JP5452277B2 - アノード支持型ハーフセルの製造方法 - Google Patents
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Description
ペースト調製工程では、少なくともセラミックス粉末、溶媒およびバインダーを混合して電解質ペーストを調製する。
解砕工程では、前記電解質ペースト中の凝集物を解砕する。特に、本発明の製造方法においては、前記解砕工程において、グラインドメーターにより計測される電解質ペースト中の凝集物の最大粒子径が10μm以下になるまで解砕することが重要となる。電解質ペースト中の凝集物の最大粒子径を10μm以下とすることで、アノード層上に電解質層を形成する際の電解質ペースト焼成時において、凝集物が起因となる貫通孔の形成を抑制することができる。
前記成層工程では、前記電解質ペーストを用いて、スクリーン印刷によりアノード層上に電解質層を形成する。
本発明のアノード支持型ハーフセルは、アノード基板と、前記アノード基板に積層されたアノード層と、前記アノード層上(前記アノード基板が積層された面と反対の面)に積層された電解質層とを有し、前記電解質層が上述の製造方法により形成されたものである。本発明の製造方法により得られたアノード支持型ハーフセルは、電解質層がより薄肉化されているにもかかわれず、貫通孔の形成が抑制されているため、カソードを形成してフルセルとした場合、出力や耐久性などの発電性能に優れたフルセルが得られる。
本発明のアノード支持型セルは、前記アノード支持型ハーフセルにおいて、前記電解質上(前記アノード層が積層された面と反対の面)に、カソード層が形成されている。
前記カソード層は、カソード層材料を、バインダーと溶媒、および必要により分散剤や可塑剤などと共に均一に混合してペーストを調製し、調製したペーストを電解質層上にスクリーン印刷などにより塗工し、乾燥、焼成することで形成できる。
1.凝集物の最大粒子径
JIS K5400(1900) 4.7.2線条法に従い、グラインドメーターを用いて測定した。すなわち、グラインドメーター(BYK社製)の溝に電解質ペーストを垂らし、スクレーバーを用いてしごき溝の中に厚さが連続して変化した電解質ペースト層を作る。この時、電解質ペースト中の凝集物による線条が、3本以上現れ始めた箇所の層の厚さを読み取り、凝集物の最大粒子径とした。なお、測定は3回行い、3回の平均値を求めた。
12%アンモニア水(和光純薬工業社製)50mlを直径約10cmの開口部を持ったガラス瓶に入れた。そのガラス瓶の開口部を塞ぐように、製造例で作製したハーフセルを電解質面が上になるように載せて、周囲をOリングでシールして固定した。続いて、1.0w/v%フェノールフタレインエタノール溶液(和光純薬工業社製)を電解質面上に滴下し全体に薄くのばした後、アスピレータを用いて電解質面側を減圧状態にした。そして、ガラス瓶中のアンモニアが電解質層を通過し、電解質面上のフェノールフタレインが呈色反応を起こし赤色に変化した場合、電解質層に貫通孔が存在すると評価した。
1−1.アノード支持基板グリーンシートの作製
導電成分としての酸化ニッケル(正同化学社製)60質量部、骨格成分としての8モル%イットリウム安定化ジルコニア粉末(第一希元素社製、商品名「HSY−8.0」)40質量部、空孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)10質量部、溶媒としてのトルエン60質量部とエタノール40質量部の混合溶剤、バインダーとしてのブチラール樹脂(積水化学社製、品名「BM−S」)10質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)3質量部、分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤2質量部を、ボールミルにより混合し、スラリーを調製した。
得られたスラリーを使用し、ドクターブレード法によりシート成形し、70℃で5時間乾燥させて、厚さ300μmのアノード支持基板グリーンシートを作製した。
導電成分としての酸化ニッケル(キシダ化学社製)60質量部、骨格成分としての8モル%イットリウム安定化ジルコニア粉末(第一希元素社製、商品名「HSY−8.0」)40質量部、空孔形成剤としてのカーボンブラック(SECカーボン社製、SGP−3)6質量部、溶媒としてのトルエン60質量部とエタノール40質量部の混合溶剤、バインダーとしてのブチラール樹脂(積水化学社製、品名「BM−S」)10質量部、可塑剤としてのジブチルフタレート(和光純薬工業社製)3質量部、分散剤としてのソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤2質量部を、ボールミルにより混合し、スラリーを調製した。
得られたスラリーを使用し、ドクターブレード法によりシート成形し、100℃で1時間乾燥させて、厚さ20μmのアノード層グリーンシートを作製した。
上記で得たアノード支持基板グリーンシートを4枚積層し、さらにその最上部に上記で得たアノード層グリーンシートを積層した。アノード支持基板グリーンシートとアノード層グリーンシートを積層したものを、ホットプレス機を用いて、60℃、0.5MPa、30秒間熱プレスし、積層体を作製した。
セラミックス粉末として8モル%イットリウム安定化ジルコニア粉末(第一希元素社製、商品名「HSY−8.0」、平均粒子径(D50)0.5μm、90体積%径(D90)0.9μm)60質量部、バインダーとしてエチルセルロース(和光純薬工業社製)を5質量部、溶媒としてα−テルピネオール(和光純薬工業社製)を40質量部、可塑剤としてジブチルフタレート(和光純薬工業社製)を6質量部、分散剤としてソルビタン酸エステル系界面活性剤(三洋化成社製、商品名「イオネットS−80」)5質量部を乳鉢を用いて混合した後、3本ロールミル(EXAKT technologies社製、型式「M−80S」、ロール材質;アルミナ)を用いて解砕した。ここで、3本ロールミルの隣り合うロール間の隙間は20μmに調節し、3本ロールミルによる解砕は3回行った。解砕後の電解質ペーストについて、凝集物の最大粒子径を測定し、表1に示した。
電解質ペーストを解砕する際において、3本ロールミルの隣り合うロール間の隙間を15μm、12μm、10μm、7μm、5μmまたは2μmに変更したこと以外は、製造例1と同様にして、アノード支持型ハーフセルを各20枚作製した。解砕後の電解質ペースト中の凝集物の最大粒子径、および電解質の貫通孔を確認し、結果を表1に示した。
Claims (3)
- アノード支持基板と、前記アノード支持基板に積層されたアノード層と、前記アノード層上に積層された電解質層とを有するアノード支持型ハーフセルを製造する方法であり、
少なくともセラミックス粉末、溶媒およびバインダーを混合して電解質ペーストを調製するペースト調製工程;
前記電解質ペースト中の凝集物を解砕する解砕工程;および、
前記電解質ペーストを用いて、スクリーン印刷により前記アノード層上に電解質層を形成する成層工程;を有するアノード支持型ハーフセルの製造方法であって、
前記解砕工程において、グラインドメーターにより計測される凝集物の最大粒子径が10μm以下になるまで解砕することを特徴とする製造方法。 - 前記解砕工程において、凝集物の解砕を、3本ロールミルを用いて行う請求項1に記載の製造方法。
- 前記3本ロールミルの各ロールの隙間を、1μm以上、10μm以下に設定する請求項2に記載の製造方法。
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