(実施形態1)
(1)概要
以下、本実施形態に係る活動支援方法の概要について説明する。
本実施形態に係る活動支援方法は、対象者の活動を支援するための方法である。本開示でいう「活動」は、運動のように対象者が身体(手、足、首及び腰等)を動かす行為だけでなく、例えば、対象者が行う飲食、物品(運動器具等)の購入、又は会話等の行為も含む。活動支援方法では、対象者に対して、対象者の何からの活動を推奨するためのリコメンド(recommend)情報を出力することで、対象者の活動を支援する。つまり、本開示でいう「リコメンド情報」は、対象者の何からの活動を推奨するための情報であって、例えば、その摂取(飲食)を推奨する食事、その購入若しくは使用を推奨する器具、又はその実施を推奨する運動(体操)等に関する情報を含み得る。本開示でいう「出力」は、例えば、表示、音声出力、プリントアウト(印刷)又はスマートフォン等の端末へのデータ送信等の手段による対象者又はその他の人への通知だけでなく、非一時的記録媒体への書き込みのようなデータとしての出力を含む。本開示でいう「対象者」は、活動支援方法により活動の支援対象となる人であって、年齢、性別、国籍及び健康状態等を問わず、どのような人であってもよい。
本実施形態に係る活動支援方法は、基本的には、対象者による運動メニューの実施結果を示す体力データに基づいたリコメンド情報を出力することで、対象者の体力データから見出される、対象者が行うべき活動を提示する方法である。本開示でいう「運動メニュー」は、対象者により実施される運動の内容を示しており、対象者の運動能力に関する1以上の項目を測定するためのメニューである。本実施形態では、一例として、運動メニューは、筋力、歩行能力、俊敏性、バランス及び柔軟性の5項目を測定するための複数のメニューを含む。このような運動メニューを対象者が実施した場合において、例えば、歩行能力の評価が特に低ければ、この対象者については、例えば、歩行能力を高めるための食事、器具又は運動(体操)等に関する情報を、リコメンド情報として出力する。これにより、対象者においては、リコメンド情報に従った活動を行うことで、歩行能力の改善を図ることが可能である。また、本開示でいう「運動メニューの実施結果」は、運動メニューにて示される運動を対象者H1が実施した結果であって、対象者H1が運動メニューにて示される運動を実施した際の記録又は成績に相当する。
ところで、本実施形態に係る活動支援方法は、取得処理と、生成処理と、出力処理と、を有する。取得処理は、対象者による運動メニューの実施結果を示す体力データを取得する処理である。生成処理は、対象者の行動に基づいて、対象者に関連する関連情報を生成する処理である。出力処理は、体力データ及び関連情報に基づくリコメンド情報を出力する処理である。
すなわち、本実施形態に係る活動支援方法によれば、出力処理にて出力されるリコメンド情報は、取得処理で取得される体力データ、及び生成処理で生成される関連情報に基づく情報である。関連情報は、対象者の行動に基づいて生成される、対象者に関連する情報である。本開示でいう「行動」は、ある事を行うこと、しわざ又は行いの全般を意味し、特に、人間(対象者)が示す観察可能な動作及び反応を意味する。要するに、対象者の行動からは、例えば、対象者の生活圏、嗜好、生活スタイル、喫煙の有無及び家族構成等といった、対象者に固有の種々の情報を特定可能である。本開示でいう「関連情報」は、このように、対象者の行動に基づいて生成可能であって、かつ対象者に固有の種々の情報を含み得る。つまり、「関連情報」の具体例としては、対象者の生活圏、嗜好、生活スタイル、喫煙の有無及び家族構成等の情報を含み得る。ここでいう「生活圏」は、対象者が日常生活において行動する範囲及び地域を意味し、例えば、対象者がよく利用する、店舗(小売店及び飲食店等を含む)、交通機関(駅及びバス停等を含む)、病院、薬局又は介護施設等の施設単位で特定される。また、ここでいう「嗜好」には、対象者の食事の好み又はデザイン(色を含む)の好み等を含む。また、ここでいう「生活スタイル」には、夜型/昼型、又は外食派/内食派等を含む。
生成処理では、このように何かしら対象者に関連する関連情報が、対象者の行動に基づいて生成される。例えば、日常生活における対象者の「食事」という行動からは、対象者の食事の好み(嗜好)を特定可能であって、日常生活における対象者の「外出」という行動からは対象者の生活圏(よく利用する施設等)を特定可能である。そして、リコメンド情報は、これらの対象者に固有の関連情報に基づく情報であるので、リコメンド情報にて提案される活動は、対象者に合わせてカスタマイズされることになる。
その結果、本実施形態に係る活動支援方法によれば、2人の対象者の体力データが同じでも、これら2人の対象者の生活圏及び嗜好が異なる場合には、対象者ごとに異なるリコメンド情報を出力可能となる。そのため、例えば、各対象者にとって実施が困難な活動を避け、各対象者にとって実施しやすい活動をリコメンド情報として、対象者に推奨することで、対象者によるリコメンド情報に従った活動の実施可能性の向上を図ることができる。一例として、活動支援方法にて、納豆が苦手な対象者に対する納豆の摂取の提案、又は対象者の生活圏では販売されていない運動器具を使った運動の提案等を行った場合、対象者による活動の実施可能性は低くなる。これに対し、活動支援方法にて、納豆が苦手な対象者に対しては納豆の代替品(例えば、オクラ)の摂取の提案、又は対象者の生活圏で販売されている運動器具を使った運動の提案等を行うことで、対象者による活動の実施可能性を向上可能である。
このように、本実施形態に係る活動支援方法では、例えば、個々の対象者が行いやすい活動をリコメンド情報として対象者に推奨することで、対象者によるリコメンド情報に従った活動の実施可能性が向上し、対象者のモチベーションの向上にもつながる。その結果、本実施形態に係る活動支援方法によれば、対象者にとって有用な情報を提供しやすい、という利点がある。
(2)詳細
本実施形態に係る活動支援方法は、一例として、プログラム、プログラムを記録した非一時的記録媒体、又は活動支援システム1(図1参照)にて実現可能である。すなわち、例えば、活動支援方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムにて、本実施形態に係る活動支援方法が具現化される。また、例えば、このような(活動支援方法をコンピュータシステムに実行させるための)プログラムを実行するコンピュータシステムを主構成とする活動支援システム1にて、本実施形態に係る活動支援方法が具現化される。以下では、本実施形態に係る活動支援方法が活動支援システム1にて具現化される場合を例に説明する。
同様に、本実施形態に係る体力測定方法は、一例として、プログラム、プログラムを記録した非一時的記録媒体、又は体力測定システム2(図1参照)にて実現可能である。すなわち、例えば、体力測定方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムにて、本実施形態に係る体力測定方法が具現化される。また、例えば、このような(体力測定方法をコンピュータシステムに実行させるための)プログラムを実行するコンピュータシステムを主構成とする体力測定システム2にて、本実施形態に係る体力測定方法が具現化される。以下では、本実施形態に係る体力測定方法が体力測定システム2にて具現化される場合を例に説明する。
また、本実施形態では、一例として、いわゆる「フレイル」と呼ばれる程度に身体能力が低下した高齢者であって、自立した日常生活を送ることを目的としている者を、対象者とする場合について説明する。本開示でいう「フレイル」は、加齢と共に心身の活力(運動機能及び認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存等の影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態である。一方で、「フレイル」とは、適切な介入及び支援により生活機能の維持向上が可能な状態をいう。つまり、「フレイル」は、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態との中間を意味する。本実施形態に係る活動支援方法によれば、フレイル状態にある対象者に対して適切な介入及び支援を行うことで、例えば、対象者が要介護状態になりにくくできる。
(2.1)全体構成
本実施形態に係る活動支援システム1は、図1に示すように、少なくとも体力測定システム2で測定(推定)された体力データD1(図3参照)に基づくリコメンド情報D3(図5参照)を出力するためのシステムである。体力測定システム2は、対象者H1(図8A参照)による運動メニューの実施結果を示す体力データD1を測定するためのシステムである。本実施形態では、活動支援システム1は体力測定システム2を構成要素に含まないこととして説明するが、活動支援システム1は体力測定システム2を構成要素に含んでいてもよい。つまり、体力測定システム2は、活動支援システム1の一部であってもよい。
活動支援システム1及び体力測定システム2は、いずれもハードウェアとしての1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、活動支援システム1又は体力測定システム2としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。本実施形態では、一例として、活動支援システム1及び体力測定システム2が、1つのサーバシステム10内に構築されていることと仮定する。
本実施形態では、サーバシステム10は、図1に示すように、インターネット等のネットワーク4を介して、情報端末3、施設管理サーバ50及びセンササーバ60と接続されている。ここで、サーバシステム10は、情報端末3、施設管理サーバ50及びセンササーバ60の各々と双方向に通信可能に構成されていればよい。つまり、サーバシステム10、情報端末3、施設管理サーバ50及びセンササーバ60は、ネットワーク4に対して直接的に接続されていてもよいし、他のネットワーク、ゲートウェイ又は中継器等を介して間接的に接続されていてもよい。また、ネットワーク4は複数のネットワークで構成されていてもよい。
情報端末3は、ユーザの操作を受け付ける機能、及びユーザに情報を提示(表示)する機能を有する端末である。ここでいう「ユーザ」には、対象者H1が含まれていてもよい。つまり、情報端末3は、対象者H1の操作を受け付けたり、対象者H1に情報を提示したりしてもよい。情報端末3は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。本実施形態では、一例として、情報端末3は、スマートフォン又はタブレット端末等の携帯情報端末であることとして説明する。情報端末3は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、以下に説明する機能を実現する。
情報端末3は、提示部31と、操作部32と、拡張部33と、を有している。情報端末3は、ネットワーク4に接続されることにより、サーバシステム10との間で、ネットワーク4を介して双方向の通信を行う。ここでは、情報端末3は、スマートフォン又はタブレット端末等の携帯情報端末であるから、例えば、電波を媒体とする無線通信により、ルータ等を介してネットワーク4に接続される。情報端末3の通信方式は、例えば、Wi−Fi(登録商標)及び免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の無線通信である。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。さらに、情報端末3は、屋外においても、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)を介してネットワーク4に接続される。携帯電話網には、例えば、3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線等がある。
提示部31は、本実施形態では一例として、ユーザに情報を提示するための画面を表示する。本開示でいう「画面」は、提示部31に映し出される像(画像等)である。提示部31は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置により実現される。
提示部31は、一例として、図3〜図5に示すような、入力画面311及び出力画面312,313を表示するように構成されている。提示部31の入力画面311及び出力画面312,313について詳しくは「(3.1)活動支援方法」の欄で説明する。
操作部32は、人(ユーザ)の操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、情報端末3はタッチパネルディスプレイを搭載しており、タッチパネルディスプレイが提示部31及び操作部32として機能する。そのため、情報端末3は、提示部31に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ、ドラッグ等)が操作部32で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。つまり、提示部31及び操作部32は、各種の表示に加えて、ユーザからの操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。ただし、操作部32は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、又はメカニカルなスイッチ等であってもよい。
拡張部33は、外部機器を制御する。具体的には、拡張部33は、例えば、ネットワークを介して間接的に、又は直接的に外部機器としてのプリンタに接続される。拡張部33は、プリンタに対して印刷データを出力することで、プリンタに印刷を実行させる。詳しくは後述するが、印刷データは、一例としてリコメンド情報D3を含む画像データである。
施設管理サーバ50は、複数の施設5に関する情報を管理する。本開示でいう「施設」は、例えば、対象者H1が利用し得る店舗(小売店及び飲食店等を含む)、交通機関(駅及びバス停等を含む)、病院、薬局又は介護施設等の施設5である。施設管理サーバ50は、これら複数の施設5に関する情報を、対象者H1を識別するための対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)に対応付けて蓄積する。
施設管理サーバ50で管理されている情報(施設5に関する情報)は、大別して、対象者H1による施設5の利用状況を表す情報と、施設5の属性を表す情報と、を含んでいる。本開示でいう「施設5の利用状況」は、対象者H1による施設5の利用履歴から特定可能な情報であって、例えば、対象者H1による施設5の利用回数、利用内容、利用頻度、利用日時及び利用(滞在)時間等の情報を含む。ここでいう「利用内容」には、例えば、施設5が小売店であれば購入商品、施設5が飲食店であれば注文内容、施設5が病院又は薬局であれば処方せん等が含まれる。また、本開示でいう「施設5の属性」は、施設5に固有の特徴及び性質であって、例えば、施設5の名称、業種、取扱内容、立地(住所及び最寄駅等を含む)及び営業時間等を含む。ここでいう「取扱内容」には、例えば、施設5が店舗であれば、商品別の在庫数を表す在庫情報、商品別の売り上げを表す売上情報、販売促進商品の情報等が含まれる。
ここで、対象者H1による施設5の利用状況は、対象者H1の行動に基づいており、いわば対象者H1の都合で決まるため、例えば、対象者H1の生活圏、嗜好、生活スタイル、喫煙の有無及び家族構成等といった、対象者H1に固有の種々の情報を反映する。したがって、対象者H1による施設5の利用状況は、対象者H1に関連する関連情報D4(図1参照)の中でも、特に対象者H1の属性を表す個人プロパティ情報D41(図1参照)の生成に用いられる。一方、施設5の属性を表す情報は、対象者H1の行動に基づいておらず、いわば施設5の都合で決まるため、基本的には、対象者H1に固有の情報を反映しない。したがって、施設5の属性を表す情報は、関連情報D4の中でも、特に対象者H1が利用する施設5の属性を表す施設プロパティ情報D42(図1参照)の生成に用いられる。「関連情報」について詳しくは「(3.1)活動支援方法」の欄で説明する。
施設管理サーバ50は、上述したような施設5に関する情報を、例えば、複数の施設5に設置されている複数の施設端末、又は複数の対象者H1がそれぞれ所持しているスマートフォン又はウェアラブル端末等の複数の携帯端末から、情報を収集することで取得する。特に、対象者H1による施設5の利用状況等については、対象者H1が所持する携帯端末からでも容易に取得可能である。そのため、図1では、施設管理サーバ50に複数の施設5が繋がっている様子を概念的に示しているが、厳密には、個々の施設5に設置された施設端末又は対象者H1が所持する携帯端末が、施設管理サーバ50に接続される。つまり、施設管理サーバ50は、施設端末又は携帯端末と通信可能になるように、直接的に、又はネットワーク等を介して間接的に、施設端末又は携帯端末に接続される。携帯端末は、情報端末3と兼用されていてもよい。
センササーバ60は、複数のセンサ6の計測データを管理する。複数のセンサ6は、対象者H1の生活空間において圧力、加速度、速度、光、振動、温度、磁気、超音波及び電磁波等を計測(検出)し、計測結果を表す計測データを出力する。本開示でいう「生活空間」は、対象者H1の日常生活が営まれる空間であって、例えば、対象者H1の住居、住居のある地域一帯、対象者H1の職場、対象者H1がよく利用する施設5等を含む。センササーバ60は、これら複数のセンサ6の計測データを、対象者H1を識別するための対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)に対応付けて蓄積する。
複数のセンサ6は、対象者H1の生活空間に設置される設置型のセンサ6と、対象者H1が携帯又は装着する携帯型のセンサ6と、に大別される。設置型のセンサ6は、一例として、生活空間における床、壁、天井、階段及び扉等、並びに生活空間に配置された椅子及び机等に内蔵又は取り付けられたセンサを含む。一方、携帯型のセンサ6は、一例として、対象者H1が所持しているスマートフォン又はウェアラブル端末等の利用者端末に内蔵又は外付けされたセンサを含む。利用者端末は、情報端末3と兼用されていてもよい。
具体的には、複数のセンサ6は、イメージセンサ(カメラ)、圧力センサ、加速度センサ、ドップラセンサ、角速度センサ、振動センサ、電波センサ、超音波センサ、温度センサ、指紋センサ及び深度センサ等の、多種多様なセンサを含んでいる。GPS(Global Positioning System)等の位置センサもセンサ6に含まれる。個々のセンサ6は、センサ出力(電気信号)に対して適宜の信号処理を実行する信号処理回路を含んでいてもよい。
ここで、複数のセンサ6の計測データは、対象者H1の生活空間における動作に基づいており、例えば、対象者H1の歩行動作、立ったり座ったりする動作、及び物を握る動作等の、日常的な対象者H1の動作を反映する。したがって、複数のセンサ6の計測データは、対象者H1の生活空間における動作に関する生活データとして、体力データD1の推定に用いられる。「生活データ」について詳しくは「(3.2)体力測定方法」の欄で説明する。さらに、複数のセンサ6の計測データは、対象者H1の行動に基づいており、いわば対象者H1の都合で決まるため、例えば、対象者H1の生活圏、嗜好、生活スタイル、喫煙の有無及び家族構成等といった、対象者H1に固有の種々の情報を反映する。したがって、複数のセンサ6の計測データは、関連情報D4の中でも、特に対象者H1の属性を表す個人プロパティ情報D41の生成に用いられる。
センササーバ60は、上述したような複数のセンサ6の計測データを、例えば、複数のセンサ6から、随時取得する。そのため、センササーバ60は、複数のセンサ6と通信可能になるように、直接的に、又はネットワーク等を介して間接的に、複数のセンサ6に接続される。
図1では、サーバシステム10、情報端末3、施設管理サーバ50及びセンササーバ60がそれぞれ1台ずつ設けられているが、この構成に限らない。すなわち、サーバシステム10、情報端末3、施設管理サーバ50及びセンササーバ60の少なくともいずれかは複数台設けられていてもよい。特に、活動支援システム1及び体力測定システムが、複数の対象者H1を対象とする場合には、情報端末3は、対象者H1の人数分だけ用意されていることが好ましい。
(2.2)活動支援システムの構成
活動支援システム1は、図1に示すように、取得部11と、生成部12と、出力部13と、を備えている。取得部11は、対象者H1による運動メニューの実施結果を示す体力データD1を取得する。生成部12は、対象者H1の行動に基づいて、対象者H1に関連する関連情報D4を生成する。出力部13は、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3を出力する。ここで、活動支援システム1は、第1記憶部14を更に備えている。
本実施形態では上述したように、活動支援システム1は、ハードウェアとしての1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを有するコンピュータシステム(サーバシステム10)を主構成とする。つまり、サーバシステム10のメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、取得部11、生成部12及び出力部13としての機能が実現される。
取得部11は、体力データD1を体力測定システム2から取得する。すなわち、取得部11は、本実施形態に係る体力測定方法で推定された体力データD1を取得する。体力データD1は、対象者H1による運動メニューの実施結果、つまり対象者H1が運動メニューに従って運動をした結果より得られるデータである。
生成部12は、関連情報D4を、例えば、施設管理サーバ50及びセンササーバ60で管理されている情報に基づいて生成する。つまり、生成部12は、対象者H1が特定されると、この対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)に対応付けて蓄積されている情報を、施設管理サーバ50及びセンササーバ60から取得する。そして、生成部12は、施設管理サーバ50及びセンササーバ60から取得した情報に基づいて、この対象者H1に関連する関連情報D4を生成する。
出力部13は、取得部11で取得された体力データD1、及び生成部12で生成された関連情報D4に基づいて、リコメンド情報D3を生成し、このリコメンド情報D3を出力する。すなわち、リコメンド情報D3は、対象者H1に関連する関連情報D4に基づく情報であるので、出力部13は、例えば、対象者H1に適したリコメンド情報D3を出力することができる。
本実施形態では、出力部13は、評価部131と、選択部132と、調整部133と、を含んでいる。評価部131、選択部132及び調整部133の各々の機能について詳しくは「(3.1)活動支援方法」の欄で説明する。
第1記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等の読み書き可能な非一時的記録媒体で構成されている。第1記憶部14は、少なくとも複数の一次候補情報を記憶している。これら複数の一次候補情報は、それぞれ複数の運動メニューのいずれかに対応付けて記憶されている。一次候補情報は、リコメンド情報D3の候補となる情報である。つまり、出力部13では、第1記憶部14に記憶されている複数の一次候補情報の中から、体力データD1及び関連情報D4に基づいて、リコメンド情報D3となる情報が選択される。
(2.3)体力測定システムの構成
体力測定システム2は、図1に示すように、生活データ取得部21と、推定部22と、を備えている。生活データ取得部21は、対象者H1の生活空間における動作に関する生活データを取得する。推定部22は、生活データから、特定の運動メニューの実施結果に相当する体力データD1を推定する。ここで、体力測定システム2は、第2記憶部23を更に備えている。
本実施形態では上述したように、体力測定システム2は、ハードウェアとしての1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを有するコンピュータシステム(サーバシステム10)を主構成とする。つまり、サーバシステム10のメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、生活データ取得部21及び推定部22としての機能が実現される。
生活データ取得部21は、生活データを、例えば、センササーバ60から取得する。生活データ取得部21は、対象者H1が特定されると、この対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)に対応付けて蓄積されている情報(複数のセンサ6の計測データ)を、生活データとしてセンササーバ60から取得する。
推定部22は、生活データ取得部21で取得された生活データから、運動メニューの実施結果に相当する体力データD1を推定する。すなわち、対象者H1の生活空間における動作に関する生活データの中には、運動メニューの実施に相当する対象者H1の動作(運動)に関するデータが含まれているため、推定部22では、このようなデータから体力データD1を推定する。言い換えれば、推定部22は、体力データD1を生成する。
本実施形態では、推定部22は、第1処理部221と、第2処理部222と、を含んでいる。第1処理部221は、生活データから、運動メニューに関連する特定情報を抽出する。第2処理部222は、第1処理部221で抽出された特定情報に基づいて体力データを推定する。第1処理部221及び第2処理部222の各々の機能について詳しくは「(3.2)体力測定方法」の欄で説明する。
第2記憶部23は、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等の読み書き可能な非一時的記録媒体で構成されている。第2記憶部23は、少なくとも推定部22で生成(推定)された体力データD1を記憶する。体力データD1は、対象者H1ごとに記憶される。第2記憶部23は、第1記憶部14と兼用されていてもよい。
(3)動作
次に、活動支援システム1にて具現化される活動支援方法、及び体力測定システム2にて具現化される体力測定方法について、詳細に説明する。
(3.1)活動支援方法
まず、本実施形態に係る活動支援システム1の動作によって具現化される活動支援方法について説明する。
以下では、運動メニューは、対象者H1の運動能力に関する項目のうち、筋力、歩行能力、俊敏性、バランス及び柔軟性の少なくとも1項目を測定するためのメニューを含むこととする。ここでは特に、筋力、歩行能力、俊敏性、バランス及び柔軟性の5項目の全てについて測定できるように、複数の運動メニューが設定されている場合を想定する。この種の運動メニューの具体例として、図3に示すように、「Time up & go」、「ファンクショナルリーチ」、「開眼片足立ち」、「握力」、「5m歩行」及び「ステッピング」の6つがある。以下の説明では、「Time up & go」を「TUG」と省略することもある。ただし、これら6つの運動メニューは、一例に過ぎず、対象者H1に応じて運動メニューが適宜設定されてもよい。
また、複数の運動メニューの各々は、その機能に応じて複数のグループに分類される。ここでは、複数(ここでは6つ)の運動メニューの各々は、第1グループ、第2グループ、第3グループ、第4グループ又は第5グループに分類される。第1グループは、歩行能力を評価するためのグループであり、「TUG」及び「5m歩行」等の運動メニューを含む。第2グループは、柔軟性を評価するためのグループであり、「ファンクショナルリーチ」等の運動メニューを含む。第3グループは、バランスを評価するためのグループであり、「開眼片足立ち」等の運動メニューを含む。第4グループは、筋力を評価するためのグループであり、「握力」等の運動メニューを含む。第5グループは、俊敏性を評価するためのグループであり、「ステッピング」等の運動メニューを含む。
図2は、上述した活動支援システム1の動作、つまり活動支援方法の大まかな流れを示すフローチャートである。
活動支援方法においては、まずは対象者H1を特定するための処理が行われる(S1)。本実施形態では、対象者H1に固有の識別情報によって、対象者H1の特定が行われる。
取得部11は、対象者H1が特定されると、この対象者H1による運動メニューの実施結果を示す体力データD1を、体力測定システム2から取得する取得処理を実行する(S2)。取得部11にて取得される体力データD1は、上述したような複数(ここでは6つ)の運動メニューの各々に対応付けられている。すなわち、体力データD1は対象者H1による個々の運動メニューの実施結果であるので、取得部11は、複数の運動メニューに対応する複数の体力データD1を取得することになる。
取得部11は、1つの運動メニューに対応する体力データD1を取得する度に、全ての体力データD1を取得したか否かの判断を行う(S3)。全ての体力データD1、つまり複数の運動メニューに対応する複数の体力データD1の全てについて、取得が完了していなければ(S3:No)、取得部11は、処理S2に戻って体力データD1の取得を継続する。一方、全ての体力データD1の取得が完了していれば(S3:Yes)、生成部12は、関連情報D4を生成する生成処理を実行する(S4)。
このとき、生成部12は、処理S1で特定された対象者H1に関連する関連情報D4を、この対象者H1の行動に基づいて生成する。一例として、日常生活における対象者H1の「食事」という行動からは、対象者H1の食事の好み(嗜好)を特定可能であって、日常生活における対象者H1の「外出」という行動からは対象者H1の生活圏(よく利用する施設5等)を特定可能である。
ここで、関連情報D4は、大別して、個人プロパティ情報D41と、施設プロパティ情報D42と、を含んでいる。個人プロパティ情報D41は、関連情報D4のうち、対象者H1の属性を表す情報である。つまり、個人プロパティ情報D41は、例えば、対象者H1の生活圏、嗜好、生活スタイル、喫煙の有無及び家族構成等といった、対象者H1に固有の種々の情報であって、基本的には、対象者H1の都合で決まる情報である。一方、施設プロパティ情報D42は、関連情報D4のうち、対象者H1が利用する施設5の属性を表す情報である。つまり、施設プロパティ情報D42は、例えば、施設5の名称、業種、取扱内容、立地(住所及び最寄駅等を含む)及び営業時間等といった、施設5に固有の情報であって、基本的には、施設5の都合で決まる情報である。要するに、本実施形態では、関連情報D4は、対象者H1の属性を表す個人プロパティ情報D41を含む。さらに、関連情報D4は、対象者H1が利用する施設5の属性を表す施設プロパティ情報D42を含む。
生成部12は、例えば、施設管理サーバ50で管理されている情報(施設5に関する情報)のうちの対象者H1による施設5の利用状況を表す情報等に基づいて、個人プロパティ情報D41を生成する。一例として、ある対象者H1による施設5の利用状況から、対象者H1が特定の店舗を頻繁に(例えば毎日)利用していることが判明した場合、この対象者H1の関連情報D4として、特定の店舗を生活圏に含む個人プロパティ情報D41を生成する。さらに、生成部12は、例えば、センササーバ60で管理されている情報(複数のセンサ6の計測データ)等に基づいて、個人プロパティ情報D41を生成する。一例として、イメージセンサで撮影された、ある対象者H1の食事中の様子から、この対象者H1が納豆嫌いであることが判明した場合、この対象者H1の関連情報D4として、「納豆嫌い」という個人プロパティ情報D41を生成する。
また、生成部12は、例えば、施設管理サーバ50で管理されている情報(施設5に関する情報)のうちの施設5の属性を表す情報等に基づいて、施設プロパティ情報D42を生成する。一例として、ある対象者H1が日常的に買物に利用している店舗が、納豆の在庫が無い状態であることが判明した場合、この対象者H1の関連情報D4として、「納豆の在庫切れ」という施設プロパティ情報D42を生成する。
取得処理(S2)及び生成処理(S4)が完了すると、出力部13は、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3を出力する出力処理を実行する(S8)。体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3の生成方法は、様々であるが、本実施形態では以下の手順(S5〜S7)を採用している。
すなわち、出力部13はまず、評価部131にて、体力データD1について評価を行うことで、体力データD1の評価結果である評価データD2(図4参照)を生成する(S5)。本実施形態では、評価データD2は、複数の運動メニューの各々についての体力データD1の評価結果を含むデータである。具体的には、評価部131は、複数の運動メニューの各々について、体力データD1と基準値との比較結果に基づいてランク付けして評価点を求める。ここでいう「基準値」とは、例えば、性別及び年齢(年代)ごとに特定人数の測定結果から求められる平均値をいう。ただし、基準値は平均値に限らず、各運動メニューについての評価点を求められる値であればよく、例えば、中央値又は最頻値等、平均値以外の代表値であってもよい。
本実施形態では、一例として、評価部131は、複数の運動メニューの各々について、体力データD1が基準値の「±5%」以内である場合には評価点を「Cランク」とする。評価部131は、体力データD1が基準値の「+5%」よりも大きく、かつ基準値の「+15%」以下である場合には評価点を「Bランク」とする。また、評価部131は、体力データD1が基準値の「+15%」よりも大きい場合には評価点を「Aランク」とする。また、評価部131は、体力データD1が基準値の「−5%」よりも小さく、かつ基準値の「−15%」以上である場合には評価点を「Dランク」とする。評価部131は、体力データD1が基準値の「−15%」よりも小さい場合には評価点を「Eランク」とする。これらの評価点は、評価が高い側から順に「Aランク」、「Bランク」、「Cランク」、「Dランク」、「Eランク」となる。
評価データD2は、複数の運動メニューについての上記評価点を含むデータである。すなわち、本実施形態のように運動メニューが6つある場合には、これら6つの運動メニューの各々について、「Aランク」〜「Eランク」のいずれかの評価点が付けられたデータが、評価データD2として生成される。
次に、選択部132は、複数の一次候補情報の中から、評価データD2に対応する1以上の二次候補情報を選択する(S6)。ここで、選択される二次候補情報の数は、一次候補情報の数以下であって、好ましくは一次候補情報の数よりも少ない。つまり、選択部132は、複数の一次候補情報の中から、評価部131で生成された評価データD2に基づいて、1段階目の絞り込みを実施する。選択部132で選択された1以上の二次候補情報は、評価データD2に対応するので、少なくとも体力データD1に基づく情報である。
本実施形態では、選択部132は、評価データD2に基づいて、第1記憶部14に記憶されている複数の一次候補情報の中から最適な一次候補情報を2つ以上選択し、選択した2以上の一次候補情報を二次候補情報とする。具体的には、選択部132は、評価データD2に含まれる複数の運動メニューについての評価点のうち、最も評価点が低い運動メニューに関連付けられた2以上の一次候補情報を、二次候補情報として選択する。
次に、調整部133は、1以上の二次候補情報の中から、関連情報D4に対応するリコメンド情報D3を選択する(S7)。ここで、選択されるリコメンド情報D3の数は、二次候補情報の数以下であって、好ましくは二次候補情報の数よりも少ない。つまり、調整部133は、1以上の二次候補情報の中から、生成部12で生成された関連情報D4に基づいて、2段階目の絞り込みを実施する。調整部133で選択されたリコメンド情報D3は、少なくとも体力データD1及び関連情報D4に基づく情報である。
ここでは、調整部133は、1以上の二次候補情報のうち、関連情報D4から対象者H1に最適であると判断される二次候補情報を選択し、選択した二次候補情報をリコメンド情報D3とする。具体的には、調整部133は、1以上の二次候補情報について、関連情報D4から特定可能な対象者H1にとっての実施可能性を、実施点として点数化し、最も実施点が高い、つまり実施可能性が高い二次候補情報を、リコメンド情報D3として選択する。一例として、納豆が苦手な対象者H1に対しては、納豆の摂取を提案するような二次候補情報の実施点は相対的に低くなり、納豆の代替品(例えば、オクラ)の摂取を提案するような二次候補情報の実施点は相対的に高くなる。その結果、二次候補情報が、納豆の摂取を提案する情報と、納豆の代替品の摂取を提案する情報と、の2つであった場合、調整部133は、実施点が高い、納豆の代替品の摂取を提案する二次候補情報を、リコメンド情報D3として選択する。
ここにおいて、本実施形態では、関連情報D4は、対象者H1の属性を表す個人プロパティ情報D41と、対象者H1が利用する施設5の属性を表す施設プロパティ情報D42と、を含んでいる。そして、リコメンド情報D3は、少なくとも個人プロパティ情報D41と施設プロパティ情報D42との組み合わせに基づいて生成されることが好ましい。すなわち、本実施形態においては、関連情報D4は、個人プロパティ情報D41と施設プロパティ情報D42との2種類の情報を含んでいる。調整部133では、関連情報D4に基づいてリコメンド情報D3を生成(選択)する際に、これら個人プロパティ情報D41及び施設プロパティ情報D42の組み合わせを用いている。
これにより、リコメンド情報D3には、対象者H1の都合で決まる個人プロパティ情報D41と、施設5の都合で決まる施設プロパティ情報D42と、の両方を反映させることができる。ただし、個人プロパティ情報D41と施設プロパティ情報D42とのどちらを優先的に用いるかは、例えば、個人プロパティ情報D41及び施設プロパティ情報D42の各々の重み係数によって調節可能であることが好ましい。これにより、個人プロパティ情報D41よりも施設プロパティ情報D42を優先させてリコメンド情報D3を生成する状態と、施設プロパティ情報D42よりも個人プロパティ情報D41を優先させてリコメンド情報D3を生成する状態と、を切替可能になる。言い換えれば、施設プロパティ情報D42を優先させる状態と、個人プロパティ情報D41を優先させる状態と、を択一的に選択可能になる。
要するに、出力部13は、選択部132で一次候補情報から二次候補情報を絞り込み(S6)、更に調整部133にて二次候補情報からリコメンド情報D3を絞り込む(S7)、といった2段階の絞り込みによって、リコメンド情報D3を生成する。言い換えれば、リコメンド情報D3は、体力データD1に対応付けられている1以上の候補情報(二次候補情報)の中から、関連情報D4に基づいて選択される情報である。
出力部13は、生成したリコメンド情報D3を、適当な手段で出力する出力処理を実行する(S8)。本実施形態では、一例として、出力部13は、リコメンド情報D3を、情報端末3に送信することにより、情報端末3の提示部31からリコメンド情報D3を提示(ここでは表示)させる。
以上説明したように、活動支援システム1によれば、取得処理(図2の「S2」)と、生成処理(図2の「S4」)と、出力処理(図2の「S8」)と、を有する活動支援方法が具現化される。取得処理は、対象者H1による運動メニューの実施結果を示す体力データD1を取得する処理である。生成処理は、対象者H1の行動に基づいて、対象者H1に関連する関連情報D4を生成する処理である。出力処理は、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3を出力する処理である。
特に、本実施形態では、取得処理で取得される体力データD1は、体力測定システム2により具現化される体力測定方法で推定された体力データD1である。すなわち、取得処理は、体力測定方法で推定された体力データD1を取得する処理である。
ただし、図2に示すフローチャートは、本実施形態に係る活動支援方法の一例に過ぎず、例えば、いくつかの処理の順番が入れ替わってもよいし、いくつかの処理が適宜省略されてもよい。
ところで、本実施形態では、活動支援方法を実施するに際して、情報端末3がユーザインタフェースとして利用される。つまり、活動支援システム1は、情報端末3と通信することにより、情報端末3の提示部31にてユーザ(対象者H1を含む)への情報の提示を行い、情報端末3の操作部32にてユーザの操作を受け付ける。
以下に、情報端末3の提示部31に表示される画面(入力画面311及び出力画面312,313)の例を示す図3〜図6Bを参照して、活動支援方法の具体例について説明する。以下では、提示部31に表示される画面(入力画面311及び出力画面312,313)の各々を正面から見たときの上、下、左、右を用いて説明するが、これらの方向は情報端末3の使用時の向きを限定する趣旨ではない。
活動支援方法を実施する場合、まずは情報端末3の提示部31には、図3に例示するような、入力画面311が表示される。入力画面311は、対象者H1の識別情報を入力するための画面である。
入力画面311における中央には、体力データD1を表示するためのデータ表示欄A1が配置されている。入力画面311におけるデータ表示欄A1の左側には、複数(ここでは6つ)の運動メニューを表示するためのメニュー表示欄A2が配置されている。入力画面311におけるデータ表示欄A1の右側には、操作部32として機能する入力欄A4が配置されている。入力画面311における右上の角部に配置された識別欄A3には、対象者H1の識別情報が表示されている。
入力画面311における下端部には、操作部32として機能する第1ボタンB1、第2ボタンB2及び第3ボタンB3が左右方向に並べて表示されている。第1ボタンB1は、対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)を入力する入力モードに移行するためのオブジェクトである。第2ボタンB2は、体力データD1を読み込むためのオブジェクトである。第3ボタンB3は、表示画面を変更するためのオブジェクトである。
この入力画面311において、第1ボタンB1がタップされると、対象者H1の識別情報(ユーザID)を入力可能な状態(入力モード)となる。この状態で、ユーザが入力欄A4のテンキーを用いて対象者H1の識別情報を入力すると、対象者H1が特定されることになる。
対象者H1が特定された状態で、第2ボタンB2がタップされると、取得部11により、対象者H1に対応する体力データD1の読み込み、つまり体力データD1の取得が行われる。このとき、読み込まれる体力データD1は、上述したような複数(ここでは6つ)の運動メニューの各々に対応付けられている。
具体的には、「TUG」は、対象者H1が椅子に座った姿勢から立ち上がり、所定距離(3m)先の目印点で折り返し、再び椅子に座る、という一連の動作を行う運動メニューであって、この一連の動作に要する時間が「TUG」に対応する体力データD1となる。つまり、上記一連の動作に要する時間が「TUG」という運動メニューの実施結果である。図3の例では、「TUG」に対応する体力データD1は「7.5」(秒)である。「ファンクショナルリーチ」は、対象者H1が直立姿勢で両腕を肩の高さまで上げた状態から、バランスを崩さずに上体を前傾する、という運動メニューであって、スタート時点からの指先の移動距離が「ファンクショナルリーチ」に対応する体力データD1となる。つまり、スタート時点からの指先の移動距離が「ファンクショナルリーチ」という運動メニューの実施結果である。図3の例では、「ファンクショナルリーチ」に対応する体力データD1は「45.5」(cm)である。
「開眼片足立ち」は、対象者H1が目を開けたまま片足立ちをする、という運動メニューであって、片足立ちを継続できた時間が「開眼片足立ち」に対応する体力データD1となる。つまり、片足立ちを継続できた時間が「開眼片足立ち」という運動メニューの実施結果である。図3の例では、「開眼片足立ち」に対応する体力データD1(右足立ちの場合)は「32.0」(秒)である。「握力」は、対象者H1が直立の姿勢で握力計を握る、という運動メニューであって、握力計で計測された握力の大きさが「握力」に対応する体力データD1となる。つまり、握力計で計測された握力の大きさが「握力」という運動メニューの実施結果である。図3の例では、「握力」に対応する体力データD1(左手)は「45.2」(kg)である。
「5m歩行」は、対象者H1が平坦な床上を真っ直ぐ5m歩行する、という運動メニューであって、5m移動するのに要する時間が「5m歩行」に対応する体力データD1となる。つまり、5m移動するのに要する時間が「5m歩行」という運動メニューの実施結果である。図3の例では、「5m歩行」に対応する体力データD1は「5.6」(秒)である。「ステッピング」は、対象者H1が椅子に座った姿勢で所定時間(例えば20秒間)に両脚の開閉を繰り返し行う、という運動メニューであって、所定時間に開閉できた回数が「ステッピング」に対応する体力データD1となる。つまり、所定時間に両脚を開閉できた回数が「ステッピング」という運動メニューの実施結果である。図3の例では、「ステッピング」に対応する体力データD1は「32」(回)である。
ここで、入力画面311においては、取得された体力データD1、つまりデータ表示欄A1に表示されている体力データD1についての編集作業が可能である。具体的には、ユーザは、データ表示欄A1に表示されているいずれかの体力データD1を選択した状態で、ユーザが入力欄A4のテンキーを用いて、この体力データD1を編集することができる。ただし、体力データD1の編集の機能は活動支援方法に必須ではない。
複数(ここでは6つ)の運動メニューの全てについて、対応する体力データD1の読み込みが完了した状態で、入力画面311の第3ボタンB3がタップされると、情報端末3の提示部31に表示される画面が、図4に示すような出力画面312に遷移する。出力画面312は、評価データD2を表示するための画面である。
出力画面312における中央には、評価データD2が表示されている。図4に示す例では、評価データD2は、第1評価データD21と、第2評価データD22と、を含む。第1評価データD21は、例えば、対象者H1による運動メニューの実施結果に対するアドバイスであり、ここでは運動及び食事についてのアドバイスである。第2評価データD22は、例えば、対象者H1による運動メニューの実施結果の評価をグラフ化したデータであって、一例としてレーダーチャートである。
図4に示すレーダーチャートにおいて、実線は、ある対象者H1についての今回の結果(評価データD2)であり、破線は、同一の対象者H1についての初回又は前回(例えば、前月)の結果である。つまり、図4に示す例では、提示部31は、同一の対象者について時系列で変化する複数の評価データD2を同時に提示しており、変化の度合いを対象者に提示することができる。
出力画面312における右上の角部に配置された識別欄A3には、対象者H1の識別情報が表示されている。出力画面312における下端部には、操作部32として機能する第4ボタンB4、第5ボタンB5及び第6ボタンB6が左右方向に並べて表示されている。第4ボタンB4は、対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)を入力する入力モードに移行するためのオブジェクトである。第5ボタンB5は、提示部31の表示を前の画面(入力画面311)に戻すためのオブジェクトである。第6ボタンB6は、表示画面を変更するためのオブジェクトである。
ここで、複数の運動メニューのうち優先度が最も高い運動メニューに対する評価結果である第1評価結果と、第1評価結果以外の第2評価結果と、では表示態様を異ならせることが好ましい。図4に示す例では、「5m歩行」に対する評価結果が第1評価結果であり、「TUG」、「ファンクショナルリーチ」、「開眼片足立ち」、「握力」及び「ステッピング」に対する評価結果が第2評価結果である。そして、図4に示す例では、第1評価結果に対して「★マーク」を表示させており、第2評価結果と表示態様を異ならせている。これにより、第1評価結果と第2評価結果とを区別しやすいという利点がある。
この出力画面312において、第6ボタンB6がタップされると、情報端末3の提示部31に表示される画面が、図5に示すような出力画面313に遷移する。出力画面313は、リコメンド情報D3を表示するための画面である。
出力画面313における中央には、リコメンド情報D3が表示されている。図5に示す例では、リコメンド情報D3は、第1リコメンド情報D31と、第2リコメンド情報D32と、を含む。第1リコメンド情報D31は、第1アイコンI1と、第2アイコンI2と、第3アイコンI3と、を含む。第1アイコンI1は、食事に関するリコメンド(おすすめ)を選択するためのアイコンである。第2アイコンI2は、器具に関するリコメンドを選択するためのアイコンである。第3アイコンI3は、運動に関するリコメンドを選択するためのアイコンである。
第2リコメンド情報D32は、第1アイコンI1、第2アイコンI2及び第3アイコンI3のうちユーザが選択したアイコンに対応付けられた情報を、イメージ(画像)データ及びテキストデータで表す情報である。図5に示す例では、第1アイコンI1が選択され、第2リコメンド情報D32として、食事に関するリコメンドを表す情報が提示(表示)されている場合を例示する。
出力画面313における右上の角部に配置された識別欄A3には、対象者H1の識別情報が表示されている。出力画面313における下端部には、操作部32として機能する第7ボタンB7、第8ボタンB8及び第9ボタンB9が左右方向に並べて表示されている。第7ボタンB7は、対象者H1に固有の識別情報(ユーザID)を入力する入力モードに移行するためのオブジェクトである。第8ボタンB8は、提示部31の表示を前の画面(出力画面312)に戻すためのオブジェクトである。第9ボタンB9は、出力結果を印刷するためのオブジェクトである。
この出力画面313において、第9ボタンB9がタップされると、リコメンド情報D3を含む画像信号が拡張部33からプリンタに送信され、プリンタにて、リコメンド情報D3を含むレポートがプリントアウトされる。さらに、本実施形態では、第9ボタンB9がタップされると、提示部31における出力画面313の表示が終了する。
図4の例では、複数の運動メニューのうち、第1グループに含まれる「5m歩行」が「Eランク」であり、最も低い評価である場合を想定する。そして、図5に示すリコメンド情報D3は、「5m歩行」に関連付けられたデータであり、歩行能力を高めるためのリコメンドである。つまり、図4及び図5に示す例では、複数の運動メニューのうち第1グループに含まれる「5m歩行」の評価点が最も低く、この「5m歩行」に関連付けられたリコメンド情報D3が提示部31に提示されている。言い換えると、活動支援方法では、出力処理において、複数の運動メニューのうち評価点が最も低い運動メニューに関連付けられたリコメンド情報D3を出力している。ただし、図5に示すリコメンド情報D3の内容は一例に過ぎない。
ここで、第1グループ、第2グループ、第3グループ、第4グループ及び第5グループのうち、第1グループに含まれる「TUG」及び「5m歩行」が共に「Eランク」である場合を想定する。言い換えると、「TUG」及び「5m歩行」は、第1グループにおいて最も評価点が低い運動メニューである要注意項目である。つまり、この場合には、複数の要注意項目が第1グループに含まれていることになる。この場合において、複数の要注意項目の中で、予め優先度を決めておくことが好ましい。例えば、「TUG」が「5m歩行」よりも優先度が高く、かつ両者が同じ「Eランク」である場合、出力部13は、「TUG」に関連付けられたリコメンド情報D3を提示部31に提示させる。
ところで、出力画面313に表示されるリコメンド情報D3は、対象者H1に固有の関連情報D4に基づく情報であるので、リコメンド情報D3にて提案される活動は、対象者H1に合わせてカスタマイズされることになる。
一例として、図4の例と同様の評価データD2が得られた場合でも、対象者H1によっては、図5の出力画面313に示すリコメンド情報D3に代えて、図6A又は図6Bの出力画面313に示すようなリコメンド情報D3が出力される。ここでは、それぞれ識別情報が「12345」、「11111」、「22222」である3人の対象者H1について、体力データD1が同一、つまり同一の評価データD2が得られた場合を想定する。さらに、識別情報が「11111」である対象者H1について、生活圏の店舗では「オクラ」の入手が困難である、との関連情報D4が得られていると仮定する。また、識別情報が「22222」である対象者H1について、「納豆嫌い」との関連情報D4が得られていると仮定する。
この場合において、識別情報が「12345」である対象者H1については、図5に示すように、「山芋、オクラ、納豆」の摂取を提案するようなリコメンド情報D3が出力される。これに対して、識別情報が「11111」である対象者H1については、図6Aに示すように、「オクラ」が省かれ、「山芋、納豆」の摂取を提案するようなリコメンド情報D3が出力される。また、識別情報が「22222」である対象者H1については、図6Bに示すように、「納豆」が省かれ、「山芋、オクラ」の摂取を提案するようなリコメンド情報D3が出力される。
このように、本実施形態に係る活動支援方法によれば、複数人の対象者H1の体力データD1が同じでも、これら複数人の対象者H1の生活圏及び嗜好が異なる場合には、対象者H1ごとに異なるリコメンド情報D3を出力可能となる。そのため、例えば、各対象者H1にとって実施が困難な活動を避け、各対象者H1にとって実施しやすい活動をリコメンド情報D3として、対象者H1に推奨することで、対象者H1によるリコメンド情報D3に従った活動の実施可能性の向上を図ることができる。よって、活動支援方法では、例えば、個々の対象者H1が行いやすい活動をリコメンド情報D3として対象者H1に推奨することで、対象者H1によるリコメンド情報D3に従った活動の実施可能性が向上し、対象者H1のモチベーションの向上にもつながる。その結果、本実施形態に係る活動支援方法によれば、対象者H1にとって有用な情報を提供しやすい、という利点がある。
一例として、下肢に障害のある対象者H1に対しては、ウォーキングを提案するようなリコメンド情報D3に代えて、座位で実施可能な運動、上体を鍛える運動、又は体幹を鍛える運動等を提案するようなリコメンド情報D3を出力することが好ましい。さらに、高血圧又は高脂血症等の症状を持つ対象者H1には、これらの症状に合わせた食事を提案するようなリコメンド情報D3を出力することが好ましい。
また、同種の施設5を利用する対象者H1については、同様の特徴を持つこととみなして、同種の施設5を利用する対象者H1ごとにカテゴリ分けがなされてもよい。例えば、スーパーマーケットを頻繁に利用している対象者H1は健康な場合が多く、薬局を頻繁に利用している対象者H1は健康面で不安を抱えている場合が多い。また、病院又は介護施設を頻繁に利用している対象者H1については、食事制限がある場合が多い。このような特徴に着目して、利用している施設5ごとに対象者H1のカテゴリ分けを行い、例えば、リコメンド情報D3における食事に関する提案にカテゴリを反映してもよい。
(3.2)体力測定方法
次に、本実施形態に係る体力測定システム2の動作によって具現化される体力測定方法について説明する。
図7は、上述した体力測定システム2の動作、つまり体力測定方法の大まかな流れを示すフローチャートである。
体力測定方法においては、まずは対象者H1を特定するための処理が行われる(S11)。本実施形態では、対象者H1に固有の識別情報によって、対象者H1の特定が行われる。
生活データ取得部21は、対象者H1が特定されると、この対象者H1に対応する生活データ(複数のセンサ6の計測データ)を、センササーバ60から取得する生活データ取得処理を実行する(S12)。生活データ取得部21で生活データが取得されると、推定部22は、体力データD1を推定する推定処理を実行する(S13,S14)。このとき、推定部22は、生活データ取得部21で取得された生活データから、運動メニューの実施結果に相当する体力データD1を推定する。体力データD1の推定方法は、様々であるが、本実施形態では以下の手順(S13,S14)を採用している。
すなわち、推定部22はまず、第1処理部221にて、生活データから、運動メニューに関連する特定情報を抽出する第1処理を実行する(S13)。要するに、対象者H1の生活空間における動作に関する生活データの中には、運動メニューに関連しないデータも含まれているため、第1処理部221では、このような運動メニューに関連しないデータを除去する。このとき、第1処理部221は、例えば、生活データについて、所定のフィルタリング処理を実行することによって、運動メニューに関連する特定情報のみを抽出する。
次に、第2処理部222は、第1処理で抽出された特定情報に基づいて体力データD1を推定する第2処理を実行する(S14)。このとき、第2処理部222は、特定情報に関連する運動メニューを特定し、この運動メニューに対応する変換式によって特定情報を数値化し、体力データD1を求める。ここでいう「変換式」は、特定情報を関連する運動メニューに当てはめた場合に、特定情報から導出される体力データD1と同等の値に、特定情報を変換するための式であって、運動メニューごとに予め設定されている。
ここで、本実施形態では、体力データD1は、少なくとも生活データのうちの画像データに基づいて推定される。すなわち、本実施形態では、センササーバ60で管理されている複数のセンサ6の計測データを、生活データとして利用しているが、特に、イメージセンサ(カメラ)からなるセンサの計測データ(画像データ)を、体力データD1の推定に用いている。これにより、対象者H1に触れることなく、様々な運動メニューの実施結果に相当する体力データD1の推定が可能である。ここでいう画像データは、一例として、生活空間において何かしらの動作を行っている対象者H1を視野に含む画像のデータである。
推定部22は、1つの運動メニューに対応する体力データD1を推定する度に、全ての体力データD1を推定したか否かの判断を行う(S15)。全ての体力データD1、つまり複数(ここでは6つ)の運動メニューに対応する複数の体力データD1の全てについて、推定が完了していなければ(S15:No)、処理S12に戻って生活データの取得及び体力データD1の推定を継続する。一方、全ての体力データD1の推定が完了していれば(S5:Yes)、推定部22は、推定した体力データD1を第2記憶部23に出力する(S16)。これにより、第2記憶部23には、対象者H1ごとに体力データD1が記憶される。
以上説明したように、体力測定システム2によれば、生活データ取得処理(図7の「S12」)と、推定処理(図7の「S13」及び「S14」)と、を有する体力測定方法が具現化される。生活データ取得処理は、対象者H1の生活空間における動作に関する生活データを取得する処理である。推定処理は、生活データから、特定の運動メニューの実施結果に相当する体力データD1を推定する処理である。
ただし、図7に示すフローチャートは、本実施形態に係る体力測定方法の一例に過ぎず、例えば、いくつかの処理の順番が入れ替わってもよいし、いくつかの処理が適宜省略されてもよい。
ところで、本実施形態では、体力測定方法を実施するに際して、センササーバ60で管理されている複数のセンサ6の計測データを、対象者H1の生活空間における動作に関する生活データとして利用する。このような生活データから、特定の運動メニューの実施結果に相当する体力データD1を推定する方法の一例について、以下に、図8A〜図10を参照して説明する。
「TUG」については、例えば、図8Aに示すように、対象者H1の、生活空間における椅子T1から立ち上がるとき、及び椅子T1に座るときの動作、並びに早歩きの動作を表す生活データから、体力データD1を推定可能である。つまり、椅子T1から立ち上がるとき、及び椅子T1に座るときの対象者H1の動作の速度からは、対象者H1が椅子に座った姿勢から立ち上がり、再び椅子に座る際に要する時間を推定可能である。また、対象者H1の早歩きの平均速度からは、椅子と所定距離先の目印点との往復に要する時間を推定可能である。これらの対象者H1の動作のうち、椅子T1から立ち上がるとき、及び椅子T1に座るときの動作の速度は、例えば、椅子T1の座面に設置(内蔵も含む)されたドップラセンサ又は圧力センサ等により、計測される。早歩きの際の平均速度は、例えば、対象者H1が所持しているスマートフォン又はウェアラブル端末等の利用者端末に内蔵又は外付けされたセンサにより、計測される。
「ファンクショナルリーチ」については、例えば、図8Bに示すように、生活空間において、物体T2を拾い上げる際の対象者H1の動作を表す生活データから、体力データD1を推定可能である。つまり、物体T2を拾い上げる際の対象者H1の姿勢、特に腰の曲げ角θ1からは、対象者H1が直立姿勢でバランスを崩さずに上体をどの程度前傾できるかを推定可能である。このような対象者H1の姿勢は、例えば、室内に設置されたイメージセンサ(カメラ)又は熱画像センサ等により、計測される。また、このような対象者H1の姿勢は、対象者H1の上体に取り付けられた加速センサ及び角速度センサ等により、計測することも可能である。
「開眼片足立ち」については、例えば、図8Cに示すように、生活空間において、階段T3を上る際の対象者H1の動作を表す生活データから、体力データD1を推定可能である。つまり、階段T3を上る際において、対象者H1が片足立ちになる瞬間の対象者H1の姿勢からは、対象者H1が片足立ちをどの程度継続できるかを推定可能である。このような対象者H1の姿勢は、例えば、階段T3(特に踏み板)又は手すりT4に設置(内蔵も含む)された圧力センサ等により、計測される。具体的には、これらのセンサ6では、例えば、片足立ちの状態での重心のぶれ、又は手すりT4にかかる荷重の大きさ等を計測可能である。また、階段T3を上る際の動作に限らず、例えば、敷居又は浴槽等の物体を跨ぐ際の対象者H1の動作を表す生活データからも、同様に、「開眼片足立ち」に対応する体力データD1を推定可能である。
「握力」については、例えば、図8Dに示すように、生活空間において、ドアノブT5を操作するときの対象者H1の動作を表す生活データから、体力データD1を推定可能である。つまり、ドアノブT5を操作する際に、対象者H1からドアノブT5に加わる荷重の大きさからは、対象者H1の握力の大きさを推定可能である。このような荷重の大きさは、例えば、ドアノブT5に設置(内蔵も含む)された圧力センサ等により、計測される。また、ドアノブT5に限らず、例えば、瓶又はペットボトル飲料等の蓋に加わる荷重の大きさからも、同様に、「握力」の体力データD1を推定可能である。さらに、草むしり又は農作業等のように、物を握る動作を伴う作業を対象者H1が行っている際に、対象者H1の肩に加わる衝撃の大きさ等からも、「握力」の体力データD1を推定可能である。
「5m歩行」については、例えば、図8Eに示すように、生活空間において、対象者H1の歩行(走行及び早歩きは除く)の動作を表す生活データから、体力データD1を推定可能である。つまり、対象者H1の歩行の平均速度からは、5m移動するのに要する時間を推定可能である。歩行の際の平均速度は、例えば、対象者H1が所持しているスマートフォン又はウェアラブル端末等の利用者端末T6に内蔵又は外付けされたセンサ6により、計測される。対象者H1が歩いている(歩行)か、走っている(走行)かは、利用者端末T6に加わる振動の大きさによって区別可能である。
「ステッピング」については、例えば、図8Fに示すように、生活空間において、扉T7を手前に開く際の対象者H1の動作を表す生活データから、体力データD1を推定可能である。つまり、扉T7を手前に開く際には、対象者H1は進行方向(扉T7側)とは逆向きに移動することになるので、その際の、対象者H1の移動速度等から、俊敏性に関するステッピングの回数を推定可能である。要するに、対象者H1の歩行時の切り替えしの動作から、対象者H1の俊敏性を推定可能である。このときの対象者H1の動作は、対象者H1が所持しているスマートフォン又はウェアラブル端末等の利用者端末に内蔵又は外付けされたセンサ等により、計測される。さらに、扉T7に設置(内蔵も含む)された開閉センサも併せて利用することで、対象者H1の動作を、より精度よく計測可能である。
上述したような種々の生活データは対象者H1ごとに取得されるため、生活データ取得部21においては、いずれの対象者H1の生活データであるかを識別する必要がある。対象者H1の識別は、例えば、以下の方法で実現される。
例えば、対象者H1が携帯又は装着する携帯型のセンサ6の計測データについては、センサ6ごとに対象者H1の識別情報が付与されることにより、対象者H1を識別可能である。また、設置型のセンサ6の計測データについては、指紋認証、静脈認証、虹彩認証又は顔認証等の生体認証技術により、対象者H1を識別可能である。一例として、上述した「握力」に対応する生活データの取得時には、ドアノブT5に設置(内蔵も含む)された指紋センサにより、対象者H1の指紋を取得可能である。さらに、住居のように、限られた人のみが使用する空間においては、体重又は身長等によっても、対象者H1を識別可能である。また、体力データD1について急激な変化が生じにくい運動メニュー(例えば、握力及びファンクショナルリーチ等)に対応する生活データについては、これから推定された体力データD1によって、対象者H1を識別することも可能である。
ここにおいて、体力データD1は、少なくとも生活データのうち対象者H1による特定の作業の可否を表す情報に基づいて推定されてもよい。要するに、所定の運動能力を必要とする特定の作業については、この作業を実施できたか否かによって、体力データD1を大まかに推定することが可能である。
図9A及び図9Bでは、瓶T8の開封、という特定の作業を例示する。この場合、対象者H1は、瓶T8の本体T81及び蓋T82を手で握った状態で、蓋T82を回転させることにより開封を行う。このとき、本体T81及び蓋T82が滑らないように保持する必要があるため、瓶T8の開封という作業には、一定値以上の握力が必要である。そのため、対象者H1が、図9Aに示すように、所定の作業時間内に、瓶T8の開封という作業を実行できなかった、つまり瓶T8の開封に失敗した場合には、この対象者H1の握力は一定値未満と推定される。一方、対象者H1が、図9Bに示すように、所定の作業時間内に、瓶T8の開封という作業を実行できた、つまり瓶T8の開封に成功した場合には、この対象者H1の握力は一定値以上と推定される。
作業の可否については、一例として、図9A及び図9Bに示すように、イメージセンサ(カメラ)からなるセンサ6で監視可能であるが、その他のセンサ(圧力センサ又は熱画像センサ等)で監視されてもよい。作業の可否から推定される体力データD1は、「握力」に対応する体力データD1に限らず、「握力」以外の運動メニューに対応する体力データD1であってもよい。
また、本実施形態では、上述したように、生活データから体力データD1を推定する推定処理が、第1処理(図7の「S13」)と第2処理(図7の「S14」)との2段階の処理を含むため、体力データD1の推定精度の向上を図ることができる。この点について、図10を参照して説明する。図10は、対象者H1が住居の近所を散歩している際の、対象者H1の移動経路R1を模式的に示す図である。ここでは、このときの対象者H1の動作から、「5m歩行」に対応する体力データD1を推定する場合の処理を例に説明する。
すなわち、対象者H1が移動経路R1上を移動する際の対象者H1の移動速度は、例えば、対象者H1が所持しているスマートフォン又はウェアラブル端末等の利用者端末T6に内蔵又は外付けされたセンサ6により、計測される。より詳細には、例えば、利用者端末T6の位置センサで計測された対象者H1の位置の時系列データにより、移動経路R1上の対象者H1の移動速度は推定可能である。ここで、第1処理では、移動経路R1のうち、対象者H1が一定速度で歩き続けた5mの直線の区間Z1の情報のみを、運動メニュー(5m歩行)に関連する特定情報として抽出する。これにより、第2処理においては、対象者H1が立ち止まっていた期間、歩き始めの期間、立ち止まる直前の期間、及び方向転換の期間等、運動メニュー(5m歩行)に関連しない情報を除いて、生活データが体力データD1の推定に利用される。
さらに、体力測定システム2は、多数の対象者H1について体力データD1の推測を、並行して実行することが好ましい。この場合、多数の対象者H1の体力データD1の代表値(平均値、中央値又は最頻値等)に基づいて、ランク付けのための基準値が随時更新されることが好ましい。
このように、本実施形態に係る体力測定方法によれば、対象者H1の生活空間における動作から、特定の運動メニューの実施結果に相当する体力データD1を推定することが可能である。そのため、体力測定方法で得られる体力データD1は、例えば、トレーニング施設等で運動機器又は握力計等で計測した体力データに比較して、計測時に対象者H1に力み等が生じにくく、対象者H1の本来の運動能力が反映されやすい。結果的に、本実施形態に係る体力測定方法によれば、対象者H1の本来の体力データを測定しやすい、という利点がある。
しかも、体力データD1を得るために、対象者H1は、生活空間において普段通りに行動していればよいので、運動メニューを実施するための器具(運動器具及び握力計等の計測機器)及びスペースが不要である。ここで、体力測定方法による体力データD1の推定は、所定の間隔で定期的に、又は不定期に実行されることが好ましい。一例として、毎日、体力データD1が推定される場合には、体力データD1の平均化を図って、より精度よく体力データD1を測定することが可能になる。さらには、所定期間(例えば、数か月〜1年程度)分の体力データD1を時系列に沿って蓄積することにより、体力データD1の変化のトレンドを見ることも可能である。
また、本実施形態に係る体力測定方法によれば、体力データD1を測定するための補助者も必要なく、対象者H1が独りであっても、体力データD1を得ることができる。さらには、例えば、特定の施設5で開催される体力測定会のようなイベントで体力データを測定する場合に比べて、そもそも対象者H1が施設5に出向く必要がなく、対象者H1の負担が軽減される。さらに、体力測定会のようなイベントには参加したがらない対象者H1についても、体力データD1を得ることができる。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、活動支援システム1と同様の機能は、活動支援方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。
一態様に係る活動支援方法は、取得処理(図2の「S2」)と、生成処理(図2の「S4」)と、出力処理(図2の「S8」)と、を有している。取得処理は、対象者H1による運動メニューの実施結果を示す体力データD1を取得する処理である。生成処理は、対象者H1の行動に基づいて、対象者H1に関連する関連情報D4を生成する処理である。出力処理は、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3を出力する処理である。一態様に係るプログラムは、上記活動支援方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する種々の変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における活動支援システム1及び体力測定システム2、並びに活動支援方法及び体力測定方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における活動支援システム1及び体力測定システム2としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、活動支援システム1又は体力測定システム2における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは必須の構成ではなく、活動支援システム1又は体力測定システム2の個々の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、例えば、活動支援システム1又は体力測定システム2の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
また、実施形態1では、体力データD1の評価結果(評価データD2)を選択部132で選択された1以上の二次候補情報の中から、関連情報D4に基づいて選択された情報をリコメンド情報D3として用いているが、この構成に限らない。すなわち、リコメンド情報D3は、体力データD1及び関連情報D4に基づく情報であれば、例えば、以下に説明する第1変形例、第2変形例又は第3変形例のような手順で生成されてもよい。
第1変形例では、出力部13は、評価部131にて、体力データD1及び関連情報D4の両方に基づいて、評価データD2を生成する。この場合、評価データD2が既に体力データD1及び関連情報D4の両方を反映している。そのため、選択部132が、複数の一次候補情報の中から、評価データD2に対応する一次候補情報を選択するだけで、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3が得られる。つまり、第1変形例においては、選択部132で一次候補情報から二次候補情報を絞り込み、更に調整部133にて二次候補情報からリコメンド情報D3を絞り込む、といった2段階の絞り込みが必要なく、選択部132にてリコメンド情報D3が得られる。そのため、第1変形例においては調整部133が省略可能である。
第2変形例では、出力部13は、評価部131にて、体力データD1及び関連情報D4の両方に基づいて、評価データD2に代えてリコメンド情報D3を生成する。この場合、中間データとなる評価データD2を介さずに、体力データD1及び関連情報D4から直接的に、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3が生成される。つまり、第2変形例においては、選択部132で一次候補情報から二次候補情報を絞り込み、更に調整部133にて二次候補情報からリコメンド情報D3を絞り込む、といった2段階の絞り込みが必要なく、評価部131にてリコメンド情報D3が得られる。そのため、第2変形例においては、選択部132及び調整部133が省略可能である。ただし、第2変形例においても、リコメンド情報D3とは別に評価データD2が生成され、リコメンド情報D3と共に評価データD2が提示されてもよい。
第3変形例では、出力部13は、評価部131にて、関連情報D4に基づいて、評価データD2を生成し、選択部132にて、複数の一次候補情報の中から、評価データD2に対応する1以上の二次候補情報を選択する。この場合、二次候補情報が関連情報D4を反映しているので、調整部133が、1以上の二次候補情報の中から、体力データD1に対応するリコメンド情報D3を選択することで、体力データD1及び関連情報D4に基づくリコメンド情報D3が得られる。
また、情報端末3は、スマートフォン又はタブレット端末等の携帯情報端末に限らず、例えば、ウェアラブル端末、スマートスピーカ、パーソナルコンピュータ、又はスマートテレビ等のネットワーク4に接続可能な情報端末であってもよい。また、情報端末3の通信方式は、電波を媒体とする無線通信に限らず、例えば、赤外線若しくは可視光等を用いた光通信又は有線通信等であってもよい。同様に、サーバシステム10、施設管理サーバ50及びセンササーバ60の通信方式は、有線通信に限らず、例えば無線通信又は光通信等であってもよい。
また、活動支援システム1は、体力データD1及びリコメンド情報D3の少なくとも一方を、外部システムに出力し、体力データD1及びリコメンド情報D3の少なくとも一方に基づいて、外部システムを制御してもよい。
また、実施形態1では、タッチパネルディスプレイによって提示部31と操作部32とが兼用されているが、提示部31と操作部32とが別々に設けられていてもよい。
また、実施形態1では、評価データD2にレーダーチャートが含まれているが、この例に限らず、レーダーチャート以外のグラフ又は表が含まれていてもよい。つまり、評価データD2は、体力データD1に基づいて作成されるデータであれば他の態様でもよい。
また、実施形態1では、提示部31は、映像(画像)により評価データD2及びリコメンド情報D3を提示しているが、例えば、音声により評価データD2及びリコメンド情報D3を提示してもよい。
また、実施形態1では、提示部31は、同一の対象者H1について時系列で変化する複数の評価データD2を同時に提示しているが、例えば、複数の対象者H1の評価データD2を同時に提示してもよい。これにより、他の対象者H1との間で比較を行うことができる。
また、実施形態1で説明したランク付けは一例であり、例えば、四分位法に基づいてランク付けを行ってもよい。例えば、上位25%を「Aランク」、中間値(中央値)以上を「Bランク」、中間値〜第3四分位数を「Cランク」、第3四分位数〜第4四分位数(第3四分位数よりも小さい値)を「Dランク」、第4四分位数以下を「Eランク」とする。また、中間値の半数を「Cランク」とし、第1四分位数以上を「Aランク」、第4四分位数以下を「Eランク」としてもよい。
また、実施形態1では、対象者H1と同年代の指標に基づいてランク付けを行ったが(図4参照)、例えば、図11に示すように、運動メニューごとに体力年齢を提示(表示)してもよい。この場合において、図4に示すように、運動メニューごとにA〜Eランクで表示するのではなく、例えば、「握力」であれば体力データD1の実際の値(例えば「〇kg」等)を表示することが好ましい。この構成によれば、運動メニューごとの体力年齢を提示することができ、提示内容を見た対象者H1は、自身の体力年齢を運動メニューごとに知ることができる。
(実施形態2)
本実施形態に係る活動支援システム1A(図12参照)は、体力測定システム2(図1参照)で推定された体力データD1を用いない点で、実施形態1に係る活動支援システム1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、図12に示すように、サーバシステム10Aにおいて、体力測定システム2(図1参照)が省略されている。すなわち、本実施形態に係る活動支援システム1Aで具現化される活動支援方法では、体力測定システム2で具現化される体力測定方法で推定された体力データD1を用いない。
本実施形態に係る活動支援システム1Aにおいては、取得部11は、例えば、施設5で開催される体力測定会のようなイベントで、運動機器又は握力計等の計測機器で計測した体力データD1を取得する。ここでいう「運動機器」には、例えば、デジタルミラー等のリハビリナビゲーションシステムを含む。すなわち、本実施形態では、施設5で開催されるイベントにおいて、対象者H1が実際に運動メニューに従って運動を実施し、その実施結果を表す体力データD1が、活動支援方法で利用される。
ここにおいて、関連情報D4に含まれる施設プロパティ情報D42は、少なくとも対象者H1が利用する施設5のうち対象者H1が運動メニューを実施した施設5の属性を表す。要するに、対象者H1が、上述したようなイベントにおいて運動メニューを実施する場合には、このイベントの会場となる施設5が、「対象者H1が運動メニューを実施した施設5」となる。関連情報D4には、このような施設5の属性を表す施設プロパティ情報D42が含まれている。
これにより、対象者H1は、リコメンド情報D3で提案された食材等を、イベント会場である施設5にて購入することが可能になる。つまり、リコメンド情報D3は、イベント会場である施設5の在庫状況を加味して生成されるため、例えば、この施設5で確実に入手可能な食材の摂取をリコメンド情報D3で提案することにより、対象者H1は、この食材をすぐに入手できる。その結果、対象者H1によるリコメンド情報D3に従った活動の実施可能性の向上を図ることができる。さらに、リコメンド情報D3を、イベント会場である施設5側にも提供することで、施設5の管理者においては、食材等の需要の傾向を推測でき、食材等の仕入れに反映することができる。
また、実施形態2の変形例として、取得部11は、例えば、情報端末3に対してユーザが入力したデータを、対象者H1による運動メニューの実施結果を示す体力データD1として取得してもよい。
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る活動支援方法は、取得処理と、生成処理と、出力処理と、を有する。取得処理は、対象者(H1)による運動メニューの実施結果を示す体力データ(D1)を取得する処理である。生成処理は、対象者(H1)の行動に基づいて、対象者(H1)に関連する関連情報(D4)を生成する処理である。出力処理は、体力データ(D1)及び関連情報(D4)に基づくリコメンド情報(D3)を出力する処理である。
この態様によれば、リコメンド情報(D3)は、対象者(H1)に固有の関連情報(D4)に基づく情報であるので、リコメンド情報(D3)にて提案される活動は、対象者(H1)に合わせてカスタマイズされることになる。したがって、活動支援方法によれば、例えば、個々の対象者(H1)が行いやすい活動をリコメンド情報(D3)として対象者(H1)に推奨することで、対象者(H1)によるリコメンド情報(D3)に従った活動の実施可能性が向上する。その結果、活動支援方法によれば、対象者(H1)にとって有用な情報を提供しやすい、という利点がある。
第2の態様に係る活動支援方法では、第1の態様において、関連情報(D4)は、対象者(H1)の属性を表す個人プロパティ情報(D41)を含む。
この態様によれば、リコメンド情報(D3)は、対象者(H1)の都合に合わせてカスタマイズ可能となり、対象者(H1)のモチベーションの向上につながりやすいリコメンド情報(D3)が得られる。
第3の態様に係る活動支援方法では、第1又は2の態様において、関連情報(D4)は、対象者(H1)が利用する施設(5)の属性を表す施設プロパティ情報(D42)を含む。
この態様によれば、リコメンド情報(D3)は、施設(5)の都合に合わせてカスタマイズ可能となり、施設(5)側のモチベーションの向上につながりやすいリコメンド情報(D3)が得られる。
第4の態様に係る活動支援方法では、第1の態様において、関連情報(D4)は、対象者(H1)の属性を表す個人プロパティ情報(D41)と、対象者(H1)が利用する施設(5)の属性を表す施設プロパティ情報(D42)と、を含む。リコメンド情報(D3)は、少なくとも個人プロパティ情報(D41)と施設プロパティ情報(D42)との組み合わせに基づいて生成される。
この態様によれば、リコメンド情報(D3)は、対象者(H1)及び施設(5)の両方の都合に合わせてカスタマイズ可能となり、対象者(H1)と施設(5)とのバランスを図りやすいリコメンド情報(D3)が得られる。
第5の態様に係る活動支援方法では、第3又は4の態様において、施設プロパティ情報(D42)は、少なくとも対象者(H1)が利用する施設(5)のうち対象者(H1)が運動メニューを実施した施設(5)の属性を表す情報である。
この態様によれば、例えば、対象者(H1)が運動メニューを実施した直後に入手可能な商品等を含めたリコメンド情報(D3)が得られるため、対象者(H1)によるリコメンド情報(D3)に従った活動の実施可能性がより向上する。
第6の態様に係る活動支援方法では、第1〜5のいずれかの態様において、リコメンド情報(D3)は、体力データ(D1)に対応付けられている1以上の候補情報(二次候補情報)の中から、関連情報(D4)に基づいて選択される情報である。
この態様によれば、複数の関連情報(D4)に対応する候補情報を用意しておくだけで、比較的簡単な処理により、リコメンド情報(D3)を生成することができる。
第7の態様に係るプログラムは、第1〜6のいずれかの態様に係る活動支援方法をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、リコメンド情報(D3)は、対象者(H1)に固有の関連情報(D4)に基づく情報であるので、リコメンド情報(D3)にて提案される活動は、対象者(H1)に合わせてカスタマイズされることになる。したがって、上記プログラムによれば、例えば、個々の対象者(H1)が行いやすい活動をリコメンド情報(D3)として対象者(H1)に推奨することで、対象者(H1)によるリコメンド情報(D3)に従った活動の実施可能性が向上する。その結果、上記プログラムによれば、対象者(H1)にとって有用な情報を提供しやすい、という利点がある。
第8の態様に係る活動支援システム(1,1A)は、取得部(11)と、生成部(12)と、出力部(13)と、を備える。取得部(11)は、対象者(H1)による運動メニューの実施結果を示す体力データ(D1)を取得する。生成部(12)は、対象者(H1)の行動に基づいて、対象者(H1)に関連する関連情報(D4)を生成する。出力部(13)は、体力データ(D1)及び関連情報(D4)に基づくリコメンド情報(D3)を出力する。
この態様によれば、リコメンド情報(D3)は、対象者(H1)に固有の関連情報(D4)に基づく情報であるので、リコメンド情報(D3)にて提案される活動は、対象者(H1)に合わせてカスタマイズされることになる。したがって、活動支援システム(1,1A)によれば、例えば、個々の対象者(H1)が行いやすい活動をリコメンド情報(D3)として対象者(H1)に推奨することで、対象者(H1)によるリコメンド情報(D3)に従った活動の実施可能性が向上する。その結果、活動支援システム(1,1A)によれば、対象者(H1)にとって有用な情報を提供しやすい、という利点がある。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る活動支援方法の種々の態様(変形例を含む)は、活動支援システム(1,1A)等で具現化可能である。
第2〜6の態様に係る構成については、活動支援方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。