JP2006025709A - 害虫捕獲器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウス・温室等で作物別の害虫を選択的に捕獲可能で、害虫の捕獲性や使い勝手に優れ、有効期間が長く、使用範囲や期間に制限がなく、害虫を広範囲から呼び寄せることもなく、環境負荷の少ない害虫捕獲器の提供。
【解決手段】害虫が侵入可能な容器1と、容器の内部に配設された害虫に固有の誘引剤によって内部に害虫を誘引可能な誘引手段2と、容器1の内部に侵入した害虫を捕捉可能な捕捉手段3とを備えた害虫捕獲器であって、容器1を、害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない、複数の選択的害虫侵入用開口部14が配設された箱体又はピローケース体から構成し、誘引手段2を、供給部材21及び保液部材の組み合わせによって、誘引剤を保液部材に継続的に供給することが可能であるとともに、保液部材が誘引剤を一定時間保持することが可能に構成し、かつ、捕捉手段3を、容器1の内部に取り外し可能に配設された粘着シート31から構成する。
【選択図】図1
【解決手段】害虫が侵入可能な容器1と、容器の内部に配設された害虫に固有の誘引剤によって内部に害虫を誘引可能な誘引手段2と、容器1の内部に侵入した害虫を捕捉可能な捕捉手段3とを備えた害虫捕獲器であって、容器1を、害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない、複数の選択的害虫侵入用開口部14が配設された箱体又はピローケース体から構成し、誘引手段2を、供給部材21及び保液部材の組み合わせによって、誘引剤を保液部材に継続的に供給することが可能であるとともに、保液部材が誘引剤を一定時間保持することが可能に構成し、かつ、捕捉手段3を、容器1の内部に取り外し可能に配設された粘着シート31から構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、害虫(有害な昆虫)捕獲器に関する。さらに詳しくは、害虫(例えば、トマト、ナス、メロン等に被害を与えるミナミキイロコナジラミ、オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等)を捕獲する必要のある、例えば、ハウス・温室等において、作物別の害虫を選択的に捕獲可能で害虫の捕獲性能(捕獲性)及び使い勝手に優れるとともに、使用可能な有効期間が長く、使用範囲や期間に制限がなく、害虫を広範囲から呼び寄せてしまうこともなく、さらに、環境負荷の少ない害虫捕獲器に関する。
ハウス・温室等における害虫防除には、農薬や殺虫剤の使用が不可欠であるが、環境対策や市場からの要請によって、農薬や殺虫剤の使用を減らした所謂減農薬栽培が研究されている。一方、生物を害虫駆除に利用した所謂生物農薬の使用が普及し始めているが、コスト高にならざるを得ないことと、生態系の保全等の使用環境の慎重な検討が必要であることから、普及の拡大にはまだ時間を要するのが現状である。また、従来からある黄色や青色に着色された粘着シートが使用されているが、使用時の天候や、着色における色相のバラツキ等に影響されて、害虫の捕獲性が左右され、その性能上必ずしも満足すべきものとはなっていない。また、紫外線付捕虫器も使用されているが、設置場所に制約があることや広範囲から害虫を呼び寄せてしまう等の問題があり、その性能上必ずしも満足すべきものとはなっていない。また、一部に、モニタリング用としてフェロモン剤が使用されているが、フェロモン剤は、法律上農薬扱いのため、その使用には制約があり、ハウス・温室等における害虫防除には必ずしも適したものではないという問題がある。さらに、誘引剤を使用した害虫捕獲器も提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−306401号公報
しかし、特許文献1に記載された害虫捕獲器の場合、誘引剤として一般的な昆虫を対象にしているので、捕獲性の面で大きな効果を期待することができない。また、このような誘引剤を用いたものの場合、誘引剤の揮散が激しく、使用可能な有効期間が短いという問題があった。また、その有効範囲は誘引剤が揮散し、害虫が知覚しうる範囲に限定されるため、開放的な場所で用いたり、揮散範囲が狭い(効力が弱い)ものを用いると、捕獲性を低下させてしまうことになり、その反面、誘引剤として揮散範囲が広い(効力が強い)ものを用いると、害虫を広範囲から呼び寄せてしまうことにもなるという二律背反の問題がある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、害虫を捕獲する必要のある、例えば、ハウス・温室等において、作物別の害虫を選択的に捕獲可能で害虫の捕獲性能(捕獲性)及び使い勝手に優れるとともに、使用可能な有効期間が長く、使用範囲や期間に制限がなく、害虫を広範囲から呼び寄せてしまうこともなく、さらに、環境負荷の少ない害虫捕獲器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の害虫捕獲器が提供される。
[1]害虫が侵入可能な容器と、前記容器の内部に配設された前記害虫に固有の誘引剤によって前記容器の内部に前記害虫を誘引可能な誘引手段と、前記容器の内部に侵入した前記害虫を捕捉可能な捕捉手段とを備えた害虫捕獲器であって、前記容器が、前記害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない、複数の選択的害虫侵入用開口部が配設された箱体又はピローケース体から構成されてなり、前記誘引手段が、前記誘引剤を供給する供給部材及び前記誘引剤を保持する保液部材を有し、前記供給部材及び前記保液部材の組み合わせによって、前記誘引剤を前記保液部材に継続的に供給することが可能であるとともに、前記保液部材が前記誘引剤を一定時間保持することが可能に構成され、かつ、前記捕捉手段が、前記容器の内部に取り外し可能に配設された粘着シートから構成されてなることを特徴とする害虫捕獲器。
[2]前記容器が、耐水性紙、竹製材料、生分解性樹脂、汎用樹脂又は金属から構成されてなる前記[1]に記載の害虫捕獲器。
[3]前記容器の表面及び前記捕捉手段を構成する前記粘着シートの表面が、前記害虫に固有の誘引色である黄色又は青色に着色されてなる前記[1]又は[2]に記載の害虫捕獲器。
[4]前記容器に配設された複数の前記選択的害虫侵入開口部が、大き目の開口窓部に、前記害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない大きさの開口を有する防虫ネットを配設して構成されたものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の害虫捕獲器。
[5]前記容器が、吊り下げて設置することが可能な懸架手段を有してなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の害虫捕獲器。
[6]前記誘引手段を構成する前記誘引剤が、所定の植物から抽出された害虫誘引性のエキスに、糖類を混合して醗酵させたものからなる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の害虫捕獲器。
[7]前記誘引手段を構成する前記供給部材が、前記誘引剤の保液部材への供給量を調整することが可能に構成されたアンプル型容器からなり、かつ前記保液部材が、前記誘引剤の保持量及び揮散性を調整することが可能に構成された吸収マットからなる前記[1]〜[6]のいずれかに記載の害虫捕獲器。
本発明によって、害虫を捕獲する必要のある、例えば、ハウス・温室等において、作物別の害虫を選択的に捕獲可能で害虫の捕獲性能(捕獲性)及び使い勝手に優れるとともに、使用可能な有効期間が長く、使用範囲や期間に制限がなく、害虫を広範囲から呼び寄せてしまうこともなく、さらに、環境負荷の少ない害虫捕獲器が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の害虫捕獲器の一の実施の形態(容器として箱体を使用)を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す害虫捕獲器の一の実施の形態のA−A線における断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の害虫捕獲器10は、害虫が侵入可能な容器1と、容器1の内部に配設された害虫に固有の誘引剤によって容器1の内部に害虫を誘引可能な誘引手段2と、容器1の内部に侵入した害虫を捕捉可能な捕捉手段3とを備えた害虫捕獲器10であって、容器1が、害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない、複数の選択的害虫侵入用開口部14が配設された箱体又はピローケース体から構成されてなり(図1においては、縦長の直方体状の箱体の場合を示す)、誘引手段2が、誘引剤を供給する供給部材21及び誘引剤を保持する保液部材22を有し、供給部材21及び保液部材22の組み合わせによって、誘引剤を保液部材22に継続的に供給することが可能であるとともに、保液部材22が誘引剤を一定時間保持することが可能に構成され、かつ、捕捉手段3が、容器1の内部に取り外し可能に配設された粘着シート31から構成されてなることを特徴とするものである。以下、本実施の形態の害虫捕獲器10を構成する容器1、誘引手段2及び捕捉手段3について、さらに具体的に説明する。
本実施の形態において、容器1は、上蓋11、下蓋12及び側壁13から構成されている。この場合、組立てキットとして上蓋11、下蓋12及び側壁13を展開して折り畳んだ状態で、使用時に組立てるように構成することが好ましい。このように構成することによって、容器1の組立てを容易化することができるとともに、誘引手段2(供給部材21、保液部材22)及び捕捉手段3(粘着シート31)の、容器1内部への、取り外し可能な配設を容易化することができる。また、本実施の形態に用いられる容器1の大きさや形状は、捕獲する害虫の大きさや設置する場所に応じて適宜決定することができる。例えば、容器1の大きさとしては、捕獲する害虫が、ミナミキイロコナジラミ、オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ、マメハモグリバエ等の場合、(8〜10)cm×(8〜10)cm×(20〜35)cmの大きさのものを挙げることができる。容器1の形状としては、断面形状が四角形、多角形、円形、レーストラック形、楕円形等の箱体又はピローケース体を挙げることができる。縦長であっても横長であってもよい。
図1、2には、断面形状が四角形の箱体を用いた場合を示すが、図5〜7に示すように、ピローケース体を用いてもよい。
この場合、容器1の構成材料としては特に制限はないが、例えば、耐水性紙、竹製材料、生分解性樹脂、汎用樹脂又は金属から構成されてなることが好ましい。具体的には、上質紙及びポリエチレンテレフタレートを貼り合わせて積層させたもの等の耐水性紙、竹籠等の竹製材料、ポリ乳酸等の生分解性樹脂、ポリプロピレン等の汎用樹脂又はアルミニウム、鉄等の金属からなる金属板(アルミニウム板、鋼板)等から構成されたものを挙げることができる。中でも、廃棄処理が容易であること、水周りの場所や屋外で長期間使用することができること等から、耐水性紙から構成されたものが好ましい。また、生分解性樹脂から構成されたものを用いれば、ハウス・温室等で誤って土壌中に混入させる事態になっても環境に悪影響を与えることがない。
容器1の表面は、害虫に固有の誘引色である黄色又は青色に着色されてなることが好ましい。この場合、捕捉手段3(粘着シート31)の表面も同一色に着色されてなることがさらに好ましい。具体的には、黄色又は青色の誘引色は、マンセル表色値を用いた反射色で、黄色は色相:4Y、明度:7、彩度:14、また、青色は色相:3.0PB、明度:5.4、彩度:10.6の範囲のものであることが特に好ましい。このように構成することによって、捕獲性を向上させることができる(誘引剤を併用すると、それとの相乗効果によって、さらに捕獲性を向上させることができる)。また、使用範囲や期間に制限されることなく、使用可能な有効期間を長く保持することができる。
着色方法としては特に制限はないが、例えば、印刷、塗料の塗布、着色素材や着色粘着シートの貼付等を挙げることができる。これらの誘引機能によって引き寄せられた害虫は、容器1の内部に、複数の選択的害虫侵入用開口部14を経由して侵入し、容器1の内部側に配設された捕捉手段3(粘着シート31)に捕捉されることになる。
容器1に配設された複数の選択的害虫侵入開口部14は、大き目の開口窓部15に、害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない大きさの開口を有する防虫ネット16を配設して構成されたものであることが好ましい。この場合、防虫ネット16の材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好ましい。また、透明、白色、黄色又は青色に着色されたものであって、ネットの目合が4〜5mm角以内(益虫がハチ類の場合には4mm角以内)が好ましい。このように構成することによって、害虫(例えば、シルバーリーフコナジラミ)のみを内部に侵入させて益虫(例えば、マルハナバチ)を侵入させないようにすることができる。大き目の開口窓部15は、側壁13の各面に1〜3箇所程度配設することが好ましい。また、選択的害虫侵入開口部14は、側壁13の各面に開口窓部15を形成した状態で、防虫ネット16の袋(図示せず)を容器1の全体に被せることによって配設してもよい。
容器1は、吊り下げて設置することが可能な懸架手段17を有してなることが、害虫捕獲器の使い勝手を向上させる上で好ましい。具体的には、容器1の上蓋12に吊り下げ用のフラップ17a及びフラップaに形成された懸架用の孔部17bを有してなるものであることが好ましい。懸架用の孔部17bを形成する代わりに、両面テープ(図示せず)を用いて懸架するようにしてもよい。この場合、両面テープは伸縮性を有するものであることが好ましい。
図3は、本発明の害虫捕獲器の一の実施の形態における誘引手段を構成する供給部材(アンプル型容器)を模式的に示す説明図であり、図4は、本発明の害虫捕獲器の一の実施の形態における誘引手段を構成する保液部材(吸収マット)を模式的に示す断面図である。
誘引手段2を構成する誘引剤は、所定の植物から抽出された害虫誘引性のエキスに、糖類を混合して醗酵させたものからなることが好ましい。例えば、トマト、ナス、メロン等の野菜、果物に被害を与えるミナミキイロコナジラミ、オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等のコナジラミ類用として、キューリ、トマト、穀物類等の醗酵物、アザミウム類用としてバラ等の花木類の醗酵物、ミカンキイロアザミウム類用としてイチゴの醗酵物等を挙げることができる。また、殺虫成分等を配合しておいてもよい。誘引剤は、容器1の内部空間に貯蔵されて充満し、揮散ガスとして選択的害虫侵入用開口部14から徐々に拡散される。このように構成することによって、環境負荷の少ないものとすることができる。このような誘引剤としては、例えば、特開2003−306401号公報に記載された害虫防除補助液を好適例として挙げることができる。
図3、4に示すように、誘引手段2を構成する供給部材21として、誘引剤の保液部材22への供給量を調整することが可能に構成された樹脂、金属、ガラス製のアンプル型容器23からなり、かつ保液部材22が、誘引剤の保持量及び揮散性を調整することが可能に構成された吸収マット24からなることが好ましい。なお、アンプル型容器23の構成材料としては、簡便性とコストと廃棄処分等を考慮した場合、合成樹脂のアンプル型容器が好ましい。このように構成することによって、捕獲性を向上させることができるとともに、使用可能な有効期間を長く保持することができる。また、害虫を広範囲から呼び寄せてしまうこともない。
図3に示すように、アンプル型容器23の誘引剤の供給量は、アンプル型容器23の供給口23aに棒状体23bを挿入することによって、供給口23aの断面積と、供給口23a中に占める棒状体23bの断面積との比(誘引剤の通過スペースの大きさであって、具体的には、30ccの誘引剤を7日間掛けて供給するには、2つの断面積の割合を10:3〜10:8とするのが好ましく、10:5〜10:6とするのがさらに好ましい)及びアンプル型容器23の供給口23aに配設された吸着材23cの透液性の大きさによって調整することができる。なお、棒状体23b及び吸着材23cとしては、具体的には市販の綿棒又は脱脂綿付ストローを用いて構成してもよい。
図1に示すように、容器1の側壁13には、アンプル型容器23の供給口23aを吸収マット24に接触させるために挿入する挿入開口部13aを形成することが好ましい。図1には、挿入開口部13aを2個形成した場合を示す。
図4に示すように、吸収マット24の誘引剤の保持量(好ましくは、1〜2cc/cm3)及び揮散性は、吸収マット24の種類及び体積容量の選択をすることによって調整することができる。このような、吸収マット24としては、例えば、不織布性パルプ、不織布積層体、脱綿、スポンジ、不織布、高分子性吸収剤等からなるものを挙げることができる。このような吸収マット24は、容器1の底部に、吸収マット24を固定するための樹脂製のポーションカップ(固定台紙)25等の上に配設されることが液漏れを防止する上で好ましい。
図2、4に示すように、ポーションカップ(固定台紙)25を固定させる孔付ヤッコ(土台)18cを容器1の底部に配設することが好ましい。このように構成することによって、吸収マット24を的確な位置に配置することができ、アンプル型容器23の供給口23aを吸収マット24の表面に確実に接触させることができる。なお、図2において、符号18aは上部ヤッコ(土台)を、18bは下部ヤッコ(土台)を示す。
図1、2に示すように、捕捉手段3としては、例えば、容器1の内部に取り外し可能(交換可能)に配設された粘着シート31を好適例として挙げることができる。粘着シート31としては、コートボール紙、ケント紙、耐水性紙、樹脂製シート等の基体の両面又は片面に粘着剤層が形成され、剥離紙で保護されたものを挙げることができる。粘着剤層としては、例えば、アクリル樹脂等の合成樹脂系、ポリブテン等の合成ゴム系等の粘着剤から構成されてなるものを挙げることができる。中でも、ポリブテン等の合成ゴム系から構成されてなるものが好ましい。粘着剤層を配設する方法としては、例えば、キャレンダー塗工する方法を挙げることができる。粘着剤層の厚さとしては、捕獲する害虫の種類にもよるが、例えば、0.05〜0.1mmとすることが好ましい。粘着シート31は、使用時に、剥離紙を剥がして、容器1の上蓋11を開けて、害虫捕獲器の対角線上に挿しこむことが好ましい。粘着剤層は容器1の内部で密封(半密封)された状態で配設されるので、外部の塵埃や水滴によって粘着性が低下するのを防止することができる。このように構成することによって、使い勝手及び捕獲性を向上することができるとともに、使用可能な有効期間を長く保持することができる。
図5は、本発明の害虫捕獲器の他の実施の形態(容器としてピローケース体を使用)を模式的に示す斜視図であり、図6は、図5に示す害虫捕獲器の一の実施の形態のB−B線における断面図であり、図7は、本発明の害虫捕獲器の他の実施の形態(ピローケース体を使用)を模式的に示す斜視図である。
図5〜図7に示すように、本発明の害虫捕獲器の他の実施の形態は、容器4としてピローケース体を使用したものである。この場合、使用時に、ワンタッチで平面体から左右のフラップ41を折り込むことでピローケース立体構造になるように構成することが好ましい。大きさは5cm×20cm×30cm程度とすることが好ましい。
ピローケース体の容器4の両側に害虫の開口窓部42が形成され、益虫の浸入防止のために防虫ネット43が配設されて、選択的害虫侵入用開口部44を形成している。いずれの防虫ネット43(選択的害虫侵入用開口部44)の目合いは4〜5mm角以内であることが好ましい。
容器4の表面と捕捉手段(粘着シート)6の色相は統一されており、誘引色の黄色又は青色に着色されている。捕捉手段(粘着シート)6は、ピローケース体の容器4の長径に沿って差込式になっている。なお、図5において、符号17bは懸架用孔部を、17cは孔付きフックペロを示す。
図7に示すように、誘引手段(3方ピロー包装体)5は、3層積層フイルムに誘引剤を含浸させたウエットテシューの包装形態の形状を有している。3層積層フイルムからなる3方ピロー包装によって、充填物としての誘引剤を含浸させた吸収マット51を包み込んでいる。使用時は、3方ピロー包装体5の一方の面に楕円状の開口部(図示せず)を開け、上から再剥離用の粘着ラベルからなるフラップ52を剥がして、誘引剤の成分を揮散させる。3方ピロー包装体5の大きさは5cm×6cm×3cm程度であることが好ましい。誘引剤担体としての吸収マット51の大きさは、1.2cm×4cm×5cm程度であることが好ましく、誘引剤を30cc程度含浸させることが好ましい。
ピローケース体(楕円柱)の容器4の大きさは20cm×30cm×5cm程度であることが好ましく、開口窓部42の大きさは20cm×16cm程度であることが好ましい。捕捉手段(粘着シート)6の大きさは19cm×25cm程度が好ましい。使用時には、剥離紙を剥がして、誘引剤担体の3方ピロー包装体5を粘着シートの中心の粘着面に貼り付け、楕円の長径に沿って挿しこみ、次いで、3方ピロー包装体5のフラップ52を剥がして誘引剤を揮散させることが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
容器の大きさは、10cm×10cm×35cmで、その形状は断面形状が四角形の箱体の形状をしたものとし、上下に蓋を取付けて、箱体の4つの側壁に開口窓部を形成した(開口窓部の大きさは、6cm×28cm及び6cm×23cmとし、各側壁にそれぞれ6cm×28cm及び6cm×23cmの開口窓部を形成した)。開口窓部にはマルハナバチ用防虫ネット(クラレ(株)製、商品名:マルハナバチ寒冷紗F2800)を貼り付けた。容器及び粘着シートの表面は黄色の同色に着色した。容器の底部に、吸収マットとしての不織布積層体(王子キノクロス(株)製、商品名:ハトシート12C)を12mm×25mm×25mmの直方体の形状に整形して配置した。厚紙で作製したヤッコの真中に直径5cmの孔部を形成した箇所に直径5cmのポーションカップ(固定台紙)を配置した。容器の2つの側壁の下方に楕円形の孔を左右対称に開口し、その孔に、30ccの誘引剤が充填されたアンプル型容器を吸収マットに接触するまで挿入して吸収マットに誘引剤を含浸させた。誘引剤の供給期間はアンプル型容器1本で7日間保持された(吸収マットの含浸保持性と誘引剤の揮散性との作用で誘引剤は7日間継続的に放散し続けた)。誘引剤としては、トマト及びナスのエキス抽出物と糖類との混合物を醗酵したものを10倍希釈させて使用した。捕獲試験で使用した粘着シートの面積は全て896cm2に統一した。熊本県、静岡県、千葉県のトマトハウス内で捕獲試験を実施した。1週間放置後回収して害虫の同定と捕獲数をカウントした。なお、試験数は、各3回としてその平均値を算出した。試験結果を表1に示す。
容器の大きさは、10cm×10cm×35cmで、その形状は断面形状が四角形の箱体の形状をしたものとし、上下に蓋を取付けて、箱体の4つの側壁に開口窓部を形成した(開口窓部の大きさは、6cm×28cm及び6cm×23cmとし、各側壁にそれぞれ6cm×28cm及び6cm×23cmの開口窓部を形成した)。開口窓部にはマルハナバチ用防虫ネット(クラレ(株)製、商品名:マルハナバチ寒冷紗F2800)を貼り付けた。容器及び粘着シートの表面は黄色の同色に着色した。容器の底部に、吸収マットとしての不織布積層体(王子キノクロス(株)製、商品名:ハトシート12C)を12mm×25mm×25mmの直方体の形状に整形して配置した。厚紙で作製したヤッコの真中に直径5cmの孔部を形成した箇所に直径5cmのポーションカップ(固定台紙)を配置した。容器の2つの側壁の下方に楕円形の孔を左右対称に開口し、その孔に、30ccの誘引剤が充填されたアンプル型容器を吸収マットに接触するまで挿入して吸収マットに誘引剤を含浸させた。誘引剤の供給期間はアンプル型容器1本で7日間保持された(吸収マットの含浸保持性と誘引剤の揮散性との作用で誘引剤は7日間継続的に放散し続けた)。誘引剤としては、トマト及びナスのエキス抽出物と糖類との混合物を醗酵したものを10倍希釈させて使用した。捕獲試験で使用した粘着シートの面積は全て896cm2に統一した。熊本県、静岡県、千葉県のトマトハウス内で捕獲試験を実施した。1週間放置後回収して害虫の同定と捕獲数をカウントした。なお、試験数は、各3回としてその平均値を算出した。試験結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、誘引剤、アンプル型容器及び吸収マットを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にした。試験結果を表1に示す。
実施例1において、誘引剤、アンプル型容器及び吸収マットを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にした。試験結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で用いた防虫ネットを袋状にしたものによって、市販の黄色粘着シート捕虫器(トーメン(株)製、商品名:ホリバー)を被覆したものを用いて実施例1と同様に捕獲試験を実施した。試験結果を表1に示す。
実施例1で用いた防虫ネットを袋状にしたものによって、市販の黄色粘着シート捕虫器(トーメン(株)製、商品名:ホリバー)を被覆したものを用いて実施例1と同様に捕獲試験を実施した。試験結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で用いた防虫ネットを袋状にしたものによって、市販の紫外線付捕虫器(ニチバン(株)製、商品名:ムシビタライトM100)を被覆したものを用いて実施例1と同様に捕獲試験を実施した。試験結果を表1に示す。
実施例1で用いた防虫ネットを袋状にしたものによって、市販の紫外線付捕虫器(ニチバン(株)製、商品名:ムシビタライトM100)を被覆したものを用いて実施例1と同様に捕獲試験を実施した。試験結果を表1に示す。
表1から、実施例1の方が、誘引剤、アンプル型容器及び吸収マットを用いなかった比較例1〜3よりも捕獲性に優れていることがわかる。
本発明の害虫捕獲器は、害虫の発生を防止する必要のある、各種産業分野、例えば、ハウス・温室等で有効に用いられる。
1…容器、2…誘引手段、3…捕捉手段、4…容器、5…誘引手段(3方ピロー包装体)、6…捕捉手段(粘着シート)、10…害虫捕獲器、11…上蓋、12…下蓋、13…側壁、13a…挿入開口部、14…選択的害虫侵入用開口部、15…開口窓部、16…防虫ネット、17…懸架手段、17a…フラップ、17b…懸架用の孔部、17c…孔付きフックペロ、18a…上部ヤッコ(土台)、18b…下部ヤッコ(土台)、18c…孔付きヤッコ(土台)、21…供給部材、22…保液部材、23…アンプル型容器、23a…供給口、23b…棒状体、23c…吸着材、24…吸収マット、25…ポーションカップ(固定台紙)、31…粘着シート、41…フラップ、42…開口窓部、43…防虫ネット、44…選択的害虫侵入用開口部、51…吸収マット、52…フラップ。
Claims (7)
- 害虫が侵入可能な容器と、前記容器の内部に配設された前記害虫に固有の誘引剤によって前記容器の内部に前記害虫を誘引可能な誘引手段と、前記容器の内部に侵入した前記害虫を捕捉可能な捕捉手段とを備えた害虫捕獲器であって、
前記容器が、前記害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない、複数の選択的害虫侵入用開口部が配設された箱体又はピローケース体から構成されてなり、
前記誘引手段が、前記誘引剤を供給する供給部材及び前記誘引剤を保持する保液部材を有し、前記供給部材及び前記保液部材の組み合わせによって、前記誘引剤を前記保液部材に継続的に供給することが可能であるとともに、前記保液部材が前記誘引剤を一定時間保持することが可能に構成され、かつ、
前記捕捉手段が、前記容器の内部に取り外し可能に配設された粘着シートから構成されてなることを特徴とする害虫捕獲器。 - 前記容器が、耐水性紙、竹製材料、生分解性樹脂、汎用樹脂又は金属から構成されてなる請求項1に記載の害虫捕獲器。
- 前記容器の表面及び前記捕捉手段を構成する前記粘着シートの表面が、前記害虫に固有の誘引色である黄色又は青色に着色されてなる請求項1又は2に記載の害虫捕獲器。
- 前記容器に配設された複数の前記選択的害虫侵入開口部が、大き目の開口窓部に、前記害虫のみを内部に侵入させて益虫を侵入させない大きさの開口を有する防虫ネットを配設して構成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の害虫捕獲器。
- 前記容器が、吊り下げて設置することが可能な懸架手段を有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の害虫捕獲器。
- 前記誘引手段を構成する前記誘引剤が、所定の植物から抽出された害虫誘引性のエキスに、糖類を混合して醗酵させたものからなる請求項1〜5のいずれかに記載の害虫捕獲器。
- 前記誘引手段を構成する前記供給部材が、前記誘引剤の保液部材への供給量を調整することが可能に構成されたアンプル型容器からなり、かつ前記保液部材が、前記誘引剤の保持量及び揮散性を調整することが可能に構成された吸収マットからなる請求項1〜6のいずれかに記載の害虫捕獲器。
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-
2004
- 2004-07-16 JP JP2004209826A patent/JP2006025709A/ja active Pending
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