JP2021009175A - ワイヤグリッド偏光板 - Google Patents

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昌治 杉村
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【課題】ロール状でワイヤグリッド偏光板を保管した際にワイヤグリッド偏光板の品質を保つことができ、外観品位の低下を抑制し、且つ品質が不十分な製品部の誤使用を回避できるワイヤグリッド偏光板を提供すること。【解決手段】基材フィルム2、誘電体ナノ構造、誘電体構造、金属ナノワイヤ及び金属皮膜部を有する、ワイヤグリッド偏光板1であって、前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造が、前記基材フィルム2上で第1の方向に延在し、前記金属皮膜部が、前記基材フィルム2上で第2の方向に延在し、且つ前記第2の方向に略直角な第3の方向の中央部に設けられ、前記誘電体構造が、第2の方向に沿って設けられ、前記誘電体ナノ構造が、ラインとスペースの繰り返し単位からなり、前記金属ナノワイヤが、前記誘電体ナノ構造のライン上に形成され、前記金属ナノワイヤと前記金属皮膜部が、同じ金属で構成される、ワイヤグリッド偏光板。【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤグリッド偏光板に関する。
従来より、ロール・ツー・ロール法によるワイヤグリッド偏光板の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。このようなワイヤグリッド偏光板の製造方法においては、原反ロールから基材フィルムを巻き出し、巻き出した基材フィルム上に光硬化性樹脂を塗布する。次いで、光硬化性樹脂が塗布された基材フィルムを、外周面上にスタンパが設けられた転写用ロール(以下、「ロールスタンパ」という)に押圧し、基材フィルムを搬送しながら光硬化性樹脂を光硬化してスタンパの微細な凹凸構造が表面に転写された硬化樹脂層を形成する。その後、巻き取られ、ロール状態となったフィルムを真空槽に移し、減圧下でフィルムを搬送しながら蒸着法にて硬化樹脂層の微細凹凸構造上に金属ワイヤを形成することでワイヤグリッド偏光板を作製する。
微細凹凸構造やその上に形成される金属ワイヤは極めて小さく且つ脆いため、破損しやすく、破損した場合はワイヤグリッド偏光板の光学特性の不良につながる。フィルムをロール状態のまま、運搬や保管する際、微細凹凸構造面を内面とした場合、一つ内側の基材フィルムの裏面に接触して微細凹凸構造や金属ワイヤが破壊される恐れがある。このような破壊を防ぐため、基材フィルムの幅方向端部にナーリング加工を施すことで、ロール状態にした場合もフィルム間に空隙を設け、微細凹凸構造などを保護することができる(特許文献2参照)。
特開2010−39183号公報 特開2014−10219号公報
しかしながら、基材フィルムの厚みが薄い場合や基材フィルム自体の剛性によっては、長時間ロール状態で保管すると、ナーリング加工によって形成された基材フィルム上の凸形状が潰され、その保護性能が低下する。その場合、基材フィルム幅方向中央部が最も影響を受ける。
また、微細凹凸構造や金属ワイヤが対向する基材フィルム裏面の圧迫を受け、潰されると、光の透過を阻害する欠陥として視認され、外観品位が低下するという課題がある。
さらに、一般照明下では目視できない欠陥もあり、そのような欠陥は特殊な照明下もしくは光学測定を実施しないと、その状態を確認できないため使用に適さない部分を誤って使用されてしまうという課題がある。
また、微細凹凸構造が存在しない領域に蒸着されると、その部分では金属の皮膜が形成される。このような状態のフィルムをロール状で保管する場合、前記の金属皮膜が多く存在すると、フィルムの裏面に金属皮膜が張り付き、金属皮膜の剥がれやフィルムの割れが発生してしまう課題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ロール状でワイヤグリッド偏光板を保管した際にワイヤグリッド偏光板の品質を保つことができ、外観品位の低下を抑制し、且つ品質が不十分な製品部の誤使用を回避できるワイヤグリッド偏光板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定のワイヤグリッド偏光板は、ロール状でワイヤグリッド偏光板を保管した際にワイヤグリッド偏光板の品質を保つことができ、外観品位の低下を抑制し、且つ品質が不十分な製品部の誤使用を回避できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
基材フィルム、誘電体ナノ構造、誘電体構造、金属ナノワイヤ及び金属皮膜部を有する、ワイヤグリッド偏光板であって、
前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造が、前記基材フィルム上で第1の方向に延在し、
前記金属皮膜部が、前記基材フィルム上で第2の方向に延在し、且つ前記第2の方向に略直角な第3の方向の中央部に設けられ、
前記誘電体構造が、第2の方向に沿って設けられ、
前記誘電体ナノ構造が、ラインとスペースの繰り返し単位からなり、
前記金属ナノワイヤが、前記誘電体ナノ構造のライン上に形成され、
前記金属ナノワイヤと前記金属皮膜部が、同じ金属で構成される、
ワイヤグリッド偏光板。
[2]
前記誘電体構造の高さが、3μm以上60μm以下である、
[1]に記載のワイヤグリッド偏光板。
[3]
前記誘電体構造が、前記基材フィルムの第3の方向の端部より0.5mm以上30mm以内に設けられる、
[1]又は[2]に記載のワイヤグリッド偏光板。
[4]
前記基材フィルムの第3の方向における長さが、110mm以上330mm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[5]
前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造が存在する領域における厚みが、40μm以上200μm以下である、
[1]〜[4]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[6]
前記金属皮膜部の前記第3の方向における幅が、1mm以上20mm以下である、
[1]〜[5]のいずれかに記載のワイグリッド偏光板。
[7]
前記誘電体構造が、前記金属皮膜部と40mm以上140mm以内で離して設けられる、[1]〜[6]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[8]
前記基材フィルムが、TACフィルム、COPフィルム、又はPCフィルムのいずれかである、
[1]〜[7]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[9]
前記金属ナノワイヤ及び前記金属皮膜が、アルミニウム、銀及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかである、
[1]〜[8]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[10]
前記誘電体ナノ構造が樹脂で構成され、前記ラインとスペースの繰り返し単位が80nm以上200nm以下である、
[1]〜[9]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[11]
前記誘電体構造が、前記誘電体ナノ構造もしくは前記基材フィルムと同じ樹脂で構成される、
[1]〜[10]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
[12]
[1]〜[11]のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板と、
他のフィルム、基板、及び枠型からなる群より選択される少なくとも一つと、を有する、
積層体。
本発明のワイヤグリッド偏光板は、ロール状でワイヤグリッド偏光板を保管した際にワイヤグリッド偏光板の品質を保つことができ、外観品位の低下を抑制し、且つ品質が不十分な製品部の誤使用を回避できる。
本実施形態のワイヤグリッド偏光板を模式的に表した図であり、当該偏光板の正面図である。 本実施形態のワイヤグリッド偏光板を模式的に表した図であり、当該偏光板の断面を示す図である。
以下、本発明の実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく。また、本実施形態における材質、数量などについては一例であり、適宜変更することができる。その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
本実施形態のワイヤグリッド偏光板は、基材フィルム、誘電体ナノ構造、誘電体構造、金属ナノワイヤ及び金属皮膜部を有する。
前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造は、前記基材フィルム上で第1の方向に延在し、
前記金属皮膜部は、前記基材フィルム上で第2の方向に延在し、且つ前記第2の方向に略直角な方向な第3の方向の中央部に設けられ、
前記誘電体構造は、第2の方向に沿って設けられ、
前記誘電体ナノ構造は、ラインとスペースの繰り返し単位からなり、
前記金属ナノワイヤは、前記誘電体ナノ構造のライン上に形成され、
前記金属ナノワイヤと前記金属皮膜部とは、同じ金属で構成される。
第1の方向と第2の方向は同じであっても異なっていても構わない。製造効率の観点からは第1の方向と第2の方向が略直角の関係であることが好ましい。
図1は、本実施形態のワイヤグリッド偏光板の一つの態様を模式的に示した図であり、当該偏光板の正面図である。図2は、本実施形態のワイヤグリッド偏光板の一つの態様を模式的に示した図であり、当該偏光板の断面図である。本実施形態のワイヤグリッド偏光板を図1及び図2を用いて説明すると以下のとおりである。
ワイヤグリッド偏光板1は、基材フィルム2、誘電体ナノ構造3、誘電体構造4、金属ナノワイヤ5及び金属皮膜部6から構成される。
前記金属ナノワイヤ5及び前記誘電体ナノ構造3は、前記基材フィルム1上で第1の方向Aに延在する。一方、前記金属皮膜部6は、前記基材フィルム1上で第2の方向Bに延在する。
また、前記金属皮膜部6は、前記第2の方向Bに略直角な方向な第3の方向Cの中央部に設けられる。前記誘電体構造4は、第2の方向Bに沿って設けられる。
前記誘電体ナノ構造3は、ラインとスペースの繰り返し単位からなる。
前記金属ナノワイヤ5は、前記誘電体ナノ構造3のライン上に形成され、前記金属ナノワイヤ5と前記金属皮膜部6とは、同じ金属で構成される。
<基材フィルム>
基材フィルムは、所望の光を透過するものであれば、特に限定されない。基材フィルムは第3の方向における長さが110mm以上330mm以下であることが好ましい。第3の方向における長さを110mm以上とすることにより、十分な製品部の面積を確保でき、製造効率を高められる傾向にある。ここでいう製品部とは、誘電体ナノ構造及び金属ナノワイヤが存在する領域を指す。
また、第3の方向における長さを330mm以下とすることにより、後述する外観品位の低下の観点を抑制できる傾向にある。
また、前記基材フィルムの材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂;アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂;トリアセチルセルロース(TAC);などが挙げられる。この中でも、好ましくはTACフィルム、COPフィルム、PCフィルムである。
<誘電体ナノ構造>
誘電体ナノ構造は、基材フィルム上に形成され、第1の方向に延在する。また、誘電体ナノ構造は、ラインとスペースの繰り返し単位で構成されている。ここで第1の方向に延在するとは、前記繰り返し単位のラインの直線方向と第1の方向とが同方向であることを指す。
前記ラインとスペースの繰り返し単位(ピッチ(ラインとスペースの一単位))は、可視光領域の広帯域にわたる偏光特性を考慮すると、好ましくは80nm以上200nm以下、より好ましくは80nm以上160nm以下、さらに好ましくは80nm以上150nm以下である。ピッチが小さくなるほど偏光特性が向上するが、可視光においては80nm以上150nm以下で十分な偏光特性を得ることができる。
ラインとスペースの繰り返し単位は、後述する実施例記載の方法で測定することができる。
前記ピッチは、熱可塑性樹脂を基材に用いた場合、基材に誘電体ナノ構造を付与した後に施す延伸加工の条件を調整することにより制御することができる。なお、本実施形態において、誘電体ナノ構造のピッチと、前記誘電体ナノ構造上に形成される金属ナノワイヤのピッチは、ほぼ等しいことが好ましい。
誘電体ナノ構造のライン高さは、良好な光学特性を得る観点から、誘電体ナノ構造のライン間隔の0.5倍以上2.0倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.5倍以下であることがより好ましい。なお、前記ライン高さとは、誘電体ナノ構造が延在する第1の方向における断面形状を確認した際、最も低くなっている部分(スペース部の底点)から最も高くなっている部分(ライン部の頂点)までの高さを意味する。
誘電体ナノ構造のライン幅は、偏光度、透過率などを考慮すると、ピッチの35%以上60%以下であることが好ましい。なお、ピッチの35%以上60%以下の範囲に含まれるものであれば、誘電体ナノ構造の断面形状に制限はない。
誘電体ナノ構造は、樹脂で構成されることが好ましい。また、誘電体ナノ構造は、所望の波長における光の透過を阻害しないものが好ましい。誘電体ナノ構造を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。連続的な生産を可能にする観点からは、光硬化性樹脂が好ましい。光硬化樹脂としては、アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられ、その中でも生産性の観点から、アクリレート系樹脂が好ましい。
基材フィルム上に誘電体ナノ構造を設ける方法としては、例えば、表面に500nm以上10μm以下の間隔のラインとスペースの繰り返し構造を有する被延伸部材を、前記ラインの延在方向と略直交する方向の前記被延伸部材の幅を自由にした状態で前記延在方向と略平行な方向に自由端一軸延伸加工する方法が挙げられる。この結果、前記被延伸部材表面のライン間隔が縮小され、前記間隔の繰り返し構造を有する基材(延伸済み部材)が得られる。
また、表面に500nm以上10μm以下の間隔のラインとスペースの繰り返し構造を有する被延伸部材を得るには、レーザ光を用いた干渉露光法や切削法などで形成した、500nm以上10μm以下の間隔のラインとスペースの繰り返し構造を有する型を用いて、被延伸部材にその構造を熱プレスなどの方法で転写すればよい。なお、干渉露光法とは、特定の波長のレーザ光を角度θ’の2つの方向から照射して形成される干渉縞を利用した露光法であり、角度θ’を変化させることで使用するレーザの波長で制限される範囲内で色々なピッチを有する微細な凹凸の構造を得ることができる。干渉露光に使用できるレーザとしては、TEM00モードのレーザに限定され、TEM00モードのレーザ発振できる紫外光レーザとしては、アルゴンレーザ(波長364nm,351nm,333nm)や、YAGレーザの4倍波(波長266nm)などが挙げられる。
基材フィルムに誘電体ナノ構造を設ける別の方法としては、表面に所望する誘電体ナノ構造と対となる構造を有する型を用いて、基材フィルム表面に所望の誘電体ナノ構造を転写して成型する方法が挙げられる。ここで、前記の対となる構造を有する型は、前記方法により得た、所望の構造を有する延伸済み部材などに対し、その表面に順に導電化処理、メッキ処理、部材の除去処理を施すことで作製することができる。なお、前記の転写方法としては構造を転写できるものであれば限定されず、熱プレスや光硬化性樹脂を用いた方法などが挙げられる。
後述する金属ナノワイヤや薄膜層の形成工程も含め、生産性を考慮すると、基材フィルムに誘電体ナノ構造を連続的に転写できる方法としては、具体的にはロール・ツー・ロール法が好ましい。ロール・ツー・ロール法を適用する場合、前記の表面に所望の構造を有する型を円筒状に曲げ、溶接などの方法で円筒形状の型を作製し、転写に供することで連続的に、基材フィルムに誘電体ナノ構造を転写できる。
<誘電体構造>
本実施形態のワイヤグリッド偏光板には、ロール状態において、誘電体ナノ構造や金属ナノワイヤを保護できるよう、誘電体構造が設けられる。誘電体構造としては、保護機能を果たすものであれば、形状や材料は特に限定されない。誘電体構造は、例えば、表面に凸状形状を有する金型を押し当てて基材フィルム上に凸状形状を形成するナーリング加工する方法、基材フィルムと同じ、あるいは異なる材料を用いて基材フィルム上に点状あるいは線状の構造物を形成する方法などにより得られる。誘電体構造は、誘電体ナノ構造もしくは基材フィルムと同じ樹脂で構成されることが好ましい。誘電体構造の好ましい樹脂としては、誘電体ナノ構造もしくは基材フィルムにおける好ましい樹脂と同じものが挙げられる。
誘電体構造は、第2の方向に沿って設けられる。このような構造体を基材フィルムの流れ方向(第2の方向)に沿って設けることにより、ロール状態で保管した際も誘電体ナノ構造や金属ナノワイヤの破損を抑制できる。
誘電体構造の高さは、好ましくは3μm以上60μm以下である。誘電体構造の高さは、誘電体構造部を測長機にて測定後、誘電体ナノ構造および金属ナノワイヤを有する領域を同様の方法で測定し、それらの差として求められる。高さを3μm以上することにより、保護機能を発現でき、60μm以下とすることにより、ナーリング加工を用いた場合は基材フィルムの割れや破断を抑制でき、基材フィルムと同じ、あるいは異なる材料を用いて基材フィルム上に点状あるいは線状の構造物を形成した場合はロール状に巻く場合の巻きズレを抑制できる。誘電体構造の高さは、5μm以上55μm以下がより好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。
誘電体構造の高さは、後述する実施例記載の方法で測定することができる。
誘電体構造は、基材フィルムの第3の方向における端部より0.5mm以上30mm以内に設けられることが好ましい。ナーリング加工など、基材フィルムを直接加工する場合、0.5mm以上とすることにより基材フィルムの割れや破断を抑制できる傾向にあり、30mm以内とすることにより基材フィルム幅方向における製品部の比率の低下を抑制できる傾向にある。誘電体構造は、基材フィルムの第3の方向における端部より1mm以上25mm以内に設けられることがより好ましく、1mm以上20mm以内に設けられることがさらに好ましい。
誘電体構造の設置数は、2箇所以上であることが好ましく、4箇所以下であることがより好ましい。また、誘電体ナノ構造や金属ナノワイヤの保護の観点から、少なくとも2箇所に設置される誘電体構造は、基材フィルムの第3の方向の中央に線対称になるように設置されることが好ましい。
<金属ナノワイヤ>
金属ナノワイヤは、前記基材フィルム上で第1の方向に延在する。また、金属ナノワイヤは、前記誘電体ナノ構造上のライン上で形成される。ここで第1の方向に延在するとは、金属ナノワイヤの直線方向と第1の方向とが同方向であることを指す。
金属ナノワイヤは、誘電体ナノ構造のピッチとほぼ等しい間隔で設けられることが好ましい。誘電体ナノ構造のライン上において、金属ナノワイヤが設けられる位置は特に限定されず、ラインの上のみに形成されていてもよく、ラインの一部又は全部を覆うように形成されていてもよい。
また、金属ナノワイヤの第1の方向と垂直な方向における断面の形状は特に限定されず、誘電体ナノ構造と合わせて長方形、正方形、台形やそれらが曲率を有する形状であってもよく、金属ナノワイヤ単体でこれらの断面形状を有していてもよい。
また、金属ナノワイヤと誘電体ナノ構造との密着性向上のため、金属ナノワイヤは誘電体ナノ構造上に設けられた後述する薄膜層の上に設けることもできる。
金属ナノワイヤを構成する金属としては、所望の波長における光の反射率が高く、後述する薄膜層を構成する材料との間の密着性のよい金属が好ましい。金属は、例えば、アルミニウム(Al)、銀又はそれらの合金で構成されていることが好ましい。コストの観点から、Al又はその合金で構成されていることがより好ましい。
金属ナノワイヤを形成する方法としては、誘電体ナノ構造又は薄膜層を構成する材料と金属ナノワイヤを構成する金属との間で十分な密着性が得られる方法であれば特に限定されない。金属ナノワイヤを形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。中でも、金属を誘電体ナノ構造のライン上に選択的に、又は前記ラインの一方の側面に偏って選択積層できるような方法が好ましい。そのような方法として、例えば、真空蒸着法が挙げられる。
本実施形態においては、必要に応じて、例えば酸又はアルカリのエッチャントを用いて湿式エッチングを行って、誘電体ナノ構造におけるスペース部に付着した金属を除去したり、隣り合う金属ナノワイヤの接触を解消したり、金属ワイヤの断面形状を適宜修正するようにしてもよい。
薄膜層を構成する誘電体は、所望の波長において実質的に透明な誘電体であればよい。薄膜層を構成する誘電体は、誘電体ナノ構造及び金属ナノワイヤを構成する金属との間の密着性が強い誘電体材料を好適に用いることができる。薄膜層を構成する誘電体としては、例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混ざった誘電体)を用いることができる。
薄膜層を誘電体ナノ構造上に形成する方法としては、薄膜層を構成する材料により適宜選択すればよく、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。密着強度の観点からスパッタリング法が好ましい。
<金属皮膜部>
金属皮膜部は、前記金属ナノワイヤと同じ金属で構成され、基材フィルム上で前記第2の方向に延在し、前記第2の方向に略直角な第3の方向における前記基材フィルムの中央部に設けられる。前記第3の方向における前記基材フィルムの中央部とは、基材フィルムの第3の方向の全長に対し、1/2の長さになる点を含むように設置されることをいう。なお、第3の方向は基材フィルムロールの幅方向に一致することが好ましい。
製造時、ロール状態で長期保管した際、誘電体ナノ構造や金属ナノワイヤが圧迫によって破壊されると、その部分が模様となり、容易に目視されることがある。そのため、誘電体ナノ構造や金属ナノワイヤが破壊されやすい中央部に金属皮膜部を設けることにより、外観品位の低下を抑制できる。また、圧迫の程度によっては、通常の照明環境下では目視が困難であり、特殊な照明環境でしか目視できなかったり、分光光度計のような測定機を使用しないと検出できなかったりする欠陥も発生し得る。この場合、誤って前記欠陥部分を使用してしまう恐れがあるため、あらかじめ、発生する危険性が高い部分に金属皮膜部を配置しておくことにより、誤使用を防ぐことができる。
金属皮膜部の前記第3の方向における幅は、1mm以上20mm以下であることが好ましく、1mm以上10mm以下であることがより好ましく、1mm以上8mm以下であることがさらに好ましく、2mm以上7mm以下であることがよりさらに好ましい。幅を1mm以上20mm以下とすることにより、欠陥部の誤使用や外観品位の低下を抑制しつつ、ロール状態で長期間保管した際に発生する可能性がある、金属皮膜部の剥がれや基材フィルムの割れを抑制できる傾向にある。
金属皮膜部は、ロール状態、すなわち、基材フィルムの裏面と長期間密着する可能性が高い状態で保管すると、前記裏面に張り付く恐れがある。金属皮膜部が裏面へ張り付くことは、使用した金属と基材フィルムあるいは、誘電体ナノ構造を形成するために使用した材料との密着性が十分でない場合に起こりやすく、場合によっては金属剥がれだけでなく、基材フィルムの割れが発生する。剥がれた金属は、その後の加工工程、例えば前記の湿式エッチングにて、再度部分的に剥がれるなどして装置や環境を汚染し、異物の原因となる可能性がある。金属皮膜部の前記第3の方向における幅を1mm以上10mm以下とすることで、長期保管しても、このような金属剥がれなどを抑制できる。
金属皮膜部は、誘電体構造と40mm以上140mm以内で離して設けられることが好ましい。40mm以上とすることにより、十分な製品部面積を確保できる傾向にあり、140mm以内とすることにより、欠陥の発生する領域を金属皮膜部を設けた領域内に納められる傾向にある。金属皮膜部は、誘電体構造と50mm以上130mm以内で離して設けられることがより好ましく、50mm以上120mm以内で離して設けられることがさらに好ましい。
金属皮膜部の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。中でもより好適な方法として、真空蒸着法が挙げられる。金属皮膜部は、具体的には、誘電体ナノ構造を形成しない領域を基材フィルム上の所定の場所に設けることにより、金属ナノワイヤの形成時に、例えば真空蒸着法によって金属を付着させた際、前記領域が金属皮膜部として形成することができる。
金属皮膜部は、第3の方向における前記基材フィルムの中央部に設けられていれば、基材上に他に複数設けられても構わない。また、金属皮膜部の形状は基材フィルム状で特に限定されないが、長方形の形状であることが好ましい。
<ワイヤグリッド偏光板>
本実施形態のワイヤグリッド偏光板は、前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造が存在する領域における厚みが40μm以上200μm以下であることが好ましい。厚みが40μm以上であることにより、別のフィルムや基材と貼合などの加工を実施する際、ワイヤグリッド偏光板の取り扱い性が向上する傾向にある。また、厚みが200μm以下であることにより、打ち抜き加工などにより特定の形状に加工する際の加工性が向上する傾向にある。ワイヤグリッド偏光板の厚みは、50μm以上190μm以下であることが好ましく、60μm以上190μm以下であることがより好ましい。
金属ナノワイヤ及び誘電体ナノ構造が存在する領域における厚みは、後述する実施例記載の方法で測定することができる。
ワイヤグリッド偏光板は、目的や用途に応じ、他のフィルム、基板、及び枠型からなる群より選択される少なくとも一つと一体化した積層体とすることが好ましい。ワイヤグリッド偏光板は前述のように誘電体ナノ構造や金属ワイヤが破壊されやすいため、例えば、保護フィルムを貼合することができる。このような貼合加工は、ロール・ツー・ロール法で貼合してもよく、シート状に裁断した後に実施してもよい。ワイヤグリッド偏光板の製品部を所望の形状に加工後、装置などへ組み込む際、ハンドリング性向上のため、ガラスなどの基材や、樹脂などで形成された枠型へ貼合することもできる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(格子状凸部を有する樹脂基材の作製)
ピッチが230nmで、凹凸格子の高さが230nmである凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを準備した。この凹凸格子は、レーザ干渉露光法を用いたパターニングにより作製されたものであり、その断面形状は正弦波状で、上面からの形状は縞状格子形状であった。また、その平面寸法は縦横ともに500mmであった。このニッケルスタンパを用いて、熱プレス法により厚さ0.5mm、縦横がそれぞれ520mmのシクロオレフィン樹脂(以下、COPと略す)板の表面に凹凸格子形状を転写し、凹凸格子形状を転写したCOP板を作製した。
次いで、この凹凸格子形状が転写されたCOP板を520mm×460mmの長方形に切り出し、被延伸部材としての延伸用COP板とした。このとき、520mm×460mmの長手方向(520mm)と凹凸格子の延在方向とが互いに略平行になるように切り出した。
次いで、この延伸用COP板の表面に、スプレーによりシリコーンオイルを塗布し、約80℃の循環式空気オーブン中に30分放置した。次いで、延伸用COP板の長手方向の両端10mmを延伸機のチャックで固定し、その状態で113±1℃に温度調節された循環式空気オーブン中に延伸用COP板を10分間放置した。その後、250mm/分の速度でチャック間の距離が2.7倍延伸したところで延伸を終え、20秒後に延伸したCOP板(延伸済みCOP板)を室温雰囲気下に取り出し、チャック間の距離を維持したまま冷却した。この延伸済みCOP板の中央部分約40%は、ほぼ均一にくびれており、最も幅が縮小されている部分は280mmになっていた。
この延伸済みCOP板の表面と断面を、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)にて観察したところ、微細凹凸格子のピッチと高さがそれぞれ、140nm/130nm(ピッチ/高さ)であった。その断面形状が正弦波状で、上面からの形状が縞状格子状となっており、実質的に延伸前の凹凸格子形状と相似で縮小されていたことが分かった。
(ニッケルスタンパの作製)
得られた、140nmピッチの延伸済みCOP板表面に、それぞれ導電化処理として金をスパッタリングにより30nm被覆した後、それぞれニッケルを電気メッキし、厚さ0.2mm、縦270mm、横220mmの微細凹凸格子を表面に有するニッケルスタンパを作製した。なお、ニッケルスタンパの長手方向が微細凹凸格子の延在方向と略直角になるように作製した。
(ロールスタンパの作製)
前記ニッケルスタンパを、微細凹凸格子を外周側になるよう円筒型に加工し、次いで溶接を行いロールスタンパとした。この際、接合はニッケルスタンパの長手方向がロールスタンパの円周方向となる向きで行った。次いで、ロールスタンパの略中央部に幅13mm、厚さ80μmの日東電工製ニトフロン粘着テープを円周方向に貼付した。
(基材フィルムロールの準備)
幅250mm、厚み60μmのトリアセチルセルロースフィルム(以下、TACフィルム)のロール(フィルム長300m)に対し、表面に突起形状を有する円盤状の金型を用い、幅方向の端部1〜15mmの範囲に基材フィルム表面からの高さの平均値が40μmになるようにナーリング加工を施した。
(微細凹凸格子転写フィルムロールの作製)
前記ナーリング加工を施したTACフィルムロールに対し、前記ニトフロンテープの貼付位置を除き、ナーリング加工を施した部分より幅方向内側に連続的に紫外線硬化性樹脂を約2μm塗布し、塗布面を上記140nmピッチの微細凹凸格子を表面に有するロールスタンパ上の微細凹凸格子の延在方向とTACフィルムの幅方向が平行になるように接触させ、フィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm2照射し、ロールスタンパの微細凹凸格子を連続的に転写した後、ロール状に巻き取った。以下、このロールを原反ロールと呼ぶことにする。得られた微細凹凸格子転写フィルムをFE−SEMにより観察し、その断面形状が正弦波状で、上面からの形状が縞状格子状となっていることを確認した。
(原反ロールの乾燥)
以上のようにして得られた原反ロールに含まれる水分を乾燥するために、原反ロールを200Wの赤外線ヒーターが3台設けられた真空槽に移し、フィルムを真空中でほどきながら2m/分で走行させ、加熱後、ロール状に巻き取った。フィルム走行停止時の真空度は0.03Pa、フィルム走行中(乾燥中)の真空度は0.15Paであった。また、ヒーター通過後のTACフィルムの表面温度を知るためにTACフィルム上には予めサーモラベルを貼っておいた。ヒーター通過後のTACフィルムの表面温度は60℃から70℃の間であった。
(金属ナノワイヤの形成)
乾燥後の原反ロールを乾燥機の真空槽中に12時間放置したところ、フィルムの温度は23℃まで下がった。その後、原反ロールを金属ワイヤ形成用の真空チャンバへ移した。次いで、反応性ACマグネトロンスパッタリング法にて微細凹凸格子面に窒化ケイ素層を設けた。具体的には、ターゲットサイズ127mm×750mm×10mmtのシリコンターゲットを2枚並べ、基板〜ターゲット距離80mm、アルゴンガス流量200sccm、窒素ガス流量300sccm、出力11kW、周波数37.5kHz、走行速度5m/分で原反ロールをほどきながらフィルム搬送用ロールで巻取ロール側に送りながら処理を施し、その後ロール状に巻き取った。スパッタリングの際の張力は30N、メインローラー温度は30℃、スパッタリング開始前のバックグラウンドの真空度は0.005Pa、スパッタリング中の真空度は0.38Paであった。同じ条件でSiチップに窒化珪素を成膜し、エリプソメーターにて窒化珪素層の厚みを算出したところ、3nmであった。スパッタリング終了後、赤外線温度計で原反ロールの温度を測定したところ、24℃であった。原反ロールの格子状凸部転写面に薄膜層として窒化珪素をスパッタリング法にて形成した後、フィルムをスパッタリング時と逆方向にメインローラーで送り、抵抗加熱蒸着法にて金属ナノワイヤを形成し、ロール状に巻き取った。なお、金属としてはアルミニウム(Al)を用いた。このとき、Alの蒸着には斜め蒸着法を用い、格子の長手方向と垂直に交わる平面内において基材面の法線蒸着源とのなす角が32°からはじまり15°で終わるようにマスクを配置して行った。マスクの開口幅は60mm、マスク開口部の中心と蒸着ボートとの距離は400mmであった。蒸着ボート加熱前の真空度は0.005Paであった。張力は30N、メインローラーの温度は30℃とした。以上のような条件にて、フィルム送り速度3.5m/分で格子状凸部転写フィルムを走行させながら、加熱されたボート上に純度99.9%以上、線径1.7mmのアルミワイヤを送り速度200mm/分でフィードし、アルミニウムを蒸着した。蒸着中の真空度は0.007Paであった。
(アルミニウムの膜厚測定)
前記蒸着にて得られたワイヤグリッド偏光板について、蒸着後期のフィルム部を切り出し、アルミニウムの膜厚を蛍光X線の発光強度より換算したところ、ともに130nmであった。
(アルミニウムのエッチング)
Alの金属ナノワイヤが形成された格子状凸部転写フィルムロールを、フィルムをほどきながら温度23℃の0.5重量%のNaOHaq槽内を65秒間走行させ、次いで、これを水洗・風乾し、所望の光学特性を有するワイヤグリッド偏光板のロールを得た。
(評価用シートの作製)
エッチングを実施したワイヤグリッド偏光板ロールを後述の環境下にて所定時間静置させた後、270mm長さのシートに裁断した。前記シートを、50シート毎に1枚の割合で抜き取り、これらを前述の評価に供した。
<実施例2〜13、比較例1、2>
表1に記載のとおり、使用する基材フィルム、その幅、厚み、金属皮膜部の幅、ナーリング位置、その高さ、金属皮膜部とナーリングとの距離を変え、実施例1と同様の方法で評価用シートを作製した。
実施例4では、ニッケルスタンパを縦270mm、横190mmのサイズで作製し、実施例1と同様の方法にてロールスタンパに加工したものを使用した。
実施例5では、ニッケルスタンパを縦270mm、横236mmのサイズで作製し、実施例1と同様の方法にてロールスタンパに加工したものを使用した。
実施例6では、ニッケルスタンパを縦270mm、横96mmのサイズで作製し、実施例1と同様の方法にてロールスタンパに加工したものを使用した。
実施例7では、ニッケルスタンパを縦270mm、横290mmのサイズで作製し、実施例1と同様の方法にてロールスタンパに加工したものを使用した。なお、ニッケルスタンパの短手方向が微細凹凸格子の延在方向と略直角になるように作製し、接合は前記短手方向がロールスタンパの円周方向となる向きで行い、ロールスタンパの略中央部に幅18mm、厚さ80μmのニトフロン粘着テープを円周方向に貼付した。
実施例10では、ニッケルスタンパを縦270mm、横100mmのサイズで2つ作製し、前記2つのニッケルスタンパの長手方向同士を合わせるように並べた状態で溶接した。次いで実施例1と同様の方法にてロールスタンパを作製し、ニトフロン粘着テープを貼付しない状態で微細凹凸格子の転写に供した。
実施例11では、幅8mm、厚さ80μmのニトフロン粘着テープを使用した。
実施例12では、ニッケルスタンパを縦270mm、横290mmのサイズで作製し、実施例1と同様の方法にてロールスタンパに加工したものを使用した。なお、ニッケルスタンパの短手方向が微細凹凸格子の延在方向と略直角になるように作製し、接合は前記短手方向がロールスタンパの円周方向となる向きで行い、ロールスタンパの略中央部に幅6mm、厚さ80μmのニトフロン粘着テープを円周方向に貼付した。
比較例1では、実施例1と同様のロールスタンパを作製し、ニトフロン粘着テープを貼付しない状態で使用した。
比較例2では、ナーリングを設ける操作を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして評価シートを得た。
<評価結果>
(ナーリングの高さ測定)
前記裁断後のシートについて、測長機(ニコン社製、DIGIMICRO MFC−101およびDIGIMICRO STAND MS−31G)を用いて、ナーリング部および製品部の厚みを、各シート内の同じ場所で10点ずつ測定し、それぞれの平均値を求め、それらの差から高さを算出した。
(外観の評価)
前記の実施例及び比較例のワイヤグリッド偏光板ロールを、23℃50%RHの環境下にて4日間もしくは12日間静置し、270mm長さ毎にシート状に裁断したサンプルを、50シート毎に1枚の割合で抜き取り、それぞれを白色バックライト上に置き、外観を観察した。外観が均一だったものを「〇」、薄い影模様が確認されたものを「△」、濃い影模様が確認されたものを「×」として評価した。
また、同じサンプルを黒色のマット上に置き、集光ライトを当て、外観を観察した。外観が均一だったものを「〇」、薄い影模様が確認されたものを「△」、濃い影模様が確認されたものを「×」として評価した。
実施例1〜13においては、4日間の保管試験では影模様は確認されなかったが、比較例1及び比較例2においては、影模様が確認された。
(Al剥がれ、フィルム割れの評価)
前記の50シート毎に1枚の割合で抜き取ったサンプルについて、目視にて金属皮膜部に剥がれが発生しているかを確認した。剥がれが発生していないものを「OK」、剥がれが発生していたものを「NG」として評価した。
また、同様の観察にてフィルムに割れが発生していないものを「OK」、割れが発生しているものを「NG」として評価した。
実施例1〜13においては、4日間の保管試験ではAl剥がれやフィルム割れは確認されなかったが、比較例2においては、両方がともに確認された。
(偏光透過率の測定)
前記の50シート毎に1枚の割合で抜き取ったサンプルのシート内の同じ場所を1か所測定した。測定に使用した装置は、紫外可視近赤外分光光度計(V−7100、日本分光株式会社製)であり、550nmにおける偏光透過率を測定し、その平均値を算出した。
保管日数4日間の結果においては、実施例1〜13に対し、比較例1及び比較例2では、透過率の低下が確認された。
(幅方向の製品比率の測定)
前記の50シート毎に1枚の割合で抜き取ったサンプルについて、基材フィルムの幅方向について、製品部の長さの合計を測定し、下記の式に従い、幅方向の製品比率を算出し、その平均値を求めた。
幅方向の製品比率(%)
= 製品部の長さ(mm)/基材フィルムの幅(mm)×100
なお、金属皮膜部は製品部には含まれない。
実施例4は、他の実施例及び比較例と比較し、製品比率は低下するものの、12日間というより長期な保管試験においても、優れた特性を有していることが確認された。
1 ワイヤグリッド偏光板
2 基材フィルム
3 誘電体ナノ構造
4 誘電体構造
5 金属ナノワイヤ
6 金属皮膜部
A 第1の方向
B 第2の方向
C 第3の方向

Claims (12)

  1. 基材フィルム、誘電体ナノ構造、誘電体構造、金属ナノワイヤ及び金属皮膜部を有する、ワイヤグリッド偏光板であって、
    前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造が、前記基材フィルム上で第1の方向に延在し、
    前記金属皮膜部が、前記基材フィルム上で第2の方向に延在し、且つ前記第2の方向に略直角な第3の方向の中央部に設けられ、
    前記誘電体構造が、第2の方向に沿って設けられ、
    前記誘電体ナノ構造が、ラインとスペースの繰り返し単位からなり、
    前記金属ナノワイヤが、前記誘電体ナノ構造のライン上に形成され、
    前記金属ナノワイヤと前記金属皮膜部が、同じ金属で構成される、
    ワイヤグリッド偏光板。
  2. 前記誘電体構造の高さが、3μm以上60μm以下である、
    請求項1に記載のワイヤグリッド偏光板。
  3. 前記誘電体構造が、前記基材フィルムの第3の方向の端部より0.5mm以上30mm以内に設けられる、
    請求項1又は2に記載のワイヤグリッド偏光板。
  4. 前記基材フィルムの第3の方向における長さが、110mm以上330mm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  5. 前記金属ナノワイヤ及び前記誘電体ナノ構造が存在する領域における厚みが、40μm以上200μm以下である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  6. 前記金属皮膜部の前記第3の方向における幅が、1mm以上20mm以下である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のワイグリッド偏光板。
  7. 前記誘電体構造が、前記金属皮膜部と40mm以上140mm以内で離して設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  8. 前記基材フィルムが、TACフィルム、COPフィルム、又はPCフィルムのいずれかである、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  9. 前記金属ナノワイヤ及び前記金属皮膜が、アルミニウム、銀及びそれらの合金の群から選ばれるいずれかである、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  10. 前記誘電体ナノ構造が樹脂で構成され、前記ラインとスペースの繰り返し単位が80nm以上200nm以下である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  11. 前記誘電体構造が、前記誘電体ナノ構造もしくは前記基材フィルムと同じ樹脂で構成される、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光板と、
    他のフィルム、基板、及び枠型からなる群より選択される少なくとも一つと、を有する、
    積層体。
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