JP5140461B2 - シロアリ防除装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シロアリの予防及び駆除を図るためのシロアリ防除装置に関する。
一般に、シロアリを防除する方法として、防蟻剤を建物の床下の土壌へ散布し、シロアリが食害する木部へ防蟻剤を直接に散布するなどの処理がなされるが、近年、液剤の大量散布に替わる方法として、シロアリに摂食させて駆除する食毒剤も使用されている。
食毒剤によるシロアリ駆除方法は、木片等を入れた容器を地中に埋設し、シロアリが木片等を摂食した後、これに代えて食毒剤を入れて駆除している(非特許文献1)。
この方法では、シロアリが木片を摂食した状態を確認するために、1年に数回は設置場所の地中を調査しなければならず、駆除作業に多くの労力を要するという問題がある。
この問題を解決する方法として、予め、食毒剤を収納した容器を地中に埋設する方法が考えられた(特許文献1)。
特開2007−53946号公報
「しろあり」、2005年10月、社団法人日本しろあり対策協会発行、No142、第19頁〜23頁
しかし、上記した従来の方法では、雨などが降った後に、容器内の食毒剤が水分を必要以上に吸水していつまでも乾かず、シロアリの摂食を妨げる要因になっているという問題点がある。
また、容器内で吸水した食毒剤が乾燥するように、容器の表面に特に大きさの規制なく開口部や通気孔を設けてしまうと、そこからシロアリ以外の害虫が容器内に侵入し、住み着いてしまってシロアリが侵入できず、食毒剤を摂食しなくなることも問題である。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、防除作業の効率を高めて可及的に労力を要せず、殺シロアリ剤が吸水した場合には速やかに乾燥させることができ、かつシロアリ以外の害虫の侵入を阻止できるシロアリ防除装置とすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、シロアリが侵入可能な開口部を有する殺シロアリ剤収納容器を設け、この殺シロアリ剤収納容器に前記開口部を塞ぐように封鎖部材を保持させてなり、この封鎖部材はシロアリの穿孔可能な素材で設けてなるシロアリ防除装置としたのである。
上記したように構成されるこの発明のシロアリ防除装置は、封鎖部材が、シロアリの穿孔可能な素材で設けられているので、シロアリは封鎖部材を食べるか、または齧りとってシロアリが通過できる程度の通路(トンネル)を形成し、開口部から収納容器内に侵入する。すなわち、封鎖部材に形成される通路は、シロアリが通過に必要な直径3mm程度に形成されるので、これより体格の大きな虫は通過できない。そのために、例えばミミズやダンゴムシなどのようにシロアリより体格の大きな虫は、殺シロアリ剤収納容器内に侵入できず、殺シロアリ剤収納容器内にはシロアリが生息する環境として、競合者のいない好ましい環境を創り出して、すなわち殺シロアリ剤を良く摂食する条件にすることができる。
このような手段に必要な封鎖部材として採用するシロアリの穿孔可能な素材は、例えば木材のように、シロアリ誘引成分もしくは防腐成分または両成分を含有する素材であるものが好ましい。
シロアリの穿孔可能な素材で封鎖される開口部は、最大開口寸法2mm以上であり、かつ開口面積3mm2以上の開口部であれば、少なくとも1つ以上のシロアリの通路を形成することが確実にできる開口部になり、前記封鎖部材の作用で好ましいシロアリ防除装置が形成される。最大開口寸法2mm未満の開口部、または開口面積3mm2未満の開口部では、シロアリが通路を形成することが困難になるために好ましくない。
このようにシロアリが通過可能な開口部の他に、殺シロアリ剤収納容器には、最小開孔寸法2mm未満であり、好ましくは一つの開孔面積3mm2未満の通気孔が複数形成されていることが、容器内部を乾燥させるために好ましい。この発明でいう最小開孔寸法は、例えば通気孔の外観形状が楕円形に類似する場合には最短径の寸法であり、スリット状の場合には最小幅寸法であり、その他の孔形状である場合には、開口する最小径または最小幅の部分の開孔寸法をいう。
このような最小開孔寸法が2mm以上、または一つの開孔面積3mm2以上の通気孔では、シロアリ以外の虫が容易に侵入可能になり、また雨水なども通過しやすくなるために好ましくない。
このように通気孔は、水分やシロアリ以外の虫が侵入し難い大きさや配置で形成されたものが好ましく、殺シロアリ剤収納容器の上部、好ましくは上面に、例えば一つの孔面積0.008mm2以上3mm2未満(直径0.1mm以上2mm未満)の通気孔が10個以上、好ましくは25〜100個形成されているシロアリ防除装置であることが好ましい。
また、上記のシロアリ防除装置において、これに用いる殺シロアリ剤収納容器が、天井壁に傾斜面または曲面からなる結露水の滴下防止面を、殺シロアリ剤を覆うように設けた殺シロアリ剤収納容器にすると、容器内が結露した場合に、天井壁に凝結した水滴が殺シロアリ剤に直接降りかからないので、湿潤な環境下でも殺シロアリ剤が水分を過剰に含んだ状態になり難く、駆除効率を維持するために好ましいシロアリ防除装置になる。
上記のシロアリ防除装置において、さらに殺シロアリ剤収納容器の内側に突出させて壁に沿って伸びるリブを設け、このリブで収納容器内の殺シロアリ剤を容器内側から離して位置させることにより収納容器内に通気性の間隙を形成したものとすることが、収納容器内の乾燥を速やかにするために好ましい。
収納容器内にできるだけ多くの殺シロアリ剤を収容すべき態様を考えると、所定位置の通気孔からの換気作用だけでは収容室内が充分に乾燥しないが、前記のように収納容器内に通気性の間隙を形成し、リブに沿って通気路を形成すると、通気孔からの外気を収納容器の要所または全体に通じさせることができる。
また、このように通気性を高めるリブが、殺シロアリ剤収納容器の内側に突出させて側壁に沿って上下方向またはその他の方向へ伸びるリブであり、このリブより下方の側壁にもしくは底壁に、または両壁に跨る開口部を形成し、この開口部を塞ぐ封鎖部材を収納容器外から挿入可能であるように挿入用開口部を側壁に形成したシロアリ防除装置とすることにより、前述の通気性の改善と共に、シロアリの侵入容易な開口部の形成ができ、しかも封鎖部材の容易かつ確実な装着をすることができる。
すなわち、リブより下方の側壁にもしくは底壁に、または両壁に跨る開口部を形成すれば、収納容器の下部であって、シロアリ防除装置の地中埋設状態で適当な深度に開口部を配置することができ、また水平方向ばかりでなく、上下方向からもシロアリの侵入に適当な開口部になる。また、適当な厚さの板状の封鎖部材を側壁に形成された挿入用開口部から挿入するだけで、複数の開口部を同時に塞ぐことができ、かつ封鎖部材をリブ下端で押さえて、底壁上などの所定位置に保持した状態に設けることができる。
この発明は、シロアリが侵入可能な開口部を有する殺シロアリ剤収納容器において、前記開口部を塞ぐようにシロアリの穿孔可能な封鎖部材を保持したシロアリ防除装置としたことにより、封鎖部材に、シロアリのみが通過できる程度の通路(トンネル)がシロアリによって形成され、そのような通路から他の虫が収納容器内へ侵入できないので、効率よくシロアリ防除がなされるシロアリ防除装置となる利点がある。
また、殺シロアリ剤収納容器の内側に突出して壁に沿って伸びるリブを設けたシロアリ防除装置に係る発明では、上記の利点と共に、リブに沿って収納容器内に通気路が形成されるため、殺シロアリ剤が吸水した場合にも速やかに乾燥する。
殺シロアリ剤収納容器の天井壁に結露水の滴下防止面を設けたシロアリ防除装置は、容器内が結露しても殺シロアリ剤に過剰な水分が含まれずに防除効率のよいシロアリ防除装置を維持できる利点がある。
このように本願の各請求項に係る発明は、防除作業の効率を高めて可及的に労力を要しないものになり、食毒剤が吸水した場合にも速やかにそれを乾燥させることができ、かつシロアリ以外の害虫の殺シロアリ剤収納容器の内側への侵入は阻止されるシロアリ防除装置となる。
この発明の実施形態を以下に説明するに当たり、先ず、この発明に用いる殺シロアリ剤と防除対象のシロアリについて説明する。
この発明に用いる殺シロアリ剤は、食毒剤または接触により作用する殺虫剤であり、有効成分と一体に、または別に分離または分散させて配置される餌材や担体、賦形剤も含んでいう。餌材や担体としては、例えば紙、木材等のセルロース質の繊維からなるもの、またはセルロース粉末、結晶セルロース、木材、木粉などが挙げられる。さらに、具体的には段ボールその他の紙、パルプ、おが屑、木片、酢酸繊維素プラスチック(セルロースアセテート)なども挙げられ、これらは、成形体であっても繊維状などの不定形の形態であってもよく、繊維形態の場合は、編織布または脱脂綿のような不織布のいずれであってもよい。
殺シロアリ剤の代表例としては、シロアリに有効な殺虫剤(例えば遅効性昆虫成長抑制剤であるビストリフルロン)をイソプロピルアルコールなどの溶剤に適当な希釈倍率で溶解して、これを紙や不織布に浸み込ませ乾燥させたシートを多数枚積み重ねたものを、図示した形態の殺シロアリ剤として使用できる。
前記の殺虫剤としては、速効性の殺虫剤よりも遅効性殺虫剤が好ましく、例えば、ホウ酸、スルフルラミド、ネオニコチノド系化合物、ピロール系化合物、フェニルピラゾール系化合物、昆虫の変態を阻害することにより害虫を防除する昆虫成長制御剤を挙げることができる。
ネオニコチノド系化合物には、イミダクロプリド、アセタミプリド、チアメトキサム、クロチアニジンなど、ピロール系化合物にはクロルフェナピルなどがあり、フェニルピラノール系化合物にはフィプロニルなどがある。また、昆虫成長制御剤には、幼若ホルモン様物質、べンノイルフエニルウレア系キチン合成阻害剤、その他のキチン合成阻害剤、皮膚硬化剤などが挙げられ、幼若ホルモン様物質としては、ピリプロキシフエン、メトプレン、ハイドロプレン、フエノキシカルブなど、ペンノイルフェニルウレア系キチン合成阻害剤としては、ジフルべンズロン、テフルべンズロン、フルフエノクスロン、ビストリフルロン、へキサフルムロン、トリフルムロン、ノバルロン、クロルフルアズロンなど、その他のキチン合成阻害剤としてはエトキサゾールなどがあり、皮膚硬化剤としてはシロマジンなどをそれぞれ挙げることができる。
上記の殺虫剤で防除できるシロアリとしては、ヤマトシロアリ、イエシロアリを挙げることができる。
次に、この発明の実施形態を、添付図面を参照して説明すると、図1〜4に示すように、第1実施形態は、方形状の収納容器1の底部にシロアリが侵入可能な開口部2を形成し、この開口部2を塞ぐように封鎖部材3を保持させると共に、餌材と一体にした殺シロアリ剤4を収納し、封鎖部材3はシロアリの穿孔可能な木材などの素材で設けたシロアリ防除装置である。
収納容器1は、耐水性その他所要の耐久性を有する合成樹脂、セラミックス、金属またはこれらの複合材料等からなり、再使用可能なものであることが好ましい。
収納容器1の開口部2は、最大開口寸法が2mm以上であり、かつ開口面積3mm2以上に形成するとシロアリの侵入が充分に可能になって好ましい。このような開口部2は、収納容器1の側壁5および底壁6に跨って連続したL字型形状のものを図示したが、側壁5のみに形成するか、または底壁6のみに形成してもよい。側壁5に形成する開口部2の位置は、底壁6の内側面から2〜10mmにすれば、封鎖部材3の好ましい厚さ(2〜10mm)と対応する。
この発明に用いる封鎖部材3は、シロアリの穿孔可能な素材からなり、例えば、天然の木材などであるが、それら以外にも集成材やパーティクルボードなどの人工の木質材が挙げられ、または発泡スチロールなどのように比較的木質に近い硬さの合成樹脂または天然樹脂は、シロアリの穿孔可能な素材として採用でき、これらにシロアリ誘引成分もしくは防腐成分または両成分を含有させて用いることが、誘引性を高めて耐久性良く使用するために好ましい。
シロアリ誘引成分としては、シロアリの嗜好性のある餌となるもの、またはその臭い成分等のようにシロアリの知覚器官に作用する物質からなるものであり、性フェロモンや集合フェロモンなども含めて総称されるものである。
また、この発明に用いる防腐成分は、シロアリの穿孔可能な素材に対して微生物が繁殖することを抑制し、素材の形状が長期間保たれるようにする成分であり、シロアリが忌避しないものであれば周知の抗菌剤や防黴剤などを使用できる。因みに、ヒノキなどの木材その他の天然材に含まれる抗菌成分または防黴成分等も使用可能である。
図示したように、殺シロアリ剤の収納容器1は、上面開口の蓋7付きの容器として形成されており、蓋7と容器本体8はヒンジ9で結合され、蓋7には、一つの孔面積0.008mm2以上3mm2未満(直径0.1mm以上2mm未満)の通気孔10が10個以上の多数個形成されている。
図3に示すように、収納容器1の天井壁を形成する蓋7の内側全面に、ドーム形の円曲面からなる結露水の滴下防止面7aが設けられている。このような結露水の滴下防止面7aにより、水滴wは、表面張力によって円曲面を伝って低い側へ移動し、殺シロアリ剤4の直上から滴下されず、リブ11の形成された側壁5を伝って流下されるか、または殺シロアリ剤4の直上以外の周辺部に一時的に溜まり、経時により自然に蒸発する。結露水の滴下防止面7aは、天井壁の全面に設けたものを図示したが、少なくとも殺シロアリ剤の上方部分を覆うように設ければよい。
また、滴下防止面7aは、比較的緩やかに形成されたドーム形のものを図示したが、このように特に限定された形状でなくてもよく、例えば切妻形の傾斜面や頂上部のない単なる傾斜面、半球などの円蓋、アーチ形、その他の円曲面などからなる曲面または斜面と組み合わされた周知形状、さらにはこれらに放射状等に溝や条が形成されたものなど、水滴の滴下防止作用のある面形状に設ければよい。
図示した以外にも収納容器1の形状は、限定されることなく、立方体、直方体その他の多面体、円筒形、円錐体(円錐台を含む)などの周知の容器形状を採用することができ、その材質はプラスチック、金属、セラミックスなどのうちシロアリが食害しない材質ものを選択的に採用することができる。
図3に示すように、実施形態では通気孔10の断面形状は、外面に向かって窄まるなだらかな曲面で漏斗状に形成されているため、容器内部の空気を外に逃がしやすく、外部から水分が流入し難く、またシロアリ以外の虫の侵入を効率よく抑制する。上記したような形状の通気孔10は、最小開孔寸法が孔面積3mm2未満の条件を満たせばよい。
一方、容器本体8には、側壁5の内側に突出させて壁に沿って伸びるリブ11を設け、このリブ11で殺シロアリ剤4を容器本体8の内側から離して位置させることにより、収納容器1内に通気性の間隙aを形成している。
リブ11は、通気孔10に通じる通気路を収納容器の内側に沿って形成できる配置と大きさであれば、図示した配置に限定されることなく、適宜な配置をとることもでき、例えば、上下方向に対して水平方向に傾斜させたものでもよく、連続したリブ11ばかりでなく、不連続に形成されたものであっても良い。また、図示したように、蓋7の内側にもリブ13を形成し、殺シロアリ剤4を容器本体8の内側から離して位置させることにより、通気性の間隙aを形成して通気路が通気孔10に連続したものとなるように形成している。
また、側壁5に形成したリブ11は、底壁6から一定の高さまで形成し、このリブ11より下方の側壁5および底壁6の両壁に跨るようにL字型の開口部2を形成し、この開口部2を塞ぐ板状の封鎖部材3を収納容器外から挿入可能であるように挿入用開口部12を側壁に形成している。このような挿入用開口部12も前述した開口部2と同様に、シロアリ侵入用の通路形成作用を奏するものである。
板状の封鎖部材3は、底壁6からリブ11の下端の高さまでの距離に対応する一定の厚みで形成することにより、底壁6とリブ11の間に封鎖部材3を挟み込んで固定されかつ開口部2に密接させて保持することができる。封鎖部材3は、シロアリの穿孔習性などを考慮して厚さが10mm以下に調整されることが好ましい。
図4に示すように、挿入用開口部12の底壁側リムには返し状の突起部6aが形成されているため、挿入用開口部12の底壁側リムを弾性的に拡開して挿入された封鎖部材3が、同図鎖線に示す状態に弾性復帰して抜け止めされる。
以上のように構成された第1実施形態のシロアリ防除装置は、封鎖部材3を開口部2から底壁6に沿わせて挿入し、その上に殺シロアリ剤4を載せ、蓋7を閉じ、シロアリの生息する場所、シロアリの被害から守るべき建築物の周囲や床下など、シロアリの生息しそうな土中に埋設して駆除または予防のために使用することができ、殺シロアリ剤が吸水した場合にも速やかに乾燥させることができ、かつシロアリ以外の害虫の侵入を阻止できるシロアリ防除装置となる。
次に、図5および図6に示す第2実施形態は、第1実施形態の一部形状を変更した例であり、収納容器14の形状を長方形状にすると共に、蓋15にもその上面と側面に跨るL字型の開口部2を形成し、底壁側に設ける封鎖部材3と同様に、蓋15の内側にも封鎖部材3(図6参照)を設けて殺シロアリ剤をサンドイッチ状に挟んで保持するシロアリ防除装置である。
以上のように構成された第2実施形態のシロアリ防除装置は、封鎖部材3を挿入用開口部12から挿入し、その上に殺シロアリ剤4を載せ、さらに封鎖部材3を載せた状態で蓋15を閉じて、これをシロアリの生息しそうな土中に埋設して駆除または予防のために使用する。このようにすると、第1実施形態と同様に、殺シロアリ剤が吸水した場合にも速やかに乾燥させることができ、かつシロアリ以外の害虫の侵入を阻止できるシロアリ防除装置となる。
図1〜3に示した形状の殺シロアリ剤の収納容器(内容積約84.5cm)に厚さ5mmの正方形木片からなる封鎖部材を一枚底面に挿入し、その上に殺シロアリ剤を載置した。殺シロアリ剤は、遅効性昆虫成長抑制剤であるビストリフルロンをイソプロピルアルコールに希釈溶解して、これを不織布(ティシュペーパー)に浸み込ませ乾燥させたシートを多数枚積み重ねたものを容器内に充填されるように使用した。
収納容器の通気孔は、蓋に直径1.0mmの孔が82個形成されたものとし、雨水を想定して水滴を100ml程度ふりかけ、殺シロアリ剤に46.5gの水分が浸み込んだ状態とした。
これを屋外に7日間、放置したところ水分残存量は、38.7gであった。また24日後の水分残存量は18.4gであり、充分に乾燥しているものと認められた。
次に、殺シロアリ剤の収納容器を実験槽(37×48×25cm)のバーミキュライト混合の砂中5cm下に埋設し、イエシロアリおよびダンゴムシをそれぞれ30匹を放し、1ヶ月屋内に放置した後、収納容器を開封して観察した。
その結果、殺シロアリ剤収納容器内にダンゴムシの侵入は認められず、シロアリが殺シロアリ剤を摂食した後、全滅して駆除されていると認められた。
第1実施形態の部品を分解して示す斜視図 図1の収納容器の平面図 第1実施形態の収納容器の断面図 図3の挿入用開口部の部分を拡大して使用状態を示す断面図 第2実施形態の収納容器を分解して示す斜視図 第2実施形態の収納容器の断面図
符号の説明
1、14 収納容器
2 開口部
3 封鎖部材
4 殺シロアリ剤
5 側壁
6 底壁
6a 突起部
7、15 蓋
7a 滴下防止面
8 容器本体
9 ヒンジ
10 通気孔
11、13 リブ
12 挿入用開口部
w 水滴
a 通気性の間隙

Claims (4)

  1. シロアリが侵入可能な開口部を有する殺シロアリ剤収納容器を設け、この殺シロアリ剤収納容器に前記開口部を塞ぐように封鎖部材を保持させてなり、この封鎖部材はシロアリの穿孔可能な素材で設け、前記殺シロアリ剤収納容器には、最小開孔寸法2mm未満の通気孔が複数形成されており、前記殺シロアリ剤収納容器の天井壁に傾斜面または曲面からなる結露水の滴下防止面を、殺シロアリ剤を覆うように設けてなるシロアリ防除装置。
  2. シロアリの穿孔可能な素材が、シロアリ誘引成分もしくは防腐成分または両成分を含有する素材である請求項1に記載のシロアリ防除装置。
  3. 請求項に記載のシロアリ防除装置において、
    殺シロアリ剤収納容器の内側に突出させて壁に沿って伸びるリブを設け、このリブで収納容器内の殺シロアリ剤を容器内側から離して位置させることにより収納容器内に通気性の間隙を形成したことを特徴とするシロアリ防除装置。
  4. 殺シロアリ剤収納容器の内側に突出させて側壁に沿って伸びるリブを設け、このリブより下方の側壁もしくは底壁または両壁に開口部を形成し、この開口部を塞ぐ封鎖部材を収納容器外から挿入可能であるように挿入用開口部を側壁に形成したことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシロアリ防除装置。
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