JP2006004874A - 固体酸化物型燃料電池用アノード材料とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体酸化物型燃料電池のアノードの作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題が生じない、酸化ニッケルと安定化ジルコニアの複合粒子からなるアノード材料とその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化されている複合粒子からなるアノード材料を製造する方法であって、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとを湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程、該スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程、及び該乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法などによって提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCと呼称することがある。)用アノード材料とその製造方法に関し、さらに詳しくは、SOFCのアノード(燃料極)の作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題が生じない、酸化ニッケルと安定化ジルコニアの複合粒子からなるアノード材料とその製造方法に関する。
従来より、SOFCはその作動温度が900〜1000℃と高温であるため、発電効率が高く、第3世代の発電システムとして注目されている。ここで、SOFCのアノード材料としては、酸化ニッケルと安定化ジルコニアの複合粒子が使用されている。このとき、アノードにおける電気化学反応は、酸化ニッケルと安定化ジルコニアでの界面で生じると考えられている。この際、アノードを構成する酸化ニッケル、安定化ジルコニア、及び空孔の三相界面が多くなるような構造を付与することが、発電特性を大きく向上させるために有効である。
ところで、上記アノードの作製においては、通常、1300〜1500℃の高温焼成が行われる。このとき、アノード材料の焼成時の収縮が大きいと、得られたアノードに割れ、剥離、反りなどが生じ、燃料ガスの漏れや発電特性の低下が起る。また、特に、平板型の燃料電池では、電池を構成する固体電解質、燃料極及び空気極を積層することができなくなるなどの問題があった。この対策としては、燃料電池の電極を作製する際に、電極を分割構造とする方法(例えば、特許文献1参照。)、電極の厚みを調整する方法(例えば、特許文献2参照。)等の電極の構造を工夫することによって、焼成時の収縮による割れ、剥離、反りなどを抑制することが開示されている。しかしながら、前記のような構造により収縮を抑制する方法では、電極用の原料の選択幅や電池セル形状、サイズ等の製品構成の自由度が狭くなるという制約がある。
一方、SOFCの長期発電においては、作動に伴ないアノード中の酸化ニッケルが焼結収縮を繰り返すことになるので、次第に反応界面が減少し出力が低下するという問題もあった。この対策として、アノード中のジルコニアとニッケルからなる電極骨格の表面にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を配することによってその立体障害により酸化ニッケルの焼結収縮を防ぐこと(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。しかしながら、YSZ等でニッケル全体を覆ってしまうためにニッケル表面の電極反応を阻害するという問題がある。また、アノード材料として、ニッケル又は酸化ニッケルを含む材料粉末に、MgO、CaO、SrO、Y、La、Sc、Alの少なくとも一種を添加してなる混合粉末材料を用いて、ニッケルの焼結と凝集を抑制すること(例えば、特許文献4参照。)が開示されている。しかしながら、MgO、Al等を添加すると酸化ニッケルの焼結を促進することが知られており、アノードの作製での高温焼成において酸化ニッケル粒子の粗大化を生じるとともに、さらに還元後のニッケル粒子が粗大化することになり、狙いとするニッケル粒子の焼結と凝集の抑止効果が発揮できない。
以上の状況から、SOFC用アノード材料として高温焼成時の反り、ヒビ、割れなどの問題を解決できる材料が求められている。
特開2001−118589号公報(第1頁、第2頁) 特開2001−185160号公報(第1頁、第2頁) 特開平4−192261号公報(第1頁) 特開平9−274921号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、SOFCのアノード(燃料極)の作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題が生じない、酸化ニッケルと安定化ジルコニアの複合粒子からなるアノード材料とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、酸化ニッケルと安定化ジルコニアの複合粒子からなる固体酸化物型燃料電池用アノード材料について、鋭意研究を重ねた結果、特定の一連の工程を行ったところ、酸化ニッケルと安定化ジルコニアが均一に複合化された低い加熱収縮率を有する複合粒子が得られ、これを用いたSOFCのアノードの作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題が生じないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化されている複合粒子からなる固体酸化物型燃料電池用アノード材料を製造する方法であって、
酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとを湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程、該スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程、及び該乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記酸化ニッケル原料は、難水溶性ニッケル塩又は酸化ニッケルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアの混合比は、酸化物換算の重量比で50:50〜70:30であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記焼成の温度は、900〜1200℃であることを特徴とする固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明の製造方法により得られる、1400℃での加熱収縮率が2〜13%である固体酸化物型燃料電池用アノード材料が提供される。
本発明の固体酸化物型燃料電池用アノード材料とその製造方法は、SOFCのアノードの作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題を生じない、酸化ニッケルと安定化ジルコニアの複合粒子からなるアノード材料とその製造方法であり、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の固体酸化物型燃料電池用アノード材料とその製造方法を詳細に説明する。
本発明の固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法は、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化されている複合粒子からなる固体酸化物型燃料電池用アノード材料を製造する方法であって、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとを湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程、該スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程、及び該乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする。また、本発明の固体酸化物型燃料電池用アノード材料は、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化されている複合粒子であって、加熱収縮率が低いものである。
本発明の製造方法において、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとを湿式粉砕混合して微粉砕物を均一に混合し、次いで噴霧乾燥により凝集された二次粒子を形成した後に、この二次粒子を焼成することにより酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化された複合粒子を得ることが重要である。
これによって、従来の酸化ニッケルと安定化ジルコニアを乾式混合したものに比べて、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとがより均一に複合化された複合粒子が得られるので、加熱収縮率が著しく減少することにより、アノードの作製に際して焼成時の反り、ヒビ及び割れの低減が達成される。
本発明の製造方法の具体例を工程に沿って説明する。
(1)湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程
最初に、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとを湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程を行う。ここで、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアが微粉砕され、かつ均一に混合されたスラリーを得る。
上記工程で用いる酸化ニッケル原料としては、難水溶性ニッケル塩又は酸化ニッケルから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。この中で、難水溶性ニッケル塩又は粉砕しやすい酸化ニッケルを使用することが好ましい。ここで、難水溶性ニッケル塩としては、特に限定されるものではないが、水酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、炭酸ニッケル等が挙げられる。すなわち、水溶性のニッケル塩では、水系での湿式粉砕工程のため溶解してしまい、安定化ジルコニアが分散したニッケル水溶液が得られる。これを噴霧乾燥すると、複合粒子、及び複合粒子中のニッケル塩の粒径制御が困難である。
また、酸化ニッケル原料の調合の工程として、上記工程で得られる噴霧乾燥用の原料スラリーに、酸化ニッケルを混合比を調整するために後から添加することができる。ここで用いる酸化ニッケルとしては、単体での加熱収縮率が小さく、一方タップ密度が大きいものが好ましい。粒径としては、大きすぎると噴霧乾燥時に凝集粒子を作製できず、また噴霧乾燥時のノズルが閉塞するという問題があるので、0.5〜1.5μmが好ましい。
上記工程で用いる安定化ジルコニアとしては、特に限定されるものではないが、上記製造方法での複合粒子を得るための焼成温度及び燃料電池としたときの作動温度による構造変化が少ないこととともに、電池の出力にも影響を与える酸素導電性を持つことが求められることから、MgO、CaO、SrO、Y、Scの少なくとも一種からなる安定化材を添加して安定化されているものが好ましい。
この中で、特に、酸化イットリウムで安定化させたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)及び酸化スカンジウムで安定化させたスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)が好ましく、安定化剤の添加量が8〜10mol%のものがより好ましい。ここで、これらを満たす市販の安定化ジルコニアとしては、8mol%の酸化イットリウムで安定化させた東ソー製TZ−8Y及び住友大阪セメント製OZC−8YC、10mol%の酸化スカンジウムで安定化させた第一希元素化学工業製10ScSZ等が挙げられる。
上記工程で用いる酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアの混合比は、酸化物換算の重量比で50:50〜70:30が好ましい。すなわち、混合比を上記範囲とすることにより、電解質と整合性の取れる熱膨張係数を維持しつつ、十分な導電率を発現させることができる。
また、上記工程で用いる混合比を、上記重量比よりも低くして作製し、その後酸化ニッケルのみを添加混合して、得られる複合粒子中に含有される酸化ニッケルと安定化ジルコニアの重量比を所定の割合に調整された乾燥粉を作製してもよい。
上記工程の湿式粉砕混合を行う装置としては、特に限定されるものではないが、ナノミル、ビーズミル等の市販の湿式粉砕装置を用いることができる。ここで、湿式粉砕混合後のスラリー中の粒子の粒径は、噴霧乾燥時の凝集性を考慮すれば、1μm以下が好ましい。
上記工程のスラリー濃度としては、特に限定されるものではないが、得られる均一スラリー中の固体濃度は100〜300g/Lが好ましい。すなわち、スラリー濃度が100g/L未満では、得られる均一スラリー中の凝集粒子の密度が低く、収縮が大きくなる。一方、300g/Lを超えると、粘性が高くなり、次工程での噴霧が困難になる。
(2)噴霧乾燥に付し乾燥物を得る工程
次に、上記スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程を行う。ここで、得られる乾燥粉は酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとが均一に分散された二次粒子である。
上記工程で噴霧乾燥に用いる装置としては、特に限定されるものではないが、スプレードライヤー、ミストドライヤー等の市販の装置が用いられる。噴霧乾燥装置では、噴霧用ノズルにスラリーを送液し、噴霧用のエアーを送風して、微細な液滴として高温気体中に飛散させ、造粒し乾燥する。
ここで、噴霧乾燥後の二次粒子の粒径は、噴霧用ノズルの形状(噴霧口径等)、スラリーの送液速度、スラリー濃度、噴霧時の空気量等を調整することによって、1.5〜30μmの範囲にすることが好ましい。なお、SOFC電極用としては複合粒子の粒径は、1.5〜5μm程度とすることが望ましいが、焼成後の粒径は必ずしも乾燥粉の粒径とならないことから、焼成条件に応じた乾燥粉の粒径を設定するのが望ましい。
上記工程で用いる乾燥温度としては、特に限定されるものではないが、例えば、水の蒸発による熱の持ち去りを考慮し、150〜250℃の熱風を送り込むことで、スラリー濃度と送液速度により、排気温度が50℃以上となるように処理条件を設定するのが好ましい。
(3)焼成に付し複合粒子を得る工程
最後に、上記乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程を行う。ここで、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化された複合粒子を得る。
上記工程用いる焼成温度は、特に限定されるものではないが、900〜1200℃が好ましい。すなわち、焼成温度が900℃未満では、二次粒子内の焼結が進まず、電極焼付け時の収縮が大きくなってしまう。一方、1200℃を超えると、二次粒子間の焼結が進行し粗大粒子化してしまい、電極材料として使用するためには焼結した二次粒子を再度粉砕する必要があるので好ましくない。
上記工程の焼成に用いる設備としては、特に限定されるものではないが、マッフル炉、管状炉、転動炉等市販の焼成炉が用いられる。ここで、焼成雰囲気としては、大気中、空気気流中、酸素気流中のいずれかで行うことができる。
上記の製造方法により、従来のものに比べて、酸化ニッケルと安定化ジルコニアとがより均一に複合化されている複合粒子が得られる。本発明の複合粒子は、比表面積が1〜15m/g、タップ密度が1〜2.5g/cm、平均粒径が2〜5μm、1400℃での加熱収縮率が2〜13%であり、固体酸化物型燃料電池用アノード材料として好適である。
特に、上記のような低い加熱収縮率が得られるので、アノードの作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題が起らない。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた平均粒径、及び加熱収縮率の評価方法は、下記の通りである。
(1)平均粒径の測定:市販の粒子径測定装置(Microtrac 9320−X100、Microtrac Inc製)を用いて、レーザー回折・散乱法で行った。
(2)加熱収縮率の測定:作製した複合粒子を用いて、市販の熱膨張率測定装置(Thermo Mechanical Analysis:TMA400S、ブルカー・エイエックス社製)を使用して測定した。測定サンプルは、一軸加圧成形により、直径6mm、高さ10mmの円柱状に成形した。測定は、300mL/minの空気気流中、10℃/minで昇温しながら、1400℃まで測定し、1400℃での収縮率の値をそのサンプルの加熱収縮率とした。
(実施例1)
酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアを用いて、湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程、該スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程、及び該乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程を行い、得られた複合粒子を評価した。
まず、酸化ニッケル原料として平均粒径14μmの水酸化ニッケル二次粒子とYSZ粒子(東ソー製、TZ−8Y)を用いて、酸化ニッケルとYSZの重量比が65:35となるように各々を秤量した後、この混合物に蒸留水を加え、濃度180g/Lのスラリーを得た。次に、このスラリーを0.4mmのジルコニアビーズを用いた湿式粉砕装置(浅田鉄工所製、ナノミル、型式NM−2L)を用いて、一次粒径が0.5μm程度になるまで粉砕し、噴霧乾燥用の原料スラリーを作製した。
次いで、この原料スラリーをチューブポンプにより噴霧用のノズルに送液し、200℃の熱風中にて噴霧乾燥を行った。最後に、得られた乾燥粉を20L/minの空気気流中にて温度900℃で2時間焼成して、酸化ニッケルとYSZの複合粒子を得た。その後、得られた複合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
焼成の温度として1100℃を用いた以外は実施例1と同様に行い、酸化ニッケルとYSZの複合粒子を得た。その後、得られた複合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
酸化ニッケル原料として平均粒径5.4μmの酸化ニッケル二次粒子を用いたこと、混合物のスラリー濃度が280g/Lであったこと、及び焼成の温度として1000℃を用いた以外は実施例1と同様に行い、酸化ニッケルとYSZの複合粒子を得た。その後、得られた複合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
(実施例4)
焼成の温度として1200℃を用いた以外は実施例3と同様に行い、酸化ニッケルとYSZの複合粒子を得た。その後、得られた複合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
(実施例5)
まず、酸化ニッケル原料として平均粒径14μmの水酸化ニッケル二次粒子とYSZ粒子(東ソー製、TZ−8Y)を用いて、酸化ニッケルとYSZの重量比が40:60となるように各々を秤量した後、この混合物に蒸留水を加え、濃度120g/Lのスラリーを得た。次に、このスラリーを0.4mmのジルコニアビーズを用いた湿式粉砕装置(浅田鉄工所製、ナノミル、型式NM−2L)を用いて、一次粒径が0.5μm程度になるまで粉砕した。
次いで、湿式粉砕後のスラリーに平均粒径1.7μm及びタップ密度3.1g/cmである酸化ニッケル粒子を、酸化ニッケルとYSZの重量比が60:40となるように添加した後、均一な分散状態なるまで撹拌して水酸化ニッケル、酸化ニッケル、及びYSZからなる噴霧乾燥用の原料スラリーを作製した。次いで、この原料スラリーをチューブポンプにより噴霧用のノズルに送液し、200℃の熱風中にて噴霧乾燥を行った。最後に、得られた乾燥粉を20L/minの空気気流中にて温度1200℃で2時間焼成して、酸化ニッケルとYSZの複合粒子を得た。その後、得られた複合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
まず、酸化ニッケル原料として平均粒径14μmの水酸化ニッケル二次粒子を、濃度120g/Lのスラリーとなるように調製した後、0.4mmのジルコニアビーズを用いた湿式粉砕装置(浅田鉄工所製、ナノミル、型式NM−2L)を使用して、一次粒径が0.5μm程度になるまで粉砕した。次に、粉砕後のスラリーをチューブポンプにより噴霧用のノズルに送液し、200℃の熱風中にて噴霧乾燥を行った。
次いで、噴霧乾燥した水酸化ニッケルに、YSZ粒子(東ソー製、TZ−8Y)を酸化ニッケルとYSZの重量比が65:35となるように添加し、その後、乾式混合した。最後に、20L/minの空気気流中にて温度1000℃で2時間焼成して、酸化ニッケルとYSZの複合粒子を得た。その後、得られた複合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
(比較例2)
酸化ニッケル原料として平均粒径0.6μmの酸化ニッケルとYSZ粒子(東ソー製、TZ−8Y)とを、酸化ニッケルとYSZの重量比が65:35となるように各々を秤量した後、Vブレンダーを使用して30分間乾式混合した。その後、得られた混合粒子の平均粒径と加熱収縮率を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2006004874
表1より、実施例1〜5では、酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアを用いて、湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程、該スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程、及び該乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程で処理を行い、本発明の方法に従って行われたので、固体酸化物型燃料電池用アノード材料として好適な低い加熱収縮率が得られ、これよりアノードの作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題を生じないことが分かる。これに対して、比較例1又は2では、製造方法がこれらの条件に合わないので、加熱収縮率において満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の固体酸化物型燃料電池用アノード材料は、SOFCのアノードの作製に際して焼成時に反り、ヒビ、割れなどの問題を生じないアノード材料であり、固体酸化物型燃料電池分野で利用されるアノード材料として好適である。

Claims (5)

  1. 酸化ニッケルと安定化ジルコニアとが均一に複合化されている複合粒子からなる固体酸化物型燃料電池用アノード材料を製造する方法であって、
    酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアとを湿式粉砕混合に付しスラリーを得る工程、該スラリーを噴霧乾燥に付し乾燥粉を得る工程、及び該乾燥粉を焼成に付し複合粒子を得る工程を含むことを特徴とする固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法。
  2. 前記酸化ニッケル原料は、難水溶性ニッケル塩又は酸化ニッケルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法。
  3. 酸化ニッケル原料と安定化ジルコニアの混合比は、酸化物換算の重量比で50:50〜70:30であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法。
  4. 前記焼成の温度は、900〜1200℃であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池用アノード材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる、1400℃での加熱収縮率が2〜13%である固体酸化物型燃料電池用アノード材料。
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