JPH0583U - 害虫等の忌避具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 害虫、ネズミ、ハト等を殺傷することなく家
屋等の所定の場所から排除するための忌避具を提供す
る。 【構成】 外部への通気孔４を形成してなる外装容器２
と、前記外装容器２内に収納したダニ、ゴキブリ等の害
虫用またはハト、ネズミ等の小動物用の忌避材３とより
なる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダニ、ゴキブリ、白蟻、ノミ、シラミ、蚊、蠅等の各種害虫や、ネ ズミ、ハト等の小動物を家屋等から排除するための忌避具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

上記のようなダニ、ゴキブリ、または白蟻等の害虫が家屋等に繁殖すると、人 の病気の原因や、家屋損傷の原因ともなるし、また、ネズミは病気の伝染媒体に なったり、ハトは所謂、糞害と言われるように家屋を汚染させたりすることから 、従来からこれらの害虫や小動物等を家屋等から排除する努力が行われており、 特に飲食店や市場等の食品を扱う場所等におけるこれらの害虫等の排除は重要な 問題である。しかし、このような害虫等を排除する場合に、例えば殺虫剤等を用 いると、これらの害虫が家屋内で死亡し、その死骸が新たな害虫等の繁殖の原因 となるおそれがある。また、ハト等は動物保護の見地からこれを殺傷することは 憚られることから、これらの害虫や小動物を殺すことなく家屋や店等から排除す ることが考慮される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑み、害虫、小動物を殺傷することなく家屋等の所定の場 所から排除するための忌避具を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決することを目的となるものである。 即ち、本発明は、外部への通気孔を形成してなる外装容器と、前記外装容器内 に収納したダニ、ゴキブリ等の害虫用またはハト、ネズミ等の小動物用の忌避材 とよりなる忌避具；前記通気孔を外装容器の上部に形成してなる忌避具；前記通 気孔を外装容器の上面および四側面に形成してなる忌避具；前記外装容器の裏面 に接着手段を設けてなる忌避具；忌避材として、通気性包袋内に粉体、粒体、ま たは塊体の忌避物質を封入してなる忌避具；前記通気性包袋として、不織布また は和紙にて作成したものを用いてなる忌避具；更に前記通気性包袋内に封入した 忌避物質が、天然物から抽出したフィトンチット等の液状忌避成分を多孔質マイ クロカプセルに封入したものを用いてなる忌避具、の各種忌避具を提供せんとす るものである。

【０００５】

【作用】

上記のような本考案に係る害虫等の忌避具は、これを室内の隅や天井裏、床下 等で、特にこれらの害虫や小動物等が通ると思われる場所や、ハトが集まりやす いベランダ等に置く。すると、忌避具の外装容器に形成した通気孔から外装容器 内の忌避材に含まれる忌避成分が外部へ発散し、この忌避成分を嫌って害虫、ネ ズミ、ハト等が家屋等から排除される。

【０００６】 そして、上記外装容器の通気孔を容器上部に設けることにより、内部に収納し た忌避材が容器内の通気性を妨げることなく忌避材からの忌避成分の発散を効率 よく行うことができる。更に、前記通気孔を容器の上面および四側面に設けるこ とでより通気性は向上する。

【０００７】 また、容器裏面に接着手段を設けておくことで、この忌避材を所定位置に確実 に設置することができる。

【０００８】 上記の外装容器内に収納した忌避材に含まれ、害虫等を殺すことなく排除する ための成分が、所謂、忌避成分と言われるものである。この忌避成分としては、 例えば各種草木から害虫が嫌う成分を抽出等して液状で採取してなるものがあり 、この液状忌避成分を多孔質マイクロカプセルに含ませたものを忌避物質として 使用する。前記忌避成分は具体的には食品添加物としても利用されるものであっ て、人体に全く無害で安心して使用できる。そして、この忌避成分を多孔質マイ クロカプセルに含ませた忌避物質は、マイクロカプセルから外部へ忌避成分が緩 やかに発散して長期間にわたって忌避効果を持続しうるものである。そして、各 種の害虫、ネズミ、ハト等、忌避の対象に応じた各種の忌避成分を選択し、用途 に応じて使用する。

【０００９】

【実施例】

以下添付図面に基づいて、本考案に係る忌避具を更に詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案に係る忌避具１の１実施例を示す斜視図であり、図中、符号２が 外装容器、３が前記外装容器２内に収納した忌避材であり、図２はこの忌避材３ の斜視図、図３〜図９は前記外装容器２のみを詳細にあらわした図面である。

【００１１】 図例の外装容器２は、細長い箱状に形成し、その上面、および四方側面に各種 形状の通気孔４・・・を多数形成してなる。このように外装容器２の上面および 四方の側面のいずれにも通気孔４を設けることで外装容器２の通気性を良好とし て忌避材３からの忌避成分の発散性を向上させ、忌避成分による害虫等の排除を 効率よく行うことができる。更に、前記通気孔４を外装容器２の上部に設けてお くことにより、該外装容器２内に収納した忌避材３が通気孔４を塞いで通気性を 阻害することがない。この通気孔４の形状は特に限定はなく、図例のように円形 、長方形等の任意の形状とすることができるのであるが、図例のものは、外装容 器２の上面中央に通気孔４を大きくとることで、通気性の一層の向上を図ってい る。

【００１２】 上記のような外装容器２は、例えば図11に示すような型紙20を組み立てること で簡単に作成することができる。この型紙20は、紙、またはポリプロピレン等の 合成樹脂シート等から作成し、外装容器２上面を構成する正面板21の左右に外装 容器２側面を構成する側板22、22を連設し、更に両側板22、22両側には外装容器 ２下面を構成する背面板23と、のり代24とをそれぞれ連設し、また、前記正面板 21の上下には外装容器２の前後端面を構成する蓋板25、25を連設して一連の板状 に形成するとともに、正面板21、両側面板22、22および蓋板25、25には打ち抜き 加工等により外装容器２における通気孔４を構成する開口26・・・を形成してな る。そして、この型紙20を各折り線27部分で折り曲げて箱状に組み立て、のり代 24を背面板23に重ね合わせて接着剤等で固着することにより外装容器２を作成す る。この場合、外装容器２を合成樹脂シート、あるいは紙に合成樹脂フイルムを ラミネートした複合シート材等にて作成すれば、水濡れにも強く、屋内外のあら ゆる場所における使用にも耐え、好ましい実施態様といえる。

【００１３】 次に、上記外装容器２内に収納される忌避材３は、例えば図２に示すように、 和紙、不織布、または多数の細孔を形成した合成樹脂シート等の通気性を有する シート材にて作成してなる包袋30の内部に、忌避物質31を封入してなるものであ る。前記忌避物質31は、例えば多孔質マイクロカプセルに各種草木から抽出した 液状忌避成分を含ませた粉状、粒状あるいは塊状のものであって、前記忌避成分 がマイクロカプセルから外部へ緩やかに発散して長期間にわたって忌避効果を持 続しうるもので、各種の害虫、ネズミ、ハト等、忌避の対象に応じた各種の忌避 成分を選択し、用途に応じて適宜使い分ける。また、このマイクロカプセルを用 いた忌避物質の場合には、水濡れ等により忌避成分の発散が阻害されたり、忌避 成分がマイクロカプセルから流出したりすることもなく、前記のように水濡れに 強い材料にて作成した外装容器２とあいまって、あらゆる状況下での使用に耐え うるものとすることができる。

【００１４】 また、上記のような本考案に係る忌避具１の裏面に図10のように接着手段５を 設けておくことにより、この忌避具１を所定の位置に固定して用いることができ 、また、壁面や、天井面等の設置困難な場所にも適宜接着して場所を選ばすに使 用することができる。この接着手段５としては、両面テープや粘着材等を使用す ることができる。更に、この接着手段５として肉厚のものを用いて外装容器２下 面に段差６を形成するとともに、この外装容器２下面にも通気孔４を設けておけ ば、外装容器２の通気性をより一層向上させることができる。また、この接着手 段５として両面テープを用いる場合には、外装容器２を組み立てる際に、該外装 容器２を構成する蓋板25先端の折り曲げ片25ａを外装容器２下面の外側に該折り 重ねて接着手段５で固定することで、折り曲げ片25ａの接着を同時に行うことも できる。

【００１５】 尚、上記の外装容器２のその他の外観、構造等は特に限定されるものではなく 、例えば図12、図13のようなものも採用される。

【００１６】 更に図14は本考案に係る忌避具１の他実施例であり、ここでは外装容器２は、 アルミニウム等の金属を押出成形等により円筒状に形成し、これを所定長さに切 断してなるものであり、その下側面には容器２の長さ方向に２列の通気孔４を所 定間隔で多数設けている。この筒状外装容器２内には金属製でブラシ状の忌避材 保持手段７が挿着されている。このように、容器２および忌避材保持手段７をと もに金属にて作成するのは、この忌避具１を屋内の床下、または天井裏等に設置 することがあることから、万一の場合の防火安全性を考慮してのことであるが、 この容器２や忌避材保持手段７を合成樹脂、木材等の材料にて作成することもで きる。そして、前記外装容器２の内面と忌避材保持手段７とには、忌避材が塗布 されている。この忌避材は、忌避成分を封入した多孔質マイクロカプセル状の忌 避物質を溶剤に分散させてエマルジョン状態とし、これを外装容器２内面に塗布 し、また、ブラシ状の忌避材保持手段７については、これを前記分散液中に浸漬 してその表面に忌避物質を付着させてなるものである。

【００１７】 上記のような忌避具１によれば、外装容器２として両端を開口した筒状のもの を採用するともに、該容器２内に挿着したブラシ状の忌避材保持手段７に忌避材 を塗布してなるから、外装容器２内の通気が良好で、容器２内面と忌避材保持手 段７表面に付着させた忌避材の忌避成分が外装容器２両端の開口部と側面の通気 孔４から効率よく外部に揮散されて害虫等に対して忌避効果を発揮する。しかも 、忌避材保持手段７をブラシ状にしたことにより、忌避物質の付着量も大きく、 忌避効果を長期間にわたって持続させることができる。更に、外装容器２内に忌 避材保持手段７を挿着したことにより、害虫、ネズミ等が外装容器２内に入った り、その中で死んだりすることを防止して、外装容器２が悪臭の発生や他の害虫 等の住処となったりすることを防止しうる。

【００１８】 またこの場合、外装容器２の片側面に孔４を開けてこの孔４を下にして本忌避 具１を設置すれば、ほこり、ゴミ等により孔４が塞がって忌避効果が阻害された り、また外装容器２内にゴミや雨等が入ったりすることがない。更に、容器２と 忌避材保持手段７とをともに金属製とすることにより、防火安全性の点でも安心 して天井裏や床下等に設置することができる。

【００１９】 更に、円筒状の外装容器２内面に突部を設けて容器２の重心を通気孔４を設け た側に偏心させれば、外装容器２が転がったりした場合にも通気孔４が常に下側 に位置するようにして通気孔４がほこり等により塞がったり、または外装容器２ 内に雨が入ることを防止できる。このような突部は、この外装容器２を金属また は合成樹脂等の押出形成にて作成する場合には、容器２の長さ方向に連続した突 条に形成することで簡単に形成することができるし、または別途重りを取り付け るようにしてもよい。

【００２０】 また、円筒状の外装容器２の一部を平面状として通気孔４が常に一定位置にく るようにしてもよく、更に平面部分に両面テープ等の粘着材層を設けておくこと で、所定の場所に固定することができる。

【００２１】 上記の外装容器２の断面形状は特に限定はなく、円筒状で両側面を平面状に形 成したものや、多角筒状としてもよい。

【００２２】 以上のような筒状の忌避具１によれば、両端を開口し、側面に孔を設けた筒状 の外装容器２内に忌避材保持手段７を挿着してなるから、容器２内の通気性がよ く、容器２内面および忌避材保持手段７に付着させた忌避材の忌避成分を効率よ く揮散させて効率のよい忌避効果を発揮する。しかも、前記忌避材保持手段７と してブラシ状のものを用いた場合には、容器２内の通気性を犠牲にすることなく 忌避材の付着量を増大させて忌避効果を長期間にわたって持続させることができ 、また、容器内に害虫、ネズミ等が住み着いたり、ここで死んだりして悪臭や新 たな害虫の発生原因となったりすることも防止しうるのである。

【００２３】

【考案の効果】

以上のような本考案によれば、外装容器内部に収納した忌避材の忌避成分が容 器の通気孔から外部へ効率よく発散して害虫、ネズミ、ハト等に対して効果的な 忌避作用を発揮する。しかも、この忌避具は型紙等を組み立てて簡単に作成する ことができる。更に、忌避材として、多孔質マイクロカプセルに天産物の忌避成 分を含ませたものを用いることにより、人体に全く無害で、安全に、かつ長期に わたって安定した忌避効果を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る忌避具の実施例の一部を破断し
た斜視図

【図２】 忌避材の実施例の一部を破断した斜視図

【図３】 外装容器の平面図

【図４】 外装容器の側面図

【図５】 外装容器の前面図

【図６】 外装容器の平断面図

【図７】 外装容器の側断面図

【図８】 図３のＡ−Ａ断面図

【図９】 図３のＢ−Ｂ断面図

【図10】 外装容器の他実施例の下方からみた斜視図

【図11】 外装容器の型紙の展開図

【図12】 外装容器の更に他実施例の斜視図

【図13】 外装容器の更に他実施例の斜視図

【図14】 本考案に係る忌避具の他実施例の一部を破断
した斜視図

【符号の説明】

１ 忌避具 ２ 外装容器 ３ 忌避材 ４ 通気孔 ５ 接着手段 ６ 段差 ７ 忌避材保持手段 20 型紙 21 正面板 22 側面板 23 背面板 24 のり代 25 蓋板 25ａ 折り曲げ片 26 開口 27 折り曲げ線 30 包袋 31 忌避物質

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外部への通気孔を形成してなる外装容器
   と、前記外装容器内に収納したダニ、ゴキブリ等の害虫
   用またはハト、ネズミ等の小動物用の忌避材と、よりな
   ることを特徴とする害虫等の忌避具。
2. 【請求項２】 外装容器の上部に通気孔を形成してなる
   請求項１記載の害虫等の忌避具。
3. 【請求項３】 外装容器の上面および四側面に通気孔を
   形成してなる請求項１または請求項２記載の害虫等の忌
   避具。
4. 【請求項４】 外装容器の裏面に接着手段を設けてなる
   請求項１〜請求項３記載の害虫等の忌避具。
5. 【請求項５】 忌避材として、通気性包袋内に粉体、粒
   体、または塊体の忌避物質を封入してなる請求項１記載
   の害虫等の忌避具。
6. 【請求項６】 通気性包袋として、不織布または和紙に
   て作成したものを用いてなる請求項５記載の害虫等の忌
   避具。
7. 【請求項７】 通気性包袋内に封入した忌避物質とし
   て、天然物から抽出したフィトンチット等の液状忌避成
   分を多孔質マイクロカプセルに含ませたものを用いてな
   る請求項６記載の害虫等の忌避具。