JP2006012448A - 電解質膜および該電解質膜を用いた燃料電池 - Google Patents

電解質膜および該電解質膜を用いた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 電解質膜の形成性、(破壊)強度、耐クロスオーバー性に優れるとともに、耐熱性等に優れ、さらに形成性、膜の強度、プロトン伝導性がいずれも高く、長期に使用しても高い電池特性を有する燃料電池用電解質膜を提供する。
【解決手段】
(i)有機珪素化合物から誘導され、プロトン伝導性を有する加水分解物マトリックスと
、(ii)アルミナ粒子とを含んでなり、
該アルミナ粒子の平均長さ(L)が10〜500nmの範囲にあり、断面の平均直径(D)が2〜20nmの範囲にあり、アスペクト比(L/D)が2〜200の範囲にある繊維状アルミナ粒子である電解質膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な電解質膜および該電解質膜を用いた燃料電池に関する。さらに詳しくは、強度が高く、イオン伝導性に優れた電解質膜および該電解質膜を具備してなる燃料電池に関する。
近年、クリーンな水素をエネルギー源とする高効率、無公害でCO2等温暖化ガスを発生
しない発電システムとして燃料電池が注目されている。このような燃料電池は、家庭や事業所など固定設備、自動車などの移動設備などでの使用を目的に本格的な開発研究が行われている。
燃料電池は使用する電解質によって分類され、アルカリ電解質型、固体高分子電解質型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型に分けられる。このとき固体高分子電解質型およびリン酸型は電荷移動体がプロトンであり、プロトン型燃料電池ともいわれる。
この燃料電池に用いる燃料としては、天然ガス、LPガス、都市ガス、アルコール、ガソリン、灯油、軽油などの炭化水素系燃料が挙げられる。
このような炭化水素系燃料を、まず水蒸気改質、部分酸化などの反応により水素ガス、COガスに変換し、COガスを除去して水素ガスを得る。この水素は、アノードに供給され、アノードの金属触媒によってプロトン(水素イオン)と電子に解離し、電子は回路を通じて仕事をしながらカソードに流れ、プロトン(水素イオン)は電解質膜を拡散してカソードに流れ、カソードにてこの電子、水素イオンとカソードに供給される酸素とから水となって電解質膜に拡散する。すなわち、酸素と燃料ガスに由来する水素とを供給して水を生成する過程で電流を取り出すメカニズムになっている。
また、ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)は、メタノールから水素を取り出す改質器なしで、直接メタノールを燃料として使用するものである。
このDMFCでは、以下に示す反応が進み、電流を取り出せるようになっている。
燃料極:CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e-
空気極:3/2 O2 + 6H+ + 6e- → 3H2O
全体: CH3OH + 3/2 O2 → CO2 + 3H2O
このようなDMFCでは、改質器が不要であるため、容積、重量、効率、起動性など改質器に関わる技術課題を緩和することができる可能性があることから、ノート・パソコンや携帯電話などの小型電力供給源としても期待されている。このようなDMFCに使用される電解質膜には、低コストで製造されることとともに、CO被毒やガスのクロスオーバーなどの諸問題をいずれも解消したものが望まれていた。
以上のような燃料電池に用いられる電解質膜としてはスルホン酸基を有するポリスチレン系の陽イオン交換膜、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合膜、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化した膜、パーフルオロカーボンスルホン酸膜等が用いられている。
このような有機樹脂膜からなる電解質膜中のプロトンの移動、すなわち膜のイオン電導度は膜の含水率に依存し、長期運転した場合、あるいは概ね80℃以上の高温になって含
水率が低下するとイオン電導度が低下する問題があった。すなわち、80℃以上の高温になると電圧の低下をきたすなどの問題があった。
このため、特開平6−103983号公報(特許文献1)には、高分子膜にリン酸基を持つ化合物を含有させることで、高分子膜に良好な保水性能を発揮させ、これにより、80℃あるいはそれ以上の高温において好適に使用可能な固体高分子電解質型燃料電池が提案されている。
また、特開2001−143723号公報(特許文献2)には、80℃あるいはそれ以上の運転温度において好適に使用可能な燃料電池用電解質膜として五酸化リンを含む非晶質シリカ成形体からなるものが開示されている。
さらに、本願出願人はシリカ粒子を配合した電解質膜を提案している(特開2003−308855号公報、(特許文献3))。
特開平6−103983号公報 特開2001−143723号公報 特開2003−308855号公報
特許文献1および2などで提案された固体高分子電解質膜を100℃以上の高温で長期にわたり使用すると、高温のため膜の含水率が低下したり、樹脂成分を用いた電解質膜では樹脂成分の劣化によりプロトン伝導性が低下し、このため電圧が降下し、電池の性能が低下する問題があった。
さらに、比較的高温での使用に耐える固体高分子電解質膜としてプロトン伝導性を有する有機珪素化合物の加水分解物マトリックスとケイタングステン酸26水和物等のプロトン供与体とからなる無機または無機有機複合の固体高分子電解質膜が知られている。
しかしながら、以上のように提案されていた固体高分子電解質膜は、膜の形成性、膜の強度、膜の電導度等が不充分であったり、燃料の不透過性(燃料が膜を素通りしないこと:以下、クロスオーバー耐性と言うことがある)が不充分であったり、さらに電圧が低下すると電流密度が大きく低下する等、必ずしも満足しうるものではなかった。
また特許文献3の電解質膜では、膜の形成性、燃料の不透過性等は向上するものの実用上はさらに形成性、膜の強度、さらはプロトン伝導度の向上が求められていた。
このため、電解質膜の形成性、(破壊)強度、耐クロスオーバー性に優れるとともに、耐熱性等に優れ、さらに形成性、膜の強度、プロトン伝導性がいずれも高く、長期に使用しても高い電池特性を有する燃料電池用電解質膜の出現が望まれていた。
このような状況のもと、本発明者は上記問題点を解消すべく鋭意検討した結果、プロトン伝導性を有する有機珪素化合物とともにアルミナ粒子を含ませることで、上記問題点がいずれも解消した電解質膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、アルミナ粒子は、従来、触媒、担体、吸着剤、乾燥剤などの分野に使用されていた。しかしながら、通常、アルミナは分散性が低く、薄膜の形成性が困難で、得られる膜は燃料にクロスオーバーに問題があり、さらに加えて、プロトン伝導性も高くないので、本発明のような燃料電池用電解質に使用するという技術的思想は全くなかった。
これに対して、本発明者らは、シリカ粒子に替わるものとして鋭意検討した結果、特定の平均長さおよびアスペクト比を有するアルミナ粒子、特にアルミナ粒子を有機溶媒に分散させた分散液またはアルミナオルガノゾルを使用すれば、シリカ粒子を使用していたときと同程度の長期安定性、耐熱性を有するとともに、膜強度、膜成形性およびイオン伝導度に優れた電解質膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る電解質膜は、(i)有機珪素化合物から誘導され、プロトン伝導
性を有する加水分解物マトリックスと、(ii)アルミナ粒子とを含んでなり、
該アルミナ粒子の平均長さ(L)が10〜500nmの範囲にあり、断面の平均直径(D)が2〜20nmの範囲にあり、アスペクト比(L/D)が2〜200の範囲にある繊維状アルミナ粒子であることを特徴としている。
前記アルミナ粒子の電解質膜中の含有量が、Al23として5〜95重量%の範囲にあ
ることが好ましい。
さらに、平均粒子径が5〜500nmの範囲にあるシリカ粒子を含み、
電解質膜中のアルミナ粒子とシリカ粒子との合計含有量が、(Al23+SiO2)とし
て5〜95重量%の範囲にあることが好ましい。
アルミナ粒子とシリカ粒子の重量比が、SiO2/Al23として、2以下であることが
好ましい。
前記プロトン伝導性を有する有機珪素化合物が、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物から選択される1種以上であることが好ましい。
nSiX4-n (1)
〔ただし、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、水酸基、ハロゲン原子、水素原子、n:0〜3〕
前記置換炭化水素基が酸素を含む開環性官能基であることが好ましい。
さらに、プロトン供与体を含むことが好ましい。
プロトン供与体としては、H3PW1240・29H2O、H3PMo1240・29H2O、
HUO2PO4・4H2O、HUO2AsO4・4H2O、H4SiW1240・26H2O、Zr(HPO4)2・H2O、As(HPO4)2・H2Oからなる群から選ばれる少なくとも1種が好適である。
この電解質膜は、有機珪素化合物溶液および/またはその加水分解物分散液とアルミナオルガノゾルと、必要に応じてシリカオルガノゾルおよび/またはプロトン供与体との混合物とからなる電解質膜形成用塗料から形成されたものが好適である。
前記有機珪素化合物および/またはその加水分解物が開環性官能基を有し、かつ開環性官能基が開環重合してなり、
該有機珪素化合物・加水分解物が、アルミナオルガノゾル、シリカオルガノゾルと反応してなり、
有機珪素化合物の加水分解物および開環重合物が縮重合して立体網目構造を形成していることが好ましい。
本発明に係る燃料電池は、前記記載の電解質膜を具備してなることを特徴としている。
本発明によれば、形成性がよく、得られる電解質膜は(破壊)強度に優れ、さらにプロトン伝導性、メタノール等燃料の不透過性が向上し、熱的安定性等にも優れた電解質膜が得られる。この電解質膜は、従来のシリカ粒子を使用していたときと同程度の長期安定性、耐熱性を有するとともに、膜強度、膜成形性およびイオン伝導度に優れている。その結果、クロスオーバー耐性、熱安定性、耐久性に優れ、発電特性に優れた燃料電池を提供できる。
以下、先ず、本発明に係る電解質膜について説明する。
電解質膜
アルミナ粒子
本発明に用いるアルミナ粒子は、平均長さ(L)が10〜500nm、好ましくは15〜
300nmの範囲にあり、断面の平均直径(D)が2〜20nm、好ましくは3〜15nmの範
囲にあり、アスペクト比(L/D)が2〜200、好ましくは3〜100の範囲にある繊維状アルミナ粒子である。
アルミナ粒子の平均長さ、断面平均直径が前記範囲未満の場合は、得られる電解質膜の伝導度が不充分となることがある。
アルミナ粒子の平均長さ、断面平均直径が大きいと、やはり得られる電解質膜の伝導度が不充分となることがあり、また得られる電解質膜の細孔径が大きくなり燃料分子の不透過性が低下することがある。
このような繊維状アルミナ粒子は、一般的には公知のアルミナゾルから得ることができる。
アルミナゾル中の「アルミナ」とは、Al2O3・3H2O(アルミナ水和物)、Al2O3・H2O(
擬ベーマイト、ベーマイト)、Al2O3(アルミナ)などのいずれであってもよい。さらに
アルミナの場合は、γ、η、δ、ρ、χ、θ、κまたはα型のいずれの結晶形であってもよい。
このようなアルミナゾルの製造方法については、特開昭53-112299号公報、特開昭59-78925号公報、および特開平7-89717号公報に記載された方法を特に制限なく採用することが可能である。
繊維状粒子の平均長さおよび断面平均直径は、透過型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影し、
100個の粒子について、ノギスにて粒子の長さおよび幅を測定し、この平均値を用いる。
このようなアルミナ粒子は電解質膜中にAl23として5〜95重量%、さらには20
〜90重量%の範囲にあることが好ましい。
電解質膜中のアルミナ粒子の含有量が少ない場合は、膜の形成性を向上させたり膜の強度を向上させたり、さらに不透過性を向上させる効果が充分得られず、またプロトン伝導性が不充分となることがある。
電解質膜中のアルミナ粒子の含有量が多すぎても、マトリックス成分が少なすぎて膜の強度が低下したり、プロトン伝導性が不充分となることがある。
このような繊維状アルミナ粒子、特にアルミナゾルを乾燥してなる繊維状アルミナ粒子を含んでいると、膜形成性が高く、クラックが発生しにくく、破壊強度にも優れている。特に、従来より使用されていたシリカ粒子と比べても、著しく、膜形成性、膜強度が改良されるが、その理由は明確ではないものの、アルミナ粒子が繊維状であり、特にアルミナゾルを使用した場合は、繊維状のアルミナ粒子あるいはアルミナ粒子と有機珪素化合物との反応物とが相互に絡み合って接合し、このため、応力が集中しにくいとともに、均等に分散されると考えられる。さらに、アルミナ粒子を含んでいると、膜形成時に膜の収縮が起こりにくく膜形成性に優れている。
シリカ粒子
本発明では、上記アルミナ粒子とともに、シリカ粒子を併用することも可能である。シリカ粒子は通常、球状粒子が使用され、その平均粒子径が5〜500nm、さらには10〜200nmの範囲にあることが好ましい。
シリカ粒子の平均粒子径が、前記下限未満の場合は、得られる電解質膜の伝導度が不充分となることがある。
シリカ粒子の平均粒子径が前記上限を越えると、得られる電解質膜の伝導度が不充分となることがあり、また得られる電解質膜の細孔径が大きくなり燃料分子の不透過性が低下することがある。
このようなシリカ粒子としては、公知のものが使用され、たとえば、シリカゾルから得られたものが使用される。
電解質膜中のアルミナ粒子とシリカ粒子との合計含有量が、(Al23+SiO2)とし
て5〜95重量%、さらには20〜90重量%の範囲にあることが望ましい。
また、アルミナ粒子とシリカ粒子の重量比が、SiO2/Al23として、2以下、好ま
しくは1以下であることが望ましい。
シリカ粒子を含んでいると、プロトン伝導性が向上するとともに、電解質膜の空隙が抑制されるためかクロスオーバーを抑制することができる。
また、シリカ粒子の代わりに、シリカ・アルミナ粒子を使用することもできる。この場合、アルミナとシリカの合計量が前記範囲にあればよい。
[マトリックス]
本発明の電解質膜に用いるマトリックスは、有機珪素化合物の加水分解・重縮合物からなっている。このようなマトリックスは有機珪素化合物の加水分解物がシロキサン結合を形成すると同時に、アルミナ粒子・シリカ粒子表面の一部のOH基とも反応してシロキサン結合を形成して3次元網目構造を構成している。これらの構造の末端にOH基が存在し、このOH基によりプロトン伝導性が発現される。
本発明で用いる有機ケイ素化合物としては下記式(1)で表される有機ケイ素化合物から選択される1種以上であることが好ましい。
nSiX4-n (1)
〔ただし、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3〕
式(1)で表される有機珪素化合物としては、具体的に、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルジメト
キシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
このうち、前記置換炭化水素基が酸素を含む開環性官能基、たとえばグリシドキシ基、エポキシ基など、である有機珪素化合物が含まれていることが好ましい。このような有機珪素化合物として、例えばγ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
このような酸素を含む開環性官能基を有する有機珪素化合物は、Si−OH以外にも、酸素を含む置換炭化水素基が開環してOH基を生成しているので、高いプロトン伝導性を有する。開環したOH基同士は、縮重合して、3次元網目構造を形成していてもよい。
さらに、置換炭化水素基として、硫黄原子を含むもの(メルカプト基)を有するもの好適であり、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなども好ましい。メルカプト基の-SHは、酸化されてプロトン伝導性を持ったスルホン酸基を導入することが可能となる。
たとえば、本発明の電解質膜中には、下記式で示されるような構造を有しているものと思料される。
Figure 2006012448
このようなマトリックス成分は、電解質膜中にSiO2として5〜95重量%、さらには10〜80重量%の範囲にあることが好ましい。
[電解質膜]
本発明に係る電解質膜は、
前記有機珪素化合物から誘導された加水分解物マトリックスと、アルミナ粒子とを含んでなる。
本発明に係る電解質膜の膜厚は、0.01〜10mm、さらには0.05〜5mmの範囲にあることが好ましい。
電解質膜の膜厚が0.01mm未満の場合は、充分な膜の強度が得られず、加工の際に
クラックが入ったり、ピンホールが生じたりすることがある。
電解質膜の膜厚が10mmを越えると、プロトン伝導性が低下するとともに、充分な膜の強度が得られないことがある。
このような電解質膜には、さらに、必要に応じてプロトン供与体を含んでいてもよい。このようなプロトン供与体としては特に制限はなく従来公知のプロトン供与体を用いることができる。例えば、H3PW1240・29H2O、H3PMO1240・29H2O、HUO2
4・4H2O、HUO2AsO4・4H2O、H4SiW1240・26H2O、Zr(HPO42・H2O、As(HPO42・H2O等が挙げられる。
このようなプロトン供与体を含んでいると、H+が生成され、プロトンが増加し、プロ
トン伝導性が増大する。
電解質膜中のプロトン供与体を含む場合、プロトン供与体の含有量は0より多く60重量%以下、さらには0.0001〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
プロトン供与体の含有量が前記下限未満の場合は、プロトン伝導性の増加効果が不充分となることがある。プロトン供与体の含有量が多くても、マトリックス成分およびアルミナ粒子の含有量によってはプロトン伝導性がさらに向上する効果は得られないことがある。
なお、プロトン供与体を含む場合も、マトリックス成分およびアルミナ粒子の含有量は前記した範囲にあることが好ましい。
このように、本発明の電解質膜はOH基を有しており、OH基がプロトン伝導パスとして働き、プロトン伝導を助ける役割を果たす。通常、プロトン伝導膜は、水などの極性溶媒を含浸状態で使用されるが、分極性のあるH2Oが、電解質膜内を膨潤することにより
、H2Oは、OH-とH+に分かれ、そのH+がホッピング移動することにより、プトロン伝導性を示すものと思料される。
製造方法
つぎに、本発明に係る電解質膜は、プロトン伝導性を有する有機珪素化合物および/または有機珪素化合物加水分解物の水および/または有機溶媒溶液と、
アルミナオルガノゾルとの混合物からなる電解質膜形成用塗料から形成される。
さらに必要に応じて、シリカオルガノゾルおよび/またはプロトン供与体を含んでいてもよい。
有機珪素化合物加水分解物としては、前記した有機ケイ素化合物の有機溶媒溶液に水を加えて、必要に応じて、加水分解触媒である酸またはアルカリを加えて、加水分解して得られる加水分解物(部分加水分解物、加水分解・重縮合したものを含む)が使用される。これらは、必要に応じて洗浄、熟成等がされていてもよい。
さらに有機珪素化合物が、開環性官能基を有する場合、開環させてもよく、さらに、開環して生成したOH基を重縮合させてもよい。
さらに、プロトン伝導性を有する有機珪素化合物を加水分解することなく使用する場合、電解質膜形成用塗料に、該有機珪素化合物の加水分解触媒が含まれていてもよい。
有機溶媒としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよい。
酸またはアルカリとして、特に制限されるものではないが、容易に除去可能であるものが望ましく、アンモニア、アミンなどの有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸などの有機酸などが特に制限なく使用できる。
アルミナオルガノゾルとしては、前記したアルミナ粒子を有機溶媒に分散させたアルミナオルガノゾル、または、前記したアルミナ粒子が水に分散したアルミナ水ゾルの水を有機溶媒に置換したアルミナオルガノゾルが用いられる。このようなアルミナゾルは、公知であり、アルミン酸アルカリを中和したり、有機アルミニウム化合物を加水分解するとによって得られる。
シリカオルガノゾルとしては、前記したシリカ粒子を有機溶媒に分散させたシリカオルガノゾルまたは前記したシリカ粒子が水に分散したシリカ水ゾルの水を有機溶媒で置換したシリカオルガノゾルが用いられる。シリカ水ゾルとしては、本願出願人の出願による特開昭63−45114号公報、特開昭63−64911号公報に開示したシリカゾルはシリカ粒子径が均一であり、安定性に優れているので好適に用いることができる。
また、本発明で使用されるアルミナゾル、シリカゾルは、たとえば、触媒化成工業(株)製カタロイドシリーズとして上市されたものを使用することができる。

なお、本発明では水分散ゾルを用いることもできるが、有機溶媒に分散したオルガノゾルを用いると、プロトン伝導性を有するマトリックス成分中での分散が向上し、プロトン伝導性に優れた電解質膜を得ることができる。
また、有機珪素化合物を加水分解する際に、アルミナオルガノゾル、必要に応じてシリカオルガノゾルを混合し、これに水を加えて、加水分解して得られる加水分解物を使用すると、膜の強度や燃料分子の不透過性、プロトン伝導性等に優れた電解質膜を得ることができる。オルガノゾルを構成する有機溶媒としては上記したものが挙げられる。オルガノゾルは水分散を溶媒置換することで調製できる。
以上のような有機珪素化合物および/または有機珪素化合物の加水分解物、有機溶媒、アルミナゾル、必要に応じて用いる、シリカゾル、プロトン供与体の配合割合は、得られる電解質膜中の各成分の含有量が前記した範囲となるように、公知の混合手段で混合すれば、電解質膜形成用塗料が調製できる。電解質膜形成用塗料は、混合後、必要に応じて、熟成してもよい。熟成時間は特に制限されるものではないが、0.5〜30時間であればよい。この熟成を行うことによって。プロトン伝導度の高い電解質膜を得ることができる。その理由は明確ではないものの、有機珪素化合物とアルミナ粒子との反応が進んだり、有機珪素化合物の開環重縮合が進んだり、さらには不均一な状態が熟成していくうちに、均一になったりしているものと思料される。熟成温度としては特に制限されるものはないが、通常、常温〜80℃の範囲にあることが望ましい。
電解質膜形成用塗料の合計固形分濃度は2〜50重量%、さらには5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。電解質膜形成用塗料の濃度が2重量%未満の場合は塗布法にもよるが、1回の塗布で所望の膜厚の電解質膜が得られないことがあり、電解質膜形成用塗料の濃度が50重量%を越えると塗料の粘度が高くなり塗料化が困難であり、得られたとしても塗布法が制限されたり、得られる電解質膜の強度が不充分となることがある。
また本発明で使用される塗料は、脱イオン処理を行ったり、必要に応じて濃縮あるいは希釈して用いることもできる。
上記した電解質膜形成用塗料を用いて電解質膜を形成するが、形成方法としては、充分な発電性能および膜の強度等を有していれば特に制限はないが、例えば剥離製の良い型枠、例えばテフロン(登録商標)製の型枠に塗料を充填した後、乾燥、加熱処理等を施すことによって得ることができる。
また、後述するガス拡散層および触媒層としての機能を有する一対の多孔質電極、つまり燃料極または酸化剤極基板上に電解質膜形成用塗料をスプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法などの方法で、基板上に塗布した後、乾燥、加熱処理等を施すことによっても得ることができる。
さらに、相溶しない溶媒上に、塗料を展開し、塗料中の溶媒を除去することで、電解質
膜を形成することも可能である。
このようにして得られる電解質膜は、膜厚が0.01〜10mm、さらには0.05〜5mmの範囲にあることが好ましい。
つぎに、本発明に係る燃料電池について説明する。
燃料電池
本発明に係る燃料電池は、上記した電解質膜を使用することを特徴としている。
具体的には、上記した電解質膜と、この両側に配置される一対のガス拡散電極(燃料極および酸化剤極(空気極とも言う))とから構成され、燃料極と酸化剤極とで電解質膜を狭持するとともに、両極の外側に燃料室および酸化剤室を構成する溝付きの集電体を配したものを単位セルとし、このような単位セルを、冷却板やセパレータ等を介して複数層積層することによって構成される。
ガス拡散電極は、通常、触媒粒子を担持させた導電性材料を、必要に応じて疎水性樹脂結着剤で保持させた多孔質体シートからなる。また、導電性材料と疎水性樹脂結着剤とからなる多孔質体シートの電解質膜接触面に触媒粒子層を設けたものであってもよい。
このようなガス拡散電極の一対で、電解質膜を狭持し、ホットプレスなどの公知の圧着手段により、圧着される。
触媒としては、水素の酸化反応および酸素の還元反応の触媒作用を有するものであれば良く、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属またはそれらの合金から選択することができる。
導電性材料としては電子伝導性物質であればよく、例えば炭素材料として公知のファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックの他、活性炭、黒鉛、また各種金属も使用可能である。
疎水性樹脂結着剤としては、例えばフッ素を含む各種樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、パーフルオロスルホン酸等が挙げられる。
また、結着剤として、プロトン伝導性の有機珪素化合物またはその加水分解物・さらに重縮合物を用いることも可能である。
また、ガス拡散電極が電解質膜と接する反対の面に、前記疎水性樹脂結着剤からなるガス拡散層が設けられていてもよい。ガス拡散層は、多孔質材料とフッ素ポリマーを少なくとも含む。
触媒の担持量は、触媒層シートを形成した状態で0.01〜5mg/cm2であり、より好ま
しくは0.1〜1mg/cm2であればよい。
電気伝導性多孔質材料は、比表面積として、100〜2000m2/gで有ることが、
充分な透過性を得る上で好ましい。また、ガス拡散電極の平均細孔直径は、0.01〜1
μmであることが好ましい。
本発明に係る燃料電池では、燃料室(燃料極)に水素などの燃料を供給し、酸化剤室(
空気極)に空気(酸素)を供給し、電極反応により電気を発生させる。
燃料としては、水素の他に、メタノール、ジメチルエーテル、天然ガス、ナフサ、石炭ガス化ガス、都市ガス、LPGなど、燃料電池に使用される燃料を特に制限なく採用するこ
とができる。水素以外のものは水素に改質して使用することも可能であり、さらに、メタノールは直接使用することも可能である。
たとえば、水素を使用する場合、以下の反応式によって反応が進み、電気が発生する。
燃料極(アノード):H2 → 2H+ + 2e-
空気極(カソード):2H+ + 1/2 O2 + 2e- → 2H2
また、電解質膜が高いイオン伝導性を維持するためには、常に加湿されている必要があり、必要に応じて燃料電池には加湿手段が設けられていてもよい。なお、電解質膜中に結晶水を含む酸化物が存在している場合、必ずしも加湿する必要はない。
加湿手段としては、特に制限されるものではなく、電解質膜を湿潤させるように、ラインを設けたり、燃料自体を改質器など通して一定水分量となるように加湿させてもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
電解質膜(A)の調製
アルミナ粉末(触媒化成工業(株)製:AP−5、平均長さ120nm、平均断面直径12nm
、Al23含有量75重量%)をイソプロピルアルコールに分散させ、アルミナオルガノ
ゾル(Al23濃度20重量%)を調製した。
このアルミナオルガノゾル5.8gにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.35gを加え、室温で30分攪拌した。これにプロトン供与体としてケ
イタングステン酸26水和物(STA)0.15gを添加し、ついで水2.66gを加えて加水分解し、3時間攪拌して、電解質膜形成用塗料(A)を調製した。
電解質膜形成用塗料(A)を10cm×10cmのテフロン(登録商標)製枠型に充填し
、60℃で3日間乾燥した後、2×2cm(厚さ0.3mm)で切り出し、温度150℃
、プレス圧力2MPa、30秒間の条件でホットプレスし、厚さが約0.18mmの電解質膜(A)を得た。
膜の形成性の評価
電解質膜(A)を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
膜の厚さが均一で、表面は平滑で微細なクラックがない : ◎
膜の厚さは均一で、表面にザラツキがあるが微細なクラックがない : ○
膜の厚さが不均一で、微細なクラックが認められる : △
膜の破壊が生じた。 : ×
破壊強度試験
電解質膜形成において、温度150℃で30秒間ホットプレス際の圧力を順次1MPa、
2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPaと変え、このときのクラックの発生圧力、破壊圧力
を調べ、結果を表に示した。
イオン導電性の評価
電解質膜(A)を温度80℃、相対湿度(RH)80%の環境下に置き、インピーダンス
アナライザーを用いて周波数を5〜106Hzの範囲で変化させて測定した。
単位セル(A)の作成
白金含有量がPtとして40重量%の白金担持カーボン粒子にエチルアルコールおよび
水(50:50)を加えペースト状にし、これをテトラフルオロエチレンで撥水処理したカーボン紙(東レ(株)製)2枚に、各々白金担持カーボン粒子が0.50mg/cm2
なるように塗布し、100℃で12時間乾燥してガス拡散電極2枚を作製した。この2枚の拡散電極を、正極および負極とし、両極の間に電解質膜(A)を挟み、プレス圧力2MPa、120℃で60秒間ホットプレスし、ガス拡散電極と電解質膜(A)とを張り合わせて単位
セル(A)を作製した。
評価
単位セル(A)とセパレータを燃料電池単セル評価装置に組み込み、さらに恒温・恒湿装置の中に入れ、燃料極に200ml/minの水素ガス、酸化剤極に200ml/minの空気を流入し、常圧、湿度80%、アノード加湿温度90℃、カソード加湿温度80℃の雰囲気中で単セルのV-I特性試験(電圧-電流密度の相関関係)を行った。結果を表1に示す。
また、耐熱性試験として、アノード加湿温度、カソード加湿温度を120℃に上げてV-I特性試験を行い、電流密度80mA/cm2の時の電圧を求めた。結果を表1に示す。
[実施例2]
電解質膜(B)の調製
アルミナ粉末(触媒化成工業(株)製:AP−5、長さ120nm、平均断面直径12nm、Al23含有量75重量%)をイソプロピルアルコールに分散させ、アルミナオル
ガノゾル(Al23濃度20重量%)を調製した。
このアルミナオルガノゾル3.32gに、シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SN-
50、SiO2濃度20.6重量%、平均粒子径25nm)をイソプロピルアルコールで溶媒置換して得たシリカオルガノゾル(SiO2濃度20重量%)1.75gを混合し、ついでγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.50gを加え、室温で30分攪拌した。これにプロトン供与体としてケイタングステン酸26水和物(STA)0.15gを添加し、ついで水2.66gを加えて加水分解し、3時間攪拌して、電解質膜形成用塗料(B)を調製した。
電解質膜形成用塗料(B)を10cm×10cmのテフロン(登録商標)製枠型に充填し
、60℃で3日間乾燥した後、2×2cm(厚さ0.3mm)で切り出し、温度150℃
、プレス圧力2MPa、30秒間の条件でホットプレスし、厚さが約0.18mmの電解質
膜(B)を得た。電解質膜(B)について、実施例1と同様にして膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を調べ、結果を表1に示した。
単位セル(B)の作成
電解質膜(B)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(B)を作製した。
評価
単位セル(B)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例3]
電解質膜(C)の調製
実施例2において、電解質膜中のアルミナ粒子の含有量が20重量%、シリカ粒子の含有量が21重量%となり、プロトン供与体の含有量が9重量%となるように、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.83g、アルミナオルガノゾル(Al23濃度20重量%)1.66g、実施例2と同じシリカオルガノゾル(SiO2濃度
20重量%)1.75g、ケイタングステン酸26水和物(STA)0.15gを用いた
以外は実施例2と同様にして電解質膜形成用塗料(C)を調製し、電解質膜(C)を得た。
電解質膜(C)について、実施例1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験およびイオ
ン導電性を調べ、結果を表に示した。
単位セル(C)の作成
電解質膜(C)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(C)を作製した。
評価
単位セル(C)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例4]
電解質膜(D)の調製
実施例2において、電解質膜中のアルミナ粒子の含有量が20重量%、シリカ粒子の含有量が41重量%となり、プロトン供与体の含有量が9重量%となるように、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.5g、アルミナオルガノゾル(Al23濃度20重量%)1.66g、実施例2と同じシリカオルガノゾル(SiO2濃度2
0重量%)3.4g、ケイタングステン酸26水和物(STA)0.15gを用いた以外
は実施例2と同様にして電解質膜形成用塗料(D)を調製し、ついで電解質膜(D)を得た。電解質膜(D)について、実施例1と同様に膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を
調べた。結果を表1に示した。
単位セル(D)の作成
電解質膜(D)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(D)を作製した。
評価
単位セル(D)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例5]
電解質膜(E)の調製
実施例2において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.5gの代わりにγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)0.5gを用い、また、アルミナ粉末として、触媒化成工業(株)製、AP-1、平均長さ40nm、平均断面直径4nm、Al23含有量75重量%)をイソプロピルアルコールに分散させ、調製したアルミナオルガノゾル(Al23濃度20重量%)を用いた以外は、実施例2と同様にして
、電解質膜形成用塗料(E)を調製し、電解質膜(E)を得た。電解質膜(E)について、実施例
1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を調べた。結果を表1に示した。
単位セル(E)の作成
電解質膜(E)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(E)を作製した。
評価
単位セル(E)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[実施例6]
電解質膜(F)の調製
実施例5において、プロトン供与体としてのケイタングステン酸26水和物(STA)の代わりにモリブドリン酸29水和物(PMA)0.15gを添加した以外は同様にして電解質膜(F)を得た。電解質膜(F)について、実施例1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を調べた。
結果を表1に示した。
単位セル(F)の作成
電解質膜(F)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(F)を作製した。
評価
単位セル(F)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[比較例1]
電解質膜(G)の調製
イソプロピルアルコール2.0gにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(G
PTMS)1.51gを加え、室温で30分攪拌した。これにプロトン供与体としてケイ
タングステン酸26水和物(STA)0.15gを添加し、ついで水2.66gを加えて加水分解し、3時間攪拌して、電解質膜形成用塗料(G)を調製した。
電解質膜膜形成用塗料(G)を10cm×10cmのテフロン(登録商標)製枠型に充填
し、60℃で3日間乾燥した後、2×2cm(厚さ0.3mm)で切り出し、温度150
℃、プレス圧力2MPa、30秒間の条件でホットプレスし、厚さ約0.18mmの電解質
膜(G)を得た。電解質膜(G)について、実施例1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を調べた。結果を表1に示した。
単位セル(G)の作成
電解質膜(G)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(G)を作製した。
評価
単位セル(G)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[比較例2]
電解質膜(H)の調製
比較例1において、有機ケイ素化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)1.51g用いた以外は同様にして電解質膜形成用塗料(H)を調製し、ついで電解質膜(H)を得た。電解質膜(H)について、実施例1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を調べた。結果を表1に示した。
単位セル(H)の作成
電解質膜(H)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(H)を作製した。
評価
単位セル(H)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[比較例3]
電解質膜(I)の調製
比較例2において、プロトン供与体としてケイタングステン酸26水和物(STA)0.15gの代わりにモリブドリン酸29水和物(PMA)0.15g用いた以外は同様にして電解質膜形成用塗料(I)を調製し、ついで電解質膜(I)を得た。電解質膜(I)について、
実施例1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験およびイオン導電性を調べた。結果を表1に示した。
単位セル(I)の作成
電解質膜(I)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(I)を作製した。
評価
単位セル(I)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
[比較例4]
電解質膜(J)の調製
比較例1において、電解質膜中のシリカ粒子の含有量が40重量%となり、プロトン供与体の含有量が9重量%となるように、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.84g、実施例2と同じシリカオルガノゾル(SiO2濃度20重量%)3.32g、ケイタングステン酸26水和物(STA)0.15gを用いた以外は同様に
して電解質膜形成用塗料(J)を調製し、ついで電解質膜(J)を得た。
すなわち、アルミナ粒子を含まない塗料を調製した。
得られた電解質膜(J)について、実施例1と同様にして、膜の形成性、破壊強度試験お
よびイオン導電性を調べた。結果を表1に示した。
単位セル(J)の作成
電解質膜(J)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(J)を作製した。
評価
単位セル(J)について、V-I特性試験および耐熱性試験を行い、結果を表1に示した。
Figure 2006012448

Claims (11)

  1. (i)有機珪素化合物から誘導され、プロトン伝導性を有する加水分解物マトリックスと
    、(ii)アルミナ粒子とを含んでなり、
    該アルミナ粒子の平均長さ(L)が10〜500nmの範囲にあり、断面の平均直径(D)が2〜20nmの範囲にあり、アスペクト比(L/D)が2〜200の範囲にある繊維状アルミナ粒子であることを特徴とする電解質膜。
  2. 前記アルミナ粒子の電解質膜中の含有量がAl23として5〜95重量%の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の電解質膜。
  3. さらに、平均粒子径が5〜500nmの範囲にあるシリカ粒子を含み、
    電解質膜中のアルミナ粒子とシリカ粒子との合計含有量が、(Al23+SiO2)とし
    て5〜95重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の電解質膜。
  4. アルミナ粒子とシリカ粒子の重量比が、SiO2/Al23として、2以下であることを
    特徴とする請求項3に記載の電解質膜。
  5. 前記有機珪素化合物が、下記式(1)で表される有機珪素化合物から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解質膜。
    nSiX4-n (1)
    〔ただし、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、水酸基、ハロゲン原子、水素原子、n:0〜3〕
  6. 前記置換炭化水素基が酸素を含む開環性官能基であることを特徴とする請求項5に記載の電解質膜。
  7. さらに、プロトン供与体を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電解質膜。
  8. プロトン供与体が、H3PW1240・29H2O、H3PMo1240・29H2O、HUO2PO4・4H2O、HUO2AsO4・4H2O、H4SiW1240・26H2O、Zr(HPO4)2・H2O、As(HPO4)2・H2Oからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項7に記載の電解質膜。
  9. 有機珪素化合物溶液および/またはその加水分解物分散液とアルミナオルガノゾルと、必要に応じてシリカオルガノゾルおよび/またはプロトン供与体との混合物とからなる電解質膜形成用塗料から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電解質膜。
  10. 前記有機珪素化合物および/またはその加水分解物が開環性官能基を有し、かつ開環性官能基が開環重合してなり、
    該有機珪素化合物・加水分解物が、アルミナオルガノゾル、シリカオルガノゾルと反応してなり、
    有機珪素化合物の加水分解物および開環重合物が縮重合して立体網目構造を形成していることを特徴とする請求項9に記載の電解質膜。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電解質膜を具備してなることを特徴とする燃料電池。
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JP2007217541A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Nissan Motor Co Ltd 長短無機粒子複合体を含む樹脂組成物およびその製造方法

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