JP2009122298A - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents
偏光板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009122298A JP2009122298A JP2007295042A JP2007295042A JP2009122298A JP 2009122298 A JP2009122298 A JP 2009122298A JP 2007295042 A JP2007295042 A JP 2007295042A JP 2007295042 A JP2007295042 A JP 2007295042A JP 2009122298 A JP2009122298 A JP 2009122298A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- polarizing plate
- nano buckling
- nano
- shape
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】 樹脂製の表面が平坦な基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させることによって特徴的に得られるナノバックリング形状を有するシート上に金属蒸着層を設ける。また、前記金属層が金属蒸着層であることを特徴とする偏光板である。前記ナノバックリング形状を有するシートが、ナノバックリングシートおよび/またはナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートであることを特徴とする偏光板である。
【選択図】 図1
Description
可視光で用いるためには金属細線の周期を十分に小さくする必要があることから、従来のフォトリソグラフィーの技術では難しかったが、最近のナノテクノロジー微細加工技術の進歩により、最新のフォトリソグラフィーを用いたワイヤーグリッド偏光板を可視光領域で使用することが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
(1) ナノバックリング形状を有するシートの少なくとも片面上に不連続な金属層が設けてあることを特徴とする偏光板。
(2) 前記金属層が金属蒸着層であることを特徴とする(1)に記載の偏光板。
(3) 前記ナノバックリング形状を有するシートが、ナノバックリングシートおよび/またはナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートであることを特徴とする(1)または(2)に記載の偏光板。
(4) 前記ナノバックリング形状が、樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させることによって特徴的に得られる表面形状であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の偏光板。
(5) 前記ナノバックリング形状の最頻ピッチが400nm以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の偏光板。
(6) ナノバックリング形状の配向度が1.0以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載の偏光板。
(7) 前記ナノバックリング形状の平均深さBが最頻ピッチAの比(B/A)が0.1以上であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の偏光板。
(8) 前記硬質層は、厚さが0.1〜80nmであることを特徴とする(4)〜(7)のいずれか一項に記載の偏光板。
(9) 前記硬質層が樹脂より成り、かつ前記硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg2が前記基材を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1より10℃以上高いことを特徴とする(4)〜(8)のいずれか一項に記載の偏光板。
(10) 前記硬質層が無機物であることを特徴とする(4)〜(8)のいずれか一項に記載の偏光板。
(11) 前記無機物が、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化銅、酸化インジウム、酸化カドニウム、酸化鉛、酸化ケイ素、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛、ガリウム砒素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物であることを特徴とする(10)に記載の偏光板。
(12) 前記樹脂製の基材が1軸加熱収縮性フィルムであることを特徴とする(4)〜(11)のいずれか一項に記載の偏光板。
(13) 樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させナノバックリングシートを作成する第1の工程と、前記第1の工程で得たナノバックリングシートの少なくともナノバックリング形状を有する少なくとも片面上に金属を蒸着する第2の工程よりなることを特徴とする偏光板の製造方法。
(14) 樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させナノバックリングシートを作製する第1の工程と、前記第1の工程で得たナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートを作製する第2の工程と、前記第2の工程で得たナノバックリング形状レプリカシートのナノバックリング形状を有する少なくとも片面上に金属を蒸着する第3の工程よりなることを特徴とする偏光板の製造方法。
(15) 前記硬質層は、厚さが0.1〜80nmであることを特徴とする(13)または(14)に記載の偏光板の製造方法。
(16) 前記蒸着が斜方蒸着であることを特徴とする(13)〜(15)のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。
ここで、ナノバックリングシートとは、樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させることによって得られるシートである。
また、ナノバックリング形状レプリカシートとは、ナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したシートである。
また、ナノバックリング形状を有するシートのナノバックリング形状とは、樹脂製の表面が平坦な基材(以下、基材という。)の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させることによって硬質層を設けてある表面上に特徴的に得られる表面形状である。
本発明は、ナノバックリング形状を有するシートの少なくとも片面上(この面上にはナノバックリング形状を有している)に不連続な金属層を設けている。
また、不連続な金属層は、ナノ金属塗布層、金属蒸着層であることが好ましく、ナノ金属塗布層の場合は、ナノ金属分散液を塗布乾燥後に焼成(熱処理)工程が必要とする場合が多く、焼成工程においてナノバックリング形状を有するシートへダメージを与える可能性があるのに対し、金属蒸着層は蒸着後の焼成工程不要の点で金属蒸着層であることが特に好ましい。さらに、不連続な金属層は、金属細線状に配列していることが好ましい。
本発明の金属蒸着層の金属種としては、蒸着できる金属であれば公知のものを使用でき、ゲルマニウム、スズ、シリコン等の半金属やITO(酸化インジウム−スズ)などの金属化合物も含む。具体的には、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマス、ITOよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくはアルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、コバルト、金、銀、銅、ITOであり、特に好ましくは値段、金属光沢の安定性等の理由によりアルミニウムおよび/またはニッケルである。
前記の金属あるいは金属蒸着層の表面は、空気暴露により酸化されていても構わない。
このような金属蒸着層を設ける方法は、公知の蒸着方式を用いることが好ましい。公知の蒸着方式として物理蒸着方式、化学蒸着方式を挙げることができ、物理蒸着方式として、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、高周波誘導蒸着、分子線エピタキシー蒸着、イオンプレーティング蒸着、イオンビームデポジション蒸着、スパッタ蒸着等を好ましく挙げることができる。また化学蒸着方式としては、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、有機金属気相成長法、触媒化学気相成長法等を好ましく挙げることができる。特に好ましい蒸着方式は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ蒸着である。
本発明の偏光板の製造方法は、下記の製造方法(1)、製造方法(2)および両方を組み合わせた方法である。
本発明の偏光板の製造方法(1)は、樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させナノバックリングシートを作製する第1の工程と、前記第1の工程で得たナノバックリングシートの少なくともナノバックリング形状を有する少なくとも片面上に金属を蒸着する第2の工程よりなる。
本発明の偏光板の製造方法(2)は、樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させナノバックリングシートを作製する第1の工程と、前記第1の工程で得たナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートを作製する第2の工程、前記第2の工程で得たナノバックリング形状レプリカシートのナノバックリング形状を有する少なくとも片面上に金属を蒸着する第3の工程よりなる。
斜方蒸着角が大きければ、より凸部近傍のみに蒸着層を設けることができるため、得られる偏光板の偏光特性を向上することができるので好ましい。
また、J線からXY面に垂線を落とした軌跡のXY面内の線(本発明ではI線と呼ぶ)であるI線とX方向とのなす角が60°〜120°であることが好ましく、80°〜100°であれば特に好ましく、ナノバックリング形状の凹凸パターンの凸部近傍のみに蒸着層を効率的に設けることができ、もしこの範囲でない場合は、得られる偏光板の偏光特性が十分でないことがある。また、本発明では斜方蒸着したシートを180°回転させて、再度蒸着することもできる。
有色物質としては、例えば、カーボン、フタロシアニン類、アニリン類を好ましく挙げることができ、特に好ましくはカーボンである。
また、ナノバックリング形状を有するシートが枚葉であるバッチ式蒸着であっても、ナノバックリング形状を有するシートがウェブ状であるロールツーロール式蒸着であっても構わない。ロールツーロール式蒸着の場合は、シート搬送方向と蒸着する面のナノバックリング形状のX方向が一致する場合あるいはシート搬送方向とX方向とのなす角が45°以下の場合は、斜方蒸着したシートを180°回転させて、再度蒸着することが得られる偏光板の偏光特性の面内均一性の観点から好ましい。
本発明で用いるナノバックリング形状を有するシートは、ナノバックリングシートおよび/またはナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートであることが好ましい。
また、ナノバックリング形状レプリカシートとは、ナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したシートである。また、ナノバックリング形状を有するシートのナノバックリング形状とは、樹脂製の表面が平坦な基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させることによって硬質層を設けてある表面上に特徴的に得られる表面形状である。
本発明の硬質層が樹脂よりなる場合は、前記硬質層の樹脂のガラス転移温度Tg2が前記基材を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1より10℃以上高いことが好ましく、20℃以上であればより好ましく、30℃以上であれば特に好ましい。Tg2とTg1の間の温度を加熱収縮温度とすることが好ましく、硬質層のヤング率が基材のヤング率より高くなる条件で加熱収縮でき、その結果、ナノバックリング形状を有するシートを容易に作製できる。Tg2とTg1との温度差(Tg2-Tg1)が十分でない場合、ナノバックリング形状を有するシートを安定的に生産できない場合があるためである。
また、Tg2が400℃を超えるような樹脂を使用することは経済性の面から必要性に乏しく、Tg1が-150℃より低い樹脂は存在しないことから、(Tg2-Tg1)は550℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
Tg1は-150〜300℃であることが好ましく、-120〜200℃であることがより好ましい。Tgが-150℃より低い樹脂は存在せず、また、Tg1が300℃以下であれば、加熱収縮温度を容易に設定できるためである。
Tg2は40〜400℃であることが好ましく、80〜250℃であることがより好ましい。Tg2が40℃以上であれば、加熱収縮温度を室温またはそれ以上にすることができて有用であり、Tg2が400℃を超えるような樹脂を使用することは経済性の面から必要性に乏しいためである。
基材の収縮方向のヤング率は0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。0.01MPa以上であれば、基材として使用可能な硬さであり、100MPa以下であれば、硬質層が変形する際に同時に追従して変形可能な軟らかさである。
加熱収縮温度における硬質層を形成する樹脂の収縮方向のヤング率は0.01〜300GPaであることが好ましく、0.1〜10GPaであることがより好ましい。硬質層を形成する樹脂の収縮方向のヤング率が0.01GPa以上であれば、加熱収縮温度における基材の収縮方向のヤング率より充分な硬さが得られ、ナノバックリング形状が形成された後、ナノバックリング形状を維持するのに充分な硬さであり、収縮方向のヤング率が300GPaを超えるような樹脂で硬質層を形成する樹脂として使用することは経済性の面から必要性に乏しいためである。
本発明の硬質層が無機物よりなる場合は、金属または金属化合物からなる。なお本発明の硬質層の金属とは、炭素、ゲルマニウム、スズ、シリコン等の半金属も含む。金属は公知のものを好ましく挙げることができるが、具体的には、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマス、炭素等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることがより好ましい。金属化合物として、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化銅、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化鉛、酸化珪素、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛、ガリウムヒ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物であることが好ましい。更により好ましくは、前記した金属化合物から選ばれる少なくとも1種の金属化合物であり、特に好ましくは、酸化珪素、酸化チタン、ITOである。
硬質層が無機物である場合の硬質層の形成方法は、公知の蒸着方式を用いることが好ましい。公知の蒸着方式として物理蒸着方式、化学蒸着方式を挙げることができ、物理蒸着方式として、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、高周波誘導蒸着、分子線エピタキシー蒸着、イオンプレーティング蒸着、イオンビームデポジション蒸着、スパッタ蒸着等を好ましく挙げることができる。また化学蒸着方式としては、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD、有機金属気相成長法、触媒化学気相成長法等を好ましく挙げることができる。
なお、硬質層が金属のナノバックリングシート上に不連続な金属層を設けた偏光板とする場合、硬質層を含むと不連続な金属層はできないように一見思われるが、前述したように、本発明の不連続な金属層は硬質層を含まないことから、硬質層を分離して考えると不連続となる。
加熱収縮前の硬質層は表面が平坦であることが好ましい。平坦でない場合、得られる偏光板に十分な偏光特性を付与できないことがある。本発明の加熱収縮前の基材は、表面が平坦である基材を用いることから、後述する硬質層形成方法を用いることにより均一な硬質層を得ることが容易にでき、結果として硬質層の表面も平坦となる。
また、加熱収縮前の基材の厚みは、1〜500μmであることが好ましい。基材の厚みが
薄すぎる場合は破れ易くなり、500μm以下であればナノバックリング形状を有するシートのハンドリングが容易である。
また、加熱収縮前の基材は、加熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を用いるのが特に好ましく、より特に好ましくは1軸加熱収縮性フィルム(Y方向に主に収縮するフィルムのこと)である。加熱収縮性フィルムとして、具体的に挙げるならば、ポリエステル系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニリデン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム等の1軸加熱収縮性フィルムを特に好ましく挙げることができ、最も特に好ましくはポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリエトレン系シュリンクフィルム、ポリプロピレン系シュリンクフィルム等の1軸方向に主に加熱収縮するフィルムである。これら加熱収縮性フィルムの製造方法は、公知の如何なる方法を用いても構わない。必要に応じて、EB(電子線)処理を施すこともできる。
加熱収縮前の基材の収縮する能力は、加熱収縮により収縮率が20〜90%に収縮する能力のあるものが好ましく、より好ましくは加熱収縮により収縮率35〜75%に収縮する能力のあるものがより好ましい。
なお、本発明における収縮率とは、(収縮率[%])={(収縮前の長さ)−(収縮後の長さ)}/(収縮前の長さ)×100 である(但し、いずれの長さも収縮方向の長さ)。
本発明のナノバックリング形状の配向度は、大き過ぎるとナノバックリング形状の方向性が低下するため、得られる偏光版の偏光特性が十分得られないことがある。このようなことから本発明のナノバックリング形状の配向度は、1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以下であり、特に好ましくは0.3未満である。なお本発明のナノバックリング形状の配向度の定義は、後述する。
本発明においてナノバックリング形状の平均深さをB、最頻ピッチをAとした場合、その比(B/A)が0.1以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましく、0.35以上であれば更により好ましく、0.7以上であれば特に好ましい。平均深さBと最頻ピッチAの比(B/A)が小さい場合は、ナノバックリング形状の起伏が十分でなく、得られる偏光板の偏光特性が十分得られないことがあるためである。B/Aの上限は特にないが、B/Aが大きいほど加熱収縮率が大きくなり経済的は好ましい方向ではないことから、B/Aの上限は5以下であることが好ましく、2以下であればより好ましく、1以下であればより好ましい。
本発明の平均深さは5〜5000nmであることが好ましく、10〜500nmであることがより好ましく、20〜300nmであることが特に好ましい。
本発明の最頻ピッチは次のようにして求める。ナノバックリング形状を原子間力顕微鏡によりHeight像を観察(グレースケール画像に変換する)し、その観察したグレースケール画像(例えば、図2)をフーリエ変換する。このフーリエ変換像(例えば図3)は、図3のようにフーリエ変換像のXF-YF座標面上に頻度が濃淡で表される。これにはナノバックリング形状の凹凸パターンのピッチおよび配向の情報が含まれる。このフーリエ変換のZF軸情報の頻度は必要に応じてスムージングを行い、フーリエ変換像の中心部を除く部分の最大頻度を示す位置(XFmax、YFmax)が本発明の最頻ピッチA=1/{√(XFmax 2+YFmax 2)}を示す。なお、最頻ピッチは、各ピッチの平均値とみてもよい。
本発明の配向度は、フーリエ変換像の配向の情報を取り出して求める。具体的には、図3を用いて説明する。フーリエ変換像の最大輝度部分がフーリエ変換像のXF-YF座標面のXF軸上にない場合は、フーリエ変換像の中心を原点にθだけ回転させてXF軸上に最大輝度部分が一致するようにθ回転したフーリエ変換像を作成する。フーリエ変換像には最大輝度部分が2つ存在するものが多く、原点を中心にほぼ180°回転した位置あるはずである。最大輝度部分はどちらか1方を任意に選択してXF軸に一致させればよい。なお、図3はθ回転したフーリエ変換像である。以後断りのない限りθ回転したフーリエ変換像をフーリエ変換像とする。(XFmax、YFmax)を通るYF軸に並行な補助線Y´Fを引き、補助線Y´Fを横軸として、補助線Y´F上の輝度(ZF軸)を縦軸としたY´F-ZF図を作成する。このY´F-ZF図のY´F軸の値を最頻ピッチAで割ったY”F-ZF図(図4)を作成する。この図4の横軸は、ナノバックリング形状の配向を示す指標が含まれている。図4のプロットにおけるピークの半値幅W1(頻度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)が、本発明のナノバックリング形状の配向度を表す。半値幅W1が大きい程、蛇行して配向がばらついていることを表している。
本発明のナノバックリング形状レプリカシートを製造する具体的な方法としては、例えば、下記(a)〜(c)の方法が挙げられる。
(a)ナノバックリングシートの凹凸パターン(ナノバックリング形状のこと)が形成された面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗布する工程と、電離放射線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜をナノバックリングシートから剥離する工程とを有する方法。ここで、電離放射線とは、通常、紫外線または電子線のことであるが、本発明では、可視光線、X線、イオン線等も含む。
(b)ナノバックリングシートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗布する工程と、加熱して前記液状熱硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜をナノバックリングシートから剥離する工程とを有する方法。
(c)ナノバックリングシートの凹凸パターンが形成された面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させる工程と、該シート状の熱可塑性樹脂をナノバックリングシートに押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却する工程と、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂をナノバックリングシートから剥離する工程とを有する方法。
2次工程用成形物を用いる具体的な方法としては、下記(d)〜(f)の方法が挙げられる。
(e)ナノバックリングシートの凹凸パターンが形成された面に、めっき層(凹凸パターン転写用材料)を積層する工程と、そのめっき層をナノバックリングシートから剥離して、金属製の2次工程用成形物を作製する工程と、該2次工程用成形物の凹凸パターンと接していた側の面に、未硬化の液状熱硬化性樹脂を塗布する工程と、加熱により該樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を2次工程用成形物から剥離する工程とを有する方法。
(f)ナノバックリングシートの凹凸パターンが形成された面に、めっき層(凹凸パターン転写用材料)を積層する工程と、そのめっき層をナノバックリングシートから剥離して、金属製の2次工程用成形物を作製する工程と、該2次工程用成形物の凹凸パターンと接していた側の面に、シート状の熱可塑性樹脂を接触させる工程と、該シート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物に押圧しながら加熱して軟化させた後、冷却する工程と、その冷却したシート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物から剥離する工程とを有する方法。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーの中から選ばれる1種類以上の成分を含有するものが挙げられる。未硬化の電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。
また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂を紫外線により硬化する場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
上記の方法では、ナノバックリングシートがウェブ状であったが、枚葉のシートであってもよい。枚葉のシートを用いる場合、枚葉のシートを平板状の型として使用するスタンプ法、枚葉のシートをロールに巻きつけて円筒状の型として使用するロールインプリント法等を適用できる。また、射出成形機の型の内側に枚葉のナノバックリングシートを配置させてもよい。
しかし、これら枚葉のシートを用いる方法において、ナノバックリング形状レプリカシートを大量生産するためには、凹凸パターンを形成する工程を多数回繰り返す必要がある。電離放射線硬化性樹脂と工程シート原版との離型性が低い場合には、多数回繰り返した際に凹凸パターンに目詰まりが生じ、凹凸パターンの転写が不完全になる傾向にある。
また、(b)の方法における硬化温度は、ナノバックリングシートのガラス転移温度より低いことが好ましい。硬化温度がナノバックリングシートのガラス転移温度以上であると、硬化時にナノバックリング形状レプリカシートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
シート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物に押圧する際の圧力は1〜100MPaであることが好ましい。押圧時の圧力が1MPa以上であれば、凹凸パターンを高い精度で転写させることができ、100MPa以下であれば、過剰な加圧を防ぐことができる。
また、(c)の方法における熱可塑性樹脂の加熱温度は、ナノバックリングシートのガラス転移温度より低いことが好ましい。加熱温度がナノバックリングシートのガラス転移温度以上であると、加熱時にナノバックリングシートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
加熱後の冷却温度としては、凹凸パターンを高い精度で転写させることができることか
ら、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満であることが好ましい。
(d)〜(f)の方法では、熱による変形が小さい金属製シートを工程シートとして用いるため、凹凸パターン形成シート用の材料として、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用できる。
(a)〜(f)の方法で製造された凹凸パターン形成シートをナノバックリング形状レプリカシートとして使用する。
(その他)
本発明の基材と硬質層の間、ナノバックリング形状を有するシートと不連続な金属層の間には、密着性向上等の必要性に応じてプライマー層を設けることもできる。
本発明のナノバックリング形状を有するシートの少なくとも片面上に設ける不連続な金属層上に必要に応じて、金属層の酸化を防止する目的でSiO2などの酸化防止層、擦傷性向上のためのハードコート層などを設けることができる。酸化防止層、ハードコート層は公知のものを使用することができる。
本発明の偏光板には、必要に応じて公知の粘着層、反射防止層、拡散層、視野角補正層(液晶ディスプレーにこの偏光板を用いる場合は、例えばディスコティク液晶を斜め配向した視野角補正層、コレステリック液晶を用いた視野角補正層、棒状の液晶を配向させた視野角補正層等を設けることもできる。)を設けることができる。また位相差板、その他機能向上のため各種フィルム等を貼り合わせて用いたり、組み合わせて用いたりすることもできる。
本発明の偏光板および本発明の製造方法により作成した偏光板は、可視光(400nm〜700nm)で用いることが好ましく、この範囲であれば偏光特性を発揮する。波長の短い紫外領域では基材の樹脂が変質することがあり耐久性の面で問題が生じ易く、波長の長い赤外領域では、基材の樹脂の吸収があるため十分な偏光特性を得ることが難しくなるとがある。
本発明の偏光板は、公知の各種フラットパネルディスプレーに好ましく用いることができる。より好ましくは、液晶ディスプレー(LCD)、有機ELディスプレー、無機ELディスプレーである。従来からの沃素吸収型偏光板あるいは染料吸収型偏光板に変えて、これらのディスプレーに本発明の偏光板を用いることにより、輝度を向上させることができる。これは本発明の偏光板がS波(またはP波のどちらか)を選択的に反射するため、その反射されたS波(またはP波)を再度位相変換し透過可能なP波(またはS波)として有効利用できるからである。
本発明の偏光板は、従来からの沃素吸収型偏光板あるいは染料吸収型偏光板と組み合わせて(必要に応じて貼り合わせて)用いることもできる。
本発明の偏光板を液晶ディスプレーに用いる場合は、液晶セルの両面に用いることもできるし、片面に用いることもできる。片面に用いる場合は、見る人側ではなく、バックライト側または裏面側に用いるのが好ましい。バックライト側または裏面側に用いることにより写りこみを軽減できるためである。
本発明の偏光板を偏光板としてではなく、輝度向上フィルムとして用いることもできる。例えば、液晶ディスプレーであれば、バックラィトユニットに組み込むこともできる。この場合の光源は如何なる公知のもの(例えば、熱陰極管、冷陰極管、LED)でも構わない。バックライトユニットに用いる公知の機能性フィルムと併用することができる。このような機能性フィルムとしては、例えば、反射板、導光板、拡散板、拡散シート、プリズムシート等を挙げることができる。
<実施例1>
基材として1軸方向に主に加熱収縮する厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂社製ヒシペットLX-60S、ガラス転移温度70℃)の片面に硬質層として二酸化珪素を厚さ2.5nmになるように電子ビーム蒸着(斜方蒸着角0°)を行い、片面に硬質層を設けた表面が平坦なシートを得た。
次に、このシートを100℃にて加熱収縮を行い収縮方向の長さが加熱前に比べて50%(収縮率50%)になるように1軸加熱収縮を行った。得られた加熱収縮シート(ナノバックリングシート)の硬質層形成側の表面の凹凸を原子間力顕微鏡(日本ビーコ社製ナノスコープ3)により測定した。測定した凹凸パターンの画像をグレースケール画像に変換した後、2次元フーリエ変換を行う。このフーリエ変換像の頻度(ZF)のスムージングを行い、フーリエ変換像の中心部を除く部分の最大頻度を示す位置(XFmax、YFmax)から最頻ピッチA=1/{√(XFmax 2+YFmax 2)}を求めた。続いてこのフーリエ変換画像を用いて配向度を「発明を実施するための最良の形態」で示した方法で求める。すなわち、フーリエ変換像の最大輝度部分をXF-YF座標面のXF軸上にθだけ回転させてXF軸上に最大輝度部分が一致するようにθ回転したフーリエ変換像を作成し、(XFmax、YFmax)を通るYF軸に並行な補助線Y´Fを引き、補助線Y´Fを横軸として、補助線Y´F上の輝度(ZF軸)を縦軸としたY´F-ZF図を作成する。このY´F-ZF図のY´F軸の値を最頻ピッチAで割ったY”F-ZF図を作成し、Y”-ZF図からピークの半値幅W1(頻度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)を求め、配向度W1を求めた。
次に原子間力顕微鏡測定より得られる断面画像にて、10箇所の底までの深さを求め平均深さを求めた。
得られた加熱収縮シートの硬質層形成側の面上に斜方蒸着角60°、I線とX方向のなす角90°にて抵抗加熱蒸着にてアルミニウムを積層厚30nmになるように形成し、偏光板を作成した。作成した偏光板の偏光特性をKOBRA(王子計測機器社製)にて測定した。結果を表1に示す。
得られた加熱収縮シートの硬質層形成側の面上に斜方蒸着角75°の電子ビーム蒸着にてアルミニウムを積層厚50nmになるように形成し、偏光板を作成する以外、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
硬質層として二酸化珪素を厚さ5.5nmになるように電子ビーム蒸着を行い、得られた加熱収縮シートの硬質層形成側の面上に斜方蒸着角60°の電子ビーム蒸着にてニッケルを積層厚40nmになるように形成し、偏光板を作成する以外、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
硬質層として二酸化珪素を厚さ3.8nmになるように電子ビーム蒸着を行い、得られた加熱収縮シートの硬質層形成側の面上に斜方蒸着角を設けず(斜方蒸着角0°)の電子ビーム蒸着にてアルミニウムを積層厚20nmになるように形成し、偏光板を作成する以外、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
1軸方向に主に加熱収縮する厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシュリンクフィルム(三菱樹脂社製ヒシペットLX-10S)の片面に硬質層としてチタンを厚さ3nmになるように電子ビーム蒸着を行い、加熱前の長さの40%に熱収縮(すなわち収縮率60%)させる以外、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
硬質層としてポリメチルメタクリレート(ポリマーソース社製P4831-MMA、ガラス転移温度100℃)を厚さ12nmになるように希釈溶媒をトルエンにてグラビアコーティングを行い設け、加熱収縮温度を80℃とする以外、実施例5と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
基材として1軸方向に主に加熱収縮する厚さ63μmのポリカーボネートフィルム(帝人化成社製ピュアエースT-570、ガラス転移温度160℃)を用い、加熱収縮温度を155℃とする以外、実施例2と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
実施例1により得た加熱収縮シートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートを、以下のようにして得た。
すなわち、実施例1により得た加熱収縮シートの硬質層形成側のナノバックリング形状が形成された面に、エポキシアクリレート系プレポリマー、2−エチルヘキシルアクリレートおよびベンゾフェノン系光重合開始剤を含む未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を塗工した。次いで、未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜の加熱収縮シートと接していない面に、厚さ200μmのトリアセチルセルロースフィルムを重ね合わせ、Roller Nanoimprinter NM-0606R(明昌機工社製)を用いて押圧した。
次いで、トリアセチルセルロースフィルムの上から紫外線を照射し、未硬化の紫外線硬化性樹脂を硬化させ、その硬化物とトリアセチルセルロースとの積層体を加熱収縮シートから剥離することにより、ナノバックリング形状レプリカシートを得た。得られたナノバックリング形状レプリカシートの表面形状を実施例1と同様の方法にて測定した。
得られたナノバックリング形状レプリカシートのナノバックリング形状のある面に実施例1と同様にアルミニウムを蒸着し、偏光板を得た。得られた偏光板の特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
実施例1により得た加熱収縮シートを用いて、以下のようにしてナノバックリング形状レプリカシートを得た。
すなわち、実施例1により得た加熱収縮シートのナノバックリング形状が形成された面に、ニッケルめっきを施し、そのニッケルめっきを剥離することにより、厚さ200μmのニッケルめっきシートを得た。このニッケルめっきシートの加熱収縮シートに接していた側の面が外側にくるようにRoller Nanoimprinter NM-0606R(明昌機工社製)の押圧シリンダーロール(Imprint Roll)に曲率をつけながら貼り付けた。厚さ200μmのトリアセチルセルロースフィルム上にエポキシアクリレート系プレポリマー、2−エチルヘキシルアクリレートおよびベンゾフェノン系光重合開始剤を含む未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を塗工した面上にこのニッケルめっきシートの加熱収縮シートに接していた側の面が接するようにRoller Nanoimprinter NM-0606R(明昌機工社製)を用いて押圧した。
次いで、トリアセチルセルロースフィルムの上から紫外線を照射し、未硬化の硬化性樹
脂を硬化させ、その硬化物とトリアセチルセルロースとの積層体をニッケルめっきシート
から剥離することにより、ナノバックリング形状レプリカシートを得た。
得られたナノバックリング形状レプリカシートを用いる以外、実施例8と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
紫外線硬化性樹脂組成物の代わりに熱硬化性エポキシ樹脂を使用し、紫外線を照射する
代わりに加熱により該熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させた以外は実施例9と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
実施例9と同様にして、厚さ200μmのニッケルめっきシートを得た。このニッケルめっきシートの、加熱収縮シートに接していた側の面に、厚さ100μmのポリカーボネートフィルム(帝人化成社製パンライトフィルムPC-2151)を重ね、加熱した。加熱により軟化したポリカーボネートフィルムとニッケルめっきシートとを、それらの両側から押圧した後、冷却・固化させ、固化したポリカーボネートフィルムをニッケルめっきシートから剥離することにより、ナノバックリング形状レプリカシートを作製する以外、実施例8と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
アルミニウムの蒸着層の代わりに実施例4で得られた加熱収縮シートのナノバックリング形状を有する面上にメイヤーバーコーティングによりナノ銀(バンドウ化学社製、SL-40[粒径20〜40nm]を3倍に希釈)塗布層を設けて焼成処理なしで偏光板を作成する以外、実施例4と同様な実験を行った。結果を表1に示す。
シャープ社製液晶ディスプレー(型式LC-32GS10)バックライトユニット中にあるDBEF(3M社製)を取り外し、その部分に実施例2で作成した偏光板(大きさB5番)を輝度向上フィルムとして挿入して液晶ディスプレーを映像表示させた。実施例2の偏光板のない部分に比べてある部分は、映像が明るいことを目視により確認した。
実施例1〜11においてアルミニウムあるいはニッケルの蒸着層を設けない以外、同様な実験を行った。結果は表2に示すと通り、偏光板としての機能は全くなかった。
硬質層を設けない以外、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。また得られた偏光板のアルミニウム蒸着面の表面観察を行ったところ、アルミニウムは均一の連続膜を形成していた。
Claims (16)
- ナノバックリング形状を有するシートの少なくとも片面上に不連続な金属層が設けてあることを特徴とする偏光板。
- 前記金属層が金属蒸着層であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
- 前記ナノバックリング形状を有するシートが、ナノバックリングシートおよび/またはナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートであることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光板。
- 前記ナノバックリング形状が、樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させることによって特徴的に得られる表面形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記ナノバックリング形状の最頻ピッチが400nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏光板。
- ナノバックリング形状の配向度が1.0以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記ナノバックリング形状の平均深さBが最頻ピッチAの比(B/A)が0.1以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記硬質層は、厚さが0.1〜80nmであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記硬質層が樹脂より成り、かつ前記硬質層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg2が前記基材を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1より10℃以上高いことを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記硬質層が無機物であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記無機物が、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化銅、酸化インジウム、酸化カドニウム、酸化鉛、酸化ケイ素、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛、ガリウム砒素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物であることを特徴とする請求項10に記載の偏光板。
- 前記樹脂製の基材が1軸加熱収縮性フィルムであることを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項に記載の偏光板。
- 樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させナノバックリングシートを作製する第1の工程と、前記第1の工程で得たナノバックリングシートの少なくともナノバックリング形状を有する少なくとも片面上に金属を蒸着する第2の工程よりなることを特徴とする偏光板の製造方法。
- 樹脂製の表面が平坦な基材と前記基材の少なくとも片面上に硬質層を設けてあるシートを1軸方向に加熱収縮させナノバックリングシートを作成する第1の工程と、前記第1の工程で得たナノバックリングシートのナノバックリング形状を転写したナノバックリング形状レプリカシートを作製する第2の工程と、前記第2の工程で得たナノバックリング形状レプリカシートのナノバックリング形状を有する少なくとも片面上に金属を蒸着する第3の工程よりなることを特徴とする偏光板の製造方法。
- 前記硬質層は、厚さが0.1〜80nmであることを特徴とする請求項13または14のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
- 前記蒸着が斜方蒸着であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の偏光板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007295042A JP5245366B2 (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 偏光板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007295042A JP5245366B2 (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 偏光板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009122298A true JP2009122298A (ja) | 2009-06-04 |
JP5245366B2 JP5245366B2 (ja) | 2013-07-24 |
Family
ID=40814540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007295042A Expired - Fee Related JP5245366B2 (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 偏光板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5245366B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010266483A (ja) * | 2009-05-12 | 2010-11-25 | Oji Paper Co Ltd | 凹凸形状を有する金属細線シートの製造方法、および凹凸形状を有する金属細線シート |
JP2011213052A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Oji Paper Co Ltd | 表面微細凹凸体およびその製造方法 |
JP2011215492A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Oji Paper Co Ltd | 表面微細凹凸体の製造方法 |
JP2011221334A (ja) * | 2010-04-12 | 2011-11-04 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ワイヤグリッド偏光板及びその製造方法 |
JP2011224916A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Oji Paper Co Ltd | ナノバックリング形状を有する表面微細凹凸体の製造方法、表面微細凹凸体、工程シート原版、及び光学素子の製造方法。 |
JP2012108366A (ja) * | 2010-11-18 | 2012-06-07 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ワイヤグリッド偏光板 |
JP2012238002A (ja) * | 2012-06-07 | 2012-12-06 | Oji Holdings Corp | 液晶配向用基板とその製造方法、および工程シート原板 |
JP2014078042A (ja) * | 2014-01-20 | 2014-05-01 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ワイヤグリッド偏光板 |
WO2021091206A1 (ko) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 동우화인켐 주식회사 | 투명 전극 구조체, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 전기 소자 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070148248A1 (en) | 2005-12-22 | 2007-06-28 | Banner Pharmacaps, Inc. | Gastric reflux resistant dosage forms |
CA2950311C (en) | 2014-06-23 | 2019-05-14 | Banner Life Sciences Llc | All natural enteric soft capsules comprising active ingredients |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006017879A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Nippon Zeon Co Ltd | グリッド偏光子の製造方法 |
WO2007097454A1 (ja) * | 2006-02-27 | 2007-08-30 | Zeon Corporation | 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法 |
JP2007248499A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-27 | Nippon Zeon Co Ltd | フィルムの製法及び光学素子 |
-
2007
- 2007-11-14 JP JP2007295042A patent/JP5245366B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006017879A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Nippon Zeon Co Ltd | グリッド偏光子の製造方法 |
WO2007097454A1 (ja) * | 2006-02-27 | 2007-08-30 | Zeon Corporation | 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法 |
JP2007248499A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-27 | Nippon Zeon Co Ltd | フィルムの製法及び光学素子 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010266483A (ja) * | 2009-05-12 | 2010-11-25 | Oji Paper Co Ltd | 凹凸形状を有する金属細線シートの製造方法、および凹凸形状を有する金属細線シート |
JP2011213052A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Oji Paper Co Ltd | 表面微細凹凸体およびその製造方法 |
JP2011215492A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Oji Paper Co Ltd | 表面微細凹凸体の製造方法 |
JP2011221334A (ja) * | 2010-04-12 | 2011-11-04 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ワイヤグリッド偏光板及びその製造方法 |
JP2011224916A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Oji Paper Co Ltd | ナノバックリング形状を有する表面微細凹凸体の製造方法、表面微細凹凸体、工程シート原版、及び光学素子の製造方法。 |
JP2012108366A (ja) * | 2010-11-18 | 2012-06-07 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ワイヤグリッド偏光板 |
JP2012238002A (ja) * | 2012-06-07 | 2012-12-06 | Oji Holdings Corp | 液晶配向用基板とその製造方法、および工程シート原板 |
JP2014078042A (ja) * | 2014-01-20 | 2014-05-01 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ワイヤグリッド偏光板 |
WO2021091206A1 (ko) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 동우화인켐 주식회사 | 투명 전극 구조체, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 전기 소자 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5245366B2 (ja) | 2013-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5245366B2 (ja) | 偏光板およびその製造方法 | |
JP5176950B2 (ja) | 微細凹凸形状を有するフィルム、およびその製造方法 | |
US8896923B2 (en) | Corrugated pattern forming sheet, and methods for manufacturing antireflector, retardation plate, original process sheet plate, and optical element | |
JP5211506B2 (ja) | 凹凸パターン形成シートならびにその製造方法、反射防止体、位相差板および光学素子製造用工程シート。 | |
JP5098450B2 (ja) | 凹凸パターン形成シートの製造方法および凹凸パターン形成シート | |
JP2014142462A (ja) | 光学機能層付きタッチパネル用電極部、円偏光板付きタッチパネル電極部、タッチパネル、画像表示装置 | |
JP2008181113A (ja) | 反射型偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 | |
JP5359541B2 (ja) | 凹凸形状を有する金属細線シートの製造方法、および凹凸形状を有する金属細線シート | |
JP2014071381A (ja) | 光学フィルム用転写体、光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 | |
KR101300799B1 (ko) | 그래핀 층을 포함하는 광학 필름, 이의 제조 방법, 이를 포함하는 백라이트 유닛 및 액정 표시 장치 | |
JP2011213053A (ja) | 原版シートの製造方法および凹凸パターン転写シートの製造方法 | |
JP5482401B2 (ja) | ナノバックリング形状を有する表面微細凹凸体の製造方法、光学素子の製造方法、及び2次工程シートの製造方法。 | |
JP2014122984A (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、画像表示装置 | |
JP5839017B2 (ja) | 表面微細凹凸体およびその製造方法 | |
JP5434755B2 (ja) | 表面微細凹凸体の製造方法および転写体の製造方法 | |
JP5833301B2 (ja) | ワイヤグリッド偏光板及びワイヤグリッド偏光板の製造方法 | |
JP2013140306A (ja) | パターン位相差フィルムの製造方法 | |
JP2009282279A (ja) | 反射シートおよびバックライトユニット | |
JP5621298B2 (ja) | 表面微細凹凸体およびその製造方法 | |
JP5636907B2 (ja) | 凹凸パターン形成シートおよびその製造方法、凹凸パターン形成シート複製用工程シート原版、光学素子、2次工程用成形物、複製シート | |
JP5673706B2 (ja) | 微細凹凸シートの製造方法 | |
JP2010266479A (ja) | 微細凹凸シートの製造方法 | |
JP5408004B2 (ja) | 表面微細凹凸体の製造方法 | |
JP6504227B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP2016136254A (ja) | 表面微細凹凸体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110927 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120807 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130312 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130325 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5245366 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |