JP2006002072A - プロピレン系重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、極性基である水酸基を含有するプロピレン系重合体を提供すること。
【解決手段】プロピレンと、水酸基含有オレフィンからなるプロピレン系重合体であって、(i) 該重合体中の水酸基含有オレフィン量が10mol%以下であり、(ii) 該重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって得られた重量平均分子量(Mw)が5000以上であり、(iii) 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比の値(Mw/Mn)が、1.0〜3.5の範囲にあり、(iv) 該重合体のDSCで測定した融点([Tm];℃)と核磁気共鳴(NMR)で測定した水酸基含有オレフィン量([−OH];mol%)とが、0<[−OH]≦3の場合は、下記関係式(Eq-1)を満たし、3<[−OH]≦10の場合は下記関係式(Eq-2)を満たすことを特徴とするプロピレン系重合体。
Figure 2006002072

【選択図】なし

Description

本発明はプロピレン系重合体に関し、さらに詳しくは、耐熱性に優れ、極性基である水酸基を有するプロピレン系重合体に関する。
ポリプロピレンは、加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などに優れているため、押出成形品、射出成形品、中空成形品、フィルム、シートなどに加工され、各種用途に用いられている。しかしながらポリポリプロピレンは、分子中に極性基を持たない、いわゆる無極性樹脂であるため、金属をはじめ種々の極性物質との親和性に乏しく、極性物質との接着または極性樹脂とのブレンドが困難であった。また、ポリプロピレンからなる成形体の表面は疎水性であり、防曇性、帯電防止性が必要な用途では、低分子量の界面活性剤などを配合する必要があり、界面活性剤のブリードアウトによる表面汚れなどの問題が起こる場合もあった。
こうした問題を解決するため、ポリプロピレンに極性基である水酸基を導入することが行なわれてきた。極性化合物(極性オレフィン)を導入する場合、一般的には、ラジカル開始剤の存在下にポリプロピレンと極性オレフィンを反応させる方法が行われているが、このような方法によって得られた極性基含有プロピレン重合体には、ラジカル重合性極性オレフィンの単独重合体や未反応のポリプロピレンが含まれる場合が多く、導入位置も不均一なものである。さらに、ポリマー鎖の架橋反応や分解反応を伴うため、ポリプロピレンの物性が大きく変化する場合が多かった。上記のような架橋・分解反応を伴わずにポリプロピレンに水酸基を導入する方法について、Polymer Journal (第31巻、332頁、1999年)には、末端に不飽和結合を有するポリプロピレンにアルミニウム化合物を付加させた後に酸素で酸化することによりポリプロピレン末端に水酸基を導入する方法が記載されている。しかしこれらの方法では、ポリオレフィン末端の水酸基への変換が効率的に行なわれない。特開2002−155109号公報、特開2002−145944号公報等には、水酸基含有オレフィン化合物を有機アルミニウム化合物で処理したアルミ変性モノマーをオレフィン重合体の製造に用いて、水酸基含有オレフィン重合体を得る方法が開示されている。しかし、これらの方法では耐熱性に優れたプロピレン系重合体は得られず、また単位触媒あたりの生産性が低いなどの問題がある。Polymer Preprints, Japan(50巻、1410頁、2001年)では、極性化合物とオレフィンとの共重合も報告されているが、極性化合物のポリマー鎖中への導入量の増加に伴い、ポリマー材料の耐熱性の低下を招き、使用範囲の制限されたプロピレン共重合体しか得られていない。このような課題を克服した水酸基含有プロピレン系重合体を効率良く製造できる方法の開発が望まれている。
特開2002−155109号公報 特開2002−145944号公報 Polymer Preprints, Japan(50巻、1410頁、2001年)
本発明者らはこのような従来技術のもと検討した結果、特定の触媒を用いてプロピレン系樹脂を製造すれば、耐熱性に優れ、従来供されていた重合体の課題を克服した新規なプロピレン系重合体が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明に係るプロピレン系重合体は、プロピレンと水酸基含有オレフィンから成るオレフィン系重合体であって、(i) 該重合体中の水酸基含有オレフィン量が10mol%以下であり、(ii) 該重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって得られた重量平均分子量(Mw)が5000以上であり、(iii) 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比の値(Mw/Mn)が、1.0〜3.5の範囲にあり、(iv) 該重合体のDSCで測定した融点([Tm];℃)と核磁気共鳴(NMR)で測定した水酸基含有オレフィン量([−OH];mol%)とが、0<[−OH]≦3の場合は、下記関係式(Eq-1)を満たし、3<[−OH]≦10の場合は下記関係式(Eq-2)を満たすことを特徴とするプロピレン系重合体。
Figure 2006002072
また本発明のプロピレン系重合体は、メタロセン化合物を含んだ触媒成分から製造されることを特徴とするプロピレン系重合体である。
本発明で見出されたオレフィン系重合体は、耐熱性などの機械物性に優れ、極性物質との親和性に優れる水酸基含有のプロピレン系重合体として、工業的に極めて利用価値の高いものである。
以下、本発明に係るプロピレン系重合体について具体的に説明する。
本発明に係るプロピレン系重合体は、プロピレンと水酸基含有オレフィンとの共重合によって得られるプロピレン系重合体である。
本発明に用いられる水酸基含有オレフィンとしては、水酸基含有のオレフィン系化合物であれば特に制限無く用いられる。水酸基含有オレフィンとして具体的には、例えばビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状の水酸化α-オレフィン;例えば水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状の水酸化α-オレフィンが挙げられる。
本発明に用いられる水酸基含有オレフィン類は、1種類であっても良く、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。
本発明に用いられる水酸基含有オレフィンは、該重合体中に10mol%以下の量で含まれている。好ましくは7mol%以下であり、より好ましくは5mol%以下である。更に好ましくは3mol%以下である。
本発明に係るプロピレン系重合体においては、請求範囲に記載した要件を満たす範囲において、エチレンおよび炭素原子数4〜20のオレフィンから選ばれる、少なくとも1種以上のオレフィンを含んでいても良い。
本発明において用いられる、炭素原子数2〜20のオレフィンとしては、例えば直鎖状または分岐状のα-オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能化ビニル化合物などが挙げられる。
直鎖状または分岐状のα-オレフィンとして具体的には、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状のα-オレフィン;例えば3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセンなどの好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状のα-オレフィンが挙げられる。
環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどの炭素原子数3〜20、好ましくは5〜15のものが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、およびα-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノまたはポリアルキルスチレンが挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエンなどの炭素原子数4〜20、好ましくは4〜10のものが挙げられる。
非共役ポリエンとしては、例えば1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペンル-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10のものが挙げられる。
官能化ビニル化合物としては、ハロゲン化オレフィン、アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸などの不飽和カルボン酸類、アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミンなどの不飽和アミン類、(2,7−オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物および上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸無水物基に置き換えた化合物などの不飽和酸無水物類、上記不飽和カルボン酸類にある化合物の例示において、カルボン酸基をカルボン酸ハライド基に置き換えた化合物などの不飽和カルボン酸ハライド類、4−エポキシ−1−ブテン、5−エポキシ−1−ペンテン、6−エポキシ−1−ヘキセン、7−エポキシ−1−ヘプテン、8−エポキシ−1−オクテン、9−エポキシ−1−ノネン、10−エポキシ−1−デセン、11−エポキシ−1−ウンデセンなどの不飽和エポキシ化合物類などが挙げられる。
上記ハロゲン化オレフィンとして具体的には、例えば塩素、臭素、よう素等周期律表第17族原子を有する、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化−1−ブテン、ハロゲン化−1−ペンテン、ハロゲン化−1−ヘキセン、ハロゲン化−1−オクテン、ハロゲン化−1−デセン、ハロゲン化−1−ドデセン、ハロゲン化−1−テトラデセン、ハロゲン化−1−ヘキサデセン、ハロゲン化−1−オクタデセン、ハロゲン化−1−エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状のハロゲン化α-オレフィン;例えばハロゲン化−3−メチル−1−ブテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−メチル−1−ペンテン、ハロゲン化−3−エチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ハロゲン化−4−メチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−4−エチル−1−ヘキセン、ハロゲン化−3−エチル−1−ヘキセンなどの好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の分岐状のハロゲン化α-オレフィンが挙げられる。
本発明に用いられる上記オレフィン類は、1種類であっても良く、2種類以上の組み合わせで用いることもできる。
本発明に係るプロピレン系重合体中の、エチレンおよび炭素原子数4〜20のオレフィンの含量は、特に制限は無いが、40mol%以下であることが好ましく、より好ましくは20mol%以下、更に好ましくは10mol%以下である。
本発明に係るプロピレン系重合体は、例えばNMR等を用いた測定によって明らかとなるその立体規則性は、アイソタクティシティーが50%以上、あるいはシンジオタクティシティーが50%以上のポリオレフィンのいずれであってもよい。
本発明に係るオレフィン系重合体の分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で5,000以上である。より好ましくは10,000〜10,000,000の範囲にである。また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)は、1.0〜3.5の範囲である。Mw/Mnの値が大きいと、該重合体の靭性等の機械物性を発現するのに不利である。該重合体のMw/Mnの値が1.0〜3.5の範囲にあれば、靭性等の機械物性を発現するのに有利であり、工業的に価値がある。該重合体のMw/Mnの値は好ましくは1.0〜3.0の範囲であり、より好ましくは1.0〜2.8の範囲である。
本発明に係るオレフィン系重合体の、デカン可溶部量の割合は好ましくは3重量%以下である。デカンにより抽出される量が多いと、成型加工性の悪化を招き工業的に不利である。より好ましくは1重量%以下である。
本発明において重要なのは、本発明に係るプロピレン系重合体が、該重合体のDSCで測定した融点([Tm];℃)と核磁気共鳴(NMR)で測定した水酸基含有オレフィン量([−OH];mol%)が、0<[−OH]≦3の場合は、下記関係式(Eq-1)、好ましくは(Eq-1’)を満たし、3<[−OH]≦10の場合は下記関係式(Eq-2)、好ましくは(Eq-2’)を満たすことである。
Figure 2006002072
Figure 2006002072
オレフィン系重合体の融点が高ければ、該重合体に耐熱性を付与するために有利である。ただし、その融点(Tm)の上限は製法上の制約から通常、180℃以下、好ましくは170℃以下である。
次に、本発明に係るオレフィン系重合体の製造方法について説明する。
本発明に係るオレフィン系重合体の製造に用いられるオレフィン重合触媒は、従来公知のいずれの触媒であってもよい。従来公知の触媒としては、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、メタロセン触媒などが挙げられ、例えば国際公開特許WO01/53369、WO01/27124、特開平3−193796あるいは特開平02−41303
中に記載の触媒が好適に用いられる。
本発明にかかるオレフィン系重合体の製造には、下記一般式[1]、[2]または[3]で表されるメタロセン化合物を用いたオレフィン重合触媒が好適に用いられる。
Figure 2006002072
Figure 2006002072
(式[1]または[2]中、R2は炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R3からR10までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
本発明において、上記一般式[1]または[2]のR2は、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれる。また上記一般式[1]または[2]のR1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル-1-シクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、2-メチル-2-アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2-フェニルエチル、1-テトラヒドロナフチル、1-メチル-1-テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。
ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素数1〜4、炭素数3〜20のアルキルまたはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。なお、R2は立体的に嵩高い置換基であることが好ましく、炭素数4以上の置換基であることがより好ましい。
フルオレン環上のR3からR10までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基として、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
また、フルオレン環上のR3からR10の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR3=R10、R4=R9、R5=R8、R6=R7であることが好ましく、無置換フルオレン、3,6-二置換フルオレン、2,7-二置換フルオレンまたは2,3,6,7-四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR5、R8、R4、R9に対応する。
上記一般式[1]のR11とR12は、水素、炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
Yは炭素またはケイ素である。一般式[1]の場合は、R13とR14はYと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シリレン基を構成する。好ましい具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
一般式[2]の場合は、 Yは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基Aと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
本発明において、一般式[1]または[2]のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。Qはハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。
ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1、2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であるのが好ましい。
本発明における上記メタロセン化合物の具体例としては、WO01/27124中に例示される化合物が好適に挙げられるが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。
本発明にかかるオレフィン系重合体は、下記一般式[3]で表されるメタロセン化合物を用いたオレフィン重合触媒によっても好適に製造される。
Figure 2006002072
(式中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、R2、R4、R5およびR6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1と同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、R3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数6〜16のアリール基を示す。X1およびX2はハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、Yは炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−、−AlR−(但し、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子または窒素原子に炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基である)を示す。)
式中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、具体的にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシルなどのアルキル基;ビニル、プロペニルなどのアルケニル基などが挙げられる。これらのうちインデニル基に結合した炭素原子が1級のアルキル基が好ましく、さらに炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
2、R4、R5およびR6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1と同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基を示す。R3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数6〜16のアリール基を示し、具体的にはフェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどが挙げられる。これらのうちフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルであることが好ましい。これらのアリール基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニリル、α-またはβ-ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどのアリール基などの炭素原子数1〜20の炭化水素基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリルなどの有機シリル基で置換されていてもよい。
1およびX2は、互いに同一でも異なっていてもよく、前記一般式(1)および(2)中のQと同義である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。Yは炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−、−AlR−(但し、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子または窒素原子に炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基であり、これらのうち、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のアルキレン基、2価のホウ素原子含有ボロニル基であることが好ましく、2価のケイ素含有基、2価のアルキレン基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン、アルキルアルキレン、アリールアルキレンであることがより好ましい。
上記一般式(3)で表されるメタロセンの具体的な例としては、特開2002−155019号公報記載のメタロセン化合物を例示することができるが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。
また上記のような化合物中のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。本発明では、メタロセンのラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。このようなメタロセンは、Journal of Organometallic Chem.288(1985)、第63−67頁、ヨーロッパ特許出願公開第0,320,762号明細書に準じて製造することができる。
本発明の方法にかかるオレフィン系重合体の製造が、メタロセン触媒を用いて行なわれる場合、触媒成分は
(A)上記一般式[1]、[2]または[3]で表されるメタロセン化合物と、
(B)(B-1) 有機金属化合物、
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3) メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物、
さらに必要に応じて、
(C)微粒子状担体
から構成される、一般に公知の方法で重合触媒として用いることが出来、例えばWO01/27124記載の方法を採用することが出来る。
本発明では、プロピレンと水酸基含有オレフィンとの共重合体は、特開2002−155109号公報、特開2000−290313号公報、特開平8−109218号公報、特開2002−167412号公報等において開示されている方法によって製造することができる。具体的には、プロピレン;上記例示されるアリルアルコール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オールのような不飽和アルコール類を、既知のチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて共重合することによって製造することが可能である。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施できる。液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、重合に用いる4−メチル−1−ペンテンを含んだオレフィン類自身を溶媒として用いることもできる。
重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。
成分(B-1) は、成分(B-1) と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1) /M〕が、通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。成分(B-2) は、成分(B-2) 中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-2) /M〕が、通常10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。成分(B-3) は、成分(B-3) と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3) /M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
また、このようなオレフィン重合触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜400℃、好ましくは10〜300℃、より好ましくは10〜250℃の範囲である。重合温度が低すぎると単位触媒あたりの重合活性が低下してしまい、工業的に好ましくない。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
重合に際して生成ポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加することができ、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
本発明において、4-メチル-1-ペンテンとともに重合反応に供給されるオレフィンとしては、炭素数2〜20のオレフィン、特に炭素数2〜10のα−オレフィンが好ましい。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、ビニルシクロヘキサン、スチレン等が挙げられる。
また、さらにブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン等の炭素数4〜20のジエン、あるいは、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン等の環状オレフィン、あるいは、アリルトリメチルシラン、ビニルトリメチルシラン等のケイ素含有オレフィン等が挙げられる。
これらの4-メチル-1-ペンテンを含むオレフィンは、単独で重合しても、2種類以上の組み合わせで重合してもよい。このような共重合体として、4-メチル-1-ペンテン単位が80ないし100重量%、及びエチレン及び/または他のα−オレフィン単位が20ないし0重量%からなる共重合体がある。
(用途)
本発明に係るプロピレン系重合体は、水酸基を含有するポリオレフィン材料として、塗装性、接着性、印刷性等に優れた材料として用いられる。例えば、自動車外装材、樹脂フィルムとの張り合わせ、表面印刷用樹脂等に用いられる。またアルミニウム等の金属蒸着用フィルム樹脂として、高バリア性を付与した樹脂としても用いられる。さらに、他樹脂とのポリマーアロイ用相溶化剤としても好適に用いられる。その他、カレンダー成形、押出成形、射出成形、ブロー成形、プレス成形、スタンピング成形などの各種成型よって加工することができ、射出成型品、中空容器、フィルムシート、繊維など以外にも、その用途としては制限無く用いることができる。
本発明に係るオレフィン系重合体は、樹脂、ゴム、潤滑油用基材、ワックス、セメントまたはインキ・塗料とを含むオレフィン系重合体組成物であってもよい。
本発明に係るオレフィン系重合体は、本発明以外の熱可塑性樹脂とを含んでなる分散体として、水性樹脂分散体、油性樹脂分散体として、好適に用いられる。熱可塑性樹脂の配合量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂100重量部に対し、上記オレフィン系重合体を、通常0.01〜150重量部、必要に応じて充填剤を0.01〜300重量部、好ましくはオレフィン系重合体を0.1〜20重量部、充填剤を0.1〜40重量部、さらに好ましくはオレフィン系重合体を0.5〜10重量部、充填剤を0.5〜20重量部の量で用いることが好ましい。
本発明に係るオレフィン系重合体は、水酸化マグネシウムなどの無機充填材またはビニルトリメトキシシランなどの架橋剤と併用して用いることができる。必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲において、各種の添加剤、例えば軟化剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、結晶核剤などを配合することができる。
本発明に係るオレフィン系重合体と磁性粉を混練することにより、優れた磁気記録用素材を得ることができる。この場合、オレフィン系重合体と磁性粉との配合比率(オレフィン系ブロック共重合体/磁性粉:重量比)は、99/1〜10/90であることが好ましい。また、これらはプラスチックマグネットとして文房具などに好ましく用いることができる。
本発明では必要に応じて、無機フィラーを添加して使用することもできる。これらの添加量は、接着性樹脂100重量部に対して、前記オレフィン系ブロック共重合体は通常5〜50重量部、好ましくは5〜20重量部であり、無機フィラーは通常10〜60重量部、好ましくは20〜40重量部であることが望ましい。
以下に実施例を示し、さらに本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
本発明において、重合体の融点(Tm)は、示差走査熱量測定(DSC)によって、200℃で5分間保持した重合体サンプルを、20℃まで冷却して5分間保持した後に、10℃/分で昇温させたときの結晶溶融ピークから算出した。
分子量(Mw、Mn)は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー:ポリスチレン換算)により測定した。
攪拌器を備え、十分に窒素置換した内容積1000mlのガラス製重合器に、トルエン(800ml)を導入し、プロピレンガス(100NL/h)を供給しながら温度を40℃に保った。トリイソブチルアルミニウム(22mmol)と1−ウンデセノール(20mmol)を加え10分間攪拌した後、メチルアルモキサン(MAO、アルベマール社製、10%トルエン溶液)3mmol[Al]で活性化されたジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド(0.003mmol)を重合器内に加え、温度を40℃に保ちながら15分間重合を行った。メタノールを重合器内に導入して重合を終了し、重合液を2Lの塩酸含有のメタノール中に注ぎ込み、濾過によりポリマーを回収した。減圧下80℃で10時間乾燥し、得られたポリマーは17.9gであった。ポリマーはTm=132.7℃、GPCで測定したMw=456,000、Mn=155,000であり、Mw/Mn=2.9であった。1H−NMR測定から得られたポリマー中のOH基含量は、1.94mol%であった。
トリイソブチルアルミニウムを11mmol、1−ウンデセノールを10mmol用い、水素を5NL/hで供給した以外は実施例1と同様に重合を行い、25.2gのポリマーが得られた。ポリマーはTm=150.3℃、GPCで測定したMw=95,000、Mn=37,000であり、Mw/Mn=2.6であった。1H−NMR測定から得られたポリマー中のOH基含量は、0.66mol%であった。
攪拌器を備え、十分に窒素置換した内容積1000mlのガラス製重合器に、トルエン(800ml)を導入し、プロピレンガス(100NL/h)を供給しながら温度を60℃に保った。トリイソブチルアルミニウム(44mmol)と1−ウンデセノール(40mmol)を加え10分間攪拌した後、メチルアルモキサン(MAO、アルベマール社製、10%トルエン溶液)3mmol[Al]で活性化されたイソプロピル(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド(0.003mmol)を重合器内に加え、温度を60℃に保ちながら15分間重合を行った。メタノールを重合器内に導入して重合を終了し、重合液を2Lの塩酸含有のメタノール中に注ぎ込み、濾過によりポリマーを回収した。減圧下80℃で10時間乾燥し、得られたポリマーは9.2gであった。ポリマーはTm=111.0℃、GPCで測定したMw=98,000、Mn=42,000であり、Mw/Mn=2.3であった。1H−NMR測定から得られたポリマー中のOH基含量は、4.41mol%であった。
〔比較例1〕
イソプロピル(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(5.1mg)の代わりに、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(4.2mg)を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行ない、40.4gのポリマーが得られた。ポリマーはTm=115.4℃、GPCで測定したMw=55,000、Mn=21,000であり、Mw/Mn=2.6であった。1H−NMR測定から得られたポリマー中のOH基含量は、2.30mol%であった。
本発明の、水酸基含有プロピレン系重合体は水酸基含有量、融点共に高いという特徴を持つことから、耐熱性が要求される各種の用途に好適に使用される。

Claims (3)

  1. プロピレンと、水酸基含有オレフィンからなるプロピレン系重合体であって、(i) 該重合体中の水酸基含有オレフィン量が10mol%以下であり、(ii) 該重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって得られた重量平均分子量(Mw)が5000以上であり、(iii) 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比の値(Mw/Mn)が、1.0〜3.5の範囲にあり、(iv) 該重合体のDSCで測定した融点([Tm];℃)と核磁気共鳴(NMR)で測定した水酸基含有オレフィン量([−OH];mol%)とが、0<[−OH]≦3の場合は、下記関係式(Eq-1)を満たし、3<[−OH]≦10の場合は下記関係式(Eq-2)を満たすことを特徴とするプロピレン系重合体。
    Figure 2006002072
  2. メタロセン化合物を含んだ触媒成分から製造されることを特徴とする請求項1記載のプロピレン系重合体。
  3. メタロセン化合物が、下記一般式[1]、[2]または[3]の構造であることを特徴とする請求項2記載のプロピレン系重合体。
    Figure 2006002072
    Figure 2006002072
    (式[1]および[2]中、R2は炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R3からR10までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
    Figure 2006002072
    (式中、M1は周期表第4族の遷移金属原子を示し、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、R2、R4、R5およびR6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子またはR1と同様の炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、R3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数6〜16のアリール基を示す。X1およびX2はハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、Yは炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−BR−、−AlR−(但し、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子または窒素原子に炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基である)を示す。)
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