JP2006009888A - 建設機械の油圧制御回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ネガティブコントロールラインGに、油圧ポンプ11の流量を低下させるためのポンプ流量低下信号圧を油圧ポンプの容量可変装置11aに出力する電磁比例圧力制御弁27を接続し、重量物の下動に抗する外力が働いていないと判別された場合に、コントローラ28から電磁比例圧力制御弁27に対してポンプ流量低下信号圧出力の制御信号が出力されるように構成すると共に、該ポンプ流量低下信号圧は、エンジン回転数の高低に対応して増減制御されるように構成した。
【選択図】 図2
Description
ところで、前記ブームを空中で下動させる場合、該ブームにかかっている重量(フロントアタッチメントにかかっている総重量)がシリンダを縮小させる力として作用するため、ヘッド側油室の圧力はロッド側油室の圧力よりも高圧となる。そこで従来、ブームの下動時にヘッド側油室からの排出油を再生油としてロッド側油室に供給する再生用回路を設け、ヘッド側油室の圧力がロッド側油室の圧力よりも高圧のあいだは油圧ポンプからの供給圧油に加えて上記再生油がロッド側油室に供給されるように構成し、これによりロッド側油室が減圧状態になることなくブームシリンダの下動速度を速くすることができると共に、ブームシリンダと圧油供給源を共用する他の油圧アクチュエータ(例えばバケットシリンダ)との連動操作時に、再生によって得られた余剰のポンプ流量を他の油圧アクチュエータに供給できるようにしたものがある。
一方、建設機械に設けられる可変容量型の油圧ポンプの流量制御の一つとして、ネガティブコントロール信号圧に基づいて油圧ポンプの吐出流量を増減させる、所謂ネガティブ流量制御が広く知られている。該ネガティブ流量制御は、例えば前記ブームシリンダの場合で説明すると、ブーム用操作具の操作に基づいてブームシリンダへの油供給排出制御を行う制御バルブに、センタバイパス油路が通るセンタバイパス用弁路を形成すると共に、該センタバイパス用弁路は、ブーム用操作具が操作されていないときに開度量が最大で、ブーム用操作具の操作量が大きくなるほど開度量が小さくなるように設定される。前記センタバイパス油路は、油圧ポンプから制御バルブのセンタバイパス用弁路を通り、さらにネガティブリリーフ弁を経由して油タンクに至る油路であって、該センタバイパス油路のネガティブリリーフ弁の入口側の流量は、ネガティブコントロール信号圧として油圧ポンプの容量可変手段に導かれる。このネガティブコントロール信号圧は、センタバイパス油路の流量が最大のとき、つまり操作具が操作されていないときに最も高圧となり、操作具の操作量が大きくなってセンタバイパス油路の流量が少なくなるほど低圧となるが、油圧ポンプの容量可変手段は、ネガティブコントロール信号圧が高圧のときにはポンプ流量を少なくし、低圧になるほどポンプ流量を増加させるように流量制御する。これにより、油圧ポンプの流量は、操作具が操作されていない状態では最小となり、操作具の操作量が大きくなるに従い増加するように制御される。
ところで、前述した再生用回路が設けられているブームシリンダの油圧制御回路において、ブームを空中で下動させる場合、ロッド側油室にはヘッド側油室からの再生油が供給されるため、油圧ポンプからロッド側油室への圧油供給は殆ど不要となる。しかるに、前述したネガティブ流量制御では、ブーム用操作具の操作量に対応してポンプ流量が増加するから、該増加したポンプ流量が無駄となる。そこで、ブーム用操作具を下動側に操作したときのブーム用制御バルブのセンタバイパス用弁路の開度量を大きく設定して、ブーム下動側に操作したときの油圧ポンプの吐出流量を小さくし、これにより再生油を最大限有効に利用することが提唱される。
しかしながら、ブームを下動させてバケットで土を転圧する転圧作業を行う場合や、ブームを下動させながらバケットによる斜面の法切り作業を行うような場合にはブームの下動に抗する外力が作用するため、ブームシリンダのロッド側油室に油圧ポンプからの高圧の圧油を供給する必要がある。この様な場合、前述したようにブーム用操作具を下動側に操作したときのブーム用制御バルブのセンタバイパス用弁路の開度量を大きく設定してあると、油圧ポンプの吐出流量が足らなくなって、転圧作業や法切り作業の作業能率が著しく低下するという問題が生じる。
そして、この様にすることにより、重量物の下動に抗する外力が働いていない状態で重量物を下動させる場合には、圧力制御弁からポンプ流量低下信号圧が出力されて油圧ポンプの吐出流量が少なくなり、再生油を最大限利用し得て省エネルギー化を達成できる一方、重量物の下動に抗する外力が働いている場合には、操作具の操作量に対応したネガティブコントロール信号圧により油圧ポンプの流量制御がなされることになって、例えばブームを下動させて転圧作業や斜面の法切り作業を行うような場合には、これら作業を行うのに十分な吐出流量を確保できる。
請求項2の発明は、請求項1において、再生用回路に、該再生用回路を開閉する開閉弁を設ける一方、コントローラは、重量物の下動に抗する外力が働いていないと判別され、且つ、再生用回路が開いている場合に、圧力制御弁に対してポンプ流量低下信号圧を出力するよう制御信号を出力することを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、再生用回路が開いていない場合には圧力制御弁からポンプ流量低下信号圧が出力されないことになり、而して、再生用回路が開いていない状態でポンプ流量が低下して油圧シリンダの重量非保持側油室への供給油量が不足してしまうような不具合を回避できる。
請求項3の発明は、請求項1乃至2において、油圧制御回路は、油圧シリンダと圧油供給源を共用する他の油圧アクチュエータを備える一方、コントローラは、油圧ポンプから前記他の油圧アクチュエータに圧油供給されている場合、重量物の下動に抗する外力が働いていないと判別されても、圧力制御弁に対してポンプ流量低下信号圧出力の制御信号を出力しないことを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、油圧シリンダと圧油供給源を共用する他の油圧アクチュエータに圧油供給されている場合には圧力制御弁からポンプ流量低下信号圧が出力されないことになり、而して、他の油圧アクチュエータとの連動操作時においてポンプ流量が低下して他の油圧アクチュエータの作業効率が低下してしまうような不具合を回避できる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかにおいて、重量物の下動に抗する外力が働いているか否かの判別は、油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段からコントローラに入力される信号に基づいて行うことを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、重量物の下動に抗する外力が働いているか否かの判別を簡単に行うことができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかにおいて、コントローラは、エンジン回転数を判別するエンジン回転数判別手段からの信号を入力する一方、圧力制御弁は、コントローラからの制御信号に基づいて出力信号圧が増減する圧力制御サーボ弁で構成され、さらにコントローラは、エンジン回転数判別手段から入力されるエンジン回転数の高低に対応して圧力制御弁から出力されるポンプ流量低下信号圧を増減せしめるように制御することを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、エンジンが低回転数のときであっても油圧シリンダに供給されるポンプ流量が少なくなりすぎてしまうことなく、またエンジンが高回転数のときであっても再生油量を最大限利用できることになる。
尚、図4において、QAcはリリーフ弁22bが作動するときのセンタバイパス油路Aの流量であって、該流量QAc以下のときのセンタバイパス油路Aの流量QAとネガティブコントロール信号圧PNとの関係は、図4に示されるような2次曲線となる。
この場合、電磁比例圧力制御弁27から出力されるポンプ流量低下信号圧PLは、ブームシリンダ8と圧油供給源を共有する他の油圧アクチュエータ用の制御バルブ16、15、17が中立位置Nに位置し、且つブーム用制御バルブ14が縮小側作動位置Yに位置しているときのネガティブコントロール信号圧PNよりも高くなるように制御される。而して、該ポンプ流量低下信号圧PLがシャトル弁26において選択されて容量可変装置11aに入力されるが、この場合、ポンプ流量低下信号圧PLはネガティブコントロール信号圧PNよりも高圧のため、容量可変装置11aは、ネガティブコントロール信号圧PNが入力された場合よりも流量が少なくなるように油圧ポンプ11の流量制御を行う。
また、本実施の形態では、油圧アクチュエータへの油供給排出制御を行う制御バルブ14、15、16、17がパイロット操作式のものであるため、操作具操作に基づいて出力されるパイロット圧の検出により油圧アクチュエータが操作されているか否かを判断する構成となっているが、例えば、操作具の操作量を電気的に検出し、該検出値に基づいて電磁式制御バルブを作動せしめる構成のものにおいては、操作具の操作量を検出する電気信号によって、油圧アクチュエータが操作されているか否かの判断を行うことができる。
この結果、ブーム5の単独での空中下動時における油圧ポンプ11の吐出流量を十分に小さくすることができ、その分、開位置Xの再生用開閉弁25の開度量を大きくすると共に、縮小側作動位置Yのブーム用制御バルブ14の排出用弁路14cの開度量を小さくして、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからロッド側油室8bに供給される再生油量を増加させることができ、而して再生油を最大限有効に利用できることになって省エネルギー化を達成できる。
尚、エンジン回転数は、アクセルダイヤル34によって設定された回転数に近づくようにエンジン用コントローラ33により制御される。
尚、前記図8、図9において、前述した第一の実施の形態と同一のものについては、同一の符号を附すと共に説明を省略した。また、図1、図3、図4、図5、図6は第一の実施の形態のものを共用する。
尚、前記第二の実施の形態では、アクセルダイヤルの設定値によってエンジン回転数を判別する構成になっているが、これに限定されることなく、例えば、エンジン回転数を検出する回転数検出センサを設け、該回転数検出センサの検出値をコントローラに入力するように構成しても良い。
さらに、前記第一、第二の実施の形態では、重量物を上下動せしめるための油圧シリンダとしてブームシリンダを例示したが、本発明は、スティックシリンダやバケットシリンダ等、重量物を上下動せしめる各種油圧シリンダの油圧制御回路に実施できる。
8a ヘッド側油室
8b ロッド側油室
10 バケットシリンダ
11 油圧ポンプ
11a 容量可変装置
14 ブーム用制御バルブ
20 ブーム用操作具
23 再生用回路
25 再生用開閉弁
27 電磁比例圧力制御弁
28 コントローラ
29 ポンプ用圧力センサ
34 アクセルダイヤル
G ネガティブコントロールライン
Claims (5)
- 上下動自在な重量物を、重量保持側油室への油供給および重量非保持側油室からの油排出で上動させ、重量非保持側油室への油供給および重量保持側油室からの油排出で下動させるよう伸縮作動する油圧シリンダと、
該油圧シリンダの圧油供給源となる可変容量型の油圧ポンプと、
操作具操作に基づいて前記油圧シリンダの両油室に対する圧油供給排出制御を行う制御バルブと、
重量保持側油室からの排出油を重量非保持側油室に供給する再生用回路と、
前記操作具の操作量の増減に対応して油圧ポンプの流量を増減させるべくネガティブコントロール信号圧を油圧ポンプの容量可変手段に出力するネガティブコントロールラインとを備えた建設機械の油圧制御回路において、
前記ネガティブコントロールラインに、油圧ポンプの流量を低下させるためのポンプ流量低下信号圧を前記ネガティブコントロール信号圧に代えて油圧ポンプの容量可変手段に出力する圧力制御弁を接続すると共に、
前記重量物の下動操作時に、該重量物の下動に抗する外力が働いているか否かを判別し、重量物の下動に抗する外力が働いていないと判別された場合に、前記圧力制御弁に対してポンプ流量低下信号圧を出力するよう制御信号を出力するコントローラを設けたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。 - 請求項1において、再生用回路に、該再生用回路を開閉する開閉弁を設ける一方、コントローラは、重量物の下動に抗する外力が働いていないと判別され、且つ、再生用回路が開いている場合に、圧力制御弁に対してポンプ流量低下信号圧を出力するよう制御信号を出力することを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
- 請求項1乃至2において、油圧制御回路は、油圧シリンダと圧油供給源を共用する他の油圧アクチュエータを備える一方、コントローラは、油圧ポンプから前記他の油圧アクチュエータに圧油供給されている場合、重量物の下動に抗する外力が働いていないと判別されても、圧力制御弁に対してポンプ流量低下信号圧出力の制御信号を出力しないことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、重量物の下動に抗する外力が働いているか否かの判別は、油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段からコントローラに入力される信号に基づいて行うことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
- 請求項1乃至4の何れかにおいて、コントローラは、エンジン回転数を判別するエンジン回転数判別手段からの信号を入力する一方、圧力制御弁は、コントローラからの制御信号に基づいて出力信号圧が増減する圧力制御サーボ弁で構成され、さらにコントローラは、エンジン回転数判別手段から入力されるエンジン回転数の高低に対応して圧力制御弁から出力されるポンプ流量低下信号圧を増減せしめるように制御することを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
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