JP2006017879A - グリッド偏光子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、該金型部材の微細格子形状を直接又はいったん金属版に転写したのち透明樹脂成形体に転写し、該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着することを特徴とするグリッド偏光子の製造方法。
【選択図】図2
Description
例えば、赤外域の光に対して透過率及び偏光特性のよいグリッド偏光子として、測定光に対して吸収の少ない基板を光学研磨し、同基板上に反射防止膜を積層し、その反射防止膜上に導体の高密度な平行線パターンを形成したグリッド偏光子が提案され、グリッド基板上のフォトレジストに、ホログラフィック露光法による二光束干渉縞を焼き付ける方法が例示されている(特許文献1)。また、プレーナプロセスで金属グリッド型偏光素子を製造する量産性に適した方法として、電子ビームの量を場所によって変化させて露光したポリメチルメタクリレート膜を現像することにより、鋸歯状の断面を持ったストライプ状パターンを基盤の上に作成し、これから金属のスタンパーを作成し、スタンパーから多数のレプリカを作成し、斜め方向から蒸着を行い、透明保護膜をコーティングする方法が提案されている(特許文献2)。さらに、比較的簡単な工程で、安価な材料からワイヤーグリット型の偏光子を製造する方法として、特定の波長範囲にある光を透過させない基板の表裏両面にホトレジスト層を設け、該光を用いて、光の干渉によって複数の平行線パターンを基板の両面に露光させて現像し、基板の両面に複数の凹凸による平行線パターンを形成させ、該平行線パターンの凸部頂上及びその近傍にのみ金属を蒸着させるワイヤーグリット型偏光子の製造方法が提案されている(特許文献3)。
しかし、フォトレジスト層やポリメチルメタクリレート膜を現像する方法では、現像後のグリッド側面部の平滑性が悪いために偏光子の光学特性が落ち、また、大型のグリッド偏光子を製造することは容易ではなかった。
すなわち、本発明は、
(1)(A)モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、(B)該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、(C)該金型部材の微細格子形状を透明樹脂成形体に転写し、(D)該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着することを特徴とするグリッド偏光子の製造方法、
(2)(A)モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、(B)該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、(C)該金型部材の微細格子形状を金属版に転写し、(D)該金属版の微細格子形状を透明樹脂成形体に転写し、(E)該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着することを特徴とするグリッド偏光子の製造方法、
(3)モース硬度9以上の工具に形成された突起が複数である(1)又は(2)に記載のグリッド偏光子の製造方法、
(4)X、Y、Z移動軸の精度が100nm以下の精密微細加工機と、表面算術平均粗さ(Ra)10nm以下の工具を用い、温度±0.5℃以下に管理され、0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された恒温低振動室内で、微細格子形状を金型部材上に形成する(1)、(2)又は(3)に記載のグリッド偏光子の製造方法、及び、
(5)透明樹脂成形体が、吸水率0.3重量%以下である(1)ないし(4)のいずれか1項に記載のグリッド偏光子の製造方法、
を提供するものである。
本発明のグリッド偏光子の製造方法の第二の態様においては、(A)モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、(B)該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、(C)該金型部材の微細格子形状を金属版に転写し、(D)該金属版の微細格子形状を透明樹脂成形体に転写し、(E)該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着する。
図1は、本発明方法における工具の作製法の一態様の説明図である。モース硬度9以上の材料1を、高エネルギー線2を用いて加工し、先端の面を溝状に彫り込むことにより、先端に幅が600nm以下の直線状の突起3を形成する。図1では、直線状突起が平行に複数本並んでいる。本発明方法に用いるモース硬度9以上の材料としては、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、コランダムなどを挙げることができる。これらの材料は、単結晶又は焼結体として用いることができる。単結晶として用いることが、加工精度と工具寿命の面で好ましく、単結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素が硬度が高いためにより好ましく、単結晶ダイヤモンドが特に好ましい。焼結体としては、例えば、コバルト、スチール、タングステン、ニッケル、ブロンズなどを焼結剤とするメタルボンド、長石、可溶性粘土、耐火粘土、フリットなどを焼結剤とするビトリファイドボンドなどを挙げることができる。これらの中で、ダイヤモンドメタルボンドを好適に用いることができる。
本発明方法において、工具の先端の突起の幅は600nm以下であり、より好ましくは300nm以下である。突起の幅は、その加工方向に垂直な断面形状の先端部分を計測した値である。突起の幅が600nmを超えると、グリッド偏光子のピッチが大きくなりすぎて、可視光に対して良好な偏光特性が得られないおそれがある。また、突起の断面の形状は、根元に近い部分の幅も600nm以下であるものが好ましい。本発明方法において、突起の形状に特に制限はなく、例えば、突起の加工方向と垂直な平面で切断した断面が長方形、三角形、半円形、台形など、又は、これらを若干変形させた形状などを挙げることができる。これらの中で、断面が長方形の形状は、この形状を転写して得られる透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着するとき、非蒸着部分を容易に残すことができるので、好適に用いることができる。また、断面が三角形の形状は、蒸着の方向を工夫することにより、非蒸着部分を容易に残すことができるので、好適に用いることができる。
図2は、本発明方法における金型部材の加工方法の一態様の説明図である。先端に直線状の突起を有する工具4を使用して、金型部材5上に幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成する。幅50nm未満、ピッチ50nm未満又は高さ50nm未満の突起の加工による形成は、極めて困難となるおそれがある。突起の幅が600nm、ピッチが1,000nmを超えると、グリッド偏光子の偏光特性が低下するおそれがあり、高さが800nmを超えると、透明樹脂成形体への転写時に正確に形状を転写することが困難となるおそれがある。
w2=p1−w1、 p2=p1、 h2≦h1
また、図4又は図5に示す断面が三角形の連続するプリズム形状の格子では、工具の突起の根元の幅をw1、ピッチをp1、高さをh1とし、金型部材の微細格子形状の突起の幅をw2、ピッチをp2、高さをh2とすると、次の関係式がほぼ成り立つ。
w2=w1=p2=p1、 h2≦h1
これらの関係式に基づいて、金型部材上に形成する微細格子形状に対応する工具の形状を決めることができる。
本発明方法において、工具の両側端の突起の幅eは、w1−25<e<w1+25(nm)又はe=0であることが好ましい。0<e<w1−25(nm)又はe>w1+25(nm)であると、繰り返される加工の継ぎ目部分のピッチが設定どおりでなくなるおそれがある。
図2に示すように、精密微細加工機(図示しない)に取り付けた工具4に対して、金型部材5を移動させて微細格子形状を形成する。金型部材の相対する2辺間の加工を終えたのち、金型部材を横にずらせて隣接する未加工部分に同様にして微細格子形状を形成する加工を繰り返し、金型部材の全面に微細格子形状を形成する。また、金型部材を固定して、工具を移動して微細格子形状を形成することもできる。本発明方法に用いる金型部材は、ベースとなる金型用鋼材6に微細格子形状を形成するための適当な硬度のある電着又は無電解メッキによる金属層7を設けた材料であることが好ましい。金型用鋼材としては、例えば、ピンホール、地傷、偏析などがない真空溶解、真空鋳造などにより製造されたプリハードン鋼、析出硬化鋼、ステンレス鋼、銅などを挙げることができる。電着又は無電解メッキによる金属層は、ビッカース硬度が40〜350であることが好ましく、200〜300であることがより好ましい。ビッカース硬度が40〜350の金属としては、例えば、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、パラジウムなどを挙げることができ、ビッカース硬度が200〜300の金属としては、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金を挙げることができる。
本発明方法において、金型部材への微細格子形状の形成は、精密微細加工機を用いて加工することが好ましい。精密微細加工機のX、Y、Z移動軸の精度は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。精密微細加工機のX、Y、Z移動軸の精度が100nmを超えると、微細格子形状のピッチ又は高さが設計値から外れ、グリッド偏光子の性能が低下するおそれがある。
本発明方法において、金型部材への微細格子形状の形成は、温度±0.5℃以下に管理された恒温室内で行うことが好ましく、温度±0.3℃以下に管理された恒温室内で行うことがより好ましく、温度±0.2℃以下に管理された恒温室内で行うことがさらに好ましい。恒温室の温度管理幅が±0.5℃を超えると、工具と金型部材の熱膨張のために、微細な形状の正確性が損なわれるおそれがある。
本発明方法において、金型部材への微細格子形状の形成は、0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された低振動室内で行うことが好ましく、0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された低振動室内で行うことがより好ましい。0.5Hz以上の振動の変位が50μmを超えると、振動のために微細な形状を正確に加工することが困難となるおそれがある。
また、本発明方法においては、微細格子形状を形成した金型部材の上に金属版を作製し、前記金属版を金型部材から引き剥がし、金属版に形成された微細格子形状を透明樹脂成形体に転写することもできる。この場合、微細格子形状を形成した金型部材を母材として保存することができるので、経済的である。
前記金属版の作製は、電鋳によることが好ましい。電鋳材質としては、ビッカース硬度が40〜550のものが好ましく、150〜450のものがさらに好ましい。ビッカース硬度が40〜550の電鋳材質としては、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、ニッケル−鉄合金、ニッケル−コバルト合金、パラジウムが挙げられ、150〜450のものとしては、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、ニッケル−鉄合金、パラジウムが挙げられる。
本発明方法においては、金型部材に形成した幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を、透明樹脂成形体に転写する。微細格子形状を透明樹脂成形体に転写する方法に特に制限はなく、例えば、微細格子形状を形成した円筒状金型部材を感光性透明樹脂層に押しあて露光し成形することができ、微細格子形状を形成した金型部材を射出成形金型に組み込んで透明樹脂を射出成形することができ、微細格子形状を形成した金型部材を圧縮成形金型に組み込んで透明樹脂フィルム又はシートを加熱加圧することもでき、あるいは、微細格子形状を形成した金型部材を用いて透明樹脂溶液をキャスティング成形することもできる。透明樹脂成形体のレターデーションは、波長550nmで50nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。透明樹脂成形体のレターデーションが50nmを超えると、透過又は反射した直線偏光成分がレターデーションにより偏光状態が変化するおそれがある。
本発明方法に用いる透明樹脂に特に制限はなく、例えば、脂環式構造を有する樹脂、紫外線硬化性樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができ、これらを組み合わせて使用してもよい。本発明方法に用いる透明樹脂成形体は、吸水率0.3重量%以下であることが好ましく、吸水率0.1重量%以下であることがより好ましい。透明樹脂成形体の吸水率が0.3重量%を超えると、吸水による寸法変化のために、微細格子形状の正確性が損なわれるおそれがある。
本発明方法において、微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着するときは、微細格子形状の断面形状により蒸着方向を工夫することにより、微細格子形状に導電性反射体が蒸着されない部分を残して、s偏光成分を透過させる構造とする。図6は、蒸着の一態様の説明図である。長さ方向に垂直な平面で切断した断面が正方形である突起を有する微細格子形状が転写された透明樹脂成形体8を、蒸着源9の中心に向けた方向に対して角度を45度傾けて設置し、導電性反射体の蒸着を行うと、図中に二重線で示す突起の上面と一側面とが蒸着され、窪みの面と他の側面が蒸着されずに残ったグリッド偏光子が得られる。さらに、必要な場合には図とは逆の方向に45度傾けて蒸着を行うと、他の側面が蒸着され、窪みの面のみが蒸着されずに残ったグリッド偏光子が得られる。本発明方法において、透明樹脂成形体の蒸着源に対する傾きθに特に制限はないが、10〜90度であることが好ましい。グリッド偏光子を適用する光の波長などに応じて、突起の形状及び透明樹脂成形体の蒸着源の方向に対する傾きを選ぶことにより、微細格子形状が転写された透明樹脂成形体の蒸着される部分を調整することができる。図6と同様の断面形状を有する微細格子形状が転写された透明樹脂成形体を、蒸着源9の中心に対する角度を90度に設置して導電性反射体の蒸着を行うと、突起の上面と窪みの面が蒸着され、他の二側面が蒸着されずに残ったグリッド偏光子が得られる。本発明方法においては、導電性反射体を蒸着した上に、無機層又は有機層からなる腐食防止層を設けることができる。
実施例1
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体の単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置[セイコーインスツルメンツ(株)、SMI3050]を用いてアルゴンイオンビームを用いた集束イオンビーム加工を行って、長さ1mmの辺に平行な幅0.1μm、深さ0.1μmの溝をピッチ0.2μmで彫り込み、幅0.1μm、高さ0.1μmの直線状の突起1,000本をピッチ0.2μmで形成してなる切削工具を作製した。
寸法152.4mm×203.2mm、厚さ10.0mmのステンレス鋼SUS430の152.4mm×203.2mmの一面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、精密微細加工機[(株)ナガセインテグレックス、超2精密微細加工機NIC200]と上記の切削工具を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、長さ203.2mmの辺に平行な幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の突起を切削加工した。
なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニツケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃に管理され、振動制御システム[(株)昭和サイエンス]により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
切削加工されたニッケル−リン無電解メッキ面のあるステンレス鋼部材を射出成形金型に組み込み、射出成形機[(株)日本製鋼所、JSW−ELIII、型締力2MN]を用いて、脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R]から、樹脂温度310℃、金型温度100℃の条件で、寸法152.4mm×203.2mm、厚さ1.0mmのグリッド偏光子用平板を射出成形した。
この射出成形板を、蒸着源に対して45度の傾きになるように設置してアルミニウムを蒸着し、直線状の突起の上面と一側面にアルミニウムを蒸着し、直線状の突起の間の窪みの面と一側面が蒸着されていない状態として、グリッド偏光子を完成した。
得られたグリッド偏光子について、瞬間マルチ測光システム[大塚電子(株)、MCPD−3000]を用いて、波長550nmにおけるs偏光透過率とp偏光透過率を測定した。s偏光透過率は60.9%、p偏光透過率は0.1%であり、偏光透過率差は60.8%であった。
実施例2
直径200.0mmで高さ155.0mmの円筒形状のステンレス鋼SUS430の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、実施例1と同様に直線状突起を形成した工具と、精密円筒研削盤[スチューダ社、精密円筒研削機S30−1]を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面に平行に幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の突起を切削加工した。
押出成形により得られた厚さ100μmの脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1420R]の155.0mm幅のフィルム上へ、100nm厚みで紫外線硬化性アクリル樹脂を塗布し、切削加工されたニッケル−リン無電解メッキ面のある円筒へ密着させて、フィルム裏側から高圧水銀灯で紫外線を照射し、微細な直線状の突起の格子形状をフィルムへ転写した。
フィルムから微細格子形状が転写された寸法152.4mm×203.2mmの部分を切り出し、実施例1と同様にして、突起の上面及び一側面にアルミニウムを蒸着してグリッド偏光子を完成し、偏光透過率を測定した。
s偏光透過率は61.3%、p偏光透過率は0.1%であり、偏光透過率差は61.2%であった。
実施例3
実施例1で作製した切削加工されたニッケル−リン無電解メッキ面上に、スルファミン酸ニッケル水溶液を用いた電鋳によりニッケルを300μmの厚さに形成し、前記無電解メッキ面から引き剥がして、直線状の突起を有する金属版を得た。この金属版を射出成形金型に組み込み、実施例1と同様にしてグリッド偏光子を完成し、偏光透過率を測定した。
s偏光透過率は61.2%、p偏光透過率は0.1%であり、偏光透過率差は61.1%であった。
比較例1
寸法30.0mm×30.0mm、厚さ1.0mmのガラス基板上にアルミニウムを厚さ0.1μmに蒸着し、電子線レジスト[日本ゼオン(株)、ZEP520]を塗布し、電子線ビームにより幅0.1μm、ピッチ0.2μmの平行線を、長さ30.0mmの辺に平行に描画した。次いで、専用現像液で現像し、プラズマエッチング装置[オックスフォード・インストゥルメンツ(株)、Plasmalab System 100ICP180]を用いてエッチングすることにより、グリッド偏光子を完成し、偏光透過率を測定した。
s偏光透過率は57.0%、p偏光透過率は0.5%であり、偏光透過率差は56.5%であった。
実施例1〜3及び比較例1の結果を、第1表に示す。
2 高エネルギー線
3 直線状の突起
4 研削工具
5 金型部材
6 金型用鋼材
7 金属層
8 透明樹脂成形体
9 蒸着源
10 導体グリッド
Claims (5)
- (A)モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、(B)該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、(C)該金型部材の微細格子形状を透明樹脂成形体に転写し、(D)該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着することを特徴とするグリッド偏光子の製造方法。
- (A)モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、(B)該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、(C)該金型部材の微細格子形状を金属版に転写し、(D)該金属版の微細格子形状を透明樹脂成形体に転写し、(E)該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着することを特徴とするグリッド偏光子の製造方法。
- モース硬度9以上の工具に形成された突起が複数である請求項1又は請求項2に記載のグリッド偏光子の製造方法。
- X、Y、Z移動軸の精度が100nm以下の精密微細加工機と、表面算術平均粗さ(Ra)10nm以下の工具を用い、温度±0.5℃以下に管理され、0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された恒温低振動室内で、微細格子形状を金型部材上に形成する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のグリッド偏光子の製造方法。
- 透明樹脂成形体が、吸水率0.3重量%以下である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のグリッド偏光子の製造方法。
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