JP5240843B2 - 建設機械における作業判定システム - Google Patents

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本発明は、油圧ショベル等の建設機械において、作業の判定に基づいて該作業に適した油圧制御やエンジン出力制御を行なう場合に用いられる建設機械における作業判定システムの技術分野に属するものである。
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、掘削や積込み等の各種作業を行なうためにの複数の油圧アクチュエータを備えると共に、該油圧アクチュエータを作動させるべく、油圧ポンプ、油タンク、バルブ等の各種油圧機器や、オペレータが操作する油圧アクチュエータ用操作具(操作レバーや操作ペダル)等を備えているが、この様な建設機械において、従来、油圧アクチュエータ用操作具の操作や油圧ポンプの吐出圧、或いは油圧アクチュエータの圧力を検出し、これら検出結果に基づいて建設機械の作業条件や動作を判断すると共に、該判断に基づいて、エンジンの出力制御や油圧制御を行なうようにした技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)
前記特許文献1のものは、各種油圧アクチュエータ用操作具の操作や油圧ポンプの吐出圧に基づいて作業条件を判別し、該作業条件に応じて、エンジンの出力トルクや油圧ポンプの吸収トルクを切り換えるように構成されている。
また、前記特許文献2のものは、燃費低減を図るべく、油圧ショベルのブームシリンダからの排出油をアキュムレータに蓄圧する一方、該アキュムレータの蓄圧油を再利用できるようにしたものであって、このものにおいて、ブームシリンダのヘッド側圧力とロッド側圧力との差圧に基づいて油圧ショベルが機体持ち上げ動作時であるか否かを判断し、該判断に応じて、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出油をアキュムレータに蓄圧するか或いは油タンクに排出するかを切換えるように構成されている。
再公表特許WO2005/098148号公報 特開2008−101414号公報
ところで、前記従来のものは、建設機械の作業条件や動作を判断するにあたり、油圧ポンプの吐出圧や操作具の操作量、或いはブームシリンダのロッド側圧力とヘッド側圧力との差圧等の検出値が、予め設定される閾値(所定圧、或いは所定量)を越えたか否かによって判断し、該判断に基づいてエンジン出力制御や油圧制御を切換えるように構成されている。しかるに、この様に検出値が閾値を越えたか否かによって判断を行なうと、作業の遷移期における油圧回路の過渡的な圧力変動や、オペレータの手ぶれ等により一時的に検出値が振れた場合に、誤判断が生じてオペレータの意図しない制御が実行されてしまう惧れがある。そこで、所定時間継続して閾値を越えることを条件にして判断することが提唱されるが、このようにした場合には、応答遅れが生じて操作性に劣るという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、各種作業を行なうべく操作具操作に基づいて作動する油圧アクチュエータを備えてなる建設機械において、該建設機械の行なう特定の作業を判定して該特定作業に適した油圧制御やエンジン出力制御を行なうための作業判定システムを設けるにあたり、該作業判定システムは、油圧アクチュエータの負荷を検出する負荷検出手段と、操作具の操作状態を検出する操作検出手段と、これら負荷検出手段および操作検出手段の検出データをバッファに記憶して該検出データの所定時間内の平均値或いは積分値を常時演算し、該検出データの平均値或いは積分値に基づいて特定作業の判定を行なう作業判定手段とを備えると共に、該作業判定手段における特定作業の判定の基準として、特定作業の開始を推定できる第一判定基準と、特定作業が行なわれていると確定できる第二判定基準とを設定し、第二判定基準に適合する場合には特定作業に適した特定作業用制御を行なう一方、第一判定基準には適合するが第二判定基準に適合しない場合は、特定作業用制御の予備の制御である特定作業用予備制御を行なうことを特徴とする建設機械における作業判定システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、建設機械の油圧回路に、建設機械に設けられる何れかの油圧アクチュエータの排出油の有する油エネルギーを蓄圧するアキュムレータと、該アキュムレータの蓄圧油を前記油圧アクチュエータ或いは他の油圧アクチュエータに供給して再利用する再生回路とを設ける一方、前記作業判定システムは、作業判定手段による特定作業の判定に基づいて、前記アキュムレータへの蓄圧、或いはアキュムレータの蓄圧油の再利用を制御することを特徴とする建設機械における作業判定システムである。
請求項1の発明とすることにより、油圧回路の過渡的な圧力変動や、オペレータの手ぶれ等による一時的な検出データの振れがあっても、特定作業の判定は、常時演算される検出データの平均値或いは積分値に基づいて行なわれることになるから、上記一時的な検出データの振れを排除できることになって、信頼性の高い正確な判定を行うことができる。しかも、特定作業に適した特定作業用制御は、第一判定基準により特定作業の開始が推定されるだけでは実行されず、第二判定基準により特定作業が行なわれていると確定できた場合に実行されることになるから、誤判定により特定作業用制御が実行されてしまうことを確実に回避できると共に、上記第一判定基準により掘削作業の開始が推定される場合には、特定作業用制御の予備の制御である掘削作業用予備制御が実行されることで、掘削作業用制御に応答遅れなくスムーズに移行できることになり、而して、作業性、操作性の向上に大きく貢献することができる。
請求項2の発明とすることにより、油圧アクチュエータの排出油の有する油エネルギーをアキュムレータに回収して再利用することができる油圧回路において、該アキュムレータへの蓄圧、或いはアキュムレータの蓄圧油の再利用を、建設機械の行なう特定作業に応じて適切に制御することができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は建設機械の一例である油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3のフロントに装着される作業部4等の各部から構成され、さらに該作業部4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるスティック6、該スティック6の先端部に取付けられるバケット7、上記ブーム5、スティック6、バケット7をそれぞれ揺動せしめるブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10等から構成されている。
図2は、前記油圧ショベル1に設けられる油圧回路を示す図であって、該図2において、11、12はエンジンEにより駆動される容量可変型の第一、第二メインポンプ、13はパイロット油圧源となるパイロットポンプ、14は油タンク、15は左側走行モータ、16は右側走行モータ、17は旋回モータ、さらに8、9、10は前記ブームシリンダ、スティックシリンダ、バケットシリンダである。
ここで、前記ブームシリンダ8は、ヘッド側油室8aの圧力によって作業部4の重量を保持すると共に、該ヘッド側油室8aへの圧油供給およびロッド側油室8bからの油排出により伸長してブーム5を上昇せしめ、また、ロッド側油室8bへの圧油供給およびヘッド側油室8aからの油排出により縮小してブーム5を下降せしめるように構成されている。そして、該ブーム5の昇降に伴って作業部4全体が昇降すると共に、ブーム5の上昇に伴い作業部4の有する位置エネルギーが増加するが、該位置エネルギーは、後述するようにアキュムレータ18に回収されて再利用されるようになっている。尚、該ブームシリンダ8は、本発明の請求項2における油圧アクチュエータに相当する。
また、前記スティックシリンダ9は、ヘッド側油室9aへの圧油供給およびロッド側油室9bからの油排出により伸長してスティック6をイン側(上部旋回体3に近接する方向)に揺動せしめ、また、ロッド側油室9bへの圧油供給およびヘッド側油室9aからの油排出により縮小してスティック6をアウト側(上部旋回体3から遠ざかる方向)に揺動せしめるように構成されている。尚、該スティックシリンダ9は、本発明の請求項1における油圧アクチュエータに相当する。
さらに、図2において、19はコントロールバルブユニットであって、該コントロールバルブユニット19には、前記左側走行モータ15、右側走行モータ16、旋回モータ17、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10に対する油給排制御をそれぞれ行なう左側走行用、右側走行用、旋回用、ブーム用、スティック用、バケット用のコントロールバルブ20、21、22、23、24、25や、走行直進弁26、メインリリーフ弁27等が配されている。
前記ブーム用コントロールバルブ23は、上昇側、下降側パイロットポート23a、23bを備えた三位置切換弁であって、両パイロットポート23a、23bにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行なわない中立位置Nに位置しているが、上昇側パイロットポート23aにパイロット圧が入力されることにより、第一メインポンプ11の吐出油をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する一方、ロッド側油室8bからの排出油を油タンク14に流す上昇側位置Xに切換り、また、下降側パイロットポート23bにパイロット圧が入力されることにより、第一メインポンプ11の吐出油をブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給する下降側位置Yに切換る。この場合、上昇側位置X、下降側位置Yにおけるブーム用コントロールバルブ23の開口面積は、各パイロットポート23a、23bに入力されるパイロット圧の増減に応じて増減するように構成されている。尚、後述するように、ブーム用コントロールバルブ23は、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合に上昇側パイロットポート23aにパイロット圧が入力されて上昇側位置Xに切換わるが、この場合、第一メインポンプ11の吐出油には、アキュムレータ18の蓄圧油が合流するように構成されている。
また、スティック用コントロールバルブ24は、イン側、アウト側パイロットポート24a、24bを備えた三位置切換弁であって、両パイロットポート24a、24bにパイロット圧が入力されていない状態では、スティックシリンダ9に対する油給排を行なわない中立位置Nに位置しているが、イン側パイロットポート24aにパイロット圧が入力されることにより、第二メインポンプ12の吐出油をスティックシリンダ9のヘッド側油室9aに供給する一方、ロッド側油室9bからの排出油を油タンク14に流すイン側位置Xに切換り、また、アウト側パイロットポート24bにパイロット圧が入力されることにより、第二メインポンプ12の吐出油をスティックシリンダ9のロッド側油室9bに供給する一方、ヘッド側油室9aからの排出油を油タンク14に流すアウト側位置Yに切換る。この場合、イン側位置X、アウト側位置Yにおけるスティック用コントロールバルブ24の開口面積は、各パイロットポート24a、24bに入力されるパイロット圧の増減に応じて増減するように構成されている。
さらに、前記左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用のコントロールバルブ20、21、22、25は、前述したブーム用コントロールバルブ23やスティック用コントロールバルブ24と同様に、パイロットポート20a、20b、21a、21b、22a、22b、25a、25bを備えた三位置切換弁であって、パイロット圧の入力に基づいて、左側走行用モータ15、右側走行用モータ16、旋回モータ17、バケットシリンダ10に対する油給排制御をそれぞれ行なう作動位置XまたはYに切換わるように構成されている。
一方、28、29はブーム上昇側、ブーム下降側電磁比例減圧弁であって、これらブーム上昇側、ブーム下降側電磁比例減圧弁28、29は、ブーム用操作具(操作レバー、図示せず)の上昇側、下降側操作に基づいて、前記ブーム用コントロールバルブ23の上昇側、下降側パイロットポート23a、23bにそれぞれパイロット圧を出力するように構成されている。この場合、パイロット圧は、ブーム用操作具の操作量に応じて増減するように制御される。
また、30、31はスティックイン側、スティックアウト側電磁比例減圧弁であって、これらスティックイン側、スティックアウト側電磁比例減圧弁30、31は、スティック用操作具(操作レバー、図示せず)のイン側、アウト側操作に基づいて、前記スティック用コントロールバルブ24のイン側、アウト側パイロットポート24a、24bにそれぞれパイロット圧を出力するように構成されている。この場合、パイロット圧は、スティック用操作具の操作量に応じて増減するように制御される。
さらに、図2には図示しないが、油圧ショベル1の油圧回路には、対応する操作具(操作レバー或いは操作ペダル、図示せず)操作に基づいて、前記左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用のコントロールバルブ20、21、22、25のパイロットポート20a、20b、21a、21b、22a、22b、25a、25bにそれぞれパイロット圧を出力する左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用の電磁比例減圧弁が設けられている。そして、これら左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用の電磁比例減圧弁、および前記ブーム上昇側、ブーム下降側電磁比例減圧弁28、29、スティックイン側、スティックアウト側電磁比例減圧弁30、31は、共に、後述する制御装置34から出力される制御信号によって作動するように構成されている。
一方、36は前記ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからアキュムレータ18に至る回収油路であって、該回収油路36には、回収バルブ37が配設されている。
前記回収バルブ37は、後述する制御装置34からの制御信号が入力される回収バルブ用電油変換弁38の作動に基づいてスプールが移動する流量制御弁であって、回収バルブ用電油変換弁38が非作動の状態では、回収油路36を閉じる閉位置Nに位置しているが、回収バルブ用電油変換弁38が作動することによりスプールが移動して、回収油路36を開く開位置Xに切換わるように構成されている。さらに、該回収バルブ37には、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからアキュムレータ18への油の流れは許容するが、逆方向の流れは阻止するチェック弁39が内蔵されている。而して、回収バルブ37が開位置Xに切換わることによって、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油を、回収油路36を経由してアキュムレータ18に蓄圧することができるようになっている。
さらに、41は前記アキュムレータ18から第一メインポンプ11の吐出ライン11aに至る再生油路(本発明の再生回路に相当する)であって、該再生油路41には、再生バルブ42が配設されている。
前記再生バルブ42は、制御装置34からの制御信号が入力される再生バルブ用電油変換弁43の作動に基づいてスプールが移動する流量制御弁であって、再生バルブ用電油変換弁43が非作動の状態では、再生油路41を閉じる閉位置Nに位置しているが、再生バルブ用電油変換弁43が作動することによりスプールが移動して、再生油路41を開く開位置Xに切換わるように構成されている。さらに、該再生油路41には、アキュムレータ18から第一メインポンプ11の吐出ライン11aへの油の流れは許容するが、逆方向の流れは阻止するチェック弁44が内蔵されている。而して、再生バルブ42が開位置Xに切換わることによって、アキュムレータ18の蓄圧油を、再生油路41を経由して第一メインポンプ11の吐出油に合流させることができるようになっている。
また、45は前記ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから油タンク14に至る排出油路であって、該排出油路45には、排出バルブ46が配設されている。
前記排出バルブ46は、パイロットポート46aを備えた二位置切換弁であって、パイロットポート46aにパイロット圧が入力されていない状態では、排出油路45を閉じる閉位置Nに位置しているが、パイロットポート46aにパイロット圧が入力されることによりスプールが移動して、排出油路45を開く開位置Xに切換るように構成されている。而して、排出バルブ46が開位置Xに切換わることによって、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油を油タンク14に流すことができるようになっている。
さらに、47は排出バルブ用電磁比例減圧弁であって、該排出バルブ用電磁比例減圧弁47は、制御装置34から入力される制御信号に基づいて、前記排出バルブ46のパイロットポート46aにパイロット圧を出力するように構成されている。
一方、前記制御装置34は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されるものであって、図3のブロック図に示すごとく、左側走行用、右側走行用、旋回用、ブーム用、スティック用、バケット用操作具の操作状態(操作の有無、操作方向、操作量)をそれぞれ検出する左側走行用、右側走行用、旋回用、ブーム用、スティック用、バケット用操作検出手段48〜53、スティックシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力を検出するスティックヘッド側圧力センサ54、アキュムレータ18の圧力を検出するアキュムレータ圧力センサ55等からの信号を入力し、これら入力信号に基づいて、前述のブーム上昇側、ブーム下降側電磁比例減圧弁28、29、スティックイン側、スティックアウト側電磁比例減圧弁30、31、左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用の電磁比例減圧弁、回収バルブ用電油変換弁38、再生バルブ用電油変換弁43、排出バルブ用電磁比例減圧弁47等に制御信号を出力するように構成されている。
さらに、56は前記制御装置34に設けられる作業判定部(本発明の作業判定手段に相当する)であって、該作業判定部56において特定作業が行なわれているか否かが判定されるが、本実施の形態では、特定作業として掘削作業が設定されていて、掘削作業が行なわれるか否かの判定が行なわれるように構成されている。
前記掘削作業の判定を行なうにあたり、作業判定部56は、まず、スティックヘッド側圧力センサ54およびスティック用操作検出手段52から入力される検出値に基づいて、スティックシリンダ9の作業負荷(後述する第一作業負荷Pw1および第二作業負荷Pw2)を求める。尚、掘削作業は、通常、ブーム5、スティック6、バケット7を連動操作して行うが、掘削作業が行われている場合と行なわれていない場合とではスティックシリンダ9の作業負荷が顕著に異なるため、本実施の形態では、スティックシリンダ9の作業負荷に基づいて掘削作業の判定を行なう構成になっている。また、本実施の形態では、上記スティックヘッド側圧力センサ54、スティック用操作検出手段52が、本発明の負荷検出手段、操作検出手段に相当する。
前記スティックシリンダ9の作業負荷を求める制御手順について、図4に示す制御ブロック図に基づいて説明すると、作業判定部56は、まず、スティックヘッド側圧力センサ54により検出されるスティックシリンダ9のヘッド側油室9aの圧力Ps(以下、スティックヘッド側圧力Psと称する)と、スティック用操作検出手段52により検出されるスティック用操作具の操作量L(以下、スティック操作量Lと称するが、該スティック操作量Lは、スティック用操作具が中立位置のとき(操作されていないとき)を0%、フル操作されたときを100%とするパーセンテージで示すと共に、イン側操作された場合には(−)、アウト側に操作された場合には(+)とする)とを、バッファ57に入力する。該バッファ57は、検出データを予め設定される第一所定時間T1(任意に設定できるが、例えば、500〜1000msec)のあいだ時系列的に記憶すると共に、第一所定時間T1経過後のデータは順次消去されるように設定されている。
前記バッファ57に記憶された検出データは、平均値・積分値演算部58に入力される。該平均値・積分値演算部58は、バッファ57に記憶された検出データの所定時間内の平均値、或いは積分値を常時演算するが、本実施の形態では、現在より手前の第二所定時間T2内のスティックヘッド側圧力Psの平均値APs2およびスティック操作量Lの平均値AL2と、現在より手前の第三所定時間T3内のスティックヘッド側圧力Psの平均値APs3およびスティック操作量Lの平均値AL3(上記平均値APs2、AL2、APs3、AL3は、何れも現在値を含まず)とが演算されるようになっている。そして、該平均値・積分値演算部58において演算された平均値APs2、AL2、APs3、AL3は、後述する第一、第二作業負荷演算部59、60に出力されて、作業負荷の演算に用いられる。尚、前記第二、第三所定時間T2、T3は、第一所定時間T1よりも短い時間で任意に設定されるが、後述する第一、第二作業負荷Pw1、Pw2を求めるのに適した時間になるように設定される。
第一作業負荷演算部59は、前記平均値・積分値演算部58から出力される第二所定時間T2内のスティックヘッド側圧力Psの平均値APs2およびスティック操作量Lの平均値AL2と、スティックヘッド側圧力センサ54により検出される現在のスティックヘッド圧力Psとを入力し、下記の式(1)を用いて、現在より手前の第二所定時間T2内の作動負荷の平均値に対する現在の作業負荷の変動量Pw1を求める。
Pw1=(|AL2|/100)×(Ps−APs2)・・・(1)
尚、第二所定時間T2内のスティック操作量Lの平均値AL2が「0」以上の場合(AL2≧0、つまり、スティック用操作具が中立位置の場合、或いはアウト側に操作されている場合)には、作動負荷の変動量Pw1は「0」とする(Pw1=0)。
そして、前記式(1)により求められた作動負荷の変動量Pw1に基づいて、後述するように、掘削作業が開始された否かを推定する。つまり、掘削作業の開始時には、スティックシリンダ9のイン側の作業負荷が大きく増加するため、作動負荷の変動量Pw1を求めることによって、掘削作業が開始されたか否かを推定することができる。尚、前記式(1)により求められた作動負荷の変動量Pw1を、以下、第一作業負荷Pw1と称する。
一方、第二作業負荷演算部60は、前記平均値・積分値演算部58から出力される第三所定時間T3内のスティックヘッド側圧力Psの平均値APs3およびスティック操作量Lの平均値AL3を入力し、下記の式(2)を用いて、現在より手前の第三所定時間T3内の作業負荷の平均値Pw2を求める。
Pw2=(|AL3|/100)×APs3)・・・(2)
尚、第三所定時間T3内のスティック操作量Lの平均値AL3が「0」以上の場合(AL3≧0、つまり、スティック用操作具が中立位置の場合、或いはアウト側に操作されている場合)には、作動負荷の平均値Pw2は「0」とする(Pw2=0)。
そして、前記式(2)により求められた作動負荷の平均値Pw2に基づいて、後述するように、掘削作業であるか否かの判定を行なう。つまり、掘削作業が行なわれている場合には、スティックシリンダ9のイン側の作業負荷が大きくなるため、作動負荷の平均値Pw2を求めることによって、掘削作業の確実な判定を行うことができる。尚、前記式(2)により求められた作動負荷の平均値Pw2を、以下、第二作業負荷Pw2と称する。
次いで、作業判定部56における掘削作業の判定の制御手順について、図5に示すフローチャート図に基づいて説明する。
まず、システムスタートすると、前述したように、スティックヘッド側圧力Psおよびスティック操作量Lの検出データがバッファ57に入力される(ステップS1)。
前記バッファ57に入力された検出データは、前述したように、平均値・積分値演算部58において平均値APs2、AL2、APs3、AL3が演算されると共に、これら平均値APs2、AL2、APs3、AL3を用いて、第一、第二作業負荷演算部59、60において第一、第二作業負荷Pw1、Pw2が演算される(ステップS2)。
次いで、作業判定部56は、スティック用操作具の操作を判断する(ステップS3)。
前記ステップS3の判断で、スティック用操作具がイン側に操作されている、或いは中立位置であると判断された場合には、続けて、掘削フラグFがセットされているか否かが判断される(ステップS4)。ここで、前記掘削フラグFは、後述する『掘削作業用制御』の実行中にセットされるフラグであって、該掘削フラグFの判断により、『掘削作業用制御』が実行中であるか否かが判断される。
前記ステップS4の判断で「NO」、つまり、『掘削作業用制御』の実行中でない(掘削フラグFがセットされていない)と判断された場合には、続けて、第一作業負荷Pw1が予め設定される第一判定基準S1以上であるか否か(Pw1≧S1?)が判断される(ステップS5)。ここで、前記第一判定基準S1は、掘削作業の開始を推定するために設定された第一作業負荷Pw1の閾値(任意に設定できるが、例えば、10000〜15000kPa)であって、第一作業負荷Pw1が第一判定基準S1以上(Pw1≧S1)の場合には、掘削作業の開始時であると推定される。
前記ステップS5の判断で「YES」、つまり、第一作業負荷Pw1が第一判定基準S1以上(Pw1≧S1)であると判断された場合には、さらに続けて、第二作業負荷Pw2が予め設定される第二判定基準S2以上であるか否か(Pw2≧S2?)が判断される(ステップS6)。ここで、前記第二判定基準S2は、掘削作業が行なわれていることを確実に判定するために設定された第二作業負荷Pw2の閾値(任意に設定できるが、例えば、5000〜10000kPa)であって、第二作業負荷Pw2が第二判定基準S2以上の場合には、掘削作業が行なわれていると確定される。
前記ステップS6の判断で「NO」、つまり、第二作業負荷Pw2が第二判定基準S2未満(Pw2<S2)の場合には、『掘削作業用制御』の予備の制御である『掘削作業用予備制御』が実行される(ステップS7)。即ち、第一作業負荷Pw1の値により掘削作業の開始が推定されるが、第二作業負荷Pw2の値により掘削作業が行なわれていると確定できない場合には、掘削作業の予備段階であると判定されて、制御装置34による『掘削作業用予備制御』が実行されるようになっている。尚、該『掘削作業用予備制御』については後述するが、『掘削作業用予備制御』の実行後は前記ステップS1に戻る。
一方、前記ステップS6の判断で「YES」、つまり、第二作業負荷Pw2が第二判定基準S2以上(Pw2≧S2)の場合には、掘削フラグFがセットされる(ステップS8)と共に、『掘削作業用制御』が実行される(ステップS9)。即ち、第一作業負荷Pw1の値により掘削作業の開始が推定され、且つ、第二作業負荷Pw2の値により掘削作業が行なわれていると確定された場合、或いは、前記『掘削作業用予備制御』の実行中に第二作業負荷Pw2の値により掘削作業が行なわれていると確定された場合には、掘削作業であると判定されて、制御装置34による『掘削作業用制御』が実行されるようになっている。尚、該『掘削作業用制御』については後述するが、『掘削作業用制御』の実行後は前記ステップS1に戻る。
また、前記ステップS4の判断で「YES」、つまり、『掘削作業用制御』の実行中である(掘削フラグFがセットされている)と判断された場合には、続けて、第二作業負荷Pw2が第二判定基準S2以上であるか否か(Pw2≧S2?)が判断される(ステップS10)。
そして、前記ステップS10の判断で「YES」、つまり、第二作業負荷Pw2が第二判定基準S2以上(Pw2≧S2)の場合には、前記ステップS8に進んで、掘削フラグFがセットされる(ステップS8)と共に、『掘削作業用制御』が実行される(ステップS9)。即ち、『掘削作業用制御』の実行中は、第二作業負荷Pwの値により掘削作業が確定されることで、『掘削作業用制御』が続行されるようになっている。
一方、前記ステップS10の判断で「NO」、つまり、第二作業負荷Pw2が第二判定基準S2未満(Pw2<S2)の場合には、掘削フラグFをリセットする(ステップS11)と共に、『非掘削作業用制御』が実行される(ステップS12)。即ち、『掘削作業用制御』の実行中に第二作業負荷Pw2の値により掘削作業が確定されない場合には、掘削作業が終了したと判定されて、『非掘削作業用制御』に移行するようになっている。尚、該『非掘削作業用制御』については後述するが、『非掘削作業用制御』の実行後は前記ステップS1に戻る。
また、前記ステップS3の判断で、スティック用操作具がアウト側に操作されていると判断された場合、或いは、前記ステップS5の判断で「NO」、つまり、第一作業負荷Pw1が第一判定基準S1未満(Pw1<S1)であると判断された場合には、前記ステップS11に進んで、掘削フラグFがリセットされる(ステップS11)と共に、『非掘削作業用制御』が実行される(ステップS12)。即ち、スティック用操作具がアウト側に操作されている場合、或いは、イン側に操作されていても、『掘削作業用制御』の実行中でなく、且つ、第一作業負荷Pw1の値により掘削作業の開始を推定できない場合には、掘削作業が行なわれていないと判定されて、制御装置に34による『非掘削作業用制御』が実行されるようになっている。
而して、スティック用操作具がイン側に操作された場合に、第一作業負荷Pw1の値により掘削作業の開始が推定されるが、第二作業負荷Pw2の値により掘削作業が行なわれていることが確定できない場合には、掘削作業の予備段階であると判定されて『掘削作業用予備制御』が実行される。一方、掘削作業の開始が推定されると共に、掘削作業であると確定できる場合、或いは『掘削作業用予備制御』の実行中に掘削作業が確定された場合には、掘削作業が行なわれていると判定されて『掘削作業用制御』が実行される。また、該『掘削作業用制御』の実行中は、第二作業負荷Pw2の値により掘削作業が確定されることで『掘削作業用制御』が続行される一方、掘削作業が確定されなくなれば『非掘削作業用制御』が実行されるようになっている。
尚、本実施の形態では、『非掘削作業用制御』から『掘削作業用予備制御』を経由することなく『掘削作業用制御』に移行する場合には、第一作業負荷Pw1の値による掘削作業の開始の推定と、第二作業負荷Pw2の値による掘削作業の確定とが条件になっているが、スティック用操作具の操作スピードや第一、第二判定基準S1、S2の値によっては、掘削作業の開始が推定される前に掘削作業が確定される場合も考えられ、この様な場合には、第二作業負荷Pw2の値による掘削作業の確定のみで、『非掘削作業用制御』から『掘削作業用予備制御』を経由することなく『掘削作業用制御』に移行する構成にすることもできる。
次いで、操作具操作に基づく制御装置34の制御について説明するが、前記『非掘削作業用制御』、『掘削作業用制御』、『掘削作業用予備制御』は、ブーム用操作具がブーム下降側に操作された場合(ブーム用操作具と他の油圧アクチュエータ用操作具との連動時を含む)に実行される制御であるため、まず、ブーム用操作具がブーム下降側に操作された場合について説明する。
制御装置34は、ブーム下降側に操作された場合、つまり、ブーム用操作検出手段51からブーム下降側の検出信号が入力された場合、ブーム下降側電磁比例減圧弁29に対し、ブーム用コントロールバルブ23の下降側パイロットポート23bにパイロット圧を出力するように制御信号を出力する。これにより、ブーム用コントロールバルブ23が下降側位置Yに切換わり、而して、第一メインポンプ11の吐出油がブーム用コントロールバルブ23を経由してブームシリンダ8のロッド側油室8bに供給される。該ブームシリンダ8のロッド側油室8bへの油供給制御は、『非掘削作業用制御』、『掘削作業用予備制御』、『掘削作業用制御』には関係なく、同様に行なわれる。
さらに、制御装置34は、ブーム下降側に操作された場合、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの油を排出する制御を行なうが、該油排出制御に前記『非掘削作業用制御』、『掘削作業用制御』、『掘削作業用予備制御』が実行される。まず、『非掘削作業用制御』について説明すると、制御装置34は、回収バルブ用電油変換弁38に対し、回収バルブ37を開位置Xに切換えるように作動信号を出力する。これにより回収バルブ37は、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからアキュムレータ18に至る回収油路36を開き、而して、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油がアキュムレータ18に蓄圧される。つまり、『非掘削作業用制御』の場合には、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油がアキュムレータ18に蓄圧されることになるが、この場合、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油は、作業部4の有する位置エネルギーによって高圧になっており、而して、排出油の有する高圧の油エネルギーを無駄にすることなく回収できるようになっている。尚、この場合のブーム5の下降速度は、回収バルブ37の開口面積によって制御される。また、『非掘削作業用制御』時には、排出バルブ用電磁比例減圧弁47に対してパイロット圧出力の制御信号は出力されず、これにより排出バルブ46は排出油路45を閉じる閉位置Nに位置していて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油が油タンク14に流れないようになっている。
一方、『掘削作業用制御』の場合、制御装置34は、排出バルブ用電磁比例減圧弁47に対し、排出バルブ46のパイロットポート46aにパイロット圧を出力するよう制御信号を出力する。これにより排出バルブ46は、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aから油タンク14に至る排出油路45を開き、而して、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油が油タンク14に排出される。つまり、『掘削作業用制御』の場合には、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油が油タンク14に排出され、これによりブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力が低下して、ブーム5の下降に抗する力が働く掘削作業時のブーム5の下降作動をスムーズに行うことができるようになっている。尚、『掘削作業用制御』時には、回収バルブ用電油変換弁38に対して作動信号は出力されず、これにより回収バルブ37は回収油路36を閉じる閉位置Nに位置していて、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aとアキュムレータ18とは遮断された状態になっている。
これに対し、『掘削作業用予備制御』の場合、制御装置34は、回収バルブ用電油変換弁38に対して、回収バルブ37のスプールを開位置Xになる直前の位置まで移動させるように作動信号を出力する。さらに、制御装置34は、排出バルブ用電磁比例減圧弁47に対し、排出バルブ46のスプールを開位置Xになる直前の位置まで移動させるパイロット圧を出力するように制御信号を出力する。この状態では、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからアキュムレータ18に至る回収油路36、およびヘッド側油室8aから油タンク14に至る排出油路45は共に閉じていて、ヘッド側油室8aから油は排出されないが、直ちに回収バルブ37或いは排出バルブ46を開位置Xに位置せしめることができるようになっている。つまり、『掘削作業用予備制御』の場合には、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの油排出が一旦停止されると共に、該『掘削作業用予備制御』から『非掘削作業用制御』或いは『掘削作業用制御』に移行したときに、回収バルブ37或いは排出バルブ46を直ちに開位置Xにすることができるようになっている。
而して、ブーム5の下降時に、ブームシリンダ8のヘッド側油圧8aからの排出油は、作業判定部56により掘削作業が行なわれていないと判定されて『非掘削作業用制御』が実行された場合にはアキュムレータ18に蓄圧される一方、掘削作業が行なわれていると判定されて『掘削作業用制御』が実行された場合には油タンク14に排出される。また、掘削作業の予備段階であると判定されて『掘削作業用予備制御』が実行された場合には、ヘッド側油室8aからの油排出を一旦停止して、直ちに『非掘削作業用制御』或いは『掘削作業用制御』に移行できる状態になるように構成されている。
次いで、前記ブーム下降側操作以外の操作具操作に基づく制御装置34の制御について説明するが、これらの制御は、前記『非掘削作業用制御』、『掘削作業用予備制御』、『掘削作業用制御』に関係なく、同様に行なわれる。まず、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合について説明すると、制御装置34は、再生バルブ用電油変換弁43に対し、再生バルブ42を開位置Xに切換えるように作動信号を出力する。これにより再生バルブ42は、アキュムレータ18から第一メインポンプ11の吐出ライン11aに至る再生油路41を開き、而して、アキュムレータ18の蓄圧油が第一メインポンプ11の吐出油に合流される。尚、この場合の合流量は、再生バルブ42の開口面積によって制御される。
さらに、ブーム上昇側に操作された場合、制御装置34は、ブーム上昇側電磁比例減圧弁28に対し、ブーム用コントロールバルブ23の上昇側パイロットポート23aにパイロット圧を出力するよう制御信号を出力する。これにより、ブーム用コントロールバルブ23が上昇側位置Xに切換わり、而して、第一メインポンプ11の吐出油がブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給される一方、ロッド側油室8bの油が油タンク14に排出されて、ブーム5が上昇する。この場合、前述したように、アキュムレータ18の蓄圧油が第一メインポンプ11の吐出油に合流されるようになっており、而して、ブーム5の下降時にアキュムレータ18に回収した油エネルギーを、ブームの上昇時に再利用することができて、省エネルギー化に大きく貢献することができる。尚、この場合に第一メインポンプ11の吐出流量は、図示しない容量可変手段によって、アキュムレータ18からの合流分に応じて低減するように制御される。また、アキュムレータ18の蓄圧油は、第一メインポンプ11の吐出油に合流されるから、例えば、ブーム上昇側操作とバケット操作とが同時に行なわれた場合に、ブームシリンダ8だけでなくバケットシリンダ10にも供給されるようになっている。
また、スティック用操作具がイン側に操作された場合、制御装置34は、スティックイン側電磁比例減圧弁30に対し、スティック用コントロールバルブ24のイン側パイロットポート24aにパイロット圧を出力するよう制御信号を出力する。これにより、スティック用コントロールバルブ24がイン側位置Xに切換わり、而して、第二メインポンプ12の吐出油がスティックシリンダ9のヘッド側油室9aに供給される一方、ロッド側油室9bの油が油タンク14に排出されて、スティック6がイン側に揺動する。
一方、スティック用操作具がアウト側に操作された場合、制御装置34は、スティックアウト側電磁比例減圧弁31に対し、スティック用コントロールバルブ24のアウト側パイロットポート24bにパイロット圧を出力するよう制御信号を出力する。これにより、スティック用コントロールバルブ24がアウト側位置Yに切換わり、而して、第二メインポンプ12の吐出油がスティックシリンダ9のロッド側油室9bに供給される一方、ヘッド側油室9aの油が油タンク14に排出されて、スティック6がアウト側に揺動する。
さらに、左側走行用、右側走行用、旋回用、或いはバケット用操作具が操作された場合、制御装置34は、左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用電磁比例減圧弁に対し、左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用コントロールバルブ20、21、22、25のパイロットポート20a、20b、21a、21b、22a、22b、25a、25bにパイロット圧を出力するよう制御信号を出力する。これにより、左側走行用、右側走行用、旋回用、バケット用コントロールバルブ20、21、22、25が作動位置XまたはYに切換わって、左側走行用モータ15、右側走行用モータ16、旋回モータ17、バケットシリンダ10に圧油供給され、下部走行体2の前後進やターン、或いは上部旋回体3の左右旋回、或いはバケット10の揺動が行なわれるように構成されている。
叙述の如く構成された本形態において、制御装置34は、作業判定部56において掘削作業の判定を行ない、該掘削作業の判定に基づいて掘削作業に適した油圧制御を行なうことになるが、この場合に、上記作業判定部56は、スティックヘッド側圧力センサ54から入力されるスティックヘッド側圧力Psの検出データとスティック用操作検出手段52から入力されるスティック操作量Lの検出データとをバッファ57に記憶すると共に、平均値・積分値演算部58において上記バッファ57に記憶された最新の検出データの所定時間(第二所定時間T2、第三所定時間T3)内の平均値を常時演算し、該平均値に基づいて第一作業負荷(現在より手前の第二所定時間T2内の作動負荷の平均値に対する現在の作業負荷の変動量)Pw1と第二作業負荷(現在より手前の第三所定時間T3内の作業負荷の平均値)Pw2とを求める一方、作業判定部56における掘削作業の判定の基準として、掘削作業の開始を推定できる第一判定基準S1と、掘削作業が行なわれていると確定できる第二判定基準S2とが設定されており、そして、第二判定基準S2に適合した場合には、掘削作業に適した『掘削作業用制御』(アキュムレータ18への蓄圧を中止してブームシリンダ8のヘッド側油室8aの排出油を油タンク14に流す制御)が実行される一方、第一判定基準には適合するが第二判定基準には適合しない場合には、『掘削作業用制御』の予備の制御である『掘削作業用予備制御』(ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの油排出を一旦停止して、『掘削作業用制御』、或いは掘削作業以外の場合に実行される『非掘削作業用制御』に直ちに移行できる制御)が実行されることになる。
この結果、油圧回路の過渡的な圧力変動や、オペレータの手ぶれ等による一時的な検出データの振れがあっても、掘削作業の判定は、常時演算される検出データの平均値に基づいて行なわれることになるから、上記一時的な検出データの振れを排除できることになって、信頼性の高い正確な判定を行うことができる。しかも、掘削作業に適した『掘削作業用制御』は、第一判定基準S1により掘削作業の開始が推定されるだけでは実行されず、第二判定基準S2により掘削作業が行なわれていると確定できた場合に実行されることになるから、誤判定により『掘削作業用制御』が実行されてしまうことを確実に回避できると共に、上記第一判定基準S1により掘削作業の開始が推定される場合には、『掘削作業用制御』の予備の制御である『掘削作業用予備制御』が実行されることで、『掘削作業用制御』に応答遅れなくスムーズに移行できることになり、而して、作業性、操作性の向上に大きく貢献することができる。
さらに、本実施の形態では、油圧ショベル1の油圧回路に、ブーム5の下降時にブームシリンダ8の排出油の有する油エネルギーを蓄圧するアキュムレータ18と、ブーム5の上昇時に該アキュムレータ18の蓄圧油をメインポンプ11の吐出油に合流させてブームシリンダ8に供給する再生油路41とが設けられていると共に、作業判定部56により掘削作業であると確定されて『掘削作業用制御』が実行された場合には、前記アキュムレータ18への蓄圧を中止してブームシリンダ8のヘッド側油室8aの排出油を油タンク14に流すことになる。この結果、掘削作業以外の場合には、ブームシリンダ8のヘッド油室8aからの排出油の有する高圧の油エネルギーを無駄にすることなくアキュムレータ18に回収できるものでありながら、ブーム5の下降に抗する力が作用する掘削作業時には、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力を油タンク14に流して低圧にすることでブーム5の下降動作をスムーズに行うことができることになり、而して、アキュムレータ18への蓄圧の有無を、掘削作業の判定に基づいて適切に行うことができる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、上記実施の形態では、掘削作業の判定に基づいてアキュムレータへの蓄圧の有無を制御する構成になっているが、各種特定作業の判定に基づいて、アキュムレータの蓄圧油の再利用の有無を制御するように構成することもできる。また、アキュムレータの蓄圧油を再利用するための再生回路としては、上記実施の形態のように、アキュムレータから第一メインポンプの吐出ラインに至る再生油路に限定されることなく、例えば、アキュムレータから直接油圧アクチュエータに至るように形成される再生回路や、或いは、アキュムレータの蓄圧油を増圧する増圧手段を介して油圧アクチュエータに供給するように形成される再生回路等、種々の再生回路を適宜採用することができる。
さらに、上記実施の形態では、特定作業として掘削作業が設定されていて、該掘削作業が行なわれているか否かの判定が行なわれる構成になっているが、これに限定されることなく、特定作業としては、積込作業や均し作業、クレーン作業、或いはブームの空中降下や機体持ち上げ動作(バケットを接地させた状態でブームを機体に対して相対的に下降せしめることで機体前部を持ち上げる動作)、或いはブレーカやリフティングマグネット装置を用いた作業等、建設機械の行なう各種作業を適宜設定することができる。また、特定作業を、重負荷作業或いは軽負荷作業というように負荷に応じて分類して設定することもできる。
また、特定作業を判定するにあたり、本実施の形態では、平均値・積分値演算部58において検出データの平均値を演算し、該平均値を用いて作業負荷を求める構成になっているが、平均値・積分値演算部58において検出データの積分値を演算し、該積分値に用いて作業負荷を演算するように構成しても良い。
さらに、特定作業を判定するための第一、第二判定基準として、それぞれの特定作業に適した判定基準を適宜設定できることは勿論である。
また、上記実施の形態では、第一判定基準により判定される第一作業負荷と、第二判定基準により判定される第二作業負荷とでは異なる作業負荷(上記実施の形態では、第一作業負荷Pw1は第二所定時間T2内の作動負荷の平均値に対する現在の作業負荷の変動量、第二作業負荷Pw2は第三所定時間T3内の作業負荷の平均値)であるが、判定される特定作業によっては、同一の作業負荷、或いは平均値や積分値の演算に用いられる所定時間が異なるだけのものであっても良い。
さらにまた、上記実施の形態では、掘削作業の判定に基づいてアキュムレータへの蓄圧の有無を制御する構成になっているが、本発明は、この様な制御に限定されないのは勿論であって、特定作業の判定に基づいて行なう油圧制御やエンジン出力制御としては、エンジンの回転数制御、エンジンから油圧ポンプへの供給トルク制御、油圧ポンプの吐出量制御、各種バルブの開閉による油路の切換え制御、油圧アクチュエータへの油給排制御を行なうコントロールバルブの開口制御等、種々の制御を実行できる。
また、油圧アクチュエータの負荷を検出する負荷検出手段として、上記実施の形態では、油圧アクチュエータの油室の圧力を検出する圧力センサ(スティックヘッド側圧力センサ)が用いられているが、これに限定されることなく、例えば、油圧ポンプの吐出圧を検出するセンサや、或いは油圧シリンダのシリンダ長を検出するセンサ等、判定される特定作業に応じて適宜負荷検出手段を用いることができる。
油圧ショベルの側面図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 制御装置の入出力を示すブロック図である。 作業判定部の制御手順を示す制御ブロック図である。 作業判定部の制御手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
8 ブームシリンダ
9 スティックシリンダ
18 アキュムレータ
34 制御装置
41 再生油路
52 スティック用操作検出手段
54 スティックヘッド側圧力センサ
56 作業判定部
57 バッファ
58 平均値・積分値演算部

Claims (2)

  1. 各種作業を行なうべく操作具操作に基づいて作動する油圧アクチュエータを備えてなる建設機械において、該建設機械の行なう特定の作業を判定して該特定作業に適した油圧制御やエンジン出力制御を行なうための作業判定システムを設けるにあたり、該作業判定システムは、油圧アクチュエータの負荷を検出する負荷検出手段と、操作具の操作状態を検出する操作検出手段と、これら負荷検出手段および操作検出手段の検出データをバッファに記憶して該検出データの所定時間内の平均値或いは積分値を常時演算し、該検出データの平均値或いは積分値に基づいて特定作業の判定を行なう作業判定手段とを備えると共に、該作業判定手段における特定作業の判定の基準として、特定作業の開始を推定できる第一判定基準と、特定作業が行なわれていると確定できる第二判定基準とを設定し、第二判定基準に適合する場合には特定作業に適した特定作業用制御を行なう一方、第一判定基準には適合するが第二判定基準に適合しない場合は、特定作業用制御の予備の制御である特定作業用予備制御を行なうことを特徴とする建設機械における作業判定システム。
  2. 請求項1において、建設機械の油圧回路に、建設機械に設けられる何れかの油圧アクチュエータの排出油の有する油エネルギーを蓄圧するアキュムレータと、該アキュムレータの蓄圧油を前記油圧アクチュエータ或いは他の油圧アクチュエータに供給して再利用する再生回路とを設ける一方、前記作業判定システムは、作業判定手段による特定作業の判定に基づいて、前記アキュムレータへの蓄圧、或いはアキュムレータの蓄圧油の再利用を制御することを特徴とする建設機械における作業判定システム。
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