JP2006028574A - 酸洗鋼帯の水洗浄処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸洗鋼帯の水洗浄処理工程で、処理の低速運転時またはその後の運転停止時に、酸洗鋼帯に発生する変色を、わずかな変色防止剤を使用して確実に防止する。
【解決手段】水洗浄処理槽における上流側では、導入された酸洗鋼帯を、特定の中和・変色防止剤を含有する第1の洗浄水で洗浄し、引き続いて、特定の変色防止剤を含有する第2の洗浄水で洗浄する。これにより、酸洗鋼帯が持込む酸洗浄液に起因する変色防止剤の無駄な消費が解消され、変色防止剤の使用量が低減する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、酸洗浄処理されて水洗浄槽に導入された鋼帯を、同水洗浄槽の導入側から導出側へ移行する間に連続的に水洗浄処理する方式の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法に関する。
鋼材を大気中で熱間加工、熱処理など行った場合は、鋼材の表面に酸化スケールが生成する。緻密な酸化スケールは、それ自身が母材を保護する効果を有するため、メッキや塗装等を行わないような場合には、酸化スケールが付着したまま使用される場合もあるが、一般的には、生成したスケールを塩酸または硫酸で酸洗浄処理する等の化学的な方法によって除去するか、ブラシまたはショットブラスト等の物理的な方法で除去した後、加工、メッキ、塗装等が施されて、自動車用、電気製品用・建材用等の最終製品となる。
ところで、酸化スケールを取り除いた鋼材表面は非常に活性で酸化しやすく、錆が発生し易いという問題がある。特に酸洗浄処理によって酸化スケールを除去した後の鋼材表面には酸液が付着しているため、水洗浄処理によって酸液の除去が必ず必要であり、水洗浄処理時間が長い場合には、水洗浄処理中の鋼材の表面に黄変(錆)が発生し、鋼材の商品価値が低下してしまう場合がある。このため、酸洗浄処理された鋼材の水洗浄処理工程では、鋼材の変色の発生を防止する必要があり、従来、水洗浄処理での鋼材の変色を防止する方法や、変色防止剤が多数提案されている。
例えば、変色防止方法としては、「鋼帯の連続酸洗付加方法」の名称にて提案されている方法がある。当該連続酸洗付加方法は、鋼帯を酸洗浄処理するラインにおける低速で鋼板が通過する低速通板域もしくは通板停止時に発生する鋼板表面上の錆もしくは黄変色を再度酸洗浄槽に浸漬した後、該逆転通板の鋼板に付着した酸液を酸洗浄処理槽入側において除去し、しかる後再度正転して、前記錆または黄変色部を酸洗除去するという方法である(特許文献1を参照)。
また、変色防止方法および装置としては、「鋼帯の変色防止方法及び装置」の名称にて提案されている方法および装置がある。当該変色防止方法は、酸洗浄処理後の鋼帯に黄変抑制薬剤を含むリンス液と窒素ガスとを混合して吹き付けるという方法である(特許文献2を参照)。
一方、変色防止方法に使用するための変色防止剤としては、「金属の変色防止剤および変色防止方法」の名称にて、有機ホスホン酸およびその塩を含む変色防止剤が提案されている(特許文献3を参照)。また、「洗浄水用鋼板変色防止剤」の名称にて、シクロヘキシルアミンと、炭素数6〜14の脂肪族カルボン酸、脂肪族オキシカルボン酸またはこれらの水溶性塩からなる変色防止剤が提案されている(特許文献4を参照)。
特許第3048704号公報 特開2000−178775号公報 特開2000−273664号公報 特公平3−33784号公報
ところで、上記した特許文献1にて提案されている変色防止方法においては、水洗浄処理後の鋼板を酸洗浄処理槽に逆転通板して、鋼板の変色部を再度酸洗浄処理する方法を採っているが、当該変色防止方法では、逆転通板により酸洗浄処理槽に浸漬された部分の変色は除去されるが、同時に、一度水洗浄処理されて乾燥した正常部位を再度水洗浄処理することとなって、再度水洗浄処理された部位に変色が発生するという問題がある。
また、特許文献2に提案されている変色防止方法においては、酸洗浄処理後の鋼帯に黄変抑制薬剤を含むリンス液と窒素ガスとを混合して吹き付ける方法を採用しているが、当該変色防止方法では、黄変抑制薬剤が吹き付けてある部位での変色は効果的に抑制できるが、多量のミストが発生するという問題があり、リンス液のミストが酸洗浄処理槽に入り込み、酸液中で黄変抑制薬剤が遊離析出し、酸洗浄処理槽内に堆積したり、酸液配管や酸液循環ポンプに目詰まりを発生させる恐れがある。また、酸液に浸漬されていない鋼帯にリンス液のミストが付着すると、激しい変色が発生するという問題がある。
また、特許文献3に提案されている変色防止剤のごとく、有機ホスホン酸およびその塩を主要成分とする変色防止剤では、有機ホスホン酸単独で使用した場合、有機ホスホン酸自体の腐食性により鋼板が黒っぽく変色し、鋼板品質が低下する。有機ホスホン酸の塩を使用した場合においても、鋼板表面に残留した酸分と有機ホスホン酸の塩を構成するアルカリ成分が反応して遊離のホスホン酸が生成されるため、その腐食性により鋼板が変色するという問題がある。
また、特許文献4に提案されている変色防止剤のごとく、シクロヘキシルアミンとカルボン酸を組み合わせた成分を主要成分とする変色防止剤においては、鋼板表面に残留した酸分とシクロヘキシルアミンが反応し、変色防止効果が低下する。さらに、使用する変色防止剤の量が少ない場合には、シクロヘキシルアミンが完全に中和され、カルボン酸成分が遊離析出し、全く効果が得られない。
これらの従来の変色防止剤を用いた変色防止方法では、酸洗浄処理工程に引き続いてなされる水洗浄処理工程の初期において、酸洗後の鋼板表面に残留している酸分と水洗浄水が混ざり合う状況となるため、水洗浄水に変色防止剤を添加しても、変色防止剤中のアルカリ成分が酸分と中和反応してしまうため、変色防止剤本来の効果を得ることができない。このことから、変色防止剤の性能低下分を考慮して、変色防止剤の濃度を高濃度に設定するか、変色防止剤を添加した水洗浄水の量を増やす必要がある。このため、薬剤使用量が増大し、鋼板の処理コストの点や、廃水処理性の点から実用化が進んでいないのが実状である。
本発明の目的は、これらの問題に対処することにあり、鋼帯を酸洗浄処理し、次いで水洗浄処理し、最後に乾燥する一連の工程からなる鋼帯の酸洗浄処理工程において、当該酸洗浄処理工程の低速運転時や運転停止時に、水洗浄処理工程で発生する変色を、わずかな変色防止剤を使用することによって確実に防止することができ、環境にも優しい酸洗鋼帯の水洗浄処理方法を提供するものである。
本発明は、酸洗鋼帯の水洗浄処理方法に関する。本発明に係る酸洗鋼帯の水洗浄処理方法は、酸洗浄処理されて水洗浄処理槽に導入された鋼帯を、同水洗浄処理槽の導入側から導出側へ移行する間に連続的に水洗浄処理する方式の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法である。
しかして、本発明に係る水洗浄処理方法においては、前記水洗浄処理槽は、前記鋼帯の導入側が中和・変色防止処理域にかつ導出側が変色防止処理域に区分けされていて、前記酸洗鋼帯の酸洗部位が前記水洗浄処理槽を通過するに要する時間が少なくとも5分に低下した時点においては、前記中和・変色防止処理域では下記に示す第1の洗浄水にて洗浄し、かつ、前記変色防止処理域では下記に示す第2の洗浄水にて洗浄することを特徴とするものである。
第1の洗浄水は、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩、ホスホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩、ホスホン酸のアミン塩の群から選択される少なくとも1種の変色防止剤と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、前記変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で10〜1000mg/Lであり、かつ、前記アルカリ剤の濃度が0.1〜100mmol/Lの洗浄水である。
また、第2の洗浄水は、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩、ホスホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩、ホスホン酸のアミン塩の群から選択される少なくとも1種の変色防止剤を含有し、前記変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で10〜1000mg/Lの洗浄水である。
本発明に係る水洗浄処理方法においては、前記変色防止剤を含有する洗浄水を使用する洗浄処理では、上流側から下流側に段階的に、洗浄水中の変色防止剤の濃度を低くするようにすることができる。
また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、前記水洗浄処理の最終段階での洗浄水としては、変色防止剤やアルカリ剤を含有しない水を採用するようにすることができる。
また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、前記水洗浄処理の最終段階での洗浄水としては、カルボン酸のアミン塩から選択される少なくとも1種の変色防止剤をカルボン酸換算濃度で10〜10000mg/L含有する洗浄水を採用するようにすることができる。
また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、水洗浄処理工程の運転が停止された場合には、運転停止から2分の間に、アルカリ剤を含有する洗浄水を、前記アルカリ剤の濃度が5mmol/L以下の洗浄水に切り替えるようにすることができる。
また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、水洗浄処理工程の運転が停止された場合には、運転停止から2分の間に、前記変色防止剤を含有する洗浄水を、変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で200mg/L以下の洗浄水に切り替えるようにすることができる。
また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、各洗浄水による洗浄に水洗スプレーを上流側と下流側との間で多段階的に採用する場合には、水洗浄処理工程の運転停止から2分の間に、各水洗スプレーの少なくとも一部を停止するようにすることができる。
また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、各洗浄水による洗浄に水洗スプレーを上流側と下流側との間で多段階的に採用する場合には、水洗浄処理工程の運転停止中、各水洗スプレーを間欠的に停止するようにすることができる。
本発明に係る酸洗鋼帯の水洗浄処理方法は、水洗浄処理工程が低速運転や運転停止である場合に、水洗浄処理中の鋼帯に発生する変色を防止するための水洗浄処理方法である。本発明に係る水洗浄処理方法では、水洗浄処理の初期の工程である中和・変色防止域にて、特定の変色防止剤と特定のアルカリ剤を所定濃度含有する第1の洗浄水で酸洗鋼帯を洗浄し、中和・変色防止域に連続する変色防止域にて、特定の変色防止剤を所定濃度含有する第2の洗浄水にて酸洗鋼帯を洗浄するものである。
このため、水洗浄処理槽に導入された酸洗鋼帯に残留する酸分は、変色防止処理域での変色防止処理に先だって中和されることになり、変色防止処理域での酸分の中和に消費される変色防止剤の無駄な消費を防止することができる。すなわち、本発明に係る水洗浄処理方法においては、従来、酸分の中和に消費されている変色防止剤に替えて安価でかつ環境負荷の少ないアルカリ剤を使用するものであり、これにより、従来の変色防止剤の使用量より少ない量の変色防止剤の使用によって、従来と同等の変色防止効果を十分に発揮することができるという利点がある。
本発明に係る酸洗鋼帯の水洗浄処理方法によれば、変色防止剤の使用量を従来よりも低減して、酸洗鋼帯の水洗浄処理コスト、延いては、酸洗鋼帯の製造コストを下げることができることは勿論のこと、環境負荷を軽減させることができる。すなわち、本発明は、鋼帯を酸洗浄処理し、水洗浄処理し、乾燥する鋼帯の酸洗浄処理工程において、低速運転時または運転停止時に水洗浄処理中の酸洗鋼帯に発生する変色を、わずかな変色防止剤の使用により確実に防止するものであり、多量の変色防止剤の使用による環境負荷を大幅に軽減することができる。従って、本発明によれば、環境に優しく、産業上極めて有用な酸洗鋼帯の水洗浄処理方法を提供することができる。
本発明に係る酸洗鋼帯の水洗浄処理方法は、鋼帯を酸洗浄処理し、水洗浄処理し、乾燥する鋼帯の一連の工程において、鋼帯の酸洗処理された部位が水洗浄処理工程の水洗浄処理槽を通過するに要する時間が例えば1分以上となるような低速運転時や運転停止時に、酸洗鋼帯を、水洗浄処理槽の導入側に設けた中和・変色防止域(水洗浄処理槽における全長の1/50〜2/3の範囲)では、下記に示す第1の洗浄水にて洗浄し、これに続いて設けた変色防止域では、中和・変色防止洗浄処理された鋼帯を、下記に示す第2の洗浄水にて洗浄するものである。
本発明に係る水洗浄処理方法で使用する第1の洗浄水は、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩、ホスホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩、ホスホン酸のアミン塩の群から選択される少なくとも1種の変色防止剤と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、前記変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で10〜1000mg/Lであり、かつ、前記アルカリ剤の濃度が0.1〜100mmol/Lの洗浄水である。
また、本発明に係る水洗浄処理方法で使用する第2の洗浄水は、カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩、ホスホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩、ホスホン酸のアミン塩の群から選択される少なくとも1種の変色防止剤を含有し、前記変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で10〜1000mg/Lの洗浄水である。
本発明に係る水洗浄処理方法で使用する第1の洗浄水、および、第2の洗浄水に採用する変色防止剤の構成成分であるカルボン酸としては、メチルコハク酸、エチルコハク酸、アリルコハク酸、ブチルコハク酸、ブテニルコハク酸、ペンチルコハク酸、ペンテニルコハク酸、ヘキシルコハク酸、ヘキセニルコハク酸、ヘプチルコハク酸、ヘプテニルコハク酸、オクチルコハク酸、オクテニルコハク酸、ノニルコハク酸、ノネニルコハク酸、デシルコハク酸、デセニルコハク酸、フェニルコハク酸、ベンジルコハク酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、p−t−ブチル安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等を挙げることができる。
また、当該変色防止剤の構成成分であるホスホン酸としては、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタ(メチレンホスホン酸)等を挙げることができる。
当該変色防止剤は、好ましくは、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩であり、より好ましくは、カルボン酸のアルカリ金属塩である。また、変色防止剤は、カルボン酸やホスホン酸のアルカリ金属塩またはアミン塩は、正塩であっても良くまた部分塩であっても良い。好ましくは正塩である。
カルボン酸やホスホン酸のアルカリ金属塩またはアミン塩を主要成分とする変色防止剤の調製では、中和当量よりも過剰なアルカリ金属の水酸化物またはアミンをカルボン酸やホスホン酸に添加しても良いが、これらを多量に添加した場合は、当該変色防止剤によって調製された洗浄水を使用すると、循環使用する洗浄水のpHが高くなり過ぎることから、鉄イオンが水酸化物として析出し、槽内に堆積したり、配管内に堆積する等の問題が発生する恐れがある。このため、過剰に添加しても良いアルカリ金属の水酸化物またはアミンの量は、洗浄水に調製された状態で5mmol/L以下とすることが好ましい。
本発明に係る水洗浄処理方法で使用する第1の洗浄水の調製に採用するアルカリ剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを挙げることができ、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。これらのアルカリ剤以外にも、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩にも同様の中和作用を有するものはあるが、変色防止剤の成分と反応して不溶性の塩となり析出することから好ましくない。また、アミン系化合物などの有機化合物にも同様の中和作用を有するものはあるが、廃水処理が困難であることから好ましくない。
当該アルカリ剤を含有する第1の洗浄水による酸洗鋼帯の洗浄は、水洗浄処理工程を構成する水洗浄処理槽の導入側から水洗浄処理槽全長の1/50〜2/3の範囲で行うことが好ましい。第1の洗浄水による酸洗鋼帯の洗浄を、水洗浄処理槽の導入側から水洗浄槽全長の1/50未満の範囲で行う場合には、中和洗浄の効果が十分には得られず、2/3の範囲を越えて行う場合には、それ以上の中和洗浄効果は得られないための不経済であり、また、循環使用する洗浄水のpHが高くなり過ぎることから、鉄イオンが水酸化物として析出し、槽内に堆積したり、配管内に堆積する等の問題が発生するおそれがある。
第1の洗浄水におけるアルカリ剤の含有量は、0.1〜100mmol/Lとすることが好ましい。アルカリ剤が0.1mmol/L未満の場合には、酸分が十分には中和されず、変色防止剤の変色防止効果が十分には得られない。また、アルカリ剤の含有量が100mmol/Lを越える場合には、循環使用する洗浄水のpHが高くなり過ぎ、上述したような問題が発生するおそがある。特に、変色防止剤とアルカリ剤を含有する第1の洗浄水では、pHが8.5未満とならないよう、アルカリ剤を含有させることが必要である。第1の洗浄水のpHが8.5未満の場合には、酸分が十分には中和されず、変色防止剤の変色防止効果が損なわれるために好ましくない。
また、水洗浄処理槽の導入側では、酸洗浄処理工程で使用した酸分である塩素イオンや硫酸イオンなどの腐食因子となる溶存イオンが混在するために、水洗浄処理槽の導出側に比べ高濃度の変色防止剤を必要とする。従って、変色防止剤の濃度が単一の濃度である洗浄水を使用して、十分な変色防止効果を得るためには、洗浄水の変色防止剤濃度を、水洗浄処理槽の導入側で必要とされる濃度に設定する必要があるが、かかる変色防止剤の濃度は、水洗浄処理槽の導出側では、結果的には、必要以上に高濃度となって無駄となる。
本発明に係る水洗浄処理方法では、水洗浄処理槽における酸洗鋼帯の導入側から導出側へ、変色防止剤の濃度が段階的に低くなる洗浄水を使用することが好ましく、これにより、水洗浄処理工程で使用する変色防止剤の総使用量を低減することができるとともに、廃水処理に対する負荷を軽減させることができる。
水洗浄処理工程および乾燥処理工程を経た鋼帯の表面に変色防止剤が多量に残留した場合、残留する変色防止剤がその後の工程での脱脂性、化成処理性、メッキ性等に悪影響を及ぼす場合がある。このため、本発明に係る水洗浄処理方法においては、低速運転時、最終の洗浄では、変色防止剤を含有しない洗浄水(以下これを非含有剤水という)を使用することが好ましい。また、これに替えて、脱脂性、化成処理性、メッキ性等に悪影響が少ないカルボン酸アミン塩から選ばれる1種または2種以上を、カルボン酸換算濃度で10〜10000mg/Lの濃度に調製した洗浄水を、最終の洗浄水として使用することも好ましい。当該洗浄水は、防錆機能を発揮する。
本発明に係る水洗浄処理方法において、水洗浄処理工程の運転が停止された場合、鋼帯の表面の酸分がすぐに中和された状態となることから、本発明に係る水洗浄処理方法では、運転停止0〜2分の間に、第1の洗浄水を、アルカリ剤の含有量が5mmol/L以下の洗浄水に切り替えることが好ましい。運転停止中のアルカリ剤の使用量を少なくすることによって、循環使用する洗浄水の過剰なpHの上昇を抑制することができる。
また、運転停止中の鋼帯は、その表面が清澄に洗浄されていて、腐食因子である塩素イオンや硫酸イオンなどが除去された状態にあることから、高濃度の変色防止剤を必要としない。このため、本発明に係る水洗浄処理方法においては、運転停止0〜2分の間に、第1の洗浄水および第2の洗浄水を、変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で200mg/L以下の濃度である洗浄水に切り替えることが好ましい。これにより、変色防止剤の使用量を低減し、廃水処理に対する負荷を軽減させることができる。
また、水洗浄処理工程の運転停止中、上記した理由により、鋼帯の表面は清浄な状態であることから、常に水洗スプレーを稼働させる必要がなく、鋼帯の表面が乾かない状態を保つことによって、鋼帯の変色の発生を抑えることができる。このため、本発明に係る水洗浄処理方法においては、運転停止0〜2分の間に、水洗スプレーの1/3以上を停止させることが好ましい。これにより、変色防止剤の使用量を低減し、廃水処理に対する負荷を軽減させることができる。また、本発明に係る水洗浄処理方法においては、同様の理由から、運転停止中、水洗スプレーを間欠的に停止させるようにすることもできる。
本発明に係る水洗浄処理方法において使用する各洗浄水の調製には、適宜の調製方法を採ることができる。第1の洗浄水の調製では、変色防止剤およびアルカリ剤を設定された一定比率で混合して水を含まない状態に調製し、使用時に、当該混合物の一定量を一定量の水に添加して、変色防止剤およびアルカリ剤が設定された濃度になるように調製する方法、変色防止剤およびアルカリ剤の設定された一定比率の量を水に直接添加して、変色防止剤およびアルカリ剤が設定濃度になるように調製する方法、変色防止剤およびアルカリ剤を、設定された一定比率より過剰量水に添加して高濃度の水溶液(洗浄用原液)に調製しておき、使用する際に、変色防止剤およびアルカリ剤が設定された濃度になるように希釈して調製する方法等を採ることができる。
また、第2の洗浄水の調製では、変色防止剤の設定された一定量を水に直接添加して、変色防止剤が設定濃度になるように調製する方法、変色防止剤の過剰量を水に添加して高濃度の水溶液(洗浄用原液)に調製しておき、使用時に、変色防止剤が設定された濃度になるように調製する方法等を採ることができる。
なお、本発明に係る水洗浄処理方法で使用する各洗浄水の調製では、変色防止剤やアルカリ剤を使用する他に、必要に応じて他の機能性剤、例えば、腐食抑制剤、界面活性剤、キレート剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、分散剤等を併用することができる。
次ぎに、本発明に係る水洗浄処理方法を実施することができる酸洗浄処理装置について説明する。図1には、酸洗浄処理工程、水洗浄処理工程、および乾燥工程の一連の工程を具備する鋼帯の酸洗浄処理装置の一実施形態を示している。当該酸洗浄処理装置は、被処理鋼帯を巻回するペイオフリールR1とテンションリールR2の間に配設した鋼帯を貯込む上流側の貯込み機構10aと下流側の貯込み機構10b間に、酸洗浄処理機構20、水洗浄処理機構30、および乾燥処理機構40を備えている。酸洗浄処理機構20は、被処理鋼帯S1の酸洗浄処理工程を構成し、水洗浄処理機構30は酸洗浄処理を終えた酸洗鋼帯S2の水洗浄処理工程を構成し、乾燥処理機構40は水洗浄処理を終えた水洗鋼帯S3の乾燥処理工程を構成している。
当該酸洗浄処理装置を構成する上流側の貯込み機構10aおよび下流側の貯込み機構10b、酸洗浄処理機構20および乾燥処理機構40は、それ自体公知のものである。これに対して、水洗浄処理機構30は、本発明に係る水洗浄処理方法を実施することができるように構成されているものである。
上流側の貯込み機構10aは、固定して配設されている前後一対のブライドルロール11,12と、これらブライドルロール11,12間に移動可能に配設されているループカー13からなるもので、ペイオフリールR1と前側のブライドルロール11間には溶接機14が配設されている。また、下流側の貯込み機構10bは、、固定して配設されている前後一対のブライドルロール15,16と、これら両ブライドルロール15,16間に移動可能に配設されているループカー17からなるもので、後側のブライドルロール16とテンションリールR2間にはオイラー18が配設されている。
酸洗浄処理機構20は、複数の酸洗浄処理槽21を直列的に配置してなるもので、後側のブライドルロール12を通して搬送される被処理鋼帯S1を各酸洗浄処理槽21に順次導入し、最終の酸洗浄処理槽21から導出するようになっている。この間、被処理鋼帯S1は、各酸洗浄処理槽21内の酸洗浄水に順次浸漬されて酸洗浄処理され、導出側ロール22を通して導出されて、次工程である水洗浄処理工程へ酸洗鋼帯S2として導入される。また、水洗浄処理機構30が構成する水洗浄処理工程では、酸洗浄処理された酸洗鋼帯S2は各洗浄水で水洗浄処理され、乾燥処理工程40を経て下流側の貯込み機構10bに導出され、貯込み機構機構10bを経てテンションリールR2に巻取られる。
しかして、当該水洗浄処理機構30については、その第1の実施形態である第1の水洗浄処理機構30aを図2に示し、かつ、その第2の実施形態である第2の水洗浄処理機構30bを図3に示している。
第1の水洗浄処理機構30aは、図2に示すように、直列的に配置されている洗浄水貯留槽31a〜31cを有する水洗浄処理槽31と、水洗浄処理槽31の下方部に配設されている複数の収容タンク32a〜32eと、各収容タンク32a〜32eに連結されている複数の通水管路33と、各洗浄水供給管路34と、各洗浄水供給管路34に連結されている第1水洗スプレー群35a、第2スプレー群35b、第3スプレー群35cにて構成されている。各通水管路33の途中、および、各洗浄水給水管路34の途中には、給水ポンプ36が配設されている。
第1収容タンク32aは、高濃度に調製されたアルカリ剤水溶液を収容するタンクであり、第2収容タンク32bは、高濃度に調製された変色防止剤水溶液を収容するタンクである。第1収容タンク32aは、第3収容タンク32cに通水管路33を介して連結されている。第2収容タンク32bは、各通水管路33を介して、第3収容タンク32c、第4収容タンク32d、および第5収容タンク32eにそれぞれ連結されている。
第3収容タンク32cは、第1水洗スプレー群35aの各スプレーノズルに連結されている洗浄水供給管路34を備えていて、同収容タンク32cには、水供給管路37の分岐管路が連結されている。第4収容タンク32dは、第2水洗スプレー群35bの各スプレーノズルに連結されている洗浄水供給管路34を備えていて、同収容タンク32dには、水給水管路37の分岐管路が連結されている。第5収容タンク32eは、第3水洗スプレー群35cの各スプレーノズルに連結されている洗浄水供給管路34を備えていて、同収容タンク32eには、水給水管路37の分岐管路が連結されている。
かかる構成の第1の水洗浄処理機構30aにおいては、第3収容タンク32cにて第1の洗浄水が調製され、第4収容タンク32dおよび第5収容タンク32eにて第2の洗浄水が調製される。第3収容タンク32cには、第1収容タンク32aから高濃度のアルカリ剤水溶液が、第2収容タンク32bから高濃度の変色防止剤水溶液が、水供給管路37の分岐管路部から水がそれぞれ所定量導入される。第3収容タンク32cに導入された各水溶液および水は、互いに均一に混合されて設定された所定濃度の第1の洗浄水に調製される。調製された第1の洗浄水は、洗浄水供給管路34を通して第1水洗スプレー群35aの各スプレーノズルに供給され、第1水洗スプレー群35aの各スプレーノズルから酸洗鋼帯S2に噴射される。これにより、酸洗鋼帯S2は第1の洗浄水によって洗浄される。
また、第4収容タンク32dおよび第5収容タンク32eには、第2収容タンク32bから高濃度の変色防止剤水溶液が、水供給管路37の分岐管路部から水がそれぞれ所定量導入される。第4収容タンク32dおよび第5収容タンク32eに導入された水溶液および水は、互いに均一に混合されて設定された所定濃度の第2の洗浄水に調製される。第4収容タンク32dにて調製された第2の洗浄水は、洗浄水供給管路34を通して第2水洗スプレー群35bの各スプレーノズルに供給され、第2水洗スプレー群35bの各スプレーノズルから酸洗鋼帯S2に噴射される。また、第5収容タンク32eにて調製された第2の洗浄水は、洗浄水供給管路34を通して第3水洗スプレー群35cのスプレーノズルに給水され、第3水洗スプレー群35cの各スプレーノズルから酸洗鋼帯S2に噴射される。これにより、酸洗鋼帯S2は、第2水洗スプレー群35bおよび第3水洗スプレー群35cにて、第2の洗浄水によって洗浄される。
図3に示す第2の水洗浄処理機構30bにおいては、第1の水洗浄処理機構30aで採用している各収容タンク32c〜32eを省略し、これに替えて、各洗浄水を各洗浄水供給管路34内にて調製する手段を採っている。第2の水洗浄処理機構30bのその他の構成および機能は、第1の水洗浄処理機構30aと実質的に同一であるため、第1の水洗浄処理機構30aの構成部材と同一の構成部材については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
以下には、本発明に係る水洗浄処理方法の実施例(方法1〜4)、および、これに対応する比較例(方法5〜7)、これらの実施例および比較例による変色防止効果を裏付けるための実験(実験1〜7)、および、比較実験(比較実験1〜6)を示す。
各方法は、図4に模式的に示す水洗浄処理工程において、酸洗鋼帯S2の酸洗処理された部位が水洗浄処理槽31を通過するに要する時間が2分となる低速運転を2分間行った後、運転を2分間停止した場合を想定し、本発明に係る水洗浄処理方法の実施例として下記の方法1〜4を設定し、従来の水洗浄処理方法である比較例として下記の方法5〜7を設定した。
また、各実験では、運転停止中に図4中AおよびBに位置する鋼帯を想定し、下記試験条件により実験1〜7および比較実験1〜6を行った。その結果を表1に示す。また、実施例(方法1〜4)および比較例(方法5〜7)の1分間あたりのカルボン酸またはホスホン酸使用量を、比較例(方法7)の使用量を1として算出した比率を表2に示す。
[方法1(実施例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、各スプレーノズル1から、第1の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を噴射し、各スプレーノズル2〜6から、第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L含有)を噴射して酸洗鋼帯を水洗浄処理する。
[方法2(実施例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、各スプレーノズル1から、第1の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を噴射し、各スプレーノズル2〜5から第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として50mg/L含有)を噴射し、各スプレーノズル6から変色防止剤やアルカリ剤を含有しない水(非含有剤の水)を噴射して水洗浄処理する。
[方法3(実施例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、各スプレーノズル1から、第1の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を噴射し、各スプレーノズル2〜5から、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として50mg/Lを含有)を噴射し、各スプレーノズル6から、非含有剤の水を噴射して酸洗鋼帯を水洗浄処理する。但し、運転停止1分経過後には、各スプレーノズル1〜5から噴射させる洗浄水は第2の洗浄水とする。
[方法4(実施例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、各スプレーノズル1から、第1の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を噴射し、各スプレーノズル2〜5から、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として50mg/L含有)を噴射し、各スプレーノズル6から、非含有剤の水を噴射して酸洗鋼帯を水洗浄処理する。但し、運転停止30秒経過後には各洗浄水の噴射を停止し、運転停止1分経過以降は、30秒間隔で間欠的に、各スプレーノズル1から洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L含有)を噴射し、各スプレーノズル2〜5から第2の洗浄水を噴射し、かつ、各スプレーノズル6から非含有剤の水を噴射する。
[方法5(比較例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、各スプレーノズル1〜6から、第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L含有)を噴射して酸洗鋼帯を水洗浄処理する。
[方法6(比較例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、スプレーノズル1〜6から、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L含有)を噴射して酸洗鋼帯を水洗浄処理する。
[方法7(比較例)]:低速運転中、または、その後の運転停止中の酸洗鋼帯に、スプレーノズル1〜6から、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として200mg/L含有)を噴射して酸洗鋼帯を水洗浄処理する。
[実験方法]:実験および比較実験では、試験片として熱延軟鋼材(2.3×70×100mm)を採用し、試験片を90℃の酸洗浄液(酸液組成、HCl…7w/v%、Fe2+…9w/v%(FeClとして添加)、ヒビロンA−5(スギムラ化学工業株式会社製)…0.03w/v%)に30秒間浸漬して酸洗浄処理する。酸洗浄処理した試験片S(酸洗鋼帯に相当する)を酸洗浄液が付着したまま水平に置き、図5に示すように、試験片Sに対し垂直に40℃の洗浄水Wを噴射する。噴射洗浄終了後、水道水の流水中で10秒間水洗し、ただちに試験片Sをドライヤーで乾燥して黄変発生の有無を確認した。なお、図5における試験片Sの表面上の領域W1は、洗浄水Wの拡がりを示し、また、領域W2は、洗浄水Wの拡がり領域W1に対する洗浄水Wの戻り状態を示している。
本実験および本比較実験では、スプレーノズル35として、均等扇形ノズル(1/4M-VEP-5039,いけうち製)を採用して、試験片−ノズル間距離を65mmとして、試験片Sに噴射圧0.2MPaで噴射する手段を採っている。
[評価基準]:本実験および本比較実験での評価は、◎…変色なし、○…わずかに変色発生、△…明確に変色発生、×…激しく変色発生の4段階によって行った。
[実験1]:方法1(実施例)および方法2(実施例)を採用した場合の、図4中Aの部位における運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を2分間噴射する。
[実験2]:方法1(実施例)を採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を20秒間噴射し、次いで、第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/Lを含有)を3分40秒間噴射する。
[実験3]:方法2(実施例)を採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を20秒間噴射し、次いで、第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として50mg/Lを含有)を1分40秒間噴射し、さらに、非含有剤の水を2分間噴射する。
[実験4]:方法3(実施例)を採用した場合の、図4中Aの部位における運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…D5mmol/Lを含有)を1分間噴射し、次いで、第2洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/Lを含有)を1分間噴射する。
[実験5]:方法3(実施例)を採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/Lを含有)を20秒間噴射し、次いで、第2の洗浄水(アゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として50mg/Lを含有)を1分40秒間噴射し、さらに、非含有剤の水を2分間噴射する。
[実験6]:方法4(実施例)を採用した場合の、図4中Aの部位における運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を30秒間噴射した後、30秒間噴射を停止した状態で放置する。さらに、洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L含有)を、30秒間噴射した後、30秒間噴射を停止した状態で放置する。
[実験7]:方法4(実施例)採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第1の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L、アルカリ剤である水酸化ナトリウム…Dを5mmol/L含有)を20秒間噴射し、次いで、第2の洗浄水(アゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として50mg/L含有)を1分40秒間噴射する。さらに、非含有剤の水を30秒間噴射した後30秒間噴射を停止し、30秒間噴射した後、30秒間噴射を停止した状態で放置する。
[比較実験1]:方法5(比較例)を採用した場合の、図4中Aの部位における運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L含有)を2分間噴射する。
[比較実験2]:方法5(比較例)を採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第2の洗浄水(変色防止剤である1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ジナトリウム…Cを1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸濃度として100mg/L含有)を4分間噴射する。
[比較実験3]:方法6(比較例)を採用した場合の、図4中Aの部位における運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L含有)を2分間噴射する。
[比較実験4]:方法6(比較例)を採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として100mg/L含有)を4分間噴射する。
[比較実験5]:方法7(比較例)を採用した場合の、図4中Aの部位における運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として200mg/L含有)を2分間噴射する。
[比較実験6]:方法7(比較例)を採用した場合の、図4中Bの部位における低速運転運転停止中の変色防止効果を確認するため、酸洗浄処理後の試験片S上に、第2の洗浄水(変色防止剤であるアゼライン酸ジカリウム…Eをアゼライン酸濃度として200mg/L含有)を4分間噴射する。
Figure 2006028574
Figure 2006028574
酸洗鋼帯を水洗浄処理する水洗浄処理工程を備える酸洗浄処理装置の一例を示す概略構成図である。 同水洗浄処理工程を構成する第1の水洗浄処理機構の概略構成図である。 同水洗浄処理工程を構成する第2の水洗浄処理機構の概略構成図である。 本発明に係る水洗浄処理方法の実施例で採用した水洗浄処理機構の一部を省略した概略構成図である。 水洗浄処理実験で試験片上に噴射した洗浄水の拡がり状態を示す模式図である。
符号の説明
10a,10b…貯込み機構、11,12、15,16…ブライドルロール、14…溶接機、13,17…ループカー、18…オイラー、20…酸洗浄処理機構、21…酸洗浄処理槽、22…導出側ロール、30,30a,30b…水洗浄処理機構、31…水洗浄処理槽、31a〜31c…洗浄水貯留槽、32a〜32e…収容タンク、33…通水管路、34…洗浄水供給管路、35a〜35c…水洗スプレー群、35a〜35c(1〜6)…スプレーノズル、36…給水ポンプ、37…水供給管路、40…乾燥処理機構、R1…ペイオフリール、R2…テンションリール、S…試験片(鋼材)、S1…被処理鋼帯、S2…酸洗鋼帯、S3…水洗鋼帯、W…洗浄水、W1…洗浄水の試験片上での拡がり、W2…洗浄水の試験片上での戻り。

Claims (8)

  1. 酸洗浄処理されて水洗浄処理槽に導入された鋼帯を、同水洗浄処理槽の導入側から導出側へ移行する間に連続的に水洗浄処理する方式の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法であり、前記水洗浄処理槽は、前記鋼帯の導入側が中和・変色防止処理域にかつ導出側が変色防止処理域に区分けされていて、前記酸洗鋼帯の酸洗部位が前記水洗浄処理槽を通過するに要する時間が少なくとも5分に低下した時点においては、前記中和・変色防止処理域では下記(1)に示す第1の洗浄水にて洗浄し、かつ、前記変色防止処理域では下記(2)に示す第2の洗浄水にて洗浄することを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
    (1)第1の洗浄水:カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩、ホスホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩、ホスホン酸のアミン塩の群から選択される少なくとも1種の変色防止剤と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、前記変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で10〜1000mg/Lであり、かつ、前記アルカリ剤の濃度が0.1〜100mmol/Lである洗浄水。
    (2)第2の洗浄水:カルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアミン塩、ホスホン酸、ホスホン酸のアルカリ金属塩、ホスホン酸のアミン塩の群から選択される少なくとも1種の変色防止剤を含有し、前記変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で10〜1000mg/Lである洗浄水。
  2. 請求項1に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、前記変色防止剤を含有する洗浄水を使用する洗浄処理では、上流側から下流側に段階的に、洗浄水中の変色防止剤の濃度を低くすることを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、前記水洗浄処理の最終段階での洗浄水として水を採用することを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
  4. 請求項1または2に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、前記水洗浄処理の最終段階での洗浄水としては、カルボン酸のアミン塩から選択される少なくとも1種の変色防止剤をカルボン酸換算濃度で10〜10000mg/L含有する洗浄水を採用することを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、水洗浄処理工程の運転が停止された場合には、運転停止から2分の間に、アルカリ剤を含有する洗浄水を、アルカリ剤の濃度が5mmol/L以下の洗浄水に切り替えることを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、水洗浄処理工程の運転が停止された場合には、運転停止から2分の間に、変色防止剤を含有する洗浄水を、変色防止剤の濃度がカルボン酸およびホスホン酸換算濃度で200mg/L以下の洗浄水に切り替えることを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
  7. 請求項1〜6に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、各洗浄水による洗浄に水洗スプレーを上流側と下流側との間で多段階的に使用している場合には、水洗浄処理工程の運転停止から2分の間に、各水洗スプレーの少なくとも一部を停止することを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
  8. 請求項1〜7に記載の酸洗鋼帯の水洗浄処理方法において、各洗浄水による洗浄に水洗スプレーを上流側と下流側との間で多段階的に使用している場合には、水洗浄処理工程の運転停止中、間欠的に、各水洗スプレーを停止することを特徴とする酸洗鋼帯の水洗浄処理方法。
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