JP5379622B2 - シートモールディングコンパウンド - Google Patents

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Description

本発明は、優れた機械的特性及び外観が要求される成形品に適したシートモールディングコンパウンドに関する。
不飽和ポリエステル樹脂組成物と繊維強化材とからなるシートモールディングコンパウンド(以下、SMCと略記することがある)を成形して得られる部材は、機械的特性、成形性、表面光沢等に優れるため、様々な用途に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。一般に、SMCには、優れた表面の成形品を得るという理由から、不飽和ポリエステルの合成における飽和酸と不飽和酸のモル数の合計に対する不飽和酸のモル数の割合、すなわち、不飽和度の高い不飽和ポリエステルを用いられることが多い。このような不飽和ポリエステルは、伸び率が比較的小さいために、靭性に優れたSMCを得ることが困難であった。
SMCの靭性を改善する方法として、例えば、アジピン酸やセバシン酸のような長い直鎖状の飽和二塩基酸を原料とした伸び率の大きい不飽和ポリエステルを用いる方法が挙げられる。しかし、このような不飽和ポリエステルは、不飽和度が低いために、SMC成形品の外観は、光沢度や平滑性が劣るという問題があった。
また、ゴム成分が配合された不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いることで、成形品の耐衝撃性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。しかし、ゴム成分は一般的に、不飽和ポリエステルとの相溶性が低いために、成形時に分離してSMC成形品の表面を汚染する(スカミング現象)という問題があった。
更に、不飽和ポリエステルの代わりにビニルエステル樹脂を用いた樹脂組成物或いは不飽和ポリエステルとビニルエステル樹脂とを併用した樹脂組成物が知られている。しかし、ビニルエステル樹脂を用いたSMC成形品は、耐食性や靭性に優れるものの、光沢度、平滑性や色調の均一性等が劣るという問題があった。また、このSMCでは、ウレタン増粘法が一般的であるために、成形流動性が悪いという問題もあった。そのため、ビニルエステル樹脂を用いたSMCは、外観が要求されず且つ成流動性が乏しくても成型可能な一部の成形品に用途が限定されていた。
特開2006−131759号公報 特開2001−115000号公報
従って、本発明は、成形流動性に優れ、成形品の外観が良好であり且つ成形品の機械的特性が優れるシートモールディングコンパウンドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和ポリエステル、架橋剤及び繊維補強材を含有するシートモールディングコンパウンドに、特定のウレタン(メタ)アクリレートを特定の質量割合で配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、架橋剤及び繊維補強材を含有するシートモールディングコンパウンドであって、該ウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式
Figure 0005379622
(式中、R1は、H又はCH3であり、R2は、水酸基含有(メタ)アクリレート由来の2価の基であり、Aは、重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオール由来の構造単位であり、R3はジイソシアネート化合物由来の2価の基であり、繰り返し単位であるnは1〜6である)
で表されるものであり、該ウレタン(メタ)アクリレートが、該不飽和ポリエステル100質量部に対して、10質量部〜100質量部の範囲で配合され、且つ該繊維補強材が、該シートモールディングコンパウンド中に40質量%〜70質量%の範囲で配合されていることを特徴とするシートモールディングコンパウンドである。
本発明によれば、成形流動性に優れ、成形品の外観が良好であり且つ成形品の機械的特性が優れるシートモールディングコンパウンドを提供することができる。
本発明のシートモールディングコンパウンドは、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、架橋剤及び繊維補強材を必須成分として含有するものである。
本発明で用いる不飽和ポリエステルは、多価アルコールと、飽和多塩基酸及び/又は不飽和多塩基酸とのエステル化反応により得られる。
不飽和ポリエステルの原料として用いられる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンタンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、グリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
不飽和ポリエステルの原料として用いられる不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。また、飽和多塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
不飽和ポリエステルの不飽和度は、優れた表面の成形品を得るという理由から、70モル%〜100モル%の範囲であることが好ましい。
また、不飽和ポリエステルの分子量は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン換算の重量平均分子量で、好ましくは5,000〜40,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。重量平均分子量が大き過ぎると、粘度が上昇して不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高くなり、繊維補強材との含浸が困難となる場合があり、重量平均分子量が小さ過ぎると、物性が低下するとともに不飽和ポリエステル樹脂組成物を増粘させることが困難になる場合がある。
不飽和ポリエステルの製造方法は、特に限定されることはなく、上記成分を用いて、公知の方法により製造することができる。例えば、窒素などの不活性ガス気流中で、140℃〜230℃の温度で所要の段階までエステル化させる方法で行なうことができる。エステル化反応では、必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。その触媒の例としては、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド、シュウ酸第一錫、酢酸亜鉛、酢酸コバルト等の公知の触媒が挙げられる。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式
Figure 0005379622
(式中、R1は、H又はCH3であり、R2は、水酸基含有(メタ)アクリレート由来の2価の基であり、Aは、重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオール由来の構造単位であり、R3はジイソシアネート化合物由来の2価の基であり、繰り返し単位であるnは1〜6である)
で表されるものであり、(メタ)アクリロイル基をウレタン結合を介してベースとなるポリエステルポリオールに結合させた構造を有している。上記一般式におけるnの値は1〜6の範囲であることが重要である。nの値が6を超えた場合、ウレタン(メタ)アクリレートの粘度が高くなり、作業性が低下する。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるジイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリエステルポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族グリコールと、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸との縮合反応により得られる。脂肪族以外のグリコール若しくは脂肪族以外の二塩基酸を用いた場合は、ウレタン(メタ)アクリレートの伸び率が小さくなり、SMC成形品の靭性を向上させる効果が得られない場合がある。ポリエステルポリオールの重量平均分子量は、500〜4,000であることが重要である。ポリエステルポリオールの重量平均分子量が500未満であると、ウレタン(メタ)アクリレートの伸び率が小さくなり、結果としてSMC成形品の靭性を向上させる効果が得られない。一方、ポリエステルポリオールの重量平均分子量が4,000を超えると、ウレタン(メタ)アクリレートの伸び率は大きくなるものの、強度が低下し、SMC成形品の靭性を向上させる効果が得られない。
ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法は、特に限定されることはなく、上記成分を用いて、公知の方法により製造することができる。例えば、ジイソシアネート化合物と重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオールとを混合して反応させ、末端イソシアネート含有ウレタンプレポリマーを生成させ、次いで、かかるウレタンプレポリマーに、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによってウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。
なお、上記反応においては、ジブチル錫ジラウレート、3級アミン類、フォスホン類等の触媒を添加することも可能である。また、反応温度や反応時間は適宜設定すればよいが、反応温度は、40℃〜120℃であることが好ましく、反応時間は、1時間〜24時間であることが好ましい。
本発明のシートモールディングコンパウンドにおいて、上記したウレタン(メタ)アクリレートの配合量は、不飽和ポリエステル100質量部に対して、10質量部〜100質量部であることが重要であり、好ましくは20質量部〜70質量部である。ウレタン(メタ)アクリレートの配合量が10質量部未満であると、SMC成形品の靭性を向上させる効果が得られない。一方、ウレタン(メタ)アクリレートの配合量が100質量部を超えると、SMC成形品の平滑性及び光沢度が低下する。
本発明では、上記した不飽和ポリエステル及びウレタン(メタ)アクレートを架橋剤に溶解させて用いる。このような架橋剤としては、不飽和ポリエステル及びウレタン(メタ)アクリレートと重合可能な重合性二重結合を有しているものであればよく、例えば、スチレンモノマー、ジアリルフタレートモノマー、ジアリルフタレートプレポリマー、メタクリル酸メチル、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。架橋剤は、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対し、25質量部〜70質量部となる量で使用することが好ましく、35質量部〜65質量部となる量で使用することが更に好ましい。架橋剤の使用量が少な過ぎると、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクレート及び架橋剤を含む不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高くなり、繊維補強材との含浸が困難となる場合がある。一方、架橋剤の使用量が多過ぎると、成形収縮率が大きくなりSMC成形品の平滑性が低下する場合がある。
本発明で使用される繊維補強材としては、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維(例えば、アラミド繊維)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの繊維補強材は、通常のSMCと同様に、0.5インチ〜2インチ(12.7〜50.8mm)に切断されて、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクレート及び架橋剤を含む不飽和ポリエステル樹脂組成物に含浸される。
繊維補強材の配合量は、要求される強度により異なるが、SMCの総量に対して40質量〜70質量%であることが重要である。繊維補強材の配合量が40質量%未満であると、SMC成形品の強度が低下する。一方、繊維補強材の配合量が70質量%を超えると、不飽和ポリエステル樹脂組成物が繊維補強材に充分に含浸しなくなると共に、成形時の流動性が低下する。
また、本発明のシートモールディングコンパウンドには、本発明の効果を損なわない範囲で、無機充填材、硬化剤、低収縮剤、内部離型剤、重合禁止剤、着色剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、石こう、硫酸バリウム、クレー、タルク等の無機粉末が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。無機充填材の配合量は、SMCの総量に対して20質量%以下とすることが望ましい。無機充填材の配合量が20質量%を超えると、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が上昇するために、繊維補強材の含浸が困難となる場合がある。
硬化剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、1.1.ジ−t−ブチルパーオキシ3.3.5.トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
低収縮剤としては、SMCにおいて一般に使用されているものを使用することができ、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、ポリカプロラクトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。低収縮剤は、好ましくは、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対し、10質量部〜60質量部の範囲で添加することができる。
内部離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、カルナバワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。内部離型剤は、好ましくは、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対し、2質量部〜10質量部の範囲で添加することができる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、P−ベンゾキノン、ナフトキノン、t−ブチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。重合禁止剤は、好ましくは、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対し、0.0001質量部〜1.0質量部の範囲で添加することができる。
着色剤は、SMC成形品を着色する必要のある場合に用いるものであり、通常使用されている各種の無機顔料や有機顔料を使用することができる。着色剤は、SMC成形品の着色度合いによって適宜その使用量を選択する必要があるが、好ましくは、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート及び架橋剤の合計100質量部に対し、20質量部以下の範囲で添加することができる。
増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。SMCにおいては、酸化マグネシウムが一般的に用いられる。増粘剤の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂組成物の作業性によって決定されるが、不飽和ポリエステル及び架橋剤の総量に対して0.5質量%〜5質量%の範囲で添加することができる。増粘剤の配合量が少な過ぎると、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が上昇しない場合がある。一方、増粘剤の配合量が多過ぎると、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が上昇し過ぎてSMCの流動性を低下させる恐れがある。
本発明のシートモールディングコンパウンドは、通常のSMC製造装置を用いて、通常の方法により製造することができる。例えば、繊維補強材以外の上述したSMC原料を、上下に設置されたキャリアフィルムに均一な厚さになるように塗布し、所定の長さにカットされた繊維補強材を、前記上下に設置されたキャリアフィルムの不飽和ポリエステル樹脂組成物に挟み込み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加えて繊維補強材を不飽和ポリエステル樹脂組成物に含浸させた後、ロール状に巻き取るか又はつづら折りに畳んでSMCが得られる。必要に応じて、この後に熟成等を行う。増粘剤を配合した場合は、室温〜60℃の温度に加温して熟成することが好ましい。キャリアフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を用いることができる。
このようにして得られた本発明のSMCは、各種の成形手段に供することができる。例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形により成形され、広範囲な成形品を得ることができる。本発明のSMCは、従来のSMCと比較して、成形品の靭性を向上させることが可能であり、且つ成形流動性に優れているために、成形品の形状を限定されることが少ない。また、成形品外観も従来のSMCと遜色ないものが得られる。本発明のSMCを用いて得られる成形品は、自動車の構造部材、安全具、スポーツ用具等の優れた機械的特性及び外観が要求される用途において極めて有用である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
SMC製造装置を用い、ラインスピード8m/分、単位面積当たりのSMC質量が約3kg/m2となるような条件で、下記表1及び2に示す配合割合の実施例1〜4及び1〜5のSMCを得た。なお、実施例1〜4及び比較例1〜4では、製造上問題が無かったが、比較例5では、SMCの一部に含浸不良が見られた。
なお、ここで使用した不飽和ポリエステル樹脂A及びウレタンアクリレートA〜Cは、以下の方法により調製されたものである。
<不飽和ポリエステルAの調製>
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた四口フラスコに、マレイン酸100モル、ジプロピレングリコール30モル及びプロピレングリコール70モルを仕込み、窒素気流下で加熱撹拌しながら210℃まで昇温して、常法手順によりエステル化反応を行なった。この不飽和ポリエステルの不飽和度は100モル%であり、重量平均分子量は20,000であった。
次に、この不飽和ポリエステルにハイドロキノン0.015質量部を添加し、これをスチレンに溶解させて、スチレン含量40質量%の不飽和ポリエステルAを調製した。
<ウレタンアクリレートAの調製>
攪拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、アジピン酸とエチレングリコールとの縮合反応から得られた重量平均分子量1,500のポリエステルポリオール466g、スチレンモノマー566g、ハイドロキノン0.17gを仕込み、混合物を80℃まで昇温した。次いでイソホロンジイソシアネート80gを1.5時間かけて滴下しながら攪拌し、末端イソシアネート含有プレポリマーを生成させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート20gを0.5時間かけて滴下した後、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークの消失するまで反応させて、スチレン含量50質量%のウレタンアクリレートAを得た。このウレタンアクリレートのnは3.4であった。
<ウレタンアクリレートBの調製>
攪拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、アジピン酸とエチレングリコールとの縮合反応から得られた重量平均分子量400のポリエステルポリオール342g、スチレンモノマー589g、ハイドロキノン0.17gを仕込み、混合物を80℃まで昇温した。次いでイソホロンジイソシアネート212gを1.5時間かけて滴下しながら攪拌し、末端イソシアネート含有プレポリマーを生成させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート35gを0.5時間かけて滴下した後、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークの消失するまで反応させて、スチレン含量50質量%のウレタンアクリレートBを得た。このウレタンアクリレートのnは5.7であった。
<ウレタンアクリレートCの調製>
攪拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、アジピン酸とエチレングリコールとの縮合反応から得られた重量平均分子量5,000のポリエステルポリオール551g、スチレンモノマー597g、ハイドロキノン0.17gを仕込み、混合物を80℃まで昇温した。次いでイソホロンジイソシアネート34gを1.5時間かけて滴下しながら攪拌し、末端イソシアネート含有プレポリマーを生成させた。次いで2−ヒドロキシエチルアクリレート12gを0.5時間かけて滴下した後、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークの消失するまで反応させて、スチレン含量50質量%のウレタンアクリレートCを得た。このウレタンアクリレートのnは2.2であった。
実施例1〜4及び比較例1〜5のSMCについて、成形流動性、成形品の外観及び成形品の機械的強度を下記の方法に従って評価した。
(1)成形流動性の評価
下記に示すような成形時のSMCの流動距離を比較的長くした成形条件により得られた成形品の端部への充填性により評価した。充填性の評価基準は、良好なものを○とし、端部に僅かに未充填あるものを△とし、部分的に明らかな未充填あるものを×とした。
成形品形状:320×220×2mmの寸法の平板
チャージ面積:150×100mm(チャージ率約20%)
金型温度:145℃(上型)/130℃(下型)
成形圧力:7MPa
成形時間:120秒
(2)成形品の外観評価
成形流動性の評価で得られた成形品の平滑性及び光沢を目視により評価した。評価基準は、良好なものを○とし、やや劣るものを△とし、劣るものを×とした。
(3)機械的強度の評価
JIS K7171に準拠した方法で、曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。また、得られた応力−ひずみ曲線から、破断点までのエネルギーを測定し、靭性を評価する指標とした。
Figure 0005379622
Figure 0005379622
表1及び2に示すように、実施例1〜4のSMCでは、SMCの充填性、成形品の外観はいずれも良好であった。また、靭性の指標となる破断点までのエネルギーは、ウレタンアクリレートを用いなかった比較例1と比較して約20%〜40%も向上しており、靭性の向上が確認できた。
表2に示すように、比較例2のSMCは、ウレタンアクリレートを不飽和ポリエステル100質量部に対して101.8質量部配合したものであるが、成形品の光沢が低下し、満足できる成形品を得られなかった。比較例3及び4のSMCは、ウレタンアクリレートを構成するポリエステルポリオールの重量平均分子量が500〜4,000の範囲外のものを使用したものであるが、いずれも成形品の靭性の指標となる破断点までのエネルギーに大きな向上は見られなかった。比較例5のSMCは、ガラス繊維の含有量が70質量%を超えた場合であるが、成形時の流動性が低下したため、成形品に材料が完全に充填せず、また、ガラス繊維が成形品表面に浮き出し、光沢や平滑性が低下し、満足できる成形品が得られなかった。

Claims (3)

  1. 不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、架橋剤及び繊維補強材を含有するシートモールディングコンパウンドであって、
    該ウレタン(メタ)アクリレートは、下記一般式
    Figure 0005379622
    (式中、R1は、H又はCH3であり、R2は、水酸基含有(メタ)アクリレート由来の2価の基であり、Aは、重量平均分子量が500〜4,000のポリエステルポリオール由来の構造単位であり、R3はジイソシアネート化合物由来の2価の基であり、繰り返し単位であるnは1〜6である)
    で表されるものであり、
    該ウレタン(メタ)アクリレートが、該不飽和ポリエステル100質量部に対して、10質量部〜100質量部の範囲で配合され、且つ
    該繊維補強材が、シートモールディングコンパウンド中に40質量%〜70質量%の範囲で配合されていることを特徴とするシートモールディングコンパウンド。
  2. 前記ポリエステルポリオールが、脂肪族グリコールと脂肪族二塩基酸とを縮合反応させたものである請求項1に記載のシートモールディングコンパウンド。
  3. 前記不飽和ポリエステルの不飽和度が、70モル%〜100モル%の範囲である請求項1又は2に記載のシートモールディングコンパウンド。
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