JP4396459B2 - 電磁波遮蔽性グリッド偏光子及びその製造方法 - Google Patents

電磁波遮蔽性グリッド偏光子及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、電磁波遮蔽性グリッド偏光子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、電子部品に悪影響を及ぼす電磁波を遮蔽する機能を有するグリッド偏光子及び該グリッド偏光子を大面積で経済的に製造することができる電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法に関する。
近年、大型TV、パソコンのディスプレイや携帯電話など、電磁波を発生する機器が大量に使用されるようになり、電磁波遮蔽技術が注目されている。例えば、プラズマディスプレイから発生する電磁波は、周辺の機器に誤動作を引き起こす可能性があるために、プラズマディスプレイには電磁波遮蔽シートが通常使用されている。
また、液晶ディスプレイのバックライトからも電磁波が発生し、液晶パネルの表示へ悪影響を及ぼす可能性も指摘されている。特に高輝度を要求される直下型バックライトでは、発生する電磁波も強くなるので、電磁波遮蔽層を設ける等の手段を講じない限り、パネル表示がちらつく等の不具合が発生する。これを防止するために、直下型バックライト上にも電磁波遮蔽シートが使用されることが多い。しかし、直下型バックライト上に電磁波遮蔽シートを使用するとコスト高になるばかりではなく、部材が増えるために異物を巻き込むなどの不具合を生じる可能性がある。
製造工程の簡略化及び製造コストの抑制を図りながら、簡易かつ確実、強力に、成形品の表面に電磁波遮蔽性などの高機能を付与することができる成形品の製造方法として、離型性を有する基体フィルム上に、透明低反射層、保護層及び接着層が順次積層されてなる転写箔を射出成形金型内に挟み込み、接着剤層側に溶融樹脂を射出して樹脂成形品を形成するのと同時に、樹脂成形品の表面に転写箔を接着させ、その後基体フィルムを剥離する成形品の製造方法が提案されている(特許文献1)。しかし、射出成形の1ショットごとに金型に転写箔を挟み込むことは煩雑な操作であり、また、この方法は射出成形品に限られるので、液晶ディスプレイの特徴を活かせるフィルム状のグリッド偏光子に適用することはできない。
比較的簡単な工程で、安価な材料からワイヤーグリッド型の偏光子を製造する方法として、特定の波長範囲にある光を透過させない基板の表裏両面にホトレジスト層を設け、該光を用いて、光の干渉によって複数の平行線パターンを基板の両面に露光させて現像し、基板の両面に複数の凹凸による平行線パターンを形成させ、該平行線パターンの凸部頂上及びその近傍にのみ金属を蒸着させるワイヤーグリッド型偏光子の製造方法が提案されている(特許文献2)。しかし、平行線パターンのみからなるワイヤーグリッド型偏光子は電磁波遮蔽性を有さない。
再表WO01/092006号公報 特開2001−330728号公報
本発明は、電子部品に悪影響を及ぼす電磁波を遮蔽する機能を有するグリッド偏光子及び該グリッド偏光子を大面積で経済的に製造することができる電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1枚の素子上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nmの直線状の突起からなる微細格子形状と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状を形成することにより、素子に偏光特性を付与し、さらに電磁波を遮蔽することが可能となることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状(2)が形成され、これらの二つの格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが、遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、第二の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(2)第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)の突起と等しい高さを有する直線状の突起である(1)記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(3)第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)基準面と同じ面まで微細格子形状の突起が掘り込まれてなるものである(1)記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(4)第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)の突起より高さが高い直線状の突起である(1)記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(5)第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)の突起より高さが低い直線状の突起である(1)記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(6)第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)基準面より深く堀り込まれた直線状の窪みである(1)記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(7)幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの複数組の格子形状(2)とが形成され、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、その長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、複数組の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上であることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
(8)幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの規則性のある1群以上の幾何学的曲線条群(2)とが形成され、幾何学的曲線条(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、その長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、幾何学的曲線条(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、幾何学的曲線条(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上であることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子、
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を持つ金型を製作し、該金型の形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着する電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法において、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の微細格子形状になるような深さ50〜800nmの直線状溝の群を形成するときに、モース硬度9以上の材料を高エネルギー線により加工して得られた幅600nm以下の突起を先端に有する工具を用いることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法、
(10)金型部材上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、金型部材をエッチングすることにより、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を持つ金型を形成し、該形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着することを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法、
(11)平滑な基材上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子と同じ形状の突起群を形成し、該突起群の形状を金属版に転写し、該金属版に転写された形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着することを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法、及び、
(12)透明な基材上に厚さ50〜800nmの導電性反射材料を形成し、導電性反射材料上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、導電性反射材料をエッチングすることにより、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を形成することを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法、
を提供するものである。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、偏光特性と電磁波遮蔽性を兼ね備えるので、液晶ディスプレイの厚さを増すことなくディスプレイに組み込んで、電磁波障害の発生を防止することができる。また、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、他の光学部材上へ形成することも可能なので、経済的に液晶ディスプレイを製造することができる。本発明方法によれば、このような電磁波遮蔽性グリッド偏光子を大面積で経済的に製造することができる。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の第一の態様は、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状が形成され、これらの二つの格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが、遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である、微細格子形状の突起の少なくとも一部と、第二の格子形状の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通している。ただし、本発明においては、格子形状とは、多数の平行線が一定のピッチで並んだ一組の形状である。また、二つの格子形状が形作る平行四辺形とは、微細格子形状の隣接する格子を形成する線2本と第二の格子形状の隣接する格子を形成する線2本により形作られる平行四辺形であって、格子を形成する線1本ずつの両側縁によって形作られる平行四辺形ではない。また、二つの格子形状が垂直に交差するときは、平行四辺形の短い方の対角線は、長方形の対角線である。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の第一の態様においては、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状の少なくとも一部を形成する導電性反射材料により、可視光のs偏光成分を透過し、可視光のp偏光成分と電磁波のp偏波成分を反射する。さらに幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状の少なくとも一部を形成する導電性反射材料により電磁波のs偏波成分を遮蔽する。本発明において格子形状の少なくとも一部を形成するとは、格子形状を形成する線の長手方向に垂直な断面の少なくとも一部を形成することであり、突起の表面を被覆してもよいし、突起の全体を形成していてもよい。
本発明において、微細格子形状の直線状突起の幅、ピッチ又は高さが50nm未満であると、加工が著しく困難となるおそれがある。微細格子形状の幅が600nm、ピッチが1,000nm、又は、高さが800nmを超えると、可視光のp偏光成分が透過するために、偏光特性が低下するおそれがある。第二の格子形状の幅が0.1μm未満、又は、ピッチが1.0μm未満であると、可視光のs偏光成分も反射してしまうために、偏光特性が低下するおそれがある。第二の格子形状の幅が500μmを超え、又は、ピッチが100mmを超えると、電磁波遮蔽性能が低下し、さらにディスプレイ上で格子が視認されるおそれがある。なお本発明では電磁波とは波長10μm〜106mのものとし、可視光とは波長360〜800nmのものとする。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、各種のディスプレイから放射され、電子機器の誤動作を生じさせる懸念がある波長10μm〜106mの電磁波の遮蔽に対して特に有効である。微細格子形状と第二の格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5倍未満であると、可視光のs偏光成分も反射してしまうために、偏光特性が低下するおそれがある。微細格子形状と第二の格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-1倍を超えると、電磁波のs偏波成分が透過するために、電磁波遮蔽性能が低下するおそれがある。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子において、第二の格子形状の高さは、基準面から−500〜500μmであることが好ましい。第二の格子形状の高さが−500μm未満、すなわち深さが500μmを超えても、第二の格子形状の高さが500μmを超えても、第二の格子形状の形成が困難となるおそれがある。本発明の基準面とは微細格子形状の裾野にあたる面のことを言う。
図1は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の一態様の部分斜視図である。なお、図1〜6においては、電磁波遮蔽性グリッド偏光子の隅部における微細格子形状の格子を形成する線4本と、第二の格子形状の格子を形成する線1本とを示す。また導電性反射材料に影をつけて示す。図1に示す態様においては、第二の格子形状2が、微細格子形状1の突起と等しい高さを有する直線状の突起である。
図2は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。本態様においては、第二の格子形状の高さが0、すなわち、第二の格子形状2が、微細格子形状1の窪みと同じ深さに掘り込まれている。
図3は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。本態様においては、第二の格子形状2が、微細格子形状1の突起より高さが高い直線状の突起である。
図4は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。本態様においては、第二の格子形状2が、微細格子形状1の突起より高さが低い直線状の突起であり、第二の格子形状の格子が連続し、微細格子形状の格子が断続している。
図5は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。本態様においては、第二の格子形状2が、微細格子形状1の突起より高さが低い直線状の突起であり、第二の格子形状の格子が断続し、微細格子形状の格子が連続している。
図6は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。本態様においては、第二の格子形状の高さがマイナス、すなわち、第二の格子形状2が、微細格子形状1の窪みより深く堀り込まれている。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の第二の態様は、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの複数組の格子形状(2)とが形成され、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、複数組の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上である。このとき前記比率が80%未満であると、電磁波遮蔽性能が低下するおそれがある。
図7は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の説明図である。本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子においては、微細格子形状3に、第二の格子形状4が直角に交差し、第三の格子形状5が60度の角度で交差している。微細格子形状(1)に複数組の格子形状(2)を交差させることにより、電磁波遮蔽効果を高めることができる。
本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子において、複数組の格子形状(2)の幅が0.1μm未満、又は、ピッチが1.0μm未満であると、可視光のs偏光成分も反射してしまうために、偏光特性が低下するおそれがある。複数組の格子形状(2)の幅が500μmを超え、又は、ピッチが100mmを超えると、電磁波遮蔽性能が低下し、さらにディスプレイ上で格子が視認されるおそれがある。本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子において、複数組の格子形状(2)の高さは、基準面に対して−500〜500μmであることが好ましい。複数組の格子形状(2)の高さが−500μm未満、すなわち深さが500μmを超えても、複数組の格子形状(2)の高さが500μmを超えても、複数組の格子形状(2)の形成が困難となるおそれがある。
本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上、より好ましくは30dB以上、さらに好ましくは35dB以上である。電磁波減衰量が20dB未満であると、電磁波遮蔽性能が不十分となるおそれがある。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の第三の態様は、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの規則性のある1群以上の幾何学的曲線条群とが形成され、幾何学的曲線条に区切られた微細格子形状の一部からなる線分のうち、長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、幾何学的曲線条に区切られた微細格子形状の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状の突起の少なくとも一部と、幾何学的曲線条の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上である。このとき前記比率が80%未満であると、電磁波遮蔽性能が低下するおそれがある。
図8は、本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の説明図である。本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子においては、微細格子形状3に、一定のピッチで位相が180度ずつずれて規則的に繰り返す正弦波曲線6が交差している。微細格子形状に規則的に繰り返す正弦波曲線を交差させることにより、電磁波遮蔽効果を発現させることができる。
本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子において、幾何学的曲線条群の幅が0.1μm未満、又は、ピッチが1.0μm未満であると、可視光のs偏光成分も反射してしまうために、偏光特性が低下するおそれがある。幾何学的曲線条群の幅が500μmを超え、又は、ピッチが100mmを超えると、電磁波遮蔽性能が低下し、さらにディスプレイ上で格子が視認されるおそれがある。本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子において、幾何学的曲線条群の高さは、基準面に対して−500〜500μmであることが好ましい。幾何学的曲線条群の高さが−500μm未満、すなわち深さが500μmを超えても、幾何学的曲線条群の高さが500μmを超えても、幾何学的曲線条群の形成が困難となるおそれがある。
本態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上、より好ましくは30dB以上、さらに好ましくは35dB以上である。電磁波減衰量が20dB未満であると、電磁波遮蔽性能が不十分となるおそれがある。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法の第一の態様においては、段落0004の(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を持つ金型を製作し、該金型の形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着する電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法において、段落0004の(1)〜(8)のいずれか1項に記載の微細格子形状になるような深さ50〜600nmの直線状溝の群を形成するときに、モース硬度9以上の材料を高エネルギー線により加工した幅600nm以下の突起を先端に有する工具を用いる。
図9は、本発明方法に用いる工具の作製法の一態様の説明図である。モース硬度9以上の材料7を、高エネルギー線8を用いて加工し、先端の面を溝状に堀り込むことにより、先端に幅が600nm以下の直線状の窪み9を形成する。本発明方法に用いるモース硬度9以上の材料としては、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、コランダムなどを挙げることができる。これらの材料は、単結晶又は焼結体として用いることができる。単結晶として用いることが、加工精度と工具寿命の面で好ましく、単結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素が硬度が高いためにより好ましく、単結晶ダイヤモンドが特に好ましい。焼結体としては、例えば、コバルト、スチール、タングステン、ニッケル、ブロンズなどを焼結剤とするメタルボンド、長石、可溶性粘土、耐火粘土、フリットなどを焼結剤とするビトリファイドボンドなどを挙げることができる。これらの中で、ダイヤモンドメタルボンドを好適に用いることができる。
本発明方法において、高エネルギー線としては、例えば、レーザビーム、イオンビーム、電子ビームなどを挙げることができる。これらの中で、イオンビームと電子ビームを好適に用いることができる。イオンビームによる加工は、材料の表面にフロン、塩素などの活性ガスを吹き付けながらイオンビームを照射するイオンビーム援用化学加工を行うことが好ましい。電子ビームによる加工は、材料の表面に酸素ガスなどの活性ガスを吹き付けながら電子ビームを照射する電子ビーム援用化学加工を行うことが好ましい。ビーム援用化学加工を行うことにより、エッチング速度を速め、スパッタされた物質の再付着を防ぎ、サブミクロンオーダーの精度の高い極微細加工を効率よく行うことができる。
本発明方法において、微細格子形状を形成する工具の先端の突起の幅は600nm以下であり、より好ましくは300nm以下である。突起の幅はその加工方向に垂直な断面形状の先端部分を計測した値である。突起の幅が600nmを超えると、グリッド偏光子のピッチが大きくなりすぎて、良好な偏光特性が得られないおそれがある。また突起の断面形状は根元に近い部分の幅も600nm以下であるものが好ましい。突起の形状に特に制限はなく、例えば、突起の加工方向と垂直な平面で切断した断面が長方形、三角形、半円形など、又は、これらを若干変形させた形状などを挙げることができる。これらの中で、断面が長方形の形状は、この形状を転写して得られる透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着するとき、非蒸着部分を容易に残すことができるので、好適に用いることができる。また断面が三角形の形状は蒸着の方向を工夫することにより、非蒸着部分を容易に残すことができるので、好適に用いることができる。
本発明方法において、微細格子形状を形成する工具の突起の数に特に制限はなく、1又は複数とすることができる。工具の突起の数は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以上であることがさらに好ましい。一つの工具の突起の数を複数とすることにより、工具の一回の加工で金型部材に複数の格子形状を形成し、金型部材を効率的に加工することができ、また、不規則性が生じやすい隣接する加工箇所の数を減少することができる。
図10は、本発明方法における金型部材の加工方法の一態様の説明図である。先端に突起を有する工具10を使用して、金型部材11上に幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、深さ50〜800nmの微細格子形状を形成する。微細格子形状の形成は、精密微細加工機(図示しない)に取り付けた工具10に対して、金型部材11を移動させて行うことができる。金型部材の相対する2辺間の加工を終えたのち、金型部材を横にずらせて隣接する未加工部分に同様にして微細格子形状を形成する加工を繰り返し、金型部材の全面に微細格子形状を形成する。また、金型部材を固定して、工具を移動して微細格子形状を形成することもできる。
本発明方法に用いる金型部材は、ベースとなる金型用鋼材12に微細格子形状を形成するための適度な硬度のある電着又は無電解メッキによる金属層13を設けた材料であることが好ましい。金型用鋼材としては、例えば、ピンホール、地傷、偏析などがない真空溶解、真空鋳造などにより製造されたプリハードン鋼、析出硬化鋼、ステンレス鋼、銅などを挙げることができる。電着又は無電解メッキによる金属層は、ビッカース硬度が40〜350であることが好ましく、200〜300であることがより好ましい。ビッカース硬度が40〜350の金属としては、例えば、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、パラジウムなどを挙げることができ、ビッカース硬度が200〜300の金属としては、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金を挙げることができる。
本発明方法において、金型部材の微細格子形状の形成に用いる工具は、加工に用いる面の表面算術平均粗さ(Ra)が10nm以下であることが好ましく、3nm以下であることがより好ましい。表面算術平均粗さ(Ra)が10nmを超えると、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、深さ50〜800nmのような微細な形状を正確に加工することが困難となるおそれがある。
本発明方法において、金型部材への微細格子形状の形成は、精密微細加工機を用いて加工することが好ましい。精密微細加工機のX、Y、Z移動軸の精度は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。精密微細加工機のX、Y、Z移動軸の精度が100nmを超えると、微細格子形状のピッチ又は深さが設計値から外れ、グリッド偏光子の性能が低下するおそれがある。
本発明方法において、金型部材への微細格子形状の形成は、温度±0.5℃に管理された恒温室内で行うことが好ましく、温度±0.3℃に管理された恒温室内で行うことがより好ましく、温度±0.2℃に管理された恒温室内で行うことがさらに好ましい。恒温室の温度管理幅が±0.5℃を超えると、工具と金型部材の熱膨張のために、微細な形状の正確性が損なわれるおそれがある。
本発明方法において、金型部材への微細格子形状の形成は、0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された低振動室内で行うことが好ましく、0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された低振動室内で行うことがより好ましい。0.5Hz以上の振動の変位が50μmを超えると、振動のために微細な形状を正確に加工することが困難となるおそれがある。
本発明方法において、微細格子形状と交差する第二の格子形状を金型部材に形成する方法に特に制限はなく、例えば、ダイヤモンドバイト、立方晶窒化ホウ素バイト、超硬合金バイトなどを用いて切削加工することができる。本発明方法において、金型部材への微細格子形状と第二の格子形状の加工の順序に特に制限はなく、微細格子形状を加工したのち第二の格子形状を加工することができ、あるいは、第二の格子形状を加工したのち微細格子形状を加工することもできる。
本発明方法においては、金型部材の第二の格子形状の深さと微細格子形状の深さの関係に特に制限はなく、例えば、二つの格子形状の深さを等しくすることができ、あるいは、いずれかの格子形状の深さを深くすることもできる。金型部材の二つの格子形状の深さを等しくすることにより、第二の格子形状が、微細格子形状と等しい高さを有する直線状の突起である図1に示す態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を得ることができる。金型部材の第二の格子形状の深さを微細格子形状の深さより深くすることにより、第二の格子形状が、微細格子形状より高さが高い直線状の突起である図3に示す態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を得ることができる。金型部材の第二の格子形状の深さを微細格子形状の深さより浅くすることにより、第二の格子形状が、微細格子形状より高さが低い断続する直線状の突起である図5に示す態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を得ることができる。
本発明における金型部材とは、射出成形用の金型、圧縮成形用の金型、フィルム表面に賦形するためのロールなどを言い、フィルム上へ連続的に形状の賦与を行うことができ、経済的なロールが好ましい。
また、本発明方法においては、微細格子形状を形成した金型部材の上に金属版を作製し、前記金属版を金型部材から引き剥がし、金属版に形成された微細格子形状を透明樹脂成形体に転写することもできる。この場合、微細格子形状を形成した金型部材を多数回使用することができるので、経済的である。
前記金属版の作製は、電鋳によることが好ましい。電鋳材質としては、ビッカース硬度が40〜550Hvのものが好ましく、150〜450Hvのものがさらに好ましい。ビッカース硬度が40〜550Hvの電鋳材質としては、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、パラジウム、ニッケル−鉄合金、ニッケル−コバルト合金が挙げられ、150〜450Hvのものとしては、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、ニッケル−鉄合金、パラジウムが挙げられる。
本発明方法の第一の態様においては、金型部材に形成した段落0004の(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を、透明樹脂成形体に転写する。該形状を透明樹脂成形体に転写する方法に特に制限はなく、例えば、該形状を形成した円筒状金型部材を感光性透明樹脂層に押しあて露光し形成することができ、該形状を形成した金型部材を射出成形金型に組み込んで透明樹脂を射出成形することができ、該形状を形成した金型部材を圧縮成形金型に組み込んで透明樹脂フィルム又はシートを加熱加圧することもでき、あるいは、該形状を形成した金型部材を用いて透明樹脂溶液をキャスティング成形することもできる。透明樹脂成形体のレターデーションは、波長550nmで50nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。透明樹脂成形体のレターデーションが50nmを超えると、透過又は反射した直線偏光成分が、レターデーションにより偏光状態が変化するおそれがある。
本発明方法に用いる透明樹脂に特に制限はなく、例えば、紫外線硬化性樹脂、脂環式構造を有する樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。本発明方法に用いる透明樹脂成形体は、吸水率0.3重量%以下であることが好ましく、吸水率0.1重量%以下であることがより好ましい。透明樹脂成形体の吸水率が0.3重量%を超えると、吸水による寸法変化のために、微細格子形状の正確性が損なわれるおそれがある。
本発明方法においては、微細格子形状の転写が正確かつ容易であることから、透明樹脂成形体として紫外線硬化性樹脂を好適に用いることができる。また、本発明方法においては、透明樹脂成形体として、脂環式構造を有する樹脂の成形体を特に好適に用いることができる。脂環式構造を有する樹脂は、溶融樹脂の流動性が良好なので、射出成形により微細格子形状を正確に転写することができる。また、吸水率が極めて小さいので、寸法安定性に優れる。脂環式構造を有する樹脂としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体若しくは開環共重合体又はそれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体若しくは付加共重合体又はそれらの水素添加物、単環の環状オレフィン系単量体の重合体又はその水素添加物、環状共役ジエン系単量体の重合体又はその水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体若しくは共重合体又はそれらの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体又は共重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の重合体の水素添加物及びビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物は、機械的強度と耐熱性に優れるので、特に好適に用いることができる。
本発明方法においては、微細格子形状と第二の格子形状が転写された透明樹脂成形体に、導電性反射体を蒸着する。蒸着する導電性反射体は、温度25℃、波長550nmにおける屈折率が0.04以上4.0未満、消光係数が0.70以上であることが好ましく、屈折率が0.04以上3.0未満、消光係数が1.0以上であることがより好ましい。このような導電性反射体としては、例えば、銀、アルミニウムなどを挙げることができる。導電性反射体の温度25℃、波長550nmにおける屈折率が0.04未満若しくは4.0以上又は消光係数が0.70未満であると、導電性反射体の表面反射率が不足するおそれがある。
本発明方法において、微細格子形状と第二の格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着するときは、斜方蒸着することにより、微細格子形状に導電性反射体が蒸着されない部分を残して、s偏光成分を透過させる構造とする。
図11は、斜方蒸着の一態様の説明図である。本態様においては、微細格子形状1と第二の格子形状2が形成された透明樹脂成形体14を、蒸着源15に対する傾きが、微細格子形状と第二の格子形状の形作る平面がθ、第二の格子形状がφになるように傾けて蒸着する。微細格子形状と第二の格子形状の形作る平面と第二の格子形状の両者が蒸着源に対して傾きを有する位置で蒸着することにより、一度の操作により必要な面に導電性反射体を蒸着し、かつ微細格子形状を被覆する導電性反射体と第二の格子形状を被覆する導電性反射体とを導通させることができる。
図12は、斜方蒸着の他の態様の説明図である。長さ方向に垂直な平面で切断した断面が正方形である直線状の突起を有する微細格子形状が転写された透明樹脂成形体14を、蒸着源15の方向に対して角度を45度傾けて設置し、導電性反射体の蒸着を行うと、図中に二重線で示す微細格子形状の突起の上面と一側面とが蒸着され、窪みの面と他の側面が蒸着されずに残り、第二の格子形状の上面又は底面にはすべて蒸着された電磁波遮蔽性グリッド偏光子が得られる。さらに、必要に応じて図とは逆の方向に45度傾けて蒸着を行うと、他の側面が蒸着され、微細格子形状の窪みの面のみが蒸着されずに残った電磁波遮蔽性グリッド偏光子が得られる。本発明方法において、透明樹脂成形体の蒸着源に対する傾きθに特に制限はないが、10〜90度であることが好ましい。電磁波遮蔽性グリッド偏光子を適用する光の波長などに応じて、微細格子形状の直線状の突起の断面形状及び透明樹脂成形体の蒸着源の方向に対する傾きを選ぶことにより、微細格子形状が転写された透明樹脂成形体の蒸着される部分を調整することができる。また、微細格子形状及び/又は第二の格子形状の断面形状を選ぶか、蒸着源の方向に対する傾きを選ぶことにより、微細格子形状と第二の格子形状の蒸着面を導通させることができ、電磁波遮蔽性を発現することができる。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法の第二の態様においては、金型部材上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、金型部材をエッチングすることにより、段落0004の(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を持つ金型を形成し、該形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着する。
本発明方法の第二の態様に用いる金型部材としては、例えば、ピンホール、地傷、偏析などがない真空溶解、真空鋳造などにより製造されたプリハードン鋼、析出硬化鋼などを挙げることができる。金型部材上に塗布するレジストとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ZEP520などの電子線ポジレジスト、カリックスアレーン、SAL601、NEB−22、ZEN4200などの電子線ネガレジスト、ノボラック−ナフトキノン系ポジレジスト、化学増幅型レジストなどを挙げることができる。レジストに照射する活性放射線としては、例えば、g線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーなどの短波長の光、電子ビームなどを挙げることができる。
本発明方法の第二の態様において、金型部材に形成する微細格子形状の深さと、第二の格子形状の深さが異なる場合は、金型部材上へのレジストの塗布、活性放射線の露光、現像及びエッチングを行って微細格子形状を形成し、さらに金型部材上へのレジストの塗布、活性放射線の露光、現像及びエッチングを行って第二の格子形状を形成することが好ましい。微細格子形状の形成と第二の格子形状の形成は、順序を逆にして、第二の格子形状を形成したのち微細格子形状を形成することもできる。
本発明方法の第二の態様において、金型形状の透明樹脂成形体への転写と、該形状が転写された透明樹脂成形体への導電性反射体の蒸着は、本発明方法の第一の態様と全く同様にして行うことができる。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法の第三の態様においては、平滑な基材上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、段落0004の(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子と同じ形状の突起群を形成し、該突起群の形状を金属版に転写し、該金属版に転写された形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着する。
本発明方法の第三の態様に用いる平滑な基材としては、例えば、ガラス、シリコンウェハー、ステンレス鋼、クロム、樹脂成形体などを挙げることができる。平滑な基材上に塗布するレジストとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ZEP520などの電子線ポジレジスト、カリックスアレーン、SAL601、NEB−22、ZEN4200などの電子線ネガレジスト、ノボラック−ナフトキノン系ポジレジスト、化学増幅型レジストなどを挙げることができる。レジストに照射する活性放射線としては、例えば、g線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーなどの短波長の光、電子ビームなどを挙げることができる。
本発明方法の第三の態様において、平滑な基材に形成する微細格子形状の高さと、第二の格子形状の高さが異なる場合は、平滑な基材上へのレジストの塗布、活性放射線の露光、現像及びエッチングを行って微細格子形状を形成し、さらに平滑な基材上へのレジストの塗布、活性放射線の露光、現像及びエッチングを行って第二の格子形状を形成することが好ましい。微細格子形状の形成と第二の格子形状の形成は、順序を逆にして、第二の格子形状を形成したのち微細格子形状を形成することもできる。
本発明方法の第三の態様において、平滑な基材の形状の金属版への転写は、電鋳によることが好ましい。電鋳材質としては、ビッカース硬度が40〜550の金属材料が好ましく、ビッカース硬度が150〜450の金属材料がより好ましい。ビッカース硬度が40〜550の金属材料としては、例えば、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、パラジウム、ニッケル−鉄合金、ニッケル−コバルト合金などを挙げることができる。本態様において、金属版の形状の透明樹脂成形体への転写と、該形状が転写された透明樹脂成形体への導電性反射体の蒸着は、本発明方法の第一の態様と全く同様にして行うことができる。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法の第四の態様においては、透明な基材上に厚さ50〜800nmの導電性反射材料を形成し、導電性反射材料上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、導電性反射材料をエッチングすることにより、段落0004の(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を形成する。
本発明方法の第四の態様に用いる透明な基材としては、可視光に対して透明な基材のみならず、電磁波遮蔽性グリッド偏光子の用途に応じて、例えば、赤外線に対して透明な基材なども用いることができる。透明な基材としては、例えば、透明樹脂成形体、ガラス、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、セレン化亜鉛、臭沃化タリウム(KRS−5)、臭塩化タリウム(KRS−6)などを挙げることができる。透明な基材上に形成する導電体膜としては、例えば、アルミニウム、銀、銅、クロムなどの膜を挙げることができる。導電体膜上に塗布するレジストとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ZEP520などの電子線ポジレジスト、カリックスアレーン、SAL601、NEB−22、ZEN4200などの電子線ネガレジスト、ノボラック−ナフトキノン系ポジレジスト、化学増幅型レジストなどを挙げることができる。レジストに照射する活性放射線としては、例えば、g線、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーなどの短波長の光、電子ビームなどを挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体の単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置[セイコーインスツルメンツ(株)、SMI3050]を用いてアルゴンイオンビームを用いた集束イオンビーム加工を行って、長さ1mmの辺に平行な幅0.1μm、深さ0.1μmの溝をピッチ0.2μmで掘り込み、幅0.1μm、高さ0.1μmの直線状の突起1,000本をピッチ0.2μmで形成してなる切削工具を作製した。
寸法152.4mm×203.2mm、厚さ10.0mmのステンレス鋼SUS430の152.4mm×203.2mmの一面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、微細切削加工機と上記の切削工具を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、長さ203.2mmの辺に平行な幅0.1μm、深さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の窪みからなる微細格子形状を切削加工した。
さらに、単結晶ダイヤモンドバイトを用いて、微細格子形状の直線状の窪みと垂直方向に、幅10μm、深さ0.5μm、ピッチ1mmの第二の格子形状を切削加工した。
なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃に管理され、振動制御システム[(株)昭和サイエンス]により0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
切削加工されたニッケル−リン無電解メッキ面のあるステンレス鋼部材を射出成形金型に組み込み、射出成形機(型締力2MN)を用いて、脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R]から、樹脂温度310℃、金型温度100℃の条件で、寸法152.4mm×203.2mm、厚さ1.0mmのグリッド偏光子用平板を射出成形した。得られたグリッド偏光子用平板の表面には、図3に示される形態の幅0.1μm、ピッチ0.2μm、高さ0.1μmの微細格子形状と、この微細格子形状と直交する幅10μm、ピッチ1mm、高さ0.5μmの第二の格子形状が形成されていた。
この射出成形板を、蒸着源に対して微細格子形状及び第二の格子形状の陰が形成される45度の傾きになるように設置してアルミニウムを蒸着し、直線状の突起の上面と一側面にアルミニウムを蒸着した、さらに、逆の方向で蒸着源に対して45度の傾きになるように設置して、残りの他の側面にアルミニウムを蒸着し、微細格子形状の直線状の突起の間の窪みの面が蒸着されていない状態として、電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成した。
得られた電磁波遮蔽性グリッド偏光子について、瞬間マルチ測光システム[大塚電子(株)、MCPD−3000]を用いて、波長550nmにおけるs偏光透過率とp偏光透過率を測定した。s偏光透過率は60.5%、p偏光透過率は0.1%であり、偏光透過率差は60.4%であった。
得られた電磁波遮蔽性グリッド偏光子について、スペクトラムアナライザ[アンリツ(株)、MS2661C]を用いて、シールドボックス法により500MHzの電磁波の遮蔽性能を測定した。電磁波減衰量は、42dBであった。
実施例2
直径200.0mmで高さ155.0mmの円筒形のステンレス鋼SUS430の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、実施例1と同様に直線状突起を形成した工具と微細切削加工機を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に円筒の円周端面に平行に、幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の窪みからなる微細格子形状を切削加工した。
さらに単結晶ダイヤモンドバイトを用いて、微細格子形状の窪みと垂直方向に、幅10μm、深さ0.5μm、ピッチ1mmの第二の格子形状を切削加工した。
押出成形により得られた厚さ100μmの脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1420R]の155.0mm幅のフィルム上へ、100nm厚さで紫外線硬化性アクリル樹脂を塗布し、切削加工されたニッケル−リン無電解メッキ面のある円筒へ密着させて、フィルム裏側から高圧水銀灯で紫外線を照射し、微細格子形状と第二の格子形状をフィルムへ転写した。
フィルムから微細格子形状と第二の格子形状が転写された寸法152.4mm×203.2mmの部分を切り出し、実施例1と同様にして、突起の上面及び微細格子形状の両側面にアルミニウムを蒸着して電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は60.6%、p偏光透過率は0.5%であり、偏光透過率差は60.1%であった。電磁波減衰量は、41dBであった。
実施例3
実施例1と同様にして作製した金型部材上に、スルファミン酸ニッケル水溶液を用いた電鋳により、ニッケルを300μmの厚さに形成し、金型部材から引き剥がして二つの格子形状を持つ金属版を得た。この金属版を射出成形金型に組み込み、実施例1と同様にして電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は60.3%、p偏光透過率は0.3%であり、偏光透過率差は60.0%であった。電磁波減衰量は、40dBであった。
実施例4
寸法50mm×50mm、厚さ10.0mmのステンレス鋼SUS430の50mm×50mmの一面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、電子線ポジレジスト[日本ゼオン(株)、ZEP520]を0.1μm厚さに塗布し、電子線描画装置[(株)エリオニクス、ELS−7000]を用いて、30mm×30mmの領域に、30mmの一方の辺に平行な幅0.1μm、ピッチ0.2μmの微細格子形状と、もう一方の辺に平行に幅10μm、ピッチ1.0mmの第二の格子形状をレジストが溶解するように描画した。次いで専用現像液で現像し、プラズマエッチング装置[オックスフォード・インストゥルメンツ(株)、Plasmalab System 100 ICP180]でエッチングし、専用剥離液でレジストを剥離することにより、深さ0.1μmの二つの格子形状が形成された金型部材を作製した。
前記二つの格子形状が形成された金型部材から、二つの格子形状が形成された30mm×30mmの領域を切り出し、実施例1と同様にして電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.9%、p偏光透過率は1.3%であり、偏光透過率差は58.6%であった。電磁波減衰量は、37dBであった。
実施例5
寸法50mm×50mm、厚さ1.0mm、Ra0.01μmのガラス基材上の50mm×50mmの一面に、電子線ネガレジスト[日本ゼオン(株)、ZEN4200]を0.1μm厚さに塗布し、電子線描画装置[(株)エリオニクス、ELS−7000]を用いて、30mm×30mmの領域に、30mmの一方の辺に平行な幅0.1μm、ピッチ0.2μmの微細格子形状と、もう一方の辺に平行に幅10μm、ピッチ1.0mmの第二の格子形状をレジストが残存するように描画した。次いで専用現像液で現像し、高さ0.1μmの二つの格子形状がガラス基材上に電子線レジストで形成された部材を作製した。前記部材の上にスルファミン酸ニッケル水溶液を用いてニッケルを300μmの厚さに電鋳し、前記部材から引き剥がして、二つの格子形状が形成された金属版を得た。
前記二つの格子形状が形成された金属版から二つの格子形状が形成された30mm×30mmの領域を切り出し、実施例1と同様にして電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.5%、p偏光透過率は1.2%であり、偏光透過率差は58.3%であった。電磁波減衰量は、36dBであった。
実施例6
寸法50mm×50mm、厚さ1.0mmのガラス基板上に、アルミニウムを厚さ0.1μmに蒸着し、電子線ネガレジスト[日本ゼオン(株)、ZEN4200]を塗布し、電子線描画装置[(株)エリオニクス、ELS−7000]を用いて、30mm×30mmの領域に、30mmの一方の辺に平行な幅0.1μm、ピッチ0.2μmの微細格子形状と、もう一方の辺に平行に幅10μm、ピッチ1.0mmの第二の格子形状をレジストが残存するように描画した。次いで専用現像液で現像し、プラズマエッチング装置[オックスフォード・インストゥルメンツ(株)、Plasmalab System 100 IPC180]でエッチングし、専用剥離液でレジストを剥離することにより、高さ0.1μmの二つの格子形状が形成された電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、実施例1と同様にして、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.2%、p偏光透過率は1.5%であり、偏光透過率差は57.7%であった。電磁波減衰量は、36dBであった。
比較例1
微細格子形状のみを切削加工し、第二の格子形状を加工しなかった以外は、実施例1と同様にして、ステンレス鋼部材を加工した。
この切削加工されたステンレス鋼部材を射出成形金型に組み込み、実施例1と同様にして、グリッド偏光子用平板を射出成形し、さらにアルミニウム蒸着してグリッド偏光子を作製した。
得られたグリッド偏光子について、実施例1と同様にして、評価を行った。s偏光透過率は61.0%、p偏光透過率は0.2%であり、偏光透過率差は60.8%であった。電磁波減衰量は、3.0dBであった。
比較例2
微細格子形状のみを形成し、第二の格子形状を形成しなかった以外は、実施例2と同様にして円筒形のステンレス鋼部材を作製した。
この切削加工された円筒形のステンレス鋼部材を用い、実施例2と同様にしてグリッド偏光子用フィルムを作製し、さらにアルミニウムを蒸着してグリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は60.9%、p偏光透過率は0.2%であり、偏光透過率差は60.7%であった。電磁波減衰量は、2.6dBであった。
比較例3
微細格子形状のみを形成し、第二の格子形状を形成しなかった以外は、実施例3と同様にして金属版を作製した。次いで該金属版から微細格子形状が形成された30mm×30mmの領域を切り出し、実施例3と同様にしてグリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は60.5%、p偏光透過率は0.2%であり、偏光透過率差は60.3%であった。電磁波減衰量は、2.6dBであった。
比較例4
微細格子形状のみを形成し、第二の格子形状を形成しなかった以外は、実施例4と同様にして金型部材を作製した。次いで該金型部材から微細格子形状が形成された30mm×30mmの領域を切り出し、実施例4と同様にしてグリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.8%、p偏光透過率は0.4%であり、偏光透過率差は59.4%であった。電磁波減衰量は、2.7dBであった。
比較例5
微細格子形状のみを形成し、第二の格子形状を形成しなかった以外は、実施例5と同様にして金属版を作製した。次いで該金属版から微細格子形状が形成された30mm×30mmの領域を切り出し、実施例5と同様にしてグリッド偏光子を完成し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.8%、p偏光透過率は0.4%であり、偏光透過率差は59.4%であった。電磁波減衰量は、2.7dBであった。
比較例6
微細格子形状のみを形成し、第二の格子形状を形成しなかった以外は、実施例6と同様にしてグリッド偏光子を作製し、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.4%、p偏光透過率は1.7%であり、偏光透過率差は57.7%であった。電磁波減衰量は、2.8dBであった。
実施例7
微細格子形状、第二の格子形状及び第三の格子形状を有する図7に示す態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を作製した。
寸法152.4mm×203.2mm、厚さ10.0mmのステンレス鋼SUS430の152.4mm×203.2mmの一面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、微細切削加工機と実施例1で作製した切削工具を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、長さ203.2mmの辺に平行な幅0.1μm、深さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の窪みからなる微細格子形状を切削加工した。なお、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、実施例1と同様に管理された恒温低振動室内で行った。
さらに、単結晶ダイヤモンドバイトを用いて、微細格子形状の直線状の窪みと垂直方向に、幅10μm、深さ0.5μm、ピッチ1mmの第二の格子形状と、微細格子形状の直線状の窪みと60度の角度をなす方向に、幅10μm、深さ0.5μm、ピッチ1mmの第三の格子形状とを切削加工した。
切削加工されたニッケル−リン無電解メッキ面のあるステンレス鋼部材を射出成形金型に組み込み、実施例1と同様にして、脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R]から、寸法152.4mm×203.2mm、厚さ1.0mmのグリッド偏光子用平板を射出成形した。得られたグリッド偏光子用平板の表面には、図7に示される形態の幅0.1μm、ピッチ0.2μm、高さ0.1μmの微細格子形状と、微細格子形状と直交する幅10μm、ピッチ1mm、高さ0.5μmの第二の格子形状と、微細格子形状と60度の角度で交差する幅10μm、ピッチ1mm、高さ0.5μmの第三の格子形状とが形成されていた。
この射出成形板に、実施例1と同様にしてアルミニウムを蒸着し、微細格子形状の直線状の突起の間の窪みの面が蒸着されていない状態として、電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、実施例1と同様にして、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。s偏光透過率は60.3%、p偏光透過率は0.1%であり、偏光透過率差は60.2%であった。電磁波減衰量は、43dBであった。
実施例8
微細格子形状と正弦波曲線を有する図8に示す態様の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を作製した。
寸法50mm×50mm、厚さ1.0mmのガラス基板上に、アルミニウムを厚さ0.1μmに蒸着し、電子線ネガレジスト[日本ゼオン(株)、ZEN4200]を塗布し、電子線描画装置[(株)エリオニクス、ELS−7000]を用いて、30mm×30mmの領域に、30mmの一方の辺に平行な幅0.1μm、ピッチ0.2μmの微細格子形状と、該微細格子形状と交差する幅10μm、ピッチ1.0mm、振幅200μm、周波650μmで位相が180度ずつずれる正弦波曲線群をレジストが残存するように描画した。次いで専用現像液で現像し、プラズマエッチング装置[オックスフォード・インストゥルメンツ(株)、Plasmalab System 100 IPC180]でエッチングし、専用剥離液でレジストを剥離することにより、深さ0.1μmの微細格子形状と正弦波曲線が形成された電磁波遮蔽性グリッド偏光子を完成し、実施例1と同様にして、偏光透過率と電磁波の遮蔽性能を測定した。
s偏光透過率は59.2%、p偏光透過率は1.4%であり、偏光透過率差は57.8%であった。電磁波減衰量は、34dBであった。
実施例1〜6及び比較例1〜6の結果を第1表に、実施例7〜8の結果を第2表に示す。
Figure 0004396459
Figure 0004396459
第1表に見られるように、実施例1〜6の電磁波遮蔽性グリッド偏光子と比較例1〜6のグリッド偏光子は、いずれもs偏光透過率とp偏光透過率の差が57%を超え、良好な偏光特性を有している。しかし、微細格子形状のみを有する比較例1〜6のグリッド偏光子の電磁波減衰量が約3dBであって、電磁波遮蔽効果がほとんど見られないのに対して、微細格子形状と第二の格子形状を有する実施例1〜6の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、電磁波減衰量が約40dBであり、良好な電磁波遮蔽性能を有している。
第2表に見られるように、実施例1の電磁波遮蔽性グリッド偏光子にさらに第三の格子形状を付け加えた実施例7の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、実施例1の電磁波遮蔽性グリッド偏光子と比べて偏光透過率差はわずかに低下しているが、電磁波減衰量はわずかに向上している。微細格子形状及びこれと交差する正弦波曲線群を有する実施例8の電磁波遮蔽性グリッド偏光子も、ほぼ良好な偏光特性と電磁波遮蔽性能を有している。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子は、良好な偏光特性と電磁波遮蔽能を兼ね備え、液晶ディスプレイに組み込むことにより、電子部品に悪影響を及ぼす波長10μm〜106mの電磁波を遮蔽して、周辺の電子機器の誤動作を防止することができる。本発明方法によれば、このような電磁波遮蔽性グリッド偏光子を大面積で経済的に製造することができる。
本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の一態様の部分斜視図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の部分斜視図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の説明図である。 本発明の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の他の態様の説明図である。 本発明方法に用いる切削工具の作製法の一態様の説明図である。 本発明方法における金型部材の加工方法の一態様の説明図である。 斜方蒸着の一態様の説明図である。 斜方蒸着の他の態様の説明図である。
符号の説明
1 微細格子形状
2 第二の格子形状
3 微細格子形状
4 第二の格子形状
5 第三の格子形状
6 正弦波曲線
7 材料
8 高エネルギー線
9 直線状の窪み
10 切削工具
11 金型部材
12 金型用鋼材
13 金属層
14 透明樹脂成形体
15 蒸着源

Claims (12)

  1. 幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの第二の格子形状(2)が形成され、これらの二つの格子形状が形作る平行四辺形の短い方の対角線の長さが、遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、第二の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  2. 第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)の突起と等しい高さを有する直線状の突起である請求項1記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  3. 第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)基準面と同じ面まで微細格子形状の突起が掘り込まれてなるものである請求項1記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  4. 第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)の突起より高さが高い直線状の突起である請求項1記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  5. 第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)の突起より高さが低い直線状の突起である請求項1記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  6. 第二の格子形状(2)が、微細格子形状(1)基準面より深く堀り込まれた直線状の窪みである請求項1記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  7. 幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの複数組の格子形状(2)とが形成され、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、その長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、複数組の格子形状(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、複数組の格子形状(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上であることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  8. 幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの直線状の突起からなる微細格子形状(1)と、該微細格子形状と交差する幅0.1〜500μm、ピッチ1.0μm〜100mmの規則性のある1群以上の幾何学的曲線条群(2)とが形成され、幾何学的曲線条(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなる線分のうち、その長さが遮蔽しようとする電磁波の波長の10-5〜10-1倍である線分の長さの合計が、幾何学的曲線条(2)に区切られた微細格子形状(1)の一部からなるすべての線分の長さの合計の80%以上であり、微細格子形状(1)の突起の少なくとも一部と、幾何学的曲線条(2)の少なくとも一部が導電性反射材料により形成され、該導電性反射材料が互いに導通してなり、シールドボックス法により500MHzの電磁波について測定した電磁波減衰量が20dB以上であることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を持つ金型を製作し、該金型の形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着する電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法において、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微細格子形状になるような深さ50〜800nmの直線状溝の群を形成するときに、モース硬度9以上の材料を高エネルギー線により加工して得られた幅600nm以下の突起を先端に有する工具を用いることを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法。
  10. 金型部材上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、金型部材をエッチングすることにより、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子の形状になるような溝の群を持つ金型を形成し、該形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着することを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法。
  11. 平滑な基材上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子と同じ形状の突起群を形成し、該突起群の形状を金属版に転写し、該金属版に転写された形状を透明樹脂成形体に転写し、該形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射材料を蒸着することを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法。
  12. 透明な基材上に厚さ50〜800nmの導電性反射材料を形成し、導電性反射材料上にレジストを塗布し、該レジストを活性放射線で露光し、さらに現像し、導電性反射材料をエッチングすることにより、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽性グリッド偏光子を形成することを特徴とする電磁波遮蔽性グリッド偏光子の製造方法。
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