JP2005105147A - ランダム共重合体及びその製造方法 - Google Patents

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英昭 萩原
Takeshi Ishihara
毅 石原
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ホアン・テ・バン
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Takeshi Shiono
毅 塩野
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Abstract

【課題】 オレフィン部分の立体規則性が著しく高く、かつ極性基含有量が高い新規なオレフィン系ランダム共重合体、及び該ランダム共重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとの共重合体であって、極性基含有ビニルモノマー単位の含有量が5モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、アイソタクティックトライアッドにて95%以上であるランダム共重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、α‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとの新規なランダム共重合体及びその製造方法に関し、特に、メタロセン系触媒により得られる上記ランダム共重合体及びその製造方法に関する。
従来、無極性樹脂であるポリオレフィンに極性基を含有させることにより、ポリオレフィン樹脂に接着性、染色性、印刷性及び他の樹脂との相溶性を付与して、高機能化する技術が数多く検討されてきている。該高機能化ポリオレフィンを製造する方法として、α‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとを共重合させる方法が挙げられる。該方法は、極性基含有共重合体、特に極性基含有量が高い共重合体を得るためには優れた方法と考えられるが、十分な収率で共重合体が得られないと言う問題があった。従来のチーグラー・ナッタ触媒では、ビニルモノマーの極性基が、該触媒の活性点に配位し、重合活性が損なわれることから、十分な活性が得られなかった。
α‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとの共重合法として、メタロセン系触媒を用いる方法が最近検討されてきている。例えば、ビス(置換シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドとメチルアルモキサン触媒の存在下に、エチレン、プロピレン等のα‐オレフィンと、10‐ウンデセン‐1‐オール、9‐デセン‐1‐オール、10‐ウンデセン酸等の含酸素ビニルモノマーとを直接共重合する方法が知られている(非特許文献1参照)。しかし、該方法で得られた共重合体のオレフィン部分は立体規則性を持たず、専らアモルファス構造であり、機械的強度に劣っていた。
本発明者らは既に、特定のメタロセン系触媒を使用して、炭素数が3以上のα‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとの共重合体であって、極性基含有量が5モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、アイソタクティックトライアッドにて70%以上であるランダム共重合体を製造することに成功している(特許文献1)。しかし、該メタロセン系触媒ではオレフィン部分の立体規則性をアイソタクティックトライアッドにて95%以上にすることができなかった。従って、例えば、得られたポリプロピレンランダム共重合体は、通常基材として使用されるポリプロピレンに比べて立体規則性が低い故、該基材との接着性、相溶性が未だ十分ではなかった。そこで、該基材との接着性、相溶性を高めるために、より立体規則性に富んだ共重合体が望まれていた。
エチレン及び/又はプロピレンと炭素数6以上のオレフィンとを共重合するに際して、共役五員環配位子を有する所定の物質と有機アルミニウム化合物とを組み合わせて成る触媒を使用する方法が開示されている(特許文献2)。また、プロピレンとその他の炭素数C2〜C10アルケン‐1とを共重合するに際して、所定の金属とアルミニウム酸化物オリゴマーとのメタロセン錯体を活性構成として有する触媒を使用する方法が開示されている(特許文献3)。いずれの方法も、α‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとの共重合に関するものではない。また、得られた共重合体は極性基を持たず、かつ立体規則性も不十分であり、高機能化ポリオレフィンとして不十分であった。
Aaltonen,et al.,Eur.Polym.J.,Vol.33,No.8.p1187−1190,1997、Hakala,et al.,Eur.Polym.J.,Vol.34,No.8.p1093−1097,1998、George J.Jiang,et al.,Polym.Prepr.(ACS,Div.Polym.Chem.)Vol.39,p318,1998 特開2002‐201225号公報 特開平11‐116632号公報 特表平8‐510492号公報
本発明は、オレフィン部分の立体規則性が著しく高く、かつ極性基含有量が高い新規なオレフィン系ランダム共重合体、及び該ランダム共重合体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、所定の架橋メタロセン化合物を用いて、所定のα‐オレフィンと極性基含有ビニルモノマーとを共重合すると、従来、高くても92%程度であったオレフィン部分のアイソタクティックトライアッドを95%以上と著しく高くし得ると共に、極性基含有量を高くし得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとの共重合体であって、極性基含有ビニルモノマー単位の含有量が5モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、アイソタクティックトライアッドにて95%以上であるランダム共重合体である。
好ましい態様として、
(2)α‐オレフィンがプロピレンである上記(1)記載のランダム共重合体、
(3)極性基含有ビニルモノマーが、ハロゲン、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、エポキシ基及びニトリル基より成る群から選ばれる少なくとも1種の基を含有するビニルモノマーである上記(1)又は(2)記載のランダム共重合体、
(4)極性基含有ビニルモノマーが水酸基含有ビニルモノマーである上記(1)又は(2)記載のランダム共重合体、
(5)オレフィン部分の立体規則性が、アイソタクティックトライアッドにて97%以上である上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のランダム共重合体
を挙げることができる。
また、本発明は、
(6)下記一般式(I)で表される架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物を含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとを共重合させる、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のランダム共重合体の製造方法である。
Figure 2005105147
(式中、R1及びR4は、夫々独立して炭素数6〜20のアリール基を表し、R2及びR3は、夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは周期表のIV族金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、かつQは架橋結合基を表す。)
好ましい態様として、
(7)極性基含有ビニルモノマーの極性基をルイス酸と錯化又は反応させて極性基を保護し、次いで、該ビニルモノマーを炭素数が3以上のα‐オレフィンと共重合させ、次いで、得られた共重合体中の保護された極性基を脱保護する、上記(6)記載のランダム共重合体の製造方法、
(8)架橋メタロセン化合物において、一般式(I)のMがZr、Ti又はHfである上記(6)又は(7)記載のランダム共重合体の製造方法、
(9)架橋メタロセン化合物において、一般式(I)のMがZrである上記(6)又は(7)記載のランダム共重合体の製造方法、
(10)架橋メタロセン化合物において、一般式(I)のR1及びR4が、夫々独立してフェニル基、ベンジル基、ナフチル基又はアントリル基を表すところの上記(6)〜(9)のいずれか一つに記載のランダム共重合体の製造方法、
(11)一般式(I)で表される化合物が、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド又はジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリドである上記(6)又は(7)記載のランダム共重合体の製造方法、
(12)ルイス酸が、アルミニウム化合物、ホウ素化合物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物、リチウム化合物又はシラン化合物である上記(6)〜(11)のいずれか一つに記載のランダム共重合体の製造方法、
(13)ルイス酸がアルキルアルミニウム化合物である上記(6)〜(11)のいずれか一つに記載のランダム共重合体の製造方法
を挙げることができる。
本発明は、オレフィン部分の立体規則性が著しく高く、かつ極性基含有量が高い新規なオレフィン系ランダム共重合体、及び該ランダム共重合体を製造する方法を提供する。このようにオレフィン部分の立体規則性が著しく高いことにより、立体規則性を有する樹脂基材、例えば、ポリプロピレン基材との接着性及び相溶性を著しく向上し得ると共に、極性基含有量が高いことから、塗料による染色性及び極性ポリマー等との接着性及び相溶性を高く保持し得る。
本発明において使用するα‐オレフィンは、炭素数が3以上、好ましくは3〜22、より好ましくは3〜8であり、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。該α‐オレフィンとして、例えば、プロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、3‐メチル‐1‐ブテン、3‐メチル‐1‐ペンテン、3‐エチル‐1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ペンテン、4‐メチル‐1‐ヘキセン、4,4‐ジメチル‐1‐ヘキセン、4,4‐ジメチル‐1‐ペンテン、4‐エチル‐1‐ヘキセン、3‐エチル‐1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デセン、1‐ドデセン、1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、1‐オクタデセン、1‐エイコサン、1−ドコセン等が挙げられる。好ましくは、プロピレン、1‐ブテン、1‐ペンテン、1‐ヘキセン、4−メチル‐1‐ペンテン、3‐メチル‐1‐ペンテン、1‐オクテン、3‐メチル‐1‐ブテンが挙げられる。特に好ましくは、プロピレンが使用される。これらは単独で用いてもよいし、又は上記モノマーの少なくとも1種と任意の割合で混合して用いてもよい。
本発明において使用する極性基含有ビニルモノマーは、例えば、含ハロゲン基、含窒素基、含酸素基、含硫黄極性基を有する。該極性基としては、好ましくは、ハロゲン、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、エポキシ基、ニトリル基等が挙げられる。該極性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、5‐ヘキセン‐1‐オール、2‐メチル‐3‐ブテン‐1‐オール、10‐ウンデセン‐1‐オール、12‐トリデセン‐2‐オール、10‐ウンデカノイック酸、メチル‐9‐デセネート、t‐ブチル‐10‐ウンデセネート、1,1‐ジメチル‐2‐プロペン‐1‐オール、9‐デセン‐1‐オール、3‐ブテン酸、3‐ブテン‐1‐オール、N−(3‐ブテン‐1‐イル)フタルイミド、5‐ヘキセン酸、5‐ヘキセン酸メチル、5‐ヘキセン‐2‐オン、アリルアルコール、アリルアミン、アリルメルカプタン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、又は上記モノマーの少なくとも1種と任意の割合で混合して用いてもよい。
本発明のランダム共重合体において極性基含有ビニルモノマー単位の含有量は、5モル%以上、好ましくは10モル%以上であり、上限は好ましくは95モル% 、より好ましくは90モル% である。該含有量が上記下限未満では、本発明のランダム共重合体に優れた接着性、印刷性、相溶性等の性能を付与することができない。ここで、極性基含有ビニルモノマー単位の含有量とは、共重合体中の全モノマー単位数に対する極性基含有ビニルモノマー単位数の割合をパーセントで示したものである。また、オレフィン部分の立体規則性は、アイソタクティックトライアッドにて95%以上、好ましくは97%以上であり、上限は100%であり得る。ここで、トライアッドとは、隣接するモノマー単位3個から成る連鎖状態を言い、アイソタクティックトライアッドとは、隣接するモノマー単位3個が、同一のプロキラル面を選択して挿入された連鎖状態を言い、かつ上記の値は、共重合体中のオレフィン部分の全トライアッド数に対するアイソタクティックトライアッド数の割合をパーセントで示したものである。アイソタクティックトライアッドが上記下限未満では、例えば、立体規則性プロピレン基材との優れた接着性、相溶性等の機能を、本発明のランダム共重合体に付与できない。本発明のランダム共重合体は、数平均分子量の上限が好ましくは150,000であり、より好ましくは120,000であり、更に好ましくは70,000であり、下限が好ましくは5,000であり、より好ましくは7,000であり、更に好ましくは8,000である。上記下限未満では、機械的強度が劣り、上記上限を超えては接着性、相溶性が劣る。
本発明のランダム共重合体は、好ましくは、所定の架橋メタロセン化合物とアルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、上記α−オレフィンと上記極性基含有ビニルモノマーとを共重合させることにより得られる。
本発明で用いる架橋メタロセン化合物は、下記一般式(I)で表される2個のインデニル基配位子を有する化合物である。高立体的なインデニル基を有することにより、α‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとのランダム共重合反応において、極性基含有ビニルモノマーの反応性をコントロールすることができる。
Figure 2005105147
上記の式中、R1及びR4は、夫々独立して炭素数6〜20のアリール基、好ましくは炭素数6〜14のアリール基を表す。より好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基又はアントリル基から選ばれる。R2及びR3は、夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。Mは周期表の第IV族金属を表し、好ましくはZr、Ti又はHfであり、特に好ましくはZrである。2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。これらのうち、Xとして特に塩素が好ましい。Qは架橋結合基を表す。架橋結合基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、シクロヘキシレン基等の(シクロ)アルキレン基、又はシリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基等のシリレン基が挙げられる。このうち、メチレン基、エチレン基及びジメチルシリレン基が好ましい。
本発明で用いる架橋メタロセン化合物としては、例えば、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)チタニウムジクロリド、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレン(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(8‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,8‐ジメチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)チタニウムジメチル、メチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ハフニウムジメチル、エチレン(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレン(8‐メチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレン(2,8‐ジメチル‐4‐フェニルインデニル)(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)チタニウムジメチル、エチレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(ベンズインデニル)ハフニウムジメチル、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジメチル、ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ハフニウムジメチル等が挙げられる。これらの中で、エチレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド及びジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリドが好ましい。これらは単独で使用してもよいし、又は複数種併用して使用することもできる。
本発明で上記架橋メタロセン化合物と共に用いられるアルモキサンとしては、例えば、下記一般式(II)又は(III)で表されるメチルアルモキサンが挙げられる。
Figure 2005105147
Figure 2005105147
(式(II)及び(III)中、nは0〜40、好ましくは2〜30の整数である。)
一般式(II)及び(III)の化合物は、トリメチルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。メチルアルモキサンは、他のトリアルキルアルミニウムと水から得られるアルモキサン、例えば、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等と複数種併用して用いることもできる。
メチルアルモキサンは、公知の方法で調製することができる。例えば、 (イ)トリメチルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ロ)トリメチルアルミニウムを、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、(ハ)トリメチルアルミニウムをシリカゲル等に含浸させた水分と反応させる方法、(ニ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、該混合物を、結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法、(ヘ)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、これをトリメチルアルミニウムで追加処理する方法、(ト)メチルアルモキサン及びイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら2成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、(チ)ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5水塩等の結晶水を有する塩を入れ、マイナス40〜40℃位の温度条件下にてトリメチルアルミニウムと反応させる方法(この場合、使用する水の量は、トリメチルアルミニウムに対して、モル比で通常0.5〜1.5である)が挙げられる。このようにして得られたメチルアルモキサンは、上記一般式(2)又は(3)に示すような、線状又は環状の有機アルミニウムの重合体である。
本発明で用いるホウ素化合物としては、例えば、Ph3CB(C6F5)4、PhNMeHB(C6F5)4、B(C6F5)3等の化合物が挙げられる。
上記の架橋メタロセン化合物とアルモキサン又はホウ素化合物を含有する触媒を用い、炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとをランダム共重合する共重合反応は、気相又は液相のいずれでも実施することができる。重合温度は、−100℃〜100℃、好ましくは0〜50℃である。重合圧力は、好ましくは0.1〜60気圧である。炭素数が3以上のα‐オレフィン及び極性基含有ビニルモノマーの量は、重合温度、重合圧力、重合方法等に依存して変化し、通常当業者に公知の量で使用され得る。得られる重合体の分子量の調節は、水素又は他の公知の分子量調節剤を存在せしめることにより行われる。液相で実施する場合には、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は液状α‐オレフィンモノマー中で行うことができる。また、本発明の共重合反応は、反応容器内のモノマー組成比が実質的に変わらないよう制御し得る方法で実施することが好ましく、例えば、連続式、半回分式又はバッチ式で実施することができる。該重合反応は一段でも二段以上で行ってもよい。
溶液重合の場合、架橋メタロセン化合物の濃度は、1×10-4〜1×10-2モル/リットルが好ましい。アルモキサンの使用量は、架橋メタロセン化合物1モル当たり好ましくは50〜1000モル、より好ましくは100〜500モルである。また、ホウ素化合物の使用量は、架橋メタロセン化合物1モル当たり好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.8〜1.2モルである。
また、本ランダム共重合反応系には、上記アルモキサン以外にアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムを存在させてもよい。ランダム共重合系中のアルモキサン濃度が、用いるモノマー濃度より低いと、酸素原子上に存在する孤立電子対が、金属カチオンに配位して触媒を被毒することがある。しかし、過剰のアルキルアルミニウムが存在すると該アルミニウムが優先的に酸素原子に配位して金属の被毒を防ぐ役割をし得るため好ましい。
水酸基、アミノ基等の反応性の高い極性基を含有するビニルモノマーを用いて、ランダム共重合体を製造するに際しては、極性基含有ビニルモノマーの極性基をルイス酸と錯化又は反応させて極性基を保護し、次いで、該ビニルモノマーを炭素数が3以上のα‐オレフィンと共重合させ、次いで、該共重合体から極性基に結合された保護原子団をはずして、最初の極性基に戻す方法を用いることが好ましい。極性基の保護に用いるルイス酸としては、例えば、アルミニウム化合物、ホウ素化合物、アルキル亜鉛化合物、アルキルマグネシウム化合物、アルキルリチウム化合物、シラン化合物等が挙げられる。特に極性基が水酸基である場合は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物を用いることが好ましい。
例えば、末端水酸基含有ビニルモノマーである5‐ヘキセン‐1‐オールの末端水酸基を、トリメチルアルミニウムとを反応させ、メチルアルミニウムジ(5‐ヘキセノキサイド)又はジメチルアルミニウム(5‐ヘキセノキサイド)を合成し、次いで、α‐オレフィンと該メチルアルミニウムジ(5‐ヘキセノキサイド) 又はジメチルアルミニウム(5‐ヘキセノキサイド)を共重合させ、次いで、得られた共重合体を酸性アルコール溶液で加水分解することにより、脱アルミニウム反応を行い、水酸基を生成させる方法がある。また、5‐ヘキセン‐1‐オールとトリイソブチルアルミニウムとを反応させ、ジイソブチルアルミニウム(5‐ヘキセノキサイド)を合成して、上記と同様にして実施することもできる。
(実施例)
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
得られた共重合体の構造解析は、1H‐NMRと13C‐NMRを使用して行った。
(1)1H‐NMR:日本電子社製GSX‐270、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、270MHz、パルス角45゜、パルス間隔8秒、120℃、積算回数64回の条件で測定した。試料は、共重合体10ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
(2) 13C‐NMR:日本電子社製GSX‐270、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、67.8MHz、パルス角45゜、パルス間隔3秒、120℃、積算回数20000回の条件で測定した。試料は、共重合体60ミリグラムを重テトラクロロエタン0.5ミリリットルに溶解して用いた。
極性基含有ビニルモノマー単位の含有量は、1H‐NMRスペクトルにおいて、極性基に隣接するメチレンプロトン積分値とそれ以外のプロトン積分値の和に対する、極性基に隣接するメチレンプロトン積分値の割合から算出した。アイソタクティックトライアッドは、13C‐NMRにおいて、規則性によって分裂して観測される側鎖部分の積分値の比から算出した。
得られた共重合体の融点はDSCにより測定した。
DSC:マックサイエンス社製DSC3100SRを用い、−100℃から200℃まで昇温速度10℃/分で測定した。解析にはセカンドスキャンのデータを用いた。試料は共重合体5ミリグラムをアルミニウムパンに封入して用いた。
得られた共重合体の分子量はGPCにより測定した。
GPC:ポリマーラボラトリー社製PL‐GPC220を用い、トリクロロベンゼンを溶媒として140℃で測定した。試料は0.05〜0.1重量%濃度に調製し、ポリスチレン標準試料を使用して解析した。
実施例において使用した架橋メタロセン化合物は下記のようにして製造したものである。
(1)ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド:W.Spaleck et al.,Organometallics.,13,954(1994)に従って調製したものである。
(2)ジメチルシリレンビス(2‐メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリド:H. H. Brintzinger et al.,Organometallics.,13,964(1994)に従って調製したものである。
実施例及び比較例において使用した極性基含有ビニルモノマーは5-ヘキセン-1-オールである。5-ヘキセン-1-オールは下記のようにして予め水酸基を保護して重合に供した。
1000ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、乾燥ヘキサン300ミリリットル及びトリイソブチルアルミニウム200ミリリットル(793ミリモル)を導入した。反応系を−78℃に冷却し、5-ヘキセン-1-オール92ミリリットル(780ミリモル)を温度上昇に気をつけながら、ゆっくりと滴下した。攪拌しながら反応系を室温まで自然上昇させた。次いで、溶媒のヘキサンを減圧留去して、透明かつ粘稠な液体として、i-Bu2Al(OC48CH=CH2)180グラムを得た(収率96%)。
50ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、トルエン23ミリリットル、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/リットル)1.5ミリリットル及びi‐Bu2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)を導入した。室温で攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレンで溶液を飽和させて全体を1気圧とした。次いで、ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/リットル)1ミリリットルを導入して重合を開始し、継続的にプロピレンを導入しながら80秒間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した。次いで、内容物を大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより、極性基からの脱アルミニウム及び共重合体の沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体1.06グラムを得た(活性:9800kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が41,000、分子量分布(Mw/Mn)が2.1であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は9モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は98%であった。
ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドに代えて、ジメチルシリレンビス(2-メチルベンズインデニル)ジルコニウムジクロリドを使用して3分間共重合を行った以外は、実施例1と同じく実施した。その結果、共重合体0.50グラムが得られた(活性:2000kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が41,000、分子量分布(Mw/Mn)が2.2であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は5モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は97%であった。
500ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、キシレン230ミリリットル、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/リットル)7.5ミリリットル及びi‐Bu2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)を導入した。−20℃にて攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレン1.0グラムを導入し、アルゴンで飽和させて全体を1気圧とした。次いで、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.005モル/リットル)5ミリリットルを導入して重合を開始し、1時間毎にプロピレンを0.5グラムずつ導入しながら、−20℃で5時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した。次いで、内容物を大量の希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより、極性基からの脱アルミニウム及び共重合体の沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体2.5グラムを得た(活性:20kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が114,000、分子量分布(Mw/Mn)が2.1であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は6モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド「mm」は99%であった。また、DSCにより求めた共重合体の融点は112℃(融解エンタルピー7.6cal/g)であった。
アルゴンに代えて水素で飽和させた以外は、実施例3と同じく実施した。その結果、共重合体1.9グラムが得られた(活性:15kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が10,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.7であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は5モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は98%であった。また、DSCにより求めた共重合体の融点は126℃(融解エンタルピー13.4cal/g)であった。
500ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、キシレン220ミリリットル、メチルアルモキサンのトルエン溶液(2.1モル/リットル)7.5ミリリットル及びi‐Bu2Al(OC48CH=CH2)10ミリリットル(36ミリモル)を導入した。以下、プロピレンを0.4グラムずつ導入しながら共重合を行ったこと以外は、実施例3と同じに実施した。その結果、共重合体1.5グラムが得られた(活性:12kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が44,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.8であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は12.6モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は97%であった。
プロピレン0.45グラムを導入し、アルゴンで飽和させ、かつプロピレンを0.2グラムずつ導入しながら共重合を行ったこと以外は、実施例5と同じに実施した。その結果、共重合体0.7グラムグラムが得られた(活性:6kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体を1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は20.3モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は97%であった。
(比較例1)
架橋メタロセン化合物として、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド(上記の特許文献1の架橋メタロセン化合物)を使用した以外は、実施例1と同じに実施した。その結果、共重合体1.07グラムが得られた(活性:12800kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体を1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は6モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は93.5%であった。
(比較例2)
50ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、トルエン16ミリリットル、メチルアルモキサンのトルエン溶液(3.14モル/リットル)2ミリリットル及びi‐Bu2Al(OC48CH=CH2)10ミリリットル(35ミリモル)を導入した。室温で攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレンで溶液を飽和させて全体を1気圧とした。次いで、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(上記の特許文献1の架橋メタロセン化合物)のトルエン溶液(0.005モル/リットル)2ミリリットルを導入して重合を開始し、継続的にプロピレンを導入しながら2分間共重合を行った。次いで、実施例1と同じに重合を停止し、沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体1.43グラムを得た(活性:4304kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が12,900、分子量分布(Mw/Mn)が2.78であった。また、1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5-ヘキセン-1-オールの含有量は20モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は87%であった。
(比較例3)
50ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、トルエン23ミリリットル、メチルアルモキサンのトルエン溶液(3.14モル/リットル)1ミリリットル及びi‐Bu2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)を導入した。−20℃にて攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレン0.51グラムを導入し、アルゴンで飽和させて全体を1気圧とした。ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(上記の特許文献1の架橋メタロセン化合物)のトルエン溶液(0.005モル/リットル)1ミリリットルを導入して重合を開始し、−20℃で30分間共重合を行った。次いで、実施例1と同じに重合を停止し、沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体0.34グラムを得た(活性:135kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体を1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は10モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は92%であった。
(比較例4)
50ミリリットルのガラス製反応容器に磁気攪拌子を入れ、三方コックを接続した。系内を十分に窒素置換した後、トルエン23ミリリットル、メチルアルモキサンのトルエン溶液(3.14モル/リットル)3ミリリットル及びi‐Bu2Al(OC48CH=CH2)5ミリリットル(18ミリモル)を導入した。−20℃にて攪拌しながら系内を減圧脱気した後、プロピレン1.0グラムを導入し、アルゴンで飽和させて全体を1気圧とした。ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(上記の特許文献1の架橋メタロセン化合物)のトルエン溶液(0.005モル/リットル)1ミリリットルを導入して重合を開始し、−20℃で30分間共重合を行った。次いで、実施例1と同じに重合を停止し、沈殿を行った。該沈殿物を濾過、乾燥して、共重合体0.27グラムを得た(活性:108kg/mol・Zr・h)。
得られた共重合体を1H‐NMR及び13C‐NMRにより解析したところ、共重合体中の5‐ヘキセン‐1‐オールの含有量は5モル%であり、かつプロピレン連鎖部の規則性を示すアイソタクティックトライアッド[mm]は90%であった。
本発明は、オレフィン部分の立体規則性が著しく高く、かつ極性基含有量が高い新規なオレフィン系ランダム共重合体、及び該ランダム共重合体を製造する方法を提供する。該共重合体は、著しく立体規則性が高く、かつ多くの極性基がポリマー中に存在する高機能化ポリオレフィンであり、多くの用途が見込まれ、塗料用添加剤、自動車外装・内装部材等の工業的用途に有用である。

Claims (3)

  1. 炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとの共重合体であって、極性基含有ビニルモノマー単位の含有量が5モル%以上であり、かつオレフィン部分の立体規則性が、アイソタクティックトライアッドにて95%以上であるランダム共重合体。
  2. 下記一般式(I)で表される架橋メタロセン化合物と、アルモキサン又はホウ素化合物とを含有する触媒の存在下に、炭素数が3以上のα‐オレフィンと、極性基含有ビニルモノマーとを共重合させる、請求項1記載のランダム共重合体の製造方法
    Figure 2005105147
    (式中、R1及びR4は、夫々独立して炭素数6〜20のアリール基を表し、R2及びR3は、夫々独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Mは周期表のIV族金属を表し、2個のXは、夫々独立してハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、かつQは架橋結合基を表す。)。
  3. 極性基含有ビニルモノマーの極性基をルイス酸と錯化又は反応させて極性基を保護し、次いで、該ビニルモノマーを炭素数が3以上のα‐オレフィンと共重合させ、次いで、得られた共重合体中の保護された極性基を脱保護する、請求項2記載のランダム共重合体の製造方法。
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