JP2006005076A - Iii−v族化合物半導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成長前の反応炉内の不純物を低減し、HEMTの電子移動度の低下を抑えることができるIII−V族化合物半導体の製造方法を提供すること。
【解決手段】反応炉内のサセプタ1に基板3をセットし、その基板3をヒータ5で加熱し、基板3に沿って原料ガス6を流すことにより、加熱された基板3上で半導体結晶をエピタキシャル成長させるIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記基板3をセットする前に、反応炉内に、高温ガス7を流すことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】反応炉内のサセプタ1に基板3をセットし、その基板3をヒータ5で加熱し、基板3に沿って原料ガス6を流すことにより、加熱された基板3上で半導体結晶をエピタキシャル成長させるIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記基板3をセットする前に、反応炉内に、高温ガス7を流すことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電界効果トランジスタ(FET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)などに有用なIII−V族化合物半導体の製造方法、特にエピタキシャル成長前に炉内不純物を除去する方法に関するものである。
ガリウム砒素(GaAs)やインジウムガリウム砒素(InGaAs)などの化合物半導体は、シリコン(Si)に比べて、電子移動度が高いという特長がある。この特長をいかして、GaAsやInGaAsは高速デバイスに多く用いられている。代表例として高電子移動度トランジスタ(HEMT)が挙げられる。
HEMTのおおまかな構造を図5に示す。HEMTは、基板上に結晶成長されたバッファ層、チャネル層、キャリア供給層およびコンタクト層よりなる。バッファ層は基板上の残留不純物の影響によるデバイス特性の劣化を防ぐ働きがある。チャネル層は自由電子が流れる層であり、高純度である必要がある。キャリア供給層は自由電子を発生しチャネル層へ供給するための層である。コンタクト層は電極を形成するための層である。
表1に示したHEMT用エピタキシャルウェハの成長方法を以下に述べる。
図4は、気相成長に用いられる従来の反応炉であり、基板3はサセプタ1の下側にフェイスダウンでセットされ、真上にある基板加熱用のヒータ5で加熱される。サセプタ1は、成長中、回転している。下から上に向かう原料ガス6が、サセプタ1の下を、そのサセプタ1の中心部から半径方向外側に流れ、加熱された基板3上で分解し、基板3に結晶成長する。
この反応炉は、軸2を中心として回転するサセプタ1に、複数の基板3を、サセプタ1の中心から少し離れた位置にそれぞれ周方向に配設し、且つ面をガス流路4側に向けて支持し、その基板3の裏面側のサセプタ1の上方に基板加熱用のヒータ5を配置し、このヒータ5でサセプタ1を加熱し、サセプタ1の中心部分から放射状に原料ガス6を流し、加熱された基板3上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる気相成長装置として構成されている。
エピタキシャル層を成長させる基板3をサセプタ1にセットし、反応炉内で加熱する。反応炉内に原料ガス6を供給すると、原料ガス6が熱により分解し、基板3上にエピタキシャル層を成長する。
i−GaAsを成長する場合には、原料として、Ga原料のトリメチルガリウム(Ga(CH3)3)と、As原料のアルシン(AsH3)を基板3に供給する。なお、Ga原料として他にトリエチルガリウム(Ga(CH3CH2)3)がある。As原料として他にトリメチル砒素(As(CH3)3)、ターシャリーブチルアルシン(TBA)がある。
i−Al0.25Ga0.75Asを成長する場合には、原料として、Ga原料のGa(CH3)3、As原料のAsH3、及びAl原料のトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)を基板に供給する。なお、Al原料として他にトリエチルアルミニウム(Al(CH3CH2)3)がある。
i−In0.20Ga0.80Asを成長する場合には、Ga原料のGa(CH3)3、As原料のAsH3、及びIn原料のトリメチルインジウム(In(CH3)3)を基板に供給する。
n−GaAsを成長する場合には、Ga原料のGa(CH3)3、As原料のAsH3及びn型ドーパントを基板に供給する。n型ドーパントの元素としてはシリコン(Si)やセレン(Se)がある。Si原料としてモノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)がある。Se原料としてはセレン化水素(H2Se)がある。
ところで、反応炉内でエピタキシャル層を連続して成長すると、反応炉内に残留した異物がエピタキシャル層の成長中にウェハの表面に付着し、電気的特性およびエピタキシャル層の表面に影響を及ぼす、という問題がある。
そこで、反応炉内をクリーニングする手段として、従来さまざまな工夫が行われている。例えば、エピタキシャル層の成長を行う直前に、反応管内に塩化メチルを導入して基板表面の不純物を除去する方法(例えば、特許文献1参照)、シャワー状に噴射し、これを炉芯管のフロント側の内壁に付着した反応物に当てて、効率的に反応物を除去する装置(例えば、特許文献2参照)、定期的に、先ず、反応炉全体を均一に例えば550℃程度に昇温し、その後、ClF3ガスを700sccm程度のガス流量で、希釈用ガスである窒素(N2)ガス(ガス流量2740sccm程度)と共に、反応炉内に供給して、反応炉内の残留膜のエッチングを行う方法(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
特開2003−20300号公報(段落番号0007)
特開2001−68416号公報
特開2000−173932号公報(段落番号0023)
しかしながら、上記の特許文献1〜4は、HEMTの電子移動度との関係を直接に明らかにしたものではない。
本発明者らの知見によれば、従来の反応炉でエピタキシャル成長を連続して成長すると、成長回数が増えるにしたがって、反応炉内の残留不純物によって図2に従来例として示すように電子移動度が低下する、という問題が発生する。なお、電子移動度とは、電子が半導体結晶中を動く速度である。電子移動度の単位は、cm2・V-1・s-1である。電子移動度はvan der Pauw法によるホール測定で求められる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、成長前の反応炉内の不純物を低減し、HEMTの電子移動度の低下を抑えることができるIII−V族化合物半導体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係るIII−V族化合物半導体の製造方法は、反応炉内のサセプタに基板をセットし、その基板をヒータで加熱し、基板に沿って原料ガスを流すことにより、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成長させるIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記基板をセットする前に、反応炉内に、水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)から成る高温ガスを流すことを特徴とする。
本発明において、エピタキシャル成長前に流す高温ガスの種類としては、水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)が使用できる他、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)等の不活性ガスを用いることもできる。
請求項2の発明は、請求項1記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記高温ガスの温度を20〜300℃に保ち、反応炉内に流すことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記基板セット前に反応炉内に流す高温ガスの流量を、10〜150L/分の所定流量に設定することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記高温ガスの所定流量を一定値に維持して流すことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、上記高温ガスを5〜1200秒間、反応炉内に流すことを特徴とする。
<発明の要点>
本発明は、基板をセットする前に、反応炉内に、不活性ガスから成る高温ガスを流すことによりエピタキシャル成長の前に僅かに残留している不純物を反応炉外へ追い出し、HEMTの電子移動度の低下を抑える等の効果を得る方法である。
本発明は、基板をセットする前に、反応炉内に、不活性ガスから成る高温ガスを流すことによりエピタキシャル成長の前に僅かに残留している不純物を反応炉外へ追い出し、HEMTの電子移動度の低下を抑える等の効果を得る方法である。
これに対し、特許文献1は、n型ドーパントとV族元素を含む原料化合物が反応して配管内の清浄化を行うことを狙いとして、気相成長させる前にn型ドーパント供給ラインにV族元素を含む原料化合物を供給するものであり、この点で反応炉内に、不活性ガスから成る高温ガスを流す本発明と異なる。同様に、特許文献2は、反応炉内に塩化メチル(CH3Cl)を導入して基板表面の不純物を除去する方法であり、水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)から成る高温ガスを流す本発明と異なる。
また特許文献4は、定期的に、ClF3ガスを、希釈用ガスである窒素(N2)ガスと共に、反応炉内に供給して、反応炉内の残留膜のエッチングを行う方法であり、基板をセットする前に、反応炉内に、水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)から成る高温ガスを流す本発明と異なる。
さらに特許文献3は、クリーニング時に不活性ガスを噴射する装置を示すのみであり、その不活性ガスの使用時期や温度などについては開示がない。
本発明の効果を調べるために、ガスを流さずにエピタキシャル層を連続で成長したものと、エピタキシャル成長終了する度にガスを流したものの電子移動度の低下度合いを調べた。エピタキシャル層を連続成長しているものに比べて、毎回反応炉内にガスを流してからエピタキシャル層を成長している方が、電子移動度の低下は見られず、良質のHEMTが作られているといえる(図2参照)。
さらに、エピタキシャル成長前に反応炉内の不純物を除去することにより、成長したエピタキシャル表面の凹凸も小さくなる(図3参照)。
本発明によれば、基板をセットする前に、反応炉内に、水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)から成る高温ガスを流すことにより、エピタキシャル成長の前に僅かに残留している不純物を反応炉外へ追い出すことができ、HEMTの電子移動度の低下を抑える等の効果を得ることができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1に本発明のIII−V族化合物半導体の製造方法を示す。前提となる気相成長装置の構成は、図4において説明したところと同じである。すなわち、サセプタ1に、複数(ここでは4枚)の基板3をセットする開口を、サセプタ中心から少し離れた位置にて周方向に配設してあり、この開口に、成長させる基板面をガス流路側に向けて基板3をセットする構成となっている。この基板3の裏面側において、サセプタ1の上方には基板加熱用のヒータ5が設けてあり、この基板加熱用のヒータ5によりサセプタ1を基板3の裏面側から加熱している。そして、下方の供給口からサセプタ中心部分に向けて下方から上方へと供給される原料ガスを、サセプタの下面に沿ってサセプタ中心部分から半径方向外側に向けて放射状に流し、上記基板加熱用のヒータ5により加熱された基板3上で半導体結晶をエピタキシャル成長させる構成となっている。
本発明の製造方法では、まず、図1(a)に示すように、基板をサセプタ1にセットする前に、反応炉に高温ガス7を供給して、サセプタ中心部より高温ガス7をサセプタ1の表面に沿って放射状に外側へ流す。高温ガス7の種類は水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)のいずれかである。このとき高温ガス7の温度は20〜300℃、高温ガス7の流量は10〜150L/分の範囲で一定とし、ガスを流す時間は5〜1200秒とする。
次に、図1(b)に示すように、基板3をサセプタ1にセットし、サセプタ1の中心部より原料ガス6を放射状に外側へ流し、エピタキシャル成長を開始する。
<実施例1>
次に、図1の製造方法により、HEMT用エピタキシャルウェハを製造する実施例について説明する。
次に、図1の製造方法により、HEMT用エピタキシャルウェハを製造する実施例について説明する。
ここでは、表1に示す縦断面構造を持つHEMT用エピタキシャルウェハを試作対象とした。すなわち、半絶縁性のGaAsからなる基板上に、バッファ層として、i−GaAs層(厚さ1000nm、キャリア濃度1×1015cm-3以下)を設け、更に、チャネル層としてi−In0.20Ga0.80As層(厚さ20nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)を設ける。その上に、スペーサ層として、i−Al0.25Ga0.75As層(厚さ3nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)を設ける。その上に更に、キャリア供給層として、n−Al0.25Ga0.75As層(厚さ250nm、キャリア濃度3×1018cm-3)を設け、i−Al0.25Ga0.75As層(厚さ50nm、キャリア濃度1×1016cm-3以下)を設け、その上にコンタクト層としてn−GaAs層(厚さ100nm、キャリア濃度3×1018cm-3)を設けた。なお、結晶成長のことをエピタキシャルと言う。エピタキシャル層名称のn−、i−はエピタキシャル層がそれぞれn型、半絶縁性であることを表している。厚さの単位はnm(10-9m)である。キャリア濃度の単位はcm-3である。
図1(a)の如く、高温ガスとして窒素(N2)を流した(この実施例1では、高温ガスとしての窒素(N2)ガスの温度を50℃とし、流量を100L/分の一定に維持して、60秒間流した)後の反応炉内において、基板3は図1(b)の如くサセプタ1の下側にフェイスダウンでセットされ、真上にある基板加熱用のヒータ5で加熱される。サセプタ1は、成長中、回転している。原料ガス6が中心から放射状に外側へ流れ、基板加熱用のヒータ5によって加熱され、分解し、基板3上に結晶成長する。
HEMTの成長条件は以下の通りである。成長時の基板温度は700℃、反応炉内圧力は76Torr、希釈用ガスは水素である。サセプタ回転数は10回転/分である。
i−GaAs層の成長にはGa(CH3)3とAsH3を用いた。Ga(CH3)3の流量は10.5cm3/分である。AsH3の流量は315cm3/分である。
i−GaAs層の成長にはGa(CH3)3とAsH3を用いた。Ga(CH3)3の流量は10.5cm3/分である。AsH3の流量は315cm3/分である。
i−Al0.25Ga0.75As層の成長にはGa(CH3)3、Al(CH3)3及びAsH3を用い、それらの流量はそれぞれ5.3cm3/分、1.43cm3/分及び630cm3/分とした。i−In0.20Ga0.80As層の成長にはGa(CH3)3、In(CH3)3及びAsH3を用い、それらの流量はそれぞれ5.3cm3/分、2.09cm3/分及び500cm3/分とした。
n−Al0.25Ga0.75As層の成長には、i−Al0.25Ga0.75Asの成長に使用したGa(CH3)3、Al(CH3)3、AsH3に加えてSi2H6を使用した。Si2H6の流量は7.78×10-3cm3/分である。Si2H6以外の流量はi−Al0.25Ga0.75As層の場合と同じである。
n−GaAs層の成長には、i−GaAsの成長に使用したGa(CH3)3、AsH3に加えてSi2H6を用いた。Si2H6の流量は1.47×10-4cm3/分である。Si2H6以外の流量はi−GaAs層の場合と同じである。
図2に、本実施例によるHEMT用エピタキシャルウェハの電子移動度の低下度合いを、従来技術と比較して示す。これは、本発明の効果を調べるために、高温ガスを流さずにエピタキシャル層を連続で成長したHEMT用エピタキシャルウェハ(従来例)と、エピタキシャル成長が終了する度に高温ガスを流したHEMT用エピタキシャルウェハ(実施例)の電子移動度の低下度合いを調べた結果を示すものである。
図2から分かるように、エピタキシャル層を連続成長しているHEMT用エピタキシャルウェハ(従来例)に比べて、毎回反応炉内に高温ガスを流してからエピタキシャル成長をしているHEMT用エピタキシャルウェハ(実施例)の方が、電子移動度の低下は見られず、良質のHEMTが作られた。
このように本発明は、エピタキシャル成長の前に、つまり基板をサセプタにセットする前に、高温ガスを反応炉内に流すので、反応炉内の不純物を炉の外に追い出すことができ、これにより、HEMTの電子移動度の低下を抑えることができる。つまり、本発明によれば、半導体装置の反応炉内において成長する、HEMTやFETといったデバイスの特性を低下させることなく、これらHEMT等の良質のデバイスを安定して生産することができる。
また図3に示すように、エピタキシャル成長前に反応炉内の不純物を除去することにより、表面の凹凸も小さくなる。図3は表面の凹凸を調べるために、表面のヘイズレベルを測定したものである。このヘイズレベルというのは表面の曇りの程度を調べる目安であり、測定値が大きいほど表面が曇っていることを示す。なお、単位はppmである。図3における比較から、従来例よりも本実施例の方がヘイズレベルが小さく改善されており、表面がより平坦になっていることが分かる。
<他の実施例、変形例>
上記実施例では、基板セット前に流す高温ガスの温度を50℃にしたが、これはできるだけ反応炉の温度をエピタキシャル成長温度に近づける、つまり原料の分解する温度(400℃以上)に近づけるためである。しかし、20℃〜300℃の温度範囲であれば、本発明の高温ガスによるクリーニング効果を得ることができるので、この温度範囲の任意の温度に設定することができる。またガス流量は多いほど、例えば150L/分とするほど効果があるが、10L/分程度でもクリーニング効果を得ることができるので、この流量範囲の任意の一定流量値に設定することができる。また、これと関連して、ガスを流す時間は5秒程度流すだけでもある程度のクリーニング効果が得られる。そして、ある段階までは、ガスを流す時間が多いほどクリーニング効果があるが、最大1200秒程度の間、ガスを流せば、十分なクリーニング効果が得られるので、この5〜1200秒の間の任意の一定時間幅に設定するとよい。
上記実施例では、基板セット前に流す高温ガスの温度を50℃にしたが、これはできるだけ反応炉の温度をエピタキシャル成長温度に近づける、つまり原料の分解する温度(400℃以上)に近づけるためである。しかし、20℃〜300℃の温度範囲であれば、本発明の高温ガスによるクリーニング効果を得ることができるので、この温度範囲の任意の温度に設定することができる。またガス流量は多いほど、例えば150L/分とするほど効果があるが、10L/分程度でもクリーニング効果を得ることができるので、この流量範囲の任意の一定流量値に設定することができる。また、これと関連して、ガスを流す時間は5秒程度流すだけでもある程度のクリーニング効果が得られる。そして、ある段階までは、ガスを流す時間が多いほどクリーニング効果があるが、最大1200秒程度の間、ガスを流せば、十分なクリーニング効果が得られるので、この5〜1200秒の間の任意の一定時間幅に設定するとよい。
上記実施例では、HEMTの場合を例にしたが、本発明はFETやHBTにおいても適用することができ、例えばHBTのエピタキシャル層を成長する前に、つまり基板をサセプタにセットする前に、高温ガスを反応炉内に流すことで、HBTの電気的特性を向上させるクリーニング効果を得ることができる。
また、上記実施例では、窒素(N2)ガスを反応炉内に流したが、エピタキシャル成長前に流す高温ガスとしては、水素(H2)、アルゴン(Ar)、あるいはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)などの不活性ガスを用いることもできる。
また上記実施例では、反応炉として、下から上に向かう原料ガス6がサセプタ中央から半径方向外側に流れ、且つ基板3がフェイスダウンで設けられるタイプについて説明したが、本発明は、上から下に向かうガスがサセプタ中央から半径方向外側に流れ、且つ基板がフェイスアップで設けられるタイプ、あるいは原料ガス6がサセプタの直径方向に流れるタイプにも適用することができる。
1 サセプタ
2 軸
3 基板
4 ガス流路
5 ヒータ
6 原料ガス
7 高温ガス
2 軸
3 基板
4 ガス流路
5 ヒータ
6 原料ガス
7 高温ガス
Claims (5)
- 反応炉内のサセプタに基板をセットし、その基板をヒータで加熱し、基板に沿って原料ガスを流すことにより、加熱された基板上で半導体結晶をエピタキシャル成長させるIII−V族化合物半導体の製造方法において、
上記基板をセットする前に、反応炉内に、水素(H2)、窒素(N2)またはアルゴン(Ar)から成る高温ガスを流すことを特徴とするIII−V族化合物半導体の製造方法。 - 請求項1記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、
上記高温ガスの温度を20〜300℃に保ち、反応炉内に流すことを特徴とするIII−V族化合物半導体の製造方法。 - 請求項1又は2記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、
上記基板セット前に反応炉内に流す高温ガスの流量を、10〜150L/分の所定流量に設定することを特徴とするIII−V族化合物半導体の製造方法。 - 請求項3記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、
上記高温ガスの所定流量を一定値に維持して流すことを特徴とするIII−V族化合物半導体の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のIII−V族化合物半導体の製造方法において、
上記高温ガスを5〜1200秒間、反応炉内に流すことを特徴とするIII−V族化合物半導体の製造方法。
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