JP4226239B2 - 酸洗鋼材の変色防止処理方法 - Google Patents

酸洗鋼材の変色防止処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸洗により活性化された鋼材表面を効果的に保護して、錆等の発生に起因する黄変等の変色を防止することができる酸洗鋼材の変色防止処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材を大気中で熱間加工や熱処理を行った場合、鋼材の表面には酸化スケールが生成する。発生する酸化スケールが緻密な場合には、それ自身が母材の保護膜として機能することから、熱間加工や熱処理後の鋼材にメッキや塗装等を施すことなく使用される用途に使用される鋼材については、酸化スケールが付着したままの状態で使用に供される。しかしながら、鋼材は、熱間加工や熱処理後にメッキや塗装等を施されて使用に供されることが多く、また、鋼材の表面に生成する酸化スケールが緻密でないことが多いことを考慮して、鋼材の表面に生成する酸化スケールを除去するのが一般である。
【0003】
鋼材の表面に生成した酸化スケールを除去する手段としては、鋼材を塩酸や硫酸等により酸洗処理して酸化スケールを除去する化学的方法や、鋼材にブラッシングやショットブラスト等を施して酸化スケールを除去する物理的方法が採用され、これらの方法により酸化スケールを除去された鋼材は、塑性加工、メッキ、塗装等を施されて、自動車用鋼材、電気製品用鋼材、建材用鋼材等の最終製品となる。特に、塩酸や硫酸等により酸洗処理する化学的方法は、鋼材の表面に生成された酸化スケールを除去する手段として、頻繁に使用されている。
【0004】
ところで、表面に生成している酸化スケールを除去された鋼材の表面は、活性に富んでいて酸化し易いという問題がある。特に、酸洗処理によって表面の酸化スケールを除去された鋼材には、その表面に鉄イオンを大量に含有する酸液が付着していることから、この酸液を水洗によって除去することが不可欠であるが、操業上のトラブル等の発生により、やむを得ず、ラインを低速運転しまたはラインを停止した場合には、鋼材の水洗処理中に鋼材の表面に錆が発生する。この結果、鋼材の表面が錆に起因して黄変等に変色し、鋼材としての商品価値を大きく低下させるおそれがある。
【0005】
このため、従来から、酸洗処理後の鋼材の変色を防止する効果的な手段の開発が要請されており、当該手段としては下記に示す多くの文献、すなわち、特公昭60−25505号公報(第1の文献)、特開昭61−207588号公報(第2の文献)、特開平5−140773号公報(第3の文献)、特開平10−140380号公報(第4の文献)、特開昭61−195983号公報(第5の文献)、特開昭61−253389号公報(第6の文献)、特開平1−246384号公報(第7の文献)、特公平7−835号公報(第8の文献)等に多数提案されている。
【0006】
これら各文献中、第1の文献には、水洗中に鋼板が空気に曝される空走時間を制御することにより黄変を防止する方法が開示されている。第2の文献には、水洗中に鋼板表面を湿潤状態に保持して冷却することにより変色を防止する方法が開示されている。第3の文献には、酸洗により鋼板に黄変が発生した場合に鋼板を逆転通板して、再度酸洗浴槽に浸漬して黄変部分を除去する方法が開示されている。第4の文献には、鋼板の搬送中断時にリンス槽内の空気を窒素または窒素と水蒸気の混合気体で置換することにより黄変を防止する方法が開示されている。
【0007】
また、これらの文献中、第5の文献には、酸洗槽から出た鋼板にキレート剤を噴霧した後水洗することにより変色を防止する方法が開示されている。第6の文献には、リンスセクションで各処理液に浸漬されない鋼板部位に、鉄イオンをキレートするカルボン酸系変色防止剤を塗布することにより変色を防止する方法が開示されている。第7の文献には、酸洗槽から引き上げた鋼板をリンガーロールに通し、次いで、酸素が大気より低い雰囲気中に通しその後にキレート剤を塗布することとし、鋼板の搬送停止時には、酸洗槽の酸洗液面からリンガーロールに至る部分に酸洗液を噴霧することにより変色を防止する方法が開示されている。第8の文献には、酸洗後の鋼板を、変色防止剤を含有する液に接触させた後に、アミノ基またはカルボキシル基を持つ化合物を含有するリンス水に接触させることにより変色を防止する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、酸洗処理後の鋼材の変色を防止するための方法は多数提案されているが、これらのいずれの方法においても、鋼材の変色を十分に防止することができるとはいえない。
【0009】
例えば、第1の文献および第2の文献に開示されている方法においては、黄変の防止可能な時間が短く、鋼板の処理工程でトラブルが発生して一時的に運転を停止した場合や、極低速で運転しなければならない状態に遭遇した場合には、鋼板における黄変の発生は避けられない。
【0010】
また、第3の文献に開示されている方法においては、逆転通板によって、鋼板の黄変発生部位の全てを酸洗槽に再度浸漬するには、鋼板を数十米という長い部位にわたって逆転させる必要があり、逆転に起因して、鋼板が蛇行する等のトラブルが発生するおそれがある。また、鋼板の逆転により、鋼板の黄変が発生していない部位では再度リンスされる結果、当該部位には薄い黄変が発生するという問題がある。
【0011】
また、第4の文献に開示されている方法においては、水洗水中の溶存酸素との反応によって鋼板に発生する黄変に対しては、その防止効果はほとんど認められない。
【0012】
また、第5の文献、第6の文献、および第7の文献に開示されている方法においては、鋼板の表面のキレート剤が水洗によって容易に洗い流されることから、鋼材にはキレート剤が存在しない部位が発生し、当該部位と水洗水中の溶存酸素との反応による黄変に対しては、その防止効果はほとんど認められない。また、別の問題として、これらキレート剤を使用した変色防止処理方法では、廃水中にキレート剤が含まれるため、通常の中和凝集沈澱処理では、キレート剤およびキレートした鉄を除去することができず、廃水処理後の排水が大量のキレート剤および鉄分を持出して、環境を汚染するおそれがある。
【0013】
また、第8の文献に開示されている方法においては、十分な変色防止効果を発揮し得ない従来の変色防止剤の防止効果を補強するため、鋼板を、高濃度の変色防止剤を含有する変色防止液に接触させた後に、アミノ基またはカルボキシル基を持つ化合物を少量含有するリンス水に接触させることにより、鋼板の変色を防止するものである。
【0014】
しかしながら、当該変色防止処理方法を酸洗後の鋼板に適用する場合には、変色防止剤が鋼板に付着している酸液との反応によってその変色防止機能を消失することから、鋼板に接触させる変色防止液における変色防止剤の濃度をさらに高く設定しておく必要がある。このため、当該変色防止処理方法を採用することは、経済的に不利であるとともに、廃水処理に対する負担も増大することになる。また、当該変色防止処理方法では、最終のリンス工程においてアミノ基やカルボキシル基を持つ化合物が鋼板の表面に付着し、処理済みの鋼板はこれらの化合物を付着したままの状態で次工程に搬送されることになって、これが次工程でのトラブルの発生を惹起させるおそれがある。
【0015】
本発明は、これらの問題に対処することを意図したものであり、その目的とするところは、酸洗後の鋼材(酸洗鋼材)における黄変等の変色を確実に防止することができ、かつ、使用後の廃水処理が容易で環境を汚染することがない変色防止剤を使用する変色防止処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水溶性の変色防止剤を使用する酸洗鋼材の変色防止処理方法に関するものである。
【0017】
本発明に係る酸洗鋼材の変色防止処理方法は、酸洗後の酸液が付着する酸洗鋼材を下記に示す水溶性の変色防止剤を含有する下記に示す変色防止処理液で処理する変色防止処理工程と、変色防止処理された酸洗鋼材を水で洗浄する洗浄工程からなる酸洗鋼材の変色防止処理方法であり、前記変色防止処理工程では酸洗鋼材の表面に前記変色防止剤からなる保護皮膜を形成し、前記洗浄工程では保護皮膜を形成された酸洗鋼材に付着する前記変色防止剤を水洗して除去することを特徴とするものである。
【0018】
但し、前記変色防止剤は、塩酸を含むpH4の水溶液100gに対する15℃における溶解度が0.1g以下であり、かつ、pH7〜9の水溶液において鉄イオンと水溶性キレートまたは水溶性塩を形成しないカルボン酸からなるカルボン酸群から選択される少なくとも1種とナトリウム、カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種との正塩と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、前記アルカリ剤の含有量は前記カルボン酸1当量当たり0.3〜5当量である。
【0019】
また、前記変色防止処理工程で採用する前記変色防止処理液は、前記変色防止剤を前記カルボン酸濃度として10mg/L以上含有するものである。
【0020】
本発明に係る変色防止処理方法においては、前記変色防止処理液の調製を、前記変色防止剤の構成成分であるカルボン酸をアルカリ塩の状態で水に溶解することにより行うことができるとともに、前記変色防止剤の構成成分であるカルボン酸とアルカリ剤を別々に水に溶解して行うことができる。
【0021】
【発明の作用・効果】
本発明は、酸洗後の鋼材(酸洗鋼材)の黄変等の変色を確実に防止することができる水溶性の変色防止剤を使用して酸洗鋼材の変色を防止する方法を提供するものであり、下記に示す技術的知見に基づくものである。
【0022】
すなわち、当該技術的知見の第1は、酸性水中で溶解しないカルボン酸類は、酸液中の酸分と反応して析出することから、従来、酸洗鋼材の変色防止剤としては検討されなかったが、当該カルボン酸類を特定のアルカリ剤との塩とすることにより、酸洗鋼材の変色防止剤として使用されているキレート効果を有する化合物には無い優れた変色防止機能を有するということである。
【0023】
また、当該技術的知見の第2は、酸性水中で溶解しないカルボン酸類の塩を構成成分とする変色防止剤の水溶液は、酸洗後の酸液が付着している状態の鋼材(酸洗鋼材)の表面に直接接触することにより難溶性の保護皮膜を形成し、当該保護皮膜が優れた変色防止機能を持続するということである。
【0024】
また、当該技術的知見の第3は、酸性水中では溶解しないカルボン酸類の塩を構成成分とする変色防止剤を溶解する廃液を酸性にすることにより、カルボン酸は容易に析出して分離し、廃水から容易に除去することができるということである。
【0025】
また、当該技術的知見の第4は、pH7〜9のアリカリ水溶液中において、鉄イオンと水溶性キレート化合物や水溶性塩を形成しないカルボン酸類を変色防止剤の構成成分として選択することにより、キレート機能を有する化合物を構成成分として採用している変色防止剤において問題とされている廃水中の鉄イオンの処理を、通常の廃水処理工程で容易に除去することができるということである。
【0026】
本発明は、これらの多くの技術的知見に基づいてなされたもので、本発明においては、従来の変色防止剤では不可能とされていた、酸洗後の水洗時に鋼材の表面に発生する黄変等の変色を効果的に防止し得る変色防止剤を使用する変色防止処理方法を確立しているものである。
【0027】
しかして、本発明に係る変色防止処理方法で採用している水溶性変色防止剤においては、当該変色防止剤の構成成分を形成するカルボン酸は、pH4以下の酸性水中ではほとんど溶解しないため、酸洗後酸液が付着している状態の鋼材表面に接触することで、塩として溶解していたカルボン酸が鋼材の表面に析出して難溶性のカルボン酸吸着膜を形成する。このカルボン酸吸着膜は、難溶性の保護皮膜として鋼材の表面に対して優れた変色防止機能を発揮する。
【0028】
本発明にて特定しているカルボン酸とアルカリ剤との正塩を構成成分とする水溶性変色防止剤による処理においては、酸洗鋼材に付着する酸液が多い場合や酸液中の酸濃度が高い場合、酸洗鋼材の表面に接触するカルボン酸塩が鋼材表面に到達する前に、アルカリ成分が酸液中の酸成分と中和反応して消費され、この結果、カルボン酸の一部が遊離して析出することから、十分な変色防止効果が得られないおそれがある。しかしながら、本発明に係る水溶性変色防止剤においては、前記正塩を構成するナトリウム、カリウム、アンモニア、アミン類とは別に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を、前記カルボン酸1当量当たり0.3〜5当量以下含有している。このため、上記した問題は発生することがなく、鋼材の表面に、難溶性のカルボン酸吸着膜である保護皮膜を的確に形成することができ、鋼材の表面の変色を的確に防止することができる。
【0029】
本発明における変色防止処理工程で変色防止処理を受けた酸洗鋼材は、その後の洗浄工程で水洗されて、処理済みの酸洗鋼材の表面に付着する変色防止剤を除去されるが、鋼材表面に形成されたカルボン酸吸着膜である保護皮膜は、当該洗浄工程での水洗によっても容易には洗い流されず、鋼材表面を長時間保護することから、洗浄工程の水には変色防止剤を添加する必要がないという利点がある。
【0030】
本発明における変色防止処理工程から排出される水溶性変色防止剤を含有する廃水を処理する場合、廃水中に塩酸等の酸を投入して廃水を酸性にすることにより、塩の形態で溶解しているカルボン酸成分を速やかに析出させて沈澱または浮遊させることができる。このため、この状態の廃水を濾過等の分離手段によって処理することにより、カルボン酸成分を容易、かつ、確実に分離除去することができる。また、本発明に係る水溶性変色防止剤においては、主要構成成分を形成するカルボン酸は、pH7〜9の水溶液では、鉄イオンと水溶性キレート化合物や水溶性塩等を形成することがないため、中和凝集沈澱処理等の一般的な廃水処理によって、廃水が含有する鉄イオンを容易に分離除去することができる。
【0031】
このように、本発明によれば、従来の変色防止剤等の薬剤の使用によっては不可能とされていた、酸洗鋼材の水洗時に発生する黄変等の変色問題を効果的に解決することができ、かつ、変色防止処理後の廃水の処理が容易で環境を汚染することのない、酸洗鋼材の水溶性変色防止剤および変色防止処理方法を提供することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明は、酸洗後の酸液が付着する酸洗鋼材を変色防止処理液で処理する変色防止処理工程と、変色防止処理された酸洗鋼材を水で洗浄する洗浄工程とからなる変色防止処理方法である。本発明における変色防止処理工程で採用する変色防止処理液を調製する変色防止剤は、塩酸を含むpH4の水溶液100gに対する15℃における溶解度が0.1g以下であり、かつ、pH7〜9の水溶液において鉄イオンと水溶性キレートまたは水溶性塩を形成しないカルボン酸からなるカルボン酸群から選択される少なくとも1種とナトリウム、カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種との正塩と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、前記アルカリ剤の含有量は前記カルボン酸1当量当たり0.3〜5当量の水溶性変色防止剤である。
【0033】
本発明で規定する変色防止剤の構成成分を形成するカルボン酸は、塩酸を含むpH4の水溶液100gに対する15℃における溶解度が0.1g以下であり、かつ、pH7〜9の水溶液において鉄イオンと水溶性キレートまたは水溶性塩を形成しないものである。これらの特性を有するカルボン酸類としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、p−t−ブチル安息香酸、ケイ皮酸等を挙げることができる。
【0034】
当該変色防止剤の構成成分を形成するカルボン酸においては、塩酸を含むpH4の水溶液100gに対する15℃における溶解度が0.1gを越えると、変色防止機能の持続性が低下するだけではなく、廃水処理が困難となるため好ましくない。カルボン酸の溶解度は、好ましくは0.05g以下である。また、当該カルボン酸は、pH7〜9の水溶液において鉄イオンと水溶性キレートまたは水溶性塩を形成しないものである。かかる条件下において、鉄イオンと水溶性キレートまたは水溶性塩を形成するカルボン酸は、変色防止処理後の廃水処理が困難となるため不適である。
【0035】
当該変色防止剤の構成成分を形成するカルボン酸類は、水に対する溶解性が極めて低くて、そのままの状態では水溶性変色防止剤を構成し得ないため、当該カルボン酸類をナトリウム、カリウム、アンモニア、アミン類のいずれかのアルカリ剤と反応させて、塩の形態とすることにより水溶性とするものである。
【0036】
アルカリ剤としては、例えば、アミン類では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、モルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等を挙げることができる。また、ナトリウム、カリウム、アンモニアとしては、それらの単独、または、それらの水酸化物、炭酸化物等を挙げることができる。
【0037】
当該変色防止剤は、当該カルボン酸の正塩の他に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、当該アルカリ剤の含有量は前記カルボン酸1当量当たり0.3〜5当量の水溶性変色防止剤である。当該変色防止剤の使用に当たっては、当該変色防止剤の形態で水中に溶解して変色防止処理液を形成する態様を採ることができるとともに、カルボン酸とアルカリ剤を別々に水中に添加して水中で反応させて塩の形態にして、水に溶解して変色防止処理液を形成する態様を採ることもできる。
【0038】
当該変色防止剤は、水中に溶解した変色防止処理液の形態で、酸洗後酸液が付着している状態の鋼材(酸洗鋼材)に直接接触させる(変色防止処理)ものであって、これにより、酸洗鋼材の表面に変色防止機能を有する難溶性の保護皮膜を形成するものである。
【0039】
本発明における変色防止処理工程において、酸洗鋼材に付着する酸液が多い場合や酸液中の酸濃度が高い場合には、酸洗鋼材の表面に接触するカルボン酸塩が鋼材表面に到達する前に、アルカリ成分が酸液中の酸成分と中和反応して消費され、この結果、カルボン酸の一部が遊離して析出することから、十分な変色防止効果が得られないおそれがある。
【0040】
このような場合に対処する手段としては、当該変色防止剤においては、カルボン酸塩対して、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を、当該カルボン酸塩のカルボン酸1当量当たり0.3〜5当量付加している。これらのアルカリ剤を付加する手段としては、アルカリ剤をカルボン酸塩に直接含有させる手段を採ることができるとともに、当該カルボン酸塩が溶解している変色防止処理液中に添加して溶解させる間接的な手段を採ることがきる。採用されるアミン類としては、当該カルボン酸塩を形成するための、上記した各化合物等を挙げることができる。アルカリ剤としては、変色防止処理後の廃水処理の問題を考慮すれば、廃水処理の容易さの点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0041】
当該カルボン酸塩に対するこれらのアルカリ剤の付加量は、カルボン酸1当量に対して0.3〜5当量である。アルカリ剤の付加量が5当量を越えると、変色防止処理液のpHが高くなりすぎて、変色防止処理液が酸液と接触した際に酸洗鋼材の表面に難溶性の保護皮膜が形成され難く、また、水酸化鉄が急速に析出して酸洗鋼材の表面に付着し、鋼材の表面を変色させるおそれがあって好ましくない。アルカリ剤として、特にアンモニアやアミン類を採用する場合には、これらの付加量が5当量を越えると廃水処理の負担が大きくなるため、一層好ましくない。
【0042】
本発明で規定する水溶性変色防止剤を使用して、酸洗鋼材を変色防止処理するに当たっては、先ず、酸洗工程の次工程である変色防止処理工程の水中に当該水溶性変色防止剤を溶解して変色防止処理液を調製する。当該変色防止処理液の調製では、当該水溶性変色防止剤の構成成分を、カルボン酸のアルカリ塩の形態で添加することができるとともに、カルボン酸とアルカリ剤とを別々に添加することができる。後者の場合には、カルボン酸とアルカリ剤が水中で反応してカルボン酸塩となって溶解し、変色防止処理液が調製される。この場合の水溶性変色防止剤の添加量は、カルボン酸濃度として10mg/L以上である。
【0043】
当該変色防止剤のカルボン酸としての濃度(以下これを変色防止剤の濃度という)が10mg/L未満である場合には、変色防止効果が十分ではなくて好ましくはない。また、当該変色防止剤の濃度が1000mg/Lを越える場合には、それ以上の変色防止効果は期待し得ず不経済であるとともに、廃水処理での負担が大きくなって好ましくはない。当該変色防止剤の濃度は、好ましくは、30mg/L〜500mg/Lである。
【0044】
本発明に係る変色防止処理によれば、変色防止処理工程において、カルボン酸は、鋼材表面に強固に吸着する難溶性の保護皮膜(カルボン酸吸着膜)を形成する。形成された保護皮膜は、次工程である洗浄工程での水洗浄によっても酸洗鋼材表面に付着していて脱落することなく、酸洗鋼材に対する変色防止機能を維持する。これに対して、酸洗鋼材を水洗して付着する酸液を洗い流した状態の水洗鋼材を変色防止処理する場合には、カルボン酸は、可逆的に吸着するカルボン酸イオン吸着膜を形成する。当カルボン酸イオン吸着膜は、その後の洗浄工程での水洗浄によって容易に離脱し十分な変色防止効果を奏し得ない。
【0045】
本発明で規定する水溶性変色防止剤は、構成成分を形成するカルボン酸の濃度を高濃度に調製した高濃度変色防止剤の形態にすることができ、この場合には、上記したように、水に溶解してカルボン酸濃度を10mg/L以上、好ましくは、30mg/L〜500mg/Lになるように希釈して変色防止処理液として使用する。また、本発明で規定する水溶性変色防止剤は、構成成分を形成するカルボン酸の濃度を10mg/L以上、好ましくは、30mg/L〜500mg/Lに調製した低濃度変色防止剤の形態とすることができ、この場合には、上記とは異なり、希釈することなくそのままの形態で変色防止処理液として使用する。
【0046】
なお、本発明で規定する水溶性変色防止剤は、構成成分であるカルボン酸塩とアルカリ剤のみならず、必要に応じて、消泡剤、防腐剤、防錆剤、界面活性剤、酸化防止剤、軟水化剤、分散剤等を含有させることができる。
【0047】
【実施例】
本実施例では、下記に示す酸洗条件で酸洗された熱延軟鋼板(酸洗鋼材:2.3mm×70mm×100mm)を供試片として、カルボン酸のアルカリ塩を構成成分とする下記の表1に示す各変色防止剤を1g/Lの濃度に水で希釈した変色防止処理液を採用して、下記に示す各処理条件で変色防止処理の実験(実施例1〜7,比較例1〜4)を行った。
【0048】
【表1】
Figure 0004226239
【0049】
酸洗処理では、HClを70g/L、Fe2+(FeCl2として添加)を90g/L、酸洗腐食抑制剤(商品名ヒビロンA−5:スギムラ化学工業株式会社製)を250mg/L含有する組成の酸液浴を使用して、各供試片を酸液温度80℃の酸液浴に30秒間浸漬して酸洗処理した。酸洗処理した供試片は、酸液が付着した状態で変色防止処理に供した。
【0050】
変色防止処理では、図1に模式的に示すように、スプレーノズル1を使用したスプレー方式を採用して、40℃の温度の変色防止処理液2を、酸液(付着酸液3)が付着した状態で水平に保持された供試片4に、65mm離間しているスプレーノズル1から、吐出圧0.25MPaで、供試片4の表面に30秒間スプレーして接触させた。なお、符号5は、変色防止処理液2の供試片4上での流れの方向を示している。
【0051】
変色防止処理した供試片4については、これを、スプレーを停止された状態で2分間放置し、その後、水道水を30秒間スプレーして水洗して、直ちにドライヤーで乾燥して、供試片4の表面を観察して黄変の発生の有無を確認し、変色防止処理の評価を行った。得られた結果を下記の表2に示す。但し、スプレーノズルは、均等扇形ノズル(1/4M−VEP−5039,株式会社いけうち製)を採用した。
【0052】
(実施例1〜8):表1に示す変色防止剤(1)〜変色防止剤(8)にて調製された変色防止処理液をそれぞれ採用して、図1に示すスプレーノズル方式を使用して、酸洗されて酸液が付着している状態の供試片の変色防止処理を行った。(比較例1,2):表1に示す変色防止剤(9),(10)にて調製された変色防止処理液を使用して、図1に示すスプレーノズル方式を使用して、(実施例1〜8)と同様の条件で変色防止処理を行った。(比較例3):表1に示す変色防止剤(8)および変色防止剤(11)にて調製された2種類の変色防止処理液を採用して、図1に示すスプレーノズル方式を使用して変色防止処理を行った。但し、スプレーノズルからの変色防止処理液のスプレーでは、前半の15秒間は変色防止剤(8)からなる変色防止処理液をスプレーし、後半の15秒間は変色防止剤(11)からなる変色防止処理液をスプレーした。(比較例4):水洗用水と表1に示す変色防止剤(4)からなる変色防止処理液を採用して、図1に示すスプレーノズル方式を使用して変色防止処理を行った。但し、スプレーノズルからの変色防止処理液のスプレーでは、前半の15秒間は水洗用水をスプレーし、後半の15秒間は変色防止剤(4)からなる変色防止処理液をスプレーした。
【0053】
【表2】
Figure 0004226239
【0054】
但し、表2における記号◎、○、△、×は、各実施例1〜8および各比較例1〜4における変色防止処理の評価を示すもので、◎は変色の発生が皆無の状態、○は変色の発生がわずかに認められる状態、△は変色の発生が全面にうすく認められる状態、×は変色の発生が全面に濃く認められる状態を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る変色防止処理方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1…スプレーノズル、2…変色防止処理液、3…付着酸液、4…供試片、5…変色防止処理液の流れ方向。

Claims (1)

  1. 酸洗後の酸液が付着する酸洗鋼材を下記に示す水溶性の変色防止剤を含有する下記に示す変色防止処理液で処理する変色防止処理工程と、変色防止処理された酸洗鋼材を水で洗浄する洗浄工程からなる酸洗鋼材の変色防止処理方法であり、前記変色防止処理工程では酸洗鋼材の表面に前記変色防止剤からなる保護皮膜を形成し、前記洗浄工程では保護皮膜を形成された酸洗鋼材に付着する前記変色防止剤を水洗して除去することを特徴とする酸洗鋼材の変色防止処理方法。
    但し、前記変色防止剤は、塩酸を含むpH4の水溶液100gに対する15℃における溶解度が0.1g以下であり、かつ、pH7〜9の水溶液において鉄イオンと水溶性キレートまたは水溶性塩を形成しないカルボン酸からなるカルボン酸群から選択される少なくとも1種とナトリウム、カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種との正塩と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ剤を含有し、前記アルカリ剤の含有量は前記カルボン酸1当量当たり0.3〜5当量である。また、前記変色防止処理液は、前記変色防止剤を前記カルボン酸濃度として10mg/L以上含有するものである。
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