JP2006008766A - 成形用樹脂組成物および繊維強化プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 FRPを成形するに際し、常温あるいは硬化炉を用いた成形時に、表面が乾燥性に優れた、生産性の良好な成形用樹脂組成物及びこれを用いた繊維強化プラスチック成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 (a)不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸、ジアルキレングリコール及びアルキレングリコールを反応させて得られる数平均分子量が1000〜2500の不飽和ポリエステル、(b)ジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル、(c)架橋性単量体、(d)0.5〜15ppmのナフテン酸銅、(e)金属石鹸として100〜500重量ppmのナフテン酸コバルト及びまたはオクテン酸コバルト、(f)30〜200ppmのオクテン酸カリウム、(g)0.01〜1.0重量%の水酸基末端の1,4ポリブタジエン、(h)パラフィンワックスを含有してなる成形用樹脂組成物およびこれを用いた繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形用樹脂組成物および繊維強化プラスチック(以下、FRPと記すことがある)成形品の製造方法に関する。
浄化槽、浴槽などの繊維強化プラスチック成形品の製造法の中で、ハンドレイアップ成形法やスプレイアップ成形法のオープンモールド成形法は、常温常圧で多品種少量生産が可能であり、また、設備費が安いことから広く採用されている。
このハンドレイアップ成形法やスプレイアップ成形法は、予め製作した型の表面に離型剤を塗布した後、必要に応じてゲルコート層を設け、その表面に積層・脱泡ロールを用いて樹脂をガラス繊維のマットに手作業で含浸させり、積層ガラス繊維等の短繊維からなる繊維強化材及び不飽和エステル等を含む成形用樹脂組成物を吹き付けて繊維補強層を形成する方法である。これらは、硬化炉を用いて成形品を硬化させたり、あるいは硬化後に型から脱型した後で製品として組み立てる際に、二次接着と呼ばれるようにさらに樹脂とガラス繊維を手作業で含浸させりする作業がある。この時、硬化炉を使用して成形品を硬化させると表面がベタベタしたり、あるいは二次接着をして樹脂がガラス繊維からはみ出して硬化する部分がベタベタとして成形品の品質がおちる問題があった。
これらの問題を解決する手段として、硬化炉の温度を下げたりする方法があるが、成形サイクルが遅くなり生産性を低下させてしまう。また、樹脂組成物に高融点のパラフィンワックス含有させたりする方法があるが、硬化剤が少なくなった時あるいは気温が著しく下がって樹脂の硬化が遅れた時には、二次接着部分の樹脂のはみ出したところはパラフィンワックスが浮かずにベタベタするままとなり成形品の品質が落ちる問題があった。
本発明は、ハンドレイアップ成形法やスプレイアップ成形法によってFRPを成形するに際し、常温あるいは硬化炉を用いた成形時に、薄膜でもまたは厚肉でも関係がなく表面が乾燥性に優れた成形品を得ることができ、さらに生産性を低下させることのない成形用樹脂組成物を提供するものである。また、成形用樹脂組成物を用いた繊維強化プラスチック成形品の樹脂組成物製造方法を提供するものである。
本発明は、(a)不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸、ジアルキレングリコール及びアルキレングリコールを反応させて得られる数平均分子量が1000〜2500の不飽和ポリエステル、(b)ジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル、(c)架橋性単量体、(d)0.5〜15ppmのナフテン酸銅、(e)金属石鹸として100〜500重量ppmのナフテン酸コバルト及びまたはオクテン酸コバルト、(f)30〜200ppmのオクテン酸カリウム、(g)0.01〜1.0重量%の水酸基末端の1,4ポリブタジエン、(h)パラフィンワックスを含有してなる成形用樹脂組成物に関する。
また本発明は、上記の成形用樹脂組成物を用いた繊維強化プラスチック成形品の製造方法に関する。
また本発明は、上記の不飽和ポリエステル(a)及びジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル(b)に対して架橋性単量体(C)が35〜55重量%含有され、成形用樹脂組成物の25℃における粘度が0.2〜0.8Pa・s、揺変度が1.5〜5.5である成形用樹脂組成物を用いたオープンモールド工法による繊維強化プラスチック成形品の製造方法に関する。
本発明は、ハンドレイアップ成形法やスプレイアップ成形法によってFRPを成形するに際し、常温あるいは硬化炉を用いた成形時に、薄膜でもまたは厚肉でも関係がなく表面が乾燥性に優れた成形品を得ることができ、さらに生産性を低下させることのない成形用樹脂組成物を提供するものである。
本発明で用いられる成形用樹脂組成物の含有成分となる不飽和ポリエステルの合成には、不飽和二塩基酸として好ましくは無水マレイン酸、フマル酸等が用いられ、飽和二塩基酸として好ましくは、無水フタル酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、テレフタル酸等が用いられ、ジアルキレングリコールとしては好ましくはジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が用いられ、アルキレングリコールとして好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコールが用いられ、これらを反応させて不飽和ポリエステルを得る。
この合成に用いられる不飽和二塩基酸の組成比率は、適当な硬化性を与えるため、酸成分全体に対して好ましくは30〜90モル%、より好ましくは40〜80モル%の範囲とされる。また、飽和二塩基酸の組成比率は、酸成分全体に対して好ましくは70〜10モル%、より好ましくは60〜20モル%の範囲とされる。
またジアルキレングリコールの組成比率は、表面の乾燥性を低下させないために、グリコール成分全体に対して好ましくは10〜80モル%、より好ましくは30〜70モル%の範囲とされる。アルキレングリコールは、グリコール成分全体に対して好ましくは90〜20モル%、より好ましくは70〜30モル%の範囲とされる。
不飽和ポリエステルの合成法は、酸成分とアルコール成分を同時に仕込み縮合反応させる1段合成法と、一部の酸成分とアルコール成分を縮合反応させ、途中で残りの酸成分、アルコール成分を仕込んで反応させる2段合成法等により行うことができ、その他製造条件に特に制限はない。また不飽和ポリエステル樹脂の酸価に制限はないが、成形用樹脂組成物の粘度、成形品の離型性等を考慮して、好ましくは80〜1、より好ましくは55〜5の範囲とされる。
また、不飽和ポリエステルの数平均分子量は、1000〜2500の範囲とし、好ましくは1500〜2100の範囲である。この範囲を外れると、数平均分子量が小さい場合は乾燥性が低下することおよび強度が低くなり、一方大きい場合は、成形用樹脂組成物の粘度が高くなり、良好な含浸・積層作業性が得られず時間がかかることから工数が増えて生産性を低下させる。
本発明で用いられるジシクロマレートを有する不飽和ポリエステルは、水の存在下において不飽和酸である無水マレイン酸とジシクロペンタジエンを付加させてジシクロマレートを生成し、その後にジアルキレングリコール及びアルキレングリコール又は必要に応じて飽和酸を仕込み反応させて得る。樹脂組成物の粘度に制限はないが、数平均分子量は、400〜1200の範囲とし、好ましくは400〜900の範囲である。この範囲を外れると、数平均分子量が小さい場合は強度が低くなり、一方大きい場合は、成形用樹脂組成物の粘度が高くなり、粘度調整用に用いる架橋性単量体の量が大きくなることから硬化反応性が低下して薄膜の乾燥性効果が失われる。本発明で用いられる不飽和ポリエステル(a)とジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル(b)の配合割合は、不飽和ポリエステル(a)75〜95重量部に対してジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル(b)25〜5重量部の範囲とする。これらの範囲の値よりはずれる場合には成形型からの離型性が著しく低下することや薄膜の乾燥性効果が得られない。
本発明で用いられる樹脂組成物の含有成分となる架橋性単量体に特に制限はないが、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、クロルスチレン等のハロゲン化スチレン、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸モノビニルエステル類、ジアリルフタレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパン又はトリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの内1種若しくは2種以上を使用することができる。これらの中では、粘度と硬化性のバランスが良いスチレン等の芳香族ビニル化合物が好ましい。ここで、本発明に用いられる架橋性単量体は、成形用樹脂組成物に含まれる割合を好ましくは35〜55重量%の範囲とする。より好ましくは、43〜52重量%の範囲であり、架橋性単量体が35重量%未満の場合には、粘度が高くなり作業性が悪くなるために良好な含浸・積層作業性が得られず時間がかかることから工数が増えて生産性を低下させる。一方、55重量%を超える場合には良好な硬化性が得られなくなる傾向がある。
本発明に用いられるナフテン酸銅は、成形用樹脂組成物に含まれる割合を0.5〜15重量ppmの範囲とする。ナフテン酸銅が0.5重量ppm未満の場合には成形用樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する。また、15重量ppmを超える場合には良好な硬化性が得られなくなる。
本発明で用いられる成形用樹脂組成物には必要に応じて安定剤などの各種添加剤、界面活性剤を配合しても良い。
本発明に用いられる金属石鹸のナフテン酸コバルト及びまたはオクテン酸コバルトは、主に6%または8%に希釈されたものを用いるが、この希釈濃度には特に制限がない。成形用樹脂組成物に対してコバルト成分が含まれる割合を100〜200重量ppmの範囲とする。コバルト成分が100重量ppm未満の場合には樹脂の硬化性が低下して表面の乾燥性が損なわれる。また、500重量ppmを超える場合には成形用樹脂組成物が硬化した際に変色が著しく均一な外観が得られなくなる。
本発明に用いられるオクテン酸カリウムは17%または10%に希釈されたものを用いるが、この希釈濃度には特に制限がない。成形用樹脂組成物に対してカリウム成分が含まれる割合を30〜200重量ppmの範囲とする。カリウム成分が30重量ppmより少ない場合には樹脂の硬化性が低下して表面の乾燥性が損なわれる。また、200重量ppmより多い場合には成形用樹脂組成物が不均一に硬化して表面の乾燥性が損なわれる。
本発明に用いられる水酸基末端の1,4ポリブタジエンは、数平均分子量(ASTMD2503に準じて測定)が1,000〜10,000の範囲のものが好ましい。1,4ポリブタジエンの構造中ブタジエン成分の1,4−結合が60〜100モル%及び1,2−結合が0〜40モル%であることが本発明の効果を奏する上で好ましい。水酸基末端の1,4ポリブタジエンを不飽和ポリエステル樹脂に混合する場合、スチレンモノマ等の重合性単量体やメタノールなどに希釈してもよい。成形用樹脂組成物に含まれる割合を0.01〜1.0重量%の範囲とする。水酸基末端の1,4ポリブタジエンが0.1重量%未満の場合には表面の乾燥性が損なわれる。また、1.0重量%を超える場合には良好な硬化性が得られなくなる。
本発明に用いられるパラフィンワックスは、融点が47〜69℃のものを用いて必要に応じて組み合わせて使用する。成形用樹脂組成物に含まれる割合を0.03〜0.02重量%の範囲が好ましい。
本発明で用いられる揺変性付与剤としては、微細シリカなどの無機質をはじめ、公知のポリエステルアミド、エトキシル化したポリアミドなどの有機質からなるものが好ましく用いられる。さらに揺変性補助剤としてグリセリンを用いてもよい。揺変性付与剤は、成形用樹脂組成物に含まれる割合が、0.5〜3.0重量%の範囲であり、0.5重量%未満の場合には表面の乾燥性が損なわれ、3.0重量%を超える場合には良好な脱泡作業性が得られず、工数が増えて生産性を低下させる。
また、樹脂組成物の25℃における粘度は0.2〜0.8Pa・s、揺変度は1.5〜5.5の範囲が好ましい。この範囲の値より小さい場合には表面の乾燥性が損なわれ、この範囲の値より大きい場合には脱泡作業性が悪くなり工数が増えて生産性を低下させる傾向がある。
また、本発明の成形用樹脂組成物には、硬化性を調整するために、2,6−ジターシャリブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−ターシャリブチルフェノール、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール等のフェノール類、パラベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、2,5−ジフェニルパラベンゾキノン等のキノン類、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ターシャリブチルカテコール、モノターシャリブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、アセトアミジンアセテート等のアミジン類、フェニルヒドラジン塩酸塩等のヒドラジン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類等の重合禁止剤1種又は2種以上を必要に応じて用いる。その使用量は、要求されるゲル化時間や硬化性により適宜決定される。
また、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族3級アミン類、N,N−ジメチルアセトアセタミド、N,N−ジエチルアセトアセタミド、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジメドン、ジベンゾイルメタン、アセチルシクロペンタン、アセチルブチロラクトン、フェニルジエタノールアミン等の硬化促進剤の1種又は2種以上を必要に応じて用いても良い。その使用量は、要求される硬化性により適宜決定されるが、成形用樹脂組成物に対して0.5重量%以下であることが好ましく、0.01〜0.3重量%であることがより好ましい。
また、本発明の成形用樹脂組成物には、公知の顔料、染料等の着色剤、模様材等、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤、粘度調整剤、湿潤剤、紫外線吸収剤等の添加成分を必要に応じて用いてもよい。その使用量は特に制限はないが、好ましくは成形用樹脂組成物に対して20重量%以下であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。
また、本発明には充填材として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、クレー、タルク、カオリン、石英粉末、粉砕石等の無機充填剤等が必要に応じて用いても良い。
また本発明の成形用樹脂組成物を硬化させる際には、必要に応じて硬化触媒としてメチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド、イソブチルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のアルキルパーエステル類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシイソブチルカーボネイト等のパーカーボネイト類などの有機過酸化物等を1種若しくは2種以上を併用して用いても良い。硬化触媒の種類及び量は、成形温度によって決定されるもので、この組み合わせに制限はないが、良好な反応性を得るため、有機過酸化物を成形用樹脂組成物に対して0.1〜3重量%用いることが好ましい。
本発明に用いられる繊維強化材としては、ガラス繊維を用いることが好ましい。このガラス繊維は、ガラスマットまたはガラスロービングを用いる。
次に、本発明における成形用樹脂組成物を成形してなる成形品について説明する。
本発明における成形品としては、特に制限はないが、例えば浄化槽、浴室ユニット(壁、防水パン、天井、エプロン、カウンター等)、浴槽、洗面台、キッチンカウンター、壁材等の各種住宅機器、各種のパイプ、タンク製品、梁、グレーチング等の建設資材、カップ、トレイ等の雑貨品、また船艇、車両部材等の成形品等がある。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。なお、例中特に断らない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を意味する。
また実施例中で説明する粘度、揺変度及びゲル化時間は、JIS K 6901に従って測定した。なお、ゲル化時間の測定に際しては、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメックN、日本油脂(株)製)を成形用樹脂組成物に対して0.6、1.0重量%となるように用いた。
合成例1(不飽和ポリエステルA−1の合成)
無水マレイン酸 4.5モル、無水フタル酸 5.5モル、ジエチレングリコール 5モル、プロピレングリコール 5.7モルを、攪拌機、コンデンサ、温度計及び不活性ガス導入口付の2リットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガス導入下に160℃まで昇温し、4時間をかけて220℃まで昇温して酸価が35になったところで終了した。このものにハイドロキノン 0.006部を仕込み、数平均分子量1800の不飽和ポリエステルA−1を得た。そこで、不飽和ポリエステル70部にスチレン30部を加えて100部とし、樹脂組成物A−1とした。
合成例2(ジシクロマレートを有する不飽和ポリエステルA−2の合成)
ジシクロペンタジエン 8モル、無水マレイン酸 8モルに水道水を4モル仕込み、攪拌機、コンデンサ、温度計及び不活性ガス導入口付の2リットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガス導入下に1時間をかけて140℃まで昇温して、100℃以下に冷却したのちに水道水を4モル仕込み再び140℃まで昇温した。140℃で1時間保温したのちに100℃以下まで冷却し、ジエチレングリコール 1.5モル、プロピレングリコール 3.6モル、トルハイドロキノンを材料の仕込み総重量に対して 0.005%を仕込み、180℃まで昇温し、2時間をかけて205℃まで昇温して酸価が26になったところで終了した。このものにハイドロキノン 0.003%を仕込み、数平均分子量が650の不飽和ポリエステルB−1を得た。そこで、不飽和ポリエステル77部にスチレン23部を加えて100部とし、樹脂組成物A−2とした。
配合例1
合成例1で得られた樹脂組成物A−1 90部、樹脂組成物A−2 10部に、揺変性付与剤(シリカ粉、商品名アエロジル#200、日本アエロジル(株)製)0.8部、グリセリン 0.1部、5%ナフテン酸銅 0.01部、6%ナフテン酸コバルト 0.5部、ジメチルアニリン 0.15部、オクテン酸カリウム(大日本インキ化学工業(株)製、17%品) 0.03部、水酸基末端の1,4−ポリブタジエン(出光石油(株)製、商品名Poly bd R−45HT、数平均分子量2,800、ブタジエン成分のトランス−1,4結合60%、シス−1,4結合20%、1,2−結合20%) 0.15部、パラフィンワックス115(日本精鑞(株)製、融点47℃)0.03部、パラフィンワックス145(日本精鑞(株)製、融点63℃) 0.02部、パラフィンワックス150(日本精鑞(株)製、融点66℃) 0.07部、スチレン 20部、ハイドロキノン 0.03部、ターシャリブチルカテコール 0.01部を混合し、粘度 0.30Pa・s、揺変度3.0、ゲル化時間40分とした成形用樹脂組成物B−1を得た。
配合例2
合成例1で得られた樹脂組成物A−1 80部、樹脂組成物A−2 20部に、揺変性付与剤(シリカ粉、商品名アエロジル#200、日本アエロジル(株)製)1.5部、グリセリン 0.1部、5%ナフテン酸銅 0.01部、6%ナフテン酸コバルト 0.6部、ジメチルアニリン 0.11部、オクテン酸カリウム(大日本インキ化学工業(株)製、17%品) 0.09部、水酸基末端の1,4−ポリブタジエン(出光石油(株)製、商品名Poly bd R−45HT、数平均分子量2,800、ブタジエン成分のトランス−1,4結合60%、シス−1,4結合20%、1,2−結合20%) 0.2部、パラフィンワックス115(日本精鑞(株)製、融点47℃)
0.03部、パラフィンワックス145(日本精鑞(株)製、融点63℃) 0.02部、パラフィンワックス155(日本精鑞(株)製、融点69℃) 0.05部、スチレン 27部、ハイドロキノン 0.025部、ターシャリブチルカテコール 0.01部を混合し、粘度 0.50Pa・s、揺変度4.4、ゲル化時間40分とした成形用樹脂組成物B−2を得た。
配合例3
合成例2で得られた樹脂組成物A−2 80部、樹脂組成物A−2 20部に、揺変性付与剤(シリカ粉、商品名アエロジル#200、日本アエロジル(株)製)1.0部、グリセリン 0.1部、5%ナフテン酸銅 0.01部、6%ナフテン酸コバルト 0.6部、ジメチルアニリン 0.12部、オクテン酸カリウム(大日本インキ化学工業(株)製、17%品) 0.06部、水酸基末端の1,4−ポリブタジエン(出光石油(株)製、商品名Poly bd R−45HT、数平均分子量2,800、ブタジエン成分のトランス−1,4結合60%、シス−1,4結合20%、1,2−結合20%) 0.15部、パラフィンワックス115(日本精鑞(株)製、融点47℃)0.05部、パラフィンワックス145(日本精鑞(株)製、融点63℃) 0.02部、パラフィンワックス155(日本精鑞(株)製、融点69℃) 0.07部、スチレン 35部、ハイドロキノン 0.027部、ターシャリブチルカテコール 0.01部を混合し、粘度 0.30Pa・s、揺変度3.8、ゲル化時間40分とした成形用樹脂組成物B−3を得た。
実施例1
室温が25℃において、成形型(300mm×300mmのFRP型)に離型剤(商品名ケムリース70、ケムリースアジア(株)製)を塗布して処理した。その後で、成形用樹脂組成物B−1に対して硬化剤1%の割合のメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメックN、日本油脂(株)製)を混合させ、成形用樹脂組成物B−1と繊維強化材 (日東紡(株)製、商品名MC450)の総量に対して繊維強化材が34%となるように、繊維強化材を7層積層した。その直後、50℃の乾燥機へ30分投入して繊維強化プラスチック成形品を得た。その繊維強化プラスチック成形品の表面を、指触により硬化炉成形後の乾燥性として判定した。
また、室温が28℃、湿度が90%以上において、実施例1で得られた繊維強化プラスチック成形品に、成形用樹脂組成物B−1に対して硬化剤0.6%の割合のメチルエチルケトンパーオキサイド(商品名パーメックN、日本油脂(株)製)を混合させ、厚みが0.05〜0.1mmとなるようにFRPハンドレイアップFGローラー(ムサシローラー(株)製、商標FG 75mm)にて塗布して16h放置し、その繊維強化プラスチック成形品の表面を指触により薄膜の乾燥性として判定した。
実施例2〜3
実施例1と同様に、成形型に離型剤を塗布して処理した。その後で、表1に示す各々の成形用樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に繊維強化プラスチック成形品を得た。
その繊維強化プラスチック成形品の表面を指触により硬化炉成形後の乾燥性として判定した。
また、実施例1と同様に表1に示す各々の成形用樹脂組成物を用いて、実施例1同様に塗布して繊維強化プラスチック成形品を得た。その繊維強化プラスチック成形品の表面を指触により乾燥性を判定した。
合成例3(不飽和ポリエステルA−3の合成)
無水マレイン酸 5モル、無水フタル酸 5モル、プロピレングリコール 10.8モルを、攪拌機、コンデンサ、温度計及び不活性ガス導入口付の2リットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガス導入下に160℃まで昇温し、4時間をかけて220℃まで昇温して酸価が35になったところで終了した。このものにハイドロキノン 0.006部を仕込み、数平均分子量2200の不飽和ポリエステルA−1を得た。そこで、不飽和ポリエステル68部にスチレン32部を加えて100部とし、成形用樹脂組成物A−3とした。
合成例4(不飽和ポリエステルA−4の合成)
無水マレイン酸 5モル、無水フタル酸 5モル、ジエチレングリコール 3モル、プロピレングリコール 8.0モルを、攪拌機、コンデンサ、温度計及び不活性ガス導入口付の2リットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素ガス導入下に160℃まで昇温し、4時間をかけて220℃まで昇温して酸価が40になったところで終了した。このものにハイドロキノン0.006部を仕込み、数平均分子量1400の不飽和ポリエステルA−4を得た。そこで、不飽和ポリエステル72部にスチレン28部を加えて100部とし、成形用樹脂組成物A−4とした。
配合例4
合成例3で得られた樹脂組成物A−3 100部に、揺変性付与剤(シリカ粉、商品名アエロジル#200、日本アエロジル(株)製)1.5部、グリセリン 0.1部、5%ナフテン酸銅 0.002部、6%ナフテン酸コバルト 0.2部、ジメチルアニリン 0.10部、パラフィンワックス145(日本精鑞(株)製、融点63℃) 0.05部、パラフィンワックス150(日本精鑞(株)製、融点66℃) 0.05部、スチレン 29部、ハイドロキノン 0.02部、ターシャリブチルカテコール 0.01部を混合し、粘度 0.50Pa・s、揺変度4.4、ゲル化時間40分とした成形用樹脂組成物B−4を得た。
配合例5
合成例4で得られた樹脂組成物A−4 100部に、揺変性付与剤(シリカ粉、商品名アエロジル#200、日本アエロジル(株)製)0.8部、グリセリン 0.1部、5%ナフテン酸銅 0.002部、6%ナフテン酸コバルト 0.3部、ジメチルアニリン 0.15部、パラフィンワックス125(日本精鑞(株)製、融点50℃)0.03部、パラフィンワックス150(日本精鑞(株)製、融点60℃) 0.07部、スチレン 25部、ハイドロキノン 0.025部、ターシャリブチルカテコール 0.01部を混合し、粘度 0.30Pa・s、揺変度3.0、ゲル化時間40分とした成形用樹脂組成物B−5を得た。
比較例1〜2
実施例1と同様に、成形型に離型剤を塗布して処理した。その後で、表2に示す各々の成形用樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に繊維強化プラスチック成形品を得た。
その繊維強化プラスチック成形品の表面を指触により硬化炉成形後の乾燥性として判定した。
また、実施例1と同様に表2に示す各々の成形用樹脂組成物を用いて、実施例1同様に塗布して繊維強化プラスチック成形品を得た。その繊維強化プラスチック成形品の表面を指触により薄膜の乾燥性として乾燥性を判定した。
Figure 2006008766
Figure 2006008766

Claims (3)

  1. (a)不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸、ジアルキレングリコール及びアルキレングリコールを反応させて得られる数平均分子量が1000〜2500の不飽和ポリエステル、(b)ジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル、(c)架橋性単量体、(d)0.5〜15ppmのナフテン酸銅、(e)金属石鹸として100〜500重量ppmのナフテン酸コバルト及びまたはオクテン酸コバルト、(f)30〜200ppmのオクテン酸カリウム、(g)0.01〜1.0重量%の水酸基末端の1,4ポリブタジエン、(h)パラフィンワックスを含有してなる成形用樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の成形用樹脂組成物を用いた繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
  3. 請求項1記載の不飽和ポリエステル(a)及びジシクロマレートを有する不飽和ポリエステル(b)に対して架橋性単量体(c)が35〜55重量%含有され、成形用樹脂組成物の25℃における粘度が0.2〜0.8Pa・s、揺変度が1.5〜5.5である成形用樹脂組成物を用いたオープンモールド工法による繊維強化プラスチック成形品の製造方法。

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