JP2006028030A - リポソーム封入物質がエンドソームから脱出可能なリポソーム - Google Patents

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Abstract

【課題】リポソーム膜の外表面に親水性ポリマーが導入されたリポソームであって、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させ、細胞質中に放出させることができるリポソームを提供する。
【解決手段】下記(a)又は(b)に示すペプチドに結合したリポソーム膜構成物質と、下記(a)又は(b)に示すペプチドに一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質とをリポソームに含有させる。(a)GALAと呼ばれる30アミノ酸残基からなる合成ペプチド(b)GALAのアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜同士を融合できるペプチド
【選択図】 なし

Description

本発明は、リポソーム膜の外表面に機能性分子が導入されたリポソームに関する。
近年、薬物、核酸、ペプチド、タンパク質、糖等の目的物質を標的部位に送達するためのベクターとして、リポソーム膜の外表面に機能性分子が導入されたリポソームの開発が盛んに行われている。
例えば、リポソーム膜の外表面に親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール)が導入されたリポソームが開発されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。このリポソームによれば、リポソームの血中滞留性を向上させることにより、腫瘍細胞に対するリポソームの指向性を向上させることができる。
また、リポソーム膜の外表面に、細胞膜の表面上に存在する受容体又は抗原と結合できる物質(例えば、トラスフェリン、インシュリン、葉酸、ヒアルロン酸、抗体又はその断片、糖鎖)が導入されたリポソームが開発されている(特許文献3及び特許文献4参照)。このリポソームによれば、リポソームのエンドサイトーシス効率を向上させることができる。
さらに、GALAに結合したコレステロールを用いて、リポソーム膜の外表面にGALAを導入したリポソームが開発されている(非特許文献1参照)。リポソームはエンドサイトーシスするとエンドソーム内に包含された状態となり、エンドソーム内のリポソームは、エンドソームがリソソームと融合することにより分解されるが、このリポソームによれば、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させ、細胞質中へ放出させることができる。
GALAは配列番号1記載のアミノ酸配列からなる合成ペプチドであり、Szoka等のグループによって合成され(非特許文献2参照)、現在まで数々の研究が行われている。
GALAは、pH感受性を有しており、pH7.4ではランダムコイル構造をとるが、pHが5.0程度に変化すると、グルタミン酸残基の電荷が中和されて電気的反発が解消し、αヘリックス構造をとる(非特許文献2参照)。αヘリックの割合は、pH7.4では約20%であるが、pHが5.0に変化すると約70%まで上昇する(非特許文献3参照)。
GALAは、卵黄ホスファチジルコリンからなるリポソームと酸性条件下でインキュベーションすると、リポソーム封入物質を漏出する(この効果はpH5.0で最大となる)とともに、リポソーム同士の融合を引き起こす(非特許文献4参照)。GALAによるリポソーム封入物質の放出機構について、GALAがリポソーム膜に貫入し、リポソーム膜に貫入したGALAがリポソーム膜中で8〜12個集まり、直径5〜10Åの大きさのポアを形成している可能性が示されている(非特許文献5参照)。
特開平1−249717号公報 特開平2−149512号公報 特開平4−346918号公報 特開2004−10481号公報 T.Kakudo等,「バイオケミストリー(Biochemistry)」,2004年,第43巻,5618-5623頁 N.K.Subbarao等,「バイオケミストリー(Biochemistry)」,1987年,第26巻,2964-2972頁 E.Goormaghtigh等,「ヨーロピアン ジャーナル オブ バイオケミストリー(European Journal of Biochemistry)」,1991年,第195巻,421-429頁 R.A.Parente等,「ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)」,1988年,第263巻,4724-4730頁 R. A. Parente等,「バイオケミストリー(Biochemistry)」,1990年,第29巻,8720-8728頁
本発明は、リポソーム膜の外表面に親水性ポリマーが導入されたリポソームであって、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させ、細胞質中に放出させることができるリポソームを提供することを目的とする。
本発明者は、GALAに結合したリポソーム膜構成物質と、GALAに一端が結合していない親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質とを用いて、GALAと、GALAを末端に有しない親水性ポリマーとをリポソーム膜の外表面に導入した場合、リポソーム封入物質が低分子であっても、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させることはできないこと(比較例1参照)、並びに、GALAに結合したリポソーム膜構成物質を用いることなく、GALAに一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質を用いて、GALAを末端に有する親水性ポリマーをリポソーム膜の外表面に導入した場合、リポソーム封入物質が低分子であっても、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させることはできないこと(比較例2参照)を見出すとともに、GALAに結合したリポソーム膜構成物質と、GALAに一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質とを用いて、GALAと、GALAを末端に有する親水性ポリマーとをリポソーム膜の外表面に導入した場合、リポソーム封入物質が低分子であっても高分子であっても、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させ、細胞質中に放出させることができること(実施例1参照)を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のリポソームは、下記(a)又は(b)に示すペプチドに結合したリポソーム膜構成物質と、下記(a)又は(b)に示すペプチドに一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質とを含むリポソームである。
(a)配列番号1記載のアミノ酸配列からなるペプチド(以下「ペプチド(a)」という場合がある。)
(b)配列番号1記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜同士を融合できるペプチド(以下「ペプチド(b)」という場合がある。)
本発明のリポソームがエンドソーム内にあるとき、親水性ポリマーの末端に結合したペプチド(a)又は(b)がエンドソーム膜に作用することにより、リポソーム膜とエンドソーム膜とが接近し、リポソーム膜構成物質に結合したペプチド(a)又は(b)がエンドソーム膜に作用することにより、リポソーム膜とエンドソーム膜とが融合し、その結果、リポソーム封入物質がエンドソームを脱出し、細胞質中に放出されるものと考えられる。
本発明のリポソームは、リポソーム膜の外表面に導入された親水性ポリマーによりリポソームの血中滞留性が向上している。また、本発明のリポソームは、リポソーム封入物質が低分子であっても高分子であっても、リポソーム封入物質をエンドソームから脱出させ、細胞質中に放出させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のリポソームは、脂質二重層構造を有する閉鎖小胞である限り、多重膜リポソーム(MLV)であってもよいし、SUV(small unilamellar vesicle)、LUV(large unilamellar vesicle)、GUV(giant unilamellar vesicle)等の一枚膜リポソームであってもよい。
本発明のリポソームのサイズは特に限定されるものではないが、直径30〜1000nmであることが好ましく、直径50〜300nmであることがさらに好ましい。
本発明のリポソームは、ペプチド(a)又は(b)に結合したリポソーム膜構成物質と、ペプチド(a)又は(b)に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質とを含む限り、非修飾のリポソーム膜構成物質(すなわち、ペプチド(a)又は(b)、親水性ポリマー等に結合していないリポソーム膜構成物質)、細胞膜の表面上に存在する受容体又は抗原と結合できる物質(以下「細胞膜結合性物質」という場合がある。)に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質、一端が遊離末端である親水性ポリマー(すなわち、ペプチド(a)又は(b)、細胞膜結合性物質等に一端が結合していない親水性ポリマー)の他端に結合したリポソーム膜構成物質等を含むことができる。
本発明のリポソームは、細胞膜結合性物質に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質を含むことが好ましい。これにより、本発明のリポソームのエンドサイトーシス効率を効果的に向上させることができる。
本発明のリポソームは、一端が遊離末端である親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質を含むことが好ましい。ペプチド(a)又は(b)、細胞膜結合性物質等に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質と、一端が遊離末端である親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質との配合割合を調節することにより、in vivoにおける本発明のリポソームの血中滞留性を調節することができる。
ペプチド(a)又は(b)に結合したリポソーム膜構成物質の配合量は特に限定されるものではないが、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0.1〜10%(モル比)、好ましくは0.5〜5%(モル比)、さらに好ましくは0.5〜2%(モル比)である。ペプチド(a)又は(b)に結合したリポソーム膜構成物質の配合量が上記範囲にあると、本発明のリポソームがエンドソーム内にあるときにリポソーム膜とエンドソーム膜とを効果的に融合させることができる。
ペプチド(a)又は(b)に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質の配合量は特に限定されるものではないが、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0.1〜10%(モル比)、好ましくは0.5〜5%(モル比)、さらに好ましくは0.5〜2%(モル比)である。ペプチド(a)又は(b)に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質の配合量が上記範囲にあると、本発明のリポソームがエンドソーム内にあるときにリポソーム膜とエンドソーム膜とを効果的に接近させることができる。
非修飾のリポソーム膜構成物質の配合量は特に限定されるものではないが、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常50〜99%(モル比)、好ましくは70〜99%(モル比)、さらに好ましくは85〜95%(モル比)である。非修飾のリポソーム膜構成物質の配合量が上記範囲にあると、リポソーム封入物質を本発明のリポソーム内に効果的に保持することができる。
細胞膜結合性物質に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質の配合量は特に限定されるものではないが、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0.01〜50%(モル比)、好ましくは0.05〜20%(モル比)、さらに好ましくは0.1〜2%(モル比)である。細胞膜結合性物質に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質の配合量が上記範囲にあると、本発明のリポソームのエンドサイトーシス効率を効果的に向上させることができる。
一端が遊離末端である親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質の配合量は特に限定されるものではないが、ペプチド(a)又は(b)、細胞膜結合性物質等に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質と、一端が遊離末端である親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質との合計配合量は、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0.5〜50%(モル比)、好ましくは1〜20%(モル比)、さらに好ましくは2〜10%である。合計配合量が上記範囲にあると、in vivoにおける本発明のリポソームの血中滞留性を効果的に向上させることができる。
本発明のリポソームにおいて、リポソーム膜構成物質の種類は、脂質二重層の形成を阻害しない限り特に限定されるものではなく、リポソーム膜構成物質としては、例えば、脂質、膜安定化剤、抗酸化剤、荷電物質、膜タンパク質等が挙げられる。
脂質は必須のリポソーム膜成分であり、その配合量はリポソーム膜構成物質の総配合量の通常50〜100%(モル比)、好ましくは70〜100%(モル比)、さらに好ましくは85〜100%(モル比)である。
脂質としては、例えば、リン脂質、糖脂質、ステロール、飽和又は不飽和の脂肪酸等が挙げられる。
リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン(例えば、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン等)、ホスファチジルグリセロール(例えば、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジグリセロール等)、ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジエタノールアミン等)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、これらの水素添加物等が挙げられる。
糖脂質としては、例えば、グリセロ糖脂質(例えば、スルホキシリボシルグリセリド、ジグリコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、グリコシルジグリセリド)、スフィンゴ糖脂質(例えば、ガラクトシルセレブロシド、ラクトシルセレブロシド、ガングリオシド)等が挙げられる。
ステロールとしては、例えば、動物由来のステロール(例えば、コレステロール、コレステロールコハク酸、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール)、植物由来のステロール(フィトステロール)(例えば、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール)、微生物由来のステロール(例えば、チモステロール、エルゴステロール)等が挙げられる。
飽和又は不飽和の脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸等の炭素数12〜20の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられる。
膜安定化剤は、リポソーム膜を物理的又は化学的に安定させたり、リポソーム膜の流動性を調節したりするために添加できる任意のリポソーム膜成分であり、その配合量は、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0〜50%(モル比)、好ましくは0〜45%(モル比)、さらに好ましくは0〜40%(モル比)である。
膜安定化剤としては、例えば、ステロール、グリセリン又はその脂肪酸エステル等が挙げられる。
ステロールとしては、上記と同様の具体例が挙げられ、グリセリンの脂肪酸エステルとしては、例えば、トリオレイン、トリオクタノイン等が挙げられる。
抗酸化剤は、リポソーム膜の酸化を防止するために添加できる任意のリポソーム膜成分であり、その配合量は、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0〜10%(モル比)、好ましくは0〜8%(モル比)、さらに好ましくは0〜5%(モル比)である。
抗酸化剤としては、例えば、トコフェロール、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシトルエン等が挙げられる。
荷電物質は、リポソーム膜に正荷電又は負荷電を付与するために添加できる任意のリポソーム膜成分であり、その配合量は、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0〜95%(モル比)、好ましくは0〜80%(モル比)、さらに好ましくは0〜70%(モル比)である。
正荷電を付与する荷電物質としては、例えば、ステアリルアミン、オレイルアミン等の飽和又は不飽和脂肪族アミン;ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパン等の飽和又は不飽和カチオン性合成脂質等が挙げられ、負電荷を付与する荷電物質としては、例えば、ジセチルホスフェート、コレステリルヘミスクシネート、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等が挙げられる。
膜タンパク質は、リポソーム膜の構造を維持したり、リポソーム膜に機能性を付与したりするために添加できる任意のリポソーム膜成分であり、その配合量は、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0〜10%(モル比)、好ましくは0〜8%(モル比)、さらに好ましくは0〜5%(モル比)である。
膜タンパク質としては、例えば、膜表在性タンパク質、膜内在性タンパク質等が挙げられる。
ペプチド(a)又は(b)に結合したリポソーム膜構成物質は、上記に例示したリポソーム膜構成物質のいずれであってもよいが、脂質又は膜安定化剤であることが好ましく、リン脂質、ステロール又は脂肪酸であることがさらに好ましい。ペプチド(a)又は(b)に結合したリポソーム膜構成物質が脂質又は膜安定化剤、特にリン脂質、ステロール又は脂肪酸であると、本発明のリポソームがエンドソーム内にあるときにリポソーム膜とエンドソーム膜とを効果的に融合させることができる。
親水性ポリマー(ペプチド(a)又は(b)、細胞膜結合性物質等に一端が結合しているか否かは問わない)の他端に結合したリポソーム膜構成物質の種類は特に限定されるものではないが、脂質又は膜安定化剤であることが好ましく、リン脂質、ステロール又は脂肪酸であることがさらに好ましい。親水性ポリマーの末端に結合したリポソーム膜構成物質が脂質又は膜安定化剤、特にリン脂質、ステロール又は脂肪酸であると、in vivoにおける本発明のリポソームの血中滞留性を効果的に向上させることができる。
ペプチド(a)は「GALA」と呼ばれる合成ペプチドであり、ペプチド(b)はペプチド(a)の変異型である。ペプチド(a)及び(b)はpH感受性を有しており、酸性条件下において脂質膜同士を融合することができる。なお、ペプチド(a)及び(b)は、中性条件下及びアルカリ性条件下において脂質膜同士を融合することはできない。
脂質膜は、脂質二重層構造を有する限り、リポソーム膜等の人工膜であってもよいし、細胞膜、エンドソーム膜等の生体膜であってもよい。ペプチド(a)又は(b)は、人工膜同士の融合、生体膜同士の融合、人工膜と生体膜との融合等のいずれをも媒介することができ、本発明のリポソームでは、ペプチド(a)又は(b)によって媒介されるリポソーム膜とエンドソーム膜との融合を利用する。ペプチド(a)及び(b)が脂質膜同士を融合できるpHは、通常3〜6、好ましくは4〜5.8、さらに好ましくは4.5〜5.5である。
配列番号1記載のアミノ酸配列において欠失、置換又は付加されるアミノ酸の個数及び位置は、ペプチド(b)が酸性条件下において脂質膜同士を融合できる限り特に限定されるものではなく、アミノ酸の個数は1又は複数個、好ましくは1又は数個であり、その具体的な範囲は、欠失に関しては通常1〜4個、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個であり、置換に関しては通常1〜6個、好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜2個であり、付加に関しては通常1〜12個、好ましくは1〜6個、さらに好ましくは1〜4個である。
親水性ポリマーの種類は、in vivoにおけるリポソームの血中滞留性を向上させることができる限り特に限定されるものではなく、親水性ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等)、デキストラン、プルラン、フィコール、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸交互共重合体、ジビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合体、アミロース、アミロペクチン、キトサン、マンナン、シクロデキストリン、ペクチン、カラギーナン等が挙げられるが、ポリアルキレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコールがさらに好ましい。
親水性ポリマーがポリアルキレングリコールである場合、その分子量は、通常300〜10000、好ましくは500〜10000、さらに好ましくは1000〜5000である。ポリアルキレングリコールの分子量が上記範囲にあると、in vivoにおけるリポソームの血中滞留性を効果的に向上させることができる。
親水性ポリマーには、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基等の置換基が導入されていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。
細胞膜の表面上に存在する受容体又は抗原と結合できる物質(細胞膜結合性物質)の種類は特に限定されるものではなく、細胞膜結合性物質としては、例えば、トラスフェリン、インシュリン、葉酸、ヒアルロン酸、抗体又はその断片、糖鎖、成長因子、アポリポタンパク質等が挙げられる。
成長因子としては、例えば、上皮成長因子(EGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)等が挙げられる。アポリポタンパク質としては、例えば、アポA−1、アポB−48、アポB−100、アポE等が挙げられる。抗体の断片としては、例えば、Fab断片、F(ab)'2断片、単鎖抗体(scFv)等が挙げられる。
リポソーム膜構成物質とペプチド(a)又は(b)とは、リポソーム膜構成物質が有する官能基(リポソーム膜構成物質に人為的に導入された官能基を含む。)と、ペプチド(a)又は(b)が有する官能基(ペプチド(a)又は(b)に人為的に導入された官能基を含む。)とを反応させることにより、共有結合を介して結合させることができる。共有結合を形成できる官能基の組み合わせとしては、例えば、アミノ基/カルボキシル基、アミノ基/ハロゲン化アシル基、アミノ基/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、アミノ基/ベンゾトリアゾールカーボネート基、アミノ基/アルデヒド基、チオール基/マレイミド基、チオール基/ビニルスルホン基等が挙げられる。
ペプチド(a)又は(b)が有するチオール基を利用する場合、例えば、N末端のアミノ基が−NH−CO−(CH)−SH[式中、nは1〜7の整数である。]に誘導化されたペプチド(a)又は(b)が有するチオール基を利用することができる。また、ペプチド(b)の末端に置換又は付加によって導入されたシステイン残基が有するチオール基を利用することもできる。
リポソーム膜構成物質は、ペプチド(a)又は(b)のN末端側と結合していてもよいし、C末端側と結合していてもよい。また、リポソーム膜構成物質に結合したペプチド(a)又は(b)は、ペプチドの塩、例えば、リポソーム膜構成物質との結合に関与していないC末端のカルボキシル基が−CO−NHに誘導化されたペプチドであってもよい。
リポソーム膜構成物質と親水性ポリマーとは、リポソーム膜構成物質が有する官能基(リポソーム膜構成物質に人為的に導入された官能基を含む。)と、親水性ポリマーが有する官能基(親水性ポリマーに人為的に導入された官能基を含む。)とを反応させることにより、共有結合を介して結合させることができる。共有結合を形成できる官能基の組み合わせとしては、例えば、アミノ基/カルボキシル基、アミノ基/ハロゲン化アシル基、アミノ基/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、アミノ基/ベンゾトリアゾールカーボネート基、アミノ基/アルデヒド基、チオール基/マレイミド基、チオール基/ビニルスルホン基等が挙げられる。
リポソーム膜構成物質は、親水性ポリマーの側鎖の末端に結合していてもよいが、主鎖の末端に結合していることが好ましい。
親水性ポリマーとペプチド(a)又は(b)とは、親水性ポリマーが有する官能基(親水性ポリマーに人為的に導入された官能基を含む。)と、ペプチド(a)又は(b)が有する官能基(ペプチド(a)又は(b)に人為的に導入された官能基を含む。)とを反応させることにより、共有結合を介して結合させることができる。共有結合を形成できる官能基の組み合わせとしては、例えば、アミノ基/カルボキシル基、アミノ基/ハロゲン化アシル基、アミノ基/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、アミノ基/ベンゾトリアゾールカーボネート基、アミノ基/アルデヒド基、チオール基/マレイミド基、チオール基/ビニルスルホン基等が挙げられる。
ペプチド(a)又は(b)が有するチオール基を利用する場合、例えば、N末端のアミノ基が−NH−CO−(CH)−SH[式中、nは1〜7の整数である。]に誘導化されたペプチド(a)又は(b)が有するチオール基を利用することができる。また、ペプチド(b)の末端に置換又は付加によって導入されたシステイン残基が有するチオール基を利用することもできる。
親水性ポリマーは、ペプチド(a)又は(b)のN末端側と結合していてもよいし、C末端側と結合していてもよい。また、親水性ポリマーに結合したペプチド(a)又は(b)は、ペプチドの塩、例えば、親水性ポリマーとの結合に関与していないC末端のカルボキシル基が−CO−NHに誘導化されたペプチドであってもよい。また、ペプチド(a)又は(b)は、親水性ポリマーの側鎖の末端に結合していてもよいが、主鎖の末端に結合していることが好ましい。
親水性ポリマーと細胞膜結合性物質とは、親水性ポリマーが有する官能基(親水性ポリマーに人為的に導入された官能基を含む。)と、細胞膜結合性物質が有する官能基(細胞膜結合性物質に人為的に導入された官能基を含む。)とを反応させることにより、共有結合を介して結合させることができる。共有結合を形成できる官能基の組み合わせとしては、例えば、アミノ基/カルボキシル基、アミノ基/ハロゲン化アシル基、アミノ基/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、アミノ基/ベンゾトリアゾールカーボネート基、アミノ基/アルデヒド基、チオール基/マレイミド基、チオール基/ビニルスルホン基等が挙げられる。
細胞膜結合性物質が有するチオール基を利用する場合、例えば、アミノ基が−NH−CO−(CH)−SH[式中、nは1〜7の整数である。]に誘導化された細胞膜結合性物質が有するチオール基を利用することができる。
細胞膜結合性物質は、親水性ポリマーの側鎖の末端に結合していてもよいが、主鎖の末端に結合していることが好ましい。
ペプチド(a)又は(b)のN末端又はC末端のうち、リポソーム膜構成物質又は親水性ポリマーとの結合に関与していない末端には、別のペプチド(a)又は(b)が結合していてもよい。すなわち、ペプチド(a)又は(b)に結合したリポソーム膜構成物質として、複数個のペプチド(a)又は(b)からなる融合ペプチドに結合したリポソーム膜構成物質を使用することができ、ペプチド(a)又は(b)に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質として、複数個のペプチド(a)又は(b)からなる融合ペプチドに一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質を使用することができる。
本発明のリポソームは、例えば、水和法、超音波処理法、エタノール注入法、エーテル注入法、逆相蒸発法、界面活性剤法、凍結・融解法等の公知の方法を用いて調製することができる。また、リポソームを所定のポアサイズのフィルターで通過させることにより、一定の粒度分布を持ったリポソームを得ることができる。また、公知の方法に従って、多重膜リポソームから一枚膜リポソームへの転換、一枚膜リポソームから多重膜リポソームへの転換を行うことができる。
本発明のリポソームの内部には、細胞内に送達しようとする目的物質を封入することができる。
目的物質の種類は特に限定されるものではなく、例えば、薬物、核酸、ペプチド、タンパク質、糖又はこれらの複合体等が挙げられ、診断、治療等の目的に応じて適宜選択することができる。なお、「核酸」には、DNA又はRNAに加え、これらの類似体又は誘導体(例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA等)が含まれる。また、核酸は一本鎖又は二本鎖のいずれであってもよいし、線状又は環状のいずれであってもよい。
目的物質が水溶性である場合には、リポソームの製造にあたり脂質膜を水和する際に使用される水性溶媒に目的物質を添加することにより、リポソーム内部の水相に目的物質を封入することができる。また、目的物質が脂溶性である場合には、リポソームの製造にあたり使用される有機溶剤に目的物質を添加することにより、リポソームの脂質二重層に目的物質を封入することができる。
目的物質を封入したリポソームは、目的物質の細胞内送達用ベクターとして使用することができる。
目的物質を送達すべき細胞が由来する生物種は特に限定されるものではなく、動物、植物、微生物等のいずれであってもよいが、動物であることが好ましく、哺乳動物であることがさらに好ましい。哺乳動物としては、例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、モルモット等が挙げられる。また、目的物質を送達すべき細胞の種類は特に限定されるものではなく、例えば、体細胞、生殖細胞、幹細胞又はこれらの培養細胞等が挙げられる。
本発明のリポソームは、例えば、分散液の状態で使用することができる。分散溶媒としては、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝液,クエン緩衝液,酢酸緩衝液等の緩衝液を使用することができる。分散液には、例えば、糖類、多価アルコール、水溶性高分子、非イオン界面活性剤、抗酸化剤、pH調節剤、水和促進剤等の添加剤を添加して使用してもよい。
本発明のリポソームは、分散液を乾燥(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥等)させた状態で使用することもできる。乾燥させたリポソームは、生理食塩水、リン酸緩衝液,クエン緩衝液,酢酸緩衝液等の緩衝液を加えて分散液とすることができる。
本発明のリポソームは、in vivo及びin vitroのいずれにおいても使用することもできる。本発明のリポソームをin vivoにおいて使用する場合、投与経路としては、例えば、静脈、腹腔内、皮下、経鼻等の非経口投与が挙げられ、投与量及び投与回数は、リポソームに封入された目的物質の種類や量等に応じて適宜調節することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例においてリポソーム膜の外表面を修飾する際に使用した各種物質は、以下のように調製又は入手した。
(1)次式:Chol−O−CO−NH−GAL−CONH[式中、Cholはコレステロール残基を表し、−O−はコレステロールのヒドロキシル基に由来し、GALはGALA残基を表し、−NH−はGALAのN末端のアミノ基に由来し、−CONHはGALAのC末端のカルボキシル基に由来する。]で表されるGALA誘導体(I)の調製
GALA(配列番号1)をFmoc固相法により合成し、次式:NH−GAL−CO−NH−担体[式中、GALはGALA残基を表し、−NHはGALAのN末端のアミノ基を表し、−CO−はGALAのC末端のカルボキシル基に由来し、−NH−は担体のアミノ基に由来し、担体はRinkアミド樹脂(ノバビオケム製)である。]で表されるGALA誘導体(II)(分子量:3695.9)を得た。
GALA誘導体(II)を反応容器内でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)によって洗い込み、DMFに浸して室温で20分間放置することにより脱コンパクションした。1等量のGALA誘導体(II)に対して3等量のコレステリルクロロホルメート(Chol−O−COCl)(分子量:449.1)を量り取り、DMF 500〜700mLに溶解した。微量のGALA誘導体(II)を残しておき、残りのGALA誘導体(II)をコレステリルクロロホルメートのDMF溶液に加えた後、トリエチルアミン(TEA)をGALA誘導体(II)に対して3等量加えた。その際、まず1/3量(1等量)のTEAを加えて室温で15分間回転攪拌し、次に1/3量(1等量)のTEAを加えて室温で15分間回転攪拌し、最後に残り(1等量)のTEAを加えて室温で3時間回転攪拌した。反応物をDMFで5回、メタノールで3回、ジエチルエーテルで3回洗浄した。残しておいたGALA誘導体(II)ととともに、この反応物をニンヒドリンと反応させ、色の変化がないことを確認した。こうして、次式:Chol−O−CO−NH−GAL−CO−NH−担体で表されるGALA誘導体(III)を得た。
次いで、反応物をスリ付きの遠心管に移し、エタンジチオール(EDT)を0.2mL加えた後、トリフルオロ酢酸(TFA)を0.8mL加え(TFA:EDT=95:5)、室温で3時間攪拌した。攪拌終了後、ガラスフィルターで吸引濾過して回収し、エバポレーターでTFAを留去した。ゲル状になったことを確認して、氷水中でジエチルエーテルを加えて20分攪拌した。この時、白いパウダー状の固体が存在していることを確認した。その後、3,200rpm及び室温の条件で5分間遠心し、上清を捨てジエチルエーテルで2回洗浄した。再び上清を捨て、50%酢酸溶液で懸濁溶解させ、15mLチューブに移し、MILLI WRAPで覆って凍結乾燥を行った。こうして、GALA誘導体(I)を得た。
得られたGALA誘導体(I)をDMFに溶解し、12,000rpmで3分間遠心して不溶物を沈殿させ、上清を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用のサンプルとし、以下の条件で逆相HPLCを行い、GALA誘導体(I)を精製した。
カラム:cosmosil 5C−AR−300
濃度勾配:50B%→95B%(20分),95B%→95B%(20分)
95B%→95B%(5分,洗浄)
95B%→50B%(5分,平衡化)
流速:2.0 mL/min
温度:室温
検出波長:215nm
また、分取したサンプルに関し、同条件下のHPLCによる純度の確認と、MALDI−TOF MSによる分子量の測定とを行った。分子量測定時にはマトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシシナミン酸(CHCA)を使用した。
(2)次式:MPA−NH−GAL−CONH[式中、MPAは3−メルカプトプロピオニル基を表し、GALはGALA残基を表し、−NH−はGALAのN末端のアミノ基に由来し、−CONHはGALAのC末端のカルボキシル基に由来する。]で表されるGALA誘導体(IV)の調製
HPLCによって精製したGALA誘導体(I)と3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミド(SPDP)とを、DMFと水との混合溶媒中で1:2(モル比)で混合して37℃で3時間反応させた後、Sephadex G-25 Fine gel(アマシャムバイオサイエンス製)を用いて反応副生物を除去し、次式:PDP−NH−GAL−CONH[式中、PDPは3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニル基を表し、GALはGALA残基を表し、−NH−はGALAのN末端のアミノ基に由来し、−CONHはGALAのC末端のカルボキシル基に由来する。]で表されるGALA誘導体(V)の溶液を得た。次いで、最終濃度が50mMとなるようにジチオトレイトール(DTT)を添加して室温で30分間反応させた後、microcon YM-3(ミリポア製)を用いて限外濾過し、GALA誘導体(IV)の溶液を得た。
(3)MPA−NH−Tf[式中、MPAは3−メルカプトプロピオニル基を表し、Tfはトランスフェリン残基を表し、−NH−はトランスフェリンのアミノ基に由来する。]で表されるトランスフェリン誘導体(I)の調製
トランスフェリンとSPDPとをリン酸緩衝生理食塩水(PBS(−))中で1:1.5(モル比)で混合し、室温で30分間反応させ、次式:PDP−NH−Tf[式中、PDPは3−(2−ピリジルジチオ)プロピオニル基を表し、Tfはトランスフェリン残基を表し、−NH−はトランスフェリンのアミノ基に由来する。]で表されるトランスフェリン誘導体(II)の溶液を得た。次いで、最終濃度が50mMとなるようにDTTを添加して室温で30分間反応させた後、Sephadex G-25 Fine gel(アマシャムバイオサイエンス製)を用いて反応副生物を除去し、トランスフェリン誘導体(I)の溶液を得た。
(4)次式:mPEG−CO−NH−DSPE[式中、mPEGはメトキシ(ポリエチレングリコール)残基を表し、DSPEは1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン残基を表し、−NH−は1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのアミノ基に由来する。]で表されるポリエチレングリコール誘導体(I)(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])は、Avanti社より購入した。ポリエチレングリコール誘導体(I)の構造式は以下の通りである。
Figure 2006028030
(5)次式:Mal−PEG−CO−NH−DSPE[式中、Malはマレイミド基を表し、PEGはポリエチレングリコール残基を表し、DSPEは1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン残基を表し、−NH−は1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのアミノ基に由来する。]で表されるポリエチレングリコール誘導体(II)は、日本油脂社より購入した。ポリエチレングリコール誘導体(II)の構造式は以下の通りである。
Figure 2006028030
〔実施例1〕
(1)リポソームの調製
脂質組成が卵黄ホスファチジルコリン(EPC):コレステロール:ポリエチレングリコール誘導体(I):ポリエチレングリコール誘導体(II)=2:1:0.12:0.06(モル比)であるリポソームをREV法により調製した後、ポアサイズ400nm及び100nmのメンブレンを通過させた。この段階において、リポソーム膜の外表面には、メトキシ(ポリエチレングリコール)と、マレイミド基を末端に有するポリエチレングリコールとが導入される。
REV法によるリポソームの調製は、次のように行った。上記脂質組成物をCHClに溶解して最終容積を1mLとし、そこにジイソプロピルエーテル1mLを加えてボルテックスにより混合し、1mLずつに分注した。スルホローダミンB(Rh)溶液又はフルオレセインイソチオシアネート−ウシ血清アルブミン(FITC−BSA)のPBS(−)溶液500μLをそれぞれに加えてボルテックスにより混合し、約60秒間超音波処理し、エマルジョン形成させた。エマルジョン形成後、窒素ガスエバポレーションによりリポソーム溶液を得た。
次いで、リポソーム溶液にGALA誘導体(I)(リポソーム膜を構成する総脂質に対して0.5〜1%(モル比))を加えて37℃で1時間インキュベーションした。この段階において、リポソーム膜の外表面にはGALAが導入される。
次いで、リポソーム溶液にGALA誘導体(IV)及びトランスフェリン誘導体(I)を加えて4℃でO/N攪拌した。この段階において、リポソーム膜の外表面に導入されたポリエチレングリコールが末端に有するマレイミド基に、−S−を介してGALA誘導体(IV)及びトランスフェリン誘導体(I)が結合する。
以上のように、GALAと、GALAを末端に有するポリエチレングリコールと、トランスフェリンを末端に有するポリエチレングリコールと、GALA及びトランスフェリンを末端に有しないポリエチレングリコールとがリポソーム膜の外表面に導入されたリポソームを調製した。
GALA誘導体(I)及びGALA誘導体(IV)の使用量は、リポソーム膜を構成する総脂質に対して0.5%又は1%(モル比)とした。また、トランスフェリン誘導体(I)の使用量は、リポソーム膜を構成する総脂質に対して0.5%(モル比)とした。
GALA誘導体(I)及びGALA誘導体(IV)の使用量が0.5モル%であるリポソームには、5mM Rh溶液又は300μM FITC−BSA溶液(FITC換算)を封入し、GALA誘導体(I)びGALA誘導体(IV)の使用量が1モル%であるリポソームには、400μM FITC−BSA溶液(FITC換算)を封入した。
(2)リポソームの細胞内導入
各リポソームを1×10細胞/mLのK562細胞とともに、5%CO存在下37℃で18時間インキュベーションした後、共焦点レーザースキャン顕微鏡(CLSM)観察を行い、リポソームが導入された細胞の数、リポソームが導入された細胞のうちリポソームがエンドサイトースした細胞の数、及びリポソームが導入された細胞のうちリポソーム封入物質(Rh又はFITC−BSA)がエンドソームを脱出して細胞質中に放出された細胞の数を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2006028030
表1に示すように、リポソーム封入物質がRh等の低分子及びBSA等の高分子のいずれの場合であっても、リポソーム封入物質はエンドソームを脱出し、細胞質中に放出された。
〔比較例1〕
GALA誘導体(IV)を用いない点を除き、実施例1と同様にしてリポソームを調製した。すなわち、GALAを末端に有するポリエチレングリコールをリポソーム膜の外表面へ導入しない点を除き、実施例1と同様にリポソーム膜の外表面を修飾した。
GALA誘導体(I)の使用量は、リポソーム膜を構成する総脂質に対して1モル%とした。リポソームには、5mM Rh溶液を封入した。
リポソームを1×10細胞/mLのK562細胞とともに、5%CO存在下37℃で18時間インキュベーションした後、CLSM観察を行い、リポソームが導入された細胞の数、リポソームが導入された細胞のうちリポソームがエンドサイトースした細胞の数、及びリポソームが導入された細胞のうちリポソーム封入物質(Rh)がエンドソームを脱出して細胞質中に放出された細胞の数を評価した。
結果を表2に示す。
Figure 2006028030
表2に示すように、リポソーム封入物質がRh等の低分子であっても、リポソーム封入物質はエンドソームを脱出することはできなかった。
〔比較例2〕
GALA誘導体(I)を用いない点を除き、実施例1と同様にしてリポソームを調製した。すなわち、GALAをリポソーム膜の外表面へ導入しない点を除き、実施例1と同様にリポソーム膜の外表面を修飾した。
GALA誘導体(IV)の使用量は、リポソーム膜を構成する総脂質に対して1モル%とした。リポソームには、5mM Rh溶液を封入した。
リポソームを1×10細胞/mLのK562細胞とともに、5%CO存在下37℃で18時間インキュベーションした後、CLSM観察を行い、リポソームが導入された細胞の数、リポソームが導入された細胞のうちリポソームがエンドサイトースした細胞の数、及びリポソームが導入された細胞のうちリポソーム封入物質(Rh)がエンドソームを脱出して細胞質中に放出された細胞の数を評価した。
結果を表3に示す。
Figure 2006028030
表3に示すように、リポソーム封入物質がRh等の低分子であっても、リポソーム封入物質はエンドソームを脱出することはできなかった。

Claims (9)

  1. 下記(a)又は(b)に示すペプチドに結合したリポソーム膜構成物質と、下記(a)又は(b)に示すペプチドに一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質とを含むリポソーム。
    (a)配列番号1記載のアミノ酸配列からなるペプチド
    (b)配列番号1記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜同士を融合できるペプチド
  2. 細胞膜の表面上に存在する受容体又は抗原と結合できる物質に一端が結合した親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質をさらに含む請求項1記載のリポソーム。
  3. 細胞膜の表面上に存在する受容体又は抗原と結合できる前記物質が、トラスフェリン、インシュリン、葉酸、ヒアルロン酸、抗体若しくはその断片、糖鎖、成長因子又はアポリポタンパク質である請求項2記載のリポソーム。
  4. 一端が遊離末端である親水性ポリマーの他端に結合したリポソーム膜構成物質をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載のリポソーム。
  5. 前記親水性ポリマーがポリアルキレングリコールである請求項1〜4のいずれかに記載のリポソーム。
  6. 前記ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである請求項5記載のリポソーム。
  7. 細胞内へ送達しようとする目的物質が封入されている請求項1〜6のいずれかに記載のリポソーム。
  8. 前記目的物質が薬物、核酸、ペプチド、タンパク質、糖又はこれらの複合体である請求項7記載のリポソーム。
  9. 前記目的物質の細胞内送達用ベクターである請求項7又は8記載のリポソーム。
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