JP2010060055A - 作業機械における油圧制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】昇降動する作業部の有する位置エネルギーを回収してアキュムレータに蓄圧するにあたり、高負荷作業にも対応できる高圧の圧油を蓄圧できるようにすると共に、該アキュムレータの蓄圧油を、各種油圧アクチュエータに用いることができるようにする。
【解決手段】作業部4を昇降せしめる一対の第一、第二ブームシリンダ8、9のうち、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を油タンク12に流す開閉自在なアンロード弁41を設け、作業部4の下降時にアンロード弁41を開くことで、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で作業部4の重量を保持する構成にすると共に、作業部4の下降時に第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油を蓄圧するアキュムレータ59と、該アキュムレータ59の蓄圧油をメインポンプ10の吐出ライン15に合流させる合流油路16とを設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、昇降自在な作業部を備えた作業機械において、作業部の有する位置エネルギーを回収、再利用することができる作業機械における油圧制御システムの技術分野に属するものである。
一般に、油圧ショベルやクレーン等の作業機械は、昇降自在な作業部を備えると共に、該作業部の昇降は、油圧ポンプから圧油供給される油圧シリンダの伸縮作動に基づいて行うように構成されているが、このものにおいて、従来、作業部の下降時に油圧シリンダのヘッド側油室から油タンクに排出される油は、作業部の自重による急激な落下を防止するため、油圧シリンダの油供給排出制御を行うコントロールバルブに設けられた絞りによってメータアウト制御されるように構成されている。つまり、地面より上方に位置している作業部は位置エネルギーを有しているが、該位置エネルギーは、前記コントロールバルブの絞りを通過するときに熱エネルギーに変換され、さらに該熱エネルギーはオイルクーラーによって大気中に放出されることになって、無駄なエネルギー損失となる。
そこで、作業部の有する位置エネルギーを回収、再利用するために、従来設けられている油圧シリンダに加えてアシストシリンダを設け、作業部の下降時に、アシストシリンダのヘッド側油室から排出される油をアキュムレータに蓄圧すると共に、作業部の上昇時に、アキュムレータに蓄圧された圧油をアシストシリンダのヘッド側油室に供給するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかるに、前記特許文献1のものは、作業部の下降時に、アシストシリンダからの排出油はアキュムレータに蓄圧されるものの、作業部を昇降するために従来から設けられている油圧シリンダからの排出油は、コントロールバルブを経由して油タンクに排出されるようになっており、作業機の有する位置エネルギーのうちの一部しか回収されていないことになる。しかも、作業部の上昇時にアキュムレータに充分に蓄圧されていない場合には、油圧ポンプからコントロールバルブを介して油圧シリンダに供給される圧油の一部が、アシストシリンダに供給されると共にアキュムレータ蓄圧用に用いられるように構成されているため、作業部の上昇速度が遅くなって、作業効率が低下するという問題がある。
これに対し、アシストシリンダを設けることなく、作業部の下降時に油圧シリンダから排出された油をアキュムレータに蓄圧すると共に、作業部の上昇時に該アキュムレータに蓄圧された圧油を油圧シリンダに供給するように構成すれば、作業機の有する位置エネルギーを確実に回収できることになるが、この場合、アキュムレータの蓄圧油の圧力は、油圧シリンダが作業部の重量を保持する保持圧よりは高圧にならないため、高負荷作業時に用いる圧油の圧力としては不足する場合がある。そこでアキュムレータの蓄圧油を、エンジン動力で駆動する専用のポンプで高圧にして、油圧シリンダに供給する技術が提唱されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第2582310号公報 特開2008−14468号公報
しかるに、特許文献2のものでは、アキュムレータの蓄圧油を高圧にするための専用のポンプや、該ポンプにエンジン動力を伝達するための動力伝達機器(ギア装置等)が必要になって、コストアップの要因となるうえ、動力伝達機器におけるトルク低下や、ポンプ自体の慣性質量などによる空転トルク等のエネルギー損失の問題があって、更なる省エネルギー化が求められ、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、昇降自在な作業部と、該作業部を昇降せしめる一対の第一、第二油圧シリンダと、該第一、第二油圧シリンダを含む複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油供給する油圧ポンプとを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、該油圧制御システムに、前記第一油圧シリンダのヘッド側油室の圧油を油タンクに流す開閉自在なアンロード油路と、該アンロード油路の開閉制御を行なう制御装置とを設け、作業部の上昇時および昇降停止時には前記アンロード油路を閉じて第一および第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧力で作業部の重量を保持する一方、作業部の下降時にアンロード油路を開いて第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧力で作業部の重量を保持する構成にすると共に、作業部の下降時に前記第二油圧シリンダのヘッド側油室から排出される圧油を蓄圧するアキュムレータと、該アキュムレータの蓄圧油を前記油圧ポンプの吐出ラインに合流させる合流油路とを設けたことを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項2の発明は、油圧制御システムに、第一、第二油圧シリンダのヘッド側油室同士を連通するヘッド側連通油路と、該ヘッド側連通油路を開閉するべく制御装置により制御されるヘッド側連通油路開閉弁とを設けると共に、該ヘッド側連通油路開閉弁は、アンロード油路が閉じている状態ではヘッド側連通油路を開く一方、アンロード油路が開いている状態ではヘッド側連通油路を閉じるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システムである。
請求項3の発明は、合流油路に、アキュムレータから油圧ポンプの吐出ラインへの合流量を制御する合流バルブを配したことを特徴とする請求項1または2に記載の作業機械における油圧制御システムである。
請求項4の発明は、油圧制御システムは、アキュムレータから油圧ポンプの吐出ラインへの合流量に応じて油圧ポンプの吐出流量を低減せしめるポンプ流量低減手段を有することを特徴とする請求項3に記載の作業機械における油圧制御システムである。
請求項5の発明は、油圧制御システムに、作業部の下降時に第二油圧シリンダのヘッド側油室の排出流量を制御する第二流量制御弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
請求項6の発明は、第二油圧シリンダのヘッド側油室からアキュムレータに至る油路に、作業部の上昇時および昇降停止時において、第二油圧シリンダのヘッド側油室からアキュムレータへの油の流れ、およびアキュムレータから第二油圧シリンダのヘッド側油室への油の流れを阻止する弁手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システムである。
請求項1の発明とすることにより、作業部の下降時に、アンロード油路を開いて第一油圧シリンダのヘッド側油室の圧油を油タンクに流すことで、作業部の重量は第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧力で保持されると共に、該第二油圧シリンダのヘッド側油室からの排出油がアキュムレータに蓄圧されることになるが、この場合、第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧力、つまり作業部の重量を保持する保持圧は、第一および第二の両方の油圧シリンダで作業部の重量を保持する場合の保持圧に対して倍増するから、アキュムレータには、高負荷作業にも対応できる高圧の圧油が蓄圧されることになる。そして該高圧のアキュムレータの蓄圧油を油圧ポンプの吐出ラインに合流させることで、アキュムレータの蓄圧油を、作業部の上昇時における第一、第二油圧シリンダへの供給圧油として用いることができるのは勿論のこと、作業機械に備えられた複数の油圧アクチュエータへの供給圧油として、高負荷作業を含めた様々な作業に用いることができる。しかも、エンジン動力で駆動するポンプを用いてアキュムレータの蓄圧油を増圧する場合のように、エンジンからポンプへの動力伝達経路におけるトルク低下やポンプ自体の慣性質量などによる空転トルクの損失等がなく、アキュムレータに回収した作業部の位置エネルギーを可及的に損失の少ない状態で利用できると共に、コスト削減にも大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、アンロード油路が閉じている状態、つまり、第一および第二油圧シリンダのヘッド側油室で作業部の重量を保持している状態では、第一および第二油圧シリンダのヘッド側油室同士が連通状態になって、第一および第二油圧シリンダでバランス良く作業部を支持できる一方、アンロード油路が開いている状態、つまり、第二油圧シリンダのヘッド側油室で作業部の重量を保持している状態では、該第二油圧シリンダのヘッド側油室と第一油圧シリンダのヘッド側油室とを遮断することができる。
請求項3の発明とすることにより、合流バルブによりアキュムレータから油圧ポンプの吐出ラインへの合流量を制御することで、アキュムレータの蓄圧油を無駄無く効率的に用いることができる。
請求項4の発明とすることにより、油圧ポンプの吐出流量を適切に低減せしめることができて、効率よく低燃費化を達成できる。
請求項5の発明とすることにより、第二流量制御弁によって、作業部の下降速度を制御することができる。
請求項6の発明とすることにより、作業部の上昇時および昇降停止時において、第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧油がアキュムレータに流出したり、或いはアキュムレータの蓄圧油が第二油圧シリンダのヘッド側油室に供給されてしまうような不具合を、確実に回避することができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は作業機械の一例である油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3のフロントに装着される作業部4等の各部から構成され、さらに該作業部4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるアーム6、該アーム6の先端部に取付けられるバケット7等から構成されている。
さらに、8、9は前記ブーム5を上下揺動せしめるための左右一対の第一、第二ブームシリンダ(本発明の第一、第二油圧シリンダに相当する)であって、これら第一、第二ブームシリンダ8、9は、ヘッド側油室8a、9aの圧力によって作業部4の重量を保持すると共に、該ヘッド側油室8a、9aへの圧油供給およびロッド側油室8b、9bからの油排出により伸長してブーム5を上昇せしめ、また、ロッド側油室8b、9bへの圧油供給およびヘッド側油室8a、9aからの油排出により縮小してブーム5を下降せしめるように構成されている。そして、該ブーム5の昇降に伴って作業部4全体が昇降すると共に、ブーム5の上昇に伴い作業部4の有する位置エネルギーが増加するが、該位置エネルギーは、後述する油圧制御システムによって回収されて再利用されるようになっている。尚、前記第一ブームシリンダ8は、一対のブームシリンダ8、9のうちの何れか一方のブームシリンダ8、第二ブームシリンダ9は他方のブームシリンダ9であって、図1では、左側を第一ブームシリンダ8とし、右側を第二ブームシリンダ9としているが、左右逆であっても勿論良い。
次いで、前記油圧制御システムについて、図2の油圧回路図に基づいて説明するが、該図2において、8、9は前記第一、第二ブームシリンダ、10は油圧ショベル1に搭載のエンジンEにより駆動される可変容量型のメインポンプ(本発明の油圧ポンプに相当する)、11はパイロット油圧源となるパイロットポンプ、12は油タンクである。尚、前記メインポンプ10は、第一、第二ブームシリンダ8、9だけでなく、油圧ショベル1に設けられる他の複数の油圧アクチュエータ(図2には図示しないが、走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)の油圧供給源になるポンプである。
さらに、13は前記メインポンプ10の吐出流量制御を行うレギュレータであって、該レギュレータ13は、メインポンプ出力制御用電磁比例減圧弁14からの制御信号圧を受けて、エンジン回転数と作業負荷に対応したポンプ出力にするべく作動すると共に、メインポンプ10の吐出圧を受けて定馬力制御を行う。さらにレギュレータ13は、ネガティブコントロール信号圧Pn或いは流量制御信号圧Pcに基づいた流量制御も行うが、該流量制御については後述する。
一方、15は前記メインポンプ10の吐出ラインであって、該吐出ライン15は、後述する合流油路16と合流して圧油供給油路17に至るが、該圧油供給油路17には、前記第一、第二ブームシリンダ8、9に対する給排制御を行うブームシリンダ用コントロールバルブ18が接続されている。また、圧油供給油路17には、前記ブームシリンダ用コントロールバルブ18だけでなく、油圧ショベル1に設けられる他の複数の油圧アクチュエータに対する油給排制御をそれぞれ行なう油圧アクチュエータ用コントロールバルブ(走行モータ用コントロールバルブ、旋回モータ用コントロールバルブ、アームシリンダ用コントロールバルブ、バケットシリンダ用コントロールバルブ等)も接続されるが、図2においては省略する。
前記ブームシリンダ用コントロールバルブ18は、上昇側、下降側パイロットポート18a、18bを備えたスプール弁で構成されており、両パイロットポート18a、18bにパイロット圧が入力されていない状態では、第一、第二ブームシリンダ8、9に対する油給排を行なわない中立位置Nに位置しているが、上昇側パイロットポート18aにパイロット圧が入力されることにより、圧油供給油路17の圧油を第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aに供給する一方、ロッド側油室8b、9bから排出された油を油タンク12に流す上昇側位置Xに切換わり、また、下降側パイロットポート18bにパイロット圧が入力されることにより、圧油供給油路17の圧油を第一、第二ブームシリンダ8、9のロッド側油室8b、9bに供給する下降側位置Yに切換るように構成されている。
ここで、前記第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aとブームシリンダ用コントロールバルブ18とは、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aにそれぞれ接続される第一、第二ヘッド側油路19、20、これら第一、第二ヘッド側油路19、20を介して第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士を連通するヘッド側連通油路21、該ヘッド側連通油路21とブームシリンダ用コントロールバルブ18とを接続するヘッド側メイン油路22を介して連結されている。また、第一、第二ブームシリンダ8、9のロッド側油室8b、9bとブームシリンダ用コントロールバルブ18とは、ロッド側油室8b、9b同士を連通するロッド側連通油路23、および該ロッド側連通油路23とブームシリンダ用コントロールバルブ18とを接続するロッド側メイン油路24を介して連結されている。而して、これらの油路を介して、第一、第二ブームシリンダ8、9とブームシリンダ用コントロールバルブ18とのあいだの油の給排が行なわれるようになっている。
一方、25、26は上昇側、下降側電磁比例減圧弁であって、これら各電磁比例減圧弁25、26は、後述する制御装置27からの制御信号に基づいて、前記ブームシリンダ用コントロールバルブ18の上昇側パイロットポート18a、下降側パイロットポート18bにそれぞれパイロット圧を出力するべく作動する。これら上昇側、下降側電磁比例減圧弁25、26から出力されるパイロット圧は、ブーム用操作レバー(図示せず)の操作量に応じて増減するように制御されると共に、該パイロット圧の増減に対応してスプールの移動ストロークが増減することでブームシリンダ用コントロールバルブ18の開口面積が増減制御されるようになっており、これによって、ブームシリンダ用コントロールバルブ18から第一、第二ブームシリンダ8、9への供給流量の増減制御がなされるように構成されている。
さらに、前記ブームシリンダ用コントロールバルブ18には、圧油供給油路17の圧油をネガティブコントロールバルブ28を経由して油タンク12に流すセンタバイパス弁路18cが形成されている。該センタバイパス弁路18cの通過流量は、ブームシリンダ用コントロールバルブ18が中立位置Nのときに最も大きく、スプールの移動ストロークが大きくなるほど小さくなる、つまり、ブーム用操作レバーの操作量が増加するほどセンタバイパス弁路18cの通過流量が減少するように制御される。そして、該センタバイパス弁路18cの通過流量は、ネガティブコントロール信号圧Pnとして後述するシャトル弁29の一方の入力ポート29aに出力される。
また、30は制御装置27からの制御信号に基づいて流量制御信号圧Pcを出力するメインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁であって、該メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30から出力された流量制御信号圧Pcは、前記シャトル弁29の他方の入力ポート29bに入力される。
前記シャトル弁29は、入力ポート29a、29bから入力されるネガティブコントロール信号圧Pnと流量制御信号圧Pcとのうち高圧側を選択して、前記メインポンプ10のレギュレータ13に出力する。そして、該レギュレータ13は、入力された信号圧が高いほどポンプ流量を減少せしめるように、メインポンプ10の流量を制御する。つまり、ネガティブコントロール信号圧Pnと流量制御信号圧Pcとのうち、メインポンプ10の吐出流量を少なくする方の信号圧がシャトル弁29により選択されてレギュレータ13に入力され、そして、該レギュレータ13は、ネガティブコントロール信号圧Pnが入力された場合には、ブーム用操作レバーの操作量の増減に対応してポンプ流量を増減せしめる一方、流量制御信号圧Pcが入力された場合には、該流量制御信号圧Pcに基づく流量制御を行なうが、この流量制御信号圧Pcについては後述する。
一方、前記第一、第二ヘッド側油路19、20は、前述したように、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aに接続される油路であるが、該第一、第二ヘッド側油路19、20には、ヘッド側油室8a、9aへの油供給は許容するがヘッド側油室8a、9aからの油排出は阻止する第一、第二チェック弁31、32と、ヘッド側油室8a、9aからの排出流量を制御する第一、第二流量制御弁33、34とが並列状に配されている。而して、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aへの油供給は第一、第二チェック弁31、32を経由して行なわれる一方、ヘッド側油室8a、9aからの油排出は、第一、第二流量制御弁33、34を経由して行なわれるようになっている。
前記第一、第二流量制御弁33、34は、パイロットポート33a、34aを備えたスプール弁であって、パイロットポート33a、34aにパイロット圧が入力されていない状態では、第一、第二ヘッド側油路19、20を閉じる閉位置Nに位置しているが、パイロットポート33a、34aにパイロット圧が入力されることにより、第一、第二ヘッド側油路19、20を開く開位置Xに切換わるように構成されている。
また、35、36は第一、第二電磁比例減圧弁であって、これら各電磁比例減圧弁35、36は、制御装置27からの制御信号に基づいて、前記第一、第二流量制御弁33、34のパイロットポート33a、34aにパイロット圧を出力するべく作動する。そして、これら第一、第二電磁比例減圧弁35、36から出力されるパイロット圧の増減に対応して、第一、第二流量制御弁33、34の開口面積が増減制御されるようになっている。
さらに、37、38は前記第一、第二ヘッド側油路19、20にそれぞれ接続される第一、第二リリーフ弁であって、該第一、第二リリーフ弁37、38によって、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側リリーフ圧が設定されるように構成されている。
一方、前記ヘッド側連通油路21は、前述したように、第一、第二ヘッド側油路19、20を介して第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士を連通する油路であるが、該ヘッド側連通油路21には、制御装置27からの制御信号に基づいてヘッド側連通油路21を開閉するヘッド側連通油路開閉弁39が配設されている。而して、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士は、ヘッド側連通油路開閉弁39がヘッド側連通油路21を開く開位置Xに位置している状態では、第一、第二ヘッド側油路19、20を介して連通する状態になっているが、ヘッド側連通油路開閉弁39がヘッド側連通油路21を閉じる閉位置Nに位置することにより、遮断された状態になるように構成されている。尚、ロッド側連通油路23には前記ヘッド側連通油路開閉弁39のような開閉弁は配されておらず、第一、第二ブームシリンダ8、9のロッド側油室8b、9b同士は常時連通状態になっている。
さらに、40は前記第一ヘッド側油路19から油タンク12に至る第一ヘッド側排出油路であって、該第一ヘッド側排出油路40には、アンロード弁41が配されている。
前記アンロード弁41は、ポペット弁42と、制御装置27から出力される制御信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるアンロード弁用電磁切換弁43とを用いて構成されている。そして、該アンロード弁41は、アンロード弁用電磁切換弁43がOFF位置Nに位置しているときには、第一ヘッド側油路19から油タンク12への油の流れを阻止する、つまり第一ヘッド側排出油路40を閉じる閉状態に保持されるが、アンロード弁用電磁切換弁43がON位置Xに切換わることにより、第一ヘッド側油路19から油タンク12への油の流れを許容する、つまり、第一ヘッド側排出油路40を開く開状態になる。而して、上記アンロード弁用電磁切換弁43をON位置Xに位置せしめてアンロード弁41を開状態にすることにより、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を、第一流量制御弁33および第一ヘッド側排出油路40を経由して油タンク12に流すことができるようになっている。
ここで、前述したように、アンロード弁41が開状態のときには、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を、第一流量制御弁33および第一ヘッド側排出油路40を経由して油タンク12に流すことができるが、この場合、第一流量制御弁33の開口面積を最大にすることによって、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を、略アンロード状態で油タンク12に流すことができるようになっている。尚、本実施の形態において、前記第一ヘッド側油路19、第一流量制御弁33、第一ヘッド側排出油路40、およびアンロード弁41は、本発明の開閉自在なアンロード油路を構成するが、本発明のアンロード油路が開いている状態とは、第一流量制御弁33の開口面積が最大で、且つ、アンロード弁41が開状態のときであって、それ以外の場合には、アンロード油路が閉じている状態とする。
さらに、44は前記第二ヘッド側油路20に接続される回収油路であって、該回収油路44には、第二ヘッド側油路20を経由する第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油が供給されるが、該回収油路44は、アキュムレータ油路45に対して、後述するシリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49を介して接続されている。ここで、上記アキュムレータ油路45は、アキュムレータ59に圧油を給排するべくアキュムレータ59に接続される油路である。
前記シリンダ側チェック弁46は、ポペット弁47と、制御装置27から出力される制御信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるシリンダ側チェック弁用電磁切換弁48とを用いて構成されている。そして、該シリンダ側チェック弁46は、シリンダ側チェック弁用電磁切換弁48がOFF位置Nに位置している状態では、回収油路44からアキュムレータ油路45への油の流れを阻止する閉状態に保持されるが、シリンダ側チェック弁用電磁切換弁48がON位置Xに切換わることにより、回収油路44とアキュムレータ油路45との間の双方向の流れを許容する開状態になる。
また、前記アキュムレータ側チェック弁49は、ポペット弁50と、制御装置27から出力される制御信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるアキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51とを用いて構成されている。そして、該アキュムレータ側チェック弁49は、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51がOFF位置Nに位置している状態では、アキュムレータ油路45から回収油路44への油の流れを阻止する閉状態に保持されるが、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51がON位置Xに切換わることにより、回収油路44とアキュムレータ油路45との間の双方向の流れを許容する開状態になる。尚、アキュムレータ側チェック弁49は、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51がOFF位置Nに位置している状態であっても、回収油路44からアキュムレータ油路45への油の流れを許容するが、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51がON位置Xに位置している状態では、アキュムレータ油路45の圧力がポペット弁50のバネ室50aに導入されないため、殆ど圧力損失のない状態で回収油路44からアキュムレータ油路45に油を流すことができるようになっている。
而して、前記シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49が共に閉状態に保持されている状態では、回収油路44からアキュムレータ油路45への油の流れ、およびアキュムレータ油路45から回収油路44への油の流れは共に阻止される一方、シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49が共に開状態になることにより、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aから排出油を、回収油路44およびアキュムレータ油路45を経由してアキュムレータ59に蓄圧することができるようになっている。尚、上記シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49は、本発明の弁手段を構成する。また、本実施の形態において、アキュムレータ59は、油圧エネルギー蓄積用として最適なブラダ型のものが用いられているが、これに限定されることなく、例えばピストン型のものであっても良い。
一方、16は前記アキュムレータ油路45からメインポンプ10の吐出ライン15に至るように形成される合流油路であって、該合流油路16には、合流バルブ52が配されている。
前記合流バルブ52は、制御装置27からの制御信号が入力される合流バルブ用電油変換弁53の作動に基づいてスプールが移動する流量制御弁であって、合流バルブ用電油変換弁53が非作動の状態では、合流油路16を閉じる閉位置Nに位置しているが、合流バルブ用電油変換弁53が作動することによりスプールが移動して、合流油路16を開く開位置Xに切換わるように構成されている。さらに、該合流バルブ52には、アキュムレータ油路45から吐出ライン15への油の流れは許容するが、逆方向の流れは阻止するチェック弁54が内蔵されている。而して、合流バルブ52が開位置Xに切換わることによって、アキュムレータ59に蓄圧された圧油を、アキュムレータ油路45および合流油路16を経由して、メインポンプ10の吐出ライン15に合流させることができるようになっている。
前記合流バルブ52の開口面積は、制御装置27から合流バルブ用電油変換弁53に入力される制御信号の信号値によって増減制御されるようになっており、そして、該合流バルブ52の開口面積の増減制御によって、アキュムレータ59から合流油路16を経由してメインポンプ10の吐出ライン15に合流する流量の増減制御がなされるように構成されている。
さらに、55は前記アキュムレータ油路45から分岐形成されて油タンク12に至るアキュムレータ用排出油路であって、該アキュムレータ用排出油路55にはタンクチェック弁56が配されている。
前記タンクチェック弁56は、ポペット弁57と、制御装置27から出力される制御信号に基づいてOFF位置NからON位置Xに切換わるタンクチェック弁用電磁切換弁58とを用いて構成されている。そして、該タンクチェック弁56は、タンクチェック弁用電磁切換弁58がOFF位置Nに位置しているときには、アキュムレータ油路45から油タンク12への油の流れを阻止する、つまりアキュムレータ用排出油路55を閉じる閉状態に保持されるが、タンクチェック弁用電磁切換弁58がON位置Xに切換わることにより、アキュムレータ油路45から油タンク12への油の流れを許容する、つまり、アキュムレータ用排出油路55を開く開状態になる。而して、上記タンクチェック弁用電磁切換弁58をON位置Xに位置せしめてタンクチェック弁56を開状態にすることにより、アキュムレータ59の蓄圧油をアキュムレータ用排出油路55を経由して油タンク12に排出することができるようになっている。
一方、前記制御装置27は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図3のブロック図に示すごとく、ブーム用操作レバーの操作方向および操作量を検出するブーム操作検出手段60、メインポンプ10の吐出圧を検出するポンプ用圧力センサ61、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力を検出する第一ヘッド側圧力センサ62、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力を検出する第二ヘッド側圧力センサ63、アキュムレータ59の圧力を検出するアキュムレータ圧力センサ64等からの信号を入力し、これら入力信号に基づいて、前述の上昇側電磁比例減圧弁25、下降側電磁比例減圧弁26、メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30、第一電磁比例減圧弁35、第二電磁比例減圧弁36、ヘッド側連通油路開閉弁39、アンロード弁用電磁切換弁43、シリンダ側チェック弁用電磁切換弁48、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51、合流バルブ用電油変換弁53、タンクチェック弁用電磁切換弁58等に制御信号を出力する。
前記制御装置27の行なう制御のうち、まず、両持ち制御、片持ち制御について説明すると、制御装置27は、ブーム操作検出手段60から入力されるブーム用操作レバーの操作信号に基づき、ブーム用操作レバーが下降側、上昇側の何れにも操作されていない場合、或いは上昇側に操作された場合、つまり、作業部4の昇降停止時および上昇時には、作業部4の重量を第一および第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力で保持する両持ち制御を行なうと判断し、また、ブーム用操作レバーが下降側に操作された場合、つまり、作業部4の下降時には、作業部4の重量を第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で保持する片持ち制御を行なうと判断する。
そして、両持ち制御を行なうと判断された場合、制御装置27は、アンロード弁用電磁切換弁43に対してOFF位置Nに位置するように制御信号を出力して、アンロード弁41を閉状態にする(アンロード油路を閉じる)。これにより、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの油が、第一ヘッド側排出油路40を経由して油タンク12に流れることが阻止される。さらに制御装置27は、ヘッド側連通油路開閉弁39に対して開位置Xに位置するように制御信号を出力する。これにより、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士は、第一、第二ヘッド側油路19、20を介して連通状態になる。この状態では、第一および第二の両方のブームシリンダ8、9が作業部4の重量保持を担うことになり、而して、第一および第二の両方のブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力で作業部4の重量を保持する両持ち制御が実行される。
一方、片持ち制御を行なうと判断された場合、制御装置27は、ヘッド側連通油路開閉弁39に対して閉位置Nに位置するように制御信号を出力する。これにより、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士は遮断された状態になる。さらに制御装置27は、第一電磁比例減圧弁35に対して最大パイロット圧出力の制御信号を出力して第一流量制御弁33の開口面積を最大にすると共に、アンロード弁用電磁切換弁43に対してON位置Xに位置するように制御信号を出力してアンロード弁41を開状態にする(アンロード油路を開く)。これにより、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの油は、第一ヘッド側油路19および第一ヘッド側排出油路40を経由して油タンク12に流れることになって、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力は略タンク圧まで低下する。この状態では、第一ブームシリンダ8による作業部4の重量保持はなされず、第二ブームシリンダ9のみが作業部4の重量保持を担うことになり、而して、第一、第二ブームシリンダ8、9のうち片方の第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で作業部4の重量を保持する片持ち制御が実行される。そして、該片持ち制御にすることにより、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力は、前記両持ち制御時における第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力に対して約二倍に昇圧する。
次いで、ブーム用操作レバーの操作に基づく制御装置27の制御について説明する。
まず、ブーム用操作レバーがブーム下降側、上昇側の何れにも操作されていない場合、つまり、作業部4の昇降停止時には、制御装置27は、上昇側電磁比例減圧弁25、下降側電磁比例減圧弁26、第一電磁比例減圧弁35、第二電磁比例減圧弁36に対してパイロット圧出力の制御信号を出力せず、これによりブームシリンダ用コントロールバルブ18は中立位置Nに位置し、第一、第二流量制御弁33、34は閉位置Nに位置している。また、メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30に対して流量制御信号圧Pc出力の制御信号は出力されず、メインポンプ10のレギュレータ13にはネガティブコントロール信号圧Pnが入力される。さらに、シリンダ側チェック弁用電磁切換弁48、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51、タンクチェック弁用電磁切換弁58は何れもOFF位置Nに位置するように制御され、これによりシリンダ側チェック弁46、アキュムレータ側チェック弁49、タンクチェック弁56は何れも閉状態に保持される。さらに、合流バルブ用電油変換弁53に作動信号は出力されず、これにより合流バルブ52は閉位置Nに位置している。さらに、作業部4の昇降停止時には、前述したように、両持ち制御が実行されるようになっているため、ヘッド側連通油路開閉弁39は開位置Xに位置し、また、アンロード弁41は閉状態になるように制御される。
一方、ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合、つまり、作業部4の下降時には、前述したように、片持ち制御が実行されるため、ヘッド側連通油路開閉弁39は閉位置Nに位置し、また、第一流量制御弁33の開口面積は最大になり、さらに、アンロード弁41は開状態になるように制御される。これにより、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油は、第一ヘッド側排出油路40を経由して油タンク12に流れると共に、作業部4の重量は、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で保持される状態になる。
さらに、ブーム下降側に操作された場合、制御装置27は、下降側電磁比例減圧弁26に対し、ブームシリンダ用コントロールバルブ18の下降側パイロットポート18bに、ブーム用操作レバーの操作量に対応したパイロット圧を出力するように制御信号を出力する。これによりブームシリンダ用コントロールバルブ18が下降側位置Yに切換わり、而して、圧油供給油路17の圧油が、上記下降側位置Yのブームシリンダ用コントロールバルブ18、ロッド側メイン油路24、ロッド側連通油路23を経由して、第一、第二ブームシリンダ8、9のロッド側油室8b、9bに供給される。尚、後述するように、ブーム用操作レバーがブーム下降側に操作された場合、圧油供給油路17にはメインポンプ10の吐出油のみが供給されるようになっている。
さらに、ブーム下降側に操作された場合、制御装置27は、メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30に対して、流量制御信号圧Pc出力の制御信号を出力しない。これにより、シャトル弁29の他方のポート29aに入力される圧力はタンク圧となり、而して、シャトル弁29はネガティブコントロール信号圧Pnを選択して、メインポンプ10のレギュレータ13に入力する。これによりメインポンプ10は、ブーム用操作レバーの操作量の増減に対応して吐出流量が増減するように制御される。
さらに、ブーム下降側に操作された場合、制御装置27は、第二電磁比例減圧弁36に対し、第二流量制御弁34のパイロットポート34aに、ブーム用操作レバーの操作量に対応したパイロット圧を出力するように制御信号を出力する。これにより、第二流量制御弁34は、第二ヘッド側油路20を開く開位置Xに切換わる。而して、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aから排出された圧油が、開位置Xの第二流量制御弁34を経由して回収油路44に供給されるが、その流量は、第二流量制御弁34の開口面積により制御される。尚、前述したように、作業部4の下降時には片持ち制御が実行されていて、作業部4の重量を第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aで保持しているため、該第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油の圧力は両持ち制御の場合と比して約二倍の高圧になり、該高圧の油が回収油路44に供給される。
さらに、ブーム下降側に操作された場合、制御装置27は、シリンダ側チェック弁用電磁切換弁48およびアキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51に対し、ON位置Xに切換わるように制御信号を出力する。これにより、シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49は共に開状態になって、回収油路44からアキュムレータ油路45への油の流れが許容される。而して、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aから排出されて回収油路44に供給された油がアキュムレータ油路45に流れ、該アキュムレータ油路45を経由してアキュムレータ59に蓄圧されるようになっている。
ここで、前述したように、第二流量制御弁34が開位置Xに切換わると共に、シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49が共に開状態になることにより、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油が回収油路44に流れ、そして該回収油路44からアキュムレータ油路45を経由してアキュムレータ59に蓄圧されることになるが、この場合に、アキュムレータ59からヘッド側油室9aへの逆流を防止するため、制御装置27は、第二ヘッド側圧力センサ63から入力される第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力Ph2と、アキュムレータ圧力センサ64から入力されるアキュムレータ59の圧力Paとを比較し、そして、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力Ph2がアキュムレータ59の圧力Paよりも小さい場合(Ph2<Pa)には、アキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51をOFF位置Nに位置せしめてアキュムレータ側チェック弁49が閉状態になるように制御するようになっており、これによって、アキュムレータ59からヘッド側油室9aへ油が逆流してしまうことを防止できるようになっている。
つまり、作業部4の下降時には、作業部4の重量を第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で保持する片持ち制御が実行されると共に、該第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油がアキュムレータ59に蓄圧されることになるが、この場合、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力は、両持ち制御の場合と比して約二倍の高圧になっており、而して、アキュムレータ59には、例えば掘削作業や持上げ旋回等の高負荷作業にも対応できる高圧の圧油が蓄圧されることになる。
さらに、ブーム下降側に操作された場合、制御装置27は、合流バルブ用電油変換弁53に作動信号を出力せず、これにより合流バルブ52は、合流油路16を閉じる閉位置Nに位置するように制御される。而して、アキュムレータ油路45から合流油路16を経由して圧油供給油路17に圧油供給されることなく、圧油供給油路17にはメインポンプ10の吐出油のみが供給されるようになっている。
さらに、ブーム下降側に操作された場合、制御装置27は、タンクチェック弁用電磁切換弁58に対し、OFF位置Nに位置するように制御する。これにより、タンクチェック弁56は、アキュムレータ用排出油路55を閉じる閉状態に保持されるようになっている。
次に、ブーム用操作レバーがブーム上昇側に操作された場合、つまり作業部4の上昇時における制御について説明すると、作業部4の上昇時には、前述したように、両持ち制御が実行されるようになっているため、ヘッド側連通油路開閉弁39は開位置Xに位置し、また、アンロード弁41は閉状態になるように制御される。
さらに、ブーム上昇側に操作された場合、制御装置27は、上昇側電磁比例減圧弁25に対し、ブームシリンダ用コントロールバルブ18の上降側パイロットポート18aに、ブーム用操作レバーの操作量に対応したパイロット圧を出力するように制御信号を出力する。これによりブームシリンダ用コントロールバルブ18が上昇側位置Xに切換わり、而して、該上昇側位置Xのブームシリンダ用コントロールバルブ18を経由して、圧油供給油路17の圧油が第一、第二ブームシリンダ8のヘッド側油室8a、9aに供給されると共に、ロッド側油室8b、9bからの排出油が油タンク12に排出される。尚、後述するように、ブーム上昇側に操作された場合、圧油供給油路17には、メインポンプ10の吐出油だけでなく、アキュムレータ59の蓄圧油も供給されるようになっている。
さらにこのとき、制御装置27は、第一、第二電磁比例減圧弁35、36に対してパイロット圧出力の制御信号を出力せず、これにより、第一、第二流量制御弁33、34は閉位置Nに位置するように制御される。また、前述したように、ヘッド側連通油路開閉弁39は開位置Xに位置し、また、アンロード弁41は閉状態になっている。而して、前記上昇側位置Xのブームシリンダ用コントロールバルブ18を経由して第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aに供給される圧油は、第一ヘッド側排出油路40を経由して油タンク12に流れることなく、ヘッド側メイン油路22、ヘッド側連通油路21、および第一、第二ヘッド側油路19、20の第一、第二チェック弁31、32を経由して、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aに至るようになっている。
さらに、ブーム上昇側に操作された場合、制御装置27は、シリンダ側チェック弁用電磁切換弁48およびアキュムレータ側チェック弁用電磁切換弁51を、OFF位置Nに位置するように制御する。これにより、シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49は閉状態に保持され、而して、回収油路44とアキュムレータ油路45との間は遮断された状態になる。
さらに、ブーム上昇側に操作された場合、制御装置27は、合流バルブ用電油変換弁53に対して、合流バルブ52を開位置Xに切換えるよう作動信号を出力する。これにより合流バルブ52は、アキュムレータ油路45からメインポンプ10の吐出ライン15に至る合流油路16を開くが、その開口面積は、ブーム用操作レバーの操作量、およびアキュムレータ59の圧力Paとメインポンプ10の吐出圧Ppとの差圧に応じて制御される。而して、アキュムレータ59に蓄圧された圧油が、アキュムレータ油路45、合流油路16を経由してメインポンプ10の吐出ライン15に合流し、そして、前述したように、圧油供給油路17、上昇側位置Xのブームシリンダ用コントロールバルブ18を経由して、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aに供給されるようになっている。
さらに、ブーム上昇側に操作された場合、制御装置27は、メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30に対して、流量制御信号圧Pcを出力するように制御信号を出力する。この場合、制御装置27は、メインポンプ10の吐出流量を、ブーム用操作レバーの操作量やポンプ出力に応じて要求されるポンプ流量から、前記アキュムレータ59からの合流量分を減じた流量にするべく、流量制御信号圧Pcの値を制御する。
前記メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30から出力された流量制御信号圧Pcは、シャトル弁29の他方の入力ポート29bに入力される。一方、シャトル弁29の一方の入力ポート29aにはネガティブコントロール信号圧Pnが入力されるが、アキュムレータ59からの供給圧油が吐出ライン15に合流している状態では、流量制御信号圧Pcの方がネガティブコントロール信号圧Pnよりもポンプ流量を少なくする信号圧、つまり、流量制御信号圧Pcの方がネガティブコントロール信号圧Pnよりも高圧になるから、該流量制御信号圧Pcがシャトル弁29により選択されて、メインポンプ10のレギュレータ13に入力される。而して、メインポンプ10の吐出流量は、アキュムレータ59からの合流量分だけ低減した流量となるように制御されることになり、このようにして、本発明のポンプ流量低減手段が構成されている。
つまり、作業部4の上昇時には、アキュムレータ59の蓄圧油が、合流油路16を経由してメインポンプ10の吐出油に合流し、該合流した圧油が上昇側位置Xのブームシリンダ用コントロールバルブ18を経由して第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aに供給される。さらにこのとき、メインポンプ10の吐出流量は、アキュムレータ59からの合流量分低減した流量となるように制御される。而して、作業部4の下降時にアキュムレータ59に回収された位置エネルギーを、作業部4の上昇時に再利用できると共に、その分メインポンプ10の吐出流量を低減することができるようになっている。
さらに、ブーム上昇側に操作された場合、制御装置27は、タンクチェック弁用電磁切換弁58に対し、OFF位置Nに位置するように制御する。これにより、タンクチェック弁56は、アキュムレータ用排出油路55を閉じる閉状態に保持されるようになっている。
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベル1の作業部4は、該作業部4を構成するブーム5の昇降に伴って昇降すると共に、該ブーム5の昇降は、一対の第一、第二ブームシリンダ8、9の伸縮作動に基づいて行なわれることになるが、油圧ショベル1の油圧制御システムには、前記一対の第一、第二ブームシリンダ8、9のうち一方の第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を油タンク12に流す開閉自在なアンロード油路(第一ヘッド側油路19、第一流量制御弁33、第一ヘッド側排出油路40、およびアンロード弁41によって構成される)と、該アンロード油路の開閉制御を行なう制御装置27とが設けられており、そして、作業部4の上昇時および昇降停止時には上記アンロード油路を閉じて、第一および第二のブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力で作業部4の重量を保持する一方、作業部4の下降時にアンロード油路を開く(第一流量制御弁33の開口面積を最大にし、且つ、アンロード弁41を開状態にする)ことで、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で作業部4の重量を保持することになると共に、作業部4の下降時に第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aから排出された油は、アキュムレータ59に蓄圧され、さらに該アキュムレータ59の蓄圧油は、第一、第二ブームシリンダ8、9および油圧ショベル1に設けられる複数の油圧アクチュエータの油圧供給源になるメインポンプ10の吐出ライン15に、合流油路16を介して合流されることになる。
而して、作業部4の下降時に、アンロード油路を開いて第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を油タンク12に流すことで、作業部4の重量は第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で保持されると共に、該第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油がアキュムレータ59に蓄圧されることになるが、この場合、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力、つまり作業部4の重量を保持する保持圧は、第一および第二の両方のブームシリンダ8、9で作業部4の重量を保持する場合の保持圧に対して倍増するから、アキュムレータ59には、高負荷作業にも対応できる高圧の圧油が蓄圧されることになる。そして該高圧のアキュムレータ59の蓄圧油をメインポンプ10の吐出ライン15に合流させることで、アキュムレータ59の蓄圧油を、作業部4の上昇時における第一、第二ブームシリンダ8、9への供給圧油として用いることができるのは勿論のこと、油圧ショベル1に設けられる複数の油圧アクチュエータ(走行モータ、旋回モータ、アームシリンダ、バケットシリンダ等)への供給圧油として、高負荷作業を含めた様々な作業に用いることができる。しかも、エンジン動力で駆動するポンプを用いてアキュムレータの蓄圧油を増圧する場合のように、エンジンからポンプへの動力伝達経路におけるトルク低下やポンプ自体の慣性質量などによる空転トルクの損失等がなく、アキュムレータ59に回収した作業部4の位置エネルギーを可及的に損失の少ない状態で利用できると共に、コスト削減にも大きく貢献できる。
またこのものにおいて、アンロード油路を開く、つまり作業部4の重量を第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力で保持するのは、アキュムレータ59への蓄圧を行なう作業部4の下降時であって、作業部4の上昇時および昇降停止時には、アンロード油路を閉じる、つまり、第一および第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力で作業部4の重量を保持する構成になっているから、アキュムレータ59への蓄圧を行なう場合以外のときに、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を油タンク12に流してしまう損失をなくすことができると共に、作業部4を上昇させる場合に力不足になったりバランスが損なわれたりする惧れもない。
さらに、油圧ショベル1の油圧制御システムには、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士を連通するヘッド側連通油路21と、該ヘッド側連通油路21を開閉するべく制御装置27により制御されるヘッド側連通油路開閉弁39とが設けられていると共に、該ヘッド側連通油路開閉弁39は、アンロード油路が閉じている状態ではヘッド側連通油路21を開く一方、アンロード油路が開いている状態ではヘッド側連通油路21を閉じるように制御されることになる。而して、アンロード油路が閉じている、つまり、第一および第二の両方のブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aで作業部4の重量を保持している状態では、両ヘッド側油室8a、9a同士が連通状態になって、一対の第一および第二ブームシリンダ8、9でバランス良く作業部4を支持できる一方、アンロード油路が開いている、つまり、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aで作業部4の重量を保持している状態では、該第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aと第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aとを遮断できることになる。
さらにこのものにおいて、前記合流油路16には、アキュムレータ59からメインポンプ10の吐出ライン15への合流量を制御する合流バルブ52が配されており、而して、該合流バルブ45によって合流量を制御することで、アキュムレータ59の蓄圧油を無駄無く効率的に用いることができる。
そのうえ、メインポンプ10の吐出流量は、前述したように、メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁30からメインポンプ10のレギュレータ13に出力される流量制御信号圧Pcによって、アキュムレータ59からメインポンプ10の吐出ライン15への合流量に応じて低減するように制御されることになり、而して、メインポンプ10の吐出流量を適切に低減せしめることができて、効率よく低燃費化を達成できる。
また、油圧ショベル1の油圧制御システムには、作業部4の下降時に第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出流量を制御する第二流量制御弁34が設けられており、該第二流量制御弁34によって、作業部4の下降速度を制御することができる。
さらに、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aは、第二ヘッド側油路20、回収油路44およびアキュムレータ油路45を介してアキュムレータ59に連結されるが、上記回収油路44とアキュムレータ油路45との間には、作業部4の上昇時および昇降停止時において、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからアキュムレータ59への油の流れを阻止するシリンダ側チェック弁46と、アキュムレータ59から第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aへの油の流れを阻止するアキュムレータ側チェック弁49とが設けられている。而して、これらシリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49によって、作業部4の上昇時および昇降停止時において、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧油が回収油路44およびアキュムレータ油路45を介してアキュムレータ59に流れたり、或いはアキュムレータ59の蓄圧油が回収油路44およびアキュムレータ油路45を介して第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aに供給されてしまうことを、確実に防止できる。尚、作業部4の上昇時および昇降停止時において、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9a同士は、ヘッド側連通油路21を介して連通状態になっているが、前記シリンダ側チェック弁46およびアキュムレータ側チェック弁49によって、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからアキュムレータ59への油の流れ、およびアキュムレータ59から第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aへの油の流れも、阻止されることになる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、作業部4の下降時であっても、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力Ph1、Ph2やアキュムレータ59の圧力Paに応じて、片持ち制御だけでなく両持ち制御も実行されるように構成することもでき、この様に構成した場合について、以下に説明する。
つまり、制御装置27は、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力Ph1、Ph2の平均値((Ph1+Ph2)/2)とアキュムレータ59の圧力Paとの差圧が、予め設定される設定値C1以上であるか否か({(Ph1+Ph2)/2}−Pa≧C1?)を判断し、そして、設定値C1以上の場合には、作業部4の下降時であっても、両持ち制御を実行する。ここで、上記設定値C1は、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aからアキュムレータ59に圧油を流すために必要な差圧として予め設定される値であるが、該設定値C1が小さすぎると、作業部4の下降速度が遅くなってしまう場合があるため、作業部4の下降速度を確保できる状態で、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aからアキュムレータ59に圧油を流すために必要な差圧が、設定値C1として設定される。つまり、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力Ph1、圧力Ph2の平均値とアキュムレータ59の圧力Paとの差圧が設定値C1以上の場合には、両持ち制御であっても、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの排出油をアキュムレータ59に蓄圧することができるため、片持ち制御は実行されないようになっており、これによって、片持ち制御時にアンロード油路が開くことで第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧油を油タンク12に流してしまう損失を、低減させることができるようになっている。尚、ハンチング防止のため、上記設定値C1の値は、両持ち制御から片持ち制御に移行する場合と、片持ち制御から両持ち制御に移行する場合とでは若干異なるように設定されている。
さらに、制御装置27は、第二リリーフ弁38によって設定される第二ブームシリンダ9のヘッド側リリーフ圧Pr2と第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力Ph2との差圧が、予め設定される設定値C2以下であるか否か(Pr2−Ph2≦C2?)を判断し、そして、設定値C2以下の場合には、作業部4の下降時であっても、両持ち制御を実行する。ここで、上記設定値C2は、第二リリーフ弁38の不用意な作動を防止するために予め設定される差圧の値である。つまり、第二ブームシリンダ9のヘッド側リリーフ圧Pr2と第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力Ph2との差圧が設定値C2以下の場合には、第二リリーフ弁38が不用意に作動して第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの油が油タンク12に流れてしまう惧れが大きくなるため、片持ち制御は実行されないようになっており、これにより、第二リリーフ弁38が作動して第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油が油タンク12に流れてしまう損失をなくすことができるようになっている。
つまり、作業部4の下降時であっても、第一、第二ブームシリンダ8、9のヘッド側油室8a、9aの圧力Ph1、Ph2がアキュムレータ59の圧力Paに対して高圧の場合や、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力Ph2が高くなりすぎて第二リリーフ弁38が作動してしまう惧れがある場合には、両持ち制御が実行されるようになっているが、この場合には、ヘッド側連通油路開閉弁39は開位置Xに位置し、また、アンロード弁41は閉状態になるように制御されるため、第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油も、第二ブームシリンダ9のヘッド側油室9aからの排出油と共に、回収油路44、シリンダ側チェック弁46、アキュムレータ側チェック弁49、およびアキュムレータ油路45を経由して、アキュムレータ59に蓄圧されるようになっている。この場合の第一ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出流量は、第一流量制御弁33によって制御することができる。
また、本発明は、油圧ショベルだけでなく、作業部を昇降せしめる一対の油圧シリンダが設けられた各種作業機械の油圧制御システムに実施することができる。
さらに、図2の油圧回路図では、複数の油圧アクチュエータに圧油供給する油圧ポンプとして一つのメインポンプを示したが、二つ以上のメインポンプが設けられていても良いことは勿論である。
さらにまた、本実施の形態では、開閉自在なアンロード油路を、第一ヘッド側油路19、第一流量制御弁33、第一ヘッド側排出油路40、およびアンロード弁41を用いて構成しているが、これに限定されることなく、第一油圧シリンダのヘッド側油室の圧油をアンロード状態で油タンクに流すことができる開閉自在な油路であれば良い。
油圧ショベルの斜視図である。 油圧制御システムの油圧回路図である。 制御装置の入出力を示すブロック図である。
符号の説明
4 作業部
8 第一ブームシリンダ
8a 第一ブームシリンダヘッド側油室
9 第二ブームシリンダ
9a 第二ブームシリンダヘッド側油室
10 メインポンプ
12 油タンク
13 レギュレータ
15 吐出ライン
16 合流油路
21 ヘッド側連通油路
27 制御装置
29 シャトル弁
30 メインポンプ流量制御用電磁比例減圧弁
34 第二流量制御弁
39 ヘッド側連通油路開閉弁
41 アンロード弁
46 シリンダ側チェック弁
49 アキュムレータ側チェック弁
52 合流バルブ
59 アキュムレータ

Claims (6)

  1. 昇降自在な作業部と、該作業部を昇降せしめる一対の第一、第二油圧シリンダと、該第一、第二油圧シリンダを含む複数の油圧アクチュエータと、これら複数の油圧アクチュエータに圧油供給する油圧ポンプとを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、該油圧制御システムに、前記第一油圧シリンダのヘッド側油室の圧油を油タンクに流す開閉自在なアンロード油路と、該アンロード油路の開閉制御を行なう制御装置とを設け、作業部の上昇時および昇降停止時には前記アンロード油路を閉じて第一および第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧力で作業部の重量を保持する一方、作業部の下降時にアンロード油路を開いて第二油圧シリンダのヘッド側油室の圧力で作業部の重量を保持する構成にすると共に、作業部の下降時に前記第二油圧シリンダのヘッド側油室から排出される圧油を蓄圧するアキュムレータと、該アキュムレータの蓄圧油を前記油圧ポンプの吐出ラインに合流させる合流油路とを設けたことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
  2. 油圧制御システムに、第一、第二油圧シリンダのヘッド側油室同士を連通するヘッド側連通油路と、該ヘッド側連通油路を開閉するべく制御装置により制御されるヘッド側連通油路開閉弁とを設けると共に、該ヘッド側連通油路開閉弁は、アンロード油路が閉じている状態ではヘッド側連通油路を開く一方、アンロード油路が開いている状態ではヘッド側連通油路を閉じるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の作業機械における油圧制御システム。
  3. 合流油路に、アキュムレータから油圧ポンプの吐出ラインへの合流量を制御する合流バルブを配したことを特徴とする請求項1または2に記載の作業機械における油圧制御システム。
  4. 油圧制御システムは、アキュムレータから油圧ポンプの吐出ラインへの合流量に応じて油圧ポンプの吐出流量を低減せしめるポンプ流量低減手段を有することを特徴とする請求項3に記載の作業機械における油圧制御システム。
  5. 油圧制御システムに、作業部の下降時に第二油圧シリンダのヘッド側油室の排出流量を制御する第二流量制御弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
  6. 第二油圧シリンダのヘッド側油室からアキュムレータに至る油路に、作業部の上昇時および昇降停止時において、第二油圧シリンダのヘッド側油室からアキュムレータへの油の流れ、およびアキュムレータから第二油圧シリンダのヘッド側油室への油の流れを阻止する弁手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の作業機械における油圧制御システム。
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