JP2006022445A - ポリ乳酸繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた結節強度を有し、製織編時の操業性を向上させるポリ乳酸繊維及びその製造方法を提供する。
【解決手段】結節強度が2.8cN/dtex以上、引掛強度が2.8cN/dtex以上および直線強度が5.5cN/dtex以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維。特に、相対粘度が2.5〜3.5、融点が150℃以上であることが好ましい。
【効果】本発明のポリ乳酸繊維及びその製造方法によれば、優れた結節強度を有し、製織編時の操業性を向上させるポリ乳酸繊維を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明はポリ乳酸繊維及びその製造方法に関するものであり、詳しくは優れた結節強度を有し、製織編時の操業性を向上させるポリ乳酸繊維及びその製造方法を提供することにある。
従来、ポリ乳酸繊維の直線強度は、一般用途レベルではポリエステル繊維の直線強度と同程度である。しかしながら、ポリ乳酸は硬くてもろい特性から結節強度が低く、屈曲性に劣るため、編立てあるいは製織などの加工工程で糸割れ、毛羽等が発生しやすいことが課題となっている。
ポリ乳酸繊維の結節強度に関する発明としては、特許文献1に結節強力を向上させたポリ乳酸系樹脂からなる医療用縫合糸が公開されている。有機溶媒などの薬剤を用いた化学的方法によって糸表面の配向を緩和させ、柔軟性を付与するとともに結節強力を向上させている。このように有機溶媒などの薬剤を用いるため、人体への危険性が高いばかりか、有機溶媒を廃棄する際、環境に悪影響を与える。
ポリ乳酸繊維の高強力化に関する発明としては、特許文献2にポリ乳酸繊維およびその製造方法が公開されている。溶融紡糸したモノフィラメントを延伸倍率4〜10倍に熱延伸することで、強度8g/d(約7cN/dtex)以上、伸度30%以上の繊維化を達成している。しかしながら、実際に8g/dの強度に達することはきわめて難しく、低繊度のモノフィラメントあるはその他のマルチフィラメント等の繊維に関しては、一段で4〜10倍に延伸することは非常に困難であり、白化あるいは糸切れ等の問題が生じる。
特開2000−312714号公報 特開平8−226016号公報
本発明の課題は、上記問題点を鑑み、製織編時の操業性を向上させるポリ乳酸繊維及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のポリ乳酸繊維は、次の構成を有する。すなわち、本発明のポリ乳酸は結節強度が2.8cN/dtex以上、引掛強度が2.8cN/dtex以上および直線強度が5.5cN/dtex以上である。
本発明によれば、製織編時の操業性に優れるポリ乳酸繊維及びその製造方法が得られる。
本発明のポリ乳酸繊維において、結節強度が2.8cN/dtex以上、引掛強度が2.8cN/dtex以上および直線強度が5.5cN/dtex以上であることが必要である。なぜならば、結節強度が2.8cN/dtex未満、引掛強度が2.8cN/dt
ex未満および直線強度が5.5cN/dtex未満の場合、編織物の加工時に糸割れ、毛羽などが発生し問題が生じる。好ましくは、結節強度が3.0〜4.0cN/dtex、引掛強度が3.0〜4.0cN/dtexおよび直線強度が5.8〜8.0cN/dtexである。
本発明のポリ乳酸繊維は、モノマー単位として乳酸成分を50重量%以上含有する樹脂からなる。本発明の効果を損なわない範囲で、多価アルコール、多価カルボン酸、酸無水物、乳酸以外のヒドロキシルカルボン酸等の成分を単独または複数共重合してもよい。
本発明のポリ乳酸繊維の形態は、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープルファイバーが好ましい。
本発明のポリ乳酸中には必要に応じて各種顔料、無機充填剤、結晶核剤、可塑剤などの添加剤が含まれていても良い。これらの添加剤は紡糸の際に樹脂中に練り込んだり、繊維又は布帛に後加工で塗布しても良い。
本発明のポリ乳酸繊維において、沸水収縮率が10.0%以下かつ直線伸度(E1)が23%以上であることが好ましく、直線伸度(E1)と結節伸度(E2)および引掛伸度(E3)が下記式(1)および(2)を満たすことが好ましい。
(1) E2/E1≧0.65
(2) E3/E1≧0.70
沸水収縮率が10%以下であれば成形時の収縮安定性に優れ好適であり、実用面から直線伸度23%以上が好ましく、上の(1)、(2)を満たすと外部からの曲げ・圧縮応力の影響を受け難く、編織物等の成形加工時の操業性に優れるので好ましい。
本発明のポリ乳酸繊維において、相対粘度が2.5〜3.5、融点が150℃以上であることが好ましい。相対粘度が上記範囲内であれば十分な強度が得られ、かつ成形性が良好な繊維を得ることができる。さらに、ポリ乳酸は光学異性体であるD/L体の比率によって融点が異なることが知られているが、融点が150℃以上であれば結晶性に優れ、十分な強度をもった繊維を得ることができる。逆に150℃未満では非晶となってしまい強度が低くなるばかりか、成形温度が低く実用上十分な繊維を得ることができない恐れもある。
本発明のポリ乳酸繊維を得る方法は、例えば次のような方法がある。基本的には公知の溶融紡糸法による。
本発明のポリ乳酸繊維に関する製造方法において、溶融紡糸法を用いて紡糸速度3000〜6000m/minで巻き取ることが好ましい。紡糸速度3000m/min未満では、紡糸時の配向結晶化が不十分であるため、延伸工程において安定的に高倍率に延伸することが困難となり、糸切れや毛羽が発生して問題となる恐れがある。また、紡糸速度6000m/minを超えると、糸揺れ、冷却斑等が発生して操業安定性に欠ける可能性がある。さらに好ましくは4000〜5000m/minである。
延伸方法としては、二段延伸以上の多段延伸が好ましく、延伸温度は繊維が白化しない温度以上でかつ繊維の融点以下が好ましい。繊維が白化すなわち白濁すると強度および伸度低下が起こり、十分な強度および伸度が得られなくなる。また、融点付近の温度で延伸すると、繊維が融解するため糸切れが多発する。延伸の際、白化あるは融解が起こらないようにすれば、より品位の優れたポリ乳酸繊維を得ることができる。
さらに、延伸後、最終延伸温度以上かつ繊維の融点以下で熱セットすることが好ましい
。最終延伸温度以上かつ繊維の融点以下で熱セットすることで、繊維の結晶化が促進されるため、より高強度でかつ低熱収縮性の繊維を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(相対粘度ηrel)
フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に試料を1g/dLの濃度になるよう溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
(強度、伸度の測定)
島津製作所製引張試験機(RTM−100)を用い、試料長20cm、速度20cm/minで引張試験を行った。
(融点)
リガク製Thermoplus DSC8230を使用して、昇温速度10℃/minにて30〜200℃の温度範囲にて測定した。試料の重量は10mgである。
(沸水収縮率)
初期長50cmの試料に0.2gの荷重をかけ、100℃の沸騰水中に15分間浸漬し、5分間風乾した後、測定前後の長さ変化の割合を計算した。
(製織評価)
ポリ乳酸繊維を製織し、その際糸割れ、毛羽の発生の有無を確認した。糸切れ、毛羽の発生がない場合は○、糸切れ、毛羽の発生がみられた場合は×の二段階基準で評価した。
(実施例1)
ポリ乳酸樹脂を単軸の押出機を使用して225℃で溶融し、吐出孔径0.18mm、吐出孔48個の口金から押出し、油剤を付与した後に紡糸速度3100m/minで84dtex/48filの未延伸糸を巻き取った。実施例1は、未延伸糸について延伸速度を500m/min、一段目の延伸温度を125℃、一段目の延伸倍率を1.5、二段目の延伸温度を125℃、二段目の延伸倍率を1.5倍として二段延伸を行い、二段延伸後140℃で熱セットを行った。延伸糸の物性結果を表1に示す。
(実施例2、3)
紡糸速度を4000m/minとした以外は実施例1と同様に紡糸を実施した。実施例2は、未延伸糸について延伸速度を500m/min、一段目の延伸温度を125℃、一段目の延伸倍率を1.2、二段目の延伸温度を145℃、二段目の延伸倍率を2.0倍として二段延伸を行い、二段延伸後145℃で熱セットを行った。実施例3は、未延伸糸について延伸速度を500m/min、一段目の延伸温度を125℃、一段目の延伸倍率を1.5、二段目の延伸温度を145℃、二段目の延伸倍率を1.6として二段延伸を行い、二段延伸後145℃で熱セットを行った。延伸糸の物性結果を表1に示す。
(実施例4、5)
紡糸速度を5000m/minとした以外は実施例1と同様に紡糸を実施した。実施例4は、未延伸糸について延伸速度を500m/min、一段目の延伸温度を125℃、一段目の延伸倍率を1.5、二段目の延伸温度を125℃、二段目の延伸倍率を1.2倍として二段延伸を行い、二段延伸後145℃で熱セットを行った。実施例5は、未延伸糸について延伸速度を500m/min、一段目の延伸温度を125℃、一段目の延伸倍率を1.5、二段目の延伸温度を145℃、二段目の延伸倍率を1.6として二段延伸を行い
、二段延伸後145℃で熱セットを行った。延伸糸の物性結果を表1に示す。
実施例1〜5は、未延伸糸を二段延伸することで、トータルにすると1.8〜2.4倍程度まで延伸可能であり、延伸時の糸割れ、毛羽あるは白化のない良好な延伸糸を得ることができた。表1より、延伸糸の結節強度が3.0cN/dtex以上、引掛強度が3.0cN/dtex以上および直線強度が5.8cN/dtex以上と良好な物性を示し、製織時に糸切れ、毛羽はみられず、製織工程の操業性に優れたポリ乳酸繊維を作製することができた。
(比較例1)
実施例1と同様に紡糸を実施し、得られた未延伸糸について延伸速度を750m/min、一段目の延伸温度を125℃で1.5倍に一段延伸を行い、その後125℃で熱セットを行った。延伸糸の物性結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2と同様に紡糸を実施し、得られた未延伸糸について比較例1と同様に延伸を行った。延伸糸の物性結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例4と同様に紡糸を実施し、得られた未延伸糸について比較例1と同様に延伸を行った。延伸糸の物性結果を表1に示す。
比較例1は、実施例1と同様の未延伸糸について延伸したが、一段延伸であったために結節強度が2.8cN/dtex未満、引掛強度が2.8cN/dtex未満および直線強度が5.5cN/dtex未満と強度が不十分であった。そのため、製織時に糸切れが発生し、実用的に使用できなかった。
比較例2は、実施例2と同様の未延伸糸について延伸したが、一段延伸であったために結節強度が2.8cN/dtex未満、引掛強度が2.8cN/dtex未満および直線強度が5.5cN/dtex未満と強度が不十分であった。そのため、製織時に糸切れが発生し、実用的に使用できなかった。
比較例3は、実施例4と同様の未延伸糸について延伸したが、一段延伸であったために結節強度が2.8cN/dtex未満、引掛強度が2.8cN/dtex未満および直線強度が5.5cN/dtex未満と強度が不十分であった。そのため、製織時に糸切れが発生し、実用的に使用できなかった。
本発明のポリ乳酸繊維及びその製造方法は、優れた結節強度を有し、製織編時の操業性
を向上させるポリ乳酸繊維を得ることができる。

Claims (4)

  1. 結節強度が2.8cN/dtex以上、引掛強度が2.8cN/dtex以上および直線強度が5.5cN/dtex以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維。
  2. 沸水収縮率が10.0%以下かつ直線伸度(E1)が23%以上であり、直線伸度(E1)と結節伸度(E2)および引掛伸度(E3)が下記式(1)および(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸繊維。
    (1) E2/E1≧0.65
    (2) E3/E1≧0.70
  3. 相対粘度が2.5〜3.5、融点が150℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸繊維。
  4. 溶融紡糸法によって紡糸速度3000m/min以上で巻き取った未延伸糸を2段以上の多段延伸することを特徴とする請求項1〜3記載のポリ乳酸繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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