は、第4閾値L4よりもy軸負側に位置している。
図18Dの(c)が示すように、利用者Uがさらにリハビリ訓練動作を行い、時刻が進み時刻(t2)となると、利用者Uの右足首の関節の座標位置は、第4閾値L4よりもy軸正側に位置している。つまり、利用者Uがリハビリ訓練動作を行うことによって複数の関節(ここでは右足首)の座標位置が閾値(ここでは第2閾値)を超えたため、第2評価部262は、当該リハビリ訓練動作が達成されたと判断する。
この場合、すなわち、ステップS131が行われなかった場合について説明する。例えば、利用者Uと撮影装置300との距離が短いと、座標位置上において利用者Uが大きくなり、利用者Uと撮影装置300との距離が長いと、座標位置上において利用者Uが小さくなる。このような場合においても、座標位置上における利用者Uの大きさに応じた閾値(第3閾値L3及び第4閾値L4)が用いられることで、第2評価部262は、規格化されていない複数の関節位置に基いて、リハビリ運動動作の程度を評価することができる。
続いて、第2出力部252は、第2評価部262が評価した利用者Uが行うリハビリ訓練動作の評価結果を表示装置400へ出力する。
さらに、表示装置400は、リハビリ動作評価装置200が評価した利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価した結果を表示する。
なお、第2評価部262が評価した利用者Uが行うリハビリ訓練動作の評価結果は、第2記憶部242に記憶されてもよい。当該評価結果は、上述のリハビリ支援装置10へ出力されてもよい。また、同様の処理を用いて、リハビリ動作評価装置200が上記の運動動作の程度を評価した結果は、客観的運動評価情報としてリハビリ支援装置10に出力される。
[リハビリ訓練動作の評価の実例]
ここで、本実施の形態に係るリハビリ訓練動作の評価の実例を示す。具体的には、リハビリ訓練動作として段差昇降訓練が用いられる。
受付装置500は、段差昇降訓練を開始するための操作、及び、段差昇降訓練を行う利用者Uの氏名と段差昇降訓練の訓練時間とを決定するための操作を受付ける。
リハビリ動作評価装置200が当該2つの操作を取得すると、第2出力部252が段差昇降訓練に対応する画面データを第2記憶部242から取得して、表示装置400へ取得した画面データを送信する。表示装置400は、取得した画面データに対応する画面を表示する。
なお、以降においても、受付装置500が所定の操作を受付けると、上記と同様の処理がなされ、表示装置400は、所定の操作に対応する画面を表示する。
図19Aは、リハビリ訓練動作に関する設定が完了したことを示す操作を受付ける画面の一例を示す図である。図19Aが示すように、表示装置400には、撮影装置300によって撮影される利用者Uが表示されていてもよい。
例えば、リハビリ動作を指導する指導者は、図19Aが示す指示に従い、訓練対象者(利用者U)が画面内に入るように行動し、「設定完了」のボタンを押して設定が完了したことを示す操作を行う。受付装置500が当該操作を受付けると、表示装置400は、リハビリ訓練動作を開始するための操作を受付ける画面を表示する。
図19Bは、リハビリ訓練動作を開始するための操作を受付ける画面の一例を示す図である。図19Bが示すように、決定された利用者Uの氏名(例えば、A氏)と、撮影装置300によって撮影されるリハビリ訓練動作を行う前の利用者Uとが表示装置400表示されている。
例えば、指導者は、図19Bが示す指示に従い、「スタート」のボタンを押して、リハビリ訓練を開始するための操作を行う。受付装置500が当該操作を受付けると、表示装置400は、リハビリ訓練動作の程度を評価するための画面を表示する。
図19Cは、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価するための画面の一例を示す図である。
このとき、[リハビリ動作評価方法の処理手順]で示したように、リハビリ動作評価装置200は、撮影装置300から動画像データを取得し、取得した動画像データから利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価する。
例えば、リハビリ動作評価装置200は、利用者Uが段差昇降した回数を数えることで、リハビリ訓練動作の程度を評価してもよい。なお、このとき、リハビリ動作評価装置200は、利用者Uが所定の回数(例えば20回)段差昇降するために要した時間を測定してもよい。
また、図19Cには、「残り時間」が表示されているが、これに限らず、リハビリ訓練を開始した時刻からの経過時刻が表示されてもよい。さらに、図19Cが示すように、リハビリ訓練を中止するための操作を受付けるための「訓練中止」ボタンが表示されてもよい。
さらに、決定された訓練時間が経過すると、訓練が終了したことを通知する画面が表示される。図19Dは、利用者Uのリハビリ訓練が終了したことを通知するための画面の一例を示す図である。
なお、図19A〜図19Dでは、リハビリ動作評価装置200は、一人の利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価したが、これに限らない。リハビリ動作評価装置200は、例えば、複数人の利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価してもよい。
本実施の形態においては、図16A及び図16Bが示すように、利用者Uのみが表示装置400に表示されたが、これに限らない。例えば、利用者Uに付き添う介護従事者が表示装置400に表示されてもよい。
また、図19A及び図19Bが示すように、表示装置400は、訓練時間を変更する操作を受付けるための「訓練時間変更」ボタンが表示されている。これにより、一度決定された訓練時間を変更することができる。また、訓練時間に限らず、その他の設定事項を変更する操作を受付けるためのボタンが表示されてもよい。
受付装置500は、利用者Uの氏名を決定するための操作を受付けたが、これに限らない。例えば、受付装置500が上記操作を受付けない場合は、図19Aに示された利用者Uに対し顔認識技術などを用いて、利用者Uの氏名が決定されてもよい。この場合、利用者Uの氏名が一度決定されると、利用者Uの氏名は、表示装置400に表示される利用者Uの骨格情報と紐づけられて、表示装置400に表示されてもよい。
[効果など]
以上説明したように、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1は、さらに、リハビリ動作評価装置200を備える。リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データであって、距離情報を含まない2次元動画像データを取得する第3取得部223を有する。さらに、リハビリ動作評価装置200は、第3取得部223が取得した2次元動画像データに基づいて、2次元動画像データにおける利用者Uの骨格を示す骨格情報を推定する推定部280を有する。さらに、リハビリ動作評価装置200は、推定部280が推定した骨格情報に基づいて、利用者Uが行うリハビリ訓練に関するリハビリ訓練動作の程度を評価する第2評価部262とを有する。
これにより、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200は、距離情報を含まない2次元動画像データに基づいて、リハビリ訓練動作が正しい動作で行われているか否かを評価することができる。つまり、リハビリ動作評価装置200においては、測距機能を有する専用装置から情報を得ることは必須ではない。従って、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを、容易に評価することができる。
また、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1においては、骨格情報は、2次元動画像データのそれぞれにおける、1人の利用者Uの複数の関節位置の情報を含む。第2評価部262は、複数の関節位置のうち、第1関節位置と第1関節位置とは異なる第2関節位置との距離を基準値とし、基準値を用いて複数の関節位置を規格化する規格化部2621を含む。第2評価部262は、さらに、規格化部2621が規格化した複数の関節位置に基づいて、リハビリ訓練動作を評価する動作評価部2622とを含む。
これにより、規格化部2621が設けられることで、同じ長さに規格化された複数の関節位置が得られる。つまり、第1関節位置と第2関節位置との距離が同じ長さとなった複数の関節位置が得られる。そのため、利用者Uと撮影装置300との距離が短い場合及び長い場合の両方の場合においても、リハビリ動作評価装置200は、共通の閾値を用いて、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価することができる。
そのため、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを、より容易に評価することができる。
また、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1においては、規格化部2621は、さらに、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の初期姿勢に基いて、第1関節位置及び第2関節位置を決定して出力する。
これにより、規格化部2621が入手可能な複数の関節位置を、第1関節位置及び第2関節位置として決定することができる。
そのため、複数の関節位置をより容易に規格化できるため、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを、より容易に評価することができる。
また、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1においては、第1関節位置は、利用者Uの首の関節位置であり第2関節位置は、利用者Uの腰の関節位置である。
上半身における複数の関節位置のなかで、首と腰とは、肩、ひじ又は首に比べ、上半身の中心に位置する。よって、推定部280は、利用者Uが行うリハビリ運動動作に関わらず、首と腰との関節位置の骨格情報を推定しやすい。
そのため、複数の関節位置をより容易に規格化できるため、リハビリ動作評価装置200は、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを、より容易に評価することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係るリハビリ動作評価装置200では、第2評価部262は、規格化部2621と、動作評価部2622とを備えたが、これに限らない。本実施の形態においては、第2評価部262aは、規格化部と、動作評価部とを備えず、さらに、リハビリ動作評価装置200aは、撮影制御部290aと、表示制御部291aとを備える点が異なる。なお、本実施の形態においては、実施の形態1と共通の構成要素については、同一の符号を付しており、重複する説明は省略する。
[リハビリ動作評価装置の構成]
図20は、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200aの特徴的な機能構成を示すブロック図である。
情報処理装置100aは、リハビリ動作評価装置200aと、撮影装置300aと、表示装置400と、受付装置500を備えてもよい。
撮影装置300aは、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影する装置である。撮影装置300aは、動画像を撮影できる装置であれば、どのような装置でもよく、例えば、カメラ又はビデオカメラである。また、撮影装置300aは、リハビリ訓練を受けている利用者Uが撮影されている動画像を表示する表示部301aを有する。
撮影装置300aは、表示部301aを有する。表示部301aは、具体的には、液晶パネル、又は、有機ELパネルなどによって構成されるモニタ装置である。情報処理装置100aがスマートフォン又はタブレットである場合は、表示部301aは、表示装置400と同一であってもよい。
なお、以下では、表示部301aと表示装置400とは同一の構成要素であって、表示部301a及び表示装置400のいずれか一方に表示された画面又は指示は、他方に表示された画面又は指示とみなすことができる。
リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データは、距離情報を含まない2次元動画像データである。距離情報とは、撮影装置300aと利用者Uとの距離情報である。つまり、撮影装置300aは、測距機能を有さない装置であってもよい。なお、撮影装置300aは、情報処理装置100aから独立した、別個の装置であってもよい。
撮影装置300aは、当該動画像データをリハビリ動作評価装置200aへ出力する。
また、リハビリ動作評価装置200aは、第3取得部223と、推定部280と、第2評価部262aと、第2出力部252と、第2記憶部242aと、撮影制御部290aと、表示制御部291aとを備える。
撮影制御部290aは、撮影装置300aにリハビリ訓練を受けている利用者Uについての距離情報を含まない2次元動画像を撮影するよう制御する処理部である。撮影制御部290aは、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、又は、専用回路によって実現される。
例えば、受付装置500は、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影するための操作を受付けると、撮影制御部290aに当該操作を出力する。撮影制御部290aは、当該操作を取得すると、撮影装置300aに2次元動画像を撮影するよう制御する。また、撮影制御部290aは、受付装置500を介して、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の動作名を入手してもよい。なお、撮影制御部290aは、当該操作及びリハビリ訓練動作の動作名を表示制御部291aに出力してもよい。
表示制御部291aは、表示部301aに、撮影装置300aと利用者Uとの距離を所定距離に保つための指示を表示するよう制御する処理部である。表示制御部291aは、撮影制御部290aからリハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影するための操作を取得することで、当該指示を表示するよう制御してもよい。すなわち、撮影装置300aが撮影を開始すると同時に、表示部301aには当該指示が表示されてもよい。
また、表示制御部291aは、撮影制御部290aから取得したリハビリ訓練動作の動作名と、第2記憶部242aに記憶されている参照データ246aとを照合し、撮影装置300aと利用者Uとの距離を所定距離に保つための指示を決定してもよい。
表示制御部291aが制御することによって表示部301aが表示する指示は、リハビリ訓練を受けている利用者Uと重畳するように、表示されてもよい。当該指示は、例えば、枠状の線であって、当該枠状の内側にリハビリ訓練を受けている利用者Uが位置するように表示されてもよい。また、例えば、当該指示は、2本の線であって、当該2本の線のうちの1本が利用者Uと重畳し、他方の1本がリハビリ訓練に係る所定の目印と重畳するように表示されてもよい。なお、当該指示の形状は、上記に限られない。
このような、表示制御部291aが設けられることで、リハビリ動作評価装置200aが取得する動画像データは、撮影装置300aと利用者Uとの距離が所定距離に保たれ、かつ、距離情報を含まない2次元動画像データとなる。
第2記憶部242aは、参照データ246aが記憶されている記憶装置である。参照データ45は、例えば、リハビリ訓練動作の動作名と、表示制御部291aが制御することによって表示部301aが表示する指示との関係を示すデータである。
第2評価部262aは、規格化部2621と、動作評価部2622とを有さない点を除いて、実施の形態1の第2評価部262と同じである。
[リハビリ動作評価方法の処理手順]
続いて、リハビリ動作評価装置200aが実行するリハビリ動作評価方法における具体的な処理手順について説明する。図21は、本実施の形態に係るリハビリ動作評価装置200aが利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価する処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、リハビリ訓練動作として、TUG(Timed Up and Go Test)を例に挙げる。TUGは、例えば、以下のようにして測定される。まず、利用者Uは、肘掛のついた椅子にゆったりと腰かけた状態から立ち上がる。次に利用者Uは、3m先の目印(例えば三角コーン)まで歩き、折り返してから再び深く着座する。TUGでは、この立ち上がりから着座までに要した時間が測定される。ここでは、表示装置400が表示する画面の一例である図22A〜図22Gを用いて、実例に基づいて説明する。
まず、撮影制御部290aは、受付装置500から取得したリハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影するための操作に基いて、撮影装置300aに2次元動画像を撮影するよう制御する(ステップS240)。また、撮影制御部290aは、受付装置500を介して、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の動作名(TUG)を入手してもよい。このとき、撮影制御部290aは、当該操作及びリハビリ訓練動作の動作名を表示制御部291aに出力してもよい。
なお、実施の形態1と同じく、受付装置500aは、リハビリ訓練動作を開始するための操作、及び、リハビリ訓練動作を行う利用者Uの氏名を決定するための操作を受付ける。リハビリ動作評価装置200aが当該操作を取得すると、第2出力部252がTUGに対応する画面データを第2記憶部242aから取得して、表示装置400へ取得した画面データを送信し、表示装置400は、取得した画面データに対応する画面を表示する。
さらに、表示制御部291aは、撮影制御部290aから、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影するための操作及びリハビリ訓練動作の動作名を取得する。そうすると表示制御部291aは、表示部301aに、撮影装置300aと利用者Uとの距離を所定距離に保つための指示を表示するよう制御する(ステップS250)。
表示制御部291aが制御することによって表示部301aが表示する指示は、例えば、図22Aが示すように、2本の線である。
図22Aは、リハビリ訓練動作に関する設定が完了したことを示す操作を受付ける画面の一例を示す図である。本実施の形態においては、当該2本の線は、表示部301aにおいて縦点線として表示される。また、表示部301aが表示する指示は、第2評価部262aがリハビリ訓練動作の程度を評価するための、閾値として用いられてもよい。そのため、図22Aにおいては、当該2本の線は、それぞれ、第5閾値L5及び第6閾値L6とする。例えば、推定部280が推定した利用者Uの骨格情報に含まれる利用者Uの複数の関節の座標位置が、閾値を超えることで、第2評価部262aは、リハビリ訓練動作の程度を評価してもよい。詳細は後述する。
ここで、例えば、指導者は、図22Aが示す指示に従い、2本の縦点線の距離が3mとなるように行動する。なお、予め、利用者Uが座る椅子と目印(三角コーン)との距離は、3mに定められている。これにより、撮影装置300aと利用者Uとの距離を所定距離に保つことが可能になる。
なお、リハビリ動作評価装置200aが行う評価は、リアルタイムで行われてもよい。すなわち、撮影装置300aが撮影した動画像データは、逐次、リハビリ動作評価装置200aに出力され、リハビリ動作評価装置200aは、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価する。言い換えると、撮影装置300aによる動画像の撮影と、リハビリ動作評価装置200aによる評価とは、ほぼ同時に進められる。
よって、下記に示すように、図22B〜図22G(ステップS110〜ステップS130)においても、表示部301aには、撮影装置300aと利用者Uとの距離を所定距離に保つための指示が表示される。
ここで、例えば、指導者は、図22Aが示す指示に従い、「設定完了」のボタンを押して設定が完了したことを示す操作を行う。受付装置500が当該操作を受付けると、表示装置400は、リハビリ訓練動作を開始するための操作を受付ける画面を表示する。
図22Bは、リハビリ訓練動作を開始するための操作を受付ける画面の一例を示す図である。図22Bが示すように、リハビリ訓練動作(TUG)と、決定された利用者Uの氏名(例えば、B氏)と、リハビリ訓練動作を行う前の利用者Uとが表示装置400に表示されている。
例えば、指導者は、図22Bが示す指示に従い、「スタート」のボタンを押して、リハビリ訓練を開始するための操作を行う。受付装置500が当該操作を受付けると、表示装置400は、リハビリ訓練動作の程度を評価するための画面を表示する。
図22Cは、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価するための画面の一例を示す図である。図22Dは、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価するための画面の他の一例を示す図である。図22Eは、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価するための画面の他の一例を示す図である。図22Fは、利用者Uのリハビリ訓練動作の程度を評価するための画面の他の一例を示す図である。
図22C〜図22Fにおいて、リハビリ動作評価装置200aは、撮影装置300aから動画像データを取得し、取得した動画像データから利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価する。また、図22C〜図22Fは、順に時間が経過していることが示されている図である。
具体的には、第3取得部223は、撮影装置300aを介して、リハビリ訓練を受けている利用者Uを撮影した動画像データ(2次元動画像データ)を取得する(ステップS110)。次に、推定部280は、2次元動画像データに基づいて、利用者Uの骨格情報を推定する(ステップS120)。さらに、第2評価部262aは、ステップS120で推定された骨格情報に基づいて、利用者Uが行うリハビリ訓練動作の程度を評価する(ステップS130)。このとき、第2出力部252は、第2評価部262aが評価した利用者Uが行うリハビリ訓練動作の評価結果を、逐次、表示装置400へ出力する。そのため、表示装置400には、利用者Uがリハビリ動作訓練を行っている最中にも、リハビリ訓練動作の評価結果(図22C〜図22Fが示す時間)が表示される。つまり、リハビリ動作評価装置200aは、リアルタイムで、リハビリ訓練動作を評価できる。
なお、TUGにおける立ち上がりから着座までに要した時間の開始時刻は、例えば、「スタート」ボタンが押された時刻でもよく、骨格情報に含まれる利用者Uの1つの関節の座標位置が、閾値である縦点線を超えたときでもよい。
本実施の形態においては、TUGにおける立ち上がりから着座までに要した時間の開始時刻は、利用者Uの足首の関節の座標位置が第5閾値L5を越えたときである(図22C参照)。また、TUGにおける往路に要する時間は、利用者Uの足首の関節の座標位置が第5閾値L5を越え、利用者Uの足首の関節の座標位置が第6閾値L6に至るまでの時間である(図22D及び図22E参照)。ターンに要する時間は、利用者Uの足首の関節の座標位置が第6閾値L6を越え、利用者Uの足首の関節の座標位置が目印(三角コーン)を廻り、再度第6閾値L6に至るまでの時間である(図22E及び図22F参照)。復路に要する時間は、利用者Uの足首の関節の座標位置が第6閾値L6を越え、利用者Uの足首の関節の座標位置が第5閾値L5に至るまでの時間である(図22F及び図22G参照)。さらに、利用者Uの足首の関節の座標位置が、再度、第5閾値L5を越えると、リハビリ動作評価装置200aは、当該リハビリ訓練動作が達成されたと判断する。
その結果、第2出力部252が訓練が終了したことを通知する画面データを第2記憶部242aから取得して、表示装置400へ取得した画面データを送信し、表示装置400は、取得した画面データに対応する画面を表示する。図22Gは、利用者Uのリハビリ訓練が終了したことを通知するための画面の一例を示す図である。
また、例えば、指導者は、図22Gが示すように「再スタート」のボタンを押して、リハビリ訓練を再度開始するための操作を行ってもよい。受付装置500が当該操作を受付けると、表示装置400は、リハビリ訓練動作の程度を評価するための画面を再度表示する。
このとき、さらに、第2出力部252は、第2評価部262aが評価した利用者Uが行ったリハビリ訓練動作の評価結果を表示装置400へ出力し、表示装置400は、リハビリ訓練動作の程度を評価した結果(図22Gが示す測定結果)を表示してもよい。
[効果など]
以上説明したように、本実施の形態に係るリハビリ支援システム1においては、リハビリ動作評価装置200aは、撮影制御部290aと表示制御部291aとを有する。撮影制御部290aは、リハビリ訓練を受けている利用者Uが撮影されている動画像を表示する表示部301aを備える撮影装置300に、リハビリ訓練を受けている利用者Uについての距離情報を含まない2次元動画像を撮影するよう制御する。表示制御部291aは、表示部301aに撮影装置300と利用者Uとの距離を所定距離に保つための指示を表示するよう制御する。
これにより、リハビリ動作評価装置200aが取得する動画像データは、撮影装置300aと利用者Uとの距離が所定距離に保たれ、かつ、距離情報を含まない2次元動画像データとなる。リハビリ動作評価装置200aは、このような2次元動画像データに基づいて、リハビリ訓練動作が正しい動作で行われているか否かを評価することができる。つまり、リハビリ動作評価装置200aにおいては、測距機能を有する専用装置から情報を得ることは必須ではない。従って、リハビリ動作評価装置200aは、リハビリ訓練動作が正しく行われているか否かを、容易に評価することができる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態1及び実施の形態2に係るリハビリ支援システム等について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1の情報処理装置は、表示装置と、リハビリ動作評価装置と、受付装置とを備える装置であったが、これに限らず、それぞれの装置が、独立した別個の装置であってもよい。同様に、実施の形態2の情報処理装置は、表示装置と、リハビリ動作評価装置と、受付装置と、撮影装置とを備える装置であったが、これに限らず、それぞれの装置が、独立した別個の装置であってもよい。
なお、上記実施の形態においては、利用者Uによって行われる運動動作の程度は、リハビリ動作評価装置によって評価されたが、これに限らない。例えば、光学式、機械式又は磁気式などのモーションキャプチャ(motion capture)技術が用いられてもよい。このような技術が用いられることで、利用者Uによって行われる運動動作の程度が評価されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
例えば、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。