まず、以下に説明する本発明の第1から第6実施形態に関する背景技術及び課題について説明する。
(背景技術)
下肢にある大腿四頭筋は、被験者の体重を支え、歩行などの日常生活やスポーツにおいて、重要な筋肉である。大腿四頭筋の能力を客観的な評価指標として、体重支持指数WBI(Weight Bearing Index)を用いることがある。そのような下肢筋力を測定する装置として、椅子に座った被検者の膝伸展筋力を測定し、体重あたりのその膝伸展筋力を下肢筋力として測定するものが知られている(例えば、特許第2873592号公報参照)。さらに、被験者に運動をさせ、その運動能力に基づいてトレーニングメニューを作成する装置も知られている(例えば、特開2008−383280号公報参照)。
(課題)
ところで、大腿四頭筋の筋厚は筋肉量と相関があり、筋力を発揮する要素であり、体重支持指数WBIとある程度の相関があるが、被験者によっては、必ずしも大腿四頭筋の筋厚が厚いからといって、体重支持指数WBIの数値が大きいと限らない場合もある。これは、筋力の発揮には神経系の働きが大きく関与するからである。例えば、同じ陸上競技でも短距離の選手はダッシュ動作のトレーニングを繰り返す一方、長距離の選手は持久力を向上させるトレーニングが中心となる。このため、同じ筋厚に対する筋力発揮は短距離の選手の方が高くなる傾向がある。神経系の働きによる相関のずれは、スポーツ選手に限らず、一般人にも当てはまる。
したがって、筋厚と運動能力との一方に基づいて、運動メニューを処方するには、筋力の向上や健康の増進にとって、不十分であるといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、被験者により適切な運動処方を提示することを解決課題とする。
以下、実施形態として、本発明に係る運動処方装置を用いた運動処方システムについて、図面を参照しつつ説明する。
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る運動処方システム100のブロック図である。この運動処方システム100は、運動処方装置1Aと超音波測定装置2とを備える。運動処方システム100は、例えば、スポーツジムなどで被験者に適した運動メニューをアドバイスする場合に用いられる。
運動処方装置1Aは、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)10、CPU10の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)11、ブートプログラムなどを記憶したROM(Read Only Memory)12、各種のプログラムやデータを記憶するハードディスク13、キーボードやマウスなどを含む入力部14、画像を表示するディスプレイ15、通信網を介して外部の装置と通信を行う通信インターフェース16、コンパクトディスクなどの情報記録媒体を読み取る読取装置17、及び外部装置とデータの授受を行うインターフェース18を備える。
運動処方装置1Aは、インターフェース18を介して超音波測定装置2と接続されている。超音波測定装置2は、被験者の身体部位に装置を密着させることにより、身体部位の内部のエコー画像を示す画像データを出力する。エコー画像は、脂肪、筋肉、骨といった要素を色分けして表示する。運動処方装置1Aは、超音波測定装置2で測定された身体部位の内部組織の画像データと取り込んで、ディスプレイ15で表示するようになっている。この測定では、大腿部に超音波測定装置2を密着させることによって、皮下脂肪、大腿四頭筋、及び骨格などの内部組織を表す組織画像データが得られる。
スポーツジムのインストラクターは、ディスプレイ15に表示される内部組織の画像を見ながら、入力部14を用いて筋厚及び皮下脂肪厚を入力する。なお、画像処理ソフトを用いて筋厚及び皮下脂肪厚を自動的に入力するようにしてもよい。
ハードディスク13には、運動処方プログラムP、筋厚評価テーブルTBL11a、脂肪厚評価テーブルTBL12、処方テーブルTBL13及び履歴テーブルTBL14が記憶されている。本実施形態では、筋厚を5段階で評価し筋厚評価値MDを生成する。筋厚評価テーブルTBL11aは、筋厚のグレーディングする基準となる閾値を記憶している。脂肪厚評価テーブルTBL12は、脂肪厚のグレーディングする基準となる閾値を記憶している。また、処方テーブルTBL13は、各種の評価値と運動メニューを示す処方情報とを対応付けて記憶している。さらに、履歴テーブルTBL14は、筋厚評価値MD、運動力評価値ED、処方情報INF及び処方日を、被験者を識別する識別情報と対応づけて記憶している。
図2に運動処方装置1Aの構成を示す。CPU10が運動処方プログラムPを実行することによって実現する運動処方装置1Aの機能ブロックについて、図2を参照しつつ説明する。
運動処方装置1Aは、入力部14によって入力される筋厚を受け付ける筋厚受付部110と、筋厚受付部110で受け付けた筋厚を評価して筋厚評価値MDを生成する筋厚評価部120とを備える。この例の筋厚評価部120は、筋厚評価テーブルTBL11aから読み出した閾値と筋厚とを比較して、筋厚評価値MDを生成し、処方情報出力部160に供給する。
運動力受付部130は、入力部14によって入力される運動力評価値EDを受け付けて処方情報出力部160に供給する。ここで、運動力評価値EDについて説明する。運動力評価値EDは、運動力を評価した指標である。運動力の評価には各種の方法があるが、この例では、体重支持指数WBIに基づく評価を採用する。体重支持指数WBIでは、WBI≧1.2以上で競技スポーツの選手やトップクラスのスポーツ選手レベル(運動力評価値ED=6)、WBI=1.0〜1.2で健康不安がほとんどなくなり、あらゆる活動に積極的に参加できるレベル(運動力評価値ED=5)、WBI=0.8〜1.0で家庭生活を越えて、生活活動やレクリエーションスポーツをこなせるレベル(運動力評価値ED=4)、WBI=0.6〜0.8で立ったり、座ったり、軽く走ったり、階段を上り下りすることに支障はないレベル(運動力評価値ED=3)、WBI=0.4〜0.6で歩くことはできるが日常生活動作が困難で痛みを伴うレベル(運動力評価値ED=2)、WBI<0.4で平地歩行が出来る最低限の筋力レベル(運動力評価値ED=1)といったように6段階で評価される。
本実施形態では、体重支持指数WBIに基づく運動力を立ち上がり動作により判定する。具体的には、被験者がどの程度の高さの台に座った状態から、片脚又は両脚で立ち上がれることができるかにによって判定する。図3に運動力評価値EDの評価基準を示す。この例では、身長170cm以上か未満かで台の高さを異ならせてある。例えば、身長172cmの被験者が片脚で高さ25cmの台から立ち上がることができるが、高さ15cmの台から立ち上がることができない場合には、運動力評価値EDは「5」となる。インストラクターは、被験者の立ち上がり動作から、運動力評価値EDを特定し、入力部14を用いて運動力評価値EDを入力する。
説明を図2に戻す。運動処方装置1Aは、さらに、入力部14によって入力される脂肪厚を受け付ける脂肪厚受付部140と、脂肪厚受付部140で受け付けた脂肪厚を評価して脂肪厚評価値FDを生成する脂肪厚評価部150とを備える。この例の脂肪厚評価部150は、脂肪厚評価テーブルTBL12から読み出した閾値と脂肪厚とを比較して、脂肪厚評価値FDを生成し、処方情報出力部160に供給する。この例では、脂肪厚評価値FDは、3段階にグレーディングされ、脂肪厚評価値FD=3で薄い、脂肪厚評価値FD=2で標準、脂肪厚評価値FD=1で厚いといった評価となる。
次に、処方情報出力部160は、処方テーブルTBL13を参照して、筋厚評価値MD、運動力評価値ED、及び脂肪厚評価値FDに基づいて、処方情報INFを生成し、これをディスプレイ15に表示させる。
図4に処方テーブルTBL13のデータ構造を示す。この図に示すように処方テーブルTBL13は、脂肪厚評価値FD=1に対応する第1処方テーブルTBL13a、脂肪厚評価値FD=2に対応する第2処方テーブルTBL13b、及び脂肪厚評価値FD=3に対応する第3処方テーブルTBL13cを含む。
また、第1乃至第3処方テーブルTBL13a乃至TBL13bの各々は、6段階の運動力評価値EDと5段階の筋厚評価値MDとに対応づけられた30個の処方情報INF11〜INF65を記憶している。
処方情報出力部160は、脂肪厚評価値FDに基づいて第1乃至第3処方テーブルTBL13a乃至TBL13bの一つを特定し、さらに、特定したテーブルを参照して、筋厚評価値MD及び運動力評価値EDに対応する処方情報INFを読み出す。これにより、処方情報出力部160は、90通りの処方情報INFを生成することが可能となる。
例えば、運動力評価値ED=4、筋厚評価値MD=3、脂肪厚評価値FD=1の場合、処方情報出力部160は、第1処方テーブルTBL13aを参照して、処方情報INF43を読み出す。処方情報INF43は、「日常生活にはまったく問題なくリクリエーションやスポーツを行える身体のコンディションです。但し積極的に運動に取り組むにはやや筋力が不足しています。ストレッチングをしっかり行い 疲労の軽減に注意してみましょう。ウォーキングやゆっくりとしたジョギング(6km/h)などから始めるのがオススメです。エアロビクスならジャンプしない動作が中心のローインパクトクラスから始めましょう。太腿の筋肉量は標準ですが 40代から急激に衰えていきます。是非エクササイズを始めましょう。レッグエクステンション ×10回 ×3セットです。体脂肪がやや多いので ダイエットか有酸素運動に取り組んでみましょう。体脂肪を減少させることで より身体を軽くすることが出来ます。」といったテキストで構成される。
説明を図2に戻す。閲覧受付部170は、入力部14によって入力される閲覧指示を受け付けて閲覧情報出力部180に供給する。この閲覧指示には、被験者を識別する識別情報が含まれている。履歴テーブルTBL14には、処方情報出力部160が、処方情報INFを出力する度に、筋厚評価値MD、運動力評価値ED、処方情報INF及び処方日が、被験者の識別情報と対応づけて記憶されている。閲覧情報出力部180は、閲覧受付部170が閲覧指示を受け付けると、履歴テーブルTBL14から、識別情報に対応する筋厚評価値MD、運動力評価値ED、処方情報INF及び処方日を読み出して閲覧情報Xとして、ディスプレイ15に出力する。これにより、被験者は、過去の処方情報INFなどを知ることができ、運動処方の効果を確認することができる。
このように本実施形態では、運動力評価値EDだけでなく、筋厚評価値MDや脂肪厚評価値FDを加味して処方情報INFを生成したので、きめ細かくより適切な運動処方を被験者に提供することができる。
処方情報INFを選択する要素として運動力評価値EDを採用することによって、若年層やアスリートに対しては、ほとんどの身体活動の主動筋が下肢であり、ほぼ全てのスポーツ、動きに体重の支持、重心の移動、膝関節の固定に下肢の筋力、機能は重要な役割を占めるので、運動について適切なアドバイスを与えることが可能となる。また、高齢者に対しては、社会的にみた生活の質(QOL:Quality of Life)の向上、介護予防のために運動が重要視されているところ、ロコモティブシンドロームの予防にも歩行、階段昇降、立ち上がりなどの日常生活動作に必要な荷重運動の主動筋である大腿四頭筋の維持・向上が求められており、運動について被験者に適切なアドバイスを与えることが可能となる。
また、筋厚評価値MDや脂肪厚評価値FDと運動力評価値EDを組み合わせて処方情報INFを生成することによって、以下の利点がある。
運動力評価値EDが、低い場合には、通常、適度な運動を処方することになるが、筋厚が薄く筋厚評価値MDが低く筋力や筋量が不足している状態と、皮下脂肪厚が厚く脂肪厚評価値FDが低く過体重や肥満である状態が考えられる。筋力の向上の運動処方と脂肪を減らすための運動処方とは必ずしも一致しない。本実施形態によれば、運動力評価値EDと筋厚評価値MD及び脂肪厚評価値FDとを組み合わせることにより、運動力評価値EDが低い原因を特定し、特定した原因に応じた運動処方を提示することができる。これにより、効果的な運動メニューを被験者に提示することが可能となる。
さらに、加齢に伴う筋力の低下や老化に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)は、老年医学の大きなテーマとなりつつあり、筋肉量が減少すると血糖値が増加し、糖尿病を初めとした疾患のリスクが高くなることも知られている。したがって、筋厚評価値MDは、高齢者の日常生活動作の低下や易転倒性を示す指標となり得る。運動力評価値EDは立ち上がりテストの結果によって定められるので、筋厚評価値MDと運動力評価値EDとを組み合わせることにより、日常生活動作の低下や転倒予防について、より具体的に被験者の状態を特定することができる。よって、きめ細かく特定した被験者の状態に応じた運動処方を提示することができる。
<2.第2実施形態>
第2実施形態の運動処方装置1Bについて説明する。運動処方装置1Bは、筋厚評価値MDを生成する際に、被験者の性別を考慮する点を除いて、第1実施形態の運動処方装置1Aと同様に構成されている。
図5に、CPU10が運動処方プログラムPを実行することによって実現する運動処方装置1Bの機能ブロックを示す。図5に示す運動処方装置1Bは、性別受付部111を追加した点及び筋厚評価テーブルTBL11aの替わりに筋厚評価テーブルTBL11bを用いる点を除いて、図2に示す第1実施形態の運動処方装置1Aと同様に構成されている。
性別受付部111は、入力部14によって入力される性別を受け付けて筋厚評価部120に出力する。筋厚評価部120は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚と性別受付部111で受け付けた性別に基づいて、筋厚評価値MDを生成する。ここで、筋厚評価テーブルTBL11bは、性別に対応づけて筋厚を評価する基準となる閾値を記憶している。したがって、同じ筋厚でも男性と女性とで、筋厚評価値MDが相違することがある。男性と女性とでは、筋肉の性質が相違し、同じ筋厚でも出力される力が相違することがある。
第2実施形態では、性別を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価でき、これに基づいて処方情報INFを生成したので、性別を考慮したより適切な運動処方を被験者に提示することができる。
<3.第3実施形態>
第3実施形態の運動処方装置1Cについて説明する。運動処方装置1Cは、筋厚評価値MDを生成する際に、被験者の性別のほかに年齢区分を考慮する点を除いて、第2実施形態の運動処方装置1Bと同様に構成されている。
図6に、CPU10が運動処方プログラムPを実行することによって実現する運動処方装置1Cの機能ブロックを示す。図6に示す運動処方装置1Cは、年齢区分取得部112を追加した点及び筋厚評価テーブルTBL11bの替わりに筋厚評価テーブルTBL11cを用いる点を除いて、図5に示す第2実施形態の運動処方装置1Bと同様に構成されている。
年齢区分取得部112は、入力部14によって入力される年齢区分を取得して筋厚評価部120に出力する。この例では、65歳以上をシニアとし、65歳未満を非シニアに区分する。なお、入力部14で年齢そのものを入力し、年齢区分取得部112において、年齢区分の基準となる閾値を記憶したテーブルを参照して、入力された年齢から年齢区分を取得するようにしてもよい。
筋厚評価部120は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚と性別受付部111で受け付けた性別と年齢区分取得部112で取得した年齢区分に基づいて、筋厚評価値MDを生成する。ここで、筋厚評価テーブルTBL11cは、性別及び年齢区分に対応づけて筋厚を評価する基準となる閾値を記憶している。したがって、同じ筋厚でも性別及び年齢区分が相違すれば筋厚評価値MDが相違することがある。年齢区分を評価要素に加えたのは、年齢に応じて筋肉の性質が相違し、同じ筋厚でも出力される力が相違することがあるからである。また、年齢によって筋肉に作用する神経系の働きが異なることがあるからである。例えば、年齢区分がシニアの被験者は、年齢区分が非シニアの被験者と比較して、筋繊維組織が変化したり神経系の働きが低下しており、同じ筋厚でも出力される力が小さい傾向にある。
第3実施形態では、性別及び年齢区分を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価でき、これに基づいて処方情報INFを生成したので、性別及び年齢を考慮したより適切な運動処方を被験者に提示することができる。
<4.第4実施形態>
第4実施形態の運動処方装置1Dについて説明する。運動処方装置1Dは、筋厚評価値MDを生成する際に、被験者の性別及び年齢区分の他に、身長及び体重を考慮する点を除いて、第3実施形態の運動処方装置1Cと同様に構成されている。
図7に、CPU10が運動処方プログラムPを実行することによって実現する運動処方装置1Dの機能ブロックを示す。図7に示す運動処方装置1Dは、身長受付部113及び体重受付部114を追加した点及び筋厚評価テーブルTBL11cの替わりに筋厚評価テーブルTBL11dを用いる点を除いて、図6に示す第3実施形態の運動処方装置1Cと同様に構成されている。
身長受付部113は、入力部14によって入力される被験者の身長を受け付けて筋厚評価部120に出力する。体重受付部114は、入力部14によって入力される被験者の体重を受け付けて筋厚評価部120に出力する。筋厚評価部120は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚、性別受付部111で受け付けた性別、年齢区分取得部112で取得した年齢区分、身長受付部113で受け付けた身長、及び体重受付部114で受け付けた体重に基づいて、筋厚評価値MDを生成する。ここで、筋厚評価テーブルTBL11dは、性別、年齢区分、体重及び身長に対応づけて筋厚を評価する基準となる閾値を記憶している。したがって、同じ筋厚でも性別、年齢区分、体重及び身長が相違すれば筋厚評価値MDが相違することがある。体重及び身長を評価要素に加えたのは、体重及び身長に応じて筋肉の性質が相違し、同じ筋厚でも出力される力が相違することがあるからである。
第4実施形態では、体重及び身長を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価でき、これに基づいて処方情報INFを生成したので、体重及び身長を考慮したより適切な運動処方を被験者に提示することができる。なお、身長と体重のいずれか一方と、性別及び年齢区分とを組み合わせて、筋厚評価値MDを生成してもよい。この場合には、筋厚評価テーブルに、体重及び身長のいずれか一方、性別、並びに年齢区分に対応づけて筋厚を評価する基準となる閾値を記憶し、これを参照して閾値を特定すればよい。
(第1から第4実施形態について)
ここで、第1から第4実施形態を用いて説明した態様について、以下に付記する。
本発明に係る運動処方装置は、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付部(110)と、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値を決定する筋厚評価部(120)と、前記被験者の運動力測定に基づく運動力評価値の入力を受け付ける運動力受付部(130)と、少なくとも前記運動力評価値及び前記筋厚評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する処方情報出力部(180)とを備える。
この発明によれば、運動力の源となる筋厚と実際の運動力とに基づいて、処方情報を出力するので、より適切な運動処方を被験者に提示することができる。例えば、筋厚評価値が高いにも拘わらず、運動力評価値が低い場合には、肥満による過体重により運動力が低減しているなどの原因が考えられ、そのような場合には、脂肪を低減するのにために適した運動処方を提示できるといった利点がある。
ここで、筋厚は超音波測定によって得られたものであることが好ましい。また、所定の身体部位は大腿部であり、大腿四頭筋の筋厚であることが好ましい。大腿四頭筋は、立ち上がる、歩く、走るといった人の基本動作を司る筋肉であり、身体能力の基準とするのに好適だからである。また、運動力測定は、被験者の運動力を測定するのであればいかなる測定法であってもよいが、筋力・筋機能を測定することが好ましく、例えば、WBIが該当する。
さらに、筋厚評価部は、筋厚を評価する基準となる閾値を記憶する筋厚評価テーブルを参照して、筋厚評価値を決定することが好ましい。処方情報出力部は、少なくとも運動力評価値及び筋厚評価値と処方情報とを対応づけて記憶した処方テーブルを参照して処方情報を出力することが好ましい。
また、処方テーブルは、運動力評価値及び筋厚評価値の他に生体の状態を示す生体情報と、処方情報とを対応づけて記憶し、処方情報出力部は、運動力評価値及び筋厚評価値の他に生体情報を加味して、処方情報を出力してもよい。
上述した運動処方装置において、前記被験者の前記所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部(140)と、前記脂肪厚受付部で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値を決定する脂肪厚評価部(150)と、をさらに備え、前記処方情報出力部は、少なくとも前記運動力評価値、前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値に基づいて前記処方情報を出力する、ことが好ましい。
この発明によれば、脂肪厚評価値を考慮して運動処方を被験者に提示できるので、脂肪厚(皮下脂肪厚)が薄い場合には、筋力を向上させる運動処方を提示する一方、脂肪厚が厚い場合には、脂肪を減らす運動処方を提示できる。これにより、被験者の生体の状態に応じてより適切な運動処方を提示することが可能となる。
ここで、脂肪厚評価部は、脂肪厚を閾値と比較して脂肪厚評価値を生成してもよい。あるいは、脂肪厚と脂肪厚評価値とを対応づけて記憶した脂肪厚評価テーブルを参照して、脂肪厚評価値を決定することが好ましい。
処方情報出力部は、少なくとも前記運動力評価値、前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値と処方情報とを対応づけて記憶した処方テーブルを参照して処方情報を出力することが好ましい。
上述した運動処方装置において、前記被験者の性別の入力を受け付ける性別受付部(111)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記性別受付部で受け付けた性別に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
男性と女性とでは筋肉の性質や神経系の働きが異なる。このため、同じ筋厚でも運動力が相違する。この発明によれば、性別を考慮して筋厚評価値を生成するので、より適切な運動処方を被験者に提示することが可能となる。
筋厚評価部は、筋厚及び性別と筋厚評価値とを対応づけて記憶する筋厚評価テーブルを参照して、筋厚評価値を決定することが好ましい。あるいは、筋厚評価テーブルに性別に応じた閾値を記憶し、筋厚と閾値とを比較することによって、筋厚評価値を生成することができる。
上述した運動処方装置において、前記被験者の年齢区分を取得する年齢区分取得部(112)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記年齢区分取得部で受け付けた年齢区分に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
年齢によって、筋肉に作用する神経系の働きや筋肉の効率が異なることから、同じ筋厚であっても年齢によって運動力が相違することがある。この発明によれば、年齢を考慮して筋厚評価値を生成するので、より適切な運動処方を被験者に提供することができる。
ここで、筋厚評価部は、筋厚及び年齢区分と筋厚評価値とを対応づけて記憶する筋厚評価テーブルを参照して、筋厚評価値を決定することが好ましい。また、筋厚評価部は、筋厚、性別及び年齢区分と筋厚評価値とを対応づけて記憶する筋厚評価テーブルを参照して、筋厚評価値を決定してもよい。
さらに、筋厚評価テーブルに、年齢区分と対応づけて閾値を記憶し、この閾値と筋厚を比較して筋厚評価値を生成してもよい。あるいは、筋厚評価テーブルに、閾値を年齢区分及び性別と対応づけて記憶し、筋厚評価部は、この閾値と筋厚を比較して筋厚評価値を生成してもよい。
上述した運動処方装置において、前記被験者の身長の入力を受け付ける身長受付部(113)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記身長受付部で受け付けた身長に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
この発明によれば、身長を考慮して筋厚評価値を生成するので、より適切な運動処方を被験者に提供することができる。
ここで、筋厚評価部は、筋厚及び身長と筋厚評価値とを対応づけて記憶する筋厚評価テーブルを参照して、筋厚評価値を決定することが好ましい。あるいは、筋厚評価テーブルに、閾値を筋厚及び身長と対応づけて記憶し、筋厚評価部は、この閾値と筋厚を比較して筋厚評価値を生成してもよい。
上述した運動処方装置において、前記被験者の体重を受け付ける体重受付部(114)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記体重受付部で受け付けた体重に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
この発明によれば、体重を考慮して筋厚評価値を生成するので、より適切な運動処方を被験者に提供することができる。ここで、筋厚評価部は、筋厚及び体重と筋厚評価値とを対応づけて記憶する筋厚評価テーブルを参照して、筋厚評価値を決定することが好ましい。あるいは、筋厚評価テーブルに、閾値を筋厚及び体重と対応づけて記憶し、筋厚評価部は、この閾値と筋厚を比較して筋厚評価値を生成してもよい。
上述した運動処方装置において、前記被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける運動内容受付部をさらに備え、前記処方情報出力部は、前記運動内容受付部で受け付けた運動内容に基づいて前記処方情報を出力することが好ましい。
より具体的には、処方情報出力部は、少なくとも前記運動力評価値、及び前記筋厚評価値と運動内容ごとに分類された処方情報とを対応づけて記憶した処方テーブルを参照して処方情報を出力することが好ましい。また、処方情報出力部は、少なくとも前記運動力評価値、前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値と運動内容ごとに分類された処方情報とを対応づけて記憶した処方テーブルを参照して処方情報を出力することが好ましい。
上述した運動処方装置において、前記筋厚評価値、前記運動力評価値、前記処方情報、及び処方日を対応づけて記憶する記憶部と、過去の処方の閲覧指示を受け付ける閲覧受付部と、前記閲覧受付部で閲覧指示を受け付けると、前記記憶部の記憶内容を参照して前記筋厚評価値、前記運動力評価値、及び前記処方情報を前記処方日ごとに区分けした閲覧情報を出力する閲覧情報出力部とを備えることが好ましい。
この発明によれば、過去の履歴を被験者に見せることができるので、運動処方による筋力の向上などを確認することが可能となる。
上述した運動処方装置において、被験者の端末装置と通信可能な通信部を備え、前記閲覧受付部は、前記通信部を用いて前記被験者の閲覧指示を受け付け、前記閲覧情報出力部は、前記通信部を用いて前記閲覧情報を前記被験者の端末装置に出力する、ことが好ましい。この発明によれば、被験者は端末装置を操作することによって、過去の履歴を知ることができる。
また、上述した運動処方装置の発明は運動処方方法の発明として捉えることができる。
即ち、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付手順と、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値を決定する筋厚評価手順と、前記被験者の運動力測定に基づく運動力評価値の入力を受け付ける運動力受付手順と、少なくとも前記運動力評価値及び前記筋厚評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する出力手順と、を備える。
また、上述した運動処方方法において、前記被験者の前記所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付手順と、前記脂肪厚受付手順で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値を決定する脂肪厚評価手順と、をさらに備え、前記出力手順は、少なくとも前記運動力評価値、前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する手順を備える。また、上述した運動処方方法として、前記被験者の性別の入力を受け付ける性別受付手順をさらに備え、前記筋厚評価手順は、前記性別受付手順で受け付けた性別に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
また、上述した運動処方方法において、前記被験者の年齢区分の入力を受け付ける年齢区分受付手順をさらに備え、記筋厚評価手順は、前記年齢区分受付手順で入力された年齢区分に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
また、上述した運動処方方法において、前記被験者の身長の入力を受け付ける身長受付手順をさらに備え、前記筋厚評価手順は、前記身長受付手順で受け付けた身長に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることが好ましい。
また、上述した運動処方方法において、前記被験者の体重を受け付ける体重受付手順をさらに備え、記筋厚評価手順は、前記体重受付手順で受け付けた体重に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、
ことが好ましい。
また、上述した運動処方方法において、前記被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける運動内容受付手順をさらに備え、前記出力手順は、前記運動内容受付手順で受け付けた運動内容に基づいて前記処方情報を出力することが好ましい。
また、上述した運動処方方法において、前記筋厚評価値、前記運動力評価値、前記処方情報、及び処方日を対応づけて記憶する記憶手順と、過去の処方の閲覧指示を受け付ける閲覧受付手順と、前記閲覧受付手順で閲覧指示を受け付けると、前記筋厚評価値、前記運動力評価値、及び前記処方情報を前記処方日ごとに区分けした閲覧情報を出力する閲覧情報出力手順とを備えたことが好ましい。
<5.第5実施形態>
第5実施形態の運動処方装置1Eについて説明する。第5実施形態の運動処方装置1Eは、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値に基づいて、処方情報INFを生成する。ここで、身体能力評価値は、例えば運動力評価値EDである。また、身体能力評価値は、例えば筋厚評価値MD又は脂肪厚評価値FD等の体組成評価値であってもよい。
図8に、CPU10が運動処方プログラムPを実行することによって実現する運動処方装置1Eの機能ブロックを示す。この図8において、図2に示す各部に対応する構成には同じ符号を付けている。以下、図8を参照しつつ、運動処方装置1Eの機能ブロックについて説明する。
運動処方装置1Eは、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値の入力を取得する身体能力取得部210を備えている。身体能力取得部210は、運動力受付部130を備えており、入力部14によって入力される運動力評価値EDを受け付けて処方情報出力部160に供給する。また、身体能力取得部210は、被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部220と、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部230とを備えている。
具体的には、体組成情報受付部220は、筋厚受付部110と、脂肪厚受付部140とを備えており、入力部14によって入力される筋厚と脂肪厚とをそれぞれ受け付ける。また、体組成評価部230は、筋厚評価部120と、脂肪厚評価部150とを備えており、筋厚受付部110で受け付けた筋厚と、脂肪厚受付部140で受け付けた脂肪厚とに基づいて、筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FDとをそれぞれ決定して処方情報出力部160に供給する。
処方情報出力部160は、処方テーブルTBL13を参照して、身体能力取得部210から供給された運動力評価値EDと、体組成評価部230から供給された体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD)とに基づいて、処方情報INFを生成する。
このように、本実施形態の運動処方装置1Eは、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値を取得する身体能力取得部210と、少なくとも身体能力評価値に基づいて運動処方を示す処方情報INFを出力する処方情報出力部160とを備えている。これにより、運動処方装置1Eは、身体能力評価値に基づいて、処方情報INFを生成することができる。よって、運動処方装置1Eは、例えば、被験者の運動力評価値ED及び体組成評価値(筋厚評価値MD、脂肪厚評価値FD等)の少なくともいずれか適切な評価値に基づいて処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
さらに、身体能力取得部210は、被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部220と、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部230と、を備えている。そして、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び体組成評価値を身体能力評価値として、処方情報INFを出力する。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び体組成評価値に基づいて、処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Eは、運動力評価値ED及び体組成評価値に基づいて、処方情報INFを生成することができる。
また、体組成情報受付部220は、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付部110と、被験者の所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部140とを備えている。また、体組成評価部230は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値MDを決定する筋厚評価部120と、脂肪厚受付部140で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値FDを決定する脂肪厚評価部150を備えている。そして、処方情報出力部160は、少なくとも筋厚評価値MD及び脂肪厚評価値FDを体組成評価値として、処方情報INFを出力する。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDに基づいて、処方情報INFを出力する。つまり、運動処方装置1Eは、身体能力評価値(ここでは、第1実施形態の運動処方装置1Aと同様に、運動力評価値EDと、体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD))に基づいて、処方情報INFを生成する。これにより、運動処方装置1Eは、運動力評価値EDだけでなく、筋厚評価値MDや脂肪厚評価値FDを加味して処方情報INFを生成することができるため、きめ細かくより適切な運動処方を被験者に提示することができる。
なお、運動処方装置1Eは、運動力評価値EDのみを身体能力評価値として、運動力評価値EDに基づいて処方情報INFを生成してもよい。つまり、身体能力取得部210が、被験者の運動力測定に基づく運動力評価値EDの入力を受け付ける運動力受付部130を備え、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値EDを身体能力評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値EDに基づいて処方情報INFを出力してもよい。例えば、身体能力取得部210は、運動力受付部130を備え、体組成情報受付部220及び体組成評価部230を備えていない構成としてもよい。この場合、運動処方装置1Eは、運動力評価値EDのみに基づいて処方情報INFを生成することができる。
また、運動処方装置1Eは、体組成評価値のみを身体能力評価値として、体組成評価値に基づいて処方情報INFを生成してもよい。つまり、身体能力取得部210が、被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部220と、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部230とを備え、処方情報出力部160は、少なくとも体組成評価値を身体能力評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも体組成評価値に基づいて処方情報INFを出力してもよい。例えば、身体能力取得部210は、体組成情報受付部220及び体組成評価部230を備え、運動力受付部130を備えていない構成としてもよい。この場合、運動処方装置1Eは、体組成評価値のみに基づいて処方情報INFを生成することができる。
また、運動処方装置1Eは、筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FDとのいずれか一方を体組成評価値としてもよい。つまり、体組成情報受付部220は、筋厚受付部110と脂肪厚受付部140とのいずれか一方を備えた構成としてもよい。また、体組成評価部230は、筋厚評価部120と脂肪厚評価部150とのいずれか一方を備えた構成としてもよい。
例えば、処方情報出力部160は、少なくとも筋厚評価値MDを体組成評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び筋厚評価値MDに基づいて、処方情報INFを出力してもよい。この場合、運動処方装置1Eは、運動力評価値ED及び筋厚評価値MDに基づいて生成した処方情報INFを被験者に提示することができる。
また、処方情報出力部160は、少なくとも脂肪厚評価値FDを体組成評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び脂肪厚評価値FDに基づいて、処方情報INFを出力してもよい。この場合、運動処方装置1Eは、運動力評価値ED及び脂肪厚評価値FDに基づいて生成した処方情報INFを被験者に提示することができる。
上述したように、運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDの全ての評価値を用いなくとも処方情報INFを生成することが可能な構成とした場合には、運動処方装置1Eの簡易化、又は、被験者に運動処方を提示する際の簡便化や時短化を図ることができる。
また、上記第2から第4実施形態の構成を、本実施形態に組み合わせてもよい。例えば、運動処方装置1Eは、図8に示す構成に加えて、性別受付部111、年齢区分取得部112、身長受付部113、又は体重受付部114を備えた構成としてもよい。これにより、運動処方装置1E(筋厚評価部120)は、被験者の性別、年齢区分、身長、又は体重を考慮して筋厚評価値MDを生成してもよい。また、運動処方装置1E(体組成評価部230)は、筋厚評価値MD以外の体組成評価値を生成する際に、被験者の性別、年齢区分、身長、又は体重を考慮してもよい。
<6.第6実施形態>
第6実施形態の運動処方装置1Fについて説明する。上記第1から第5実施形態では、身体能力評価値(運動力評価値ED、筋厚評価値MD、又は脂肪厚評価値FD)に基づいて、処方情報INFを生成する例を説明したが、本実施形態では、身体能力評価値に加えて、被験者の運動目標(目的)や運動内容等のニーズを加味して処方情報INFを生成する例について説明する。
図9は、第6実施形態の運動処方装置1Fを備えた運動処方システム100のブロック図である。この図9に示す構成は、運動処方装置1Fが備えているハードディスク13に問診テーブルTBL20を追加した点を除いて、図1に示す構成と同様である。問診テーブルTBL20は、運動目標や運動内容等のニーズを被験者に問診するための問診情報を記憶している。
ここで、運動目標とは、被験者の運動する目標や目的(例えば、スポーツジムへの入会の目的、動機等)のことであって、例えば、被験者の「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、「生活習慣病予防」等といった運動することの目的である。なお、運動目標は、「体重を50kg以下」、「腕立て伏せ50回以上」等といった具体的な目標であってもよい。一方、運動内容とは、被験者が運動を行う運動方法(運動の種類、場所等)、運動を行う身体部位、運動することにより得られる効果(運動効果)等のことであって、例えば、「マシンジム」、「スタジオ」、「プール」等といった運動方法や、「全身」、「上半身」、「下半身」等といった運動を行う身体部位のことである。
図10に、CPU10が運動処方プログラムPを実行することによって実現する運動処方装置1Fの機能ブロックを示す。運動処方装置1Fは、問診結果受付部240と問診テーブルTBL20とを備えている点を除いて、図8に示す第5実施形態の運動処方装置1Eと同様に構成されている。以下、図10を参照しつつ、運動処方装置1Fの機能ブロックについて説明する。
問診結果受付部240は、問診テーブルTBL20を参照して、被験者に対して問診する問診項目をディスプレイ15に表示させる。また、問診結果受付部240は、入力部14に入力される被験者に対する問診結果を受け付ける。そして、問診結果受付部240は、受け付けた問診結果に基づく問診結果情報PDを処方情報出力部160に供給する。
この図に示す例では、問診結果受付部240は、運動目標受付部241と、運動内容受付部242とを備えている。また、問診テーブルTBL20は、運動目標テーブルTBL21と、運動内容テーブルTBL22とを備えている。ここで、問診テーブルTBL20は、被験者に対して問診する問診項目としてディスプレイ15に表示する問診情報(テキスト、画像等)を記憶している。具体的には、運動目標テーブルTBL21は、運動目標(例えば、「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、「生活習慣病予防」等)に関する問診項目として表示する問診情報を記憶している。また、運動内容テーブルTBL22は、運動内容(例えば、「マシンジム」、「スタジオ」、「プール」等といった運動方法)に関する問診項目として表示する問診情報を記憶している。
運動目標受付部241は、運動目標テーブルTBL21を参照して、運動目標に関する問診項目の問診情報をディスプレイ15に表示させる。また、運動目標受付部241は、問診結果として、被験者が要望する運動目標の入力を受け付ける。運動内容受付部242は、運動内容テーブルTBL22を参照して、運動内容に関する問診項目の問診情報をディスプレイ15に表示させる。また、運動内容受付部242は、問診結果として、被験者が要望する運動内容の入力を受け付ける。
処方情報出力部160は、処方テーブルTBL13を参照して、身体能力取得部210から供給される身体能力評価値(運動力評価値ED、筋厚評価値MD、又は脂肪厚評価値FD)と、問診結果受付部240から供給される問診結果情報PDとに基づいて、処方情報INFを生成する。
ここで、履歴テーブルTBL14(記憶部)は、身体能力評価値、処方情報INF、及び処方日を対応づけて記憶する。閲覧情報出力部180は、閲覧受付部170で過去の処方の閲覧指示を受け付けると、履歴テーブルTBL14(記憶部)の記憶内容を参照して、身体能力評価値、及び処方情報INFを処方日ごとに区分けした閲覧情報を出力する。これにより、被験者は、過去の処方情報INFなどを知ることができ、運動処方の効果を確認することができる。なお、履歴テーブルTBL14(記憶部)は、さらに、身体能力評価値、処方情報INF、及び処方日に問診結果(問診結果情報PD)を対応付けて記憶してもよい。
図11に、本実施形態の処方テーブルTBL13のデータ構造を示す。この図11に示す処方テーブルTBL13は、図4に示す第1処方テーブルTBL13a、第2処方テーブルTBL13b、及び第3処方テーブルTBL13cを、1組の処方テーブルTBL13−N(Nは自然数)としたとき、問診結果に応じて複数組の処方テーブルTBL13−N(TBL13−1、TBL13−2、TBL13−3・・・)を備えている。処方情報出力部160は、複数組の処方テーブルTBL13−Nのうちのいずれかを問診結果情報PDに基づいて選択するとともに、選択した処方テーブルTBL13−Nを参照して、身体能力評価値(運動力評価値ED、筋厚評価値MD、又は脂肪厚評価値FD)に基づいて、処方情報INFを選択する。
図12は、本実施形態の運動処方装置1Fが処方情報INFを生成する処理の流れの一例を示す説明図である。この図に示す例では、まず被験者に対して問診が行われ、次に身体能力評価(運動力評価、筋厚評価、脂肪厚評価)が行われ、その後、被験者に対して運動メニューが処方される。
問診(1):運動処方装置1Fは、運動目標(目的)に関する問診項目をディスプレイ15に表示する。そして、運動処方装置1Fは、この運動目標(目的)に関する問診項目に対する問診結果(運動目標(目的)の選択)の入力を受け付ける。問診(1)の問診結果の入力を受け付けると、運動処方装置1Fは、問診(2)の処理に移行する(ステップS110)。
問診(2):運動処方装置1Fは、問診(1)の問診結果に基づいて、運動方法に関する問診項目をディスプレイ15に表示する。そして、運動処方装置1Fは、この運動方法に関する問診項目に対する問診結果(運動方法の選択)の入力を受け付ける。問診(2)の問診結果の入力を受け付けると、運動処方装置1Fは、その問診結果に応じて、問診(3)の処理、又は、身体能力評価の処理に移行する(ステップS120)。
問診(3):運動処方装置1Fは、問診(2)の問診結果に基づいて、運動を行う身体部位に関する問診項目をディスプレイ15に表示する。そして、運動処方装置1Fは、この身体部位に関する問診項目に対する問診結果(部位選択)の入力を受け付ける。問診(3)の問診結果の入力を受け付けると、運動処方装置1Fは、その問診結果に応じて、問診(4)の処理、又は、身体能力評価の処理に移行する(ステップS130)。
問診(4):運動処方装置1Fは、問診(3)の問診結果に基づいて、運動の処方回数に関する問診項目をディスプレイ15に表示する。そして、運動処方装置1Fは、この処方回数に関する問診項目に対する問診結果(処方回数の選択)の入力を受け付ける。問診(3)の問診結果の入力を受け付けると、運動処方装置1Fは、身体能力評価の処理に移行する(ステップS140)。
身体能力評価:運動処方装置1Fは、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値を取得する。具体的には、運動処方装置1Fは、被験者の運動力評価値EDの入力を受け付けて取得する。また、運動処方装置1Fは、被験者の筋厚と脂肪厚の入力を受け付けて、受け付けた筋厚と脂肪厚に基づいて、筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FDを取得(決定)する。身体能力評価値を取得すると、運動処方装置1Fは、運動処方出力の処理に移行する(ステップS150)。
運動処方出力:運動処方装置1Fは、ステップS110、S120、S130、S140において受け付けた問診結果に基づく問診結果情報PDと、ステップS150において取得した身体能力評価値(運動力評価値ED、筋厚評価値MD、脂肪厚評価値FD)とに基づいて処方情報INFを生成して、生成した処方情報INFをディスプレイ15に表示する(ステップS160)。
この処方情報INFが示す運動メニューには、例えば、問診結果情報PDに基づいて選択された運動方法(場所)に応じて、「マシントレーニングメニュー」、「ファンクショナルトレーニングメニュー」、「スタジオプログラム」、及び、「プールプログラム」のいずれかが含まれている。
以上説明したように、本実施形態の運動処方装置1Fは、問診結果受付部240を備え、被験者に対する問診結果を受け付ける。そして、処方情報出力部160は、少なくとも身体能力評価値及び問診結果情報PD(問診結果)に基づいて処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Fは、身体能力評価値だけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
例えば、問診結果受付部240は、運動目標受付部241を備え、上述の問診結果として、被験者の運動目標の入力を受け付ける。そして、処方情報出力部160は、運動目標受付部241で受け付けた運動目標に基づいて処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Fは、身体能力評価値だけでなく、被験者の運動目標(運動する目標や目的、スポーツジムへの入会の目的、動機等)を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
また、問診結果受付部240は、運動内容受付部242を備え、上述の問診結果として、被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける。そして、処方情報出力部160は、運動内容受付部242で受け付けた運動内容に基づいて処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Fは、身体能力評価値だけでなく、被験者が所望する運動内容(運動方法(運動の種類、場所等)、運動を行う身体部位、運動効果等)を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
また、処方情報出力部160は、運動目標受付部241で受け付けた運動目標と運動内容受付部242で受け付けた運動内容とに基づいて処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Fは、身体能力評価値だけでなく、被験者の運動目標及び被験者が所望する運動内容を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
なお、問診結果受付部240は、運動目標受付部241及び運動内容受付部242の両方を備えた構成としてもよいし、いずれか一方を備えた構成としてもよい。また、処方情報出力部160は、被験者の運動目標及び被験者が所望する運動内容の両方を問診結果として処方情報INFを生成してもよいし、いずれか一方を問診結果として処方情報INFを生成してもよい。
また、身体能力取得部210は、被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部220と、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部230と、を備えている。そして、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び体組成評価値を身体能力評価値として、処方情報INFを出力する。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び体組成評価値と問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて、処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Fは、運動力評価値ED及び体組成評価値だけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
また、体組成情報受付部220は、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付部110と、被験者の所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部140とを備えている。また、体組成評価部230は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値MDを決定する筋厚評価部120と、脂肪厚受付部140で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値FDを決定する脂肪厚評価部150を備えている。そして、処方情報出力部160は、少なくとも筋厚評価値MD及び脂肪厚評価値FDを体組成評価値として、処方情報INFを出力する。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDと問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて、処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Fは、運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDだけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
次に、図13及び図14を参照して、図12に示す処理の流れのうちのステップS110〜S140の問診(1)〜(4)の処理の詳細について説明する。図13及び図14は、ステップS110〜S140の問診(1)〜(4)の処理の具体例を示す図である。
問診(1)は、運動目標の入力を受け付ける処理であり、運動処方装置1Fには、選択可能な運動目標が予め設定されている。例えば、運動メニューを処方することを目的に体系化された目標(目的)である「ダイエットとシェイプアップ(DIET&SHAPE)」、「ボディメイク(BODY MAIKE)」、「ヘルスケア(HEALTH CARE)」、「ファンクショナル(FANCTIONAL)」、「ストレスフリー(STRESS FREE)」、「ダンススキル(DANNCE SKILL)」等が、選択可能な運動目標として予め設定されており、運動目標テーブルTBL21に記憶されている。問診(1)は、これらの体系化された運動目標の中のいずれかを被験者に選択させるものであるが、被験者が初めから適切な運動目標を選択できるとは限らない。例えば、被験者には、「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、又は「生活習慣病予防」等といったような漠然としたニーズがあり、上述したような体系化された運動目標のいずれが被験者の入力すべき運動目標であるかが容易に判断できない場合がある。また、被験者には、漠然としたニーズが複数あることもあり、上述したような予め設定されている体系化された運動目標のいずれが被験者の入力すべき運動目標であるかが容易に判断できない場合がある。
そこで、このステップS110の問診(1)の処理を、ステップS111の問診(1)−1の処理とステップS112の問診(1)−2の処理との2段階の処理としている。
まず、ステップS111では、運動処方装置1Fは、運動目標に関する被験者のニーズ(例えば、「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、「生活習慣病予防」等といった漠然としたニーズ)についての問診(ヒアリング)を行う。
具体的には、運動目標テーブルTBL21は、例えば、被験者のニーズを問診するための問診項目として提示する複数の問診情報(例えば、「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、「生活習慣病予防」等)を、予め設定された複数の運動目標のうちの少なくともいずれかと対応付けて記憶している。例えば、運動目標テーブルTBL21は、「体重を落としたい」という問診情報を、「ダイエットとシェイプアップ(DIET&SHAPE)」という運動目標と対応付けて記憶している。このステップS111において、運動目標受付部241は、運動目標テーブルTBL21を参照して、運動目標に関する被験者のニーズを問診するための問診情報(例えば、「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、「生活習慣病予防」等)をディスプレイ15に表示させる。
そして、運動目標受付部241は、運動目標に関する被験者のニーズを問診するための問診情報(例えば、「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、「生活習慣病予防」等)に対する問診結果(例えば、該当する項目へのチェック(選択を示す情報))の入力を受け付けると、ステップS112に処理を進める。
次に、ステップS112では、運動目標受付部241は、運動目標テーブルTBL21を参照して、予め設定された複数の運動目標(「ダイエットとシェイプアップ(DIET&SHAPE)」、「ボディメイク(BODY MAIKE)」、「ヘルスケア(HEALTH CARE)」、「ファンクショナル(FANCTIONAL)」、「ストレスフリー(STRESS FREE)」、「ダンススキル(DANNCE SKILL)」等)を、問診(1)−2の問診項目としてディスプレイ15に表示させる。
このとき、運動目標受付部241は、ステップS111の問診(1)−1の問診結果に基づいて、予め設定された複数の運動目標のうち被験者の入力すべき運動目標であると判断した運動目標には、入力すべき運動目標であることを示す表示情報(例えば、チェック(選択を示す情報))を付してディスプレイ15に表示させる。
具体的には、運動目標受付部241は、運動目標テーブルTBL21を参照して、問診(1)−1で選択された問診項目と対応付けられている運動目標を被験者の入力すべき運動目標であると判断する。例えば、運動目標受付部241は、問診(1)−1の問診結果において「体重を落としたい」というニーズが選択されている場合、被験者の入力すべき運動目標であることを示す表示情報(例えば、チェック)を「ダイエットとシェイプアップ(DIET&SHAPE)」に付してディスプレイ15に表示させる。
なお、運動目標受付部241は、問診(1)−1で選択された問診項目が複数ある場合には、選択された複数の問診項目のそれぞれに最も多く対応付けられている運動目標を被験者の入力すべき運動目標であると判断してもよい。また、複数の問診項目のそれぞれに重み付けが設定されていてもよく、運動目標受付部241は、重み付けと対応付けとに基づいて被験者の入力すべき運動目標を決定してもよい。
また、運動目標受付部241は、上述の複数の運動目標を問診(1)−2の問診項目としてディスプレイ15に表示させる場合、この複数の運動目標のいずれかを選択可能なように表示させてもよい。つまり、問診(1)−2において、運動目標受付部241は、問診(1)−1の問診結果に基づいて被験者の入力すべき運動目標を提示するが、その入力すべき運動目標をそのまま選択する(例えば、チェックをそのままにして確定する)ことも他の運動目標を選択する(例えば、他の運動項目にチェックを変更して確定する)ことも可能なように表示させてもよい。
そして、運動目標受付部241は、上述の複数の運動目標のうちのいずれかを選択する入力を受け付けると、受け付けた運動目標を問診(1)−2の問診結果(即ち、問診(1)の問診結果)とするとともに、ステップS120の問診(2)に処理を進める。
このように、運動目標受付部241は、予め設定された複数の運動目標のうちの少なくともいずれかに対応する問診項目を複数提示するとともに、当該問診項目に対する問診結果に基づいて、当該複数の運動目標の中から所定の運動目標を、入力されるべき運動目標(被験者の入力すべき運動目標)として提示する。ここで、所定の運動目標とは、予め設定された複数の運動目標のうち、複数の問診項目(運動目標に関する被験者の漠然としたニーズ)に対する問診結果に最も対応している運動目標(被験者のニーズに最も合っている運動目標)である。
これにより、運動処方装置1Fは、被験者の「体重を落としたい」、「パワーアップしたい」、又は「生活習慣病予防」等といったような漠然としたニーズを問診することにより、その被験者に適切な運動目標を提示することができる。
なお、上述の問診(1)の処理は、問診(1)−1の処理を省いてもよい。即ち、運動処方装置1Fは、初めから問診(1)−2の処理により、予め設定された複数の運動目標を選択可能に提示してもよい。また、上述の問診(1)の処理は、問診(1)−2の処理を省いてもよい。即ち、運動処方装置1Fは、問診(1)−1の問診結果に基づいて被験者に適した運動目標を自動的に選択して次に処理に進めてもよい。
次に、ステップS120において、運動処方装置1Fは、運動方法に関する問診(2)の処理を行う。ここでは、ステップS120の問診(2)の処理を、ステップS121の問診(2)−1の処理とステップS122の問診(2)−2の処理との2段階の処理としている。
ここで、運動内容テーブルTBL22は、運動方法(運動の場所や種類)に関する被験者のニーズを問診するため問診(2)−1の問診項目として、例えば、「マシンジム」、「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」、「スタジオ」、「プール」等といった複数の問診情報を記憶している。また、運動目標テーブルTBL21は、問診(2)−1で「マシンジム」、又は「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」が選択された場合にさらに詳しく問診するための問診(2)−2の問診項目として、例えば「マシン中心にトレーニングがしたい」、「マシン以外の器具も使ってトレーニングしたい」等といった複数の問診情報を記憶している。
まず、ステップS121では、運動処方装置1Fは、運動方法(運動の場所や種類)に関する被験者のニーズについての問診(問診(2)−1)を行う。具体的には、運動内容受付部242は、運動内容テーブルTBL22を参照して、運動方法(運動の場所や種類)に関する被験者のニーズを問診するための複数の問診情報(例えば、「マシンジム」、「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」、「スタジオ」、「プール」等)を、選択可能なようにディスプレイ15に表示させる。
そして、運動内容受付部242は、上述の複数の運動方法(運動の場所や種類)のうちのいずれかを選択する入力を受け付けると、受け付けた運動方法(運動の場所や種類)を問診(2)−1の問診結果とする。ここで、運動内容受付部242は、「マシンジム」、又は「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」が選択された場合には、ステップS122の問診(2)−2に処理を進める。一方、他の運動方法(運動の場所や種類)が選択された場合には、運動内容受付部242は、問診を終了してステップS150(身体能力評価)に処理を進める。
次に、ステップS122では、運動内容受付部242は、運動内容テーブルTBL22を参照して、運動方法(運動の場所や種類)をさらに詳しく問診するための複数の問診情報(例えば「マシン中心にトレーニングがしたい」、「マシン以外の器具も使ってトレーニングしたい」等)を、選択可能なようにディスプレイ15に表示させる。
また、ステップS121において、運動方法として、「マシンジム」又は「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」が選択された場合には、運動内容受付部242は、ステップS122の処理の後に、ステップS130の問診(3)に処理を進める。
ステップS130の問診(3)の処理は、運動を行う身体部位に関する問診を行う処理である。例えば、運動内容テーブルTBL22は、所定の運動方法と、予め設定されている運動目標と、運動を行う身体部位に関する複数の問診情報(例えば、「全身」、「上半身」、「下半身」等)とを対応付けて記憶している。例えば、運動内容テーブルTBL22は運動方法のうちの「マシンジム」又は「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」と、運動目標のうちの「ボディメイク(BODY MAIKE)」、「ヘルスケア(HEALTH CARE)」、及び「ファンクショナル(FANCTIONAL)」のそれぞれと、運動を行う身体部位に関する複数の問診情報とを対応付けて記憶している。
運動内容受付部242は、ステップS112の問診結果において選択された運動目標に応じて、運動内容テーブルTBL22を参照して、運動を行う身体部位に関する複数の問診情報を、選択可能なようにディスプレイ15に表示させる。
このように、運動内容受付部242は、被験者が所望する運動内容として選択可能な複数の運動方法を提示するとともに、当該提示した複数の運動方法のうち、受け付けた運動方法が所定の運動方法である場合には、運動を行う身体部位を選択可能に提示する。これにより、運動処方装置1Fは、被験者が所望する運動内容をきめ細かく取得することができる。したがって、運動処方装置1Fは、被験者に適した運動処方を提示することができる。
また、ステップS130において運動を行う身体部位が選択可能に表示される運動方法(例えば、「マシンジム」、又は「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」)の一部又は全部は、運動を行う処方回数の設定が可能である。
例えば、運動内容受付部242は、ステップS120において受け付けた運動方法が、運動を行う処方回数の設定が可能な運動方法(例えば、「マシンジム」、又は「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」の一部又は全部)である場合には、ステップS120の処理後又はステップS130の処理後に、ステップS140の問診(4)に処理を進める。
ステップS140の問診(4)の処理は、運動を行う処方回数の設定を行うための処理であって、運動効果に関する被験者のニーズを問診することによって、ニーズにあった運動効果に対応する処方回数の設定を行う処理である。なお、この問診(4)の処理では、被験者の所望の運動効果が問診結果として得られ、その運動効果が得られるために必要な具体的な処方回数は、ステップS160の処方情報INFの生成において決定される。
運動内容テーブルTBL22は、例えば、運動を行う処方回数の設定が可能な運動方法(又は、運動方法及び身体部位)と、運動を行う処方回数に対応する運動効果を示す情報とを対応付けて記憶している。この運動効果を示す情報は、例えば、「最大筋力向上」、「筋肥大」、「持久力向上」、「シェイプアップ」、「健康維持管理」等といった情報である。
ステップS140において、運動内容受付部242は、運動内容テーブルTBL22を参照して、運動効果に関する被験者のニーズを問診するための複数の問診情報として、複数の運動効果を示す情報(例えば、「最大筋力向上」、「筋肥大」、「持久力向上」、「シェイプアップ」、「健康維持管理」等)を、選択可能なようにディスプレイ15に表示させる。そして、運動内容受付部242は、上述の複数の運動効果を示す情報のうちのいずれかを選択する入力を受け付けると、受け付けた運動効果を問診(4)の問診結果とする。
このように、運動を行う身体部位を選択可能に提示される運動方法の一部又は全部は、運動を行う処方回数の設定が可能である。また、運動内容受付部242は、被験者が所望する運動内容として受け付けた運動方法が運動を行う処方回数を設定可能な運動方法である場合には、運動を行う処方回数に対応する運動効果を示す情報を選択可能に提示する。これにより、運動処方装置1Fは、被験者が所望する運動効果が得られるために必要な処方回数を設定することができる。したがって、運動処方装置1Fは、被験者に適した運動処方を提示することができる。
なお、運動処方装置1Fは、処方回数を問診項目としてもよく、被験者が所望する処方回数を問診結果として取得する構成としてもよい。
以上説明したステップS110〜S140の問診(1)〜(4)の処理により、運動処方装置1Fは、被験者の運動目標(目的)や運動内容等のニーズに関する問診が終了すると、次のステップS150の身体能力評価の処理に移行する。また、問診結果受付部240は、ステップS110の問診(1)、ステップS120の問診(2)、ステップS130の問診(3)、又はステップS140の問診(4)の問診結果に基づいて、問診結果情報PDを生成し、生成した問診結果情報PDを処方情報出力部160に供給する。
なお、運動処方装置1Fは、筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FDとのいずれか一方を体組成評価値としてもよい。つまり、体組成情報受付部220は、筋厚受付部110と脂肪厚受付部140とのいずれか一方を備えた構成としてもよい。また、体組成評価部230は、筋厚評価部120と脂肪厚評価部150とのいずれか一方を備えた構成としてもよい。
例えば、処方情報出力部160は、少なくとも筋厚評価値MDを体組成評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び筋厚評価値MDと問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて、処方情報INFを出力してもよい。この場合、運動処方装置1Fは、運動力評価値ED及び筋厚評価値MDだけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができる。
また、処方情報出力部160は、少なくとも脂肪厚評価値FDを体組成評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値ED及び脂肪厚評価値FDと問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて、処方情報INFを出力してもよい。この場合、運動処方装置1Fは、運動力評価値ED及び脂肪厚評価値FDだけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができる。
また、運動処方装置1Fは、体組成評価値のみを身体能力評価値として、体組成評価値に基づいて処方情報INFを生成してもよい。つまり、身体能力取得部210が、被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部220と、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部230とを備え、処方情報出力部160は、少なくとも体組成評価値を身体能力評価値として、処方情報INFを出力してもよい。即ち、処方情報出力部160は、少なくとも体組成評価値と問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて処方情報INFを出力してもよい。例えば、身体能力取得部210は、体組成情報受付部220及び体組成評価部230を備え、運動力受付部130を備えていない構成としてもよい。この場合、運動処方装置1Fは、体組成評価値だけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができる。
また、身体能力取得部210は、少なくとも運動力受付部130を備え、体組成情報受付部220及び体組成評価部230を備えていない構成としてもよい。即ち、運動力評価値EDと問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて処方情報INFが生成されてもよい。
図15に、運動力評価値EDと問診結果情報PDとに基づいて処方情報INFを生成する運動処方装置1Gの機能ブロックを示す。図15に示す運動処方装置1Gは、身体能力取得部210が体組成情報受付部220及び体組成評価部230を備えていない点と、筋厚評価テーブルTBL11a及び脂肪厚評価テーブルTBL12を備えていない点とを除いて、図10に示す運動処方装置1Fと同様に構成されている。
運動処方装置1Gの処方情報出力部160は、運動力評価値EDと問診結果情報PDとに基づいて処方情報INFを生成する。この場合、処方テーブルTBL13は、運動力評価値EDと問診結果情報PDとに対応付けて処方情報INFを記憶している。
このように、運動処方装置1Gは、身体能力取得部210が、被験者の運動力測定に基づく運動力評価値EDの入力を受け付ける運動力受付部130を備え、処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値EDを身体能力評価値として、処方情報INFを出力する。即ち、運動処方装置1Gの処方情報出力部160は、少なくとも運動力評価値EDと問診結果情報PD(問診結果)とに基づいて処方情報INFを出力する。これにより、運動処方装置1Gは、運動力評価値EDだけでなく、被験者に対する問診結果を加味して処方情報INFを生成することができるため、被験者に適した運動処方を提示することができる。
上述したように、運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDの全ての評価値を用いなくとも処方情報INFを生成することが可能な構成とした場合には、運動処方装置1F(1G)の簡易化、又は、被験者に運動処方を提示する際の簡便化や時短化を図ることができる。
また、上記第2から第4実施形態の構成を、本実施形態に組み合わせてもよい。例えば、運動処方装置1Fは、図10に示す構成に加えて、性別受付部111、年齢区分取得部112、身長受付部113、又は体重受付部114を備えた構成としてもよい。これにより、運動処方装置1F(筋厚評価部120)は、被験者の性別、年齢区分、身長、又は体重を考慮して筋厚評価値MDを生成してもよい。また、運動処方装置1F(体組成評価部230)は、筋厚評価値MD以外の体組成評価値を生成する際に、被験者の性別、年齢区分、身長、又は体重を考慮してもよい。
なお、図13及び図14に示す問診(1)〜問診(4)における問診の具体的な内容(問診情報)は、一例を示すものでこの内容に限られるものではない。例えば、問診(1)で選択可能な予め設定された運動目標(目的)は、「ダイエットとシェイプアップ(DIET&SHAPE)」、「ボディメイク(BODY MAIKE)」、「ヘルスケア(HEALTH CARE)」、「ファンクショナル(FANCTIONAL)」、「ストレスフリー(STRESS FREE)」、及び「ダンススキル(DANNCE SKILL)」のうちの一部であってもよいし、他の運動目標が含まれていてもよい。また、問診(2)で選択可能な運動方法(運動の場所や種類)は、「マシンジム」、「マシンジムでインストラクターとパーソナルトレーニング」、「スタジオ」、及び「プール」のうちの一部であってもよいし、他の運動方法が含まれていてもよい。さらに、「インストラクターとパーソナルトレーニング」が行える運動方法は、「マシンジム」に限られるものではなく、他の運動方法(「スタジオ」、「プール」等)であってもよい。また、問診(3)又は問診(4)で選択可能な身体部位、又は処方回数に対応する運動効果も、図示する内容に限られるものではなく、他の身体部位又は運動効果であってもよい。また、「マシンジム」以外の運動方法が選択された場合においても、身体部位又は運動効果の選択が可能な構成としてもよい。
<7.第7実施形態>
以上、本発明の第1から第6実施形態に係る運動処方システム100について説明してきた。次に、本発明に係る体力判定装置を用いた体力判定システム300について、図面を参照しつつ説明する。
図16は、本発明の第7実施形態に係る体力判定システム300のブロック図である。この体力判定システム300は、体力判定装置3Aと超音波測定装置2とを備える。体力判定システム300は、例えば、スポーツジムなどで被験者の体力を判定する場合に用いられる。
この図16に示す体力判定装置3Aは、ハードディスク13に、体力判定プログラムPHと、判定テーブルTBL15とが記憶されている点を除いて、図1に示す運動処方装置1Aと同様に構成されている。判定テーブルTBL15は、各種の評価値(例えば、体組成評価値、運動力評価値等の身体能力評価値)と、体力の判定結果(体力判定結果)を示す判定結果情報とを対応付けて記憶している。なお、本実施形態では、履歴テーブルTBL14は、各種評価値、判定結果情報、及び判定日を被験者を識別する識別情報と対応づけて記憶している。
次に、CPU10が体力判定プログラムPHを実行することによって実現する体力判定装置3Aの機能ブロックについて、図17を参照しつつ説明する。この図17に示す体力判定装置3Aは、処方テーブルTBL13と処方情報出力部160とに代えて判定テーブルTBL15と判定結果情報出力部190とを備えている点を除いて、図8に示す運動処方装置1Eと同様の構成である。
身体能力取得部210は、運動力受付部130と、体組成情報受付部220と、体組成評価部230とを備え、取得した各種評価値を判定結果情報出力部190に供給する。例えば、運動力受付部130は、入力部14によって入力される運動力評価値EDを受け付けて判定結果情報出力部190に供給する。
また、体組成評価部230は、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて、体組成評価値を決定して判定結果情報出力部190に供給する。具体的には、筋厚評価部120は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚に基づいて、筋厚評価値MDを決定して判定結果情報出力部190に供給する。また、脂肪厚評価部150は、脂肪厚受付部140で受け付けた脂肪厚に基づいて、脂肪厚評価値FDを決定して判定結果情報出力部190に供給する。
判定結果情報出力部190は、判定テーブルTBL15を参照して、身体能力取得部210から供給された運動力評価値EDと、体組成評価部230から供給された体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD)とに基づいて、被験者の体力判定結果を示す判定結果情報JDを生成する。つまり、判定結果情報出力部190は、運動力評価値EDと体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD)とに基づく総合判定を行い、その総合判定の結果を被験者の体力判定結果(体力診断結果)として生成する。
また、判定結果情報出力部190は、生成した判定結果情報JDをディスプレイ15に表示させる。
図18及び図19に判定テーブルTBL15のデータ構造の例を示す。図18は、運動力評価値EDと筋厚評価値MDとに基づいて体力判定を行う際に参照される第1判定テーブルTBL15aの一例を示している。また、図19は、第1判定テーブルTBL15aにより定まる運動力評価値EDと筋厚評価値MDとに基づく体力判定に対して、脂肪厚評価値FDに基づいて補正した体力判定(総合判定)を行う際に参照される第2判定テーブルTBL15bの一例を示している。
ここでは第1実施形態で説明したように、運動力評価値EDはED=1〜6の6段階で評価されるものとする。また同様に第1実施形態で説明したように、筋厚評価値MDはMD=1〜5の5段階で評価されるものとする。この図に示す例では、筋厚評価値MD=1で「非常に薄い」、筋厚評価値MD=2で「薄い」、筋厚評価値MD=3で「標準」、筋厚評価値MD=4で「厚い」、筋厚評価値MD=5で「非常に厚い」といった評価とする。
なお、この図に示す例では、脂肪厚評価値FDは、5段階で評価されるものとし、脂肪厚評価値FD=5で「非常に薄い」、脂肪厚評価値FD=4で「薄い」、脂肪厚評価値FD=3で「標準」、脂肪厚評価値FD=2で「厚い」、脂肪厚評価値FD=1で「非常に厚い」といった評価とする。
図18に示す第1判定テーブルTBL15aは、6段階の運動力評価値EDと5段階の筋厚評価値MDとのそれぞれの組み合わせに対応づけられた判定結果情報JDを記憶している。この図に示す例では、第1判定テーブルTBL15aは、6段階の運動力評価値EDと5段階の筋厚評価値MDとのそれぞれの組み合わせに、6段階(S、A、B、C、D、E)にグレーディングされた体力レベルのいずれかを判定結果情報JDとして対応付けて記憶している。なお、ここでは、体力レベルS、A、B、C、D、Eの順に体力レベルが高い方から低い方へ6段階にグレーディングされている。
例えば、運動力評価値ED=6、筋厚評価値MD=4の場合、判定結果情報出力部190は、第1判定テーブルTBL15aを参照して体力レベルSを読み出す。また、運動力評価値ED=1、筋厚評価値MD=4の場合、判定結果情報出力部190は、第1判定テーブルTBL15aを参照して体力レベルDを読み出す。
続いて、判定結果情報出力部190は、第1判定テーブルTBL15aを参照して読み出した体力レベルに対して脂肪厚評価値FDに基づいて補正された体力レベルを、第2判定テーブルTBL15bを参照して読み出して、最終的な体力判定(総合判定)結果としての判定結果情報JDを生成する。
図19に示す第2判定テーブルTBL15bは、6段階の運動力評価値EDと5段階の筋厚評価値MDとに基づく体力判定結果(体力レベル)と、脂肪厚評価値FDとのそれぞれの組み合わせに、6段階(S、A、B、C、D、E)にグレーディングされた体力レベルのいずれかを判定結果情報JDとして対応付けて記憶している。
例えば、運動力評価値ED=6、筋厚評価値MD=4の場合、判定結果情報出力部190は、第1判定テーブルTBL15aを参照して体力レベルSを読み出すが、脂肪厚評価値FD=2の場合には、第2判定テーブルTBL15bを参照して体力レベルAを最終的な体力判定(総合判定)結果として判定結果情報JDを生成する。また、判定結果情報出力部190は、生成した判定結果情報JD(ここでは、体力レベルA)をディスプレイ15に表示させる。
なお、判定結果情報出力部190が出力する判定結果情報JDは、体力レベル(S、A、B、C、D、E)であってもよいが、各体力レベルに対応するテキストであてもよい。例えば、判定テーブルTBL15には、各体力レベルに代えて又は各体力レベルに加えて、各体力レベルに対応するテキストが記憶されていてもよく、判定結果情報出力部190は、判定テーブルTBL15から読み出した各体力レベルに対応するテキストをディスプレイ15に表示させてもよい。
例えば、体力レベルBに対応する判定結果情報JDが、「日常生活にはまったく問題なくリクリエーションやスポーツを行える身体のコンディションです。但し積極的に運動に取り組むにはやや筋力が不足しています。」といったテキストで構成されてもよい。
以上説明してきたように、本実施形態の体力判定装置3Aは、被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部220と、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部230と、被験者の運動力測定に基づく運動力評価値EDの入力を受け付ける運動力受付部130とを備えている。また、体力判定装置3Aは、少なくとも運動力評価値ED及び体組成評価値に基づいて被験者の体力判定結果を示す判定結果情報JDを出力する判定結果情報出力部190を備えている。
このように、体力判定装置3Aは、運動力評価値EDと体組成評価値との両方に基づいて判定結果情報JDを生成するため、適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
ここで、体組成情報受付部220は、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付部110を備えている。また、体組成評価部230は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値MDを決定する筋厚評価部120を備えている。そして、判定結果情報出力部190は、少なくとも筋厚評価値MDを体組成評価値として、判定結果情報JDを出力する。即ち、判定結果情報出力部190は、少なくとも運動力評価値ED及び筋厚評価値MDに基づいて、判定結果情報JDを出力する。
このように、体力判定装置3Aは、運動力評価値EDと筋厚評価値MDとの両方に基づいて判定結果情報JDを生成するため、適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。つまり、体力判定装置3Aは、体を動かす力の源となる筋厚と実際の運動力とに基づいて体力判定を行うため、より適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
さらに、体組成情報受付部220は、被験者の所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部140を備えている。また、体組成評価部230は、脂肪厚受付部140で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値FDを決定する脂肪厚評価部150を備えている。そして、判定結果情報出力部190は、少なくとも筋厚評価値MD及び脂肪厚評価値FDを体組成評価値として、判定結果情報JDを出力する。即ち、判定結果情報出力部190は、少なくとも運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDに基づいて、判定結果情報JDを出力する。
このように、体力判定装置3Aは、運動力評価値ED、筋厚評価値MD、及び脂肪厚評価値FDに基づいて判定結果情報JDを生成するため、より適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。例えば、体脂肪は運動する際のエネルギーの備蓄である反面、その体脂肪の重量は運動する際の負荷になる。そのため、筋厚評価値MDが高いにも拘わらず、脂肪の量が多いことにより体力が低下することがある。つまり、脂肪の量によっても体力には影響が生じることがある。よって、体力判定装置3Aは、運動力評価値ED及び筋厚評価値MDだけでなく、脂肪厚評価値FDを加味して体力判定を行うことにより、より適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
なお、判定結果情報出力部190は、少なくとも脂肪厚評価値FDを体組成評価値として、判定結果情報JDを出力してもよい。即ち、判定結果情報出力部190は、少なくとも運動力評価値ED及び脂肪厚評価値FDに基づいて、判定結果情報JDを出力してもよい。
上述したように、脂肪の量によっても体力には影響が生じることがある。また、例えば、体重が同じであれば、体脂肪が多ければ筋量が少なく体脂肪が少なければ筋量が多いことになる。そのため、筋厚の代わりに脂肪厚を評価することによっても筋肉量を推定することも可能である。したがって、体力判定装置3Aは、運動力評価値EDだけでなく、脂肪厚評価値FDを加味して判定結果情報JDを生成することにより、適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
ここで説明を図17に戻す。閲覧受付部170は、入力部14によって入力される閲覧指示を受け付けて閲覧情報出力部180に供給する。この閲覧指示には、被験者を識別する識別情報が含まれている。履歴テーブルTBL14には、判定結果情報出力部190が、判定結果情報JDを出力する度に、体組成評価値、運動力評価値ED、判定結果情報JD、及び処方日が、被験者の識別情報と対応づけて記憶される。閲覧情報出力部180は、閲覧受付部170が閲覧指示を受け付けると、履歴テーブルTBL14から、識別情報に対応する体組成評価値、運動力評価値ED、判定結果情報JD、及び処方日を読み出して閲覧情報Xとして、ディスプレイ15に出力する。これにより、被験者は、過去の判定結果情報JDなどを知ることができ、過去の体力や過去から現在に至る体力の変化を確認することができる。
このように、体力判定装置3Aは、体組成評価値、運動力評価値ED、判定結果情報JD、及び判定日を対応づけて記憶する履歴テーブルTBL14(記憶部)と、過去の判定の閲覧指示を受け付ける閲覧受付部170と、閲覧受付部170で閲覧指示を受け付けると、履歴テーブルTBL14(記憶部)の記憶内容を参照して体組成評価値、運動力評価値ED、及び判定結果情報JDを判定日ごとに区分けした閲覧情報を出力する閲覧情報出力部180と、を備えている。これにより、体力判定装置3Aは、過去の履歴を被験者に見せることができるので、過去の体力や過去から現在に至る体力の変化を確認することが可能となる。
<8.第8実施形態>
第8実施形態の体力判定装置3Bについて説明する。体力判定装置3Bは、体組成評価値を生成する際に、被験者の性別を考慮する点を除いて、第7実施形態の体力判定装置3Aと同様に構成されている。ここでは、体組成評価値のうちの筋厚評価値MDを生成する際に被験者の性別を考慮する例について説明する。
図20に、CPU10が体力判定プログラムPHを実行することによって実現する体力判定装置3Bの機能ブロックを示す。図20に示す体力判定装置3Bは、性別受付部111を追加した点及び筋厚評価テーブルTBL11aの替わりに筋厚評価テーブルTBL11bを用いる点を除いて、図17に示す第7実施形態の体力判定装置3Aと同様に構成されている。ここで、性別受付部111及び筋厚評価テーブルTBL11bは、第2実施形態の運動処方装置1Bが備える各構成(図5参照)と同様である。そして、体力判定装置3Bの筋厚評価部120は、第2実施形態の運動処方装置1Bの筋厚評価部120と同様に、筋厚受付部110で受け付けた筋厚と性別受付部111で受け付けた性別に基づいて、筋厚評価値MDを生成する。
このように、体力判定装置3Bは、性別を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価でき、これに基づいて判定結果情報JDを生成したので、性別を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
なお、図20を用いて、筋厚評価値MDを生成する際に被験者の性別を考慮する例について説明したが、筋厚評価値MD以外の体組成評価値(例えば、脂肪厚評価値FD)を生成する際に被験者の性別を考慮するように構成してもよい。
以上説明したように第8実施形態によれば、体力判定装置3Bは、被験者の性別の入力を受け付ける性別受付部111をさらに備えている。そして、体組成評価部230は、性別受付部111で受け付けた性別に応じて、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に対して決定する体組成評価値の一部または全部を異ならせるようにした。
これにより、体力判定装置3Bは、性別を考慮して体組成評価値を生成するので、より細かく体組成を評価でき、これに基づいて判定結果情報JDを生成したので、性別を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
<9.第9実施形態>
第9実施形態の体力判定装置3Cについて説明する。体力判定装置3Cは、体組成評価値を生成する際に、被験者の性別の他に年齢区分を考慮する点を除いて、第8実施形態の体力判定装置3Bと同様に構成されている。ここでは、体組成評価値のうちの筋厚評価値MDを生成する際に被験者の性別の他に年齢区分を考慮する例について説明する。
図21に、CPU10が体力判定プログラムPHを実行することによって実現する体力判定装置3Cの機能ブロックを示す。図21に示す体力判定装置3Cは、年齢区分取得部112を追加した点及び筋厚評価テーブルTBL11bの替わりに筋厚評価テーブルTBL11cを用いる点を除いて、図20に示す第8実施形態の体力判定装置3Bと同様に構成されている。ここで、年齢区分取得部112及び筋厚評価テーブルTBL11cは、第3実施形態の運動処方装置1Cが備える各構成(図6参照)と同様である。そして、体力判定装置3Cの筋厚評価部120は、第3実施形態の運動処方装置1Cの筋厚評価部120と同様に、筋厚受付部110で受け付けた筋厚と性別受付部111で受け付けた性別と年齢区分取得部112で取得した年齢区分に基づいて、筋厚評価値MDを生成する。
例えば、年齢によって、筋肉に作用する神経系の働きや筋肉の効率が異なることから、同じ筋厚であっても年齢によって体力が相違することがある。よって、体力判定装置3Cは、年齢を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価できる。
このように、体力判定装置3Cは、性別及び年齢区分を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価でき、これに基づいて判定結果情報JDを生成したので、性別及び年齢を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
なお、図21を用いて、筋厚評価値MDを生成する際に被験者の性別及び年齢を考慮する例について説明したが、筋厚評価値MD以外の体組成評価値(例えば、脂肪厚評価値FD)を生成する際に被験者の性別及び年齢を考慮するように構成してもよい。
以上説明したように第9実施形態によれば、体力判定装置3Bは、被験者の年齢区分を取得する年齢区分取得部112をさらに備えている。そして、体組成評価部230は、年齢区分取得部112で取得した年齢区分に応じて、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に対して決定する体組成評価値の一部または全部を異ならせるようにした。
これにより、体力判定装置3Cは、年齢を考慮して体組成評価値を生成するので、年齢を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
<10.第10実施形態>
第10実施形態の体力判定装置3Dについて説明する。体力判定装置3Dは、体組成評価値を生成する際に、被験者の性別及び年齢区分の他に、身長及び体重を考慮する点を除いて、第9実施形態の体力判定装置3Cと同様に構成されている。ここでは、体組成評価値のうちの筋厚評価値MDを生成する際に、被験者の性別及び年齢区分の他に身長及び体重を考慮する例について説明する。
図22に、CPU10が体力判定プログラムPHを実行することによって実現する体力判定装置3Dの機能ブロックを示す。図22に示す体力判定装置3Dは、身長受付部113及び体重受付部114を追加した点及び筋厚評価テーブルTBL11cの替わりに筋厚評価テーブルTBL11dを用いる点を除いて、図21に示す第9実施形態の体力判定装置3Cと同様に構成されている。ここで、身長受付部113、体重受付部114、及び筋厚評価テーブルTBL11dは、第4実施形態の運動処方装置1Dが備える各構成(図7参照)と同様である。そして、体力判定装置3Dの筋厚評価部120は、筋厚受付部110で受け付けた筋厚、性別受付部111で受け付けた性別、年齢区分取得部112で取得した年齢区分、身長受付部113で受け付けた身長、及び体重受付部114で受け付けた体重に基づいて、筋厚評価値MDを生成する。
このように、体力判定装置3Dは、体重及び身長を考慮して筋厚評価値MDを生成するので、より細かく筋厚を評価でき、これに基づいて判定結果情報JDを生成したので、体重及び身長を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。なお、身長と体重のいずれか一方と、性別及び年齢区分とを組み合わせて、筋厚評価値MDを生成してもよい。この場合には、筋厚評価テーブルに、体重及び身長のいずれか一方、性別、並びに年齢区分に対応づけて筋厚を評価する基準となる閾値を記憶し、これを参照して閾値を特定すればよい。
なお、図22を用いて、筋厚評価値MDを生成する際に被験者の性別及び年齢の他に身長又は体重を考慮する例について説明したが、筋厚評価値MD以外の体組成評価値(例えば、脂肪厚評価値FD)を生成する際に被験者の性別及び年齢の他に身長又は体重を考慮するように構成してもよい。
以上説明したように第10実施形態によれば、体力判定装置3Dは、被験者の身長の入力を受け付ける身長受付部113をさらに備えている。そして、体組成評価部230は、身長受付部113で受け付けた身長に応じて、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に対して決定する体組成評価値の一部または全部を異ならせるようにした。これにより、体力判定装置3Dは、身長を考慮して体組成評価値を生成するので、身長を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
また、被験者の体重を受け付ける体重受付部114をさらに備えている。そして、体組成評価部230は、体重受付部114で受け付けた体重に応じて、体組成情報受付部220で受け付けた体組成情報に対して決定する体組成評価値の一部または全部を異ならせるようにした。これにより、体力判定装置3Dは、体重を考慮して体組成評価値を生成するので、身長を考慮したより適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
<11.第11実施形態>
第11実施形態の体力判定装置3Eについて説明する。体力判定装置3Eは、判定結果情報JDを生成する際に、被験者の運動力評価値ED及び体組成評価値の他に、形態評価値を考慮する点を除いて、第7実施形態の体力判定装置3Aと同様に構成されている。形態評価値とは、被験者の身体部位の形態を評価した指標である。
図23に、CPU10が体力判定プログラムPHを実行することによって実現する体力判定装置3Eの機能ブロックを示す。図23に示す体力判定装置3Eは、形態情報受付部250、形態評価部260、及び周径囲評価テーブルTBL16を備えている点を除いて、図17に示す第7実施形態の体力判定装置3Aと同様に構成されている。ここでは、形態評価値として、被験者の大腿部の周径囲を評価した指標である周径囲評価値CDを例として説明する。
形態情報受付部250は、被験者の身体部位の形態に基づく形態情報の入力を受け付ける。形態評価部260は、形態情報受付部250で受け付けた形態情報に基づいて形態評価値を決定する。この図に示す例では、形態情報受付部250は、周径囲受付部251を備えている。また、形態評価部260は、周径囲評価部261を備えている。
例えば、スポーツジムのインストラクターは、被験者の大腿部の周径囲をメジャーを使用して測定し、入力部14を用いて周径囲の測定結果を被験者の形態情報として入力する。周径囲受付部251は、入力部14によって入力される周径囲を上述の形態情報として受け付ける。また、周径囲評価部261は、周径囲受付部251で受け付けた周径囲に基づいて周径囲評価値CDを決定する。
ここで、周径囲評価テーブルTBL16は、周径囲のグレーディングする基準となる閾値を記憶している。そして、周径囲評価部261は、周径囲評価テーブルTBL16から読み出した閾値と周径囲とを比較して、周径囲評価値CDを生成し、判定結果情報出力部190に供給する。
判定結果情報出力部190は、判定テーブルTBL15を参照して、身体能力取得部210から供給された運動力評価値EDと、体組成評価部230から供給された体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD)と、周径囲評価部261から供給された周径囲評価値CDとに基づいて、被験者の体力判定結果を示す判定結果情報JDを生成する。
この場合、判定テーブルTBL15は、運動力評価値ED、体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD)、及び周径囲評価値CDと、判定結果情報JDとを対応付けて記憶している。例えば、判定テーブルTBL15は、図18に示す第1判定テーブルTBL15aと、図19に示す第2判定テーブルTBL15bとに加えて、第2判定テーブルTBL15bにより定まる体力レベルに対して周径囲評価値CDに基づいて補正する判定テーブル(例えば、第3判定テーブルTBL15c)を備えていればよい。
以上説明したように第11実施形態によれば、体力判定装置3Eは、被験者の身体部位の形態に基づく形態情報の入力を受け付ける形態情報受付部250と、形態情報受付部250で受け付けた形態情報に基づいて形態評価値を決定する形態評価部260とをさらに備えている。そして、判定結果情報出力部190は、少なくとも運動力評価値ED、体組成評価値、及び形態評価値に基づいて判定結果情報JDを出力する。
これにより、体力判定装置3Eは、運動力評価値ED、及び体組成評価値(筋厚評価値MDと脂肪厚評価値FD)に加えて、周径囲評価値CDを加味して判定結果情報JDを生成したので、より適切な体力判定結果を被験者に提示することができる。
なお、本実施形態では、大腿部の周径囲に基づく周径囲評価値CDを形態評価値の例として説明したが、大腿部以外の身体部位の周径囲に基づく周径囲評価値CDを形態評価値としてもよい。また、周径囲以外の被験者の身体部位の形態を評価した指標を形態評価値としてもよい。さらに、身長と体重とに基づいて算出される体格指数BMI(Body Mass Index)を形態評価値としてもよい。なお、他の形態評価値を用いる場合には、その形態評価値に応じた評価テーブルが周径囲評価テーブルTBL16に替えて備えられてもよいし、入力部14によって入力される形態評価値(既に決められている形態評価値)を形態情報受付部250が受け付ける構成としてもよい。
また、本実施形態の体力判定装置3Eは、第8から第10実施形態で説明した筋厚評価値MDの生成処理を適用することができる。即ち、図20と、図21と、図22とにそれぞれ示す体力判定装置3B、3C、3Dが、形態情報受付部250、形態評価部260、及び周径囲評価テーブルTBL16を備えている構成としてもよい。
<12.第12実施形態>
第12実施形態では、第7から第11実施形態に係る体力判定システム300が備える体力判定装置3A〜3Eが生成する判定結果情報JDに基づいて処方情報INFを生成する運動処方装置1Hについて説明する。
図24に、運動処方装置1Hの機能ブロックを示す。運動処方装置1Hは、体力判定装置3A〜3Eのいずれかと、処方情報出力部160と、処方テーブルTBL13を備えている。体力判定装置3A〜3Eは、判定結果情報JDを出力して処方情報出力部160に供給する。処方情報出力部160は、体力判定装置3A〜3Eのいずれかから供給された判定結果情報JDに基づいて処方情報INFを生成する。
ここでは、処方テーブルTBL13は、判定結果情報JDと処方情報INFとを対応付けて記憶している。例えば、処方テーブルTBL13は、6段階の体力レベルのそれぞれに対応づけられた処方情報INFを記憶している。処方情報出力部160は、処方テーブルTBL13を参照して、体力判定装置3A〜3Eのいずれかから供給された判定結果情報JDに対応づけられた処方情報INFを読み出す。
このように、第12実施形態によれば、運動処方装置1Hは、上述の第7から第11実施形態の体力判定装置3A〜3Eのいずれかが出力する判定結果情報JDに基づいて、運動処方を示す処方情報INFを出力する処方情報出力部160を備えている。
なお、運動処方装置1Hは、図10に示す問診結果受付部240と、問診テーブルTBL20とをさらに備えた構成としてもよい。そして、処方情報出力部160は、判定結果情報JDのみならず、判定結果情報JDと問診結果情報PDとに基づいて、処方情報INFを生成してもよい。この場合、処方テーブルTBL13は、判定結果情報JDと問診結果情報PDと処方情報INFとを対応付けて記憶してもよい。
これにより、運動処方装置1Hは、身体能力評価値に基づいて生成された判定結果情報JD又は問診結果情報PDに基づいて、処方情報INFを生成することができるため、上述した運動処方装置1A〜1Gと同様に被験者に適した運動処方を提示することができる。
なお、運動処方装置1Hは、体力判定装置3A〜3Eのいずれかを内蔵した構成としてもよいし、体力判定装置3A〜3Eのいずれかを外部装置として備え、その外部装置としての体力判定装置3A〜3Eのいずれかが生成した判定結果情報JDを、有線又は無線通信、或いは可搬可能な記憶媒体を介して取得する構成としてもよい。
<13.変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、各変形例と上述した各実施形態は適宜組み合わせてもよい。
(1)上述した各実施形態では、筋厚及び脂肪厚(皮下脂肪厚)を、超音波測定装置2を用いて取得したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筋厚及び脂肪厚はどのような測定法で取得したものであってもよい。例えば、身体部位の生体電気インピーダンスを測定し、年齢、性別、身長及び体重といった被験者の生体情報の少なくとも一つと測定結果とに基づいて、皮下脂肪厚や筋厚を推定してもよい。さらに、脂肪厚の替わりに、脂肪量(皮下脂肪量や内蔵脂肪量)を用いてもよい。くわえて、超音波測定装置2は、インターフェース18を介して運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3Eに接続されなくてもよい。超音波測定装置2が表示部を備えるのであれば、その表示部に表示される内部組織の画像を見ながら、入力部14を用いて筋厚及び皮下脂肪厚を入力すればよい。あるいは、超音波測定装置2を他の装置に接続し、当該他の装置の表示部に表示される内部組織の画像を見ながら、入力部14を用いて筋厚及び皮下脂肪厚を入力してもよい。
(2)また、上述した各実施形態では、運動力評価値EDを被験者が立ち上がり動作をすることにより特定したが、本発明はこれに限定されることなく、どのような手法によって被験者の運動力を評価し、運動力評価値EDを生成してもよい。例えば、椅子に座った状態で負荷が掛った状態から脚を蹴り上げる動作をして、その力を測定装置で測定してもよい。この場合は、入力部14を用いてインストラクターが運動力評価値EDを入力すればよい。あるいは、測定装置と運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3Eとを接続し、測定結果を運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3Eに取り込み、運動力受付部130の前段に運動力評価部を設け、測定結果を予め定めた閾値と比較することによって、運動力評価値EDを生成し、これを運動力受付部130に供給してもよい。
(3)また、上述した実施形態において、処方テーブルTBL13又は判定テーブルTBL15が、運動力評価値ED、筋厚評価値MD及び脂肪厚評価値FDと処方情報INFとを対応づけて記憶する例を説明したが、脂肪厚評価値FDは必須ではなく、これが無くてもよい。この場合、脂肪厚評価テーブルTBL12、脂肪厚受付部140、及び脂肪厚評価部150は省略することができる。これにより、図4に示す処方テーブルTBL13の記憶容量は1/3に削減することができる。この場合にも、運動力評価値ED及び筋厚評価値MDに基づいて処方情報INFを決定するので、いずれか一方のみに基づいて処方情報INFを生成する場合と比較して、より適切な運動処方を被験者に提示することができる。
また、処方テーブルTBL13に、処方情報INFと対応づけて、運動力評価値ED、筋厚評価値MD、脂肪厚評価値FD及び被験者の生体の状態を示す生体情報を記憶し、処方情報出力部160は、運動力評価値ED及び筋厚評価値MDの他に生体情報を加味して、処方情報INFを出力してもよい。また、判定テーブルTBL15に判定結果情報JDと対応づけて、運動力評価値ED、筋厚評価値MD、脂肪厚評価値FD及び被験者の生体の状態を示す生体情報を記憶し判定結果情報出力部190は、運動力評価値ED及び筋厚評価値MDの他に生体情報を加味して、判定結果情報JDを出力してもよい。生体情報としては、性別、年齢、体重、身長、人種及びBMIのうち少なくとも一つが含まれることが好ましい。
くわえて、処方テーブルTBL13又は判定テーブルTBL15のデータ構造は、図4図11、図18、又は図19に示すものに限定されず、任意である。要は、運動力評価値ED、筋厚評価値MD及び脂肪厚評価値FDに基づいて、対応する処方情報INF又は判定結果情報JDが特定できさえすればよい。例えば、複数のテーブルを関係付けた関係データベースを用いて処方情報INF又は判定結果情報JDを特定してもよい。
(4)また、上述した各実施形態では、筋厚をグレーディングして筋厚評価値MDを得るために、1)性別、2)性別及び年齢、並びに3)性別、年齢、体重及び身長を考慮して筋厚評価値MDを決定したが、本発明はこれに限定されるものでなく、性別、年齢、体重及び身長のうち少なくとも一つに基づいて、筋厚をグレーディングする基準となる閾値を特定し、特定した閾値を用いて、筋厚をグレーディングして筋厚評価値MDを得てもよい。この場合には、筋厚評価テーブルTBL11に閾値と生体の特徴を示す要素とを対応づけて記憶し、生体の特徴から閾値を特定すればよい。あるいは、生体の特徴を示す要素と筋厚評価値MDとを対応づけて記憶したテーブルを参照して、筋厚評価値MDを生成してもよい。
また、筋厚評価値MDに限らず他の体組成評価値を得る場合にも、性別、年齢、体重及び身長のうち少なくとも一つに基づいて、体組成情報をグレーディングして体組成評価値を得てもよい。
(5)また、上述した第3、第4、第9及び第10実施形態ではシニアと非シニアといった年齢区分を加味して、筋厚評価を行ったが、3以上の年齢区分を設けてもよく、年齢区分は年齢そのものであってもよい。また、被験者の対象年齢の範囲を例えば、16歳以上90歳未満とし、対象年齢の範囲外の年齢に応じた各評価値のデータを具備しないようにしてもよい。
(6)また、上述した第1から第5実施形態では、運動内容を特定した処方情報INFを出力することはできなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける運動内容受付部242(第6実施形態参照)をさらに備え、処方情報出力部160は、運動内容受付部242で受け付けた運動内容に基づいて処方情報INFを出力してもよい。この場合、処方テーブルTBL13に記憶される処方情報INFを運動内容に応じて分類して記憶しておき、受け付けた運動内容に対応する処方情報INFを出力すればよい。
(7)また、上述した各実施形態では、運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3Eは、スポーツジムなどに設置されることを前提としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図25又は図26に示すようにインターネットなどの通信網NETを介してインストラクターが管理する端末装置400と接続されるものであってもよい。この場合、運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3Eは、サーバ装置として機能し、端末装置400で入力される体組成情報(筋厚、脂肪厚等)、及び運動力評価値EDを、通信インターフェース16を介して受け付けて、処方情報INF又は判定結果情報JDを端末装置400に返信する。
また、閲覧指示については、被験者の端末装置400からのものを運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3Eで受け付けてもよい。この場合、通信インターフェース16は、被験者の端末装置400と通信可能な通信部として機能し、閲覧受付部170は、通信インターフェース16を用いて被験者の閲覧指示を受け付け、閲覧情報出力部180は、通信インターフェース16を用いて閲覧情報Xを被験者の端末装置400に出力すればよい。これにより、被験者は端末装置400を操作することによって、過去の履歴を閲覧することができる。
(8)また、上述した各実施形態では、筋厚評価部120は筋厚評価テーブルTBL11a〜TBL11dに記憶された閾値を用いて、筋厚をグレーディングすることにより筋厚評価値MDを生成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筋厚評価テーブルTBL11a〜TBL11dに筋厚及び性別などの各種生体情報と筋厚評価値MDとを対応づけて記憶し、これを参照して、筋厚評価値MDを生成してもよい。さらに、筋厚評価部120は筋厚評価テーブルTBL11a〜TBL11dを参照することなく、所定の演算によって筋厚評価値MDを生成してもよい。
(9)また、上述した各実施形態では、脂肪厚評価部150は脂肪厚評価テーブルTBL12に記憶された閾値を用いて、脂肪厚をグレーディングすることにより脂肪厚評価値FDを生成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、脂肪厚評価テーブルTBL12に脂肪厚と脂肪厚評価値FDとを対応づけて記憶し、これを参照して、脂肪厚評価値FDを生成してもよい。さらに、脂肪厚評価部150は脂肪厚評価テーブルTBL12を参照することなく、所定の演算によって脂肪厚評価値FDを生成してもよい。
(10)また、上述した各実施形態や変形例では、入力部14を用いて、性別、年齢区分、体重、身長などの被験者の生体情報、あるいは問診結果(運動目標や運動内容)を入力したが、本発明はこれに限定されるものではなく、被験者の識別情報と、上記生体情報や問診結果(運動目標や運動内容)を対応づけて記憶したテーブルを設けておき、このテーブルを参照して必要な情報を読み出して、各受付部に情報を渡すようにしてもよい。これによって、スポーツジムなどでは、被験者の健康を総合的に管理し、入力の手間を無くすことができる。
(11)また、上述した第4及び第10実施形態では、入力部14を用いて、体重と身長を入力した。この場合、体重はkg単位で入力し、身長はcm単位で入力すればよい。また、例えば、身長を160cm以下、160cm以上170cm未満、170cm以上180cm未満、180cm以上といった4段階で入力してもよい。この場合には、ディスプレイ15に身長の区分を表示し、これをクリックすることによって入力してもよい。即ち、身長受付部113で受け付ける身長の入力には、身長を区分した身長区分が含まれる。
体重についても同様に、例えば、50kg未満、50kg以上60kg未満、60kg以上70kg未満、70kg以上80kg未満、80kg以上といったように5段階で入力してもよい。この場合には、ディスプレイ15に体重の区分を表示し、これをクリックすることによって入力してもよい。即ち、体重受付部114で受け付ける体重の入力には、体重を区分した体重区分が含まれる。
(12)また、上記実施形態では、体組成評価値には、筋厚評価値MD又は脂肪厚評価値FDが含まれる例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、体組成評価値には、筋密度を評価した指標である筋密度評価値が含まれてもよい。なお、体組成評価値は、筋厚評価値MD、脂肪厚評価値FD、及び筋密度評価値のうちの任意の組合せとしてもよい。さらに、体組成評価値には、筋厚評価値MD、脂肪厚評価値FD、及び筋密度評価値以外の体組成を評価した評価値が含まれてもよく、例えば、体脂肪率、筋肉量、骨量、骨密度、内臓脂肪、基礎代謝等の評価値が含まれてもよい。
(13)また、上述した第11実施形態において、体力判定装置3Eが形態評価値を加味して判定結果情報JDを生成する例を示したが、運動処方装置1A〜1Hが形態評価値を加味して処方情報INFを生成してもよい。
(14)また、上述した各実施形態では、処方情報INFの出力又は判定結果情報JDの出力の例として、ディスプレイ15への表示を例に説明したが、これに限られるものではなく、紙媒体への印刷(帳票出力)、又はデータファイルの生成(データ出力)としてもよい。
(15)また、スポーツジムの店舗によって、提供できる運動方法の種類が異なる場合がある。例えば、店舗によって、プール設備のないスポーツジムや、スタジオ設備のないスポーツジムがある。そこで、運動処方装置1A〜1Hは、複数の店舗のそれぞれで対応可能な運動方法の種類を定義したテーブルを具備するようにしてもよい。そして、運動処方装置1A〜1Hは、問診(2)において、問診を実施したスポーツジムで対応可能な運動方法を提示するようにしてもよい。ここで、運動処方装置1A〜1Hは、店舗の設定を問診の都度入力できるようにしてもよいし、あらかじめ設定画面で店舗を設定できるようにしてもよい。
また、運動処方装置1A〜1Hは、問診(2)において、店舗毎に提供できる運動方法のみに限らず全ての運動方法を提示するようにして、運動処方(処方情報INF)を出力する際に、当該運動処方を実施可能な店舗に関する情報を表示するようにしてもよい。ここで、表示する店舗の候補としては、問診を実施する店舗とその近隣の店舗とを優先して候補とする方法や、あらかじめ利用者(被験者)が登録した複数の店舗(自宅に近い店舗や勤務先に近い店舗)を利用可能にしている場合には、登録した複数の店舗を優先して候補とする方法がある。
(16)また、運動処方装置1A〜1Hは、Webサービスにて、運動処方(処方情報INF)を提供してもよい。この場合、運動処方装置1A〜1Hは、当該Webサービスを介して利用者(被験者)に、家庭で実施できるような簡易な、例えば腹筋回数を運動力評価値EDとして入力させるようにする。そして、運動処方装置1A〜1Hは、運動処方(処方情報INF)を出力する際に、当該Webサービスを提供しているスポーツジムの店舗に関する情報を表示させるようにする。このとき、運動処方装置1A〜1Hは、利用者(被験者)が所望する地域を設定可能とし、設定された地域に応じた店舗を表示するようにしてもよい。このようにWebサービスを用いた場合には、スポーツジムの新規会員獲得としての効果も得られる。
なお、体力判定装置3A〜3Eは、Webサービスにて、体力判定結果(判定結果情報JD)を提供してもよい。そして、体力判定装置3A〜3Eは、体力判定結果(判定結果情報JD)を出力する際に、当該Webサービスを提供しているスポーツジムの店舗に関する情報を表示させるようにしてもよい。
(17)なお、上述の運動処方プログラムP又は体力判定プログラムPH(以下、単に「プログラム」ともいう)をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の運動処方装置1A〜1H又は体力判定装置3A〜3E(以下、単に「装置」ともいう)の機能を実現してもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
(18)また、上述した機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
(付記)
本発明の一態様は、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値を取得する身体能力取得部(210)と、少なくとも前記身体能力評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する処方情報出力部(160)と、を備えたことを特徴とする運動処方装置(1A〜1H)である。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者に対する問診結果を受け付ける問診結果受付部(240)、を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記身体能力評価値及び前記問診結果に基づいて前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記身体能力取得部が、前記被験者の運動力測定に基づく運動力評価値の入力を受け付ける運動力受付部(130)を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記運動力評価値を前記身体能力評価値として、前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記身体能力取得部が、前記被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部(220)と、前記体組成情報受付部で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部(230)と、を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記体組成評価値を前記身体能力評価値として、前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記身体能力取得部が、前記被験者の所定の身体部位における体組成に基づく体組成情報の入力を受け付ける体組成情報受付部と、前記体組成情報受付部で受け付けた体組成情報に基づいて体組成評価値を決定する体組成評価部と、を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記運動力評価値及び前記体組成評価値を前記身体能力評価値として、前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記体組成情報受付部が、前記被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付部(110)を備え、前記体組成評価部が、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値を決定する筋厚評価部(120)を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記筋厚評価値を前記体組成評価値として、前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記体組成情報受付部が、前記被験者の前記所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部(140)を備え、前記体組成評価部が、前記脂肪厚受付部で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値を決定する脂肪厚評価部(150)を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記脂肪厚評価値を前記体組成評価値として、前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記体組成情報受付部が、前記被験者の前記所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部を備え、前記体組成評価部が、前記脂肪厚受付部で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値を決定する脂肪厚評価部を備え、前記処方情報出力部が、少なくとも前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値を前記体組成評価値として、前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記問診結果受付部が、前記問診結果として、前記被験者の運動目標の入力を受け付ける運動目標受付部(241)、を備え、前記処方情報出力部は、前記運動目標受付部で受け付けた運動目標に基づいて前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記運動目標受付部が、予め設定された複数の運動目標のうちの少なくともいずれかに対応する問診項目を複数提示するとともに、当該問診項目に対する前記問診結果に基づいて、当該複数の運動目標の中から所定の運動目標を、入力されるべき運動目標として提示する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記問診結果受付部が、前記問診結果として、前記被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける運動内容受付部(242)を備え、前記処方情報出力部が、前記運動内容受付部で受け付けた運動内容に基づいて前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記運動内容受付部が、前記被験者が所望する運動内容として選択可能な複数の運動方法を提示するとともに、当該提示した複数の運動方法のうち、受け付けた運動方法が所定の運動方法である場合には、運動を行う身体部位を選択可能に提示する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置において、前記運動を行う身体部位が選択可能に提示される運動方法の一部又は全部が、運動を行う処方回数の設定が可能であって、前記運動内容受付部が、前記被験者が所望する運動内容として受け付けた運動方法が前記運動を行う処方回数を設定可能な運動方法である場合には、前記運動を行う処方回数に対応する運動効果を示す情報を選択可能に提示する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記身体能力評価値、前記処方情報、及び処方日を対応づけて記憶する記憶部(TBL14)と、過去の処方の閲覧指示を受け付ける閲覧受付部(170)と、前記閲覧受付部で閲覧指示を受け付けると、前記記憶部の記憶内容を参照して前記身体能力評価値、及び前記処方情報を前記処方日ごとに区分けした閲覧情報を出力する閲覧情報出力部(180)と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、被験者の端末装置と通信可能な通信部(16)を備え、前記閲覧受付部は、前記通信部を用いて前記被験者の閲覧指示を受け付け、前記閲覧情報出力部は、前記通信部を用いて前記閲覧情報を前記被験者の端末装置(400)に出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値を取得する身体能力取得手順と、少なくとも前記身体能力評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する処方情報出力手順と、を備えたことを特徴とする運動処方方法である。
また、本発明の一態様は、コンピュータに、被験者の身体能力測定に基づく身体能力評価値を取得する身体能力取得手順と、少なくとも前記身体能力評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する処方情報出力手順と、を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の一態様は、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付部と、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値を決定する筋厚評価部と、前記被験者の運動力測定に基づく運動力評価値の入力を受け付ける運動力受付部と、少なくとも前記運動力評価値及び前記筋厚評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する処方情報出力部と、を備えたことを特徴とする運動処方装置である。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者の前記所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付部と、前記脂肪厚受付部で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値を決定する脂肪厚評価部と、をさらに備え、前記処方情報出力部は、少なくとも前記運動力評価値、前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値に基づいて前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者の性別の入力を受け付ける性別受付部(111)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記性別受付部で受け付けた性別に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者の年齢区分を取得する年齢区分取得部(112)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記年齢区分取得部で取得した年齢区分に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者の身長の入力を受け付ける身長受付部(113)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記身長受付部で受け付けた身長に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者の体重を受け付ける体重受付部(114)をさらに備え、前記筋厚評価部は、前記体重受付部で受け付けた体重に応じて、前記筋厚受付部で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける運動内容受付部をさらに備え、前記処方情報出力部は、前記運動内容受付部で受け付けた運動内容に基づいて前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、前記筋厚評価値、前記運動力評価値、前記処方情報、及び処方日を対応づけて記憶する記憶部と、過去の処方の閲覧指示を受け付ける閲覧受付部と、前記閲覧受付部で閲覧指示を受け付けると、前記記憶部の記憶内容を参照して前記筋厚評価値、前記運動力評価値、及び前記処方情報を前記処方日ごとに区分けした閲覧情報を出力する閲覧情報出力部とを備えた、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方装置が、被験者の端末装置と通信可能な通信部を備え、前記閲覧受付部は、前記通信部を用いて前記被験者の閲覧指示を受け付け、前記閲覧情報出力部は、前記通信部を用いて前記閲覧情報を前記被験者の端末装置に出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、被験者の所定の身体部位における筋厚の入力を受け付ける筋厚受付手順と、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に基づいて筋厚評価値を決定する筋厚評価手順と、前記被験者の運動力測定に基づく運動力評価値の入力を受け付ける運動力受付手順と、少なくとも前記運動力評価値及び前記筋厚評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する出力手順と、を備えたことを特徴とする運動処方方法である。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記被験者の前記所定の身体部位における脂肪厚の入力を受け付ける脂肪厚受付手順と、前記脂肪厚受付手順で受け付けた脂肪厚に基づいて脂肪厚評価値を決定する脂肪厚評価手順と、をさらに備え、前記出力手順が、少なくとも前記運動力評価値、前記筋厚評価値及び前記脂肪厚評価値に基づいて運動処方を示す処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記被験者の性別の入力を受け付ける性別受付手順をさらに備え、前記筋厚評価手順は、前記性別受付手順で受け付けた性別に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記被験者の年齢区分の入力を受け付ける年齢区分受付手順をさらに備え、前記筋厚評価手順が、前記年齢区分受付手順で入力された年齢区分に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記被験者の身長の入力を受け付ける身長受付手順をさらに備え、前記筋厚評価手順が、前記身長受付手順で受け付けた身長に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記被験者の体重を受け付ける体重受付手順をさらに備え、前記筋厚評価手順が、前記体重受付手順で受け付けた体重に応じて、前記筋厚受付手順で受け付けた筋厚に対して決定する筋厚評価値の一部または全部を異ならせる、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記被験者が所望する運動内容の入力を受け付ける運動内容受付手順をさらに備え、前記出力手順が、前記運動内容受付手順で受け付けた運動内容に基づいて前記処方情報を出力する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の運動処方方法が、前記筋厚評価値、前記運動力評価値、前記処方情報、及び処方日を対応づけて記憶する記憶手順と、過去の処方の閲覧指示を受け付ける閲覧受付手順と、前記閲覧受付手順で閲覧指示を受け付けると、前記筋厚評価値、前記運動力評価値、及び前記処方情報を前記処方日ごとに区分けした閲覧情報を出力する閲覧情報出力手順とを備えた、ことを特徴とする。