JP2006008102A - サンシェード装置 - Google Patents

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Tomoyuki Kikuta
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Abstract

【課題】 ブラインドシートを展張・収納するための駆動装置に不具合があり作動しなくなった場合であっても、ブラインドシートを収納させてウインドウをクリア状態にすることが可能なサンシェード装置を提供する。
【解決手段】 駆動部10と、駆動部10によって駆動されるスパイラルケーブル34と、スパイラルケーブルの駆動によって移動可能なスライダー35と、車両のウインドウの縁部に沿って配設されスライダーを摺動自在に案内するガイドレール31と、スライダーに自由端側の端部が取り付けられウインドウを覆うブラインドシート21と、ブラインドシートを巻取るロールシェード部22と、を備えたサンシェード装置Sにおいて、ブラインドシートは、スライダーに着脱自在に取り付けられた。また、駆動部には、モータ部の停止時に、スパイラルケーブルを駆動可能な操作ハンドル19が配設された。
【選択図】 図14


Description

本発明はサンシェード装置に係り、特に車両のウインドウを覆って日差しを遮るためのサンシェード装置に関する。
炎天下で自動車を駐車中、太陽光が車室内に差し込むと車内の温度が上昇してしまい、再び乗車するときに非常に暑く不快である。このような状態でエアコンを作動させても最初は暖かい風が吹きだして来るため不快感が高まるだけでなく、車内温度を下げるのに時間が掛かってしまっていた。また急激に温度を下げようとすると、エアコンからの噴出量を大きくする必要があり、大量のエネルギーが必要であった。
従来は、車室内へ太陽光が差し込むのを防ぐため、別物のサンシェードをウインドウ内側に立てかけたり、吸盤等でウインドウに取り付けたりしていた。しかし、従来の別物のサンシェードは、不使用時には収納する場所が必要となって不便であるうえ外観も良くない。
上記不都合を解消するための技術として、車両内への組込式のサンシェード装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、ウインドウを覆うことにより太陽光を遮蔽するブラインドシートを、巻取り収納装置の回動によって展張・収納するものであり、この巻取り収納装置は、ウインドウの上縁部に長手方向が沿うように直線的に配設されている。フロントウインドウ下部のダッシュボードに助手席用エアバックが装着される場合であっても、巻取り収納装置はウインドウの上縁部に沿って配設されるので、助手席用エアバッグが巻取り収納装置を配設するのに邪魔になることはなく、サンシェード装置をフロントウインドウに配設することが可能である。
上記公知技術では、矩形状のブラインドシートの基端部は巻取り収納装置に固着され、自由端側の辺には管状のステーが取り付けられる。ステーの両側端部には、それぞれスライドシャフトが挿入されており、スライドシャフトはステーの軸方向に対して進退自在に支持されている。スライドシャフトの外側端部にはランナーが取り付けられる。
ウインドウが取り付けられたピラーの内側にはガイドレールが配設され、ランナーはガイドレールによって案内され上下に移動可能となっている。また、ガイドレール内には下端部がランナーと結合された可撓性線状部材が配設されており、可撓性線状部材は駆動装置によってガイドレール内を移動可能に構成されている。
上記構成により、特許文献1のサンシェード装置は、駆動装置が作動して可撓性線状部材がガイドレール内を移動すると、ランナー,スライドシャフト及びステーがガイドレールの長さ方向に沿って上下移動して、ブラインドシートが収納・展張される。
また、車両のウインドウは下側ほど幅広となる台形状であるので、下側ほどガイドレール間の距離が大きくなっている。このため、このサンシェード装置では、ガイドレール間の距離に合わせてスライドシャフトがステーに対して進退動し、ステー及びスライドシャフト全体として長さが調整されるようになっている。
このように従来技術のサンシェード装置は、必要なときに作動させることによりブラインドシートを展張させてウインドウを覆い、太陽光を遮蔽することができる。また、このサンシェード装置は従来の立てかけ式のサンシェードのように、不使用時に収納場所を確保する必要がなく、また車両に一体に組み込まれているため外観も良好となる。
特開2000−52763号公報(第2−6頁、図1−9)
しかし、上記公知技術では、駆動装置によってブラインドシートが展張・収納されるので、ブラインドシートが展張された状態において、駆動装置が不具合で作動しなくなった場合には、ブラインドシートを収納することができないという不都合があった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ブラインドシートを展張・収納するための駆動装置に不具合があり作動しなくなった場合であっても、ブラインドシートを収納させてウインドウをクリア状態にすることが可能なサンシェード装置を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、駆動部と、該駆動部によって駆動される伝達部材と、該伝達部材に連結され該伝達部材の駆動によって移動可能なスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを摺動自在に案内するガイドレールと、前記スライダーに自由端側の端部が取り付けられ車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、を備えたサンシェード装置において、前記ブラインドシートは、前記スライダーに着脱自在に取り付けられることにより解決される。
このように本発明のサンシェード装置では、ブラインドシートがスライダーに着脱自在に取り付けられるので、ブラインドシートの展張状態において、スライダーがガイドレールに沿って動作しなくなった場合には、乗員がブラインドシートとスライダーとの結合を手動で外すことによって、ブラインドシートをロールシェード部に巻き取らせることが可能となる。これにより、本発明のサンシェード装置では、手動操作により、ウインドウをクリア状態とすることができる。
また、前記課題は、本発明によれば、車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、前記ブラインドシートの自由端側の辺に沿って取り付けられたシャフト部と、該シャフト部の端部に取り付けられたスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを案内するガイドレールと、前記スライダーに連結されて該スライダーを前記ガイドレールに沿って摺動させる伝達部材と、該伝達部材を駆動する駆動部と、を備えたサンシェード装置において、前記ブラインドシートは、少なくとも前記シャフト部または前記スライダーに着脱自在に取り付けられることにより解決される。
このように本発明のサンシェード装置では、ブラインドシートが少なくともシャフト部またはスライダーに着脱自在に取り付けられるので、ブラインドシートの展張状態において、スライダーがガイドレールに沿って動作しなくなった場合には、乗員が手動でブラインドシートとシャフト部との結合を外すことによって、ブラインドシートをロールシェード部に巻き取らせることが可能となる。これにより、本発明のサンシェード装置では、手動操作により、ウインドウをクリア状態とすることができる。
また、前記課題は、本発明によれば、モータ部を有する駆動部と、該駆動部によって駆動される伝達部材と、該伝達部材に連結され該伝達部材の駆動によって移動可能なスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを摺動自在に案内するガイドレールと、前記スライダーに自由端側の端部が取り付けられ車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、を備えたサンシェード装置において、前記駆動部には、前記モータ部の停止時に、前記伝達部材を駆動可能な手動操作手段が配設されることにより解決される。
このように本発明のサンシェード装置では、伝達部材を駆動可能な手動操作手段が、駆動部に配設されており、モータ部の停止時には、乗員は、手動操作手段を操作することによって、伝達部材を駆動して、スライダーをガイドレールに沿って摺動させることができる。これにより、スライダーに取り付けられたブラインドシートを展張・収納させることができる。したがって、たとえモータ部が作動しなくなってブラインドシートを収納状態にできない場合であっても、乗員は手動でブラインドシートを収納状態に巻き取って、ウインドウをクリア状態とすることができる。
また、前記課題は、本発明によれば、車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、前記ブラインドシートの自由端側の辺に沿って取り付けられたシャフト部と、該シャフト部の端部に取り付けられたスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを案内するガイドレールと、前記スライダーに連結されて該スライダーを前記ガイドレールに沿って摺動させる伝達部材と、該伝達部材を駆動するモータ部を有する駆動部と、を備えたサンシェード装置において、前記駆動部には、前記モータ部の停止時に、前記伝達部材を駆動可能な手動操作手段が配設されることにより解決される。
このように本発明のサンシェード装置では、伝達部材を駆動可能な手動操作手段が、駆動部に配設されており、モータ部の停止時には、乗員は、手動操作手段を操作することによって、伝達部材を駆動し、スライダーをガイドレールに沿って摺動させることができる。これにより、スライダーに取り付けられたシャフト部を移動させ、ブラインドシートを展張・収納させることができる。したがって、たとえモータ部が作動しなくなってブラインドシートを収納状態にできない場合であっても、乗員は手動でブラインドシートを収納状態に巻き取って、ウインドウをクリア状態とすることができる。
また、前記ブラインドシートは、前記ロールシェード部に着脱自在に取り付けられると好適である。このように構成すると、ブラインドシートをロールシェード部から取り外して交換可能となる。
また、前記ブラインドシートは、前記スライダーに着脱可能に係合するか、又は、前記スライダーに着脱可能な接合手段を介して取り付ける構成とすることができる。このように構成すると、手動操作によりブラインドシートとスライダーの係合を解除してウインドウをクリア状態とすることができる。
また、前記ブラインドシートは、少なくとも前記シャフトまたは前記スライダーに着脱可能な接合手段を介して取り付けられるか、又は、前記ブラインドシートの自由端側の端部を折り返して形成された挿通孔に前記シャフトを挿入することによって前記シャフトに取り付ける構成とすることができる。このように構成すると、手動操作によりブラインドシートとシャフトおよびスライダーとの係合を解除してウインドウをクリア状態とすることができる。また、挿通孔からシャフトを引き抜くことによってブラインドシートとシャフトを分離することができる。
また、前記ブラインドシートは、伸縮可能に形成され、前記ロールシェード部から展張または前記ロールシェード部に収納されるに伴い、前記ウインドウの幅に追従して前記ウインドウを覆うように構成すると好適である。このように、ブラインドシートが伸縮可能に形成されていることにより、ブラインドシートの展張・収納方向において、ウインドウの幅が一定でない形状であっても、ブラインドシートがウインドウの幅に追従して伸縮し、ウインドウの略全域を覆うことが可能となる。
また、前記ロールシェード部は、前記ブラインドシートを巻取る方向に付勢されていると好適である。ロールシェード部がブラインドシートを巻取る方向に付勢されていると、ブラインドシートとスライダー或いはシャフト部との連結を解除した場合に、上記付勢力によってブラインドシートをロールシェード部に巻き取らせることができる。また、手動操作手段によってブラインドシートを巻き取る場合にも、ロールシェード部にブラインドシートをスムーズに巻き取らせることができる。
また、前記ウインドウは、より具体的には、車両のフロントウインドウ,リアウインドウまたはサイドウインドウである。
本発明によれば、ブラインドシートを展張・収納するための駆動装置に不具合があり作動しなくなった場合であっても、ブラインドシートを収納させてウインドウをクリア状態にすることが可能なサンシェード装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1〜図15は本発明の実施例1に係るものであり、図1はサンシェード装置の斜視図、図2はサンシェード装置の下側から見た斜視図、図3は駆動部の説明図、図4はサンシェード装置の部分拡大図、図5はスライダーの斜視図、図6はスライドシャフトの説明図、図7はロールシェード部の配置を示す断面説明図、図8〜図10はロールシェード部の説明図、図11はブラインドシートの展張・収納状態を表す説明図、図12はサンシェード装置の電気的構成を示すブロック図、図13はサンシェード装置の動作を示す説明図、図14はブラインドシートの離接状態を表す説明図、図15は駆動部の説明図である。
図16〜図22は本発明の実施例1の改変例に係るものであり、図16,図17はブラインドシートの離接状態を表す説明図、図18はサンシェード装置の斜視図、図19はサンシェード装置の説明図、図20はスライドシャフトとスライダーの装着状態の説明図、図21はブラインドシートとロールシェード部の装着状態の説明図、図22はシャフト部のブラインドシートへの装着状態の説明図である。
図23〜図25は本発明の実施例2に係るものであり、図23はサンシェード装置の説明図、図24はスライダーの斜視図、図25はサンシェード装置の説明図である。図26〜図31は本発明の実施例2の改変例に係るものであり、図26〜図30は、本発明の実施例2の改変例に係るサンシェード装置の説明図、図31はブラインドシートとスライダーの装着状態の説明図である。
(実施例1)
以下に、本発明のサンシェード装置S(以下「装置S」という)を車両1のフロントウインドウWに適用した実施例を示す。図1に装置Sの上方から見た斜視図、図2に車両1に組み込んだ装置Sの下方から見た斜視図を示す。装置Sはルーフ2の下部に配設された駆動部10と、ウインドウWの室内側の上縁部に沿って設けられウインドウWを覆うブラインドシート21を巻き取るロールシェード機構部20と、車両1のフロントピラー3の内側前方に沿って配設されたガイドレール31及びガイドレール31の上端部に連結されたケーブルパイプ32とを有するガイド部30とを備えて構成されている。図1及び図2ではブラインドシート21が展張した状態を示している。
図3に示すように駆動部10はモータ装置11とモータ固定部材12とを備えている。モータ装置11はモータ部13,減速機構部14を備え、モータ固定部材12に固定されている。そして、モータ固定部材12はルーフ2に固定されている。モータ部13としては、DCモータ,ブラシレスモータ,超音波モータ等の各種のモータを適用することが可能である。
ガイド部30は、図2,図3等に示すように左右のフロントピラー3に沿って配設されたガイドレール31(31a,31b)、各ガイドレール31の上端部にそれぞれ連結されたケーブルパイプ32(32a,32b)、ガイドレール31及びケーブルパイプ32内に挿入されてこれらの中を移動可能な伝達部材としてのスパイラルケーブル34、スパイラルケーブル34の一端部に固定されたスライダー35、ケーブルパイプ32を保持するケーブルパイプホルダ33等を備えて構成されている。
ケーブルパイプホルダ33はモータ装置11とルーフ2との間に配設されており、図3に示すように、ケーブルパイプホルダ33はルーフ2の下部において並行して配設された円管状の2組のケーブルパイプ32a,32bを保持する。このように並行して配設された各々のケーブルパイプ32a,32bは、ケーブルパイプホルダ33の内部では長さ方向に一部が切断されたような構成となっており、その切断部分にはスパイラルケーブル34が露出している。
モータ装置11には上方に突出するように出力歯車11aが設けられており、出力歯車11aは前述のケーブルパイプホルダ33内で露出したスパイラルケーブル34と噛合するように取り付けられている。後述するようにモータ装置11が作動すると出力歯車11aが正逆いずれかに回転し、これに伴い各スパイラルケーブル34はケーブルパイプ32a,32b内を左右反対方向へ移動するように構成されている。
また、モータ装置11には、操作ハンドル19が接続手段を介して連結されており、この操作ハンドル19によって出力歯車11aを回転させて、ブラインドシート21を巻取ることができるように構成されている。
ケーブルパイプ32a,32bはルーフ2の中央付近では上述のように並行して配設されているが、図4に示すようにルーフ2の両外側付近では上下に交差するように曲げ加工が施されている。車体前方を向いてケーブルパイプホルダ33から左側に延びるケーブルパイプ32aは、その端部が左側のフロントピラー3に沿って配設されたガイドレール31aとウインドウWの上端部付近で連結されており、途中、後述するロールシェード部22と干渉しないように曲げられている。ケーブルパイプホルダ33から右側に延びるケーブルパイプ32aは、ルーフ2の右端部付近でルーフ2に沿って後方へ折り曲げられている。
また、ケーブルパイプホルダ33から左側に延びるケーブルパイプ32bは、ルーフ2の左端部付近でルーフ2に沿って後方へ折り曲げられている。ケーブルパイプホルダ33から右側に延びるケーブルパイプ32bは、その端部が右側のフロントピラー3に沿って配設されたガイドレール31bとウインドウWの上端部付近で連結されており、途中、ロールシェード部22と干渉しないように曲げられている。
ガイドレール31は各フロントピラー3に沿って配設され、ウインドウWの内側上端部付近で各ケーブルパイプ32に連結されている。ウインドウWは下側ほど幅広の台形状に形成されているため、2本のガイドレール31の間隔は下側ほど広がっている。図5に示すようにスパイラルケーブル34の端部にはスライダー35が連結されており、このスライダー35は断面略円形状のスライド部35aと、スライド部35aと一体に形成されたシャフト取付部35bとを備えて形成されている。シャフト取付部35bには後述するスライドシャフト28の外側端部が連結され、スライド部35aは図6に示すように中空でウインドウWの中央側が開口した断面略C字形状のガイドレール31に摺動自在に保持される。
スパイラルケーブル34は、図5に示すようにコイル状のケーブルとこのケーブル内に挿入,固定されたフレキシブルケーブルによって構成され可撓性を有する。したがって、スパイラルケーブル34は駆動部10によって駆動されると、曲げ加工されたケーブルパイプ32の曲げに追随してケーブルパイプ32の内部を移動することができる。
上述のように駆動部10及びガイド部30が構成されているので、モータ装置11の正逆方向の回転によって、スパイラルケーブル34がケーブルパイプ32及びガイドレール31内を案内され、スパイラルケーブル34の端部に固定されたスライダー35がガイドレール31の上端部から下端部の間を移動する。これに伴い、スライドシャフト28がウインドウWの上端部付近から下端部付近の間を移動する。
また、本実施例ではモータ装置11の出力歯車11aとスパイラルケーブル34とが噛合しており、モータ装置11が作動して出力歯車11aが回動することによりスパイラルケーブル34を送り出して、その先端部に固定されたスライダー35を上下動させるように構成されているが、これに限らず、先端部にスライダー35が固定された可撓性の線状部材をスパイラルケーブル34の代わりに使用し、可撓性の線状部材にラックを形成すると共に、出力歯車11aをピニオンとしてラック・ピニオン方式により可撓性の線状部材を送り出すように構成してもよい。また、モータでワイヤを巻き取ることによってスライダー35を展張方向へ引っ張るように構成してもよい。
また、スパイラルケーブル34を用いる代わりに、ボールねじを用いても良い。この場合、出力歯車11aの回転出力を、伝達部材としてのねじ軸に伝達するように構成することができる。このように構成すれば、出力歯車11aの回動によってねじ軸が回動し、スライダー35としてのボールねじナットが、ガイドレール31に沿って移動可能となる。
次に、本実施例のロールシェード機構部20について説明する。本実施例のロールシェード機構部20は、図4〜図7等に示すように、ロールシェード部22と、ロールシェード部22の両端部に配設されてロールシェード部22を支持するロールシェード保持部26と、ロールシェード部22に基端部が固着されたシート状のブラインドシート21と、ブラインドシート21の自由端側の辺に沿って取り付けられたガイドパイプ27及びスライドシャフト28とを備えて構成されている。ロールシェード部22は、円柱状であり、ウインドウWとルーフ2との接合部に位置するリーンフォースメント4に沿って湾曲して配設されている。ガイドパイプ27とスライドシャフト28は、本発明のシャフト部に相当する。
ウインドウWは車室内から見て左右外側よりも中央部が車体前方に突出する湾曲した形状に形成されており、ウインドウWとルーフ2との接合部も図4に示すように湾曲した形状となっている。そして、図4及び図7に示すように、この接合部には補強部材として、湾曲した形状のリーンフォースメント4が溶接等により取り付けられウインドウWの上縁部を形成している。このように本発明のロールシェード機構部20は、ブラインドシート21を巻取るロールシェード部22がリーンフォースメント4の後方であって、その湾曲した形状に沿うように配設されているので、ロールシェード部22を全体としてウインドウWに近い位置に配置することができる。そして、ロールシェード部22が湾曲した形状であるため、ロールシェード部22に一部を囲まれるようにしてスペースが確保される。このスペースを利用することにより、サンルーフ等との干渉を避けて、モータ装置11を配設することができる。
また、これにより図7に示すように、天井パネルとルーフ2との間に、ロールシェード部22とモータ装置11とを車両前後方向に並べて配設することができる。つまり、ロールシェード部22とモータ装置11とを運転者の頭上で上下方向に重ねて配設することが回避されるので、車室内の頭上スペースを確保することが可能となる。このように、ロールシェード部22をウインドウWの縁部に沿って湾曲して配置したことにより、ロールシェード部22および駆動部10周辺の構成の前後長および上下高さを小さくしてコンパクトに構成することができる。
また、図4に示すように、モータ固定部材12に板状のミラー保持部材5aを取り付けて前方に延出させ、このミラー保持部材5aにルームミラー5を取り付けてステーとすることができる。
なお、リーンフォースメント4の下部においてケーブルパイプ32a,32bには、それぞれシート押え部材保持部36が取り付けられ、2つのシート押え部材保持部36によって両端を支持されるようにシート押え部材37が取り付けられている。シート押え部材37は、本実施例では図4に示すように車体前方に突出するようにV字型の平板形状をしており、ガイドレール31の上端部とシート押え部材37の前縁部が略一致するように配設されている。
ブラインドシート21はシート押え部材37とリーンフォースメント4との間に配設されている。これにより展張されたときに、ブラインドシート21がウインドウWの面から離れていくのを防いでいる。このようにシート押え部材37は、ロールシェード部22からウインドウW側へブラインドシート21が送出されるときに、ロールシェード部22側のガイドレール31の端部近傍またはウインドウWの上縁部近傍で、一旦ブラインドシート21を押えるためのものである。
すなわち、ブラインドシート21はロールシェード部22から前方へ送り出され、さらにシート押え部材37を支点としてウインドウWの内側面に沿った斜め方向へ送り出されるようになっている。このシート押え部材37によってブラインドシート21はウインドウWの内側面に沿ってこれに近い位置でウインドウWの内側面を覆うことができるので、太陽光による車室内の温度の上昇を低減することが可能となる。
このシート押え部材37は、本実施例ではV字型としたが、ウインドウWとルーフ2との接合ラインに沿った湾曲した形状として、接合ラインに略一致させて配設してもよい。また、シート押え部材37は板状の部材でなくてもよく、例えば回転軸にローラが挿通されたような構成であってもよく、この場合はブラインドシート21を展張・収納する際にローラによって引っ掛かりを少なくすることができる。
図8乃至図10に示すように湾曲したロールシェード部22は、車両ボディの左右の略中心で対称に曲げられて配置されたセンタシャフト22aと、センタシャフト22aの左右いずれかの一端に一端部が固定されセンタシャフト22aに配設されたコイルスプリング22bと、センタシャフト22aの他端側に回動可能に配設されコイルスプリング22bの他端部が固定された円筒形状のスプリングホルダ22cと、センタシャフト22aおよびコイルスプリング22bを覆うように配設された円筒形状の回転ロッド22dとを備えて構成されている。
この回転ロッド22dにブラインドシート21の基端部が取り付けられている。回転ロッド22dは、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25が連結されて構成される。サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25は、例えば合成樹脂により成形され、ゴム等のように柔軟性や伸縮性を有しない剛体である。センタシャフト22aの両端部は、ロールシェード保持部26に固定されている。また、コイルスプリング22bは、ブラインドシート21を巻き取る方向に回転力が掛かるようにねじられた状態で配設される。
センタシャフト22aは、ロールシェード保持部26に端部が取り付けられた状態で湾曲した形状を維持できればよく、元々湾曲成形した樹脂材等の円筒状部材であってもよいし、フレキシブルな材料で形成されロールシェード保持部26に取り付けられるときに湾曲させるようにしてもよい。
サイドロッド23はセンタシャフト22aの両端部にそれぞれ配設されており、一端側の端面は略円環状となっている。ただし、内部にスプリングホルダ22cとの係合部となる平面部が形成されており、サイドロッド23とスプリングホルダ22cとは嵌合して一体に回動するようになっている。また、サイドロッド23の他端側の端面には、略180度対向する2箇所の位置に、軸方向に突出し所定の角度幅を有する係合突起23aが形成されている。
センタロッド25の両端部にもサイドロッド23の係合突起23aと同様の係合突起25aが形成されている。ただし、センタロッド25の両端部では周方向に略90度位相をずらした位置に係合突起25aが形成されている。
ジョイント24は、サイドロッド23とセンタロッド25、又は、センタロッド25同士を軸方向に連結するものである。このため、係合突起23aあるいは係合突起25aと係合する係合凹部24aがジョイント24の両端部にそれぞれ2箇所に形成されている。また、センタロッド25と同様に係合凹部24aは両端部で周方向に略90度ずれた位置に形成されている。サイドロッド23及びセンタロッド25の係合突起23a,25aは、ジョイント24の係合凹部24aに遊嵌されて、これらは互いに連結される。
このように構成されているので、サイドロッド23,ジョイント24及びセンタロッド25からなる回転ロッド22dは、センタシャフト22aを挿通した状態で軸方向に連結することができる。これらの部品をサブアセンブリ化してロールシェード部22を組み立てるとき、サイドロッド23,ジョイント24及びセンタロッド25の間には空間の余裕(遊び)を持たせて組み付けられる。この遊び分によって、ジョイント24を介してその両側に連結されたサイドロッド23又はセンタロッド25は、ジョイント24を関節部として略90度ごとに折れ曲がることが可能となる。
なお本実施例では、係合突起23a,25aと係合凹部24aとの連結は、これらを嵌合させただけであるが、関節部として折れ曲がることが容易なように、ヒンジピン等によって回動自在に連結させてもよい。
また、係合突起23a,25aの周方向の幅は係合凹部24aの周方向の幅と略同程度に形成されており、回転ロッド22dがセンタシャフト22aを回転軸として回転したときに、サイドロッド23,ジョイント24及びセンタロッド25はほとんど回転方向にずれを生じることなく回転力の伝達が可能となっている。したがって、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25が軸方向に連結された状態であっても全体として湾曲させつつ、センタシャフト22aの湾曲形状に追従しながら一体として回転することが可能となっている。
このようにロールシェード部22は構成されているので、サブアセンブリ化されたロールシェード部22をリーンフォースメント4に沿って湾曲させて、両端部をロールシェード保持部26に取り付けて固定することができる。このときセンタシャフト22aがロールシェード保持部26に固定され、センタシャフト22aの周囲に配設された回転ロッド22dは、湾曲したセンタシャフト22aの形状に追従しながら回動することができる。つまり、回転ロッド22dがセンタシャフト22aを回転軸として回動しても、センタシャフト22aの湾曲した形状は維持され、ロールシェード部22はリーンフォースメント4の湾曲した形状に沿ったままとなる。
ここで、比較例として、ロールシェード部22をビニールホースのような弾性チューブで形成し、弾性チューブの両端を保持部によって回転可能に支持するように構成した場合について考察する。この場合、弾性力によって弾性チューブはリーンフォースメント4に沿って湾曲は可能となる一方、弾性力によりねじれ分が生じて両端でブラインドシートの巻き取りがずれてしまうという不具合が生じてしまう。また、湾曲成形した樹脂材等の管をロールシェード部22とした場合、樹脂材等の管の回転により両サイドが大きな円軌跡を描くように振れるという不具合が発生してしまう。
このようなずれの発生を防止するためには、ロールシェード部22は本発明のように剛体(センタロッド25等)を使用することが必要であり、剛体を使用しないとねじれが生じてスムーズにブラインドシート21を展開・収納することが不可能となる。このため本発明ではロールシェード部22の回転部分を複数のセンタロッド25と両端のサイドロッド23とをジョイント24を介して接続した構成としたものである。
また、コイルスプリング22bの一端側はセンタシャフト22aに固定され、他端側はスプリングホルダ22cを介して回転ロッド22dに連結されているので、回転ロッド22dがブラインドシート21を展張する正方向に回動すると、コイルスプリング22bにはブラインドシート21を収納する方向に回転力が掛かり、展張時にブラインドシート21にテンションを与えると共に収納時にも収納がスムーズになる。
本実施例のブラインドシート21は、所定の透過率を有し、展張・収納方向にはほとんど伸縮しないが、幅方向(展張・収納方向に対して垂直な方向)には伸縮可能なシート素材で形成されている。また、ブラインドシート21は自然状態では矩形に近い形状となっている。例えば、幅方向に伸縮可能なシート素材は幅方向に織り込まれる糸状線素材に伸縮可能なものが使用されている。また、糸状線素材自体にはそれほど伸縮性はなくても織り方によって幅方向に伸縮性を有するように形成することができる。また、幅方向に限らず展張・収納方向に伸縮可能な面状弾性部材を用いてもよい。
また、本実施例のブラインドシート21は、幅方向に全体として伸縮可能なものを用いているが、これに限らず、左右端部付近のみ幅方向に伸縮可能なシート素材を採用し、ガイドパイプ27に取り付けられる中央部分には幅方向の伸縮性のほとんどないシート素材を採用して、これらを縫製等により連結したものをブラインドシート21とすることも可能である。
ブラインドシート21の自由端には、中央部でややV字型に折れ曲がり左右に直線部分を有する中空のガイドパイプ27が取り付けられている(図1参照)。ブラインドシート21とガイドパイプ27には、それぞれ所定の長さの面ファスナー6a,6bが複数箇所に取り付けられており、面ファスナー6a,6bの面接合によってブラインドシート21とガイドパイプ27は着脱自在に取り付けられている(図14参照)。
また、図6に示すようにガイドパイプ27の左右両端には、スライドシャフト28が進退可能に挿入されている。なお、ガイドパイプ27の内部にコイルスプリングを配設して、このコイルスプリングの一端を内部に固定し、他端をスライドシャフト28の挿入端部に固定することにより、スライドシャフト28を付勢するようにしてもよい。
また、ガイドパイプ27をウインドウWの湾曲した形状に合わせて一定の曲率に湾曲させてもよい。この場合は、ガイドパイプ27に挿入されるスライドシャフト28もこの曲率に合わせた形状とすることにより、ガイドパイプ27に対してスライドシャフト28を進退可能とすることができる。
図5に示すように、スライドシャフト28の外側部分にも所定の長さの面ファスナー6bが取り付けられており、また、ブラインドシート21の自由端側の左右両端部にも所定の長さの面ファスナー6aが取り付けられており、これら面ファスナー6a,6bによってスライドシャフト28とブラインドシート21は着脱自在に取り付けられている。
上述のように左右のガイドレール31間の距離はウインドウWの下側ほど大きくなっているので、スライダー35が下側に移動していくと、ガイドパイプ27に挿入されていたスライドシャフト28が徐々に引き出されていく。このようにスライドシャフト28がガイドパイプ27から引き出されることにより、ブラインドシート21はスライドシャフト28により外側に引っ張られ幅方向に伸びる。
以上のように本実施例の装置Sは構成されており、ブラインドシート21が展張したときに、ウインドウWの形状に追従してブラインドシート21が幅方向に伸びることによって、ウインドウWの略全域を覆うことが可能となる。
図11(A)はブラインドシート21が巻き取られた位置(収納位置)にある状態を示している。同図(B)はブラインドシート21が完全に展張した位置(遮蔽位置)にある状態を示している。このように、本実施の形態の装置Sでは、遮蔽位置においてウインドウWの略全面を覆うことができ、太陽光の差し込みを遮蔽することが可能となる。すなわち、従来のようにウインドウWの外側に三角形状の隙間(覆い残し部分)が生じなく、その隙間から太陽光が車室内へ差し込んで車室内の温度を上昇させる等の不具合を防止することができる。
次に、図12に基づいて装置Sの電気的構成を説明する。装置Sはブラインドシート21を展張・収納する駆動部10のモータ装置11へ駆動信号を送出する制御部40を備えている。制御部40はマイコンにより構成されており、乗員が操作することが可能な操作スイッチ41からの操作信号と、車室内の温度を検出する温度センサ42からの検出信号と、車室内への入射光の照度及び入射方向(角度)を検出する光センサ43からの検出信号と、ブラインドシート21の展張位置を検出する位置センサ44からの検出信号と、車両のギアポジションを検出するギア位置センサ45の検出信号等を受信して、これらをもとにモータ装置11へ正逆方向の駆動信号を送出している。
操作スイッチ41は収納,展張等に応じた複数のスイッチを有しており、乗員がブラインドシート21を展張あるいは収納したいときにいずれかのスイッチが選択・操作され、そのスイッチに応じた操作信号が制御部40へ送出される。この操作信号を受信した制御部40は、操作信号に応じてモータ装置11へ正逆いずれかの回転方向に応じた駆動信号を送出する。
また、温度センサ42,光センサ43は、それぞれ車室内の所定場所、例えば、ウインドウW内面やダッシュボードの上部等に配設されている。温度センサ42は車室内の温度を検出して温度に応じた検出信号を制御部40へ送出しており、また、光センサ43は車室内へ差し込む太陽光の照度及び入射方向を検出している。
光センサ43は、車室内への入射光の照度と共に、太陽光が所定の入射角度(方向)範囲内で入射していることを検出することができる。光センサ43は、指向性のある1又は複数のセンサからなり、運転者や助手席に座っている者の目の高さに入射する角度範囲内で太陽光が入射していることを検出する。
また、センサの前面にスリット部が設けられ、所定入射角度の入射光のみがセンサ面に到達できるように構成されることにより指向性が与えられたセンサを光センサ43が備えるように構成してもよい。光センサ43の配置場所としては、上記ウインドウW内面やダッシュボードの上部以外にもミラーのステーに配置することができる。
制御部40はこれらの検出信号をモニターしており、検出信号により車室内の温度が所定以上になったり、所定照度以上の太陽光が差し込んでいると判断すると、ギア位置センサ45から車両が駐車中であることを示す検出信号を受信していることを条件に、自動的にモータ装置11へ駆動信号を送出してブラインドシート21を展張し、ウインドウWを覆って太陽光を遮蔽する。制御部40は、例えばギアがパーキング・ポジションにある場合に車両が駐車中であると判断する。
つまり、ブラインドシート21を展張させることなく車両を駐車した場合に、車室内の温度が所定以上となるか、強い太陽光が差し込んできたと制御部40によって判断されたときには、自動的にブラインドシート21を閉めて車室内の温度の上昇が抑えられるようになっている。このように駐車中に自動的にブラインドシート21を展張させることにより、乗員が戻ってきたときにも車室内の温度上昇が抑えられているので、車室内の温度を急激に下げるためにエアコンの噴出量を大きくする必要がなく、大量のエネルギーを消費してしまうことを防ぐことができる。
また、位置センサ44はブラインドシート21の展張位置を検出するためのセンサである。例えば、収納位置(図13(A)),遮蔽位置(図13(C))等に応じてガイドレール31に沿って複数のリミットスイッチを設け、スライダー35とリミットスイッチとが当接することによりリミットスイッチから当接した旨の信号が送出され、制御部40はこの信号をもとにスライダー35の位置を知ることができる。
また、ロールシェード部22の回転量に応じて展張状況を検出し、制御部40へ検出信号を送出するようにしてもよい。
制御部40は、自動又は手動によりモータ装置11へ駆動信号を送出してブラインドシート21が展張・収納されているときに、位置センサ44から検出信号を受け取って収納位置や遮蔽位置等にあることを検出し、この位置で駆動信号の送出を停止させることができる。そして、駆動信号送出を停止した状態で、モータ装置11に備えられた自己保持機能(例えばクラッチ)によって、収納位置,遮蔽位置,途中位置等の位置にブラインドシート21を保持することができる。
また、本例の装置Sはサンバイザーの代わりに使用することもできる。本例の装置Sでは、収納位置と遮蔽位置との間に1又は複数の途中停止位置が設けられており、車両の運転中に当該途中停止位置までブラインドシート21が自動的に展張するように構成されている。図13は装置Sを模式的に示したものである。同図(A)はブラインドシート21が収納位置にある場合、同図(C)は遮蔽位置にある場合をそれぞれ示しており、同図(B)は上記途中位置にある場合を示している。
制御部40は、ギア位置センサ45から車両が走行中であることを示す信号を受信していることを条件に、光センサ43からの検出信号により入射光の照度が所定以上の値であり、入射光の入射方向が所定範囲内であると判断した場合には、自動的に駆動信号をモータ装置11へ送出し途中位置までブラインドシート21を展張させるように構成されている。ブラインドシート21が途中位置まで展張されると、位置センサ44からの検出信号により制御部40はモータ装置11への駆動信号の送出を停止する。
さらに、制御部40は、光センサ43からの信号により照度及び入射方向が所定範囲外となったと判断した場合には自動的にブラインドシート21を収納させるために、モータ装置11へ逆回転させるための駆動信号を送出するように構成されている。
これに対応して、操作スイッチ41にも途中位置まで展張させるスイッチが設けられている。制御部40は、例えばギアがドライブ・ポジションにある場合に車両が走行中であると判断する。
なお、駐車中にブラインドシート21が遮蔽位置にあるときに、ギアをドライブ・ポジションにシフトした場合に、制御部40はモータ装置11へ逆回転の駆動信号を自動的に送出してブラインドシート21を収納位置まで移動させるようにしてもよい。また、ギアがドライブ・ポジションにあっても、手動操作により操作スイッチ41が操作されると、ブラインドシート21を遮蔽位置まで移動させるように構成してもよい。
従来、車両には運転席用及び助手席用に薄板状のサンバイザーがそれぞれ設けてある。サンバイザーは車両前方部分にヒンジ部が設けてあり、乗員は、このヒンジ部を回転中心としてサンバイザーを手前側から前方へ回動させることにより太陽光を遮蔽していた。このような構成であるため、サンバイザーを回動させるとサンバイザーが乗員の頭上付近を通過することになり、運転の妨げになる可能性があった。しかし、上述のように装置Sはサンバイザーとしての機能をも有しており、装置Sによれば従来のサンバイザーのように頭上付近を通過する等の運転の妨げになることがない。また、装置Sは自動的に展張するように構成されているので、乗員は操作スイッチ41を操作しなくても太陽光をブラインドシート21により遮ることができるので好適である。
以上のように、本発明の装置Sは、操作スイッチ41からの操作信号や状況に応じて送出される検出信号に基づいて、制御部40からモータ装置11へ駆動信号が送出され、この駆動信号によってモータ部13が回転する。この回転力は、出力歯車11aを介してスパイラルケーブル34を駆動する。そして、スパイラルケーブル34の駆動によって、スライダー35が上下動し、これによりブラインドシート21が展張・収納される。
このようにモータ装置11によってブラインドシート21を巻き上げる方式であるので、モータ装置11への駆動信号が適切に送出されなかったり、駆動電源が不良であったりした場合には、スパイラルケーブル34に取り付けられたスライダー35がガイドレール31内に停止した状態に保持され、ブラインドシート21を展張状態から収納状態へ巻き戻すことができなくなってしまう。
しかしながら、本例の装置Sでは、上記のような不具合があった場合にでも、ブラインドシート21を収納状態へ巻き戻すことができるように構成されている。
図14(A)は、ブラインドシート21が展張状態で停止してしまった状態を示している。このとき、乗員は、図14(B)に示すように、面ファスナー6a,6bによる接合を外して、ブラインドシート21をガイドパイプ27及びスライドシャフト28から取り外すことができる。
ブラインドシート21が、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28から取り外されると、ブラインドシート21は、ロールシェード部22による巻き取り方向への付勢力によって、ロールシェード部22に巻き取られる。このようにして、上記不具合があった場合にでも、ウインドウWをクリア状態とすることができる。
また、本例の装置Sは、上記不具合があった場合に、駆動部10を手動操作によって駆動することによって、ブラインドシート21を収納状態へ巻き戻すことができるように構成されている。
図15に示すように、本例のモータ装置11を構成する減速機構部14は、モータ部13の回転を減速する減速ギア部15と、減速ギア部15からの回転力を出力歯車11a側へ伝達する接離手段としてのクラッチ部16と、クラッチ部16よりも出力歯車11a側に配設された切替部17と、切替部17と噛合する平歯車18とを備えて構成されている。
クラッチ部16は、電磁クラッチであり、減速ギア部15に連結された回転軸11cと、出力歯車11aに連結された回転軸11bとを連結している。上記不具合がなくモータ装置11が正常に作動しているときには、クラッチ部16は、回転軸11cの正逆回転を、回転軸11bを介して出力歯車11aへ伝達している。しかし、モータ装置11に駆動電源が供給されなかったり、制御部40が異常を判断したりしたときには、回転軸11cと回転軸11bの接合を切り離す。これにより、減速ギア部15から出力歯車11aへの回転力の伝達が遮断されると共に、出力歯車11aから減速ギア部15への回転力の伝達も遮断される。
切替部17は、クラッチ部16側に位置する係合部17aと、回転軸11bの軸方向に所定間隔だけ離間して配置された被係合部17bを有して構成されている。係合部17aは、回転軸11bに固定され回転軸11bと一体に回転するが、被係合部17bは回転軸11bに遊嵌されている。
係合部17aは、基部17aaと係合凸部17abからなる。係合凸部17abは、モータ装置11の正常時には、基部17aaが発生する電磁力によって図15のように基部17aa側に位置している。しかし、上記異常等があった場合には、基部17aaが電磁力の発生を停止し、係合凸部17abは、不図示の付勢手段によって基部17aaから被係合部17b側へ突出する。
被係合部17bは、平歯車17baと、平歯車17baに軸方向に連結された係合溝部17bbからなる。平歯車17baは、操作ハンドル19に接続手段を介して連結された平歯車18と噛合している。係合溝部17bbは、係合凸部17abと噛み合うように形成されている。
クラッチ部16,切替部17,平歯車18,操作ハンドル19は、本発明の手動操作手段を構成する。
次に、駆動部10の動作を説明する。上記不具合がない正常時には、駆動信号に基づいてモータ部13からの正逆の回転力が減速機構部14に伝達される。減速機構部14では、減速ギア部15で回転速度が減速され、回転軸11cに回転力が伝達される。このとき、クラッチ部16は電磁力によって回転軸11cと回転軸11bとを結合しているので、回転軸11cの回転力はクラッチ部16を介して回転軸11bへ伝達される。そして、回転軸11bが回転すると、回転軸11bの端部に結合された出力歯車11aが回転し、出力歯車11aと噛合するスパイラルケーブル34を駆動する。
このとき、係合部17aは、クラッチ部16側に位置しているので、回転軸11bの回転力は操作ハンドル19側へは伝達されない。
一方、モータ装置11に駆動電源が供給されなかったり、制御部40が異常を判断したりした場合(異常時)には、クラッチ部16の電磁力が切れて回転軸11cと回転軸11bの接合が切り離される。また、係合部17aの電磁力も切れて、係合凸部17abが付勢力によって基部17aaから被係合部17bの係合溝部17bb側へ移動し、係合凸部17abは係合溝部17bbと噛み合う。
この状態で、操作ハンドル19を正逆方向のいずれかに回転させると、平歯車18の回転力が、この平歯車18と噛合する平歯車17baへ伝達される。係合部17aと被係合部17bは噛み合った状態となっているから、平歯車18からの回転力は、被係合部17bを介して回転軸11bに固定されている係合部17aへ伝達される。これにより、回転軸11bが回転され、回転軸11bの端部に連結された出力歯車11aが一体に回転する。出力歯車11aが回転することにより、出力歯車11aと噛合するスパイラルケーブル34が操作ハンドル19の回転方向に従って駆動される。
このとき、クラッチ部16の結合が切れているので、回転軸11bが回転しても、この回転は、減速ギア部15へは伝達されない。
以上のように、駆動部10は、正常時にはモータ部13の回転力をスパイラルケーブル34へ伝達し、スパイラルケーブル34を駆動するが、異常時には操作ハンドル19からの回転力をスパイラルケーブル34へ伝達し、スパイラルケーブル34を駆動することができるように構成されている。
したがって、何らかの異常によってモータ部13が停止しているときには、乗員は手動にて操作ハンドル19を回転させることによって、ブラインドシート21を展張状態から収納状態へ巻き上げることができる。また、乗員は、操作ハンドル19を回転させることによって、ブラインドシート21を収納状態から展張状態へ繰り出すこともできる。
また、本例の駆動部10では、正常時にクラッチ部16および切替部17に電磁力が作用しているが、この電磁力が掛からないように内部配線を切り替える手動切替スイッチ19aが配設されている。この手動切替スイッチ19aを操作することによって、クラッチ部16および切替部17の電磁力が切れ、操作ハンドル19による手動操作が可能となる。
このように、本例の装置Sでは、異常時および正常時のいずれにおいても、操作ハンドル19を乗員が回転操作することにより、ウインドウWをいつでもクリア状態とすることができる。
○上記実施例では、ブラインドシート21と、シャフト部としてのガイドパイプ27及びスライドシャフト28が面ファスナー6a,6bによって着脱自在に取り付けられていたが、これに限るものではない。例えば、図16に示すように、ブラインドシート21に取付孔7aを形成し、この取付孔7aに通した線状部材7bをガイドパイプ27及びスライドシャフト28にくくりつけるようにしてもよい。線状部材7bとして、ブラインドシート21を所定の力で引っ張ったときに切れるようなものであればよく、例えば、綿糸や、合成樹脂糸、銅線等を用いることができる。
図16(A)は、ブラインドシート21を展張させた状態を示しており、ブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28とは、線状部材7bによって連結されている。この状態で、乗員がブラインドシート21を収納方向に引っ張ることによって、線状部材7bが切れて、図16(B)に示すように、ブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28とが切り離される。これにより、ロールシェード部22の巻取り方向の付勢力によってブラインドシート21は巻き取られ、ウインドウWをクリア状態とすることができる。
また、図16に示すように、線状部材7bによってブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28とを連結すれば、ブラインドシート21が幅方向に伸縮したときに、線状部材7bも幅方向に移動可能となるので好適である。
○また、図17に示すように、ブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28を、着脱可能なファスナー(ボタン)8a,8bで連結するように構成してもよい。ファスナー8a,8bは、合成樹脂製や金属製等とすることができる。
図17(A)は、ブラインドシート21を展張させた状態を示しており、ブラインドシート21に取り付けられたファスナー8aと、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28に取り付けられたファスナー8bとが係合して、ブラインドシート21は、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28に連結されている。この状態で、乗員がブラインドシート21を収納方向に引っ張ることによって、ファスナー8a,8bが外れて、図17(B)に示すように、ブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28とが切り離される。これにより、ロールシェード部22の巻取り方向の付勢力によってブラインドシート21は巻き取られ、ウインドウWをクリア状態とすることができる。
また、面ファスナー,線状部材,フック,ファスナー等の係合部材を組合せて、ブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28とを着脱自在に連結してもよいことは勿論である。
また、上記実施例では、ブラインドシート21と、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28とが、係合部材によって連結されているが、これに限らず、ブラインドシート21と、スライダー35とを係合部材によって着脱自在に連結してもよい。すなわち、ブラインドシート21は、少なくともガイドパイプ27及びスライドシャフト28、または、スライダー35のいずれかに係合部材によって着脱自在に連結されていればよい。
○また、上記実施例では、ブラインドシート21の自由端側の辺に沿って、シャフト部としてのガイドパイプ27及びスライドシャフト28が取り付けられていたが、これに限らず、図18に示すように、ブラインドシート21の自由端側の左右端部をそれぞれスライダー35に固定して、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28を用いない構成とすることもできる。
この場合、ブラインドシート21の自由端側は、ブラインドシート21が左右に引っ張られることによって発生する張力によって平面的な形状に保たれる。このようにすれば、ガイドパイプ27及びスライドシャフト28が不要となる。これにより、構成をより簡単とすることができ、製造コスト低減および重量軽減に寄与することができる。
そして、図18に示す例では、ブラインドシート21とスライダー35とは、着脱可能な係合部材によって取り付けられている。本例の場合は、着脱可能な係合部材として、ファスナー8a,8bが用いられている。また、これに限らず、上述のように、面ファスナーや線状部材等を用いてもよい。
図18は、ブラインドシート21が展張された状態を示しており、この状態で、乗員がブラインドシート21を収納方向に引っ張ることによって、ファスナー8a,8bが外れて、ブラインドシート21と、スライダー35とが切り離される。これにより、ロールシェード部22の巻取り方向の付勢力によってブラインドシート21は巻き取られ、ウインドウWをクリア状態とすることができる。
○また、図19〜図22に示すように改変してもよい。図19は、車体側に配設された駆動部10,ガイド部30から、ロールシェード部22,ブラインドシート21,スライドシャフト28,ガイドパイプ27等を取り外した状態を表している。
図20に示すように、本例のスライドシャフト28は、外側端部に係合部材29が固定されている。また、本例のスライダー35は、ガイドレール31に摺動可能に保持されるスライド部35aと、係合部材29と嵌合するシャフト取付部35bを有している。このような構成により、本例では、スライドシャフト28はスライダー35に着脱可能に保持される。スライドシャフト28は、ガイドレール31の下端部側から上端部側へ向かって係合部材29をシャフト取付部35b内に押し込んで挿入し、係合部材29をシャフト取付部35bに嵌合させることによってスライダー35に取り付けることができる。その際、係合部材29と共にスライドシャフト28の端部も嵌合状態でシャフト取付部35bに保持される。また、スライドシャフト28は、スライドシャフト28をガイドレール31の下端部側へ引っ張ることによって、係合部材29とシャフト取付部35bとの嵌合が外れてスライダー35から取り外すことができる。
なお、本例では、スライドシャフト28とガイドレール31を嵌合させているが、これに限らず、直接的に係合する構成であればよい。例えば一方に係合部、他方に被係合部を設けてこれらを係合させる構成とすることができる。また、図18の例でも述べたように、着脱可能な係合手段を介してスライドシャフト28とガイドレール31を係合させてもよい。例えば、ファスナー,面ファスナー,フック,線状部材等を用いることができる。
また、図21に示すように、本例のロールシェード機構部20では、ロールシェード部22とブラインドシート21の基端部との接合が着脱自在となっている。すなわち、本例では、ロールシェード部22の外周面には、所定間隔で面ファスナー6bが配設されている。また、ブラインドシート21の基端部の表面にも所定間隔で面ファスナー6aが配設されている。ブラインドシート21とロールシェード部22は、これらの面ファスナー6a,6bの面接合によって着脱自在となっている。なお、面ファスナーに限らず他の着脱自在な接合手段を用いてもよい。例えば、ファスナー(ボタン),フック,線状部材等を用いてもよい。なお、ロールシェード部22とブラインドシート21を面ファスナー等によって着脱可能に接合する構成は、図19〜図22の例に限らず、実施例1の他の例に適用してもよい。
また、図22に示すように、本例のブラインドシート21は先端部側には、端部が折り返されて、ガイドパイプ27,スライドシャフト28を挿通させるための挿通孔21aが形成されている。端部は折り返されて幅方向に縫製糸21bによって伸縮縫いされている。これにより、ブラインドシート21は幅方向に伸張可能となっている。なお、ガイドパイプ27,スライドシャフト28は、挿通孔21a内の所定位置まで挿入された状態で、挿通孔21aの内面に配設された面ファスナー(不図示)と、ガイドパイプ27,スライドシャフト28の外面にそれぞれ配設された面ファスナー(不図示)とを面接合させることによってその位置に固定される。また、面ファスナーによる面接合を外せばガイドパイプ27,スライドシャフト28を挿通孔21aから引き抜くことができる。このように、本例のガイドパイプ27,スライドシャフト28とブラインドシート21は、着脱可能となっている。
このように本例の装置Sでは、駆動部10が不作動となっても、スライダー35とスライドシャフト28との係合を解除することによって、ブラインドシート21はロールシェード部22の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、ウインドウWをクリアな状態にすることができる。
また、スライダー35とスライドシャフト28との係合を解除すると共に、ロールシェード保持部26からセンタシャフト22aを取り外すことによって、ロールシェード部22,ブラインドシート21,スライドシャフト28,ガイドパイプ27等を車体側から取り外すことができる。このように車体側から取り外した状態で、ブラインドシート21の巻取状態を解除してからブラインドシート21とロールシェード部22との面ファスナー6a,6bによる面接合を外し、ブラインドシート21の挿通孔21a内からガイドパイプ27,スライドシャフト28を引き抜くことによって、ブラインドシート21を容易に単体で取り外すことができる。このようにして本例の装置Sでは、ブラインドシート21の交換を行うことができる。
(実施例2)
次に、本発明の装置Sを車両1のサイドウインドウとしてのドアウインドウに適用した実施例を示す。以下に示す実施例は、装置Sをフロントサイドドア101(以下「ドア101」という)に適用した例である。なお、上記実施例1と同様の構成要素については説明を省略する。
図23は右側のドア101を車内側から見たものであって、一部を切り欠いて表わした説明図である。装置Sのブラインドシート121が収納位置と遮蔽位置の間の途中位置まで繰り出された状態を示している。
ドア101は、ドアパネル102の車内側にドアトリム104が取り付けられて構成されている。ドアパネル102の上側には窓枠103が形成されており、この窓枠103の車内側にはトリム部材105が、取り付けられている。トリム部材105は、窓枠103の前枠103a,上枠103bおよび後枠103cに沿って車内側に取り付けられている。
なお、トリム部材105とドアトリム104が一体に形成されていてもよい。前枠103aと後枠103cは、ドアパネル102本体から上方へ延出する上下方向に配設された枠である。そして、この窓枠103によって形成される開口部102aを塞ぐように、ウインドウガラス106が配設されている。ウインドウガラス106は、不図示の駆動装置によって開口部102aを塞ぐように上下動可能となっている。
窓枠103の開口部102aは台形状であり、上側の方が下側の辺よりも狭くなっている。本例の窓枠103では、前枠103aがドアパネル102本体側から斜め上方に延出し、後枠103cが略垂直方向に延出するように形成されている。そして、前枠103aと上枠103bとの連結部分は、所定の曲率によって丸みを帯びた形状となっている。
本例の装置Sは、上述のようなドア101に配設されたものであり、駆動部110と、ロールシェード機構部120と、ガイド部130とを備えて構成されている。
駆動部110は、ドアトリム104とドアパネル102との間に配設されている。本例の駆動部110は、モータ部111と、減速機構部112を備え、減速機構部112の出力側に伝達部材としてのワイヤ132を巻き取るための円筒状のリール113が取り付けられている。モータ部111としては、DCモータ,ブラシレスモータ,超音波モータ等の各種のモータを適用することが可能である。駆動部110には、下降,上昇等の操作ポジションを備えた操作スイッチ114が接続されており、乗員が操作スイッチ114を上昇位置または下降位置に操作すると、モータ部111に電流が流れてリール113が正逆回転し装置Sが作動する。
また、本例の駆動部110の減速機構部112も、実施例1の減速機構部14と同様なクラッチ機構,切替機構を有しており、正常時には、モータ部111の回転力をリール113へ伝達するが、異常時には、モータ部111の回転力をリール113へ伝達しないように接続が切り離される。そして、異常時には、操作ハンドル119の回転力を減速機構部112を介してリール113へ伝達するように構成されている。したがって、乗員は、操作ハンドル119によってブラインドシート121を展張・収納させることが可能である。
本例のロールシェード機構部120は、ロールシェード部122と、ロールシェード部122の両端部に配設されてロールシェード部122の回動を支持するロールシェード保持部126と、ロールシェード部122に基端部が取り付けられ窓枠103の開口部102aを覆うブラインドシート121とを備えて構成されている。
本例のブラインドシート121は、実施例1のブラインドシート21と同様に全体として伸縮性を有する。
ロールシェード部122は、円柱状の構成部材であり、ウインドウガラス106が閉じたときにはウインドウガラス106の縁部に沿うように、窓枠103の前枠103aと上枠103bに沿って湾曲して配設されている。このロールシェード部122は、窓枠103とこれを覆うトリム部材105との間に配設されている。トリム部材105には、開口部102aの内側に向けてスリット105aが形成されている。ブラインドシート121は、このスリット105aを通してロールシェード部122から繰り出され開口部102aを覆うことができるように構成されている。このように、ロールシェード部122は、直線部分に限らず窓枠103に沿って湾曲して配置可能であるので、狭いスペースに配設できる等のロールシェード部122の配置の自由度が向上すると共に、全体として装置をコンパクトに構成できる。また、従来は配設できなかったスペースにも装置Sを配設することが可能である。
本例のロールシェード部122は、実施例1と同様に、ドア101に固定されたセンタシャフト22aと、コイルスプリング22bと、スプリングホルダ22cと、回転ロッド22dとを備えて構成されている。また、回転ロッド22dは、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25が連結されて構成される。したがって、実施例2のロールシェード部122も、実施例1のロールシェード部22と同様に全体として可撓性を有する。
また、上枠103bの車両前側部にはブラケット126aが配設されている。このブラケット126aはロールシェード部122の長さ方向の中央付近に位置し、ロールシェード部122が回動したときにぶれるのを防ぐため、ブラケット126aはロールシェード部122の外周と摺接しながらロールシェード部122を支持している。
本例のガイド部130は、図23および図24に示すように、後枠103cとトリム部材105との間に配設されたガイドレール131と、ガイドレール131内に案内されてガイドレール131の長さ方向に沿って移動可能なスライダー135と、ガイドレール131内に挿入されスライダー135に端部が連結されたワイヤ132等を備えて構成されている。
スライダー135は断面略半円形状のスライド部135aと、スライド部135aと一体に形成されたシート取付部135bとを備えて形成されている。シート取付部135bにはブラインドシート121の自由端の後側の端部が固定されている。ブラインドシート21にはファスナー8aが取り付けられており、シート取付部135bにはファスナー8bが取り付けられており、ファスナー8a,8bの係合によって、ブラインドシート121とスライダー135とが連結されている。なお、ブラインドシート121とスライダー135との結合は、ファスナー8a,8bに限らず、着脱可能な係合部材であればよく、上述のように面ファスナーや線状部材であってもよい。スライド部135aは内側(ウインドウ中央側)にスリットが形成されたガイドレール131に摺動自在に保持される。
ワイヤ132は、一端がスライド部135aに連結固定され、途中、ガイドレール131内を通過しプーリー133を介して駆動部110へ導かれている。ワイヤ132の他端は駆動部110のリール113に取り付けられ、駆動部110はワイヤ132を巻取り可能となっている。なお、本例では、ワイヤ132がプーリー133を介して駆動部110へ導かれているが、これに限らず、ワイヤ132を駆動部110へ導くためにプーリー133以外の他の導入媒介部材を配置してもよい。他の導入媒介部材としては、例えばパイプや溝を備えた部材を使用することができる。この場合、ワイヤ132をパイプ内へ通したり、ワイヤ132を溝に配置したりして、パイプ内や溝内でワイヤ132が摺動できるようにすればよい。また、ワイヤ132の方向を変換する位置に溝を備えた部材を配置して、ワイヤ132の方向を変換するようにしてもよい。
次に、本例の装置Sの動作を説明する。上述のように、乗員が操作スイッチ114を下降位置に操作すると、駆動部110が正方向に回動し、リール113が正回転する。これにより、ワイヤ132がリール113に巻き取られていく。ワイヤ132が巻き取られていくと、これに伴いスライダー135がガイドレール131に沿って下方へ移動する。
スライダー135が下方へ移動していくと、ブラインドシート121はスライダー135によって下方へ引っ張られ、これに伴いロールシェード部122が正回転して、ブラインドシート121がスリット105aを通って繰り出されていく。このとき、ロールシェード部122には、コイルスプリング22bによってブラインドシート121を巻き取る方向に回転力が掛かっている。したがって、ブラインドシート121は適度な張力が掛かった状態でロールシェード部122から引き出されていく。
図25に示すように、ブラインドシート121は幅方向に特に伸縮性を有しているので、スライダー135が下方へ移動していき、ブラインドシート121が覆うべき開口部102aの幅が拡がっていっても、ブラインドシート121はこの幅に追従して幅方向に拡がることが可能である。これにより、本例の装置Sでは、台形状の開口部102aを有する窓枠103の略全域を覆うことが可能である。
乗員は、操作スイッチ114を下降位置に保持することにより、所望の位置までブラインドシート121を下げることができ、操作スイッチ114を中立位置に戻せば駆動部110の駆動が停止され、駆動部110に備えられた自己保持機能(例えばクラッチ)によって、その位置にブラインドシート121を保持することができる。また、乗員は、ブラインドシート121を上昇させたいときには操作スイッチ114を上昇位置に操作する。これにより駆動部110は逆方向に回転し、これに伴いロールシェード部122に掛かっているコイルスプリング22bによる巻取り方向の回転力によってブラインドシート121が巻き取られていく。スライダー135が上端部位置まで移動したときには、ブラインドシート121をトリム部材105内に収容することができる。
なお、スライダー135が移動可能な上端部位置,下端部位置さらに途中位置にリミットスイッチを設け、リミットスイッチが作動した場合に、駆動部110への電流の供給を停止させるように構成してもよい。
上述のように、本例の装置Sは、窓枠103の開口部102aの略全域を覆うことができ、これによりシェードとしての機能を果たすことが可能である。これにより、太陽光の車室内への差し込みを防いで車室内の温度上昇を抑制することできる。また、本実施例では、車両の前右ドアに装置Sを適用した例を示したが、これに限らず、サイドウインドウの全てに装置Sを適用してもよい。サイドウインドウには、ドアウインドウや、ドアウインドウ以外にも車両の側面に配設された嵌め殺しウインドウや開閉可能なウインドウのすべてを含めることができる。このようにすれば、さらに車室内の温度上昇を抑制することができる。
また、ブラインドシート121の素材を様々に変えて適宜な光透過率に設定すれば、装置Sにスモークフィルムの機能を果たさせることもできる。
また、本例の装置Sでは、窓枠103の前枠103aおよび上枠103bに沿ってロールシェード部122が配設されているので、ブラインドシート121は開口部102aを上側から覆っていくことができ、バイザーとしての機能を提供することができる。このように、本例の装置Sはバイザーおよびシェードとしての両機能を果たすことができる。
乗員は、ウインドウガラス106を下げて窓を開けた状態でブラインドシート121を下げることにより、本例の装置Sを虫除けとして使用することもできる。また、ブラインドシート121を所定位置まで下げることにより、走行中に頭部等上半身へ風が当るのを防ぐこともできる。
また、本例の装置Sでは、構成部材である駆動部110、ロールシェード機構部120、ガイド部130を、ドアパネル102とドアトリム104の間、またはドアパネル102とトリム部材105の間に配設したので、不使用時にも装置Sは邪魔にならないので好適である。さらに、装置Sは車両側ではなくドア側に配設されているので、カーテンシールドエアバッグが作動する際の邪魔にならず、安全性を確保することができる。
また、実施例2の装置Sの電気的構成(不図示)として実施例1の図12に示したような構成とすることもできる。この場合、実施例1の操作スイッチ41と同様に、実施例2の操作スイッチ114を制御部に接続するとともに、モータ部111を制御部に接続する。このようにして、操作スイッチ114からの操作信号による手動操作に加えて、温度センサ,光センサ,位置センサ,ギア位置センサからの検出信号によって、制御部からモータ部111へ正逆方向の駆動信号を送出し、自動的にブラインドシート121を展張・収納させることができる。このとき、フロントウインドウ(およびリアウインドウ),サイドウインドウそれぞれに対するブラインドシート21,121の展張・収納動作を一の制御部が司るように集約してもよい。
実施例2の装置Sにおいても、ブラインドシート121が展張した状態で、駆動部110が作動しなくなった場合には、ブラインドシート121とスライダー135とを着脱自在に連結するファスナー8a,8bの係合を乗員が外すことにより、ブラインドシート121はロールシェード部122の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、開口部102aをクリアな状態とすることができる。
また、乗員は、上述のように操作ハンドル119を回転操作することにより、リール113を回転させてワイヤ132をリール113に巻き取ったり、リール113からワイヤ132を繰り出して、ブラインドシート121を収納,展張させることができる。さらに、実施例1と同様に、手動切替スイッチ19aを配設して、正常時においても操作ハンドル119による手動操作に切替可能としてもよい。
○なお、実施例2では、ワイヤ132を駆動部110のリール113で巻き上げてスライダー135を上下動させていたが、これに限らず、ワイヤ132を用いる代わりに伝達部材としての樹脂製のラック232と、ピニオン213によってスライダー135を上下動させるように構成してもよい。
図26に示すように、ガイド部130は、後枠103cとトリム部材105との間に配設されたガイドレール231と、ガイドレール231に案内されてガイドレール231に沿って移動可能なスライダー135と、ガイドレール231に案内されて上下動可能でありスライダー135に上端部が連結されたラック232等を備えて構成されている。駆動部110の出力側にはリール113の代わりにラック232と係合するピニオン213が連結されている。
ブラインドシート121とスライダー135とは、ファスナー8a,8b等の着脱自在な係合部材によって連結されている。また、駆動部110には、操作ハンドル119が連結されている。
このような構成により、駆動部110が正逆回転すると、ピニオン213が正逆回転し、この正逆回転によってラック232がガイドレール231に案内されて上下動を行う。これにより、ラック232の上端部に連結されたスライダー135が上下動し、スライダー135に連結されたブラインドシート121が上下動を行う。
本例の装置Sにおいても、ブラインドシート121が展張した状態で、駆動部110が作動しなくなった場合には、ファスナー8a,8bの係合を乗員が外すことにより、ブラインドシート121はロールシェード部122の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、開口部102aをクリアな状態とすることができる。
また、乗員は、上述のように操作ハンドル119を回転操作することにより、ピニオン213を回転させてラック232を上昇,下降させ、ブラインドシート121を収納,展張させることができる。さらに、実施例1と同様に、手動切替スイッチ19aを配設して、正常時においても操作ハンドル119による手動操作に切替可能としてもよい。
○また、実施例2では、駆動部110によってワイヤ132を巻き取る方式であったが、これに限らず、図27に示すように、実施例1と同様、駆動部110によってスパイラルケーブル334を送り出す方式としてもよい。ロールシェード部122は、実施例2と同様に、前枠103aおよび上枠103bに沿って湾曲して配設されている。ブラインドシート121とスライダー135とは、ファスナー8a,8b等の着脱自在な係合部材によって連結されている。
ガイド部130は、後枠103cに設けられている。ガイド部130は、ガイドレール131と、このガイドレール131に摺動可能に案内されるスライダー135と、ガイドレール131の下端部に連結された中空のケーブルパイプ332と、ケーブルパイプ332内に配設され内部を摺動可能な伝達部材としてのスパイラルケーブル334等を備えて構成されている。スライダー135には、ブラインドシート121の自由端の左右端部が取り付けられている。
ケーブルパイプ332は、後枠103cの下端部付近で所定の曲率で折り曲げられ、前方(左方向)へ延出している。また、窓枠103の下部においてケーブルパイプ332を保持するようにケーブルパイプホルダ333が取り付けられている。このケーブルパイプホルダ333の内部では、ケーブルパイプ332は、長さ方向に一部が切断されており、その切断部分にはスパイラルケーブル334が露出している。
駆動部110は、モータ部,減速機構部等からなり、ケーブルパイプホルダ333に連結されている。駆動部110の出力側には、車体の側方に突出するように出力歯車313が取り付けられている。出力歯車313は前述のケーブルパイプホルダ333内で露出したスパイラルケーブル334と噛合するように取り付けられている。スパイラルケーブル334と、これと噛合してスパイラルケーブル334を送り出す駆動部110の機構については実施例1と同様である。また、駆動部110には、操作ハンドル119が連結されている。
また、ガイドレール131の案内溝には、スパイラルケーブル334が挿入されており、スライダー135およびスライダー135に連結されたスパイラルケーブル334を摺動可能に案内する。
上述のように駆動部110及びガイド部130が構成されているので、駆動部110が正逆回転すると、スパイラルケーブル334がケーブルパイプ332及びガイドレール131内を案内され、スパイラルケーブル334の端部に固定されたスライダー135がガイドレール131の上端部から下端部の間を移動する。これに伴い、伸縮性のブラインドシート121が幅方向に伸縮しつつ窓枠103の開口部102aの上側と下側の間で展張・収納される。
本例の装置Sにおいても、ブラインドシート121が展張した状態で、駆動部110が作動しなくなった場合には、ファスナー8a,8bの係合を乗員が外すことにより、ブラインドシート121はロールシェード部122の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、開口部102aをクリアな状態とすることができる。
また、乗員は、上述のように操作ハンドル119を回転操作することにより、出力歯車313を回転させてスパイラルケーブル334を繰り出して送り込み、ブラインドシート121を収納,展張させることができる。さらに、実施例1と同様に、手動切替スイッチ19aを配設して、正常時においても操作ハンドル119による手動操作に切替可能としてもよい。
○また、実施例2では、ガイド部130が後枠103cのみに配設されていたが、図28に示すように前枠103aと後枠103cの双方にガイド部130を配設してもよい。本例の装置Sでは、駆動部110およびガイド部130がロールシェード部122の左右にそれぞれ設けられている。すなわち、ガイドレール131は、前枠103aと後枠103cにそれぞれ設けられており、これらのガイドレール131には摺動可能に案内されるスライダー135がそれぞれ配設されている。そして、これらのスライダー135にブラインドシート121の自由端の左右端部が取り付けられている。
ブラインドシート121とスライダー135とは、ファスナー8a,8b等の着脱自在な係合部材によって連結されている。また、左右の駆動部110には、操作ハンドル119が連結されている。
各スライダー135にはワイヤ132の一端が連結されており、これらのワイヤ132はガイドレール131内を通り、プーリー133を介して駆動部110まで導かれている。
ロールシェード機構部120は、上枠103bに配設された直線状または僅かに湾曲したロールシェード部122を備えている。
このような構成により、本例の装置Sでは、操作スイッチ114を操作することによって、2つの駆動部110が共に正回転または逆回転する。これにより、ワイヤ132に連結されたスライダー135がガイドレール131に案内されて上下動を行う。このときも、実施例1,2と同様に伸縮性のブラインドシート121は幅方向に伸縮して拡がりつつ開口部102aを覆うことが可能である。
本例の装置Sにおいても、ブラインドシート121が展張した状態で、駆動部110が作動しなくなった場合には、ファスナー8a,8bの係合を乗員が外すことにより、ブラインドシート121はロールシェード部122の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、開口部102aをクリアな状態とすることができる。
また、乗員は、上述のように操作ハンドル119を回転操作することにより、リール113を回転させてワイヤ132をリール113に巻き取ったり、リール113からワイヤ132を繰り出して、ブラインドシート121を収納,展張させることができる。さらに、実施例1と同様に、手動切替スイッチ19aを配設して、正常時においても操作ハンドル119による手動操作に切替可能としてもよい。
○また、図29に示すように、ガイド部130を前枠103aと後枠103cの双方に配設すると共に、図27と同様に駆動部110によってスパイラルケーブル334を送り出す方式を採用してもよい。この例においても、ブラインドシート121とスライダー135とは、ファスナー8a,8b等の着脱自在な係合部材によって連結されている。また、駆動部110には、操作ハンドル119が連結されている。
図29に示す例では、前枠103aと後枠103cにそれぞれ配設されたガイドレール131の下端部には、ケーブルパイプ332a,332bが連結されている。ケーブルパイプ332a,332bは、それぞれ前枠103a,後枠103cの下端部付近で所定の曲率で折り曲げられ、後方(右方向)または前方(左方向)へ延出している。そして、窓枠103の下部においては、2本のケーブルパイプ332a,332bは上下に並んで略平行に配設されている。また、窓枠103の下部において略平行に配設されたケーブルパイプ332a,332bを一体に保持するようにケーブルパイプホルダ333が取り付けられている。
このケーブルパイプホルダ333の内部では、ケーブルパイプ332a,332bは、長さ方向に一部が切断されたような構成となっており、その切断部分にはスパイラルケーブル334が露出している。このスパイラルケーブル334の端部は、ガイドレール131の案内溝に挿入され、スライダー135に連結されている。
上述のように駆動部110及びガイド部130が構成されているので、駆動部110が正逆回転すると、スパイラルケーブル334がケーブルパイプ332a,332b及びガイドレール131内を案内され、スパイラルケーブル334の端部に固定されたスライダー135がガイドレール131の上端部から下端部の間を移動する。これに伴い、伸縮性のブラインドシート121が幅方向に伸縮しつつ窓枠103の開口部102aの上側と下側の間で展張・収納される。
本例の装置Sにおいても、ブラインドシート121が展張した状態で、駆動部110が作動しなくなった場合には、ファスナー8a,8bの係合を乗員が外すことにより、ブラインドシート121はロールシェード部122の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、開口部102aをクリアな状態とすることができる。
また、乗員は、上述のように操作ハンドル119を回転操作することにより、出力歯車313を回転させてスパイラルケーブル334を繰り出して送り込み、ブラインドシート121を収納,展張させることができる。さらに、実施例1と同様に、手動切替スイッチ19aを配設して、正常時においても操作ハンドル119による手動操作に切替可能としてもよい。
○また、図30,図31に示すように改変してもよい。図30は、ドア101側に配設された駆動部110,ガイド部130(不図示)から、ロールシェード部122,ブラインドシート121等を取り外した状態を表している。
図31に示すように、本例のブラインドシート121は、ピン9によってスライダー135と着脱可能に結合している。本例のスライダー135は、スライド部135aが窓枠103に沿って配設されたガイドレール131に摺動可能に保持され、シート取付部135bが開口部102の中心側に向けて延出するように形成されている。ブラインドシート121は、自由端側端部がシート取付部135bにピン9によって着脱可能にピン留めされている。なお、ブラインドシート121をシート取付部135bにスクリュー留めしてもよい。さらに、上述のようにファスナー(ボタン),面ファスナー,フック,線状部材等の着脱可能な接合手段を用いてもよい。
また、本例のブラインドシート121は、図19〜図22の例で示したようにロールシェード部122と面ファスナー(不図示)によって着脱可能に面接合されている。なお、ロールシェード部122とブラインドシート121を面ファスナー等によって着脱可能に接合する構成は、図30〜図31の例に限らず、実施例2の他の例に適用してもよい。
このように本例の装置Sでは、駆動部110が不作動となっても、スライダー135とブラインドシート121との係合を解除することによって、ブラインドシート121はロールシェード部122の巻取り方向の付勢力によって巻き取られる。これにより、開口部102aをクリアな状態にすることができる。
また、スライダー135とブラインドシート121との係合を解除すると共に、ロールシェード保持部126からセンタシャフト22aを取り外すことによって、ロールシェード部122,ブラインドシート121等を車体側から取り外すことができる。このように車体側から取り外した状態で、ブラインドシート121とロールシェード部122との面ファスナーによる面接合を外すことによって、ブラインドシート121を容易に単体で取り外すことができる。このようにして本例の装置Sでは、ブラインドシート121の交換を行うことができる。
本発明の実施例1に係るサンシェード装置の斜視図である。 本発明の実施例1に係るサンシェード装置の下側から見た斜視図である。 本発明の実施例1に係る駆動部の説明図である。 本発明の実施例1に係るサンシェード装置の部分拡大図である。 本発明の実施例1に係るスライダーの斜視図である。 本発明の実施例1に係るスライドシャフトの説明図である。 本発明の実施例1に係るロールシェード部の配置を示す断面説明図である。 本発明の実施例1に係るロールシェード部の説明図である。 本発明の実施例1に係るロールシェード部の説明図である。 本発明の実施例1に係るロールシェード部の説明図である。 本発明の実施例1に係るブラインドシートの展張・収納状態を表す説明図である。 本発明の実施例1に係るサンシェード装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係るサンシェード装置の動作を示す説明図である。 本発明の実施例1に係るブラインドシートの離接状態を表す説明図である。 本発明の実施例1に係る駆動部の説明図である。 本発明の実施例1の改変例に係るブラインドシートの離接状態を表す説明図である。 本発明の実施例1の改変例に係るブラインドシートの離接状態を表す説明図である。 本発明の実施例1の改変例に係るサンシェード装置の斜視図である。 本発明の実施例1の改変例に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例1の改変例に係るスライドシャフトとスライダーの装着状態の説明図である。 本発明の実施例1の改変例に係るブラインドシートとロールシェード部の装着状態の説明図である。 本発明の実施例1の改変例に係るシャフト部のブラインドシートへの装着状態の説明図である。 本発明の実施例2に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2に係るスライダーの斜視図である。 本発明の実施例2に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2の改変例に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2の改変例に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2の改変例に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2の改変例に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2の改変例に係るサンシェード装置の説明図である。 本発明の実施例2の改変例に係るブラインドシートとスライダーの装着状態の説明図である。
符号の説明
1・・車両、2・・ルーフ、3・・フロントピラー、6a,6b・・面ファスナー、
7a・・取付孔、7b・・線状部材、8a,8b・・ファスナー、ピン・・9、
10・・駆動部、11・・モータ装置、11a・・出力歯車、
11b,11c・・回転軸、12・・モータ固定部材、13・・モータ部、
14・・減速機構部、15・・減速ギア部、16・・クラッチ部、17・・切替部、
17a・・係合部、17aa・・基部、17ab・・係合凸部、17b・・被係合部、
17ba・・平歯車、17bb・・係合溝部、18・・平歯車、
19・・操作ハンドル、19a・・手動切替スイッチ、
20・・ロールシェード機構部、21・・ブラインドシート、21a・・挿通孔、
22・・ロールシェード部、27・・ガイドパイプ、28・・スライドシャフト、
29・・係合部材、30・・ガイド部、31・・ガイドレール、
32・・ケーブルパイプ、33・・プーリー、
34・・スパイラルケーブル(伝達部材)、35・・スライダー、40・・制御部、
101・・フロントサイドドア、102・・ドアパネル、102a・・開口部、
103・・窓枠、106・・ウインドウガラス、110・・駆動部、
111・・モータ部、112・・減速機構部、113・・リール、
114・・操作スイッチ、119・・操作ハンドル、120・・ロールシェード機構部
121・・ブラインドシート、122・・ロールシェード部、130・・ガイド部、
131・・ガイドレール、132・・ワイヤ、133・・プーリー、
135・・スライダー、213・・ピニオン、231・・ガイドレール、
232・・ラック、313・・出力歯車、332・・ケーブルパイプ、
333・・ケーブルパイプホルダ、334・・スパイラルケーブル、
S・・サンシェード装置、W・・フロントウインドウ

Claims (10)

  1. 駆動部と、該駆動部によって駆動される伝達部材と、該伝達部材に連結され該伝達部材の駆動によって移動可能なスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを摺動自在に案内するガイドレールと、前記スライダーに自由端側の端部が取り付けられ車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、を備えたサンシェード装置において、
    前記ブラインドシートは、前記スライダーに着脱自在に取り付けられたことを特徴とするサンシェード装置。
  2. 車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、前記ブラインドシートの自由端側の辺に沿って取り付けられたシャフト部と、該シャフト部の端部に取り付けられたスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを案内するガイドレールと、前記スライダーに連結されて該スライダーを前記ガイドレールに沿って摺動させる伝達部材と、該伝達部材を駆動する駆動部と、を備えたサンシェード装置において、
    前記ブラインドシートは、少なくとも前記シャフト部または前記スライダーに着脱自在に取り付けられたことを特徴とするサンシェード装置。
  3. モータ部を有する駆動部と、該駆動部によって駆動される伝達部材と、該伝達部材に連結され該伝達部材の駆動によって移動可能なスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを摺動自在に案内するガイドレールと、前記スライダーに自由端側の端部が取り付けられ車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、を備えたサンシェード装置において、
    前記駆動部には、前記モータ部の停止時に、前記伝達部材を駆動可能な手動操作手段が配設されたことを特徴とするサンシェード装置。
  4. 車両のウインドウを覆うブラインドシートと、該ブラインドシートを巻取るロールシェード部と、前記ブラインドシートの自由端側の辺に沿って取り付けられたシャフト部と、該シャフト部の端部に取り付けられたスライダーと、車両のウインドウの縁部に沿って配設され前記スライダーを案内するガイドレールと、前記スライダーに連結されて該スライダーを前記ガイドレールに沿って摺動させる伝達部材と、該伝達部材を駆動するモータ部を有する駆動部と、を備えたサンシェード装置において、
    前記駆動部には、前記モータ部の停止時に、前記伝達部材を駆動可能な手動操作手段が配設されたことを特徴とするサンシェード装置。
  5. 前記ブラインドシートは、前記ロールシェード部に着脱自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサンシェード装置。
  6. 前記ブラインドシートは、前記スライダーに着脱可能に係合するか、又は、前記スライダーに着脱可能な接合手段を介して取り付けられたことを特徴する請求項1に記載のサンシェード装置。
  7. 前記ブラインドシートは、少なくとも前記シャフトまたは前記スライダーに着脱可能な接合手段を介して取り付けられるか、又は、前記ブラインドシートの自由端側の端部を折り返して形成された挿通孔に前記シャフトを挿入することによって前記シャフトに取り付けられたことを特徴とする請求項2に記載のサンシェード装置。
  8. 前記ブラインドシートは、伸縮可能に形成され、前記ロールシェード部から展張または前記ロールシェード部に収納されるに伴い、前記ウインドウの幅に追従して前記ウインドウを覆うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のサンシェード装置。
  9. 前記ロールシェード部は、前記ブラインドシートを巻取る方向に付勢されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサンシェード装置。
  10. 前記ウインドウは、車両のフロントウインドウ,リアウインドウまたはサイドウインドウであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサンシェード装置。
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