JP4702894B2 - 油圧ショベルにおける油圧制御システム - Google Patents

油圧ショベルにおける油圧制御システム Download PDF

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本発明は、機体持ち上げ動作を行う場合の油圧ショベルにおける油圧制御システムの技術分野に属するものである。
一般に、油圧ショベルは、下部走行体および上部旋回体からなる機体本体に、基端部が機体に揺動自在に軸支され、ブームシリンダの伸縮作動により昇降動するブーム、該ブームの先端部に揺動自在に軸支されるアーム、該アームの先端部に取付けられる作業アタッチメント(例えば、バケット)等からなる作業部が装着されているが、この様な油圧ショベルにおいて、窪みや軟弱地盤から脱出する場合や、下部走行体2を構成するクローラに泥や砂利が詰まったときにクローラを片方づつ持ち上げて空回りさせるような場合に、作業アタッチメントを接地させた状態でブームをさらに下降操作(ブームシリンダの縮小操作)することでブームを機体本体に対して相対的に下降せしめ、これにより機体本体を持ち上げる、所謂機体持ち上げ動作を行う場合がある(図1参照)。この機体持ち上げ動作は、機体本体の重量に抗してブームシリンダを縮小させることになるため、該ブームシリンダの縮小に大きな推力が必要となるが、この場合、ブームシリンダのロッド側油室とヘッド側油室との差圧が大きいほど、大きな推力が得られることになる。
そこで、従来、機体持ち上げ動作時に、ブームシリンダのブーム下降時における最高圧を設定するポートリリーフ弁、およびブームシリンダの油圧供給源となる油圧ポンプの最高圧を設定するメインリリーフ弁の設定圧を、高圧側に切り換えるように構成した技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、作業アタッチメントが接地していない状態でブームを下降させる場合、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油は、作業部の有する位置エネルギーにより高圧となっているが、該位置エネルギーを回収、再利用するために、従来、ブームシリンダの他にブーム昇降用アシストシリンダを設け、ブームの下降時にブーム昇降用アシストシリンダのヘッド側油室から排出される油をアキュムレータに蓄圧すると共に、ブームの上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油をブーム昇降用アシストシリンダのヘッド側油室に供給するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−20692号公報 特許第2582310号公報
しかるに、前記特許文献2のものは、ブームの下降時に、ブーム昇降用アシストシリンダからの排出油はアキュムレータに蓄圧されるものの、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出油は、コントロールバルブを経由して油タンクに排出されるようになっており、作業機の有する位置エネルギーのうちの一部しか回収されていないことになる。そこで、ブーム昇降用アシストシリンダを設けることなく、ブームの下降時に、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出油をアキュムレータに蓄圧することが提案される。
ところで、前記特許文献2のように、ブーム昇降用アシストシリンダのヘッド側油室からの排出油をアキュムレータに蓄圧するように構成する場合、あるいは、前記提案のように、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出油をアキュムレータに蓄圧するように構成する場合、ブームの下降時に、ブーム昇降用アシストシリンダあるいはブームシリンダのヘッド側油室はアキュムレータに接続されることになるが、このものにおいて、前述した機体持ち上げ動作を行おうとした場合、ブーム昇降用アシストシリンダあるいはブームシリンダのヘッド側油室はアキュムレータに接続されているため高圧となっており、このため、前記特許文献1のようにロッド側油室に高圧の圧油が供給されるように構成しても、ブーム昇降用アシストシリンダあるいはブームシリンダを縮小させるための大きな推力を得ることは困難であるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、機体本体に、基端部が機体本体に揺動自在に軸支され、ブームシリンダの伸縮作動により昇降動するブーム、該ブームの先端部に揺動自在に軸支されるアーム、該アームの先端部に取付けられる作業アタッチメントを備えた作業部を装着してなる油圧ショベルにおいて、該油圧ショベルの油圧制御システムに、前記作業アタッチメントを接地させた状態でブームを機体本体に対して相対的に下降せしめることで機体本体を持ち上げる機体持ち上げ動作時であるか否かを判断する判断手段を設け、機体持ち上げ動作時でないと判断された場合のブーム下降時には、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を、アキュムレータに蓄圧すると共にブームシリンダのロッド側油室に供給するように構成する一方、機体持ち上げ動作時であると判断された場合には、油圧ポンプから供給される圧油をブームシリンダのロッド側油室に供給すると共に、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を油タンクに流すように構成したことを特徴とする油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時に、ブームシリンダのヘッド側油室から排出された油は、アキュムレータに蓄圧されると共にブームシリンダのロッド側油室に供給されることになって、作業部の有する位置エネルギーを有効に回収、再利用できる一方、機体持ち上げ動作時には、ヘッド側油室からの排出油は油タンクに流れることになって、ヘッド側油室の圧力を低下せしめることができ、これによりロッド側油室とヘッド側油室との差圧が大きくなって、ブームシリンダを縮小せしめるための大きな推力を得ることでき、而して、機体持ち上げ動作をスムーズに行うことができる。
請求項2の発明は、判断手段は、ブームシリンダのロッド側油室とヘッド側油室との差圧に基づいて、機体持ち上げ動作時であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、機体持ち上げ動作時であるか否かの判断を、的確に行うことができる。
請求項3の発明は、油圧制御システムに、ブーム用操作レバーの操作および判断手段の判断に基づいてブームシリンダに対する油給排制御を行うコントロールバルブを設けると共に、該コントロールバルブは、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降操作時には、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を油タンクに流さない第一下降側位置に位置する一方、機体持ち上げ動作時のブーム下降操作時には、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を油タンクに流す第二下降側位置に位置するように制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、コントロールバルブは、同じようにブーム用操作レバーが下降側に操作された場合であっても、機体持ち上げ動作時と機体持ち上げ動作時以外との二通りの制御を行うことができる。
請求項4の発明は、コントロールバルブは、ブーム用操作レバーの操作および判断手段の判断に基づいてスプールが移動するスプール弁により形成されると共に、スプールの移動ストロークが増加するに伴い第一下降側位置から第二下降側位置に切換わるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、ブームを空中降下させてから機体持ち上げ動作を行うような場合に、第一下降側位置から第二下降側位置への切換えがスムーズに行われることになり、良好な操作性を得ることができる。
請求項5の発明は、油圧ポンプは、機体持ち上げ動作時に、アキュムレータの蓄圧油を吸い込んでブームシリンダのロッド側油室に供給する一方、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時に、ブームシリンダのヘッド側油室から排出された油を吸い込んでロッド側油室に供給するように構成されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、油圧ポンプは、機体持ち上げ動作時のときも機体持ち上げ動作時以外のときも、高圧の油を吸い込んで吐出することになって、所要動力を殆ど必要とせず、エネルギー消費の低減に大きく貢献できる。
請求項6の発明は、油圧制御システムに、機体持ち上げ動作時における油圧ポンプの吐出流量を、機体持ち上げ動作に適した吐出流量となるように制御するポンプ制御手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、油圧ポンプは、機体持ち上げ動作時には、該機体持ち上げ動作に適した吐出流量となるように制御されることになり、而して、ブーム用操作レバーの操作量が小さいような場合であっても、機体持ち上げ動作をスムーズに行うことができる。
請求項7の発明は、ブームの上昇時に、油圧ポンプは、アキュムレータに蓄圧された油を吸い込んでブームシリンダのヘッド側油室に供給することを特徴とする請求項1乃至6に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システムである。
そして、この様にすることにより、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時にブームシリンダのヘッド側油室から排出されてアキュムレータに蓄圧された油は、ブームの上昇時に、専用ポンプによってブームシリンダのヘッド側油室に供給されることになり、而して、作業部の有する位置エネルギーを無駄無く有効に再利用することができて、省エネルギー化に大きく貢献できる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3のフロントに装着される作業部4等の各部から構成され、さらに該作業部4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるアーム6、該アーム6の先端部に取付けられるバケット(本発明の作業アタッチメントの一例である)7等から構成されている。尚、図1は、油圧ショベル1が後述する機体持ち上げ動作を行っている状態を示す。また、本発明の機体本体は、前記下部走行体2と上部旋回体3とにより構成される。
8は前記ブーム5を昇降動せしめるべく伸縮作動する左右一対のブームシリンダであって、該ブームシリンダ8は、バケット7が接地していない状態では、ヘッド側油室8aの圧力によって作業部4の重量を保持すると共に、該ヘッド側油室8aへの圧油供給およびロッド側油室8bからの油排出により伸長してブーム5を上昇せしめ、また、ロッド側油室8bへの圧油供給およびヘッド側油室8aからの油排出により縮小してブーム5を下降せしめるように構成されている。そして、該ブーム5の昇降によって作業部4全体が昇降すると共に、ブーム5の上昇に伴い作業部4の有する位置エネルギーが増加するが、該位置エネルギーは、後述する油圧制御システムによってブーム5の下降時に回収される一方、該回収されたエネルギーは、ブーム5の上昇時に利用されるようになっている。
次いで、前記油圧制御システムについて、図2、図3の回路図に基づいて説明するが、これらの図面において、9、10は油圧ショベル1に搭載のエンジンEにポンプドライブギア部Gを介して連結される第一、第二メインポンプであって、これら第一、第二メインポンプ9、10は、油タンク11から作動油を吸込んで第一、第二ポンプ油路12、13に吐出するように構成されている。
ここで、第一、第二メインポンプ9、10は、前記ブームシリンダ8だけでなく、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータ(図示しないが、走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)の油圧供給源となる可変容量型ポンプである。尚、図2、図3中、丸付きの数字は結合子記号であって、対応する丸付き数字同士が接続される。
14、15は前記第一、第二メインポンプ9、10の吐出流量制御を行う第一、第二レギュレータであって、該第一、第二レギュレータ14、15は、後述する制御装置16によって制御されるメインポンプ制御用電磁比例減圧弁17からの制御信号圧を受けて、エンジン回転数と作業負荷に対応したポンプ出力にするべく作動すると共に、第一、第二メインポンプ9、10の吐出圧力を受けて定馬力制御を行う。さらに第一、第二レギュレータ14、15は、後述するように第一、第二コントロールバルブ18、19のセンタバイパス弁路18f、19bの開口量に対応してポンプ流量を増減せしめるネガティブコントロール流量制御も行うように構成されている。
一方、前記第一、第二コントロールバルブ18、19は、第一、第二ポンプ油路12、13にそれぞれ接続される方向切換弁であって、これら第一、第二コントロールバルブ18、19は、第一、第二メインポンプ9、10の吐出油をブームシリンダ8に供給するべく作動する。尚、第一、第二メインポンプ9、10は、前述したように、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータの油圧供給源となるため、第一、第二ポンプ油路12、13には他の油圧アクチュエータ用のコントロールバルブも接続されるが、これらについては省略する。
前記第一コントロールバルブ18は、上昇側、下降側パイロットポート18a、18bを備えたスプール弁で構成されており、そして、両パイロットポート18a、18bにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、上昇側パイロットポート18aにパイロット圧が入力されることによりスプールが移動して、第一メインポンプ9の圧油をシリンダヘッド側油路20を経由してブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する一方、ロッド側油室8bからシリンダロッド側油路21に排出された油をリターン油路22を経由して油タンク11に流す上昇側位置Xに切換わる。また、下降側パイロットポート18bにパイロット圧が入力されることにより、前記上昇側位置Xとは反対側にスプールが移動して、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油を、再生用弁路18cを経由してシリンダロッド側油路21からロッド側油室8bに供給する下降側位置Yに切換るように構成されている。尚、前記シリンダヘッド側油路20は、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに油を給排するべくヘッド側油室8aに接続される油路であり、シリンダロッド側油路21は、ブームシリンダ8のロッド側油室8bに油を給排するべくロッド側油室8bに接続される油路である。
ここで、前記下降側位置Yの第一コントロールバルブ18に設けられる再生用弁路18cは、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aとロッド側油室8bとを連通する弁路であって、該再生用弁路18cには、ヘッド側油室8aからロッド側油室8bへの油の流れは許容するが逆方向の流れは阻止するチェック弁18dと、絞り18eとが配されている。而して、前述したように、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yのとき、ヘッド側油室8aから排出された油は、再生用弁路18cを介してロッド側油室8bに供給されるが、その流量は、再生用弁路18cに配された絞り18eの開口特性(該絞り18eの開口特性は、第一コントロールバルブ18のスプール移動ストロークに応じて設定される)と、ヘッド側油室8aとロッド側油室8bの差圧とによって変化するようになっている。
一方、第二コントロールバルブ19は、上昇側パイロットポート19aを備えたスプール弁で構成されており、そして、上昇側パイロットポート19aにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、上昇側パイロットポート19aにパイロット圧が入力されることによりスプールが移動して、第二メインポンプ10の圧油をシリンダヘッド側油路20を経由してブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する上昇側位置Xに切換るように構成されている。
また、23、24、25は第一上昇側、第一下降側、第二上昇側電磁比例減圧弁であって、これら各電磁比例減圧弁23、24、25は、制御装置16からの制御信号に基づいて、前記第一コントロールバルブ18の上昇側パイロットポート18a、下降側パイロットポート18a、第二コントロールバルブ19の上昇側パイロットポート19aにそれぞれパイロット圧を出力するべく作動するが、該パイロット圧は、制御装置16から出力される制御信号値の増減に対応して増減するように設定されている。そして、これら第一上昇側、第一下降側、第二上昇側電磁比例減圧弁23、24、25から出力されるパイロット圧の圧力の増減に対応して第一、第二コントロールバルブ18、19のスプールの移動ストロークが増減するようになっており、これによって、第一、第二コントロールバルブ18、19からブームシリンダ8への給排流量の増減制御がなされるように構成されている。尚、図2、図3中、26はパイロット油圧源となるパイロットポンプである。
さらに、第一、第二コントロールバルブ18、19には、第一、第二メインポンプ9、10の圧油を第一、第二ネガティブコントロールバルブ27、28を介して油タンク11に流すセンタバイパス弁路18f、19bが形成されている。該センタバイパス弁路18f、19bの開口量は、第一、第二コントロールバルブ18、19が中立位置Nのときに最も大きく、上昇側位置Xに切換わったスプールの移動ストロークが大きくなるほど小さくなるように制御されるが、下降側位置Yの第一コントロールバルブ18のセンタバイパス弁路18fは、スプールの移動ストロークに拠らず大きな開口を維持する特性を有しており、これにより、下降側位置Yの第一コントロールバルブ18のセンタバイパス弁路18fの通過流量は、中立位置Nのときの通過流量から変化しないように設定されている。そして、上記センタバイパス弁路18f、19bの通過流量は、ネガティブコントロール制御信号として前記第一、第二レギュレータ14、15に入力されて、センタバイパス弁路18f、19bの通過流量が少なくなるほど第一、第二メインポンプ9、10の吐出流量が増加する、所謂ネガティブコントロール流量制御が行われるようになっている。ここで、前述したように、第一コントロールバルブ18のセンタバイパス弁路18fの通過流量は、下降側位置Yに切換わっても中立位置Nのときと変化せず、而して、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yのときの第一メインポンプ9の吐出流量は、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御されるようになっている。
また、29は前記シリンダヘッド側油路20に配されるドリフト低減弁、30は制御装置16からのON信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるドリフト低減弁用電磁切換弁であって、上記ドリフト低減弁29は、前記第一、第二コントロールバルブ18、19および後述する第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8のヘッド側油室8aへの油の流れは常時許容するが、逆方向の流れは、ドリフト低減弁用電磁切換弁30がOFF位置Nのときには阻止し、ON位置Xのときのみ許容するように構成されている。尚、31はシリンダヘッド側油路20に接続されるリリーフ弁であって、該リリーフ弁31によって、シリンダヘッド側油路20の最高圧力が制限されている。
一方、32は専用ポンプ(本発明の油圧ポンプに相当する)であって、このものもポンプドライブギア部Gを介してエンジンEに連結される可変容量型ポンプであるが、該専用ポンプ32は、サクション油路33から供給される油を吸込んで専用ポンプ油路34に吐出すると共に、専用ポンプ32の吐出流量制御は、制御装置16から出力される制御信号に基づいて作動する専用ポンプ用レギュレータ35によって行われるように構成されている。
ここで、前記サクション油路33には、後述するように、アキュムレータ36の蓄圧油あるいはブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油が供給されるようになっており、而して、専用ポンプ32は、アキュムレータ36の蓄圧油あるいはブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油を吸込んで、専用ポンプ油路34に吐出するようになっている。
37は前記専用ポンプ油路34に接続される第三コントロールバルブであって、該第三コントロールバルブ37は、制御装置16からの制御信号に基づいて、専用ポンプ32から吐出される圧油を、ブームシリンダ8に供給するべく作動するが、前記第一、第二コントロールバルブ18、19および第三コントロールバルブ37のうち、該第三コントロールバルブ37が本発明のコントロールバルブに相当する。
前記第三コントロールバルブ37について詳細に説明すると、該第三コントロールバルブ37は、制御装置16からの制御信号が入力される第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39の作動に基づいてスプールが移動するスプール弁であって、両電油変換弁38、39に制御信号が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、第三上昇側電油変換弁38に制御信号が入力されることによりスプールが移動して、専用ポンプ32の吐出油をシリンダヘッド側油路20を経由してブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する一方、ロッド側油室8bからシリンダロッド側油路21に排出された油をリターン油路22を経由して油タンク11に流す上昇側位置Xに切換わる。また、第三下降側電油変換弁39に制御信号が入力されることにより、前記上昇側位置Xとは反対側にスプールが移動し、該スプールの移動ストロークによって、第一下降側位置Y1または第二下降側位置Y2に切換わるが、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37は、専用ポンプ32の吐出油をシリンダロッド側油路21を経由してブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給し、また、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37は、専用ポンプ32の吐出油をシリンダロッド側油路21を経由してブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給すると共に、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油をリターン油路22を経由して油タンク11に流すように構成されている。
前記第三コントロールバルブ37のスプールの移動ストロークは、制御装置16から第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39に入力される制御信号値によって増減制御されるようになっており、そして該スプールの移動ストロークの増減制御によって、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への給排流量の増減制御がなされるように構成されている。
ここで、前記第三コントロールバルブ37の第一下降側位置Y1、第二下降側位置Y2のスプールの移動ストロークと、専用ポンプ32の吐出油をブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給する供給用弁路37aの開口量、およびヘッド側油室8aからの排出油を油タンクに流す排出用弁路37bの開口量との関係を図4に示すが、該図4に示される如く、第三コントロールバルブ37は、スプールの移動ストロークが増加するに伴って、第一下降側位置Y1から第二下降側位置Y2に切換わると共に、供給用弁路37aの開口量は、スプールの移動ストロークが大きくなるにつれて大きくなる一方、排出用弁路37bは、スプールの移動ストロークが第一下降側位置Y1の範囲内では閉じている(つまり、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37は、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流さない)が、第二下降側位置Y2に切換わった以降は、スプールの移動ストロークが大きくなるにつれて開口量が大きくなるように構成されている。
さらに、40は前記シリンダヘッド側油路20から分岐形成される回収油路であって、該回収油路40には、回収用バルブ41が配されていると共に、該回収用バルブ41の下流側で、アキュムレータ油路42と前記サクション油路33とに接続されている。さらに、回収油路40には、シリンダヘッド側油路20からアキュムレータ油路42およびサクション油路33への油の流れは許容するが、逆方向の流れは阻止するチェック弁43が配されている。而して、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油を、回収油路40を経由して、アキュムレータ油路42およびサクション油路33に供給することができるようになっている。
前記回収用バルブ41は、制御装置16からの制御信号が入力される回収用電油変換弁44の作動に基づいてスプールが移動する開閉弁であって、回収用電油変換弁44に制御信号が入力されていない状態では、回収油路40を閉じる閉位置Nに位置しているが、回収用電油変換弁44に制御信号が入力されることによりスプールが移動して、回収油路40を開く開位置Xに切換わるように構成されている。
前記回収用バルブ41のスプールの移動ストロークは、制御装置16から回収用電油変換弁44に入力される制御信号値によって増減制御されるようになっており、そして、該スプールの移動ストロークの増減制御によって、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから回収油路40を経由してアキュムレータ油路42およびサクション油路33に流れる流量の増減制御がなされるように構成されている。
一方、アキュムレータ油路42は、前記回収油路40からアキュムレータチェックバルブ45を経由してアキュムレータ36に至る油路であって、該アキュムレータ油路42の最高圧力は、アキュムレータ油路42に接続されるリリーフ弁46によって制限されている。尚、本実施の形態において、アキュムレータ36は、油圧エネルギー蓄積用として最適なブラダ型のものが用いられているが、これに限定されることなく、例えばピストン型のものであっても良い。
前記アキュムレータチェックバルブ45は、アキュムレータ36に対する油の給排制御を行うバルブであって、ポペット弁47と、制御装置16から出力されるON信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるアキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48とを用いて構成されている。そして、上記ポペット弁47は、回収油路40からアキュムレータ36への油の流れは、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がOFF位置N、ON位置Xの何れであっても許容するが、アキュムレータ36からサクション油路33への油の流れは、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がOFF位置Nに位置しているときには阻止し、ON位置Xに位置しているときのみ許容するように構成されている。尚、回収油路40からアキュムレータ36への油の流れは、前述したようにアキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がOFF位置N、ON位置Xの何れであっても許容されるが、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48がON位置Xに位置している状態では、アキュムレータ油路42の圧力がポペット弁47のバネ室47aに導入されないため、殆ど圧力損失のない状態で回収油路40からアキュムレータ油路42に油を流すことができる。
さらに、49は前記サクション油路33から分岐形成されて油タンク11に至る排出油路であって、該排出油路49には、タンクチェックバルブ50が配されている。
前記タンクチェックバルブ50は、ポペット弁51と、制御装置16から出力されるON信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるタンクチェックバルブ用電磁切換弁52とを用いて構成されている。上記ポペット弁51は、サクション油路33から油タンク11への油の流れを、タンクチェックバルブ用電磁切換弁52がON位置Xに位置しているときのみ許容し、OFF位置Nに位置しているときには阻止するようになっている。そして、例えば、油圧ショベル1の作業終了時やメンテナンス時等に、前記アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48およびタンクチェックバルブ用電磁切換弁52を共にON位置Xに切換えることにより、アキュムレータ36に蓄圧された圧油を油タンク11に放出することができるようになっている。
一方、前記制御装置16は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図5のブロック図に示すごとく、図示しないブーム用操作レバーの操作方向および操作量を検出するブーム操作検出手段53、第一メインポンプ9の吐出圧を検出するべく第一ポンプ油路12に接続される第一吐出側圧力センサ54、第二メインポンプ10の吐出圧を検出するべく第二吐出側ポンプ油路13に接続される第二吐出側圧力センサ55、専用ポンプ32の吐出圧を検出するべく専用ポンプ油路34に接続される第三吐出側圧力センサ56、専用ポンプ32の吸入側の圧力を検出するべくサクション油路33に接続される吸入側圧力センサ57、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力を検出するべくシリンダヘッド側油路20に接続されるシリンダヘッド側圧力センサ58、ブームシリンダ8のロッド側油室8bの圧力を検出するべくシリンダロッド側油路21に接続されるシリンダロッド側圧力センサ59、アキュムレータ36の圧力を検出するべくアキュムレータ油路42に接続されるアキュムレータ用圧力センサ60、アキュムレータ36の封入ガス温度を検出するアキュムレータ用温度センサ61等からの信号を入力し、これら入力信号に基づいて、前述のメインポンプ制御用電磁比例減圧弁17、第一上昇側電磁比例減圧弁23、第一下降側電磁比例減圧弁24、第二上昇側電磁比例減圧弁25、ドリフト低減弁用電磁切換弁30、専用ポンプ用レギュレータ35、第三上昇側電油変換弁38、第三下降側電油変換弁39、回収用電油変換弁44、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48、タンクチェックバルブ用電磁切換弁52等に制御信号を出力する。
ここで、62は制御装置16に設けられる蓄圧量演算部であって、該蓄圧量演算部62は、アキュムレータ用圧力センサ60から入力される検出信号に基づいて、現在のアキュムレータ36の蓄圧量を演算する。該演算されるアキュムレータ36の蓄圧量は、本実施の形態では、蓄圧開始設定圧を越えてアキュムレータ36に蓄圧された蓄圧圧力ΔPであって、該蓄圧圧力ΔPは、アキュムレータ36の現時点での圧力(Pa、アキュムレータ用圧力センサ60により検出される)からアキュムレータ36の現時点での蓄圧開始設定圧(Po、摂氏20度におけるプレチャージ圧を現時点での温度に換算した圧力)を減じることにより演算される(ΔP=Pa−Po)。
また、63は要求ポンプ容量演算部であって、該要求ポンプ容量演算部63は、図6のブロック図に示す如く、ブーム操作検出手段53から出力されるブーム用操作レバーの操作信号を入力し、ゲインコントロール64によって要求ポンプ容量DRを演算する。該要求ポンプ容量DRは、ブーム用操作レバーの操作量によって要求されるポンプ容量であって、ブーム用操作レバーの操作量の増加に伴い増加するように設定されると共に、ブーム上昇側に操作された場合は「正」の値で、また、ブーム下降側に操作された場合は「負」の値で出力されるように設定されている。
また、65は分担割合演算部であって、該分担割合演算部65は、図7のブロック図に示す如く、前記蓄圧量演算部62によって演算される蓄圧圧力ΔPと、ブーム5の上昇時における第一メインポンプ9のアシスト割合α(α=「0」〜「1」)との関係を設定したアシストテーブル66を有している。そして、分担割合演算部65は、上記アシストテーブル66に基づいてアシスト割合αを求めるが、該アシスト割合αは、本実施の形態では、蓄圧圧力ΔPが、アキュムレータ36の蓄圧量が充分であるときの圧力として予め設定される高設定圧PHに達しているときには「0」、アキュムレータの蓄圧量が殆どないときの圧力として予め設定される低設定圧PL以下の場合には「1」、上記高設定圧PHと低設定圧PLとの間のときは、蓄圧圧力ΔPが減少するにつれてアシスト割合αが高くなるように設定されている。さらに分担割合演算部65は、「1」から前記アシスト割合αを減ずることで、ブーム5の上昇時における専用ポンプ32の供給割合β(β=1−α)を演算する。そして、これらアシストテーブル66に基づいて求められたアシスト割合αおよび供給割合βは、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合に分担割合演算部65から出力されて、後述するように、第一コントロールバルブ18、第三コントロールバルブ37の流量制御、および専用ポンプ32の吐出流量制御に用いられる。一方、ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合、分担割合演算部65から出力されるアシスト割合αおよび供給割合βは、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPに関わらず常に「1」となるように設定されている。
さらに、74は機体持ち上げ動作判断部(本発明の判断手段に相当する)であって、該機体持ち上げ動作判断部74は、図8のブロック図に示す如く、シリンダロッド側圧力センサ59により検出されるブームシリンダ8のロッド側油室8bの圧力PBR(以下、ロッド側圧力PBRと称する)と、シリンダヘッド側圧力センサ58により検出されるブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力PBH(以下、ヘッド側圧力PBHと称する)とを入力し、これらロッド側圧力PBRとヘッド側圧力PBHとの差圧ΔPB(ΔPB=PBR−PBH)を減算器75で求め、該減算器75で求められた差圧ΔPBに基づいて、判断テーブル76により機体持ち上げ動作時であるか否かを判断する。そして、機体持ち上げ動作時であると判断された場合には、機体持ち上げ動作ONの信号を出力し、また、機体持ち上げ動作時でないと判断された場合には、機体持ち上げ動作OFFの信号を出力する。
ここで、前記機体持ち上げ動作とは、油圧ショベル1において、窪みや軟弱地盤から脱出する場合や、下部走行体2を構成するクローラに泥や砂利が詰まったときにクローラを片方づつ持ち上げて空回りさせるような場合に、バケット7を接地させた状態でブーム5をさらに下降操作(ブームシリンダ8の縮小操作)することでブーム5を機体本体に対して相対的に下降せしめ、これにより機体本体を持ち上げる動作のことである。該機体持ち上げ動作を行うには、機体本体の重量に抗してブーム5の下降操作を行うことになるため、ブームシリンダ8のロッド側圧力PBRからヘッド側圧力PBHを減じた差圧ΔPBが大きくなる。そこで、前記機体持ち上げ動作判断部74の判断テーブル76では、上記差圧ΔPBが予め設定される第一所定圧ΔPB1以下の場合は、機体持ち上げ動作を行っていないと判断して、機体持ち上げ動作OFFの信号を出力する一方、上記差圧ΔPBが予め設定される第二所定圧ΔPB2以上の場合には、機体持ち上げ動作を行っていると判断して、機体持ち上げ動作ON信号を出力する。尚、本実施の形態では、前記差圧ΔPBが第一設定圧ΔPB1と第二設定圧ΔPB2のあいだは、差圧ΔPBの上昇時にはOFF、差圧ΔPBの下降時にはONとなるように設定されている。
一方、67は第一コントロールバルブ制御部であって、該第一コントロールバルブ制御部67は、図9のブロック図に示す如く、前記分担割合演算部65から出力されるアシスト割合αと要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DRとを入力し、これらアシスト割合αと要求ポンプ容量DRとを乗算器68で乗じて、アシスト用要求ポンプ容量DRαを求める。さらに、第一コントロールバルブ制御部67は、上記アシスト用要求ポンプ容量DRαを、第一上昇側、第一下降側電磁比例減圧弁23、24に対する制御信号値に変換するための第一バルブテーブル69を有しており、該第一バルブテーブル69に基づいて、第一上昇側、第一下降側電磁比例減圧弁23、24に対する制御信号値を求める。そして、第一コントロールバルブ制御部67は、上記制御信号値を、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合は第一上昇側電磁比例減圧弁23に出力し、またブーム下降側に操作された場合は第一下降側電磁比例減圧弁24に出力するように設定されているが、該制御信号値によって第一上昇側電磁比例減圧弁23は、ブーム上昇時における第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量を、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量にするためのパイロット圧を出力するように制御される。
さらに、70は第三コントロールバルブ制御部であって、該第三コントロールバルブ制御部70は、図10のブロック図に示す如く、前記機体持ち上げ動作判断部74から出力される機体持ち上げ動作ON/OFF信号と、前記分担割合演算部65から出力される供給割合βと、要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DRとを入力する。そして、まず、第三コントロールバルブ制御部70は、上記供給割合βと要求ポンプ容量DRとを乗算器71で乗じて、供給用要求ポンプ容量DRβを求める。さらに、第三コントロールバルブ制御部70は、上記供給用要求ポンプ容量DRβを、第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39に対する制御信号値に変換するための第三バルブテーブル72を有しており、該第三バルブテーブル72に基づいて、第三上昇側、第三下降側電油変換弁38、39に対する制御信号値を求めるが、この場合、前記機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作OFFの信号が入力されている場合(前述した機体持ち上げ動作時でない場合、つまり、ブーム上昇時や、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時)は、図10に実線で示される制御信号値に変換される一方、機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作ONの信号が入力されている場合は、図10に点線で示される制御信号値に変換されるようになっている。該機体持ち上げ動作ONのときの制御信号値(点線で印される制御信号値)は、要求ポンプ容量DRが「負」の値、つまりブーム下降側に操作された場合のみ設定されているが、その制御信号値は、機体持ち上げ動作OFFのときの制御信号値(実線で示される制御信号値)よりも大きくなるように設定されている。そして、第三コントロールバルブ制御部70は、上記制御信号値を、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合は第三上昇側電油変換弁38に出力し、またブーム下降側に操作された場合は第三下降側電油変換弁39に出力するが、該第三下降側電油変換弁39に出力される制御信号値によって移動する第三コントロールバルブ37のスプールの移動ストロークは、機体持ち上げ動作OFFのときに出力される制御信号値では、ブーム用操作レバーの操作量が最大(フルストローク操作)のときでも第一下降側位置Y1の範囲内の移動ストロークとなる一方、機体持ち上げ動作ONのときの制御信号値では、第二下降側位置Y2の移動ストロークとなるように設定されている。而して、第三コントロールバルブ37は、ブーム下降側に操作された場合に、機体持ち上げ動作OFFの場合は第一下降側位置Y1に切換わり、また、機体持ち上げ動作ONの場合は第二下降側位置Y2に切換わるように構成されている。一方、第三上昇側電油変換弁38は、第三コントロールバルブ制御部70から出力される制御信号値によって、ブーム上昇時における第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量を、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量にするように制御される。
また、73は専用ポンプ制御部(本発明のポンプ制御手段に相当する)であって、該専用ポンプ制御部73は、図11のブロック図に示す如く、前記機体持ち上げ動作判断部74から出力される機体持ち上げ動作ON/OFF信号と、後述する機体持ち上げ用ポンプ容量DLとを入力する。そして、専用ポンプ制御部73は、機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作ON信号が入力されている場合に、専用ポンプ32の容量を機体持ち上げ用ポンプ容量DLにするべく、専用ポンプ用レギュレータ35に対して制御信号を出力する。ここで、上記機体持ち上げ用ポンプ容量DLとは、専用ポンプ32の吐出流量を、機体持ち上げ動作を行うのに適切な吐出流量にするべく設定されるポンプ容量であって、該機体持ち上げ用ポンプ容量DLの制御信号が専用ポンプ用レギュレータ35に出力されることにより、専用ポンプ32は、機体持ち上げ動作を行うのに適した吐出流量となるように制御される。一方、機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作OFF信号が入力されている場合、専用ポンプ制御部73は、図示しないが、前記要求ポンプ容量演算部63から出力される要求ポンプ容量DR、分担割合演算部65から出力される供給割合β、第三吐出側圧力センサ56から入力される専用ポンプ32の吐出圧等に基づいて専用ポンプ32の流量制御を行う通常制御の制御信号を出力するように構成されている。
尚、制御装置16には、前述した演算部や制御部の他にも、第二コントロールバルブ19や回収バルブ41、ドリフト低減弁29、アキュムレータチェックバルブ45、タンクチェックバルブ50等を制御するための各種制御部(図示せず)を有しているが、これら制御部における制御については、個別に説明することなく、制御装置16の制御として説明する。
次いで、ブーム用操作レバーの上昇側、下降側の操作に基づく制御装置16の制御について説明する。
まず、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合について説明すると、制御装置16は、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対し、第一、第二メインポンプ9、10のポンプ出力をエンジン回転数と作業負荷に対応させるべく制御信号を出力する。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、第二上昇側電磁比例減圧弁25に対し、ブーム用操作レバーの操作量に応じて設定される制御信号値を出力する。これにより、第二上昇側電磁比例減圧弁25からパイロット圧が出力されて、第二コントロールバルブ19が上昇側位置Xに切換り、而して、第二メインポンプ10の吐出油が、上昇側位置Xの第二コントロールバルブ19を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第二コントロールバルブ19からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、前記第一コントロールバルブ制御部67において実行される制御に基づいて、第一上昇側電磁比例減圧弁23に対して制御信号を出力する。そして、該第一上昇側電磁比例減圧弁23に出力される制御信号値によって、第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量になるように制御される。
つまり、アシスト割合αが「1」の場合は、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換り、而して、第一メインポンプ9の吐出油が、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、アシスト割合αが「1」〜「0」のあいだ(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述したアシスト割合αが「1」の場合と同様に、制御装置16から出力される制御信号によって第一上昇側電磁比例減圧弁23からパイロット圧が出力され、これにより第一コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換って、第一メインポンプ9の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量、つまりアシスト割合αが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、アシスト割合αが「0」の場合は、制御装置16から第一上昇側電磁比例減圧弁23に対して、第一コントロールバルブ18からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第一コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、第一メインポンプ9からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないと共に、ネガティブコントロール流量制御によって、第一メインポンプ9の吐出流量は最小となるように制御されるようになっている。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、前記専用ポンプ制御部73において実行される制御に基づいて、専用ポンプ用レギュレータ35に対し、要求ポンプ容量DR、供給割合β、専用ポンプ32の吐出圧等に基づいて専用ポンプ32の流量制御を行う通常制御の制御信号を出力する。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、前記第三コントロールバルブ制御部70において実行される制御に基づいて、第三上昇側電油変換弁38に対して制御信号を出力する。そして、該第三上昇側電油変換弁38に出力される制御信号値によって、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量になるように制御される。
つまり、供給割合βが「1」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、而して、専用ポンプ32の吐出油が、上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由してシリンダヘッド側油路20に流れて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。
また、供給割合βが「1」〜「0」のあいだ(但し、「1」および「0」は含まず)の場合は、前述した供給割合βが「1」の場合と同様に、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して出力される制御信号によって第三コントロールバルブ37が上昇側位置Xに切換り、専用ポンプ32の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるが、該第三コントロールバルブ19からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量、つまり供給割合βが低くなるほどブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少ない流量となるように制御される。
さらに、供給割合βが「0」の場合は、制御装置16から第三上昇側電油変換弁38に対して、第三コントロールバルブ37からブームシリンダ8への供給流量をゼロにするための制御信号が出力される。これにより、第三コントロールバルブ37は中立位置Nに保持され、而して、専用ポンプ32からブームシリンダ8のヘッド側油室8aに圧油供給されないようになっている。
さらに、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16は、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48に対し、ON位置Xに切換わるようON信号を出力する。これにより、アキュムレータチェックバルブ45は、アキュムレータ油路42からサクション油路33への油の流れを許容する状態になる。而して、アキュムレータ36に蓄圧された圧油がサクション油路33を経由して、専用ポンプ32の吸入側に供給される。
また、ブーム用操作レバーが上昇側に操作された場合、制御装置16から回収用電油変換弁44に制御信号は出力されず、回収用バルブ41は、回収油路40を閉じる閉位置Nに位置している。これにより、前述した第一、第二、第三コントロールバルブ18、19、37からの供給圧油がアキュムレータ油路42およびサクション油路33に流れてしまうことなく、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されるようになっている。
次いで、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合に、前述した制御装置16の制御に基づいて実行されるブームシリンダ8への圧油供給について、アキュムレータ36の蓄圧量別に説明する。
まず、アキュムレータ36の蓄圧量が充分であって蓄圧圧力ΔPが高設定圧PHに達している場合、供給割合βは「1」、アシスト割合αは「0」となるが、この場合、第三コントロールバルブ37は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、専用ポンプ32から最大で(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
一方、第一コントロールバルブ18は中立位置Nに保持されており、而して、第一メインポンプ9からヘッド側油室8aへの圧油供給はなされない。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第二メインポンプ10から最大で(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
尚、ブームシリンダ8のロッド側油室8bから排出された油は、上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れる。
而して、アキュムレータ36の蓄圧量が充分の状態でブーム上昇側に操作された場合、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から供給される最大一ポンプ分の流量と専用ポンプ32から供給される最大一ポンプ分の流量とが合流して供給されることになって、作業部4の重量負荷に抗するブーム5の上昇であっても、ブーム用操作レバーの操作量に対応した所望の速度でブーム5を上昇せしめることができるが、この場合、専用ポンプ32は、アキュムレータ36に蓄圧された高圧の圧油を吸い込んで吐出するため、吸入側と吐出側との差圧が小さく、少ない所要動力で圧油供給を行えるようになっている。
これに対し、アキュムレータ36の蓄圧量が殆どなく蓄圧圧力ΔPが低設定圧PL以下の場合、供給割合βは「0」、アシスト割合αは「1」となるが、この場合は、前述したように、第一コントロールバルブ18は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第一メインポンプ9から最大で(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
一方、第三コントロールバルブ37は中立位置Nに保持されており、而して、専用ポンプ32からヘッド側油室8aへの圧油供給はなされない。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
尚、ブームシリンダ8のロッド側油室8bから排出された油は、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18を経由して油タンク11に流れる。
而して、アキュムレータ36の蓄圧量が殆どない状態でブーム上昇側に操作された場合、専用ポンプ32から圧油供給されない代わりに第一メインポンプ9から圧油供給され、これによりブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から供給される最大一ポンプ分の流量と第一メインポンプ9から供給される最大一ポンプ分の流量とが合流して供給されることになり、よって、アキュムレータ36に蓄圧されていない状態であっても、アキュムレータ36に充分蓄圧されている場合と同様に、ブーム用操作レバーの操作量に対応した所望の速度でブーム5を上昇せしめることができる。
また、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPが高設定圧PHと低設定圧PLの間のとき、供給割合βおよびアシスト割合αは「1」〜「0」の間の値(但し、β=α−1)となるが、この場合、第三コントロールバルブ37は、該三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量が、供給割合βが低くなるほど(つまり、蓄圧圧力ΔPが減少するほど)ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量よりも少なくなるように制御される。
一方、第一コントロールバルブ18は、該三コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量が、アシスト割合αが低くなるほど(つまり、蓄圧圧力ΔPが増加するほど)ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される吐出流量よりも少なくなるように制御される。
ここで、前記第三コントロールバルブ37からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量に供給割合βを乗じた流量であり、また、第一コントロールバルブ18からヘッド側油室8aへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量にアシスト割合αを乗じた流量であり、しかもアシスト割合αと供給割合βとを足すと「1」となる(α+β=1)ように設定されているから、第三コントロールバルブ37からの供給流量が減少するにつれて第一コントロールバルブ18からの供給流量が増加すると共に、第三コントロールバルブ37からの供給流量と第一コントロールバルブ18からの供給流量とを足すと、ブーム用操作レバーに応じて要求される流量になる。而して、専用ポンプ32および第一メインポンプ9から足して最大で(ブーム用操作レバーの操作量が最大のとき)一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
また、第二コントロールバルブ19は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量をヘッド側油室8aに供給するように制御され、而して、第二メインポンプ10から最大で一ポンプ分の流量がヘッド側油室8aに供給される。
尚、ブームシリンダ8のロッド側油室8bから排出された油は、上昇側位置Xの第一コントロールバルブ18および上昇側位置Xの第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れる。
而して、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPが高設定圧PHと低設定圧PLの間のときにブーム上昇側に操作された場合、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aには、第二メインポンプ10から供給される最大一ポンプ分の流量と、専用ポンプ32および第一メインポンプ9から供給される足して最大一ポンプ分の流量とが合流して供給されることになり、よって、アキュムレータ36の蓄圧量が変動しても、アキュムレータ36に充分蓄圧されている場合と同様に、ブーム用操作レバーの操作量に対応した所望の速度でブーム5を上昇せしめることができる。
次に、ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合の制御装置16の制御について説明するが、該ブーム下降側の操作は、前述した機体持ち上げ動作を行う場合と、機体持ち上げ動作以外の場合(ブーム5を空中降下させる場合、あるいは掘削作業や運搬作業を行う場合等)とがある。そして、機体持ち上げ動作時であるか否かの判断は、前記機体持ち上げ動作判断部74において行われ、機体持ち上げ動作時である場合には機体持ち上げ動作ON信号が出力され、また、機体持ち上げ動作時でない場合には機体持ち上げ動作OFF信号が出力されるが、該動作判断部74の判断結果により制御装置16の制御が異なるため、まず、ブーム下降側に操作されたときに機体持ち上げ動作OFF(機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作OFF信号出力)の場合について説明する。尚、前述したように、ブーム下降側に操作された場合に分担割合演算部65から出力されるアシスト割合αおよび供給割合βは、アキュムレータ36の蓄圧圧力ΔPに関わらず常に「1」となるように設定されている。
扨、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対し、第一、第二メインポンプ9、10のポンプ出力を低減せしめるよう制御信号を出力する。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記第一コントロールバルブ制御部67において実行される制御に基づいて、第一下降側電磁比例減圧弁24に対して制御信号を出力する。これにより、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yに切換り、而して、ブームシリンダ8aのヘッド側油室8aからの排出油が、下降側位置Yの再生用弁路18cを経由してロッド側油室8bに供給されるが、その流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。また、第一コントロールバルブ18が下降側位置Yのときの第一メインポンプ9の吐出流量は、前述したように、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御される。
尚、第二コントロールバルブ19は、ブーム5の下降時には中立位置Nに保持され、而して、ブームシリンダ8に対する油給排を行わないと共に、第二メインポンプ9の吐出流量も、ネガティブコントロール流量制御によって最小となるように制御される。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記専用ポンプ制御部73において実行される制御に基づいて、専用ポンプ用レギュレータ35に対し、要求ポンプ容量DR、供給割合β、専用ポンプ32の吐出圧等に基づいて専用ポンプ32の流量制御を行う通常制御の制御信号を出力する。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記第三コントロールバルブ制御部70において実行される制御に基づいて、第三下降側電油変換弁39に対して制御信号を出力する。該第三下降側電油変換弁39に対する制御信号は、機体持ち上げ動作OFFの場合は、前述したように、第三コントロールバルブを第一下降側位置Y1に切換える制御信号値であり、而して、専用ポンプ32の吐出油が、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37の供給用弁路37aを経由してシリンダロッド側油路21に流れて、ブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されるが、該第三コントロールバルブ37からロッド側油室8bへの供給流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。この場合、第一下降側位置Y1の第三コントロールバルブ37は、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流す排出用弁路37bを閉じており、而して、ヘッド側油室8aの油が第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れることがないようになっている。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、ドリフト低減弁用電磁比例減圧弁30に対し、ON位置Xに切換わるようON信号を出力する。これにより、ドリフト低減弁29は、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの油排出を許容する状態になる。
さらに、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、回収用電油変換弁44に対し、回収用バルブ41を開位置Xに切換えるよう制御信号を出力する。これにより、回収用バルブ41が回収油路40を開く開位置Xに切換り、而して、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出された油が、回収油路40を経由してアキュムレータ油路42およびサクション油路33に流れて、アキュムレータ36に蓄圧されると共に、専用ポンプ32の吸入側に供給されるようになっているが、該回収油路40の流量は、ブーム用操作レバーの操作量に応じて要求される流量となるように制御される。さらにこのとき、制御装置16は、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48に対し、ON位置Xに切換るようON信号を出力する。これにより、殆ど圧力損失のない状態で回収油路40からアキュムレータ油路42に油を流すことができるようになっている。
而して、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時には、第三コントロールバルブ37を経由する専用ポンプ32からの圧油がブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されることになるが、この場合、上記専用ポンプ32は、ヘッド側油室8aから排出された高圧の圧油を吸い込んで吐出するため、吸入側と吐出側との差圧が小さく、殆ど所要動力を必要としない状態で圧油供給を行うことができる。
一方、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時に、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出される油は、作業部4の有する位置エネルギーにより高圧となっていると共に、ピストン8cに作用する受圧面積の関係からロッド側油室8bへの供給量に対して略2倍の排出量となるが、該ヘッド側油室8aからの排出油は、回収油路40を経由してサクション油路33およびアキュムレータ油路42に流れる。そして、サクション油路33に流れた油は、専用ポンプ32の吸入側に供給され、該専用ポンプ32からロッド側油室8bに供給される一方、アキュムレータ油路42に供給された圧油はアキュムレータ36に蓄圧されて、前述したように、ブーム5の上昇時に専用ポンプ32からヘッド側油室8aに供給されることになる。而して、作業部4の有する位置エネルギーを、無駄にすることなく回収、再利用できるようになっている。
尚、機体持ち上げ動作時以外のブーム5の下降時に、ヘッド側油室8aからの排出油のうち一部は、第一コントロールバルブ18の再生用弁路18dを経由してロッド側油室8bに供給される。
次いで、ブーム下降側に操作されたときに機体持ち上げ動作ON(機体持ち上げ動作判断部74から機体持ち上げ動作ON信号出力)の場合の制御装置16の制御について説明するが、この場合、メインポンプ制御用電磁比例減圧弁17に対しては、前述した機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様の制御がなされ、これにより第一、第二メインポンプ9、10のポンプ出力は低減する。また、ドリフト低減弁用電磁比例減圧弁30に対しても、前述した機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様の制御がなされ、これによりブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの油排出が許容される。さらに、第一下降側電磁比例減圧弁24に対しても、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様の制御がなされ、これにより第一コントロールバルブ18は下降側位置Yに切換わるが、機体持ち上げ動作ONの場合、ブームシリンダ8のロッド側圧力PBRの方がヘッド側圧力PBHよりも高圧であるため、ヘッド側油室8aの油が再生用弁路18cを経由してロッド側油室8bに流れることなく、また、ロッド側油室8bからヘッド側油室8aへの油の流れはチェック弁18dにより阻止されているため、第一コントロールバルブ18によるブームシリンダ8への油給排は行われない。また、第二コントロールバルブ19によるブームシリンダ8への油給排も、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様に行われない。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記専用ポンプ制御部73において実行される制御に基づいて、専用ポンプ用レギュレータ35に対して制御信号を出力する。該専用ポンプ用レギュレータ35に対する制御信号は、機体持ち上げ動作ONの場合は、前述したように、専用ポンプ32の吐出流量を、機体持ち上げ動作を行うのに適した吐出流量にするための制御信号であり、而して、専用ポンプ32から機体持ち上げ動作を行うのに適した流量の圧油が吐出される。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、前記第三コントロールバルブ制御部70において実行される制御に基づいて、第三下降側電油変換弁39に対して制御信号を出力する。該第三下降側電油変換弁39に対する制御信号は、前述したように、機体持ち上げ動作ONの場合は、第三コントロールバルブを第二下降側位置Y2に切換える制御信号値であり、而して、専用ポンプ32の吐出油が、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37の供給用弁路37aを経由してシリンダロッド側油路21に流れて、ブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されると共に、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油が、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37の排出用弁路37bを経由して油タンク11に流れる。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、回収用電油変換弁44に対し、機体持ち上げ動作OFFでブーム下降側に操作された場合と同様に、回収用バルブ41を開位置Xに切換えるよう制御信号を出力する。これにより、回収用バルブ41は回収油路40を開く開位置Xに切換わるが、前述したように、ヘッド側油室8aからシリンダヘッド側油路20に排出された油は第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブを経由して油タンク11に流れるため、機体持ち上げ動作ONの場合は、ヘッド側油室8aからの排出油が回収油路40を経由してアキュムレータ油路42やサクション油路33に供給されることがないようになっている。尚、アキュムレータ油路42やサクション油路33からシリンダヘッド側油路20への油の流れは、チェック弁43により阻止される。
さらに、機体持ち上げ動作ONでブーム下降側に操作された場合、制御装置16は、アキュムレータチェックバルブ用電磁切換弁48に対し、ON位置Xに切換るようON信号を出力する。これにより、アキュムレータチェックバルブ45は、アキュムレータ油路42からサクション油路33への油の流れを許容する状態になる。而して、アキュムレータ36に蓄圧された圧油がサクション油路33を経由して、専用ポンプ32の吸入側に供給される。
而して、機体持ち上げ動作時には、第二下降側位置Y2の第三コントロールバルブ37を経由して、専用ポンプ32からの圧油がブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給されることになるが、該専用ポンプ32の吐出流量は、機体持ち上げ動作に適した吐出流量となるように制御され、よって、ロッド側油室8bに機体持ち上げ動作に適した流量の圧油を供給できることになるが、さらにこの場合、専用ポンプ32は、アキュムレータ36に蓄圧された高圧の圧油を吸い込んで吐出するため、吸入側と吐出側との差圧が小さく、殆ど所要動力を必要としない状態で圧油供給を行うことができる。
一方、機体持ち上げ動作時に、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出される油は、第二下動側位置Y2の第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れ、これによりヘッド側油室8aの圧力が低下する。そして、該ヘッド側油室8aの圧力が低下することで、ロッド側圧力PBRとヘッド側圧力PBHとの差圧ΔPBを大きくなって、ブームシリンダ8を縮小せしめるべくピストン8cに働く推力が大きくなる。而して、機体持ち上げ動作を、スムーズに行うことができるようになっている。
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベル1には、ブーム5、アーム6、バケット7を備えた作業部4が装着されているが、該油圧ショベル1において、バケット7を接地させた状態でブーム5を機体本体に対して相対的に下降せしめることで機体本体を持ち上げる、所謂機体持ち上げ動作を行う場合がある。該機体持ち上げ動作は、機体本体の重量に抗してブームシリンダ8を縮小させることになるため、ブームシリンダ8の縮小に大きな推力を要することになるが、該機体持ち上げ動作時であるか否かは、制御装置16の機体持ち上げ動作判断部74において判断されることになる。そして、機体持ち上げ動作時でないと判断された場合のブーム5の下降時には、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出された油は、アキュムレータ36に蓄圧されると共に、専用ポンプ32の吸入側に供給され、該専用ポンプ32から第三コントロールバルブ37を経由してロッド側油室8bに供給されることになり、而して、作業部4の有する位置エネルギーを有効に回収、再利用できることになって、省エネルギー化に大きく貢献することができる。一方、機体持ち上げ動作時であると判断された場合には、専用ポンプ32から供給される圧油を第三コントロールバルブ37を経由してロッド側油室8bに供給する一方、ヘッド側油室8aからの排出油は、第三コントロールバルブ37を経由して油タンク11に流れることになる。
この結果、作業部4の有する位置エネルギーを回収、再利用するべく、ブーム5の下降時にブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出される排出油をアキュムレータ36に蓄圧するように構成したものでありながら、機体持ち上げ動作時には、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流すことでヘッド側油室8aの圧力を低下せしめ、これによりロッド側油室8bとヘッド側油室8aとの差圧ΔPBが大きくなって、ブームシリンダ8を縮小せしめるための大きな推力を得ることでき、而して、機体持ち上げ動作をスムーズに行うことができる。
しかもこのものにおいて、機体持ち上げ動作時であるか否かの判断は、ブームシリンダ8のロッド側油室8bとヘッド側油室8aとの差圧に基づいて行われる構成となっているため、的確な判断を行うことができ、よって、機体持ち上げ動作時でない場合のブーム下降時にヘッド側油室8aの油が油タンク11に流れてアキュムレータ36に蓄圧されなくなってしまうような不具合を、確実に防ぐことができる。
さらに、機体持ち上げ動作時におけるヘッド側油室8aから油タンク11への油排出は、ブームシリンダ8に対する油給排制御を行う第三コントロールバルブ37を介して行われることになるが、該第三コントロールバルブ37には、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流さない第一下降側位置Y1と、ヘッド側油室8aからの排出油を油タンク11に流す第二下降側位置Y2とが設けられており、そして、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降操作時には第一下降側位置Y1に位置する一方、機体持ち上げ動作時には第二下降側位置Y2に位置するように制御されることになる。而して、第三コントロールバルブ37は、同じようにブーム用操作レバーが下降側に操作された場合であっても、機体持ち上げ動作時と機体持ち上げ動作時以外との二通りの制御を行えることになる。
しかも、前記第三コントロールバルブ37の第一下降側位置Y1から第二下降側位置Y2への切換えは、第三コントロールバルブ37のスプールの移動ストロークが増加するに伴って行われる構成となっているから、ブーム5を空中降下させてから機体持ち上げ動作を行うような場合に、第一下降側位置Y1から第二下降側位置Y2への切換えがスムーズに行われることになり、良好な操作性を得ることができる。
また、専用ポンプ32は、機体持ち上げ動作時に、アキュムレータ36の蓄圧油を吸い込んでブームシリンダ8のロッド側油室8aに供給する一方、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時には、ヘッド側油室8aから排出された油を吸い込んでロッド側油室8bに供給するように構成されており、而して、機体持ち上げ動作時のときも機体持ち上げ動作時以外のときも、高圧の油を吸い込んで吐出することになって、所要動力を殆ど必要とせず、エネルギー消費の低減に大きく貢献できる。
さらに、前記専用ポンプ32は、専用ポンプ制御部73によって、機体持ち上げ動作時における吐出流量が、機体持ち上げ動作に適した吐出流量となるように制御されるため、ブーム用操作レバーの操作量が小さいような場合であっても、ブームシリンダ8を縮小させるための大きな推力を確実に得ることができて、機体持ち上げ動作をスムーズに行うことができる。
また、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時にブームシリンダ8のヘッド側油室8aから排出されてアキュムレータ36に蓄圧された油は、前述した機体持ち上げ動作時に用いられるだけでなく、ブーム5の上昇時においても、専用ポンプ32によってブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給されることになり、而して、作業部4の有する位置エネルギーを無駄無く有効に再利用することができて、省エネルギー化に大きく貢献できる。
尚、本実施の形態は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、第三コントロールバルブに第二下降側位置を設けることなく、その代わりに、シリンダヘッド側油路に、機体持ち上げ動作時にブームシリンダのヘッド側油室の油を油タンクに流すように制御されるバルブを配することもできる。このように構成した場合であっても、機体持ち上げ動作時にヘッド側油室の圧力を低下せしめることができるが、この場合には、第三コントロールバルブの他に別途バルブが必要となる。
油圧ショベルの側面図である。 油圧制御システムの回路図である。 油圧制御システムの回路図である。 第一下降側位置および第二下降側位置の第三コントロールバルブの開口特性を示す図である。 制御装置の入出力を示すブロック図である。 要求ポンプ容量演算部の制御手順を示すブロック図である。 分担割合演算部の制御手順を示すブロック図である。 機体持ち上げ動作判断部の制御手順を示すブロック図である。 第一コントロールバルブ制御部の制御手順を示すブロック図である。 第三コントロールバルブ制御部の制御手順を示すブロック図である。 専用ポンプ制御部の制御手順を示すブロック図である。
符号の説明
4 作業部
5 ブーム
6 アーム
7 バケット
8 ブームシリンダ
8a ヘッド側油室
8b ロッド側油室
11 油タンク
16 制御装置
32 専用ポンプ
36 アキュムレータ
37 第三コントロールバルブ
Y1 第一下降側位置
Y2 第二下降側位置
70 第三コントロールバルブ制御部
73 専用ポンプ制御部
74 機体持ち上げ動作判断部
73 専用ポンプ制御部

Claims (7)

  1. 機体本体に、基端部が機体本体に揺動自在に軸支され、ブームシリンダの伸縮作動により昇降動するブーム、該ブームの先端部に揺動自在に軸支されるアーム、該アームの先端部に取付けられる作業アタッチメントを備えた作業部を装着してなる油圧ショベルにおいて、該油圧ショベルの油圧制御システムに、前記作業アタッチメントを接地させた状態でブームを機体本体に対して相対的に下降せしめることで機体本体を持ち上げる機体持ち上げ動作時であるか否かを判断する判断手段を設け、機体持ち上げ動作時でないと判断された場合のブーム下降時には、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を、アキュムレータに蓄圧すると共にブームシリンダのロッド側油室に供給するように構成する一方、機体持ち上げ動作時であると判断された場合には、油圧ポンプから供給される圧油をブームシリンダのロッド側油室に供給すると共に、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を油タンクに流すように構成したことを特徴とする油圧ショベルにおける油圧制御システム。
  2. 判断手段は、ブームシリンダのロッド側油室とヘッド側油室との差圧に基づいて、機体持ち上げ動作時であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システム。
  3. 油圧制御システムに、ブーム用操作レバーの操作および判断手段の判断に基づいてブームシリンダに対する油給排制御を行うコントロールバルブを設けると共に、該コントロールバルブは、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降操作時には、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を油タンクに流さない第一下降側位置に位置する一方、機体持ち上げ動作時のブーム下降操作時には、ブームシリンダのヘッド側油室から排出される油を油タンクに流す第二下降側位置に位置するように制御されることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システム。
  4. コントロールバルブは、ブーム用操作レバーの操作および判断手段の判断に基づいてスプールが移動するスプール弁により形成されると共に、スプールの移動ストロークが増加するに伴い第一下降側位置から第二下降側位置に切換わるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システム。
  5. 油圧ポンプは、機体持ち上げ動作時に、アキュムレータの蓄圧油を吸い込んでブームシリンダのロッド側油室に供給する一方、機体持ち上げ動作時以外のブーム下降時に、ブームシリンダのヘッド側油室から排出された油を吸い込んでロッド側油室に供給するように構成されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システム。
  6. 油圧制御システムに、機体持ち上げ動作時における油圧ポンプの吐出流量を、機体持ち上げ動作に適した吐出流量となるように制御するポンプ制御手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システム。
  7. ブームの上昇時に、油圧ポンプは、アキュムレータに蓄圧された油を吸い込んでブームシリンダのヘッド側油室に供給することを特徴とする請求項1乃至6に記載の油圧ショベルにおける油圧制御システム。
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