JP2006006219A - 培養容器、自動継代培養装置及び継代培養方法 - Google Patents

培養容器、自動継代培養装置及び継代培養方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ピペットを用いた分配作業を行なうことなく細胞の継代を行なうことが出来、然も、細胞の継代時に容器内に雑菌が混入することを防止することが出来る培養容器1を提供する。
【解決手段】 本発明に係る培養容器1は、細胞の継代培養を行なうための容器であって、底面に外周壁よりも低い1或いは複数の仕切り片10が突設されて容器底部が複数の培養領域11、12に仕切られている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、細胞の継代培養を行なうための培養容器、ユーザの手動操作によることなく自動的に付着系細胞の継代培養を行なうことが出来る装置、及び継代培養方法に関するものである。
従来、種々の細胞の継代培養が行なわれている。
例えば人間の骨髄細胞の継代培養においては、人間から採取した骨髄細胞を先ず、図52に示す如く1つの一次培養容器に収容して該容器内で一次培養が行なわれ、その後、細胞密度が所定の密度となった時点で一次培養容器内の細胞を複数の二次培養容器に分配する継代作業が行なわれ、二次培養容器内で二次培養が行なわれる。
尚、培養容器内の培地を循環させることが可能な培養装置(特許文献1及び2)や、培養容器内の培地を自動的に交換することが可能な培養装置が提案されている(特許文献3及び4)。
又、自動的に継代培養を行なうことが出来る培養装置が提案されているが、該培養装置は、浮遊系細胞を継代培養の対象とするものである(特許文献5)。
特開平5−260958号公報 特開平5−276922号公報 特開平8−172956号公報 特開2002−262856号公報 特開平6−30767号公報
しかしながら、従来においては、ピペットを用いて一次培養容器内の細胞を複数の二次培養容器に分配しなければならず、この作業が煩雑である問題があった。
又、一次培養容器内の細胞を該容器から取り出して複数の二次培養容器に分配するため、雑菌が混入することがあった。
本発明の目的は、ピペットを用いた分配作業を行なうことなく細胞の継代を行なうことが出来、然も、細胞の継代時に容器内に雑菌が混入することを防止することが出来る培養容器、自動継代培養装置及び継代培養方法を提供することである。
本発明に係る培養容器は、細胞の継代培養を行なうための容器であって、底面に外周壁よりも低い1或いは複数の仕切り片が突設されて容器底部が複数の培養領域に仕切られている。
本発明に係る培養容器を用いた継代培養においては、該容器に形成されている複数の培養領域の一部の培養領域に細胞及び培地を収容して該領域内で細胞の培養を行ない、その後、培養者が手動で或いは傾動機構により自動的に、該容器を前記一部の培養領域以外の他の培養領域側に低く傾斜させる。これによって、前記一部の培養領域内の細胞が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて該他の培養領域に流れ込むことになる。この様にして、ピペットを用いた分配作業を行なうことなく細胞の継代を行なうことが出来る。又、細胞の継代が1つの培養容器内で行なわれるので、培養容器内に雑菌が混入することはない。
具体的には、前記1或いは複数の仕切り片の上部には、細胞が通過可能なフィルター手段が設けられている。該具体的構成においては、培養時に塊となった複数の細胞が継代時にフィルター手段を通過することによってシングルセル化されることになる。
本発明に係る自動継代培養装置は、付着系細胞の継代培養を行なう装置であって、底面に1或いは複数の仕切り片が突設されて容器底部が一次培養領域と二次培養領域とに仕切られた1つの培養容器が配置され、該培養容器には、該培養容器に培地を供給する培地供給機構と、該培養容器に細胞を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、該培養容器に該容器から付着系細胞を剥離するための剥離液を供給する剥離液供給機構と、該培養容器内の培地、洗浄液及び剥離液を回収する排液機構とが接続されると共に、一次培養領域内の細胞を二次培養領域に移すための輸送機構が接続されており、培地供給機構、洗浄液供給機構、剥離液供給機構、排液機構及び輸送機構には、これらの機構の動作を制御する制御装置が接続されている。
第1の具体的構成においては、前記培養容器の1或いは複数の仕切り片は該容器の外周壁よりも低く、前記輸送機構は、前記培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢に傾動させるものであって、前記培地供給機構、前記洗浄液供給機構、前記剥離液供給機構及び前記排液機構は、前記培養容器の一次培養領域及び二次培養領域の何れか一方の領域に接続されている。
上記具体的構成を有する自動継代培養装置を用いた継代培養においては、先ず、培養容器の一次培養領域に付着系細胞及び培地を収容して該細胞を培養し、その後、排液機構により前記一次培養領域内の培地を外部へ排出する。次に、洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の一次培養領域に供給して該領域内の細胞を洗浄した後、排液機構により前記一次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する。続いて、剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の一次培養領域に供給して該容器から細胞を剥離した後、培地供給機構により培地を該一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させる。これによって、一次培養領域内の溶液、即ち細胞、剥離液及び培地の混合溶液が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて二次培養領域に流れ込むことになる。この様にして、細胞の継代が行なわれる。
続いて、前記二次培養領域内の細胞を培養した後、傾動機構により前記培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させる。これによって、二次培養領域内の培地が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて一次培養領域に流れ込むこととなる。このとき、排液機構により該一次培養領域内の培地を外部へ排出する。
次に、洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させる。これによって、一次培養領域に供給された洗浄液が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて二次培養領域に流れ込み、該領域内の細胞が該洗浄液によって洗浄されることになる。その後、傾動機構により前記培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させる。これによって、前記二次培養領域内の洗浄液が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて一次培養領域に流れ込むこととなる。このとき、排液機構により該一次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する。
続いて、剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させる。これによって、一次培養領域に供給された剥離液が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて二次培養領域に流れ込み、該領域に付着している細胞が剥離液によって該領域から剥離されることになる。その後、培地供給機構により培地を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させる。これによって、一次培養領域に供給された培地が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて二次培養領域に流れ込み、該領域内の剥離液の作用が該培地によって止められることになる。この様にして、2回の継代培養が終了する。
上記自動継代培養装置においては、自動的に継代培養に必要な一連の処理が実行されるので、初心者であっても容易に付着系細胞の継代培養を行なうことが出来る。
又、細胞の継代が1つの培養容器内で行なわれるので、培養容器内に雑菌が混入することはない。
又、上述の如く培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させることにより一次培養領域内の細胞を二次培養領域に移して細胞の継代を行なうので、細胞の継代を行なうための配管やポンプは不要である。
更に、上述の如く培養容器の一次培養領域に接続された培地供給機構、洗浄液供給機構及び剥離液供給機構のそれぞれによって一次培養領域に供給した培地、洗浄液及び剥離液を、培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させることによって二次培養領域に移すので、二次培養領域に培地、洗浄液及び剥離液をそれぞれ供給するための配管は不要である。
更に又、上述の如く培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させることによって二次培養領域内の培地及び洗浄液を一次培養領域に移した後、該一次培養領域に接続された排液機構によって外部に排出するので、二次培養領域から培地及び洗浄液を外部に排出するための配管は不要である。
第2の具体的構成においては、前記輸送機構は、前記培養容器の一次培養領域と二次培養領域とを互いに接続する溶液輸送用配管と、該配管の途中に介在する溶液輸送用ポンプとを具えている。
上記具体的構成を有する自動継代培養装置を用いた継代培養においては、先ず、培養容器の一次培養領域に付着系細胞及び培地を収容して該細胞を培養し、その後、排液機構により前記一次培養領域内の培地を外部へ排出する。次に、洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の一次培養領域に供給して該領域内の細胞を洗浄した後、排液機構により前記一次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する。続いて、剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の一次培養領域に供給して該容器から細胞を剥離した後、培地供給機構により培地を二次培養領域に供給すると共に溶液輸送用ポンプを駆動する。これによって、一次培養領域内の溶液、即ち細胞、剥離液及び培地の混合溶液が1或いは複数の仕切り片を乗り越えて二次培養領域に流れ込むことになる。この様にして、細胞の継代が行なわれる。
続いて、前記二次培養領域内の細胞を培養した後、排液機構により前記二次培養領域内の培地を外部へ排出する。次に、洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の二次培養領域に供給して該領域内の細胞を洗浄した後、排液機構により前記二次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する。続いて、剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の二次培養領域に供給して該容器から細胞を剥離した後、培地供給機構により培地を前記二次培養領域に供給する。これによって、二次培養領域内の剥離液の作用が止められることになる。この様にして、2回の継代培養が終了する。
上記自動継代培養装置においては、自動的に継代培養に必要な一連の処理が実行されるので、初心者であっても容易に付着系細胞の継代培養を行なうことが出来る。
又、培養容器の一次培養領域と二次培養領域とを互いに接続する溶液輸送用配管を通して細胞の継代が行なわれるので、培養容器内に雑菌が混入することはない。
又、具体的には、細胞を含む溶液を濃縮する濃縮手段と、前記培養容器の二次培養領域内の溶液を濃縮手段に移す第2輸送機構とを具え、濃縮手段及び第2輸送機構は、前記制御装置によって動作が制御されている。
該具体的構成においては、上述の如く2回の継代培養が行なわれた後、第2輸送機構により二次培養領域内の溶液が濃縮手段に移されて濃縮される。
本発明に係る培養容器、自動継代培養装置及び継代培養方法によれば、ピペットを用いた分配作業を行なうことなく細胞の継代を行なうことが出来、然も、細胞の継代時に容器内に雑菌が混入することを防止することが出来る。
以下、本発明の実施の形態について、2つの実施例に基づき具体的に説明する。
第1実施例
図1は、本実施例の自動継代培養装置の系統図を表わしており、該自動継代培養装置の内部には、1つの培養容器(1)が配置されている。該培養容器(1)の底面には、図2及び図3に示す如く断面形状が三角形で外周壁よりも低い2本の仕切り片(10)(10)が突設されており、容器底部が一次培養領域(11)と二次培養領域(12)とに仕切られている。例えば、培養容器(1)の底面積は750cm、一次培養領域(11)の面積は75cm、外周壁の高さは10〜15mm、仕切り片(10)(10)の高さは3〜5mmに設定される。
又、上記自動継代培養装置の内部には、図1に示す如く、前記培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域(12)側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢に傾動させる傾動機構(2)が設置されており、培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させることによって、二次培養領域(12)内の溶液が仕切り片(10)を乗り越えて一次培養領域(11)に流れ込む一方、培養容器(1)を二次培養領域(12)側に傾斜させることによって、一次培養領域(11)内の溶液が仕切り片(10)を乗り越えて二次培養領域(12)に流れ込む。
更に、上記自動継代培養装置の内部には、保冷・保温室(3)が形成されており、該保冷・保温室(3)には、細胞を培養するための栄養分を含む培地が収容された培地供給タンク(31)、培養容器に付着した細胞を該容器から剥離するための剥離液であるトリプシンが収容されたトリプシン供給タンク(32)及び細胞を洗浄するための洗浄液であるPBSが収容されたPBS供給タンク(33)が配設されている。
培地供給タンク(31)、トリプシン供給タンク(32)及びPBS供給タンク(33)には夫々、培地供給用配管(41)、トリプシン供給用配管(42)及びPBS供給用配管(43)が接続されており、これらの配管(41)(42)(43)の途中には夫々、培地供給用バルブ(51)、トリプシン供給用バルブ(52)及びPBS供給用バルブ(53)が取り付けられている。又、それらの配管(41)(42)(43)の先端には1本の溶液供給用配管(44)が接続されており、該配管(44)の先端は、前記培養容器(1)の一次培養領域(11)に接続され、該配管(44)の途中には、溶液供給用ポンプ(61)が取り付けられている。培地供給用バルブ(51)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)を駆動することによって、培地供給タンク(31)内の培地が培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給され、トリプシン供給用バルブ(52)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)を駆動することによって、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシンが培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給される。又、PBS供給用バルブ(53)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)を駆動することによって、PBS供給タンク(33)内のPBSが培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給される。
前記培養容器(1)の一次培養領域(11)には、1本の排液用配管(45)が接続されており、該配管(45)の先端には廃液容器(7)が接続され、該配管(45)の途中には排液ポンプ(62)が取り付けられている。排液ポンプ(62)を駆動することによって、培養容器(1)内の溶液が廃液として廃液容器(7)に収容される。
一方、前記培養容器(1)の二次培養領域(12)には、1本の溶液輸送用配管(46)が接続されており、該配管(46)の先端には、細胞を含む溶液を濃縮するための濃縮カラム(8)が接続されている。該溶液輸送用配管(46)の途中には、溶液輸送用ポンプ(63)が取り付けられており、該ポンプ(63)を駆動することによって、培養容器(1)内の溶液が濃縮カラム(8)に収容される。又、前記溶液輸送用配管(46)の途中には、濃縮カラム(8)から培養容器(1)へ溶液が流入することを防止するための逆止め弁(55)が取り付けられている。
濃縮カラム(8)は、シリンダー(81)及びピストン(82)を具えており、シリンダー(81)には1本の排液用配管(47)が接続され、該配管(47)の途中には、培地及びトリプシンが通過可能であって細胞の通過を阻止するためのフィルター(9)が取り付けられている。ピストン(82)をシリンダー(81)内に押し込むと、シリンダー内の溶液に含まれる細胞の大部分がシリンダー内に残存し、一部の細胞、トリプシン及び培地はシリンダー(81)から排液用配管(47)に排出される。排出された細胞はフィルター(9)の表面に堆積する一方、トリプシン及び培地は廃液として廃液容器(7)に収容される。
又、濃縮カラム(8)のシリンダー(81)には、1本の細胞取出し用配管(48)が接続されており、該配管(48)の途中には、細胞取出し用バルブ(54)及び細胞取出し用ポンプ(64)が取り付けられている。細胞取出し用バルブ(54)を開放すると共に細胞取出し用ポンプ(64)を駆動することによって、濃縮カラム(8)内の細胞が外部に取り出される。
上記の傾動機構(2)、濃縮カラム(8)、バルブ(51)〜(54)及びポンプ(61)〜(64)には、例えばマイクロコンピュータからなる制御回路(図示省略)が接続されており、該制御回路によって、傾動機構(2)及び濃縮カラム(8)の動作が制御されると共にバルブの開閉及びポンプの駆動が制御されている。尚、上記ポンプ(61)〜(64)としては、例えばぺリスターポンプが採用される。
上記自動継代培養装置による一連の継代培養工程について、図4乃至図26に基づき具体的に説明する。尚、継代培養の開始時には、全てのバルブ(51)〜(54)は閉止されている。
先ず工程P1では、付着系細胞を培養容器(1)の一次培養領域(11)に収容した状態で、培地供給用バルブ(51)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が、図6に示す如く培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給される。
次に工程P2では、培地供給用バルブ(51)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定して、図7に示す如く前記一次培養領域内の細胞の一次培養を行なう。
続いて工程P3では、傾動機構(2)を動作させて図8に示す如く培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させると共に、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(1)の一次培養領域(11)内の培地が、排液用配管(45)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
次に工程P4では、排液ポンプ(62)をオフに設定すると共に傾動機構(2)を動作させて図9に示す如く培養容器(1)を水平状態に戻した後、PBS供給用バルブ(53)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、PBS供給タンク(33)内のPBSが、PBS供給用配管(43)、PBS供給用バルブ(53)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給される。
その後、工程P5では、PBS供給用バルブ(53)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、図10に矢印で示す如く傾動機構(2)を繰り返し動作させて培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域(12)側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢との間で交互に切り換える。これによって、培養容器(1)の一次培養領域(11)内のPBSが拡散して、該領域内の細胞が該PBSによって洗浄されることになる。
続いて工程P6では、傾動機構(2)を動作させて図11に示す如く培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させると共に、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(1)の一次培養領域(11)内のPBSが、排液用配管(45)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
次に工程P7では、排液ポンプ(62)をオフに設定すると共に、傾動機構(2)を動作させて図12に示す如く培養容器(1)を水平状態に戻した後、トリプシン供給用バルブ(52)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシンがトリプシン供給用配管(42)、トリプシン供給用バルブ(52)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給される。
その後、工程P8では、トリプシン供給用バルブ(52)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、図13に矢印で示す如く傾動機構(2)を繰り返し動作させて培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域(12)側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢との間で交互に切り換える。これによって、培養容器(1)の一次培養領域(11)内のトリプシンが拡散して、該領域に付着している細胞が該トリプシンによって該領域から剥離されることになる。
次に工程P9では、傾動機構(2)を動作させて図14に示す如く培養容器(1)を水平状態に戻した後、培地供給用バルブ(51)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給され、該培地によって該領域内のトリプシンの作用が止められることになる。
その後、工程P10では、培地供給用バルブ(51)の開放状態及び溶液供給用ポンプ(61)のオン状態を維持すると共に、傾動機構(2)を動作させて図15に示す如く培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させる。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給されると共に、該領域内の混合溶液、即ち細胞、トリプシン及び培地の混合溶液が仕切り片(10)を乗り越えて二次培養領域(12)に流れ込むことになる。ここで、培養容器(1)の底面積及び一次培養領域(11)の面積はそれぞれ、例えば750cm、75cmに設定されるので、細胞の密度は低下する。この様にして、細胞の継代が行なわれる。
続いて図5の工程P11では、培地供給用バルブ(51)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、傾動機構(2)を動作させて図16に示す如く水平状態に戻した後、前記二次培養領域(12)内の細胞の二次培養を行なう。
次に工程P12では、傾動機構(2)を動作させて図17に示す如く培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させると共に、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(1)の二次培養領域(12)内の培地が仕切り片(10)を乗り越えて一次培養領域(11)に流れ込んだ後、排液用配管(45)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
その後、工程P13では、排液ポンプ(62)をオフに設定すると共に、傾動機構(2)を動作させて図18に示す如く培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させた後、PBS供給用バルブ(53)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、PBS供給タンク(33)内のPBSが、PBS供給用配管(43)、PBS供給用バルブ(53)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給された後、仕切り片(10)を乗り越えて二次培養領域(12)に流れ込むことになる。
続いて工程P14では、PBS供給用バルブ(53)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、図19に矢印で示す如く傾動機構(2)を繰り返し動作させて培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域(12)側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢との間で交互に切り換える。これによって、培養容器(1)の二次培養領域(12)内のPBSが拡散して、該領域内の細胞が該PBSによって洗浄されることになる。
次に工程P15では、傾動機構(2)を動作させて図20に示す如く培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させると共に、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(1)の二次培養領域(12)内のPBSが、仕切り片(10)を乗り越えて一次培養領域(11)に流れ込んだ後、排液用配管(45)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
更に工程P16では、排液ポンプ(62)をオフに設定すると共に、傾動機構(2)を動作させて図21に示す如く培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させた後、トリプシン供給用バルブ(52)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシンが、トリプシン供給用配管(42)、トリプシン供給用バルブ(52)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給された後、仕切り片(10)を乗り越えて二次培養領域(12)に流れ込むことになる。
その後、工程P17では、トリプシン供給用バルブ(52)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、図22に矢印で示す如く傾動機構(2)を繰り返し動作させて培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域(12)側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢との間で交互に切り換える。これによって、培養容器(1)の二次培養領域(12)内のトリプシンが拡散して、該領域に付着している細胞が該トリプシンによって該領域から剥離されることになる。
続いて工程P18では、傾動機構(2)を動作させて図23に示す如く培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させた後、培地供給用バルブ(51)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が、培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、溶液供給用配管(44)及び溶液供給用ポンプ(61)を通過して培養容器(1)の一次培養領域(11)に供給された後、仕切り片(10)を乗り越えて二次培養領域(12)に流れ込み、該培地によって該領域内のトリプシンの作用が止められることになる。
その後、工程P19では、培地供給用バルブ(51)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、図24に示す如く培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させた状態を維持して溶液輸送用ポンプ(63)をオンに設定する。これによって、培養容器(1)の二次培養領域(12)内の混合溶液、即ち、細胞、トリプシン及び培地の混合溶液が溶液輸送用配管(46)、溶液輸送用ポンプ(63)及び逆止め弁(55)を通過して濃縮カラム(8)に収容されることになる。
続いて工程P20では、溶液輸送用ポンプ(63)をオフに設定した後、図25に矢印で示す如く濃縮カラム(8)のピストン(82)をシリンダー(81)内に押し込む。これによって、濃縮カラム(8)のシリンダー(81)内には、前記混合溶液に含まれる細胞の大部分が残存する一方、一部の細胞、トリプシン及び培地は、濃縮カラム(8)から排液用配管(47)に排出される。排出された一部の細胞は、フィルター(9)により受け止められてフィルター(9)の表面に堆積するのに対し、トリプシン及び培地は、フィルター(9)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
最後に工程P21では、細胞取出し用バルブ(54)を開放すると共に細胞取出し用ポンプ(64)をオンに設定することによって、図26に示す如く濃縮カラム(8)内の細胞を外部に取り出し、後工程へ供給する。
本実施例の自動継代培養装置においては、図4及び図5に示す一連の工程が自動的に実施されるので、初心者であっても容易に付着系細胞の継代培養を行なうことが出来る。
又、細胞の継代が1つの培養容器(1)内で行なわれるので、培養容器(1)内に雑菌が混入することはない。
又、図15に示す如く培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させることにより一次培養領域(11)内の細胞を二次培養領域(12)に移して細胞の継代を行なうので、細胞の継代を行なうための配管やポンプは不要である。
更に、図18、図21及び図23に示す如く培養容器(1)の一次培養領域(11)に接続された溶液供給用配管(44)を通して一次培養領域(11)に供給した培地、洗浄液及び剥離液を、該培養容器(1)を二次培養領域(12)側に低く傾斜させることによって二次培養領域(12)に移すので、二次培養領域(12)に培地、洗浄液及び剥離液をそれぞれ供給するための配管は不要である。
更に又、図17及び図20に示す如く培養容器(1)を一次培養領域(11)側に低く傾斜させることによって二次培養領域(12)内の培地及び洗浄液を一次培養領域(11)に移した後、一次培養領域(11)に接続された排液用配管(45)を通して外部に排出するので、二次培養領域(12)から培地及び洗浄液を外部に排出するための配管は不要である。
尚、図2及び図3に示す培養容器(1)に代えて、図27及び図28に示す如く、2本の仕切り片(10)(10)の上部にそれぞれ細胞が通過可能なフィルター(14)(14)を設けた培養容器(13)を採用することも可能である。該培養容器(13)を具えた構成においては、一次培養時に塊となった複数の細胞を継代時にフィルター(14)(14)によってシングルセル化することが出来る。
第2実施例
図29は、本実施例の自動継代培養装置の系統図を表わしており、該自動継代培養装置の内部には、1つの培養容器(15)が配置されている。該培養容器(15)の底面には、図30及び図31に示す如く2枚の仕切り板(16)(16)が突設されており、容器底部が一次培養領域(17)と二次培養領域(18)とに仕切られている。例えば、培養容器(15)の底面積は750cm、一次培養領域(17)の面積は75cmに設定される。
又、上記自動継代培養装置の内部には、図29に示す如く、僅かな角度(例えば1°)だけ傾斜した傾斜台(20)が設置されている。該傾斜台(20)の上面に前記培養容器(15)が載置されており、これによって、該培養容器(15)は、一次培養領域(17)側に低く傾斜している。
更に、上記自動継代培養装置の内部には、保冷・保温室(3)が形成されており、該保冷・保温室(3)には、細胞を培養するための栄養分を含む培地が収容された培地供給タンク(31)、培養容器に付着した細胞を該容器から剥離するための剥離液であるトリプシンが収容されたトリプシン供給タンク(32)及び細胞を洗浄するための洗浄液であるPBSが収容されたPBS供給タンク(33)が配設されている。
培地供給タンク(31)、トリプシン供給タンク(32)及びPBS供給タンク(33)には夫々、培地供給用配管(41)、トリプシン供給用配管(42)及びPBS供給用配管(43)が接続されており、これらの配管(41)(42)(43)の途中には夫々、培地供給用バルブ(51)、トリプシン供給用バルブ(52)及びPBS供給用バルブ(53)が取り付けられている。又、それらの配管(41)(42)(43)の先端には1本の第1溶液供給用配管(44a)が接続されており、該配管(44a)の先端には、溶液供給用三方弁(56)の入口が接続され、該配管(44a)の途中には、溶液供給用ポンプ(61)が取り付けられている。
前記溶液供給用三方弁(56)は、2つの出口を具えており、前記入口を第1出口に連通する第1切換え状態と前記入口を第2出口に連通する第2切換え状態との間で切換えが可能である。該溶液供給用三方弁(56)の第1出口には第2溶液供給用配管(44b)が接続され、該配管(44b)の先端は、前記培養容器(15)の一次培養領域(17)に接続されている。一方、第2出口には第3溶液供給用配管(44c)が接続され、該配管(44c)の先端は、前記培養容器(15)の二次培養領域(18)に接続されている。溶液供給用三方弁(56)を第1切換え状態に設定することによって、培地供給タンク(31)内の培地、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシン、或いはPBS供給タンク(33)内のPBSを培養容器(15)の第1培養領域(17)に供給することが出来る。一方、溶液供給用三方弁(56)を第2切換え状態に設定することによって、培地供給タンク(31)内の培地、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシン、或いはPBS供給タンク(33)内のPBSを培養容器(15)の第2培養領域(18)に供給することが出来る。
前記培養容器(15)の一次培養領域(17)には、1本の溶液輸送用配管(48)が接続されており、該配管(48)の先端は、該培養容器(15)の二次培養領域(18)に接続され、該配管(48)の途中には、溶液輸送用ポンプ(65)が取り付けられている。該ポンプ(65)を駆動することによって、培養容器(15)の一次培養領域(17)内の溶液が二次培養領域(18)に収容される。
前記培養容器(15)には、一次培養領域(17)に1本の第1排液用配管(45a)が接続されると共に二次培養領域(18)に1本の第2排液用配管(45b)が接続されており、これらの配管(45a)(45b)の先端は夫々、排液用三方弁(57)の第1入口及び第2入口に接続されている。
該排液用三方弁(57)は、1つの出口を具えており、前記第1入口を該出口に連通する第1切換え状態と前記第2入口を該出口に連通する第2切換え状態との間で切換えが可能である。該排液用三方弁(57)の出口には、1本の第3排液用配管(45c)が接続されており、該配管(45c)の先端には廃液容器(7)が接続され、該配管(45c)の途中には排液ポンプ(62)が取り付けられている。排液用三方弁(57)を第1切換え状態に設定することによって、培養容器(15)の一次培養領域(17)内の溶液を廃液容器(7)に収容することが出来る。一方、排液用三方弁(57)を第2切換え状態に設定することによって、培養容器(15)の二次培養領域(18)内の溶液を廃液容器(7)に収容することが出来る。
又、前記培養容器(15)の二次培養領域(18)には、1本の溶液輸送用配管(46)が接続されており、該配管(46)の先端には、細胞を含む溶液を濃縮するための濃縮カラム(8)が接続されている。該溶液輸送用配管(46)の途中には、溶液輸送用ポンプ(63)が取り付けられており、該ポンプ(63)を駆動することによって、培養容器(15)の二次培養領域(18)内の溶液が濃縮カラム(8)に収容される。又、前記溶液輸送用配管(46)の途中には、濃縮カラム(8)から培養容器(15)へ溶液が流入することを防止するための逆止め弁(55)が取り付けられている。
濃縮カラム(8)は、シリンダー(81)及びピストン(82)を具えており、シリンダー(81)には1本の排液用配管(47)が接続され、該配管(47)の途中には、培地及びトリプシンが通過可能であって細胞の通過を阻止するためのフィルター(9)が取り付けられている。ピストン(82)をシリンダー(81)内に押し込むと、シリンダー内の溶液に含まれる細胞の大部分がシリンダー内に残存し、一部の細胞、トリプシン及び培地はシリンダー(81)から排液用配管(47)に排出される。排出された細胞はフィルター(9)の表面に堆積する一方、トリプシン及び培地は廃液として廃液容器(7)に収容される。
又、濃縮カラム(8)のシリンダー(81)には、1本の細胞取出し用配管(48)が接続されており、該配管(48)の途中には、細胞取出し用バルブ(54)及び細胞取出し用ポンプ(64)が取り付けられている。細胞取出し用バルブ(54)を開放すると共に細胞取出し用ポンプ(64)を駆動することによって、濃縮カラム(8)内の細胞が外部に取り出される。
上記の濃縮カラム(8)、バルブ(51)〜(54)、溶液供給用三方弁(56)、排液用三方弁(57)及びポンプ(61)〜(65)には、例えばマイクロコンピュータからなる制御回路(図示省略)が接続されており、該制御回路によって、濃縮カラム(8)の動作が制御されると共に三方弁の切換え、バルブの開閉及びポンプの駆動が制御されている。尚、上記ポンプ(61)〜(65)としては、例えばぺリスターポンプが採用される。
上記自動継代培養装置による一連の継代培養工程について、図32乃至図50に基づき具体的に説明する。尚、継代培養の開始時には、全てのバルブは閉止されている。
先ず工程P31では、付着系細胞を培養容器(15)の一次培養領域(17)に収容した状態で、培地供給用バルブ(51)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。又、溶液供給用三方弁(56)を第1切換え状態に設定する。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が、図34に示す如く培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第2溶液供給用配管(44b)を通過して培養容器(15)の一次培養領域(17)に供給される。
次に工程P32では、培地供給用バルブ(51)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定して、図35に示す如く前記一次培養領域(17)内の細胞の一次培養を行なう。
続いて工程P33では、排液用三方弁(57)を第1切換え状態に設定すると共に、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(15)の一次培養領域(17)内の培地が、図36に示す如く第1排液用配管(45a)、排液用三方弁(57)、第3排液用配管(45c)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
次に工程P34では、排液ポンプ(62)をオフに設定した後、PBS供給用バルブ(53)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、PBS供給タンク(33)内のPBSが、図37に示す如くPBS供給用配管(43)、PBS供給用バルブ(53)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第2溶液供給用配管(44b)を通過して培養容器(15)の一次培養領域(17)に供給され、該領域内の細胞が該PBSによって洗浄されることになる。
続いて工程P35では、PBS供給用バルブ(53)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(15)の一次培養領域(17)内のPBSが、図38に示す如く第1排液用配管(45a)、排液用三方弁(57)、第3排液用配管(45c)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
次に工程P36では、排液ポンプ(62)をオフに設定した後、トリプシン供給用バルブ(52)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシンが、図39に示す如くトリプシン供給用配管(42)、トリプシン供給用バルブ(52)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第2溶液供給用配管(44b)を通過して培養容器(15)の一次培養領域(17)に供給され、該領域に付着している細胞が該トリプシンによって剥離されることになる。
その後、工程P37では、溶液供給用ポンプ(61)のオン状態を維持して、トリプシン供給用バルブ(52)を閉止した後、培地供給用バルブ(51)を開放する。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が、図40に示す如く培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第2溶液供給用配管(44b)を通過して培養容器(15)の一次培養領域(17)に供給され、該培地によって該領域内のトリプシンの作用が止められることになる。
次に工程P38では、培地供給用バルブ(51)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、溶液輸送用ポンプ(65)をオンに設定する。これによって、一次培養領域(17)内の混合溶液、即ち細胞、トリプシン及び培地の混合溶液が、図41に示す如く溶液輸送用配管(48)及び溶液輸送用ポンプ(65)を通過して二次培養領域(18)に供給されることになる。ここで、培養容器(15)の底面積及び一次培養領域(17)の面積はそれぞれ、例えば750cm、75cmに設定されるので、細胞の密度は低下する。この様にして、細胞の継代が行なわれる。
続いて図33の工程P39では、溶液供給用ポンプ(61)及び溶液輸送用ポンプ(65)をオフに設定して、図42に示す如く培養容器(15)の二次培養領域(18)内の細胞の二次培養を行なう。
次に工程P40では、排液用三方弁(57)を第2切換え状態に設定すると共に、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(15)の二次培養領域(18)内の培地が、図43に示す如く第2排液用配管(45b)、排液用三方弁(57)、第3排液用配管(45c)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
その後、工程P41では、排液ポンプ(62)をオフに設定した後、PBS供給用バルブ(53)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。又、溶液供給用三方弁(56)を第2切換え状態に設定する。これによって、PBS供給タンク(33)内のPBSが、図44に示す如くPBS供給用配管(43)、PBS供給用バルブ(53)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第3溶液供給用配管(44c)を通過して培養容器(15)の二次培養領域(18)に供給され、該領域内の細胞が該PBSによって洗浄されることになる。
続いて工程P42では、PBS供給用バルブ(53)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、排液ポンプ(62)をオンに設定する。これによって、培養容器(15)の二次培養領域(18)内のPBSが、図45に示す如く第2排液用配管(45b)、排液用三方弁(57)、第3排液用配管(45c)及び排液ポンプ(62)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
更に工程P43では、排液ポンプ(62)をオフに設定した後、トリプシン供給用バルブ(52)を開放すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオンに設定する。これによって、トリプシン供給タンク(32)内のトリプシンが、図46に示す如くトリプシン供給用配管(42)、トリプシン供給用バルブ(52)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第3溶液供給用配管(44c)を通過して培養容器(15)の二次培養領域(18)に供給され、該領域に付着している細胞がトリプシンによって該領域から剥離されることになる。
続いて工程P44では、溶液供給用ポンプ(61)のオン状態を維持して、トリプシン供給用バルブ(52)を閉止した後、培地供給用バルブ(51)を開放する。これによって、培地供給タンク(31)内の培地が、図47に示す如く培地供給用配管(41)、培地供給用バルブ(51)、第1溶液供給用配管(44a)、溶液供給用ポンプ(61)、溶液供給用三方弁(56)及び第3溶液供給用配管(44c)を通過して培養容器(15)の二次培養領域(18)に供給され、該培地によって該領域内のトリプシンの作用が止められることになる。
その後、工程P45では、培地供給用バルブ(51)を閉止すると共に溶液供給用ポンプ(61)をオフに設定した後、溶液輸送用ポンプ(63)をオンに設定する。これによって、培養容器(15)の二次培養領域(18)内の混合溶液、即ち、細胞、トリプシン及び培地の混合溶液が、図48に示す如く溶液輸送用配管(46)、溶液輸送用ポンプ(63)及び逆止め弁(55)を通過して濃縮カラム(8)に収容されることになる。
続いて工程P46では、溶液輸送用ポンプ(63)をオフに設定した後、図49に矢印で示す如く濃縮カラム(8)のピストン(82)をシリンダー(81)内に押し込む。これによって、濃縮カラム(8)のシリンダー(81)内には、前記混合溶液に含まれる細胞の大部分が残存する一方、一部の細胞、トリプシン及び培地は、濃縮カラム(8)から排液用配管(47)に流出する。該配管(47)に流れ込んだ一部の細胞は、フィルター(9)により受け止められてフィルター(9)の表面に堆積するのに対し、トリプシン及び培地は、フィルター(9)を通過して廃液容器(7)に収容されることになる。
最後に工程P47では、細胞取出し用バルブ(54)を開放すると共に細胞取出し用ポンプ(64)をオンに設定することによって、図50に示す如く濃縮カラム(8)内の細胞を外部に取り出し、後工程に供給する。
本実施例の自動継代培養装置においては、図32及び図33に示す一連の工程が自動的に実施されるので、初心者であっても容易に付着系細胞の継代培養を行なうことが出来る。
又、図41に示す如く培養容器(15)の一次培養領域(17)と二次培養領域(18)とを互いに接続する溶液輸送用配管(48)を通して細胞の継代が行なわれるので、培養容器(15)内に雑菌が混入することはない。
尚、図51に示す如く、培養容器(15)の第1培養領域(17)と第2培養領域(18)とを互いに接続する溶液輸送用配管(48)の溶液輸送用ポンプ(65)よりも第1培養領域(17)側に、細胞が通過可能なフィルター(90)を取り付けることが可能である。該フィルター(90)を具えた構成においては、一次培養時に塊となった複数の細胞を継代時にフィルター(90)によってシングルセル化することが出来る。
又、上記第2実施例においては、図29に示す如く、培養容器(15)を一次培養領域(17)側に低く傾斜させて配置しているが、二次培養領域(18)側に低く傾斜させて配置してもよく、水平状態に配置してもよい。
更に、上記第2実施例においては、図29に示す如く、1つの培養容器(15)の底部を一次培養領域(17)と二次培養領域(18)とに仕切って、これらの領域(17)(18)を溶液輸送用配管(48)によって互いに接続し、一次培養領域(17)内の溶液を該配管(48)を通して二次培養領域(18)に移しているが、装置内部に一次培養容器と二次培養容器とを配置して、これら2つの容器を溶液輸送用配管によって互いに接続し、一次培養容器内の溶液を該配管を通して二次培養容器に移す構成を採用することも可能である。尚、一次培養容器と二次培養容器は、互いに接触させて配置しても、離して配置してもよい。
第1実施例の自動継代培養装置の系統図である。 第1実施例の培養容器の外観を表わす斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 上記自動継代培養装置における一連の継代培養工程の前半を表わす工程図である。 上記工程の後半を表わす工程図である。 培養容器の一次培養領域に培地を供給する工程を表わす系統図である。 一次培養工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域から培地を排出する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域にPBSを供給する工程を表わす系統図である。 PBSによる洗浄工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域からPBSを排出する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域にトリプシンを供給する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域におけるトリプシン処理工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域に培地を供給する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域内の細胞を二次培養領域に移す継代工程を表わす系統図である。 二次培養工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域から培地を排出する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域にPBSを供給する工程を表わす系統図である。 PBSによる洗浄工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域からPBSを排出する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域にトリプシンを供給する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域におけるトリプシン処理工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域に培地を供給する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域内の混合溶液を濃縮カラムに移す工程を表わす系統図である。 上記濃縮カラム内の混合溶液を濃縮する工程を表わす系統図である。 上記濃縮カラムから細胞を取り出す工程を表わす系統図である。 他の実施例の培養容器の外観を表わす斜視図である。 図27のB−B線に沿う断面図である。 第2実施例の自動継代培養装置の系統図である。 第2実施例の培養容器の外観を表わす斜視図である。 図30のC−C線に沿う断面図である。 上記自動継代培養装置における一連の継代培養工程の前半を表わす工程図である。 上記工程の後半を表わす工程図である。 培養容器の一次培養領域に培地を供給する工程を表わす系統図である。 一次培養工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域から培地を排出する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域にPBSを供給して細胞を洗浄する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域からPBSを排出する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域にトリプシンを供給してトリプシン処理を行なう工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域に培地を供給する工程を表わす系統図である。 上記一次培養領域内の細胞を二次培養領域に移す継代工程を表わす系統図である。 二次培養工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域から培地を排出する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域にPBSを供給して細胞を洗浄する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域からPBSを排出する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域にトリプシンを供給してトリプシン処理を行なう工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域に培地を供給する工程を表わす系統図である。 上記二次培養領域内の混合溶液を濃縮カラムに移す工程を表わす系統図である。 上記濃縮カラム内の混合溶液を濃縮する工程を表わす系統図である。 上記濃縮カラムから細胞を取り出す工程を表わす系統図である。 他の実施例の自動継代培養装置の系統図である。 従来の一連の継代培養工程の概要を表わす工程図である。
符号の説明
(1) 培養容器
(10) 仕切り片
(11) 一次培養領域
(12) 二次培養領域
(2) 傾動機構
(31) 培地供給タンク
(32) トリプシン供給タンク
(33) PBS供給タンク
(7) 廃液容器
(8) 濃縮カラム

Claims (9)

  1. 細胞の継代培養を行なうための容器であって、底面に外周壁よりも低い1或いは複数の仕切り片が突設されて容器底部が複数の培養領域に仕切られている培養容器。
  2. 前記1或いは複数の仕切り片の上部には、細胞が通過可能なフィルター手段が設けられている請求項1に記載の培養容器。
  3. 付着系細胞の継代培養を行なう装置であって、底面に1或いは複数の仕切り片が突設されて容器底部が一次培養領域と二次培養領域とに仕切られた1つの培養容器が配置され、該培養容器には、該培養容器に培地を供給する培地供給機構と、該培養容器に細胞を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、該培養容器に該容器から付着系細胞を剥離するための剥離液を供給する剥離液供給機構と、該培養容器内の培地、洗浄液及び剥離液を回収する排液機構とが接続されると共に、一次培養領域内の細胞を二次培養領域に移すための輸送機構が接続されており、培地供給機構、洗浄液供給機構、剥離液供給機構、排液機構及び輸送機構には、これらの機構の動作を制御する制御装置が接続されている自動継代培養装置。
  4. 前記培養容器の1或いは複数の仕切り片は該容器の外周壁よりも低く、前記輸送機構は、前記培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢に傾動させるものであって、前記培地供給機構、前記洗浄液供給機構、前記剥離液供給機構及び前記排液機構は、前記培養容器の一次培養領域及び二次培養領域の何れか一方の領域に接続されている請求項3に記載の自動継代培養装置。
  5. 前記1或いは複数の仕切り片の上部には、細胞が通過可能なフィルター手段が設けられている請求項4に記載の自動継代培養装置。
  6. 前記輸送機構は、前記培養容器の一次培養領域と二次培養領域とを互いに接続する溶液輸送用配管と、該配管の途中に介在する溶液輸送用ポンプとを具えている請求項3に記載の自動継代培養装置。
  7. 細胞を含む溶液を濃縮する濃縮手段と、前記培養容器の二次培養領域内の溶液を濃縮手段に移す第2輸送機構とを具え、濃縮手段及び第2輸送機構は、前記制御装置によって動作が制御されている請求項3乃至請求項6の何れかに記載の自動継代培養装置。
  8. 付着系細胞の継代培養を行なうべく、底面に外周壁よりも低い1或いは複数の仕切り片が突設されて容器底部が一次培養領域と二次培養領域とに仕切られた1つの培養容器が配置され、該培養容器には、該培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させた第1傾斜姿勢と二次培養領域側に低く傾斜させた第2傾斜姿勢に傾動させる傾動機構が接続されると共に、一次培養領域に、該培養容器に培地を供給する培地供給機構と、該培養容器に細胞を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、該培養容器に該容器から付着系細胞を剥離するための剥離液を供給する剥離液供給機構と、該培養容器内の培地、洗浄液及び剥離液を回収する排液機構とが接続されており、傾動機構、培地供給機構、洗浄液供給機構、剥離液供給機構及び排液機構には、これらの機構の動作を制御する制御装置が接続されている自動継代培養装置を用いた継代培養方法であって、
    前記培養容器の一次培養領域に付着系細胞及び培地を収容して該細胞を培養する工程と、
    排液機構により前記一次培養領域内の培地を外部へ排出する工程と、
    洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の一次培養領域に供給して、該領域内の細胞を洗浄する工程と、
    排液機構により前記一次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する工程と、
    剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の一次培養領域に供給して、該容器から細胞を剥離する工程と、
    培地供給機構により培地を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させて前記一次培養領域内の溶液を該二次培養領域に移す工程と、
    前記二次培養領域内の細胞を培養する工程と、
    傾動機構により前記培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させて前記二次培養領域内の培地を該一次培養領域に移すと共に、排液機構により該一次培養領域内の培地を外部へ排出する工程と、
    洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させて前記一次培養領域内の洗浄液を該二次培養領域に移し、該領域内の細胞を洗浄する工程と、
    傾動機構により前記培養容器を一次培養領域側に低く傾斜させて前記二次培養領域内の洗浄液を一次培養領域に移すと共に、排液機構により該一次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する工程と、
    剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させて前記一次培養領域内の剥離液を該二次培養領域に移し、該容器から細胞を剥離する工程と、
    培地供給機構により培地を前記培養容器の一次培養領域に供給すると共に、傾動機構により該培養容器を二次培養領域側に低く傾斜させて前記一次培養領域内の培地を該二次培養領域に移す工程
    とを有している継代培養方法。
  9. 付着系細胞の継代培養を行なうべく、底面に1或いは複数の仕切り片が突設されて容器底部が一次培養領域と二次培養領域とに仕切られた1つの培養容器が配置され、該培養容器には、該培養容器に培地を供給する培地供給機構と、該培養容器に細胞を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給機構と、該培養容器に該容器から付着系細胞を剥離するための剥離液を供給する剥離液供給機構と、該培養容器内の培地、洗浄液及び剥離液を回収する排液機構とが接続されており、前記培養容器の一次培養領域と二次培養領域とは溶液輸送用配管によって互いに接続されると共に該配管の途中には溶液輸送用ポンプが介在し、培地供給機構、洗浄液供給機構、剥離液供給機構、排液機構及び溶液輸送用ポンプには、これらの機構の動作及び該ポンプの駆動を制御する制御装置が接続されている自動継代培養装置を用いた継代培養方法であって、
    前記培養容器の一次培養領域に付着系細胞及び培地を収容して該細胞を培養する工程と、
    排液機構により前記一次培養領域内の培地を外部へ排出する工程と、
    洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の一次培養領域に供給して、該領域内の細胞を洗浄する工程と、
    排液機構により前記一次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する工程と、
    剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の一次培養領域に供給して、該容器から細胞を剥離する工程と、
    培地供給機構により培地を前記一次培養領域に供給すると共に、溶液輸送用ポンプを駆動して前記一次培養領域内の溶液を二次培養領域に移す工程と、
    前記二次培養領域内の細胞を培養する工程と、
    排液機構により前記二次培養領域内の培地を外部へ排出する工程と、
    洗浄液供給機構により洗浄液を前記培養容器の二次培養領域に供給して、該領域内の細胞を洗浄する工程と、
    排液機構により前記二次培養領域内の洗浄液を外部へ排出する工程と、
    剥離液供給機構により剥離液を前記培養容器の二次培養領域に供給して、該容器から細胞を剥離する工程と、
    培地供給機構により培地を前記二次培養領域に供給する工程
    とを有している継代培養方法。
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