JP2007149642A - 固体高分子形燃料電池用電解質材料とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な分布と安定性を持ち、寸法安定性とガスバリア性に優れる固体高分子形燃料電池用電解質材料を提供する。
【解決手段】プロトン伝導性材料(3)とセラミックス粒子材料(2)を含む固体高分子形燃料電池用電解質材料(1)であって、セラミックス粒子材料(2)は、粒子間結合による自己造膜性を有する。これにより、均一な分布と構造を持つ支持体を内包するプロトン伝導性電解質膜を得ることができ、内包する無機フィラーが電解質膜の構造を保持するために、加湿しても大きな形状変化を示さず、加湿・乾燥の繰り返しにおける電解質膜上に形成された触媒層の剥離を抑制でき、さらに高温運転における電解質膜の乾燥が抑制され、より高温での発電性能の向上効果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用電解質材料とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池に関するものである。
固体高分子形燃料電池はプロトン伝導性を有する固体高分子膜を電解質とし、この膜の両面に燃料極及び空気極を接合して構成され、燃料極に水素、空気極に酸素あるいは空気を供給して電気化学反応により発電するシステムである。各電極では下記反応が起こっている。
燃料極:H2 → 2H+ + 2e-
空気極:(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2
全反応:H2 + (1/2)O2 → H2
これらの反応式からわかるように、発電時に生成するのは水のみである。燃料電池は次世代のクリーンエネルギーシステムの一つとして注目されている。
そして、固体高分子形燃料電池は、メタノールを燃料として供給しても発電させることが可能であり、この場合は特にメタノール直接燃料電池と呼ばれる。各電極では下記反応が起こっている。
燃料極:CH3OH+H2O→6H++6e-+CO2
空気極:(3/2)O2+6H++6e-→3H2
全反応:CH3OH+(3/2)O2→2H2O+CO2
固体高分子形燃料電池は、電解質膜としてプロトン伝導性高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層を配置し、ついでその両面に電極基材を配置し、更にこれをセパレータで挟んだ構造をしている。電解質膜の両面に触媒層を配置したもの(即ち、触媒層/電解質膜/触媒層の層構成のもの)は、電解質膜−触媒層接合体(略称:CCM)と称されており、さらに、その電解質膜−触媒層接合体の両面に電極基材を配置したもの(即ち、電極基材/触媒層/電解質膜/触媒層/電極基材の層構成のもの)は、電解質膜−電極接合体(略称:MEA)と称されている。
プロトン伝導性高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このようなプロトン伝導性高分子電解質膜の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。
これらのパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマーは、上記のとおり電解質膜として高い性能を示すが、一方で、コストが高いという問題がある。また、80℃以上の高温域においては著しい劣化がみられたり、電解質膜の乾燥によりプロトン伝導性が著しく低下したりするといった不具合もみられる。さらに、含水により膨潤して大きな寸法変化を示すために、起動・停止(加湿・乾燥)の繰り返しにおいて電解質膜上に形成した触媒層が剥離するという問題も生じる。これらの欠点を補うために、高分子電解質膜に高分子繊維や無機粒子などのフィラーを埋め込むことで、高温条件下での保水性を増したり、寸法変化を抑制したりという工夫が提案されている(例えば特許文献1〜2)。
特開2003−157862号公報 特開平6−111827号公報
しかし、高分子電解質膜の内部にフィラーを埋め込むことにより、耐熱性の向上や機械強度の向上、保水性の向上など一定の性能向上が見られる一方で、フィラー成分が凝集したり、電解質膜内部に不均一に分布したりすることにより、期待された性能が十分に発揮されていない可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するため、均一な分布と強固な構造を持ち、寸法安定性とガスバリア性の高い固体高分子形燃料電池用電解質材料とこれを用いた電解質膜−触媒層接合体及び電解質膜−電極接合体、並びに燃料電池を提供する。
本発明の固体高分子形燃料電池用電解質材料は、プロトン伝導性材料とセラミックス粒子材料を含む固体高分子形燃料電池用電解質材料であって、前記セラミックス粒子材料は、粒子間結合による自己造膜性があることを特徴とする。
本発明の電解質膜−触媒層接合体は、前記電解質材料の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層が形成されていることを特徴とする。
本発明の電解質膜−電極接合体は、前記電解質材料の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層と電極基材からなる電極が形成されていることを特徴とする。
本発明の燃料電池は、前記電解質膜−電極接合体を用いた燃料電池である。
本発明によれば、均一な分布と構造を持つ支持体を内包するプロトン伝導性電解質膜を得ることができる。また、内包する無機フィラーが電解質膜の構造を保持するために、加湿に際して大きな形状変化を示すことがなく、加湿・乾燥の繰り返しにおける電解質膜上に形成された触媒層の剥離を抑制できる。さらに、保水性の高い無機フィラーを用いることにより、高温運転における電解質膜の乾燥が抑制され、より高温での発電性能の向上効果が得られる。また、自己造膜性のある無機フィラーにより高いガスバリア性が発現し、燃料あるいは酸化剤のクロスリークによる発電性能の低下を抑制できる。さらに、液体燃料を用いる直接メタノール燃料電池での使用においても、アノード側からカソード側へのメタノール水溶液のクロスオーバーを抑制し、発電性能の低下を防ぐ効果を示す。
本発明において、セラミックスの粒子間結合による自己造膜性があるとは、例えばシリカ表面のシラノール基同士が脱水縮合してシロキサン結合(-Si-OH + HO-Si- → -Si-O-Si-,但しSiは4価であるが2価を省略している。)を形成し、粒子間が結合することをいう。その結果、粒子自体で造膜性を有する。
前記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は、前記電解質材料の2重量%〜50重量%の範囲であることが好ましく、前記プロトン伝導性材料は前記電解質材料の50重量%〜98重量%の範囲であることが好ましい。セラミックス粒子材料が2重量%未満では、強固な構造と寸法安定性とガスバリア性の改善はそれほど高くはならない。また、セラミックス粒子材料が50重量%を超えると、プロトン伝導性が低下する傾向となる。
前記プロトン伝導性材料は、フッ素系プロトン伝導性高分子材料、炭化水素系プロトン伝導性材料、無機プロトン伝導性材料、有機−無機ハイブリッドプロトン伝導性材料、およびこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。フッ素系プロトン伝導性高分子材料は、ナフィオン(商品名)、フレミオン(商品名)、アシプレックス(商品名)等がある。炭化水素系プロトン伝導性材料はりん酸含浸ポリベンズイミダゾール(PBI)、アルキルスルホン酸含浸ポリベンズイミダゾール(PBI)、スルホン化4-フェノキシベンゾイル-1,4-フェニレン(SPPBP)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(SPEEK)、スチレン−エチレン/ブチレン/エチレンブロック共重合体等がある。無機プロトン伝導性材料としては、酸化タングステンや酸化スズの水和物などの金属水和酸化物、SiO2-H3PO4やSiO2-TiO2-P2O5などの多元系シリカ、TiO2-H3PO4などの金属リン酸化合物、リンタングステン酸やリンモリブデン酸などのヘテロポリ酸複合体、CsHSO4やCsH2PO4などの無機酸素酸塩などが例示できる。有機-無機ハイブリッド材料としては、シリカとポリエチレンオキシド(PEO)やポリプロピレンオキシド(PPO)、またはポリテトラメチレンオキシド(PTMO)などのポリエーテルポリマーからなるハイブリッド材料や、さらにこれらにタングストリン酸などの固体酸を添加したものが例として挙げられる。
前記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は、平均粒子径が0.10μm〜10.00μmの範囲の鱗片状シリカであることが好ましい。鱗片状、すなわち扁平な円盤状の粒子であると、平面方向に配列しやすく、プロトン伝導性材料と混合してキャスト成膜する際に成膜性が良好となる。また、シリカはシロキサン結合による自己造膜性がある。また、平均粒子径が前記の範囲であると成膜しやすい。
前記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は、前記プロトン伝導性材料により厚さ0.01μm〜1.00μmで覆われていることが好ましい。プロトン伝導性を高く維持できるからである。
以下、本発明に係る固体高分子形燃料電池用電解質膜及びその製造方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、自己造膜性のあるセラミックス粒子材料2およびプロトン伝導性材料3からなる電解質膜1の断面を示す模式図である。上記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料の懸濁液と上記プロトン伝導性材料の溶液を攪拌、混合した液を図示しない基板表面上にコーティングし、乾燥することにより上記電解質膜が得られる。上記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料の懸濁液と上記プロトン伝導性材料の溶液の混合、攪拌において、スターラーや超音波照射、ボールミルなどの公知の方法を用いることができる。また、上記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料の懸濁液と上記プロトン伝導性材料の溶液を混合、攪拌した液の基板上へのコーティングにおいて、ナイフコートやグラビアコート、バーコート、スクリーン印刷など公知の方法を用いることができる。また、上記基板としては、ガラスやアルミナなどの公知のセラミックスからなる基材やポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルムなど、公知のポリマーフィルムなど、上記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料およびプロトン伝導性材料からなる電解質膜が乾燥後に該基材から剥離することが可能な材質であれば、いかなる材質の基材でも用いることができる。また、成膜処理は枚葉で行ってもよいし、長尺の基材フィルム上に連続的にコーティングすることにより任意の長さの長尺の膜を成膜してもよい。
上記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は、上記プロトン伝導性材料により薄くコーティングされており、その厚さは約0.01μm〜約1.00μmである。上記プロトン伝導性材料層の厚さが約1.00μmを超えると、上記セラミックス粒子材料の粒子同士の間に働く相互作用が上記プロトン伝導性材料層により阻害され自己造膜性が弱まり効果が抑制されてしまう。また、上記プロトン伝導性材料層の厚さが約0.01μm未満になると、上記プロトン伝導性材料中のプロトン伝導が阻害されプロトン伝導率の低減による性能低下が見られる。このように、上記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料が自己造膜性を示し、かつ上記セラミックス粒子材料を覆うプロトン伝導性材料が十分なプロトン伝導率を示すには、上記セラミックス粒子材料を覆う上記プロトン伝導性材料の厚さが、適切な領域にある必要がある。
図2は、図1に示す本発明の電解質膜1を用いた電解質膜−触媒層接合体の断面を示す模式図である。図2に示すように、電解質膜1の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層4,4’が形成されている。
図3は本発明の一実施形態における電解質膜−電極接合体の断面図である。電解質膜1の上に触媒層4と電極基材5とからなる燃料極6が配置され、前記電解質膜1の下には触媒層4’と電極基材7とからなる空気極8が配置されている。そして、これらの両外側にさらにリブ付きセパレータおよび集電体(図示せず)が配置されることによって、単セル(燃料電池)が構成される。プロトンは燃料極6から電解質膜1内を通過して空気極8に流れる。また、電子は燃料極6から外部回路を介して空気極8に流れる。これにより燃料極6と空気極8との間に電気が流れる。
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(1)電解質膜の作製
無機フィラーとして、洞海化学工業社の鱗片状シリカ水スラリー("サンラブリーLFS"(商品名):HN−050、固形分約14重量%)を使用した。プロトン伝導性材料としてDuPont社の5重量%"Nafion"(商品名)溶液を使用した。組成は、乾燥重量比で"サンラブリーLFS"(商品名)が10重量%、"Nafion"(商品名)が90重量%となるように仕込んだ。
"サンラブリーLFS"(商品名)分散液と"Nafion"(商品名)溶液を混合し、マグネチックスターラーによる撹拌と超音波攪拌を繰り返すことで均一な分散液を作製した。得られた分散液を50−80℃で加熱しながらマグネチックスターラーで攪拌し、分散媒を蒸発させながら粘度を調整した。得られた高粘度分散液をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基板上にキャスティングし、約100℃の乾燥オーブン内で静置・乾燥することにより電解質膜を成膜した。得られた電解質膜は厚さ約110μmであり、白色透明であった。
(2)加湿時の寸法変化率測定
得られた膜を長方形に切り出し、室温で蒸留水に浸漬することで十分に加湿し、加湿による寸法変化率を評価した。加湿前後の長さを測定することで次式により寸法変化率を算出した。
[{(加湿後の長さ)−(加湿前の長さ)}÷(加湿前の長さ)]×100(%)
室温(25℃)で蒸留水に浸漬した電解質膜の寸法変化率は、110%であった。市販品の"Nafion117"(商品名)膜について同様に測定した寸法変化率は、120%であった。
電解質膜は、加湿時における寸法変化率が"Nafion117"膜に比べて小さく、寸法安定性に優れるといえる。無機フィラーとして用いた鱗片状シリカが膜内で強固なマトリックスを形成することによる効果と考える。その結果として、燃料電池の起動・停止の際の膜の湿潤・乾燥に伴う寸法変化が抑制されることにより、電極触媒層の剥離など電解質膜−電極接合体の破損を抑制する効果が期待できる。
(3)加湿時のプロトン伝導率測定
得られた膜を長方形に切り出し、室温で蒸留水に浸漬することで十分に加湿し、インピーダンスアナライザーを用いて膜の伝導率を測定した。その結果、25℃−100%RHにおける電解質膜の伝導率は0.06S/cmであった。これは、"Nafion117"膜の伝導率0.08S/cmに比べて25%低い。電解質膜内の鱗片状シリカのマトリックスがプロトン伝導を阻害する要因になりうると考えられるが、一方で、高温耐性や保湿性、形状安定性などの性能向上が達成できるのであれば、伝導率の低下は問題にはならないといえる。
(4)発電性能評価(メタノール燃料)
電解質膜−触媒層接合体および電解質膜−電極接合体の作製:上記(1)にて作製した厚さ約110μmの電解質膜の両面に、触媒(田中貴金属製Pt/C(TEC10E50E)、Pt-Ru/C(TEC61E54))および電解質バインダー(DuPont社、5重量%”Nafion”(商品名)溶液)からなる触媒層を形成した。具体的には、一対の基材フィルム上に上記触媒および電解質バインダーからなる触媒層を形成した触媒転写フィルムで電解質膜を挟持し、熱プレス(温度:135−150℃、圧力:4−6MPa)により電解質膜上に触媒層を転写・形成した。さらに、上記電解質膜−触媒層接合体を一対のガス拡散層(東レ社製、カーボンペーパー)で挟持し、電解質膜−電極接合体を形成した。上記電解質膜−電極接合体を燃料および酸化剤を供給するための流路を持つセパレータおよび集電体で挟持し、単セルを構成した。アノード極は3mg−Pt−Ru/cm2、カソード極は1mg−Pt/cm2とした。
燃料として6重量%メタノール水溶液(4mL/min)、酸化剤として乾燥空気(80mL/min)をそれぞれ燃料極と空気極に供給し、室温(30℃)で上記電解質膜−電極接合体の直接メタノール燃料電池の発電性能を評価した。
得られた電流−電圧曲線を図4に示す。開放起電力は約650mV、最大出力密度は16mW/cm2が得られた。
比較例として、約200μmの厚みを有する"Nafion117"膜を用いた単セルを同様に評価したところ、本実施例と大きな差異は見られなかった。つまり、低電流密度領域はメタノールのクロスオーバーの影響でセル電位の低下が見られる領域であるが、上記本実施例の電解質膜の厚さは約110μmで、"Nafon117"膜の厚さ(約200μm)の約半分であるにもかかわらず、比較例に対しセル電位に差異が見られなかった。これは、上記電解質膜が"Nafion117"膜に比べてメタノール透過阻止能が高いことを示している。
(5)発電性能評価(水素ガス燃料)
電解質膜−触媒層接合体および電解質膜−電極接合体の作製:上記(1)にて作製した厚さ約110μmの電解質膜の両面に、触媒(田中貴金属製Pt/C(TEC10E50E)、Pt−Ru/C(TEC62E58))および電解質バインダー(DuPont社、5重量%”Nafion”(商品名)溶液)からなる触媒層を形成した。具体的には、一対の基材フィルム上に上記触媒および電解質バインダーからなる触媒層を形成した触媒転写フィルムで電解質膜を挟持し、熱プレス(温度:135−150℃、圧力:4−6MPa)により電解質膜上に触媒層を転写・形成した。さらに、上記電解質膜−触媒層接合体を一対のガス拡散層(東レ社製、カーボンペーパー)で挟持し、電解質膜−電極接合体を形成した。そして、上記電解質膜−電極接合体を燃料および酸化剤を供給するための流路を持つセパレータおよび集電体で挟持し、単セルを構成した。アノード極は1.2mg−Pt−Ru/cm2、カソード極は0.5mg−Pt/cm2とした。
燃料として水素ガス(0.1NLM、露点80℃)、酸化剤として空気(0.5NLM、露点70℃)をそれぞれ燃料極と空気極に供給し、80℃で上記電解質膜−電極接合体の水素燃料電池の発電性能を評価した。得られた開放起電力は約1.02Vであった。なお、上記「NLM」とは、normal liter per minuteのことを指す。
比較例として、約125μmの厚みを有する"Nafion115"膜を用いた単セルを同様に評価したところ、開放起電力は0.99Vであった。上記本実施例では、電解質膜の厚さは約110μmであり、"Nafon115"膜の厚さ(約125μm)に比べて12%薄いにもかかわらず、比較例に比べ30mVも高い開放起電力が得られた。これは、上記電解質膜が"Nafion115"膜に比べて燃料ガスおよび酸化剤ガスのクロスリークに対するバリア性に優れることを示している。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の一実施形態における電解質膜の断面図である。 同、電解質膜−触媒層接合体の概略をあらわす断面図である。 同、電解質膜−電極接合体の概略をあらわす断面図である。 本発明の一実施例と比較例の電解質膜を用いた燃料電池の電流−電圧曲線を示す図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 セラミックス粒子材料
3 プロトン伝導性材料
4,4’ 触媒層
5,7 電極基材
6 燃料極
8 空気極

Claims (8)

  1. プロトン伝導性材料とセラミックス粒子材料を含む固体高分子形燃料電池用電解質材料であって、
    前記セラミックス粒子材料は、粒子間結合による自己造膜性があることを特徴とする固体高分子形燃料電池用電解質材料。
  2. 前記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は前記電解質材料の2重量%〜50重量%の範囲であり、前記プロトン伝導性材料は前記電解質材料の50重量%〜98重量%の範囲である請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電解質材料。
  3. 前記プロトン伝導性材料は、フッ素系プロトン伝導性高分子材料、炭化水素系プロトン伝導性材料、無機プロトン伝導性材料、有機−無機ハイブリッドプロトン伝導性材料、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電解質材料。
  4. 前記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は、平均粒子径が0.10μm〜10.00μmの範囲の鱗片状シリカである請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電解質材料。
  5. 前記自己造膜性のあるセラミックス粒子材料は、前記プロトン伝導性材料により厚さ0.01μm〜1.00μmで覆われている請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電解質材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質材料の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層が形成されていることを特徴とする電解質膜−触媒層接合体。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質材料の両面に、それぞれ触媒粒子および電解質バインダーからなる触媒層と電極基材からなる電極が形成されていることを特徴とする電解質膜−電極接合体。
  8. 請求項7に記載の電解質膜−電極接合体を用いた燃料電池。
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