JP2005058207A - アリ用毒餌剤容器および食餌体用アリ誘引剤組成物 - Google Patents

アリ用毒餌剤容器および食餌体用アリ誘引剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 容器本体内に収納された毒餌剤までアリを積極的に誘導することができ、これによりアリが毒餌剤を食べる確率を著しく向上させることができるアリ用毒餌剤容器および当該アリ用毒餌剤容器に好適な食餌体用アリ誘引剤組成物を提供すること。
【解決手段】 アリ用毒餌剤容器(10)は、アリ用の侵入口(19)を有し、当該侵入口(19)を介して内部と外部とが連通された容器本体(11)と、当該容器本体(11)内に配置された毒餌剤(2)と、アリ(3)を容器本体(11)の外部から毒餌剤(2)へ誘導するために侵入口(19)付近から毒餌剤(2)へ向けて連なる部分を有する食餌体(20)と、を備えている。食餌体(20)に含浸若しくは保持されている食餌体用アリ誘引剤組成物は、アリ用誘引剤(22)と、当該アリ用誘引剤(22)が食餌体(20)から脱落することを防止するための脱落防止剤と、を配合したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アリ(蟻)を効果的に防除するためのアリ用毒餌剤容器の改良に関する。
社会性昆虫であるアリを防除するためのアリ用毒餌剤容器は従来から知られている。図24は従来のアリ用毒餌剤容器の一例(アリ用毒餌剤容器1)を示す横断面図である。図24に示されるように、アリ用の侵入口4が設けられた容器本体1aは内部に毒餌剤2を収納した状態でアリ3が活動する場所に設置される。尚、使用者や、犬、猫、等の小動物に毒餌剤2が直接触れられることが無いよう安全性確保の観点から、容器本体1aは、侵入口4を介して外部から毒餌剤2に容易に触れることができない構造(例えば、容器本体1a内部の侵入口4から遠い位置に毒餌剤2が収納される構造)を有するのが一般的である。
また、アリを防除する方法として、箱体内の害虫誘引源の周囲に殺虫剤処理部を設け且つ箱体側面の開口部から箱体内部に向けて昇りの勾配を設けて害虫の防除を図ったものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−256658号公報(第2〜3頁、図1〜図2)
前述のように、図24に示される従来のアリ用毒餌剤容器1の容器本体1aは毒餌剤2に容易に触れることができない構造を有しているため、アリ3が毒餌剤2を発見し難く、アリ3が容器本体1a内に侵入する確率を低くする要因の一つとなっている。また、アリ3が容器本体1a内に侵入しても、毒餌剤2に到達せずに図24に示すように例えばUターンして容器本体1aから出てしまう場合もある。アリ3を容器本体1a内に効率良く誘引することは、防除効果を向上させるための必要条件であり、この点に関して更なる改良が望まれる。
例えば、特許文献1で開示されているような周囲に殺虫剤処理部が設けられた害虫誘引源を毒餌剤2として用い且つ侵入口4側から容器本体1a内部に向けて昇りの勾配を設けたとしても、アリ3が容器本体1a内に侵入する確率を上げるには至らず、アリ3が毒餌剤2に到達せずに容器本体1aから出てしまうことに対する改善効果も奏し得ない。
尚、アリ3を毒餌剤2に導くために、容器本体1aの侵入口4を可能な限り大きく開口して容器本体1a内へのアリ3の侵入が容易となるようにしたり、侵入口4から毒餌剤2までの距離を可能な限り短くする、等の改良を行なったとしても、アリ3を毒餌剤2へ積極的に誘引することは困難である。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器本体内に収納された毒餌剤までアリを積極的に誘導することができ、これによりアリが毒餌剤を食べる確率を著しく向上させることができるアリ用毒餌剤容器および当該アリ用毒餌剤容器に好適な食餌体用アリ誘引剤組成物を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係るアリ用毒餌剤容器は、下記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)および(13)を特徴としている。
(1) アリ用の侵入口を有し、当該侵入口を介して内部と外部とが連通された容器本体と、前記容器本体内に配置された毒餌剤と、を備えるアリ用毒餌剤容器であって、
アリを前記容器本体の外部から前記毒餌剤へ誘導するために、前記侵入口付近から前記毒餌剤へ向けて連なる部分を有する食餌体が、前記容器本体に設けられていること。
(2) アリ用の侵入口を有し、当該侵入口を介して内部と外部とが連通された容器本体と、
前記容器本体内に配置された毒餌剤と、
アリを前記容器本体の外部から前記毒餌剤へ誘導するための、前記容器本体に取り付け可能な、食餌体と、
を備えるアリ用毒餌剤容器であって、
前記食餌体が、前記容器本体に取り付けられるとき、前記侵入口付近から前記毒餌剤へ向けて連なるように配置されること。
(3) 上記(1)または(2)に記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記容器本体が、
少なくとも一つの開口部を有し且つ、内部に前記毒餌剤が配置される収納部が設けられた収納体と、
前記開口部を塞ぐように前記収納体に着脱可能な、前記侵入口を有するカバーと、
を備えていること。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか一つに記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記侵入口から離れた位置に前記毒餌剤を収納する収納部が前記容器本体内に設けられていること。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか一つに記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記食餌体が、前記容器本体の外部から前記侵入口を通って前記容器本体の内部に連なるように配置されること。
(6) 上記(1)から(5)のいずれか一つに記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記食餌体が、アリ用誘引剤を含浸若しくは保持した芯体であること。
(7) 上記(6)に記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記芯体が、前記アリ用誘引剤としてショ糖と、当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖と、を含有すること。
(8) 上記(6)または(7)に記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記芯体が、加えられる外力によって変形自在で且つ変形後の形状を維持することできる材料から構成されていること。
(9) 上記(6)から(8)のいずれか一つに記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記芯体が、針金に繊維材を固着したものから構成されていること。
(10) 上記(6)または(7)に記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記芯体が、紐状または帯状のエラストマーであり、前記食餌体が配置された場所の形状に沿って前記食餌体自体で変形可能であること。
(11) 上記(6)または(7)に記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記芯体が、列状に連結または繋がれた多数個の部材であり、隣接して配置された前記部材が、互いに相対的に変位可能とされていること。
(12) 上記(1)から(11)のいずれか一つに記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記食餌体が、前記毒餌剤に接触するように配置されること。
(13) 上記(1)または(3)に記載のアリ用毒餌剤容器において、
前記食餌体が、前記容器本体自体であること。
また、前述した目的を達成するため、本発明に係る食餌体用アリ誘引剤組成物は、下記(14)を特徴としている。
(14) アリをアリ用毒餌剤容器の外部から当該アリ用毒餌剤容器内の毒餌剤へ誘導するための前記アリ用毒餌剤容器に取り付け可能な食餌体に含浸若しくは保持される食餌体用アリ誘引剤組成物であって、
アリ用誘引剤と、
前記アリ用誘引剤が前記食餌体から脱落することを防止するための脱落防止剤と、
が配合されていること。
(1)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、毒餌剤が内部に収納された容器本体に、そのアリ用の侵入口付近から毒餌剤へ向けて連なる部分を有する食餌体(換言すれば、無毒餌体)が設けられており、侵入口を介して外部から容器本体内部に侵入したアリが食餌体によって毒餌剤へ案内されるように構成されているので、アリが毒餌剤を食べる確率を向上させることができ、これによりアリの防除効果を向上させることができる。
(2)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、毒餌剤を内部に収納した容器本体に取り付け可能な、アリを容器本体の外部から毒餌剤へ誘導するための、食餌体(換言すれば、無毒餌体)が、容器本体に取り付けられる際に当該容器本体のアリ用の侵入口付近から毒餌剤へ向けて連なるように配置され、この食餌体によって、侵入口を介して外部から容器本体内部に侵入したアリが毒餌剤へ案内されるように構成されているので、アリが毒餌剤を食べる確率を向上させることができる。また、これによりアリの防除効果を向上させることができる。また、アリ用毒餌剤容器の使用者が、当該アリ用毒餌剤容器の使用時、食餌体を容器本体に取り付けることができる。
(3)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、容器本体が、少なくとも一つの開口部を有し且つ、内部に毒餌剤を配置する収納部が設けられた収納体と、開口部を塞ぐように収納体に着脱可能な、アリ用の侵入口を有するカバーと、を備えているので、アリの駆除効果を増大させるために容器本体の外径寸法を大型にしても、従来の製造ラインを大幅に変更することなく、アリ用毒餌剤容器を製造することができ、製造費用を低減することができる。また、形状の異なる、収納体とは別体の、カバーを複数種予め準備しておくことにより、カバーを交換して収納体に装着することができ、アリ用毒餌剤容器の形状を、設置する場所に最適な形状に変更することができる。また、これによって、アリの防除効果を向上させることができる。
(4)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、侵入口から離れた位置に毒餌剤を収納する収納部が容器本体内に設けられているので、使用者や小動物に毒餌剤が直接触れられることを防止できる。また、このように毒餌剤が容器本体内の侵入口から離れた位置に配置されているにも拘わらず、食餌体によってアリを毒餌剤に誘導することができるので、アリの防除効果に加えて安全性も高めることができる。
(5)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、食餌体が容器本体の外部から侵入口を通って容器本体の内部に連なるように配置されるので、容器本体の近傍にいるアリを食餌体で誘引(案内)して効率良く容器本体内に侵入させることができ、容器本体内へのアリの侵入確率を向上させることができる。また、これによって、アリが毒餌剤を食べる確率を更に向上させることができ、アリの防除効果の更なる向上が実現できる。
(6)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、食餌体がアリ用誘引剤を含浸若しくは保持した芯体であるので、当該誘引剤によりアリを誘引すると共に当該芯体を案内通路として利用して、アリを毒餌剤へ確実に案内することができる。
(7)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、アリ用誘引剤としてショ糖および当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖を芯体に含有しており、より詳細には、ショ糖、およびグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖を配合した水溶液を芯体に含浸し乾燥させているので、単にショ糖水溶液を芯体に含浸し乾燥させた場合と比較して、乾燥後のアリ用誘引剤の結晶化が抑制され、これによりアリ用誘引剤が芯体に確実に保持されて芯体から脱落することが防止される。従って、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。
(8)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、アリ用誘引剤を含浸若しくは保持した芯体が、外力によって変形自在で且つ変形後の形状を維持することもできる材料から構成されているので、アリの活動状況に応じて、例えば縦壁面に沿ってアリが行進していれば、アリの行進経路に芯体(換言すれば、食餌体)の先端部が突出するように該芯体の形状を変形させてからアリ用毒餌剤容器を配置することができる。これによって、アリの様々な活動場所に応じてアリ用毒餌剤容器を配置してアリを食餌体によって誘引することが可能となり、アリを高い確率でアリ用毒餌剤容器内に誘導し、毒餌剤に到達させることができる。
(9)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、針金に繊維材を固着したもので芯体が形成されており、当該針金として任意の形状に容易に変形することができるものを用いることにより、芯体(換言すれば、食餌体)を任意の形状に容易に変形し且つ変形後の形状をそのままの状態で維持することができる。従って、アリの活動状況に応じてアリを誘引するのに最適な形状に芯体(換言すれば、食餌体)を変形させて、アリ用毒餌剤容器を任意の場所に配置することができる。例えば、アリの活動場所がアリ用毒餌剤容器を設置可能な場所の上方であっても、その上方へ先端部が延設されるように芯体(換言すれば、食餌体)を変形させることによって、アリを高い確率でアリ用毒餌剤容器内に誘導することができる。
(10)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、芯体が、紐状または帯状のエラストマーであるので、剛性が弱く、換言すれば腰(コシ)が弱い、或いは腰(コシ)が無いので、容易に変形させることができる。従って、アリ用毒餌剤容器の設置場所が、砂利や小石が多い場所、岩場、枯草が多く落ちている場所、段差のある場所、凹凸のある地面、等であっても、食餌体が配置された場所の形状(起伏)に沿って食餌体自体が自然に変形し、設置表面に密着させて配置することができる。これによって、地表を活動しているアリが食餌体に接触する頻度が高くなり、効率的にアリをアリ用毒餌剤容器に誘引することができる。
(11)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、芯体が、列状に連結または繋がれた多数個の部材であり、隣接して配置された部材が、互いに相対的に変位可能とされているので、アリ用毒餌剤容器の設置場所の形状に合わせて容易に変形させることができる。従って、アリ用毒餌剤容器の設置場所が、砂利や小石が多い場所、岩場、枯草が多く落ちている場所、段差のある場所、凹凸のある地面、等であっても、食餌体が配置された場所の形状(起伏)に沿って食餌体自体が自然に変形し、設置表面に密着させて配置することができる。これによって、地表を活動しているアリが食餌体に接触する頻度が高くなり、効率的にアリをアリ用毒餌剤容器に誘引することができる。
(12)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、毒餌剤に食餌体が接触するように配置されるので、食餌体によって誘導されたアリを高い確率で毒餌剤に到達させることができる。また、これによって、アリが毒餌剤を食べる確率を更に高めて、アリを効果的に防除することができる。
(13)に記載のアリ用毒餌剤容器によれば、容器本体自体が食餌体により形成されているので、アリがアリ用毒餌剤容器を発見し易く、それによりアリを効率良く容器本体内に誘引することができる。
(14)に記載の食餌体用アリ誘引剤組成物によれば、アリ用誘引剤および当該アリ用誘引剤が食餌体から脱落することを防止するための脱落防止剤を配合した食餌体用アリ誘引剤組成物が食餌体に含浸若しくは保持されるので、アリ用誘引剤が食餌体に確実に保持されて食餌体から脱落することが防止され、長期間にわたってアリ誘引効果が維持される。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る複数の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第1実施形態の横断面図、そして図2は蓋体等が設けられた図1のアリ用毒餌剤容器のII−II矢視縦断面図である。
図1および図2に示されるように、本発明のアリ用毒餌剤容器10は容器本体11を備えている。容器本体11は、合成樹脂で形成(成形)されており、底板13、該底板13に突設された周壁部14、該周壁部14により囲まれた毒餌剤2を収納するための収納部18、および蓋体16を有している。収納部18は、底板13から上向きに突設する仕切板15によって2つの収納部18a,18bに分割されている。
周壁部14は、底板13から垂直方向に立設され且つ周壁部14の内周面を形成する立壁14bと、立壁14bの外側に設けられ緩やかに傾斜する傾斜壁14cと、立壁14bと傾斜壁14cとを上方端部で連結する上面板14aと、底板13の周縁端部に沿って立設された外壁14dと、を含む。外壁14dは、容器本体11の外周壁を形成しており、切り欠かれて容器本体11内にアリ3を侵入させるための侵入口19が、外壁14dの周方向に間隔を隔てて複数個(図1に示す実施形態においては8個)設けられている。容器本体11の上部には蓋体16が周壁部14の外壁14dに装着されて配置されている。
収納部18には毒餌剤2が収納され、イージーピール部材17(例えば、ナイロン15μ、シーラント30μ)が上面板14aの全周にわたって溶着されており、このイージーピール部材17によって収納部18が密封されている。毒餌剤2としては速効性毒餌剤または遅効性毒餌剤を用いることができるが、遅効性毒餌剤を毒餌剤2として用いることが望ましい。
速効性毒餌剤は、速効性殺虫薬剤に誘引剤および必要に応じて、増量剤、結合剤、着色剤、等を適宜配合して調整される。ここで代表的速効性殺虫薬剤としては、例えばジョチュウギクエキス、アレスリン、d−T−80−アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、d−T−80−レスメトリン、フラメトリン、d−T−80−フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、等のピレスロイド系殺虫剤、カルクロホス、ジクロルボス、ナレド、ダイアジノン、シアホス、クロルピリホスメチル、マラソン、トリクロルホン、ピリダフエンチオン、フエンクロホス、フエニトロチオン、プロモホス、等の有機リン系殺虫剤、プロポクサー、等のカーバメート系殺虫剤を例示できる。
また、誘引剤の具体例としては、例えば、動植物エキス、カゼイン、等の蛋白質類、デンプン、小麦粉、米粉、糠、トウモロコシ粉、等の植物粉末;砂糖、蜂蜜、廃糖密、果性果糖、ショ糖、液糖、マルトース、サトウキビ果汁、プロリン、等のアミノ酸類等の甘味成分;トウモロコシ油、ヒマシ油、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、ピーナッツ油、等の植物油;その他(3S,4R,6E,10Z)−3,4,7,11−テトラメチル−トリデカ−6,10−ジエナール、(z)−9−ヘキサデセナール、2,5−ジメチルピラジン、8−メチル−2,5−ジメチルピラジン、Z,E−又はE,E−α−フラネセン、等の道しるべフェロモン、等を例示できる。
必要に応じて配合される添加剤としては、例えばシリカゲル、珪酸、珪藻土、カオリン、タルク、等の増量剤;アイリツシモス、トラガントガム、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、等の結合剤;アマランス、エリスロシン、ローズベンガル、アシッドレッド、リソールルビン、レーキレッド、リソールレッド、ローダミン、テトラクロロテトラブロモフルオレセイン、ブリリアントレーキレッド、デイープマルーン、トルイジンレツト、ヘリンドンピンク、フアストアシッドマゲンタ、パーマトンレッド、エオシン、ビオラミン、ブリリアントフアストスカーレット、パーマネントレッド、オイルレッド、フアストレッド、等の色素乃至着色料を例示できる。
遅効性毒餌剤は、遅効性殺虫薬剤に上述した誘引剤および必要に応じて、増量剤、結合剤、着色剤、等を適宜配合して調整される。遅効性殺虫薬剤としては、例えば、カーバリール、クロルデン、DDT、ホウ酸、エクダイソン、等の脱皮ホルモン、プリコセン、等の抗幼若ホルモン物質、メトプレン等の幼若ホルモン、ヒドラメチルノン、リチウムスルフォネート、等を例示できる。
また、図1に示されるように本発明のアリ用毒餌剤容器10は、侵入口19付近から毒餌剤2へ向けて連なる部分を有する食餌体(換言すれば、無毒餌体)20を備えている。食餌体20は、アリ3を容器本体11外部から容器本体11内部に誘引し且つ侵入したアリ3を毒餌剤2に誘導(案内)するためのものであって、例えばテープ状または紐状の芯体21にアリ用の誘引剤22を含浸させた後、乾燥させたもの若しくは、例えばテープ状または紐状の芯体21にアリ用の誘引剤22を保持させたものからなる。食餌体20は、一端(即ち、先端部)20aが容器本体11の外部に配置され、侵入口19を通って容器本体11内に導かれており、食餌体20の他端(即ち、基端部)20bは周壁部14の傾斜壁14cに当接するように傾斜壁14cと外壁14dとの間に配置されている。
これによって、容器本体11の外部にいるアリ3は、食餌体20の上を歩いていると、自然に容器本体11内に侵入するようになっている。尚、食餌体20は、毒性の無い材料から形成されているので、使用者や小動物に対しても安全である。尚、食餌体20の他端(即ち、基端部)20bは容器本体11に固定される(即ち、アリ3が芯体21を容器本体11から持ち運べないような手段(不図示)が設けられている)。この手段の例としては、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段が挙げられる。
食餌体20は、誘引剤22が無くなった後もアリ3が食べない部分(即ち、芯体21)が残って形状を維持し、アリ3の通路として利用できるものが望ましい。芯体21としては、例えば、木、濾紙、繊維、紐、紙、不織布、モール、芯として針金を挟んだ紙テープ、複数のヒンジ部が設けられた樹脂成型品、エラストマー、多孔質ビーズ、等が例示できる。また、誘引剤22としては、上述した誘引剤を用いることができる。
特にショ糖は、アリ誘引効果が高いため、誘引剤22として用いると好ましい。例えばショ糖を誘引剤22として用いる場合は、ショ糖と、当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、液糖、またはアクアインプールと、を配合した水溶液を食餌体用アリ誘引剤組成物として芯体21に含浸後、乾燥させて芯体21に保持させる。
このようにすれば、単にショ糖水溶液を芯体21に含浸した場合と比較して、乾燥後誘引剤22が芯体21に確実に保持されるので、結晶化した誘引剤22が芯体21から剥がれ落ちること(即ち、脱落すること)を防止することができる。従って、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。
尚、誘引剤22と脱落防止剤との配合は、実施可能な限り、特に限定されないが、脱落防止剤の配合量が多いと芯体21がべたつき、手や周囲の物に付着し易くなって扱い難くなる可能性がある。この点を考慮して、誘引剤22をショ糖そして脱落防止剤をグリセリンまたはトリメチルグリシンとした場合、水溶液中のショ糖の濃度を1%そしてグリセリンまたはトリメチルグリシンの濃度を0.2%程度とすることが好ましい。また、誘引剤22をショ糖そして脱落防止剤を液糖とした場合、水溶液中のショ糖の濃度を1%そして液糖の濃度を1%程度とすることが好ましい。
ショ糖水溶液等のように乾燥すると結晶化する溶液を芯体21に含浸する場合、その溶液に前述のようにグリセリン、トリメチルグリシン、液糖、アクアインプール、等の脱落防止剤を更に添加するようにし、その添加した溶液を芯体21に含浸して乾燥後の誘引剤22の結晶化を抑制することが望ましい。
食餌体20は、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段を介して、配置される面に固定してもよいし、その代わりに芯体21自体を毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等で構成して、配置される面に固定できるような形態にしてもよい。このような食餌体20の固定は、食餌体20を配置する面が垂直面等といった配置し難い面である場合に特に効果的である。また、食餌体20の芯体21自体を毒性の無い材料からなる例えば接着剤とする場合、当該接着剤として誘引剤22を含有(即ち、含浸若しくは保持)したものを用いれば、連続的に、または断続的ながら連なるように、食餌体20を所望の形状で配置(固定)することができる。
また、食餌体20は、その誘引剤22の量または濃度が、毒餌剤2に含まれる誘引剤の量または濃度よりも少ない(低い)ものであることが望ましい。つまり、食餌体20の芯体21に含浸若しくは保持される誘引剤22の量または濃度は、必要最低限の量または濃度であることが望ましい。更に、食餌体20は、その誘引剤22の量または濃度が、毒餌剤2へ向けて徐々に多く(高く)なるように構成されていることが好ましい。食餌体20の誘引剤22の量または濃度を毒餌剤2に含まれる誘引剤の量または濃度よりも少なく(低く)設定すること、換言すれば、毒餌剤2に含まれる誘引剤の量または濃度を食餌体20の誘引剤22の量または濃度よりも多く(高く)設定することにより、アリ3を毒餌剤2へより効果的に誘き寄せることができる。
ところで、容器本体11と食餌体20とが例えば互いに分離した状態で包装または別々に包装されている形態を採る場合は、アリ用毒餌剤容器10の使用時に食餌体20を例えば侵入口19から挿入して容器本体11にセットできるように容器本体11および食餌体20を構成してもよい。一方、容器本体11に食餌体20がセットされた状態で包装される形態を採る場合は、食餌体20が容器本体11に出し入れ自在であるように構成されている(例えば図9の形態参照)ことが好ましい。包装することによって、蒸発等による毒餌剤2および食餌体20の有効成分の減少を防止できると共に、搬送時の取扱いが容易となる。
次に、上述したアリ用毒餌剤容器10の変形例を図3および図4を参照して説明する。図3は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の変形例(アリ用毒餌剤容器30)の横断面図、図4は蓋体等が設けられた図3のアリ用毒餌剤容器のIV−IV矢視縦断面図である。
図3および図4に示されるように、アリ用毒餌剤容器30では、容器本体11の侵入口19および収納部18を夫々1箇所とし、食餌体20の一端(即ち、先端部)20aを容器本体11の外部に配置し、そして他端(即ち、基端部)20bを収納部18に収納された毒餌剤2に接触させて当該食餌体20を侵入口19を通して配置している。即ち、食餌体20は、侵入口19から挿入され、傾斜壁14cおよび上面板14aを乗り越え、そして上面板14aから下されるか若しくは立壁14bに沿って収納部18内の毒餌剤2に接触するように配置されている。尚、収納部18を2箇所とし、食餌体20の他端20bを二又状に分岐して収納部18内の毒餌剤2に夫々接触させて配置することも可能である。また、食餌体20の他端(即ち、基端部)20bは容器本体11に固定される(即ち、アリ3が芯体21を容器本体11から持ち運べないような手段(不図示)が設けられている)。この手段の例としては、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段が挙げられる。
その他の部分については、アリ用毒餌剤容器10と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
尚、図1から図4に示されるように、食餌体20を、誘引剤22を含浸若しくは保持した長方形の芯体21を侵入口19から挿入して容器本体11にセットするものとして説明したが、図5に示されるような芯体25を有する形態としてもよい。即ち、芯体25の形状を、周壁部14の傾斜壁14cの外形と略同一形状に形成した孔明き基部25aから複数本の引出部25bを放射状に連続して設けた形状とし、これに誘引剤22を含浸若しくは保持させたものを食餌体20として用いてもよい。引出部25bの数および位置は、侵入口19に対応して設定されている。この芯体25を有する食餌体の容器本体11へのセットは、蓋体16を容器本体11から取り外した後、孔明き基部25aを周壁部14に嵌め込むことによって行なうことができ、これによって引出部25bの位置決めと容器本体11へのセットを同時且つ容易に行なうことができる。尚、この例の場合、芯体25の形状が、アリ3が芯体25を容器本体11から持ち運べないようにする手段としても作用する。
次に、図6を参照して、アリ用毒餌剤容器10の他の変形例を説明する。図6は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の他の変形例(アリ用毒餌剤容器40)の縦断面図である。図6に示されるように、アリ用毒餌剤容器40の容器本体11aは、形状、構造、等は図1で示した容器本体11と同様であり、容器本体11a自体が食餌体で形成されている点のみが図1で示した容器本体11と異なる。このアリ用毒餌剤容器40によれば、容器本体11aそのものが食餌体であるので、アリ3がアリ用毒餌剤容器40を見つけ易い利点がある。尚、収納部18内には毒餌剤2が収納されており、侵入口19から容器本体11a内に侵入したアリ3が毒餌剤2を食べられるようになっている。尚、このような容器本体11aの侵入口19付近の部分をスライド自在に出し入れできる例えば板状、棒状、等の延長部とした形態に変形し、当該延長部を引き出して食餌体の一部として利用するようにしてもよい。
その他の部分については、アリ用毒餌剤容器10と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
次に、第1実施形態の作用を説明する。
図1および図2において、容器本体11に溶着されているイージーピール部材17を上面板14aから剥がして毒餌剤2を容器本体11内で露出させる。食餌体20の他端20bを侵入口19から容器本体11内に挿入し、該食餌体20の一端20aを容器本体11から突出させた状態にセットしてアリ用毒餌剤容器10をアリ3が活動する場所に設置する。
アリ用毒餌剤容器10の外部にいるアリ3は、食餌体20に含浸若しくは保持されている誘引剤22に誘引されて集まり、食餌体20を食べ始める。食餌体20を食べながら該食餌体20に沿って歩いていくと、侵入口19を通って自然に容器本体11内に導かれる。容器本体11内に侵入したアリ3は、毒餌剤2を見つけて食べ、一部を巣に持ち帰る。
毒餌剤2を見つけたアリ3が、該毒餌剤2を巣に持ち帰り、餌の場所の情報を仲間のアリ3に伝える時間を確保するためには、毒餌剤2が遅効性毒餌剤であることが好ましい。その理由は、毒餌剤2が速効性毒餌剤であると、毒餌剤2を見つけたアリ3が毒餌剤2を巣に持ち帰る途中で中毒症状をおこしたり、死亡したりして、餌の情報を仲間のアリ3に伝えられないばかりでなく、逆に警報フェロモンを分泌して仲間のアリ3に危険を知らせるためである。
上述した作用は、図3および図4に示す変形例、および図5ならびに図6に示す他の変形例でも同様であり、食餌体によってアリを誘引することができるので、アリがアリ用毒餌剤容器内に収納されている毒餌剤を食べる確率を高めることができる。
図7および図8に示されるように、アリ3は、壁26の隅角部26a、ブロック28の角部28a、等といった隅に沿って行列を作って行進する性質がある。そこで、そのようなアリ3の行列を遮って乱す位置にアリ用毒餌剤容器を設置すれば、アリ3の毒餌剤2への到達を早めることができる。図7および図8においてアリ用毒餌剤容器10(または30)は、それらの食餌体20の一端20aがアリ3の行進経路に突出するように配置されている。これらの例のように、容器本体11をアリ3の行列を遮って乱す位置に配置し難い場合でも、容器本体11をアリ3の行列付近に設置して食餌体20をアリ3の行列を遮るように配置することができる。これにより、食餌体20によってアリ3を誘引し、効率良く容器本体11内に誘導して効果的にアリ3を防除することができる。
尚、上述した、食餌体20を出し入れ自在に容器本体11に設けた変形例(複数ある侵入口19の内、代表として一つの侵入口19に対して食餌体20が出し入れ自在に設けられている例)を図9に示す。食餌体20は、図9に示されるように、蓋部45aおよび抜け止め部45bを有する芯体45を備え、容器本体11に差し込まれた際に蓋部45aにより侵入口19周囲の壁面に係止されて容器本体11の奥に入り込まない構造ならびに容器本体11から引き出された際に抜け止め部45bにより侵入口19周囲の壁面に係止されて容器本体11から分離されない構造となっている。尚、蓋部45aは侵入口19を塞ぐ蓋形状であってもなくともよい。また、この例の場合、抜け止め部45bは、アリ3が芯体45を容器本体11から持ち運べないようにする手段としても作用する。
以上、説明したように、本実施形態および変形例によれば、毒餌剤2が内部に収納された容器本体11に、そのアリ用の侵入口19付近から毒餌剤2へ向けて連なる部分を有する食餌体(換言すれば、無毒餌体)20が設けられており、侵入口19を介して外部から容器本体11内部に侵入したアリ3が食餌体20によって毒餌剤2へ案内されるように構成されているので、アリ3が毒餌剤2を食べる確率を向上させることができ、これによりアリ3の防除効果を向上させることができる。
また、本実施形態および変形例によれば、毒餌剤2を内部に収納した容器本体11に取り付け可能な、アリ3を容器本体11の外部から毒餌剤2へ誘導するための、食餌体(換言すれば、無毒餌体)20が、容器本体11に取り付けられる際に当該容器本体11のアリ用の侵入口19付近から毒餌剤2へ向けて連なるように配置され、この食餌体20によって、侵入口19を介して外部から容器本体11内部に侵入したアリ3が毒餌剤2へ案内されるように構成されているので、アリ3が毒餌剤2を食べる確率を向上させることができる。また、これによりアリ3の防除効果を向上させることができる。また、アリ用毒餌剤容器10、30の使用者が、当該アリ用毒餌剤容器10、30の使用時、食餌体20を容器本体11に取り付けることができる。
また、本実施形態および変形例によれば、侵入口19から離れた位置に毒餌剤2を収納する収納部18が容器本体11内に設けられているので、使用者や小動物に毒餌剤2が直接触れられることを防止できる。また、このように毒餌剤2が容器本体11内の侵入口19から離れた位置に配置されるにも拘わらず、食餌体20によってアリ3を毒餌剤2に誘導することができるので、アリ3の防除効果に加えて安全性も高めることができる。
また、本実施形態および変形例によれば、食餌体20が容器本体11の外部から侵入口19を通って容器本体11の内部に連なるように配置されるので、容器本体11の近傍にいるアリ3を食餌体20で誘引(案内)して効率良く容器本体11内に侵入させることができ、容器本体11内へのアリ3の侵入確率を向上させることができる。また、これによって、アリ3が毒餌剤2を食べる確率を更に向上させることができ、アリ3の防除効果の更なる向上が実現できる。
また、本実施形態および変形例によれば、食餌体20がアリ用誘引剤22を含浸若しくは保持した芯体21,25であるので、当該誘引剤22によりアリ3を誘引すると共に当該芯体21,25を案内通路として利用して、アリ3を毒餌剤2へ確実に案内することができる。
また、本実施形態および変形例によれば、アリ用誘引剤22としてショ糖および当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖を芯体21,25に含有しており、より詳細には、ショ糖、およびグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖を配合した水溶液を芯体21,25に含浸し乾燥させているので、単にショ糖水溶液を芯体21,25に含浸し乾燥させた場合と比較して、乾燥後のアリ用誘引剤22の結晶化が抑制され、これによりアリ用誘引剤22が芯体21,25に確実に保持されて芯体21,25から脱落することが防止される。従って、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。
また、本実施形態および変形例によれば、毒餌剤2に食餌体20が接触するように配置されるので、食餌体20によって誘導されたアリ3を高い確率で毒餌剤2に到達させることができる。また、これによって、アリ3が毒餌剤2を食べる確率を更に高めて、アリ3を効果的に防除することができる。
また、本変形例によれば、容器本体11a自体が食餌体20により形成されているので、アリ3がアリ用毒餌剤容器40を発見し易く、それによりアリ3を効率良く容器本体11a内に誘引することができる。
また、本実施形態および変形例によれば、アリ用誘引剤22および当該アリ用誘引剤22が食餌体20から脱落することを防止するための脱落防止剤を配合した食餌体用アリ誘引剤組成物が食餌体20に含浸若しくは保持されるので、アリ用誘引剤22が食餌体20に確実に保持されて食餌体20から脱落することが防止され、長期間にわたってアリ誘引効果が維持される。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第2実施形態を図10〜図12を参照しながら説明する。図10は食餌体を縦壁に沿わせて配置した一例を示すアリ用毒餌剤容器の第2実施形態(アリ用毒餌剤容器50)の斜視図、図11は図10において実線で描かれた食餌体の横断面図、そして図12は図10において実線で描かれた食餌体が縦壁に沿って配置された状態にあるアリ用毒餌剤容器の縦断面図である。
図10および図12に示されるように、アリ用毒餌剤容器50では、食餌体41の一端(即ち、先端部)41aを容器本体11の外部に配置し、そして他端(即ち、基端部)41bを侵入口19を通して容器本体11の内部に配置している。図10および図12では、食餌体41の一端41aが容器本体11から縦壁84に沿って上方に延長している。尚、食餌体41の他端41bは、収容部18に収納された毒餌剤2に接触させても、接触させなくてもよい。
図11に示されるように、食餌体41は、アリ用の誘引剤22を含浸若しくは保持した芯体44を備えている。当該芯体44は、2本の針金42の間に複数の繊維材43を挟みながら当該針金42をツイストし(即ち、捩り)、それにより繊維材43が針金42に固着(固定)されている所謂モールであり、この芯体44に誘引剤22が含浸若しくは保持されている。尚、芯体44に繊維材43を設けず、針金42自体に誘引剤22を付着(即ち、含浸若しくは保持)させてもよいことは言うまでもない。
この第2実施形態では誘引剤22の一例としてショ糖を用いている。上述したようにショ糖を誘引剤22として用いる場合は、ショ糖と、当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖と、を配合した水溶液を食餌体用アリ誘引剤組成物として芯体44に含浸後、乾燥させて芯体44に保持させる。この誘引剤22と脱落防止剤との配合量は、水溶液中のショ糖の濃度を1%そしてグリセリンまたはトリメチルグリシンの濃度を0.2%とする。また、脱落防止剤として液糖を用いる場合、誘引剤22と脱落防止剤との配合量は、水溶液中のショ糖の濃度を1%そして液糖の濃度を1%とする。
このようにすれば、単にショ糖水溶液を芯体44に含浸した場合と比較して、乾燥後誘引剤22が芯体44に確実に保持されるので、結晶化した誘引剤22が芯体44から剥がれ落ちること(即ち、脱落すること)を防止することができる。従って、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。
尚、この第2実施形態における誘引剤22としてショ糖以外の誘引剤(即ち、上述した誘引剤の他の具体例)を用いてもよいことは言うまでもない。但し、ショ糖水溶液のように乾燥すると結晶化する溶液を芯体44に含浸する場合は、その溶液に前述のようにグリセリン、トリメチルグリシン、液糖、等の脱落防止剤を更に添加するようにし、その添加した溶液を芯体44に含浸して乾燥後の誘引剤22の結晶化を抑制することが望ましい。
食餌体41は、外力が加えられると針金42が変形するので、その外形形状を容易に変形可能であり、且つ外力が作用しない限り外形形状をそのままの状態で維持することができる。尚、芯体44として好適な部材は、モールの他、芯として針金を挟んだ紙テープ、複数のヒンジ部が設けられた樹脂成型品、ボール紙等の腰(コシ)のある紙、等を挙げられるが、特にモールは加えられる外力によって変形自在で且つ変形後の形状を維持する性能が高いため、この第2実施形態では用いた。
上述したように誘引剤22としてショ糖および当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖を芯体44が含有しているので、食餌体41に外力を加えて形状を任意の形状に変形させても、誘引剤22が芯体44から脱落することなく芯体44に確実に保持される。尚、食餌体41の他端(即ち、基端部)41bは容器本体11に固定される(即ち、アリ3が芯体44を容器本体11から持ち運べないような手段(不図示)が設けられている)。この手段の例としては、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段が挙げられる。
図10および図12においては、侵入口19から導出された食餌体41が略U字形に曲げられ、その一端41aが容器本体11の上方に位置するように成形されている。そして、食餌体41の一端41aは、縦壁84に沿って配置され、縦壁84上を行進するアリ3の行進経路に突出させられた状態となっている。
その他の部分については、アリ用毒餌剤容器10と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
次に、第2実施形態の作用を説明する。
第1実施形態であるアリ用毒餌剤容器10と同様に、容器本体11に溶着されているイージーピール部材17を剥がして毒餌剤2を容器本体11内で露出させる。食餌体41を手指等で略U字形に曲げた後、該食餌体41の他端41bを侵入口19から容器本体11内に挿入すると共に、該食餌体41の一端41aを縦壁84に沿わせて該縦壁84上を行進するアリ3の行進経路に突出するように配置しながら(換言すれば、アリ3の行列を遮るように配置しながら)アリ用毒餌剤容器50を設置する。尚、食餌体41を曲げずに容器本体11内に挿入してから、当該食餌体41を配置場所に応じて曲げてもよいことは言うまでもない。
縦壁84上を行進してきたアリ3は、食餌体41に含浸若しくは保持されている誘引剤22に誘引されて集まり、食餌体41を食べ始める。食餌体41を食べながら該食餌体41に沿って歩いていくと、侵入口19を通って自然に容器本体11内に導かれる。容器本体11内に侵入したアリ3は、毒餌剤2を見つけて食べ、一部を巣に持ち帰る。
ここで、食餌体41は、外力を作用させることにより任意の形状に容易に変形させることができ且つ変形後の形状を維持することができる部材なので、縦壁84等のような場所でも、アリ3の活動状況に合わせて、アリ3をより容器本体11内に誘導し易い形状に変形させて配置することができる。従って、アリ3を効率よく容器本体11内に誘導して効果的にアリ3を防除することができる。
また、食餌体41は、図10に点線で示されるように、テープ状または紐状の芯体21にアリ用の誘引剤22を含浸若しくは保持させた、柔軟な(腰(コシ)が弱い、または腰(コシ)のない)食餌体20を設置するような場所にも容易に設置できることは言うまでもない。また、長い食餌体41を用いれば、一度に複数の巣を狙うこともできる。この場合、食餌体41としては、単一の長いものだけでなく、伸縮自在なもの、連結可能なもの、等を適宜用いればよい。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と略同様な効果を奏することができ、その上、アリ用誘引剤22を含浸若しくは保持した芯体44が、外力によって変形自在で且つ変形後の形状を維持することもできる材料から構成されているので、アリ3の活動状況に応じて、例えば縦壁面84に沿ってアリ3が行進していれば、アリ3の行進経路に芯体44(換言すれば、食餌体41)の先端部41aが突出するように該芯体44の形状を変形させてからアリ用毒餌剤容器50を配置することができる。これによって、アリ3の様々な活動場所に応じてアリ用毒餌剤容器50を配置してアリ3を食餌体41によって誘引することが可能となり、アリ3を高い確率でアリ用毒餌剤容器50内に誘導し、毒餌剤2に到達させることができる。
また、本実施形態によれば、針金42に繊維材43を固着したもので芯体44が形成されており、当該針金42として任意の形状に容易に変形することができるものを用いることにより、芯体44(換言すれば、食餌体41)を任意の形状に容易に変形し且つ変形後の形状をそのままの状態で維持することができる。従って、アリ3の活動状況に応じてアリ3を誘引するのに最適な形状に芯体44(換言すれば、食餌体41)を変形させて、アリ用毒餌剤容器50を任意の場所に配置することができる。例えば、アリ3の活動場所がアリ用毒餌剤容器50を設置可能な場所の上方であっても、その上方へ先端部41aが延設されるように芯体44(換言すれば、食餌体41)を変形させることによって、アリ3を高い確率でアリ用毒餌剤容器50内に誘導することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第3実施形態を図13および図14を参照しながら説明する。図13は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第3実施形態(アリ用毒餌剤容器60)の横断面図、そして図14は食餌体が段差に沿って配置された状態にあるアリ用毒餌剤容器の縦断面図である。
図13および図14に示されるように、アリ用毒餌剤容器60では、食餌体61の形態のみが第1実施形態のアリ用毒餌剤容器10と異なり、その他は同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図13に示されるように、アリ用毒餌剤容器60では、食餌体61の一端(即ち、先端部)61aを容器本体11の外部に配置し、そして他端(即ち、基端部)61bを侵入口19を通して容器本体11の内部に配置している。尚、食餌体61の他端61bは、収容部18に収納された毒餌剤2に接触させても、接触させなくてもよいが、接触させた方が上述したように好ましい。
尚、食餌体61の他端(即ち、基端部)61bは容器本体11に固定される(即ち、アリ3が芯体62を容器本体11から持ち運べないような手段(不図示)が設けられている)。この手段の例としては、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段が挙げられる。
食餌体61について詳述する。食餌体61の芯体62は、紐状または帯状に形成された熱可塑性エラストマーから構成されている。尚、紐状の熱可塑性エラストマーには、複数の部材が数珠状に連結されたような形状(例えば、後述する図15および図16に示される食餌体71の芯体72のような形状)を有するように熱可塑性エラストマーで一体成形されたものも含まれる。また、熱可塑性エラストマーで形成された複数のビーズ状部材を紐等で数珠状に連結したもの(例えば、後述する図15および図16に示される食餌体71の芯体72のような形状のもの)であってもよい。
熱可塑性エラストマーの表面には、アリ用の誘引剤22が含浸若しくは保持されている。誘引剤22を芯体62(熱可塑性エラストマーの表面)に付着させて保持する場合には、表面に粘着性を有する熱可塑性エラストマーを使用するのが望ましい。これによって、誘引剤22を芯体62に容易に付着させることができ、また、芯体62から誘引剤22の脱落も防止されて、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。また、表面に粘着性を有する芯体62である場合、食餌体61の他端61bを、その粘着力によって容器本体11に固定して、アリ3が芯体62を容器本体11から持ち運べないような手段とすることもできる。
尚、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系(TPO)熱可塑性エラストマー、スチレン系(TPS)熱可塑性エラストマー、エステル系(TPEE)熱可塑性エラストマー、ウレタン系(TPU)熱可塑性エラストマー、アミド系(TPEA)熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系(TPVC)熱可塑性エラストマー、等が挙げられるが、誘引剤22を芯体62の表面に付着させて保持するには特にスチレン系(TPS)熱可塑性エラストマー等(即ち、表面に粘着性があり、腰(コシ)が弱い、または腰(コシ)が無いもの)が好ましい。
また、熱可塑性エラストマーの材料に誘引剤22を混合した後、芯体62を紐状または帯状に成形することによって誘引剤22を芯体62に保持させるようにしてもよい。芯体62である熱可塑性エラストマーは、極めて剛性が低く、即ち腰(コシ)が弱い、または腰(コシ)が無いので、芯体62自体では、その外形形状を維持することができず、配置された場所の形状に沿って自然に変形する。
この第3実施形態の誘引剤22の一例としては、食餌体20、41と同様に、ショ糖が挙げられる。上述したようにショ糖を誘引剤22として用いる場合は、ショ糖と、当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖と、を配合した水溶液を食餌体用アリ誘引剤組成物として芯体62に含浸、または付着させた後、乾燥させて芯体62に保持させる。この誘引剤22と脱落防止剤との配合量は、水溶液中のショ糖の濃度を1%そしてグリセリンまたはトリメチルグリシンの濃度を0.2%とする。また、脱落防止剤として液糖を用いる場合、誘引剤22と脱落防止剤との配合量は、水溶液中のショ糖の濃度を1%そして液糖の濃度を1%とする。
このようにすれば、単にショ糖水溶液を芯体62に含浸または付着させた場合と比較して、乾燥後誘引剤22が芯体62に確実に保持されるので、結晶化した誘引剤22が芯体62から剥がれ落ちること(即ち、脱落すること)を防止することができる。従って、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。
芯体62として粘着力の強い熱可塑性エラストマーを用いた場合には、必ずしもショ糖に脱落防止剤を混合させる必要はなく、熱可塑性エラストマーの粘着力のみによって誘引剤22を芯体62に保持させるようにしてもよい。この場合、誘引剤22して、固形物、例えばショ糖をそのまま用いることが可能となる。
次に、第3実施形態の作用を説明する。図14に示されるように、第1実施形態であるアリ用毒餌剤容器10と同様に、容器本体11に溶着されているイージーピール部材17を剥がして毒餌剤2を容器本体11内で露出させる。食餌体61の他端61bを侵入口19から容器本体11内に挿入し、食餌体61の一端61aをアリ3の活動場所(図14に示す例においては、段差のある場所63)に配置しながらアリ用毒餌剤容器60を設置する。食餌体61は、段差63の形状に沿って自然に変形し、その表面に密着した状態で配置される。
段差63の近傍で活動しているアリ3は、食餌体61に含浸若しくは保持されている誘引剤22に誘引されて集まり、食餌体61を食べ始める。食餌体61を食べながら該食餌体61に沿って歩いていくと、侵入口19を通って自然に容器本体11内に導かれる。容器本体11内に侵入したアリ3は、毒餌剤2を見つけて食べ、一部を巣に持ち帰る。
ここで、食餌体61は、段差63の形状に沿って変形し、段差63の表面に密着して配置されているので、段差63等のように凹凸のある場所でも、アリ3を効率よく容器本体11内に誘導して効果的にアリ3を防除することができる。尚、アリ用毒餌剤容器60の設置場所は、段差63に限定されるものではなく、例えば砂利や小石が多い場所、岩場、枯草が多く落ちている場所、凹凸のある地面、等であっても、食餌体61が配置された場所の形状(起伏)に沿って食餌体61自体が自然に変形して、その表面に密着した状態で配置される。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と略同様な効果を奏することができ、その上、芯体62が、紐状または帯状のエラストマーであるので、剛性が弱く、換言すれば腰(コシ)が弱い、或いは腰(コシ)が無いので、容易に変形させることができる。従って、アリ用毒餌剤容器60の設置場所が、砂利や小石が多い場所、岩場、枯草が多く落ちている場所、段差のある場所、凹凸のある地面、等であっても、食餌体61が配置された場所の形状(起伏)に沿って食餌体61自体が自然に変形し、設置表面に密着させて配置することができる。これによって、地表を活動しているアリ3が食餌体61に接触する頻度が高くなり、効率的にアリ3をアリ用毒餌剤容器60に誘引することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第4実施形態を図15および図16を参照しながら説明する。図15は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第4実施形態(アリ用毒餌剤容器70)の横断面図、そして図16は食餌体が凹凸面に沿って配置された状態にあるアリ用毒餌剤容器の縦断面図である。
図15および図16に示されるように、アリ用毒餌剤容器70では、食餌体71の形態のみが第1実施形態のアリ用毒餌剤容器10と異なり、その他は同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図15に示されるように、アリ用毒餌剤容器70では、食餌体71の一端(即ち、先端部)71aを容器本体11の外部に配置し、そして他端(即ち、基端部)71bを侵入口19を通して容器本体11の内部に配置している。尚、食餌体71の他端71bは、収容部18に収納された毒餌剤2に接触させても、接触させなくてもよいが、接触させた方が上述したように好ましい。
尚、食餌体71の他端(即ち、基端部)71bは容器本体11に固定される(即ち、アリ3が芯体72を容器本体11から持ち運べないような手段(不図示)が設けられている)。この手段の例としては、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段が挙げられる。
食餌体71について詳述する。食餌体71の芯体72は、その構成部材の一例である多数の多孔質ビーズ73に形成された孔(不図示)に紐74を挿通させることによって数珠状(即ち、列状)に繋がれている。隣接する夫々の多孔質ビーズ73の間には、所定の隙間が設けられている。従って、多数の多孔質ビーズ73は、多孔質ビーズ73間の紐74が曲がることによって、互いに相対的に変位可能とされている。多孔質ビーズ73の材料としては、例えば樹脂焼結体、シリカ発泡体、発泡樹脂、ビスコパール(多孔性セルロース)、特殊珪酸カルシウム、セラミック、等が例示される。
多孔質ビーズ73には、アリ用の誘引剤22が含浸若しくは保持されている。誘引剤22の一例としては、食餌体20、41、61と同様に、ショ糖と、当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖と、を配合した水溶液を食餌体用アリ誘引剤組成物として芯体72に含浸後、乾燥させて芯体72に保持させる。この誘引剤22と脱落防止剤との配合量は、前述した食餌体20、41、61と同様であり、乾燥後誘引剤22が芯体72に確実に保持されるので、結晶化した誘引剤22が芯体72から剥がれ落ちること(即ち、脱落すること)を防止することができる。従って、長期間にわたってアリ誘引効果を維持することができる。
尚、誘引剤22は、多孔質ビーズ73だけではなく、紐74にも含浸させるようにしてもよいことは無論である。この場合、多数個の多孔質ビーズ73を紐74で数珠状に繋げた後、全体を食餌体用アリ誘引剤組成物の水溶液中に浸積することにより、容易に食餌体71の作成が可能となる。即ち、個々の多孔質ビーズ73に誘引剤22を保持させた後、多数個の多孔質ビーズ73を紐74で数珠状に繋げる場合には、誘引剤22によって多孔質ビーズ73の孔(不図示)が塞がれている可能性があり、作業が困難となる。
また、芯体72は、多孔質の部材に限定されることはなく、多数の金属部材、合成樹脂部材、等に形成された孔に紐を挿通させることによって数珠状(即ち、列状)に繋がれたものであってもよい。芯体72が、多数の金属部材、合成樹脂部材、等を数珠状(即ち、列状)に繋いで形成された場合には、誘引剤22を金属部材、合成樹脂部材、等に塗布することにより、芯体72に保持させる。また、芯体72は、上述した第3実施形態で採用可能な熱可塑性エラストマーで形成された複数のビーズ状部材を紐等で数珠状に連結したものであってもよい。
次に、第4実施形態の作用を説明する。
図16に示されるように、第1実施形態であるアリ用毒餌剤容器10と同様に、容器本体11に溶着されているイージーピール部材17を剥がして毒餌剤2を容器本体11内で露出させる。食餌体71の他端71bを侵入口19から容器本体11内に挿入し、食餌体71の一端71aをアリ3の活動場所(図16に示す例においては、砂利75や凹凸のある地面76)に配置しながらアリ用毒餌剤容器70を設置する。食餌体71は、多孔質ビーズ73間の紐74が曲がることによって、砂利75や地面76の凹凸に沿って変形し、その表面に密着して配置される。
活動しているアリ3は、食餌体71に含浸若しくは保持されている誘引剤22に誘引されて集まり、食餌体71を食べ始める。食餌体71を食べながら該食餌体71に沿って歩いていくと、侵入口19を通って自然に容器本体11内に導かれる。容器本体11内に侵入したアリ3は、毒餌剤2を見つけて食べ、一部を巣に持ち帰る。
ここで、食餌体71は、砂利75や地面76の凹凸の形状に沿って変形し、その表面に密着して配置されているので、凹凸のある場所でも、アリ3を効率よく容器本体11内に誘導して効果的にアリ3を防除することができる。尚、アリ用毒餌剤容器70の設置場所は、砂利75や凹凸のある地面76に限定されるものではなく、例えば岩場、枯草が多く落ちている場所、段差のある場所、等であっても、食餌体71が配置された場所の形状(起伏)に沿って食餌体71自体が自然に変形して、その表面に密着した状態で配置される。
尚、食餌体71の芯体は、多数個の多孔質ビーズ73等の部材を紐74で数珠状に繋げたものに限定されるものではなく、例えば多数個の金属部材、合成樹脂部材、或いは多孔質部材にヒンジ部を形成しておき、該ヒンジ部によって多数個の部材をキャタピラ状(即ち、列状)に連結したものであってもよい。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と略同様な効果を奏することができ、その上、食餌体71が、アリ用誘引剤22を含浸若しくは保持させた多数個の部材73であり、該部材73は互いに相対的に変位可能な状態とされて列状に連結または繋がれているので、アリ用毒餌剤容器70の設置場所の形状に合わせて容易に変形させることができる。従って、アリ用毒餌剤容器70の設置場所が、砂利75や小石が多い場所、岩場、枯草が多く落ちている場所、段差のある場所、凹凸のある地面76、等であっても、食餌体71が配置された場所の形状(起伏)に沿って食餌体71自体が自然に変形し、設置表面に密着させて配置することができる。これによって、活動しているアリ3が食餌体71に接触する頻度が高くなり、効率的にアリ3をアリ用毒餌剤容器70に誘引することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第5実施形態を図17から図20を参照しながら説明する。図17は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第5実施形態(アリ用毒餌剤容器90)の収納体の横断面図、図18は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第5実施形態(アリ用毒餌剤容器90)のカバーの横断面図、図19は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第5実施形態(アリ用毒餌剤容器90)の縦断面図、そして図20はカバーの要部斜視図である。
図17から図19に示されるように、アリ用毒餌剤容器90では、容器本体11の形態のみが第1実施形態のアリ用毒餌剤容器10と異なり、その他は同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
図17および図18に示されるように、アリ用毒餌剤容器90では、容器本体93が収納体91とカバー92とに分割された構成となっている。図17に示されるように、収納体91は、合成樹脂で形成(成形)されており、底板13、該底板13に突設された周壁部14、該周壁部14により囲まれた毒餌剤2を収納するための収納部18、および蓋体16を有している。
周壁部14は、底板13から垂直方向に立設され且つ周壁部14の内周面を形成する立壁14bと、立壁14bの外側に設けられ緩やかに傾斜する傾斜壁14cと、立壁14bと傾斜壁14cとを上方端部で連結する上面板14aと、底板13の周縁端部に沿って立設された外壁14dと、を含む。外壁14dは、底板13の3方の周縁端部に沿って立設されており、横断面略コの字形に形成されており、外壁14dが設けられていないもう1方の周縁端部には、開口部94が形成されている。外壁14dの端部は、内側が削られて、カバー92との嵌合のための肉薄部14eが設けられている。
また、図18に示されるように、カバー92は、収納体91の開口部94の反対側の部分と略同一形状に形成されており、底板92cの3方の周縁端部に沿って外壁92aが立設されており、外壁92aが設けられていないもう一方の側面には、開口部95が形成されている。カバー92の外壁92aは、その一部が切り欠かれて容器本体93内にアリ3を侵入させるための侵入口19が、少なくとも1つ設けられている。尚、収納体91、カバー92は、外壁14d、92aに装着される蓋体16が、夫々配置されている。また、外壁92aの端部は、外側が削られて収納体91との嵌合のための肉薄部92bが設けられている。カバー92の肉薄部92bの外径寸法は、収納体91の肉薄部14eの内径寸法と同一寸法となっており、肉薄部92bと肉薄部14eとを嵌合させて収納体91にカバー92を装着できるようになっている。即ち、カバー92は、収納体91の開口部94を塞ぐようにして収納体91に着脱可能となっている。
図19に示されるように、収納体91とカバー92とが嵌合して一体に組み立てられたアリ用毒餌剤容器90では、食餌体71の一端(即ち、先端部)71aを容器本体93の外部に配置し、そして他端(即ち、基端部)71bを侵入口19を通して容器本体93の内部に配置している。尚、食餌体71の他端71bは、収容部18に収納された毒餌剤2に接触させても、接触させなくてもよいが、接触させた方が上述したように好ましい。
尚、食餌体71の他端(即ち、基端部)71bは容器本体93に固定される(即ち、アリ3が芯体72を容器本体93から持ち運べないような手段(不図示)が設けられている)。この手段の例としては、毒性の無い材料からなる例えば接着テープ、接着剤、等の接着手段が挙げられる。
また、図20に示されるように、カバー92の侵入口19の付近に係止孔96を設け、食餌体71を係止孔96に挿通および係止させて配置するようにしてもよい。この場合には、該係止が食餌体71を容器本体93に固定する手段となる。係止孔96は、食餌体71を容易に挿通でき、かつ確実に係止できるように、入口側部分96aが狭く、係止部96bが比較的広い形状とするのが好ましい。このような形態で容器本体93に取り付けられた食餌体71は、外部で活動するアリ3をアリ用毒餌剤容器93内に誘引することができ、”侵入口付近から毒餌剤へ向けて連なる部分を有する食餌体”の条件を満たしている。尚、本形態の係止孔96および食餌体71の取り付け形態は、カバー92に設けたものに限定されることはなく、前述した全ての実施形態や変形例における容器本体にも適用可能である。また、係止孔96に係止される食餌体も食餌体71に限定されず、係止孔96に係止可能な形態のもの全てに適用できることは言うまでもない。
また、カバー92は、収納体91に容易に着脱可能となっているので、アリ3の活動状況に合わせて用意された任意形状のカバーと組み合わせることも可能となる。図21を参照して、アリ用毒餌剤容器90の変形例を説明する。図21は本発明に係るアリ用毒餌剤容器の変形例(アリ用毒餌剤容器100)の横断面図である。図21に示されるように、アリ用毒餌剤容器100は、カバー102の形態がアリ用毒餌剤容器90と異なる。具体的に、侵入口19は、カバー102の外壁102b(底板、蓋体も含む)がノズル状に突出して設けられた突起部102aの先端に設けられている。尚、このノズル状に突出して設けられた突起部102aは、回動自在なものでも、出し入れ自在なものでも、収縮自在なもの(ジャバラ)でもよい。
その他の部分については、アリ用毒餌剤容器90と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
次に、第5実施形態および変形例の作用を説明する。
図19および図21に示されるように、第1実施形態であるアリ用毒餌剤容器10と同様に、収納体91に溶着されているイージーピール部材17を剥がして毒餌剤2を収納体91内で露出させる。収納体91の開口部94を塞ぐようにしてカバー92またはカバー102を収納体91に装着して容器本体93、101を組み立てる。食餌体71の他端71bを侵入口19から容器本体93、101内に挿入し、食餌体71の一端71aをアリ3の活動場所に配置しながらアリ用毒餌剤容器90,100を設置する。
活動しているアリ3は、食餌体71に含浸若しくは保持されている誘引剤22に誘引されて集まり、食餌体71を食べ始める。食餌体71を食べながら該食餌体71に沿って歩いていくと、侵入口19を通って自然に容器本体93、101内に導かれる。容器本体93、101内に侵入したアリ3は、毒餌剤2を見つけて食べ、一部を巣に持ち帰る。
ここで、カバー92,102は、収納体91に容易に着脱可能であるので、アリ用毒餌剤容器90,100を設置する場所に合わせて、効果的にアリ3を防除できる形状のカバー92,102を選択して用いることができる。例えば、図21に示されるように、アリ3の活動場所が密着して植えられた樹木103の奥等のように、手が届き難く、柔軟な食餌体71を上手く設置できないような場所である場合には、侵入口19が突起部102aの先端に設けられたカバー102を用いることによって、柔軟な食餌体71を突起部102aで保持しながら食餌体71の一端71aをアリ3の活動する任意の場所に容易に設置することができ、より効果的にアリ3を誘引して防除できる。
本実施形態および変形例によれば、詳述した第1実施形態と略同様な効果を奏することができ、その上、容器本体93、101が、少なくとも一つの開口部94を有し且つ、内部に毒餌剤2を配置する収納部18が設けられた収納体91と、開口部94を塞ぐように収納体91に着脱可能な、アリ用の侵入口19を有するカバー92,102と、から構成されているので、アリ3の駆除効果を増大させるために容器本体93、101の外径寸法を大型にしても、従来の製造ラインを大幅に変更することなく、アリ用毒餌剤容器90,100を製造することができ、製造費用を低減することができる。また、形状の異なる、収納体91とは別体の、カバー92,102を複数種予め準備しておくことにより、カバー92,102を交換して収納体91に装着することができ、アリ用毒餌剤容器90,100の形状を、設置する場所に最適な形状に変更することができる。また、これによって、アリ3の防除効果を向上させることができる。
(実施例)
本発明のアリ用毒餌剤容器の効果を確認するために行なった実施例1、実施例2、実施例3および該実施例と比較するために行なった比較例1、比較例2、比較例3について説明する。実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2、および比較例3において使用した容器本体および毒餌剤は同一のものとし、図1に示される容器本体11、および毒餌剤2としてリチウムスルフォネートを含有したものを使用した。効果の判定は、アリ用毒餌剤容器を設置後、容器本体内に侵入したアリの数と侵入するまでの時間、および毒餌剤の喫食状況を観察して判定した。
実施例1および実施例2で使用した食餌体20は、濾紙にショ糖水溶液を含浸させた後、乾燥させたものを用い、図22(A)に示されるように、容器本体11の周囲に設けられた9ヶ所の侵入口19から食餌体20の一端20aを容器本体11から導出させて配置した。尚、食餌体20は、周壁部14の傾斜壁14cまでの配置とし、毒餌剤2には接触していない状態で配置した。
実施例1は、アミメアリを対象アリとして選択し、図8に示されるように、ブロック28の角部28aをアリ3が行進しており、その行列を遮るように設置し難いブロック28の上にアリ用毒餌剤容器10を設置した。
実施例2は、オオズアリを対象アリとして選択し、アリ3の活動が活発なブロック28の上に設置した。
実施例3は、食餌体20として実施例1および実施例2と同様に、濾紙にショ糖水溶液を含浸させた後、乾燥させたものを用いた。図22(B)に示されるように、食餌体20を1ヶ所の侵入口19から挿入し、他端20bを毒餌剤2に接触させて配置した(図3および図4参照)。実施例3は、トビイロシワアリを対象アリとして選択し、アリ用毒餌剤容器30をアリ3の活動がやや疎らな砂地に設置した。
比較例1、比較例2および比較例3は、食餌体20を容器本体11にセットせず、容器本体11内に毒餌剤2を収納したものを、夫々の場所に設置した。比較例1は、対象アリおよび設置場所を実施例1と同一とし、結果を実施例1と比較できるようにした。比較例2は、対象アリおよび設置場所を実施例2と同一とし、結果を実施例2と比較できるようにした。比較例3は、対象アリおよび設置場所を実施例3と同一とし、結果を実施例3と比較できるようにした。その結果が図23に示されている。
図23の表に示されるように、実施例1と比較例1とを比較すると、比較例1ではアリ用毒餌剤容器の設置後、20分経っても容器本体内へのアリの侵入が見られなかったのに対して、実施例1ではアリ用毒餌剤容器の設置後、10秒以内に食餌体に集まり、更に5分後には毒餌剤を食べ始めた。
また、実施例2と比較例2とを比較すると、比較例2ではアリ用毒餌剤容器の設置後、3分で毒餌剤を食べ始めたのに対して、実施例2ではアリ用毒餌剤容器の設置後、10秒以内に食餌体に集まり、1分後には毒餌剤を食べ始めており、毒餌剤を食べ始めるまでの時間が大幅に短縮している。
更に、実施例3と比較例3とを比較すると、比較例3ではアリ用毒餌剤容器の設置2分後に一匹のアリが容器本体内に侵入するが、毒餌剤を見つけられずに容器本体から出てしまい、8分経過後に3匹のアリが毒餌剤を食べ始めたのに対して、実施例3ではアリ用毒餌剤容器の設置後、1分以内に食餌体を食べ始め、3分後に容器本体内に侵入し、8分後には9匹のアリが毒餌剤を食べ始めた。
上述したように、アリの種類に関係なく、従来のアリ用毒餌剤容器を用いた比較例と比べて、実施例1、実施例2および実施例3とも、アリ用毒餌剤容器設置後、直ちに食餌体に集まって食べ始め、比較例に比べて極めて短時間で容器本体内に侵入して毒餌剤を食べることが観察された。従って、アリは食餌体に誘引され、効果的に毒餌剤に誘導(案内)されており、本発明のアリ用毒餌剤容器の有効性が確認された。
尚、本発明は、前述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、組み合わせ、等が可能である。その他、前述した実施形態や変形例における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、前述した実施形態や変形例では、食餌体は芯体に誘引剤を含浸若しくは保持させたものとして説明したが、動物繊維、昆虫の脚、麺、等のアリの好む餌自体を食餌体として用いてもよく、当該餌を想定されるアリの通路上に連なるように配置したもの(例えば、点在させたもの)であってもよい。尚、この場合、更に偽餌を併用してもよい。
本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第1実施形態の横断面図である。 蓋体等が設けられた図1のアリ用毒餌剤容器のII−II矢視縦断面図である。 図1のアリ用毒餌剤容器の変形例を示す横断面図である。 蓋体等が設けられた図3のアリ用毒餌剤容器のIV−IV矢視縦断面図である。 食餌体の形状の変形例を示す平面図である。 図1のアリ用毒餌剤容器の他の変形例を示す縦断面図である。 壁の隅部を行進するアリの行列に食餌体の一端を突出させながら設置した状態のアリ用毒餌剤容器の横断面図である。 ブロックの角部を行進するアリに対してアリ用毒餌剤容器をブロック上に設置した状態を示す斜視図である。 食餌体を出し入れ自在に容器本体に設けた変形例を示す横断面図である。 食餌体を縦壁に沿わせて配置した一例を示すアリ用毒餌剤容器の第2実施形態の斜視図である。 図10において実線で描かれた食餌体の横断面図である。 図10において実線で描かれた食餌体が縦壁に沿って配置された状態にあるアリ用毒餌剤容器の縦断面図である。 本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第3実施形態の横断面図である。 食餌体が段差に沿って配置された状態にある、蓋体等が設けられた図13のアリ用毒餌剤容器のXIV−XIV矢視縦断面図である。 本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第4実施形態の横断面図である。 食餌体が凹凸面に沿って配置された状態にある、蓋体等が設けられた図15のアリ用毒餌剤容器のXVI−XVI矢視縦断面図である。 本発明に係るアリ用毒餌剤容器の第5実施形態の収納体の横断面図である。 図17の収納体に取り付け可能なカバーの横断面図である。 蓋体部分等が設けられた図18のカバーが、蓋体部分等が設けられた図17の収納体に装着されて、容器本体が組み立てられた状態を示す、図17および図18におけるXIX−XIX矢視縦断面図である。 カバーの侵入口付近に設けられた食餌体係止用の係止孔の一例を示すカバーの要部拡大斜視図である。 ノズル状突起部を有するカバーを収納体に装着して、狭く離れた場所に食餌体を配置した状態のアリ用毒餌剤容器の横断面図である。 (A)および(B)は実施例で使用したアリ用毒餌剤容器を示し、(A)は実施例1および実施例2で使用したアリ用毒餌剤容器の平面図、そして(B)は実施例3で使用したアリ用毒餌剤容器の平面図である。 実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2、および比較例3それぞれの結果を示す表である。 従来のアリ用毒餌剤容器の一例を示す横断面図である。
符号の説明
2 毒餌剤
3 アリ
10,30,40、50、60,70、90、100 アリ用毒餌剤容器
11,11a、93、101 容器本体
18(18a,18b) 収納部
19 侵入口
20、41、61,71 食餌体
20a,41a、61a,71a 食餌体の一端
20b、41b,61b,71b 食餌体の他端
21,25、44、62,72 芯体
22 アリ用の誘引剤
42 針金
43 繊維材
73 多孔質ビーズ(部材)
91 収納体
92、102 カバー
94 開口部

Claims (14)

  1. アリ用の侵入口を有し、当該侵入口を介して内部と外部とが連通された容器本体と、前記容器本体内に配置された毒餌剤と、を備えるアリ用毒餌剤容器であって、
    アリを前記容器本体の外部から前記毒餌剤へ誘導するために、前記侵入口付近から前記毒餌剤へ向けて連なる部分を有する食餌体が、前記容器本体に設けられていることを特徴とするアリ用毒餌剤容器。
  2. アリ用の侵入口を有し、当該侵入口を介して内部と外部とが連通された容器本体と、
    前記容器本体内に配置された毒餌剤と、
    アリを前記容器本体の外部から前記毒餌剤へ誘導するための、前記容器本体に取り付け可能な、食餌体と、
    を備えるアリ用毒餌剤容器であって、
    前記食餌体が、前記容器本体に取り付けられるとき、前記侵入口付近から前記毒餌剤へ向けて連なるように配置されることを特徴とするアリ用毒餌剤容器。
  3. 前記容器本体が、
    少なくとも一つの開口部を有し且つ、内部に前記毒餌剤が配置される収納部が設けられた収納体と、
    前記開口部を塞ぐように前記収納体に着脱可能な、前記侵入口を有するカバーと、
    を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したアリ用毒餌剤容器。
  4. 前記侵入口から離れた位置に前記毒餌剤を収納する収納部が前記容器本体内に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載したアリ用毒餌剤容器。
  5. 前記食餌体が、前記容器本体の外部から前記侵入口を通って前記容器本体の内部に連なるように配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載したアリ用毒餌剤容器。
  6. 前記食餌体が、アリ用誘引剤を含浸若しくは保持した芯体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載したアリ用毒餌剤容器。
  7. 前記芯体が、前記アリ用誘引剤としてショ糖と、当該ショ糖の脱落防止剤としてグリセリン、トリメチルグリシン、または液糖と、を含有することを特徴とする請求項6に記載したアリ用毒餌剤容器。
  8. 前記芯体が、加えられる外力によって変形自在で且つ変形後の形状を維持することができる材料から構成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載したアリ用毒餌剤容器。
  9. 前記芯体が、針金に繊維材を固着したものから構成されていることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一つに記載したアリ用毒餌剤容器。
  10. 前記芯体が、紐状または帯状のエラストマーであり、前記食餌体が配置された場所の形状に沿って前記食餌体自体で変形可能であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載したアリ用毒餌剤容器。
  11. 前記芯体が、列状に連結または繋がれた多数個の部材であり、隣接して配置された前記部材が、互いに相対的に変位可能とされていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載したアリ用毒餌剤容器。
  12. 前記食餌体が、前記毒餌剤に接触するように配置されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一つに記載したアリ用毒餌剤容器。
  13. 前記食餌体が、前記容器本体自体であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載したアリ用毒餌剤容器。
  14. アリをアリ用毒餌剤容器の外部から当該アリ用毒餌剤容器内の毒餌剤へ誘導するための前記アリ用毒餌剤容器に取り付け可能な食餌体に含浸若しくは保持される食餌体用アリ誘引剤組成物であって、
    アリ用誘引剤と、
    前記アリ用誘引剤が前記食餌体から脱落することを防止するための脱落防止剤と、
    が配合されていることを特徴とする食餌体用アリ誘引剤組成物。
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