JP2006010006A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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茂明 福島
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Abstract

【課題】
動力伝達部の組立性を向上させると共に、ガタツキのない安定した嵌合状態を得ることができる車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】
車輪用軸受1と、この車輪用軸受1に分離可能に結合された外側継手部材13とからなる車輪用軸受装置において、内輪部材7の内周に複数の軸方向溝21が形成されると共に、この軸方向溝21に対向する複数の軸方向溝22が外側継手部材13のステム19の外周に形成され、さらに、軸方向溝21に係合する凸条23aを有し、内周に複数の軸方向溝23bが形成されたスリーブ23が内輪部材7に内嵌され、両軸方向溝間に形成される円筒状の空間に複数のボール24を圧入して、このボール24およびスリーブ23を介して外側継手部材13の回転を内輪部材7に伝達したので、ステム19の圧入力を格段に低減させることができ、分解・組立作業の簡便化を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、エンジン動力を車輪に伝達する動力伝達部の改良に関する。
自動車等の動力伝達系は、ドライブシャフトの回転を駆動車輪に伝達するために、通常、摺動型の等速自在継手と固定型の等速自在継手からなる一対の等速自在継手が組み込まれている。固定型の等速自在継手は、動力伝達軸としてのステムが一体に形成された外側継手部材を有し、このステムの外周に形成されたセレーション(またはスプライン)がハブ輪のセレーション(またはスプライン)に嵌合され、セレーションを介して外側継手部材の回転がハブ輪に伝達される。
ここで、セレーションの嵌合部に回転方向のガタがあると振動や騒音が発生すると共に、嵌合部のフレッティング摩耗を誘発して好ましくない。したがって、セレーションの嵌合部のガタを詰める方法として、セレーションを圧入する方法が一般的に用いられている。この圧入による嵌合には、ステム外周に形成されるセレーションの歯のピッチ円上における厚みを、ハブ輪の内周に形成されるセレーションの溝のピッチ円上における溝幅よりも大きくする方法や、ステム側のセレーションを軸心に対して傾斜させる方法が知られている。
この種の圧入による嵌合は円周方向のシメシロによって圧入力が増大し、組立に手間がかかるという問題がある。この問題を解決したものとして図5に示すような車輪用軸受装置が既に提案されている。この車輪用軸受装置は、車体(図示せず)に取り付けられる外方部材50と、駆動車輪(図示せず)が取り付けられるハブ輪51、およびこのハブ輪51に内嵌される外側継手部材52とからなる内方部材53と、両部材間に収容された複列のボール54とからなる。
外方部材50は、外周に車体取付フランジ50bを一体に有し、内周に複列の外側転走面50a、50aが形成されている。ハブ輪51は、一端部に車輪取付フランジ55を一体に有し、外周に前記複列の外側転走面50a、50aの一方に対向する内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる円筒状の小径段部51bが形成され、内周にセレーション56が形成されている。
等速自在継手57は、外側継手部材52と継手内輪58とケージ59およびトルク伝達ボール60とを備えている。そして、外側継手部材52は、カップ状のマウス部61と、このマウス部61の底部をなす肩部62と、この肩部62から軸方向に延びる中実のステム63を有している。このステム63の外周には、前記小径段部51bに内嵌される小径段部64と、この小径段部64から軸方向に延びるセレーション65が形成されている。
内方部材53は、ハブ輪51と、このハブ輪51の小径段部51bに突合せ状態に内嵌された外側継手部材52を指し、この外側継手部材52の外周に前記複列の外側転走面50a、50aの他方に対向する内側転走面52aが形成されている。複列のボール54、54がこれら転走面50a、51aと50a、52a間にそれぞれ収容され、保持器66、66によって転動自在に保持されている。
ここで、セレーション65は、盗み溝67によって第1歯部65aと第2歯部65bとに分割されている。これら第1歯部65aと第2歯部65bは、図6(c)に示すように、ピッチ円上における厚みtが、ハブ輪51のセレーション56の溝幅wよりも小さく、また、図6(a)に示すように、セレーション65の円周方向に角度δだけ位相をずらして形成されている。そして、図6(b)に示すように、第1歯部65aに続く第2歯部65bがセレーション56の溝に挿入される時、第1歯部65aと第2歯部65bの相反する側面が圧接される。これにより、ハブ輪51のセレーション56にステム63のセレーション65を挿入する際の圧入力を抑えることができると共に、嵌合部にガタのない安定した接続状態を得ることができる。
特開2001−003947号公報
こうした従来の車輪用軸受装置では、ハブ輪51のセレーション56にステム63のセレーション65を挿入する際の圧入力を抑えることができると共に、嵌合部にガタのない安定した接続状態を得ることができるが、圧入力が低減するのは初期の段階、すなわち、第1歯部65aの圧入時のみで、第2歯部65bを挿入する際には、第1歯部65aとの位相差に相当する圧入力が必要である。また、回転方向に応じて、第1歯部65aと第2歯部65bの一方に回転トルクが負荷される構造のため、所望の伝達トルクを得るにはセレーション65の全長をある程度長く形成する必要が生じ、装置の軽量・コンパクト化の障害となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、動力伝達部の組立性を向上させると共に、ガタツキのない安定した嵌合状態を得ることができる車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受、およびこの車輪用軸受にトルク伝達可能に、かつねじ手段を介して分離可能に結合された外側継手部材を有する等速自在継手とからなる車輪用軸受装置において、前記内方部材の内周に複数の軸方向溝が形成されると共に、この軸方向溝に対向する複数の軸方向溝が前記外側継手部材のステムの外周に形成され、これら両軸方向溝間に形成される円筒状の空間に複数の転動体を収容し、この転動体を介して前記外側継手部材の回転を前記内方部材に伝達するようにした構成を採用した。
このように、車輪用軸受、およびこの車輪用軸受にトルク伝達可能に、かつねじ手段を介して分離可能に結合された外側継手部材を有する等速自在継手とからなる車輪用軸受装置において、内方部材の内周に複数の軸方向溝が形成されると共に、この軸方向溝に対向する複数の軸方向溝が外側継手部材のステムの外周に形成され、これら両軸方向溝間に形成される円筒状の空間に複数の転動体を収容し、この転動体を介して外側継手部材の回転を内方部材に伝達するようにしたので、内方部材に圧入されるステムの圧入力を格段に低減させることができ、分解・組立作業の簡便化を図ることができる。したがって、車輪用軸受装置における動力伝達部の組立性を向上させると共に、ガタツキのない安定した嵌合状態を得ることができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記円筒状の空間に極圧添加剤を含む潤滑グリースが封入され、前記転動体が所定のシメシロを介して圧入されているので、フレッティング摩耗と発錆を防止できると共に、ステムの圧入力をさらに低減させることができ、ガタツキのない安定した嵌合状態を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記内方部材の軸方向溝に係合する凸条と、内周に複数の軸方向溝が形成され、表面が硬化されたスリーブが前記内方部材の内周に嵌合され、当該スリーブを介してトルクが伝達されるので、組立性が向上すると共に、内方部材の硬化処理を削減でき低コスト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記ステムが前記内方部材に所定の径方向すきまを介して円筒嵌合されているので、車輪用軸受と外側継手部材の同軸度を高めると共に、車輪用軸受に大きなモーメント荷重が負荷されてもこの嵌合部で支持することができ、装置の剛性を増大させ耐久性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記内方部材が、一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪に嵌合される内輪または円筒状の内輪部材とからなり、前記ハブ輪または内輪部材のどちらか一方を塑性変形させて両部材を一体に結合しているので、軽量・コンパクト化な車輪用軸受を提供することができると共に、装置の分解・組立性を一層簡便にすることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受、およびこの車輪用軸受にトルク伝達可能に、かつねじ手段を介して分離可能に結合された外側継手部材を有する等速自在継手とからなり、前記内方部材の内周に複数の軸方向溝が形成されると共に、この軸方向溝に対向する複数の軸方向溝が前記外側継手部材のステムの外周に形成され、これら両軸方向溝間に形成される円筒状の空間に複数の転動体を収容し、この転動体を介して前記外側継手部材の回転を前記内方部材に伝達するようにしたので、内方部材に圧入されるステムの圧入力を格段に低減させることができ、分解・組立作業の簡便化を図ることができる。したがって、車輪用軸受装置における動力伝達部の組立性を向上させると共に、ガタツキのない安定した嵌合状態を得ることができる。
外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち一方の内側転走面と、内周に硬化した凹凸部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち他方の内側転走面が形成された円筒状の内輪部材とからなる内方部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記内輪部材に形成された嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と内輪部材とが一体に塑性結合されている車輪用軸受、およびこの車輪用軸受にトルク伝達可能に、かつねじ手段を介して分離可能に結合された外側継手部材を有する等速自在継手とからなる車輪用軸受装置において、前記内輪部材の内周に複数の軸方向溝が形成されると共に、この軸方向溝に対向する複数の軸方向溝が前記外側継手部材のステムの外周に形成され、さらに、前記内輪部材の軸方向溝に係合する凸条を有し、内周に複数の軸方向溝が形成されたスリーブが前記内輪部材の内周に嵌合され、前記両軸方向溝間に形成される円筒状の空間に複数のボールが所定のシメシロを介して収容され、このボールおよび前記スリーブを介して前記外側継手部材の回転を前記内輪部材に伝達した。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のII−II線に沿った横断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は、車輪用軸受1と、この車輪用軸受1にトルク伝達可能に内嵌された等速自在継手2とを備えている。車輪用軸受1は、外方部材3と内方部材4、および両部材間に収容された複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。外方部材3はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ3bを一体に有し、内周に複列の外側転走面3a、3aが形成されている。そして、これら外側転走面3a、3aの表面には高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。
内方部材4は、ハブ輪6と、このハブ輪6に一体結合された内輪部材7とからなる。ハブ輪6はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ8を一体に有し、外周に前記外方部材3の複列の外側転走面3a、3aに対向するアウトボード側の内側転走面6aと、この内側転走面6aから軸方向に延びる小径段部6bが形成されている。また、内周には凹凸部9が形成され、高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。
なお、凹凸部9はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、あるいは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。また、凹凸部9の凸部は良好な食い込み性を確保するために、その先端部が三角形状等の尖塔形状に形成されている。
一方、内輪部材7はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に前記外方部材3の外側転走面3a、3aに対向するインボード側の内側転走面7aと、この内側転走面7aから軸方向に延び、前記ハブ輪6の小径段部6bに所定のシメシロを介して圧入されるインロウ部7bと、このインロウ部7bの端部に嵌合部7cが形成されている。そして、複列の転動体5、5がこれら転走面3a、6aと3a、7a間にそれぞれ収容され、保持器10、10によって転動自在に保持されている。また、車輪用軸受1の端部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ハブ輪6の外周において、アウトボード側のシール11のシールリップが摺接するシールランド部、内側転走面6a、および小径段部6bの表面には高周波焼入れによって硬化層が形成されている。一方、内輪部材7の外周において、インボード側のシール12が嵌合される外径、内側転走面7a、インロウ部7bの表面、および後述する外側継手部材13の肩部18が当接する端面には高周波焼入れによって硬化層が形成されている。また、嵌合部7cは、鍛造後の素材表面硬さ24HRC以下の未焼入れ部とし、前記ハブ輪6における凹凸部9の表面硬さ54〜64HRCとの硬度差を30HRC以上に設定されている。
ここで、内輪部材7がハブ輪6の小径段部6bの端面に突き合わせ状態になるまで内嵌されると共に、内輪部材7の嵌合部7cにマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部7cを拡径し、この嵌合部7cをハブ輪6の凹凸部9に食い込ませて加締め、ハブ輪6と内輪部材7とが一体に塑性結合されている。これにより、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、長期間その予圧量を維持することができる車輪用軸受1を提供することができる。
等速自在継手2は、外側継手部材13と継手内輪14とケージ15およびトルク伝達ボール16とを備えている。外側継手部材13は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部17と、このマウス部17の底部をなす肩部18と、この肩部18から軸方向に延びる中空のステム19を有している。このステム19の外周には、前記内輪部材7に所定の径方向すきまを介して円筒嵌合される小径段部19aと、この小径段部19aから軸方向に延びる軸部19bが一体形成され、また、内周には雌ねじ20が形成されている。また、外側継手部材13の外周において、内輪部材7の端面に当接する肩部18と、小径段部19aおよび軸部19bの表面に高周波焼入れによって硬化層が形成されている。
ここでは、ステム19の小径段部19aが内輪部材7に所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するように構成されているので、車輪用軸受1と外側継手部材13の同軸度を高めると共に、車輪用軸受1に大きなモーメント荷重が負荷されてもこの小径段部19aで支持することができ、装置の剛性を増大させ耐久性を向上させることができる。
本実施形態では、図2に示すように、内輪部材7の内周には断面が円形の複数の軸方向溝21が形成されている。一方、外側継手部材13の軸部19bの外周には、この軸方向溝21に対向する断面が円形の複数の軸方向溝22が形成されている。ここで、内輪部材7の内周には鋼板製のスリーブ23が嵌合されている。このスリーブ23は、外周に前記内輪部材7の軸方向溝21に係合する凸条23aが形成され、内周に軸部19bの軸方向溝22に対向し、断面が円形の複数の軸方向溝23bが形成されている。そして、両軸方向溝22、23b間に形成される円筒状の空間には複数のボール24が所定のシメシロを介して収容されている。
スリーブ23は、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて形成され、浸炭焼入れ等により表面に58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。そして、前記複数のボール24が収容される円筒状の空間内には極圧添加剤入りの潤滑グリースが封入され、フレッティング摩耗と発錆を防止している。予めスリーブ23にこの潤滑グリースを塗布し、複数のボール24をその粘性によって保持することにより、組立性が向上すると共に、内輪部材7における内周の高周波焼入れを省略することができ低コスト化を図ることができる。
このように、外側継手部材13の回転は、複数のボール24およびスリーブ23を介して内輪部材7に伝達され、最終的にハブ輪6の車輪取付フランジ7に取付けられた駆動車輪に伝達される。ここでは、内輪部材7の内周にスリーブ23が嵌合され、このスリーブ23を介して外側継手部材13の回転を内輪部材7に伝達するようにしたが、内輪部材7の軸方向溝21の表面に硬化層を形成し、この軸方向溝21と軸部19の軸方向溝22間に直接ボール24を収容しても良い。なお、軸方向溝22、23bは断面が円形のものを例示したが、これに限らず、ゴシックアーチ状に形成されていても良い。
車輪用軸受1と外側継手部材13は、ステム19の内周に形成された雌ねじ20に螺合する固定ボルト25によって軸方向に分離可能に結合されている。ここで、ボール24が脱落するのを防止するために、一端が前記円筒状の空間の開口部に対峙し、他端がワッシャ27に当接する閉塞部材26が介装されている。この閉塞部材26は、PA(ポリアミド)66等の合成樹脂からなり、射出成形により円筒状に成形されている。なお、図示はしないが、軸部19bを延長して外周に雄ねじを形成し、この雄ねじに固定ナットを螺合させて結合するようにしても良い。
本実施形態では、内方部材4を構成する内輪部材7の内周に複数の軸方向溝21が形成されると共に、外側継手部材13の軸部19bの外周に、この軸方向溝21に対向する複数の軸方向溝22が形成され、さらに、外周に内輪部材7の軸方向溝21に係合する凸条23a、内周に軸方向溝23bがそれぞれ形成されたスリーブ23が内輪部材7の内周に嵌合され、両軸方向溝22、23b間に形成される円筒状の空間に複数のボール24を収容して、このボール24およびスリーブ23を介して外側継手部材13の回転を内輪部材7に伝達するようにしたので、内輪部材7に圧入されるステム19の圧入力を格段に低減させることができ、分解・組立作業の簡便化を図ることができる。したがって、車輪用軸受装置における動力伝達部の組立性を向上させると共に、ガタツキのない安定した嵌合状態を得ることができる。
なお、本実施形態では、車輪用軸受1として、ハブ輪6と内輪部材7とをユニット化して構成した、所謂第3世代構造を例示したが、本発明に係る車輪用軸受は、その構造に拘わらず、例えば、内側転走面が形成されていないハブ輪に一対の内輪が圧入された第1、第2世代の構造であっても良い。
図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図4は、図3のIV−IV線に沿った横断面図である。なお、前述した実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この車輪用軸受28は、外方部材3と内方部材29と、および両部材3、29間に転動自在に収容された複列の転動体5、5とを備えている。内方部材29は、ハブ輪30と、このハブ輪30に外嵌された別体の内輪31とからなる。ハブ輪30は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ8を一体に有し、この車輪取付フランジ8の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト32が植設されている。
また、ハブ輪30の外周には内側転走面6aと、この内側転走面6aから軸方向に延びる円筒状の小径段部30aが形成されている。そして、外周に内側転走面7aが形成された内輪31がこの小径段部30aに圧入され、さらに、小径段部30aの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部30bにより、ハブ輪30に対して内輪31が軸方向へ抜けるのを防止している。
ハブ輪30は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、アウトボード側の内側転走面6aをはじめ、シール11が摺接するシールランド部、および小径段部30aに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。こうした硬化層によりハブ輪30の強度が向上すると共に、内輪31の嵌合面におけるフレッティング摩耗が抑制されて耐久性が向上する。なお、加締部30bは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。一方、内輪31は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。本実施形態は、このようなセルフリテイン構造を採用しているので、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、車両への組込性を簡便にすることができると共に、長期間その予圧量を維持することができる。
等速自在継手2を構成する外側継手部材13は、内方部材29にトルク伝達可能に内嵌されている。本実施形態では、図4に示すように、内方部材29を構成するハブ輪30の内周に断面が円形の複数の軸方向溝33が形成され、高周波焼入れによって表面に硬化層が形成されている。一方、外側継手部材13の軸部19bの外周には、この軸方向溝33に対向し、断面が円形の複数の軸方向溝22が形成されている。そして、両軸方向溝33、22間に形成される円筒状の空間には複数の針状ころ34が所定のシメシロを介して収容されている。この円筒状の空間内には極圧添加剤入りの潤滑グリースが封入され、フレッティング摩耗と発錆を防止している。このように、外側継手部材13の回転は、複数の針状ころ34を介してハブ輪30に伝達される。なお、軸方向溝33は断面が円形のものを例示したが、これに限らず、ゴシックアーチ状に形成されていても良い。
車輪用軸受28と外側継手部材13は、ステム19の内周に形成された雌ねじ20に螺合する固定ボルト35によって軸方向に分離可能に結合されている。なお、36は、針状ころ34が脱落するのを防止する閉塞部材で、一端が前記円筒状の空間の開口部に対峙し、他端が固定ボルト35の段付き部35aに当接している。この閉塞部材36は、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて円板状に形成されている。
なお、ここでは、ハブ輪30の外周に直接内側転走面6aが形成された第3世代と呼称される車輪用軸受28を例示したが、本発明に係る車輪用軸受はこうした構造に限定されず、例えば、ハブ輪の小径段部に一対の内輪を圧入した、第1世代あるいは第2世代構造であっても良い。
本実施形態では、内方部材29を構成するハブ輪30の内周に複数の軸方向溝33が形成されると共に、外側継手部材13の軸部19bの外周に、この軸方向溝33に対向する複数の軸方向溝22が形成され、両軸方向溝33、22間に形成される円筒状の空間に複数の針状ころ34を圧入して、この針状ころ34を介して外側継手部材13の回転をハブ輪30に伝達するようにしたので、ハブ輪30に圧入されるステム19の圧入力を格段に低減させることができ、分解・組立作業の簡便化を図ることができる。また、前述したトルク伝達手段としてのボール24に比べ、それぞれの軸方向溝33、22との接触が線接触となるため伝達容量が格段に増大し、その分、一層装置の軽量・コンパクト化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、車輪用軸受と、この車輪用軸受にトルク伝達可能に結合された等速自在継手とを備えていれば、車輪用軸受および等速自在継手の構造・仕様に拘わらず、あらゆる構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1のII−II線に沿った横断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図3のIV−IV線に沿った横断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 (a)は、図5のVI−VI線に沿った横断面図である。 (b)は、セレーションのピッチ円上における縦断面図である。 (c)は、(b)のイ−イ線に沿った横断面図である。 (d)は、(b)のロ−ロ線に沿った横断面図である。
符号の説明
1、28・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
2・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
3・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
3a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
3b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
4、29・・・・・・・・・・・・・内方部材
5・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
6、30・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
6a、7a・・・・・・・・・・・・内側転走面
6b、19a、30a・・・・・・・小径段部
7・・・・・・・・・・・・・・・・内輪部材
7b・・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
7c・・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
8・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
9・・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
10・・・・・・・・・・・・・・・保持器
11、12・・・・・・・・・・・・シール
13・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
14・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
16・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
17・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
18・・・・・・・・・・・・・・・肩部
19・・・・・・・・・・・・・・・ステム
19b・・・・・・・・・・・・・・軸部
20・・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ
21、22、23b、33・・・・・軸方向溝
23・・・・・・・・・・・・・・・スリーブ
23a・・・・・・・・・・・・・・凸条
24・・・・・・・・・・・・・・・ボール
25、35・・・・・・・・・・・・固定ボルト
26、36・・・・・・・・・・・・閉塞部材
27・・・・・・・・・・・・・・・ワッシャ
31・・・・・・・・・・・・・・・内輪
32・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
34・・・・・・・・・・・・・・・針状ころ
50・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
50a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
50b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
51・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、52a・・・・・・・・・・内側転走面
51b、64・・・・・・・・・・・小径段部
52・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
53・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
54・・・・・・・・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
56、65・・・・・・・・・・・・セレーション
57・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
58・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
59・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
60・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
61・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
62・・・・・・・・・・・・・・・肩部
63・・・・・・・・・・・・・・・ステム
65a・・・・・・・・・・・・・・第1歯部
65b・・・・・・・・・・・・・・第2歯部
66・・・・・・・・・・・・・・・保持器
67・・・・・・・・・・・・・・・盗み溝
t・・・・・・・・・・・・・・・・ステム側セレーションのピッチ円上の歯厚
w・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪側セレーションのピッチ円上の溝幅
δ・・・・・・・・・・・・・・・・位相角

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備えた車輪用軸受、
    およびこの車輪用軸受にトルク伝達可能に、かつねじ手段を介して分離可能に結合された外側継手部材を有する等速自在継手とからなる車輪用軸受装置において、
    前記内方部材の内周に複数の軸方向溝が形成されると共に、この軸方向溝に対向する複数の軸方向溝が前記外側継手部材のステムの外周に形成され、これら両軸方向溝間に形成される円筒状の空間に複数の転動体を収容し、この転動体を介して前記外側継手部材の回転を前記内方部材に伝達したことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記円筒状の空間に極圧添加剤を含む潤滑グリースが封入され、前記転動体が所定のシメシロを介して圧入されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記内方部材の軸方向溝に係合する凸条と、内周に複数の軸方向溝が形成され、表面が硬化されたスリーブが前記内方部材の内周に嵌合され、当該スリーブを介してトルクが伝達される請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ステムが前記内方部材に所定の径方向すきまを介して円筒嵌合されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記内方部材が、一端に車輪取付フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪に嵌合される内輪または円筒状の内輪部材とからなり、前記ハブ輪または内輪部材のどちらか一方を塑性変形させて両部材を一体に結合している請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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