JP2006002207A - 金属の変色防止剤および金属の変色防止方法 - Google Patents

金属の変色防止剤および金属の変色防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板等金属の水洗浄処理における、金属表面での変色の発生を防止する変色防止剤、および、変色防止方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とする変色防止剤である。当該変色防止剤は、カルボン酸濃度換算で1mg/L〜1000mg/Lの水溶液に調製して、当該水溶液を金属の水洗浄処理の洗浄用水として使用する。
【化7】
Figure 2006002207

【選択図】 無し

Description

本発明は、金属の酸洗浄、アルカリ洗浄、溶剤洗浄、ショットブラスト等の金属の処理後に行う金属の水洗浄処理に使用する金属の変色防止剤、および金属の変色防止方法に関する。
金属製品にメッキ処理、塗装処理、熱処理を施す場合、これらの処理に先だって、金属表面を清浄化する目的で、酸洗浄処理、アルカリ洗浄処理、溶剤洗浄処理、ショットブラスト等の前処理が行われる。また、これらの前処理では、その後工程として、表面に残留する酸、アルカリ等を除去する目的で、水洗浄処理が行われる。
表面を清浄化された金属は、その表面が活性化しているため、前処理の後工程でなされる金属の水洗浄処理中から乾燥に至る間に、金属の表面には腐食に起因する変色が発生し易い。金属表面での変色は、金属の水洗浄処理後の乾燥を早めるべく洗浄用水を加温した場合には一層発生し易く、また、操業上のトラブルで、水洗浄処理中に金属が洗浄用水中に長時間放置された場合には、金属表面の変色は激しく発生する。
かかる金属表面の変色の発生を防止するためには、一般に、金属の水洗浄処理に使用する洗浄用水として、変色防止剤を添加して所定濃度に調製した洗浄用水を採用する手段が採られる。このため、当該変色防止剤については従来から多数提案され、また、変色防止剤を採用した変色防止方法についても提案されている。その代表的な例としては、「洗浄水用鋼板変色防止剤」という名称で提案され(特許文献1を参照)、「防錆液組成物」という名称で提案され(特許文献2を参照)、「酸洗ラインの鋼板変色防止方法」という名称で提案されている(特許文献3を参照)。
これらの各特許文献にて提案されている変色防止剤および変色防止方法のうち、特許文献1にて提案されている「洗浄水用鋼板変色防止剤」は、シクロヘキシルアミンと、炭素数6〜14の脂肪族カルボン酸、脂肪族オキシカルボン酸、または、これらの水溶性塩とを含有する組成物である。また、特許文献2にて提案されている「防錆液組成物」は、炭素原子数が平均14〜24のアルキル基、アルケニル基を有するアルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、または、その塩を必須成分とする組成物である。また、特許文献3にて提案されている「酸洗ラインの鋼板変色防止方法」は、酸洗ラインの停止時または徐動時に、酸洗槽から出た鋼板にキレート剤を噴霧した後に水洗する方法である。
特公平3−33784号公報 特開平11−61117号公報 特開昭61−195983号公報
ところで、特許文献1にて提案されている「洗浄水用鋼板変色防止剤」のごとく、シクロヘキシルアミンとカルボン酸を組み合わせた変色防止剤を使用する水洗浄処理では、シクロヘキシルアミンの含有量が多くて、カルボン酸はシクロヘキシルアミン塩の形態で水中に溶解している。シクロヘキシルアミンおよびカルボン酸のシクロヘキシルアミン塩は共に、水に対する溶解度が大きいため、シクロヘキシルアミンやカルボン酸が鋼板の表面に吸着膜を形成しても、水中へ再溶解し易くて、形成された吸着膜に欠陥部を発生させる。このため、鋼板表面に生じる結露等によって鋼板表面上の変色防止剤の濃度が低下した場合には、鋼板表面での変色防止効果は十分には得られない。十分な変色防止効果を得るためには、洗浄用水中の変色防止剤の濃度を高濃度にする必要があるが、この場合には、水洗浄処理の処理済み水(廃水)中には変色防止剤が高濃度に残留していることから、廃水処理性に劣り、廃水による環境汚染が発生するおそれがある。
また、特許文献2にて提案されている「防錆液組成物」である変色防止剤は、カルボン酸の分子量が大きいことから、当該変色防止剤を含有する洗浄用水では泡たちが激しいという問題がある。また、当該変色防止剤は水に対する溶解性が悪く、当該変色防止剤を水に十分に溶解させるには、アルコール類の溶媒を添加するか、アルカリ成分を多量に加えて塩としなければならない。このような変色防止剤を使用する場合には、水洗浄処理後の処理済み水(廃水)の廃水処理が問題となる。
また、特許文献3にて提案されている「酸洗ラインの鋼板変色防止方法」のごとく、酸洗槽から出た鋼板にキレート剤を噴霧した後に水洗する方法では、キレート剤を含有する水が直接スプレーされている部位では効果が発揮されるものの、その後、キレート剤を含有しない水で洗浄してしまうと、キレート剤は容易に洗い流され、キレート剤を含有しない水と接触している部位が変色するという問題がある。また、キレート剤を使用する方法では、水洗処理後の処理済み水(廃水)中にキレート剤が含有していることから、通常の中和凝集沈殿処理では、キレート剤や、キレートした鉄イオンを除去することができず、廃水処理後の排水中に大量のキレート剤および鉄分が持ち出され、環境を汚染するおそれがある。
本発明の目的は、これらの問題に対処することにあり、金属を水洗処理する際、洗浄用水中での腐食による金属表面の変色を、低濃度で確実に防止することができ、環境に悪影響を及ぼすことのない変色防止剤、および、変色防止方法を提供するものである。
本発明は、金属の酸洗浄、アルカリ洗浄、溶剤洗浄、ショットブラスト等の金属の処理後に行う金属の水洗浄処理に使用する変色防止剤に関する。本発明に係る第1の変色防止剤は、下記一般式(1)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とするものである。
Figure 2006002207
また、本発明に係る第2の変色防止剤は、下記一般式(2)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とするものである。
Figure 2006002207
本発明に係る第1,第2の変色防止剤においては、少なくとも1種の界面活性剤を含むことが好ましい。また、前記界面活性剤は両性界面活性剤であることが好ましく、前記両性界面活性剤はアルキルアミノカルボン酸類であることことが好ましい。
また、本発明は、変色防止剤を使用した金属の変色防止方法に関する。本発明に係る金属の変色防止方法は、本発明に係る第1の変色防止剤または第2の変色防止剤を含有する水を洗浄用水として金属を水洗浄処理する金属の変色防止方法であり、前記洗浄用水として、該変色防止剤をカルボン酸またはカルボン酸部分塩の濃度が該カルボン酸濃度換算で1mg/L〜1000mg/Lになるように調製された洗浄用水を採用することを特徴とするものである。
本発明に係る各変色防止剤は、金属の酸洗浄、アルカリ洗浄、溶剤洗浄、ショットブラスト等の金属の処理後に行う金属の水洗浄処理に使用するもので、各変色防止剤の構成成分を水に微量に含有させて洗浄用水を調製するものである。当該洗浄用水を使用した金属の水洗浄処理では、カルボン酸が金属表面に速やかに吸着して金属表面を保護し、金属表面での変色の発生を防止する。
本発明に係る各変色防止剤の構成成分であるカルボン酸は、それ自体水溶性であるか、または、カルボン酸にアルカリ金属またはアミン系化合物を反応させた部分塩とすることにより水溶性とすることができる特徴を有するものである。換言すれば、本発明に係る各変色防止剤は、カルボン酸の塩を構成するアルカリ成分を全く含まないか、少量含有するだけであり、水に溶解したときのpHが7以下と低いという点で、従来のカルボン酸アミン塩を主要構成成分とする変色防止剤とは相違する。
本発明に係る各変色防止剤を金属表面に接触させることにより、カルボン酸の単分子吸着膜が金属表面に形成されるものであるが、被処理金属は酸性の環境下にあって、吸着したカルボン酸分子が再溶解し難い状態にあるため、その後の変色防止剤を含有しない水で洗浄したり、金属表面に激しい結露が発生する状態になった場合でも、カルボン酸の単分子吸着膜が破壊され難く、単分子吸着膜は、金属表面の変色を防止する機能を持続するという優れた効果を有する。
また、本発明に係る各変色防止剤は、カルボン酸またはカルボン酸部分塩の濃度がカルボン酸濃度換算で1mg/L〜1000mg/Lという低濃度で優れた効果を発揮するものであり、かつ、アミン系化合物を含有しないか、少量含有するにすぎないため、廃液は、窒素の残留量が少ない低CODであって、廃水処理性に優れている。従って、本発明に係る各変色防止剤、および、当該変色防止剤を使用する変色防止方法は、従来のカルボン酸アミン塩を主要構成成分とするとする変色防止剤、および、当該変色防止剤を使用する変色防止方法に比較して、環境負荷が小さいという優れた効果を有するものである。
換言すれば、本発明に係る各変色防止剤は、金属の水洗浄処理では、洗浄用水中の腐食による金属表面の変色を低濃度で確実に防止することができるという優れたものであり、また、廃液処理性に優れていることから、環境に大きな負荷を及ぼさないという優れた変色防止方法を提供することができるものである。
本発明に係る第1の変色防止剤は、下記一般式(1)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とするものである。
Figure 2006002207
また、本発明に係る第2の変色防止剤は、下記一般式(2)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とするものである。
Figure 2006002207
本発明に係る第1の変色防止剤を構成するカルボン酸は、式中のR1の炭素数が12以下のヒドロカルビレン基であり、R1の炭素数が12を越えるものでは、水に対する溶解性が悪くて好ましくない。また、本発明に係る第2の変色防止剤を構成するカルボン酸は、式中のR2が炭素数10以下のヒドロカルビル基であり、R2の炭素数が10を越えるものでは、水に対する溶解性が悪くて好ましくない。
本発明に係る各変色防止剤に採用するカルボン酸としては、メチルコハク酸、エチルコハク酸、アリルコハク酸、ブチルコハク酸、ブテニルコハク酸、ペンチルコハク酸、ペンテニルコハク酸、ヘキシルコハク酸、ヘキセニルコハク酸、ヘプチルコハク酸、へプテニルコハク酸、オクチルコハク酸、オクテニルコハク酸、ノニルコハク酸、ノネニルコハク酸、デシルコハク酸、デセニルコハク酸、フェニルコハク酸、ベンジルコハク酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等を挙げることができる。
本発明に係る各変色防止剤を構成するカルボン酸は、カルボン酸それ自体であってもよく、また、アルカリ金属またはアミン系化合物との部分塩であってもよい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。
アミン系化合物としては、アンモニア、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、グアニジン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
アミン系化合物としては、さらに、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等、また、ポリアルキレンポリアミン類等の高分子アミン系化合物を挙げることができる。
但し、カルボン酸とこれらのアルカリ金属またはアミン系化合物により塩を生成して変色防止剤を構成する場合には、アルカリ金属またはアミン系化合物の量をカルボン酸に対して当量以下とし、かつ、当該変色防止剤を、カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることが肝要である。アルカリ金属またはアミン系化合物の量をカルボン酸に対して当量以上とした塩、または、上記したpHが7以上である場合には、カルボン酸の水に対する溶解性が高くなり、当該変色防止剤を使用して調製された洗浄用水では、金属表面に一旦吸着したカルボン酸が離脱し易く、変色防止機能が低下する。また、カルボン酸またはカルボン酸の部分塩を含有し、カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であれば、カルボン酸の一部が正塩を構成していても良い。
本発明に係る各変色防止剤の形態は、特に限定するものではない。カルボン酸それ自体、カルボン酸無水物またはこれを加水分解したカルボン酸、カルボン酸のアルカリ金属塩またはアミン系化合物との塩を、単独または2種以上を混合したものを本発明に係る変色防止剤とすることができ、また、これらの成分を水や水溶性の有機溶媒等に希釈溶解したものを本発明に係る変色防止剤とすることができる。
さらに、本発明の各変色防止剤の形態としては、カルボン酸に対してアルカリ金属またはアミン系化合物を多量に加えてアルカリ性に調製した剤を、使用する段階で、カルボン酸単体を添加してある水に当該剤を、水中のカルボン酸に対するアルカリ金属またはアミン系化合物の量を当量未満としてカルボン酸部分塩を形成するようにしてもよい。また、カルボン酸に対してアルカリ金属またはアミン系化合物を多量に添加して調製した剤を、使用する段階で、当該剤を添加してある水に、カルボン酸以外の有機酸または無機酸を添加して、水中のカルボン酸に対するアルカリ金属またはアミン系化合物の量を当量未満としてカルボン酸部分塩を形成するようにしてもよい。
本発明に係る各変色防止剤は、上記した構成成分のみで優れた変色防止機能を発揮するものであるが、上記構成成分に加えて、各種の界面活性剤群から選択された少なくとも1種の界面活性剤を含有する構成とすれば、調製される洗浄用水の洗浄性を向上させることができる。各種の界面活性剤としては、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤を挙げることができる。なかでも、両性界面活性剤は、洗浄性の向上に加えて、変色防止機能をさらに向上させる作用を有している。
以下では、採用し得る好適な両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤を例示するが、より好ましい界面活性剤は、アルキルアミノカルボン酸類の両性界面活性剤である。選択される両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸類、アルキルイミダゾリン類等を挙げることができる。
また、選択される非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド類等を挙げることができる。
また、選択される陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩類等を挙げることができる。選択される陽イオン界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩類、トリアルキルベンジルアンモニウム塩類、アルキルイミダゾリニウム塩類等を挙げることができる。
本発明に係る変色防止方法は、金属の水洗浄処理に使用する洗浄用水として、本発明に係る各変色防止剤の構成成分を水で希釈して調製した洗浄用水を採用することを特徴とするものである。洗浄用水中の構成成分の濃度は、カルボン酸および/またはカルボン酸部分塩を、カルボン酸換算濃度で1mg/L〜1000mg/Lとすることが好ましい。1mg/L未満では、変色防止効果が十分ではない。また、1000mg/Lを越えても、変色防止効果のそれ以上の向上は期待し得ず、経済的には不利であるとともに、廃水処理の負担が大きくなる。より好ましくは、10mg/L〜500mg/Lである。
このように、本発明に係る各変色防止剤の使用態様は、当該変色防止剤の構成成分を極めて低濃度の洗浄用水に調製して、金属表面の変色防止機能を発揮させるものである。このため、本発明に係る各変色防止剤は、使用態様、保存性(低温保存性)、および輸送性等を考慮して種々の形態を採ることができる。
すなわち、特定したカルボン酸またはカルボン酸部分塩の単独または2種以上を混合した第1の形態、特定したカルボン酸またはカルボン酸部分塩の単独または2種以上を水または水溶性有機溶媒に高濃度に溶解した第2の形態、特定したカルボン酸またはカルボン酸部分塩の単独または2種以上を水に低濃度に溶解した第3の形態を採ることができる。第1の形態および第2の形態の変色防止剤にあっては、当該変色防止剤の所定量を水に添加して溶解することにより洗浄用水を調製することができ、また、第3の形態の変色防止剤にあっては、当該変色防止剤それ自体を洗浄用水として使用することができる。
また、本発明に係る各変色防止剤においては、上記した構成成分のみに限定されるものではなく、必要に応じて、金属腐食抑制剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、軟水化剤、分散剤等を含有させることができる。
本実施例では、本発明の実施例に係る各変色防止剤(1〜7)と、その比較例に係る各変色防止剤(1〜5)を形成し、これらの変色防止剤を使用して調製された洗浄用水による金属表面の変色防止機能を確認する試験を行った。
本実施例で調製した変色防止剤の組成(成分の欄に)、カルボン酸換算濃度で濃度1g/Lの水溶液のpH(pHの欄に)、および、その外観性状(外観性状の欄に)を、下記の表1および表2に示す。但し、外観性状の判定基準は、透明溶解(○)、乳化分散(△)、成分析出(×)の3段階とした。
Figure 2006002207
Figure 2006002207
各変色防止剤の金属表面に対する変色防止機能を確認する試験では、下記に示すアルカリ脱脂条件で脱脂した試験片を垂直保持し、変色防止剤を使用して調製した洗浄用水を、垂直保持された試験片に下記に示す水洗スプレー条件にて、試験片の表面全面を洗い流すように上下させながらスプレーした。次いで、スプレー状態で洗浄された試験片を、沸騰状態に保持した温水を500mL収容してある2Lのトールビーカ内に吊して、この状態にあるトールビーカの蓋をし、試験片を5分間90℃以上の飽和蒸気雰囲気に暴露した。5分経過した後、試験片をトールビーカ内から取出し、これを室内に吊して放置して自然乾燥した。自然乾燥した試験片について、その表面を観察して変色発生の有無および変色の程度を目視により評価した。なお、本試験で使用した水は、全て水道水である。
試験片:冷延鋼板(0.8×70×150mm)、アルカリ脱脂条件:脱脂液組成…ファインクリーナー4480(日本パーカライジング社製)、液温度…40℃、脱脂時間…3分、水洗スプレー条件:スプレー洗浄用水の濃度…0〜3000mg/L(カルボン酸濃度に換算)、水温…40℃、ノズル…均等扇形ノズル(1/4M−VEP−5039いけうち社製)、スプレー圧…2.5kg/cm、試験片−ノズル間距離…100mm、スプレー時間…30秒間。
試験片の変色防止の評価基準は、変色皆無または極わずか変色発生(◎)、変色が表面積の5%未満発生(○)、変色が表面積の5〜30%発生(△)、変色が表面積の30%以上発生(×)の4段階とした。得られた結果を下記の表3に示す。
Figure 2006002207

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とする金属の変色防止剤。
    Figure 2006002207
  2. 下記一般式(2)で示されるカルボン酸およびカルボン酸部分塩から選択される少なくとも1種を含み、該カルボン酸濃度換算で濃度1g/Lの水溶液のpHが7未満であることを特徴とする金属の変色防止剤。
    Figure 2006002207
  3. 請求項1または2に記載の変色防止剤であり、該変色防止剤は少なくとも1種の界面活性剤を含むことを特徴とする金属の変色防止剤。
  4. 請求項3に記載の変色防止剤であり、前記界面活性剤は両性界面活性剤であることを特徴とする金属の変色防止剤。
  5. 請求項4に記載の変色防止剤であり、前記両性界面活性剤はアルキルアミノカルボン酸類であることを特徴とする金属の変色防止剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の変色防止剤を含む水を洗浄用水として金属を水洗浄処理する金属の変色防止方法であり、前記洗浄用水として、該変色防止剤のカルボン酸またはカルボン酸部分塩の濃度が該カルボン酸濃度換算で1mg/L〜1000mg/Lになるように調製した洗浄用水を採用することを特徴とする金属の変色防止方法。
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