JPH06313207A - 高強度ポリプロピレン繊維およびその製造方法 - Google Patents

高強度ポリプロピレン繊維およびその製造方法

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JPH06313207A
JPH06313207A JP12034093A JP12034093A JPH06313207A JP H06313207 A JPH06313207 A JP H06313207A JP 12034093 A JP12034093 A JP 12034093A JP 12034093 A JP12034093 A JP 12034093A JP H06313207 A JPH06313207 A JP H06313207A
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JP
Japan
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molecular weight
strength
polypropylene
average molecular
less
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JP12034093A
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English (en)
Inventor
Tadashi Matsuo
正 松尾
Shigeyuki Umeda
重之 梅田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業資材分野に好適な高強度ポリプロピレン
繊維を提供する。 【構成】 MFRが5〜15、アイソタクチックペンタッ
ドフラクションが95以上、n-ヘプタン不溶分が98以上、
Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下の高規
則性ポリプロピレンを用い、 270℃以上の温度で溶融紡
糸した後、7倍以上の高延伸倍率で延伸して破断強度8
g/d 以上の延伸糸とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度ポリプロピレン繊
維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンベンショナルなポリプロピレン繊維
は、アイソタクチックペンタッドフラクションが95以
下、n-ヘプタン不溶分が98以下、Q値(重量平均分子量
/数平均分子量)が4以上のポリプロピレンを原料とし
て製造されるが、その強度は、分子量の尺度であるMF
R(メルトフローレイシオ)によりある程度はコントロ
ールできるものの、通常は4〜5g/d であり、延伸倍率
を6倍程度に高めて分子配向を促進させても得られる強
度はせいぜい7g/d 程度であった。
【0003】一方、高規則性ポリプロピレンを使用した
ポリプロピレン繊維に関しては、特開昭60−5911
3号公報、特開昭63−135549号公報、特開平5
−9805号公報等に開示されている。しかしながら、
特開昭60−59113号公報、特開昭63−1355
49号公報には、破断強度が通常水準のものしか記載さ
れておらず、一方、特開平5−9805号公報には、マ
ルチフィラメントの単繊維繊度(d/f) が大きく、また、
延伸倍率が小さいことが記載されていることから、強度
8g/d 以上の発現はとうてい不可能と判断せざるを得
ず、真に8g/d を越える強度を有する高強度ポリプロピ
レン繊維を提供する技術はこれまで見出だされていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コンベンショナルなポ
リプロピレン繊維は、比重が小さく軽い、酸、アルカリ
の影響を受けず耐薬品性に優れる等の特長を有しなが
ら、耐熱性が低い、原着方式が主流である、高強度のも
のがない等の理由で市場開拓が思うように進んでいな
い。とりわけ強度については、ポリエステルあるいはナ
イロン等で高強度繊維が資材分野で広汎に使用されてい
る状況にあるにもかかわらず、ポリプロピレン繊維は強
度が要求されるロープ、スリングベルト、フレコン用縫
糸分野への進出が充分にできていない。一方、近年の資
源のリサイクル問題に対応するうえで、ポリプロピレン
は、ポリエステル、ナイロン等に対して溶融時の解重合
による分解がほとんど起こらず、酸素、水分等の存在下
でも安定であること、さらに構成元素が炭素と水素であ
り、有毒性ガスの発生も皆無であることから、リサイク
ルに非常に好適であるので、ポリプロピレン繊維をポリ
エステル繊維、ナイロン繊維の代替にしたいという市場
の強い要求がある。
【0005】これらの要求を達成するため、本発明は、
立体規則性の高いポリプロピレンを使用して繊維でのポ
リマ分子配向性を高め、かつ、高温での溶融紡糸、高倍
率延伸条件と組合せて繊維でのポリマ分子配向性を究極
まで高めることにより、高強度ポリプロピレン繊維を得
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、MFRが5〜
15、アイソタクチックペンタッドフラクションが95以
上、n-ヘプタン不溶分が98以上、Q値(重量平均分子量
/数平均分子量)が4以下の高規則性ポリプロピレンを
原料としてなる破断強度が8g/d 以上である高強度ポリ
プロピレン繊維およびMFRが5〜15、アイソタクチッ
クペンタッドフラクションが95以上、n-ヘプタン不溶分
が98以上、Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4
以下の高規則性ポリプロピレンを原料とし、 270℃以上
の温度で溶融紡糸した後、7倍以上の高延伸倍率で延伸
して破断強度を8g/d 以上となすことを特徴とする高強
度ポリプロピレン繊維の製造方法である。
【0007】本発明においては、高強度ポリプロピレン
繊維は、全繊度が50〜1000デニール、単糸繊度(d/f) が
1〜30デニール、破断伸度が40%以下、乾熱収縮率が20
%以下であることが好ましい。
【0008】本発明でいう物性項目の定義は次の通りで
ある。MFRは、メルトフローレイシオの略で分子量の
尺度となり、単位はg/min である。アイソタクチックペ
ンタッドフラクション(以下IPFという)とは、通常
NMRといわれる核磁気共鳴分析で測定されるアイソタ
クチック分率のことである。n-ヘプタン不溶分(以下H
Iという)とは、粉砕試料をソックスレー抽出器を用い
てn-ヘプタンで3時間抽出し算出(wt%)したものをい
う。Q値は、重量平均分子量/数平均分子量によって求
められた値で、重量平均分子量は、例えば光散乱法、粘
度法、超遠心法等公知の方法により求められ、数平均分
子量は、例えば末端基定量法、氷点降下法、沸点上昇
法、浸透圧法等公知の方法により求められる。
【0009】本発明によれば、強度発現に有効な原料の
使用および紡糸、延伸条件の相乗効果で所望の目的が達
せられる。まず、本発明においては、原料であるポリプ
ロピレンとして、延伸による配向結晶化を促進する、立
体規則性の高い、言い換えればIPFがコンベンショナ
ルなポリプロピレンより高く、延伸による配向結晶化の
障害となる低結晶成分の少ない、言い換えればHIがコ
ンベンショナルなポリプロピレンより高く、延伸倍率を
上げて配向を促進し得る分子量分布の狭い、言い換えれ
ばQ値がコンベンショナルなポリプロピレンより低いポ
リマを使用し、次いで、紡糸延伸条件として、高温溶融
紡糸を行って紡糸段階での未延伸糸の配向を抑制し、高
倍率で延伸して配向を促進して延伸糸となすことが、最
も配向性の高い高強度繊維を得るうえで必要である。
【0010】本発明の原料であるポリプロピレンは、配
向結晶化の観点から、IPFが95以上、HIが98以上で
あり、延伸性の観点から、Q値が4以下の高規則性ポリ
プロピレンを使用する。
【0011】溶融紡糸温度は、紡糸段階での配向を抑制
し得る 270℃以上の高温であって、熱分解が進みにくい
300℃以下であることが好ましい。また、延伸は7倍以
上、好ましくは8倍以上の高延伸倍率で行い、延伸温度
は、延伸性を確保するうえで70〜130 ℃が好ましい。
【0012】延伸糸の全繊度は50〜1000デニール、単糸
繊度(d/f) は1〜30デニールの範囲で高強度ポリプロピ
レン繊維が製造可能であり、かかる繊度であれば、ポリ
プロピレン繊維の用途にほとんど対応し得る。また、単
糸繊度(d/f) については、30デニール以上になると、延
伸において繊維温度が延伸温度に均一に達しなくなるた
め、延伸性を損なうおそれがあり、好ましくない。
【0013】本発明の高強度ポリプロピレン繊維の物性
は、破断強度が8g/d 以上、破断伸度が40%以下、乾熱
収縮率が20%以下となるのであり、繊維形状としては主
としてマルチフィラメントをいうが、モノフィラメン
ト、ステープル、スパンボンド等であってもよい。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0015】実施例1〜4、比較例1〜5 本発明の要件を満たすポリプロピレンを原料とし、紡糸
温度、延伸倍率を変更し、得られたポリプロピレンマル
チフィラメントの物性を表1に示す。このうち、実施例
1〜4は、本発明の範囲に入るもので、得られた物性値
も満足いくものであり、実用生産をしても充分可能な製
糸安定性が得られた。
【0016】また、比較例1〜5は本発明の範囲外のも
ので物性が不充分なだけでなく、その製糸安定性も劣っ
ていた。比較例2については、サンプル採取も不可能な
ものであった。
【0017】
【表1】
【0018】以上の実施例、比較例で説明した通り、立
体規則性を高め、なおかつ分子量分布のシャープなポリ
プロピレンポリマを用い、分解しない範囲の高い温度で
溶融紡糸し、可能な限り高い延伸倍率で延伸することに
より、高強度ポリプロピレンマルチフィラメントを得る
ことができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
立体規則性により配向度を高めた、いわゆるアイソタク
チックペンタッドフラクションを高め、延伸性能を高め
るため分子量分布のシャープなポリマを用い、特定の紡
糸、延伸を行うことで、ロープ、スリングベルト、フレ
コン用縫糸等の産業資材分野に好適に使用可能であっ
て、ポリエステル繊維およびナイロン繊維の代替ともな
りうる高強度のポリプロピレン繊維を得ることができ、
かつ、資源のリサイクルにも好適な繊維を提供しうるも
のである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MFRが5〜15、アイソタクチックペン
    タッドフラクションが95以上、n-ヘプタン不溶分が98以
    上、Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下の
    高規則性ポリプロピレンを原料としてなる破断強度が8
    g/d 以上である高強度ポリプロピレン繊維。
  2. 【請求項2】 全繊度が50〜1000デニール、単糸繊度(d
    /f) が1〜30デニール、破断伸度が40%以下、乾熱収縮
    率が20%以下である請求項1記載の高強度ポリプロピレ
    ン繊維。
  3. 【請求項3】 MFRが5〜15、アイソタクチックペン
    タッドフラクションが95以上、n-ヘプタン不溶分が98以
    上、Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下の
    高規則性ポリプロピレンを原料とし、 270℃以上の温度
    で溶融紡糸した後、7倍以上の高延伸倍率で延伸して破
    断強度を8g/d 以上となすことを特徴とする高強度ポリ
    プロピレン繊維の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012164656A1 (ja) 2011-05-30 2012-12-06 トヨタ自動車株式会社 高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法
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