JP2006003536A - 画像形成装置及びこれに用いられる処理ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トナーカートリッジ40が純正品又は推奨品であると判別された場合(ステップS30においてNo)は,ステップS40に移行し,画像形成プロセスが順次実行されるが,トナーカートリッジ40が未確認品であると判別された場合(ステップS30においてYes)は,ステップS50に移行して,ステップS10において読み取った表示情報M及び/又は前記ステップS30における比較結果が表示される。
【選択図】 図5
Description
そこで,前記未確認品の使用に起因するトラブルや故障を防止するために,純正品又は推奨品と未確認品とを判別するための情報を記憶したICメモリタグを備えるICメモリタグ付カートリッジ(本発明における処理ユニットに相当)が特許文献1に示されている。
このようなICメモリタグ付カートリッジを使用する画像形成装置では,前記情報を読み取り,該読み取った情報に基づいて前記ICメモリタグ付カートリッジが未確認品であるか否かを判別することができる。したがって,前記判別結果が未確認品である場合には,ユーザに対して前記ICメモリタグ付カートリッジの交換を警告することによって,未確認品の使用を回避することができる。
たとえばメーカー等は,前記画像形成装置への未確認品の使用については保障をしない旨の警告,または,トラブルや故障につながる危険な状態や安全な使用のために避けるべき使用方法の警告を,ユーザに対して表示することで前記争いの発生をできるだけ少なくするよう努力している。したがって,前記画像形成装置を使用するユーザは,メーカー等による保障を確保するために前記表示を十分に確認する必要がある。また,前記表示には,たとえば,前記製品の製造者名,製造日,純正品又は推奨品の種別なども含まれる。
このような製造物責任に係る表示情報は一般的に,前記製品本体,包装材,若しくは取扱説明書などに記載されることによってユーザに表示されるが,前記画像形成装置の使用に際して前記表示情報を確認することは,ユーザにとって非常に煩雑な作業であり,また,前記表示情報が記載された媒体を紛失した場合には確認することができない。
このとき,前記予測結果は,純正品又は推奨品を使用することを前提として適切な交換時期を予測したものであるため,前記未確認品を使用する際には,その実際の適切な交換時期は予測できない。すなわち,前記予測結果と実際の適切な交換時期とが相違するため,場合によっては前記適切な交換時期を超過し,正常な画像形成をなしえない等の不具合を生じる可能性がある。
したがって,本発明によれば,ユーザによる前記処理ユニットの製造物責任に係る表示情報及び/又は前記処理ユニットの前記画像形成装置への適用性に関する情報の確実かつ容易な確認を実現することができる。
例えば,前記処理ユニットが未確認品である場合には,自動的に前記画像形成装置の動作を禁止したり,印字濃度の変更など画像形成プロセスの設定を変更したりすることによって,未確認品が使用された場合における前記画像形成装置の安全性及び信頼性を確保することができる。
このとき,ユーザによって前記画像形成装置の使用方法・運用が異なるため,前記比較結果に応じて自動的に処理を実行するのではなく,ユーザによる処理の選択を可能とする方向も残しておくことが望まれる。
そこで,本発明は,前記比較結果に応じて行う処理を,ユーザによる選択に委ね,前記選択に基づいて処理を行うことについても可能としている。
例えば,ユーザに当該画像形成装置の動作を許可するか否かを選択させるものであっても良い。
この場合,ユーザは,前記処理ユニットが未確認品である場合に,これを使用したくなければ前記画像形成装置の動作の不許可を選択することで,前記画像形成装置の安全性及び信頼性を確保し,また,コスト面やその他の事情から前記未確認品を使用したければ,前記画像形成装置の動作の許可を選択することで,前記未確認品を使用して前記画像形成装置を動作させることもできる。
これによって,メーカー等によるメンテナンス時にサービスマンが,前記蓄積された情報を参照し,該情報に基づいた多様のアドバイスをユーザに行うことや,前記画像形成装置の設定の変更など,適切な処置を行うことも可能となる。
このとき,前記表示情報は,前記比較情報を記憶する記憶手段に蓄積することによって,前記記憶手段を兼用することができる。これにより,コスト及び設置スペースの増大を抑制した構成が可能となる。
例えば,前記蓄積された表示情報が,前記画像形成装置に未確認品の前記処理ユニットが長期間或いは所定回数以上使用されていることを示す場合には,そのことをユーザに警告表示したり,画像形成プロセスの設定を変更するなど,前記蓄積された前記表示情報,即ち前記画像形成装置の使用状態に応じた処理を行うことができるため,前記画像形成装置の安全性及び信頼性が向上する。
これによって,例えば,前記処理ユニットが未確認品である場合や,過去に未確認品が所定回数以上使用されている場合など,前記処理ユニットの消費や劣化などが純正品又は推奨品を使用したときに比べて早まることが考えられる場合においても,実際の適切な交換時期を超過して生じる前記画像形成装置の不具合(正常な画像形成をなし得ない等)を未然に防止することができる。
また,前記比較情報を書き換えることができる構成を採用することができる。
これにより,たとえば新製品に対する対応,或いは純正品又は推奨品の追加,変更,削除に対する対応なども可能になり保守性に富むことになる。
ここに,図1は,本発明に係る画像形成装置Aの模式断面図,図2は,画像形成装置Aに装着されるトナーカートリッジ40(処理ユニット)の周辺の詳細図,図3は,表示情報Mの一例を示す図,図4は,比較情報Nの一例を示す図,図5は,画像形成装置Aにおける処理ユニット判別処理手順の一例を示すフローチャートである。
前記画像形成装置Aは,外部から入力された画像データに応じて,用紙等の記録紙に対して多色又は単色の画像を形成するカラー複写機或いはカラープリンタなどの画像形成部である。もちろん,前記画像形成装置Aは,カラープリンタに限られるものではなく,例えば,単色のみの画像を形成するプリンタや複写機であっても構わない。なお,この実施形態では,前記画像形成装置Aを,カラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるマゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y)にブラック(K)を加えた4色の各色成分(色相)に対応した画像データを用いて画像形成を行うカラープリンタとして説明する。
以下詳述するように,本実施形態は,画像形成装置に装着されて画像形成プロセスに関与する交換自在の処理ユニットに関する製造物責任に係る表示情報の確実かつ容易な確認を実現することに成功した画像形成装置に関するものであり,さらに,前記画像形成装置は,前記処理ユニットの該画像形成装置への適用性の比較を自動的に行った結果に関する情報をユーザに対して表示することも可能としている。これに関しては後段において詳説する。
なお,本実施形態では,前記処理ユニットの一例として,トナーを収納するトナーカートリッジを例に挙げて説明するが,これに限らず画像形成プロセスに関与するプロセスカートリッジ等の処理ユニットにおいても実施可能である。
前記現像ユニット2(2a〜2d),感光体ドラム3(3a〜3d),クリーナユニット4(4a〜4d),帯電器5(5a〜5d),及び中間転写ローラ6(6a〜6d)は,各色成分に応じてそれぞれ4個ずつ設けられており,また,ブラック,シアン,マゼンタ,イエローの各色成分に対応したトナーを収納したトナーカートリッジ40(40a〜40d,処理ユニットに相当)が夫々装着され,4つの画像形成部Pa〜Pdを構成している。これらの画像形成部Pa〜Pd夫々は,中間転写ベルト7の搬送方向B(図示する矢印B)の最上流側から下流に向かって順次一列に配設されており,ブラック,シアン,マゼンタ,イエローのトナーの可視像を前記中間転写ベルト7に現像するものである。
前記露光ユニット1は,前記帯電された感光体ドラム3を,外部のコンピュータなどから伝達された画像データに応じて露光することにより,前記感光体ドラム3の表面に前記画像データに応じた静電潜像を形成するためのユニットである。ここでは前記露光ユニット1は,レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いているが,他にも発光素子をアレイ状に並べたELやLED書込みヘッドなどを用いても良い。
前記現像ユニット2(2a〜2d)のそれぞれは,前記トナーカートリッジ40(40a〜40d)夫々から供給されるブラック,シアン,マゼンタ及びイエローの各色相のトナーを収納しており,感光体ドラム3(3a〜3d)のそれぞれに形成された各色相の潜像をブラック,シアン,マゼンタ及びイエローの各色相のトナー像に顕像化する。前記クリーナユニット4は,前記現像,画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
前記中間転写ローラ6は,感光体ドラム3上のトナー像を,該感光体ドラム3に接触するように設けられた中間転写ベルト7上に転写するための手段であり,高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。これによって,前記感光体ドラム3(3a〜3d)に形成された各色相のトナー像は中間転写ベルト7の外周面に順次重ねて転写され,該中間転写ベルト7の外周面に単色又はカラーのトナー像が形成される。このとき形成された前記トナー像は,前記画像形成装置Aに入力された前記画像データを形成している。
前記中間転写ローラ6は,たとえば直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)を素材とする軸の表面を導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により被覆して構成されており,前記弾性材により中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加する。また,中間転写電極部材としてローラ形状(図1参照)を使用しているが,それ以外にブラシ形状などを用いても良い。
また,画像形成装置Aの上部に設けられた前記排紙トレイ15は,印刷(画像形成)済みの前記シートを載置するためのトレイであり,ここでは,片面印刷時に印刷面が下向きで排出されるフェイスダウントレイを採用している。
前記給紙トレイ10或いは手差し給紙トレイ20から供給される前記シートを,転写ローラ11や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15まで送るために設けられた前記用紙搬送路Sの近傍には,前記シートの搬送を促進・補助するための小型の搬送ローラ25(25−1〜25−6),ピックアップローラ16(16−1,16−2),レジストローラ14,転写ローラ11,定着ユニット12等が配設されている。
前記ピックアップローラ16−1は,給紙トレイ10の端部に設けられ,給紙トレイ10から,シートを1枚毎に用紙搬送路Sに供給するための呼び込みローラであり,ピックアップローラ16−2は,手差し給紙トレイ20の端部に設けられ,手差し給紙トレイ20から,シートを1枚毎に用紙搬送路Sに供給するための呼び込みローラである。前記ピックアップローラ16−1又は16−2によって搬送ローラ25に導かれたシートは,搬送ローラ25夫々によって前記レジストローラ14に導かれる。
前記レジストローラ14は,用紙搬送路S上を搬送されているシートを一時的に保持し,中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ11に搬送するためのものである。
また,画像形成装置Aはシートに対する両面印刷が可能であり,両面印刷時には,前記搬送ローラ25−3まで搬送されたシートは,搬送ローラ25−3の逆回転により前記用紙搬送路Rに導かれ,前記用紙搬送路R上近傍に配設された搬送ローラ25−7,25−8によって再度前記用紙搬送路S上のレジストローラ14に導かれる。このとき,前記シートが,表裏面及び前後端を反転した状態で用紙搬送路Sに導かれることによって,前記シートの印刷がなされた面とは反対の面に対する印刷が可能となる。
そして,前記中間転写ベルト7上のトナー像は,シートが中間転写ベルト7と転写ローラ11との間を圧接されたまま通過することにより,シートに転写される。
前記感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー,若しくは転写ローラ11による前記シート上への転写が行われず中間転写ベルト7上に残存したトナーは,次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため,中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収される。前記中間転写ベルトクリーニングユニット9は,例えば,中間転写ベルト従動ローラ72で支持された中間転写ベルト7に接触して前記除去・回収を行うクリーニング部材としてクリーニングブレードを備えている。
以上,画像形成装置Aの概略構成,及び画像形成装置Aで実行される画像形成プロセスについて説明した。
まず,図2を用いて前記トナーカートリッジ40の詳細構成について説明する。
図2に示すように,前記トナーカートリッジ40は,該トナーカートリッジ40に隠蔽或いは露出して設けられ下記する製造物責任に係る表示を含む表示情報M(図3参照)を少なくとも記憶するICタグ41(41a,41b,41c,41d;記憶媒体に相当)と,回転自在に設けられたドッグクラッチ43(43a,43b,43c,43d)と,前記ドッグクラッチ43と連動して回転するように回転自在に設けられ該トナーカートリッジ40内のトナーを攪拌するための攪拌部材42(42a,42b,42c,42d)と,外部から該トナーカートリッジ40内のトナー残量を検出するための透明窓45(45a,45b,45c,45d)を有する凹部44(44a,44b,44c,44d)とを備えて構成されている。なお,上記透明窓45は,上記凹部44からトナーカートリッジ40内部へ突出した壁部の壁面を透明体で構成することで実現されている。
また,前記表示情報Mを判別するための比較対象となる下記する比較情報N(図4参照),及び前記判別を行うための処理ユニット判別プログラムが上記記憶手段に更に記憶されている(第1の記憶手段に相当)。
なお,本実施形態において,前記読取部46は読取手段の一例であり,電磁誘導を用いて非接触で前記ICタグ41に記憶された前記表示情報Mを読み取るものであるが,たとえば接触式あるいは非接触式の磁気カード方式など,その他前記表示情報Mを読み取ることができるものであればこれに限るものではない。但し,この場合,前記ICタグ41もこれに応じた記憶媒体であることが必要である。
前記ドッグクラッチ係合部47が,画像形成装置Aが備えるモータなどの駆動手段(不図示)によって必要に応じて回転駆動されると,これに対応して前記係合された前記トナーカートリッジ40のドッグクラッチ43が回転する。前記ドッグクラッチ43の回転に従って攪拌部材42が連動して回転し,トナーカートリッジ40内のトナーを攪拌することによって前記トナーの前記現像ユニット2への供給を促し,また前記トナーの固着などが防止される。
前記残量センサ48は,前記のように検出子49が,トナーカートリッジ40の凹部44に嵌挿されることによって前記凹部44が有する透明窓45から前記トナーカートリッジ40内のトナーの残量を検出することが可能となるが,この残量センサ48は前記トナーカートリッジ40の装着位置の位置決めとして利用しても良いし,装着確認用のセンサとしても利用可能である。
前記トナーカートリッジ40のICタグ41に記憶された前記表示情報Mは,図3に示すように,前記トナーカートリッジ40の製品名,製造番号,製造者名,原材料名,内容量,残量,使用期限,累積印刷回数,リサイクル数,製造者連絡先,メンテナンス連絡先,製造日の情報を含んでいる。また,これらの情報に限らず,他の情報を記憶させることによって更に有用に用いることももちろん可能である。
一方,前記表示情報Mを比較するために前記記憶手段に記憶された前記比較情報Nは,図4に示すように,前記トナーカートリッジ40の製品名,製造番号,製造者名,原材料名,内容量,残量,使用期限,累積印刷回数,リサイクル数,製造者連絡先,メンテナンス連絡先,製造日の情報を含んでいる。図4に,その一部の例として前記製品名,製造番号に関する比較情報を示しているが,同様に他の比較情報を有するものである。
本実施形態では,上記のような情報を含む概念をそれぞれ表示情報M,比較情報Nと呼ぶが,本発明における前記表示情報及び/又は前記比較情報は,たとえば少なくとも前記処理ユニットに関する,製品名,製造番号,製造者名,原材料名,内容量,残量,使用期限,累積印刷回数,リサイクル数,製造者連絡先,メンテナンス連絡先,製造日のいずれか1又は複数の情報を含むものである。
前記トナーカートリッジ40が画像形成装置Aの内部に装着されたことを不図示のセンサにより検出されると,前記制御手段によって前記処理ユニット判別プログラムが実行される。図5に示すように,まず,画像形成装置Aの読取部46によって,トナーカートリッジ40のICタグ41に記憶された前記表示情報Mが読み取られる(ステップS10,読取手段に相当)。
そして,前記読み取られた表示情報Mの一部又は全部は,前記表示部に表示される(ステップS20,表示手段に相当)。このときの表示内容は,初期設定で定められても良いし,画像形成装置Aの前記操作部などからユーザによる設定操作で定められても良い。このような表示によって,ユーザによる前記表示情報Mの容易な視聴が可能となる。
そこで,ステップS30においては,前記画像形成装置Aが備える前記記憶手段に記憶された前記比較情報Nと,前記読取部46によって読み取られた前記表示情報Mとが比較され,その同一性の照合により前記トナーカートリッジ40が純正品又は推奨品であるか,それとも未確認品であるかが自動的に判別される(比較手段に相当)。
前記比較の対象としては,表示情報Mと比較情報Nとの内容をすべて比較しても良いし,前記各情報の一部を比較するものであっても良い。
まず,前記ICタグ41に記憶された表示情報Mの中から製品名,製造番号に関する情報M1が読取部46によって読み出される。ここで,前記情報M1の製品名,製造番号は,「Aユニット,A0001」であるとする。
次に,前記記憶手段に記憶された比較情報Nから,前記情報M1を比較するための情報が抽出される。ここでは,例えば,図4に示す比較情報Nのアドレス「0000H〜0002H」に前記比較するための情報が記憶されているとする。
そして,前記情報M1「Aユニット,A0001」と,比較情報Nのアドレス「0000H〜0002H」の情報とが比較される。ここでは,図4に示すように,前記比較情報Nのアドレス「0000H」の情報が,前記情報M1の「Aユニット,A0001」と一致するので,トナーカートリッジ40は純正品又は推奨品であると判別される。もちろん一致しない場合には,トナーカートリッジ40は,未確認品であると判断される。
これによって,ユーザによるトナーカートリッジ40の製造物責任に係る表示情報及び/又はトナーカートリッジ40の画像形成装置Aへの適用性に関する情報の確実かつ容易な確認が実現される。
前記比較結果の表示は,例えば,「このトナーカートリッジは未確認品です。続けて使用される場合には動作・機器の保障はいたしません」や「機器に障害が生じる可能性があります」など,ユーザに対しての警告表示であることが考えられる。また,「この製品は…,…のトナーカートリッジが正常に使用できます」など,ユーザに対して,前記画像形成装置Aにおける純正品や推奨品の一覧などを表示するものであっても良い。
また,本実施形態では,前記トナーカートリッジ40が未確認品である場合に前記比較結果が表示されることとしているが,トナーカートリッジ40が純正品又は推奨品である場合においても,その結果が表示されることとしても良い。
なお,前記表示部への表示は,必ずしも前記画像形成装置Aが備える前記表示部に表示する必要はなく,前記各情報を表示することができれば,別途設けられた外部の表示手段に対して表示するものであっても良い。
前記所定の処理は,前記比較結果に応じて予め定められた処理が自動的に実行されるものであっても良く,たとえば前記トナーカートリッジ40が未確認品であれば,前記画像形成プロセスにおけるトナーの使用量を増加させて,適切な印刷濃度を確保することや,確認品のトナーカートリッジ40の前記画像形成装置Aへの使用を禁止するために,前記画像形成装置Aにおける画像形成の動作を禁止して,前記画像形成装置Aの安全性及び信頼性を確保する等が一例として考えられる。
しかし,ユーザによっては,前記画像形成装置Aの運用に当たり,コストを低減するため等に前記のような未確認品を使用することを望むこともあるため,前記のように全てのユーザに対して絶対的に前記未確認品の使用を禁止することは必ずしも望ましくない。前記トナーの濃度に関しても同様である。
ここでは,図2にその一例として,ユーザに前記トナーカートリッジ40が未確認品であった場合に,画像形成装置Aの動作を許可するか否かを選択させるものを示しているがもちろんこれに限られない。
ユーザによって前記未確認品であるトナーカートリッジ40をそのまま使用すること(動作許可ボタン)が選択されれば(ステップS60においてYes),前記ステップS40に移行し,前記未確認品を用いて前記画像形成プロセスが実行されて終了する。また,前記ユーザによって前記未確認品であるトナーカートリッジ40の使用を禁止すること(動作禁止ボタン)が選択されれば(ステップS60においてNo),前記画像形成装置Aの動作は禁止されて(ステップS70)終了する。
即ち,ユーザは,前記トナーカートリッジ40が未確認品である場合に,これを使用したくなければ前記画像形成装置Aの動作の不許可を選択することで,前記画像形成装置Aの安全性及び信頼性を確保し,また,コスト面やその他の事情から前記未確認品を使用したければ,前記画像形成装置Aの動作の許可を選択することで,前記未確認品を使用して前記画像形成装置Aを動作させることもできる。
そこで,本実施例1では,前記画像形成装置Aが過去に使用した前記トナーカートリッジなど処理ユニットの前記表示情報Mの履歴情報を前記記憶手段に蓄積することが提案される(第2の記憶手段に相当)。そのために,前記制御手段は,前記画像形成プロセス終了時,前記処理ユニットの装着時など,必要に応じて前記表示情報Mを履歴情報として前記記憶手段に蓄積する処理を実行する。
このとき前記記憶手段に記憶される前記蓄積情報は,容易に参照することができる状態で記憶されている。また,前記蓄積情報は,別途設けられた蓄積用記憶手段(第2の記憶手段に相当)に記憶されるものであっても構わない。
また,メーカー等によるメンテナンス時にサービスマンが前記蓄積情報を参照し,これに応じてユーザに多様なアドバイスを行うことや,画像形成装置Aに対して画像形成に関する設定の変更などの適切な処置を行うことなども可能となる。
前記画像形成装置Aを使用するユーザは,前記トナーカートリッジ40の適切な交換時期を予測できないので,自動的に前記センサ46により検出された前記トナー残量や,一度の画像形成で消費されるトナー量などに基づいて適正な前記交換時期(期間,回数など)を予測する機能を備える画像形成装置が一般的である。
そして,前記予測結果は,前記表示部によって適時ユーザに対して表示される。ユーザは,前記表示される前記予測結果に従って,トナーが切れる前にトナーカートリッジ40を交換したり,前記トナーカートリッジ40の交換部品を用意しておくことにより突然のトナー切れなどに備えること等が可能となる。
ところが,通常,前記予測は,前記画像形成装置Aに純正品又は推奨品のトナーカートリッジ40が使用される場合を基準に行われるため,未確認品を使用する場合を想定していない。前記トナーカートリッジ40や前記その他の処理ユニットが未確認品である場合に,その収納物などの消費や劣化などが,純正品又は推奨品を使用した場合に比べて遅くなる場合には問題は生じないが,逆に早まってしまう場合には,実際の適切な交換時期を超過してしまう危険性が生じる。前記適切な交換時期を超過すれば正常な画像形成ができないだけに止まらず,他の構成要素に影響を与えるなどの不具合が生じる。
このような不具合を防止するために,前記比較結果及び/又は前記蓄積情報に応じて,トナーカートリッジ40やその他の処理ユニットの交換時期の予測結果を短縮する手法(処理手段に相当)を採用することが望ましい。
これにより,前記トナーカートリッジ40が未確認品である場合や,前記画像形成装置Aに過去に未確認品の処理ユニットなどが長期間或いは所定回数以上使用されている場合などには,前記予測結果が短縮された交換時期がユーザに対して表示されるため,前記のように適切な交換時期を超過してしまう危険性を低減させることができる。
図6のフローチャートを用いて,前記処理ユニット判別プログラムが前記制御手段によって実行される処理ユニット判別処理手順の別の一例について説明する。なお,図5と同じ処理については同様の符号を付し,その説明を省略する。
本実施例2に係る画像形成装置Aは,図6に示すように,前記実施形態に係る処理手順に加えて以下に説明するステップS100,110,120を有することによって,前記のように適切な交換時期を超過してしまう危険性を低減する。ここでは,前記トナーカートリッジ40の前記予測結果を短縮する例について説明するが,上述したように,前記トナーカートリッジ40が未確認品である場合に悪影響を与えるその他の処理ユニットの前記予測結果を短縮しても良い。
(ステップS100)
前記ICタグ41に記憶された前記表示情報Mが読み取られ(ステップS10),該表示情報Mが表示された(ステップS20)後に続くステップS100では,前記センサ46により検出されたトナー残量や,1度の画像形成で消費されるトナー量などに基づいて適正な交換時期(期間,回数など)が予測される。トナーの消費量は,例えば,上記感光体ドラム3上のトナーや画像が転写されたシート上のトナーの濃度を不図示の反射光量センサで検出する等の方法が採用可能である。
(ステップS110)
ステップS30において,装着されたトナーカートリッジ40が未確認品ではないと判断された場合に続くステップS110では,前記予測結果が前記表示部に表示される。このとき,前記表示は,適時表示されることが望ましく,たとえばトナー残量の変化などの状況の変化に応じて表示するような方法が考えられる。
(ステップS120)
ステップS30において,装着されたトナーカートリッジ40が未確認品であると判断された場合に続くステップS120では,前記予測結果が前記比較結果,前記蓄積情報などに応じて短縮される。そして,前記ステップS110に移行し,前記短縮された予測結果が前記表示部に表示される。
以上のように,前記トナーカートリッジ40が未確認品である場合や,前記蓄積情報が前記画像形成装置Aで未確認品の処理ユニットなどが長期間或いは所定回数以上使用されていることを示すものである場合などには,前記交換時期を純正品又は推奨品を使用した場合に比べて早めに設定することによって,前記未確認品を使用した場合にも該未確認品の適正な交換時期を超過する可能性を低減することができ,前記画像形成装置Aの安全性及び信頼性の確保が期待できる。
従って,前記のように前記表示情報Mを書き換えるための表示情報書き換え手段,及び前記比較情報Nを書き換えるための比較情報書き換え手段を備えることが望ましい。
そこで,前記画像形成装置Aの前記記憶手段には,前記表示情報Mを書き換えるための表示情報書き換えプログラム及び前記比較情報Nを書き換えるための比較情報書き換えプログラムが更に記憶されている。そして,前記各プログラムが,前記制御手段によって実行されることによって,前記表示情報M及び前記比較情報Nの書き換えが可能となる。以下それぞれについて詳細に説明する。ここで言う書き換えは,上書きや新規情報の書込み,或いは情報の削除のことである。
まず,前記トナーカートリッジ40のICタグ41に記憶された前記表示情報Mを書き換えるためには,前記読取部46に代えて,前記ICタグ41の情報を読み取るだけではなく,たとえば電磁誘導により電力伝送するなどの方法により前記書き換え内容を前記トナーカートリッジ40のICタグ41に書き込む機能も有するリーダライタ部146を採用することが必要となる。このとき,前記リーダライタ部146に関しても前記読取部46と同様,たとえば接触式の磁気カード方式など,その他前記表示情報Mの読み取り及び書込みができるものであればこれに限るものではない。但し,この場合,前記ICタグ41もこれに応じた記憶媒体であることが必要である。
そして,前記表示情報書き換えプログラムが,前記制御手段によって実行されると,前記ICタグ41から前記表示情報Mが読み込まれ,該表示情報Mが,状況に応じて所定の事項について自動的に,或いは画像形成装置Aの前記操作部に対するユーザからの操作に応じて書き換えられて,前記書き換え内容が前記リーダライタ部146によって前記トナーカートリッジ40が備えるICタグ41に書き込まれる(表示情報書き換え手段に相当)。
また,前記書き換えは,前記画像形成装置Aにおいてのみ可能なわけではなく,外部に別途設けられた書き換え手段によっても書き換え可能であることが望ましい。ここで,前記書き換え手段は,前記トナーカートリッジ40が前記画像形成装置Aに装着された状態で前記画像形成装置Aに何らかの通信手段を用いてアクセスして前記書き換えを行うものであっても良いし,前記画像形成装置Aとは完全に独立して構成され,単独で前記書き換えを行うものであっても良い。
このとき,前記メーカー等以外の第三者も前記処理ユニットのリサイクル時や内容物の変更時などに応じて前記表示情報Mを書き換える必要があるため,前記表示情報Mの書式フォーマット(たとえば図3に示したように,どのアドレスに何に関する情報が記憶されているのか等のフォーマット)や書き換え方法(例えば書込み方法)など前記表示情報Mを書き換えるために必要な情報は,前記メーカー等によって例えばインターネット上のWebサイトや,取扱説明書などに一般的に開示されていることが望ましい。
前記比較情報書き換えプログラムが,前記制御手段によって実行されると,前記記憶手段から比較情報Nが抽出され,該比較情報Nが,状況に応じて所定の事項について自動的に,或いは画像形成装置Aの前記操作部に対するユーザからの操作に応じて書き換えられて,前記記憶手段に再度記憶される(比較情報書き換え手段に相当)。
これによって,たとえば前記画像形成装置Aにおける前記トナーカートリッジ40の新製品に対する対応,或いは純正品又は推奨品(メーカー等による承諾品)の追加・変更・削除に対する対応なども可能になる。
2…現像ユニット
3…感光体ドラム
4…クリーナユニット
5…帯電器
8…中間転写ベルトユニット
10…給紙トレイ
12…定着ユニット
15…排紙トレイ
R,S…用紙搬送路
20…手差し給紙トレイ
40…トナーカートリッジ(処理ユニット)
41…ICタグ(記憶媒体)
42…攪拌部材
43…ドッグクラッチ
47…ドッグクラッチ係合部
44…凹部
45…透明窓
46…読取部
48…残量センサ
49…検出子
146…リーダライタ部
S10,S20,,,…処理手順
Claims (16)
- 製造物責任に係る表示情報を少なくとも記憶する記憶媒体を備え画像形成装置に装着されて画像形成プロセスに関与する交換自在の処理ユニットの前記表示情報を読み取る読取手段と,
前記表示情報を判別するための比較情報を少なくとも記憶する第1の記憶手段と,
前記読取手段により読み取られた前記表示情報と前記第1の記憶手段に記憶された前記比較情報とを比較する比較手段と,
前記読取手段により読み取られた前記表示情報及び/又は前記比較手段による比較結果を表示する表示手段と,
を備えてなる画像形成装置。 - 前記表示情報及び/又は前記比較情報は,少なくとも前記処理ユニットに関する,製品名,製造番号,製造者名,原材料名,内容量,残量,使用期限,累積印刷回数,リサイクル数,製造者連絡先,メンテナンス連絡先,製造日のいずれか1又は複数の情報である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記処理ユニットが,トナーカートリッジ或いはプロセスカートリッジからなる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記比較手段の比較結果に応じて所定の処理を行う処理手段を更に備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記処理手段が,前記比較手段による比較結果に応じてユーザに処理を選択させる処理選択手段を含んでなるものである請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記処理選択手段が,当該画像形成装置の動作を許可するか否かを選択させるものである請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記読取手段により読み取られた前記表示情報を蓄積する第2の記憶手段を更に備えてなる請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段とが,同一の記憶手段からなるものである請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記処理手段が,前記第2の記憶手段に蓄積された前記表示情報に応じて,所定の処理を行うものである請求項7又は8に記載の画像形成装置。
- 前記処理ユニット,及び/又は当該画像形成装置に装着されて画像形成プロセスに関与するその他の処理ユニットの交換時期を予測する予測手段を更に備え,
前記処理手段が,前記比較手段による比較結果及び/又は前記第2の記憶手段に蓄積された前記表示情報に応じて,前記予測手段により予測される交換時期の予測結果を短縮するものである請求項4〜9のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記表示情報を書き換える表示情報書き換え手段を更に備えてなる請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記比較情報を書き換える比較情報書き換え手段を更に備えてなる請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
- 製造物責任に係る表示情報を少なくとも記憶する記憶媒体を備え,画像形成装置に装着されて画像形成プロセスに関与する交換自在の処理ユニット。
- 前記表示情報は,少なくとも前記処理ユニットに関する,製品名,製造番号,製造者名,原材料名,内容量,残量,使用期限,累積印刷回数,リサイクル数,製造者連絡先,メンテナンス連絡先,製造日のいずれか1又は複数の情報である請求項13に記載の処理ユニット。
- トナーカートリッジ或いはプロセスカートリッジからなる請求項13又は14に記載の処理ユニット。
- 前記表示情報が書き換え可能なものである請求項13〜15のいずれかに記載の処理ユニット。
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